(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
積層方向最外層の前記ハウジングには、前記基部の前縁部からリブ状に立ち上がった形態であり、前記端子収容室に収容された前記端子金具の前方への移動を規制する前壁部が形成されており、
前記検知リブは、前記基部の後端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本発明のコネクタにおいて、積層方向最外層の前記ハウジングには、前記基部の前縁部からリブ状に立ち上がった形態であり、前記端子収容室に収容された前記端子金具の前方への移動を規制する前壁部が形成されるようにしてもよい。また、前記検知リブは、前記基部の後端部に設けられるようにしてもよい。
積層方向最外層のハウジングには、基部の前縁部からリブ状に立ち上がる前壁部が形成されているので、基部における前端側の部分は剛性が高くなっている。これに対し、基部の後端部は、前端部と比較して剛性が弱いので撓みやすくなっている。この撓みやすい位置に検知リブを設けることで、干渉時における端子金具と抜止部の不正な変形等を防止できる。
【0010】
(2)前記最外層のハウジングの前記基部には、前記保持部の積層方向の略延長線上に配され、前記最外面から積層方向外方に突出したガイドリブが形成されるようにしてもよい。また、前記ガイドリブの積層方向への突出端面の位置は、前記検知リブの積層方向への突出端面と積層方向に揃っているか、又は前記検知リブの積層方向への突出端面よりも積層方向外方に位置するようにしてもよい。
この構成では、検知リブの積層方向への突出端面が、最外層のハウジングの基部が積層方向外方に撓んでいない状態においては、ガイドリブの積層方向への突出端面と積層方向に揃っているか、ガイドリブの積層方向への突出端面よりも積層方向内方に引っ込んでいる。これに対し、検知リブの積層方向への突出端面は、最外層のハウジングの基部が積層方向外方に撓んだ状態においては、ガイドリブの積層方向への突出端面よりも積層方向外方に張り出す。したがって、検査用冶具をガイドリブの積層方向への突出端面に摺設させた状態で検知リブ側に水平移動させれば、検知リブが当接したか否かによって、端子金具が半挿入状態となっているか否か検知することができる。このように、ガイドリブの積層方向への突出端面を基準位置とすることで、端子金具の半挿入状態を簡単且つ正確に検知することが可能となる。
【0011】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を
図1〜
図16を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後方向については、
図5,9,10における下方及び
図13,14における左方(不図示の相手側コネクタと嵌合する方向)を前方と定義する。上下方向については、複数のハウジング2,3の積層方向を上下方向と定義する。具体的には、
図3,4,7,8,11〜16にあらわれる上下方向をそのまま上下方向と定義する。左右方向については、上下方向及び前後方向と直交する方向を左右方向と定義する。
【0012】
<コネクタ1>
本実施例1のコネクタ1は、
図1に示すように、複数(本実施例1では2つ)のハウジング2,3を互いに積層状態に組み付けた構成をなしている。コネクタ1は、平面視において左右方向に長い略矩形状をなしており、正面視において左右方向に長い扁平形状をなしている。各ハウジング2,3は、合成樹脂製であり、正面視において左右方向に長い扁平形状をなしている。
【0013】
<第1ハウジング2>
第1ハウジング2は、
図2〜
図5に示すように、複数の雌端子金具80を収容する第1端子収容部10と、第1端子収容部10の上面に形成されたロックアーム11と、ロックアーム11の左右方向において第1端子収容部10の上面に形成された誤嵌合防止リブ12と、誤嵌合防止リブ12の後端部上面に載置するように配された架設部13と、を備えている。
【0014】
第1端子収容部10は、正面視において左右方向に長い扁平形状をなしている。第1端子収容部10は、平板状の第1基部15を備えている。第1基部15の下側(第2ハウジング3側)には、複数の雌端子金具80を個別に収容可能な複数の第1端子収容室16が形成されている。各第1端子収容室16は、前後方向に細長い空間である。隣り合う第1端子収容室16は、第1基部15の下面(第2ハウジング3側の面)から下方(第2ハウジング3側)に延びる第1隔壁17によって区画されている。雌端子金具80は、第1基部15の下面(第2ハウジング3側の面)に沿って幅方向(本実施例1では左右方向)に並列に収容される。
【0015】
第1端子収容室16は、後方に開放しており、後方から雌端子金具80が挿入される。第1端子収容室16に収容された雌端子金具80は、第1前壁部18によって前方への移動が規制される。第1前壁部18は、第1基部15の前端縁から下方(第2ハウジング3側)に向けてリブ状に突出して左右方向に延びている。第1前壁部18は、第1基部15に対して略直交する方向へ突出し、第1基部15の全幅に亘って連続して形成されており、且つ1つの第1前壁部18が、全ての第1端子収容室16の前端を閉塞する形態となっている。
【0016】
第1前壁部18の前面には、複数の第1タブ挿入口19が開口している。各第1タブ挿入口19は、夫々、第1端子収容室16の前端縁に連通している。第1タブ挿入口19には、不図示の相手側端子金具(雄端子金具)の雄タブが挿入可能とされている。雌端子金具80は、第1タブ挿入口19を通じて第1端子収容室16内まで進入した雄タブと接触可能となっており、雄タブと接触することで電気的に接続される。
【0017】
第1端子収容室16の左右両側には、第1基部15の左右両端縁から下方(第2ハウジング3側)に突出して前後方向に延びる第1側壁部20が形成されている。第1側壁部20の前端縁は、第1前壁部18の左右両端縁と連続している。
【0018】
第1端子収容室16の下側(第2ハウジング3側)には、
図5に示すように、左右両側の第1側壁部20をつなぐ第1梁部23,24,25が設けられている。第1梁部23,24,25は、第1端子収容室16の並び方向に延びるように配されている。第1梁部23,24,25は、第1端子収容部10の後端部から前方(第1前壁部18側)に向けて順番に配されている。第1前壁部18と第1前側梁部23との間、第1前側梁部23と第1後側梁部24との間、第1後側梁部24と第1後端梁部25との間には、それぞれ隙間が形成されている。
【0019】
なお、上述した第1前壁部18における左右両側部、上縁部、及び第1タブ挿入口19間の仕切部は、第1隔壁17、及び第1梁部23,24,25よりも肉厚に形成されている。
【0020】
第1端子収容部10には、第1前側梁部23の前端面から前方に向けて片持ち状に延びる第1ランス26が形成されている。第1ランス26は、第1端子収容室16に挿入された雌端子金具80を弾性的に引っ掛けて、雌端子金具80の後方への抜けを防止することができる。第1ランス26は、各第1端子収容室16に対応して設けられている。雌端子金具80が第1端子収容室16に挿入されると、第1ランス26は雌端子金具80に押されて弾性変形する。さらに雌端子金具80が進入して正規位置に到達すると、雌端子金具80と第1ランス26が干渉しなくなるので、第1ランス26は弾性復帰する。これにより、雌端子金具80は、第1ランス26に引っ掛かり、後方への抜けが防止される。第1ランス26の下面(第1端子収容室16側とは反対側の面、第2ハウジング3側の面)には、略水平方向の延びる第1背合わせ面26Aが形成されている。
【0021】
第1端子収容部10には、第1前側梁部23と第1後側梁部24を連結した形態の複数の第1抜止部27が形成されている。第1抜止部27は、第1前側梁部23と第1後側梁部24との連結部分から下方(第2ハウジング3側)に突出した略ブロック状をなしている。各第1抜止部27は互いに一定の間隔をあけて第1端子収容室16の並び方向(本実施例1では左右方向)に配されている。第1抜止部27同士の間隔は、後述の第2抜止部57の幅寸法と同じか、あるいは第2抜止部57の幅寸法よりも大きく形成されている。
【0022】
各第1抜止部27の上面(第1端子収容室16側の面)は、第1前側梁部23の上面(第1端子収容室16側の面)と面一状に形成されており、第1後側梁部24の上面(第1端子収容室16側の面)とも面一状に形成されている。
【0023】
各第1抜止部27は、第1梁部23,24,25の下面(第2ハウジング3側の面)よりも下方(第2ハウジング3側)に突出して、下方(第2ハウジング3側)に露出している。第1抜止部27の下面(第2ハウジング3側の面)は、第1干渉後面27Aと、第1干渉接続面27Bと、第1干渉前面27Cとを有している。第1干渉後面27Aは、第1抜止部27の下面の後端部を構成しており、略水平方向に沿って延びている。第1干渉前面27Cは、第1抜止部27の下面の前端部を構成しており、第1干渉後面27Aよりも下方(第2ハウジング3側)に配され、略水平方向に沿って延びている。第1干渉接続面27Bは、第1干渉後面27Aの前端縁と第1干渉前面27Cの後端縁に連続しており、後方から前方に向けて下方(第2ハウジング3側)に向かって傾斜している。
【0024】
第1抜止部27の前面は、第1規制面27Dを構成しており、略垂直方向に沿って延びている。第1抜止部27の前面は、第1前側梁部23の後面と前後方向に揃っているか、あるいは第1前側梁部23の後面よりも後方の位置に配されている。第1抜止部27の後面は、第1後側梁部24の前面と前後方向に揃っているか、あるいは第1後側梁部24の前面よりも前方の位置に配されている。
【0025】
複数の第1抜止部27は、左右方向両端に配された一対の第1片側抜止部27Xと、一対の第1片側抜止部27Xの間に配された複数の第1両側抜止部27Yと、から構成されている。第1片側抜止部27Xは、第1両側抜止部27Yよりも左右方向の幅寸法が小さい点で、第1両側抜止部27Yと異なる。
【0026】
隣り合う2つの第1抜止部27の間には、後述する第2抜止部57が挿通する第1挿通孔28が形成されている。第2抜止部57は、第1挿通孔28を通じて、第1端子収容室16内に進入可能となっている。第1挿通孔28は、隣り合う2つの第1端子収容室16が下方から目視可能となるように形成されている。したがって、1つの第2抜止部57は、第1挿通孔28を通じて、隣り合う2つの第1端子収容室16内に進入可能となっている。
【0027】
第1ハウジング2(第1端子収容部10)の左右両側面の前端部の下端部には、
図2,3に示すように、左右方向外方に突出した回動軸部30が形成されている。回動軸部30は、側面視において略下半分が半楕円形状をなしており、略上半分が矩形状をなしている。回動軸部30の上面は、略水平方向に沿って延びた形状をなしている。
【0028】
第1ハウジング2(第1端子収容部10)の左右両側面には、回動軸部30の周りを左右方向内方に凹ませた嵌合溝部31が形成されている。嵌合溝部31は、回動軸部30の後側に位置する部分が下方(第2ハウジング3側)に開放している。嵌合溝部31は、回動軸部30の上側に位置する部分が前方に開放している。嵌合溝部31には、後述する回動軸受部66が嵌まり込むことが可能となっている。
【0029】
第1ハウジング2(第1端子収容部10)の左右両側面の後端部には、後述する第2ハウジング3のロック板部62が引っ掛かってロックされるロック受部32が形成されている。ロック受部32の左右方向外側面は、正面視において下端縁から上方に向けて左右方向外方に上るように傾斜した傾斜面32Aと、この傾斜面32Aの上端縁から略鉛直方向に沿って延びる滑り面32Bと、を有している。この滑り面32Bの上端縁は、ロック受部32の上面を構成する受面32Cと連続している。受面32Cは、略水平方向に沿って延びている。上述の第1抜止部27は、前後方向においてロック受部32よりも前方に位置し、第1前壁部18よりも後方に位置している。
【0030】
第1ハウジング2の左右両側面の上縁部には、左右両側面から左右方向外方に突出して前後方向に延びる上端リブ33が形成されている。上端リブ33は、第1ハウジング2の前端部(前端縁よりも少し後方寄りの位置)から後端縁まで延びている。
【0031】
第1ハウジング2の左右両側面の後端縁には、左右両側面から左右方向外方に突出して上下方向に延びる後端リブ34が形成されている。後端リブ34は、左右両側面の上下方向全領域に亘って形成されている。後端リブ34の上端縁は、上端リブ33の後端縁と連続している。後端リブ34の前端面は、ロック受部32の後端面と連続している。
【0032】
ロックアーム11は、第1端子収容部10(第1基部15)の左右方向中央部における上面から上方に向けて突出した形状をなしている。ロックアーム11は、相手側コネクタの受部(図示省略)に引っ掛かってロックし得る。ロックアーム11は、第1端子収容部10の上面における左右方向中央部の前端部から起立した支持部11Aと、支持部11Aの上端部から後方へ片持ち状に延びる延設部11Bと、延設部11Bの上面から積層方向外方(本実施例1では上方)に突出したロック片11Cと、を備えている。
【0033】
誤嵌合防止リブ12は、第1端子収容部10の上面から起立して前後方向に延びている。誤嵌合防止リブ12としては、第1端子収容部10の左右両側端縁から起立した2つの外側誤嵌合防止リブ12Aと、各外側誤嵌合防止リブ12Aとロックアーム11との間に配された2つの内側誤嵌合防止リブ12Bと、が設けられている。各誤嵌合防止リブ12の前端面は、第1端子収容部10の前端面と面一状に形成されている。各誤嵌合防止リブ12は、第1端子収容部10の前後方向全領域に亘って形成されている。上述した上端リブ33は、外側誤嵌合防止リブ12Aの左右方向外側面の上端縁から左右方向外方に突出している。
【0034】
架設部13は、左右方向に並べて配された全ての誤嵌合防止リブ12をつなぐように、誤嵌合防止リブ12の後端部上面に配されている。架設部13は、コネクタ1が相手側コネクタ(図示省略)と嵌合したときに、前端面が相手側コネクタの一部と当接することで、嵌合方向への移動を規制することができる。
【0035】
<第2ハウジング3>
第2ハウジング3は、第1ハウジング2に対して、第1ハウジング2の下側から組み付けられる。第2ハウジング3は、
図6〜
図10に示すように、複数の雌端子金具80を収容する第2端子収容部40と、第2端子収容部40の左右両側縁から起立して前後方向に延びる側板部60と、を備えている。
【0036】
第2端子収容部40は、第1抜止部27と第2抜止部57の数及び並びが異なる点を除いて、第1端子収容部10と略同形状(略上下対称の形状)であり、略同じ大きさである。第2端子収容部40は、正面視において左右方向に長い扁平形状をなしている。第2端子収容部40は、平板状の第2基部45を備えている。第2基部45の上側(第1ハウジング2側)には、複数の雌端子金具80を個別に収容可能な複数の第2端子収容室46が形成されている。各第2端子収容室46は、前後方向に細長い空間である。隣り合う第2端子収容室46は、第2基部45の上面(第1ハウジング2側の面)から上方(第1ハウジング2側)に延びる第2隔壁47によって区画されている。雌端子金具80は、第2基部45の上面(第1ハウジング2側の面)に沿って幅方向(本実施例1では左右方向)に並列に収容される。
【0037】
第2端子収容室46は、後方に開放しており、後方から雌端子金具80が挿入される。第2端子収容室46に収容された雌端子金具80は、第2前壁部48によって前方への移動が規制される。第2前壁部48は、第2基部45の前端縁から上方(第1ハウジング2側)に向けてリブ状に突出して左右方向に延びている。第2前壁部48は、第2基部45に対して略直交する方向へ突出し、第2基部45の全幅に亘って連続して形成されており、且つ1つの第2前壁部48が、全ての第2端子収容室46の前端を閉塞する形態となっている。
【0038】
第2前壁部48の前面には、複数の第2タブ挿入口49が開口している。各第2タブ挿入口49は、夫々、第2端子収容室46の前端縁に連通している。第2タブ挿入口49には、不図示の相手側端子金具(雄端子金具)の雄タブが挿入可能とされている。雌端子金具80は、第2タブ挿入口49を通じて第2端子収容室46内まで進入した雄タブと接触すると、雄タブと電気的に接続される。
【0039】
第2端子収容室46の左右両側には、第2基部45の左右両端縁から上方(第1ハウジング2側)に突出して前後方向に延びる第2側壁部50が形成されている。第2側壁部50の前端縁は、第2前壁部48の左右両端縁と連続している。
【0040】
第2端子収容室46の上側(第1ハウジング2側)には、左右両側の第2側壁部50をつなぐ第2梁部53,54,55が設けられている。第2梁部53,54,55は、第2端子収容室46の並び方向に延びるように配されている。第2梁部53,54,55は、第2端子収容部40の後端部から前方(第2前壁部48側)に向けて順番に配されている。第2前壁部48と第2前側梁部53との間、第2前側梁部53と第2後側梁部54との間、第2後側梁部54と第2後端梁部55との間には、それぞれ隙間が形成されている。
【0041】
上述した第2前壁部48における左右両側部、上縁部、及び第2タブ挿入口49間の仕切部は、第2隔壁47、及び第2梁部53,54,55よりも肉厚に形成されている。
【0042】
第2端子収容部40には、第2前側梁部53の前端面から前方に向けて片持ち状に延びる第2ランス56が形成されている。第2ランス56は、第2端子収容室46に挿入された雌端子金具80を弾性的に引っ掛かって、雌端子金具80の後方への抜けを防止することができる。第2ランス56は、各第2端子収容室46に対応して設けられている。雌端子金具80が第2端子収容室46に挿入されると、第2ランス56は雌端子金具80に押されて弾性変形する。さらに雌端子金具80が進入して正規位置に到達すると、雌端子金具80と第2ランス56が干渉しなくなるので、第2ランス56は弾性復帰する。これにより、雌端子金具80は、第2ランス56に引っ掛かり、後方への抜けが防止される。第2ランス56の上面(第2端子収容室46側とは反対側の面、第1ハウジング2側の面)には、略水平方向の延びる第2背合わせ面56Aが形成されている。
【0043】
第2端子収容部40には、第2前側梁部53と第2後側梁部54を連結した形態の複数の第2抜止部57が形成されている。第2抜止部57は、第2前側梁部53と第2後側梁部54との連結部分から上方(第1ハウジング2側)に突出した略ブロック状をなしている。第2抜止部57は一定の間隔をあけて第2端子収容室46の並び方向(本実施例1では左右方向)に複数配されている。第2抜止部57同士の間隔は、第1抜止部27の幅寸法と同じか、あるいは第1抜止部27の幅寸法よりも大きく形成されている。
【0044】
各第2抜止部57の下面(第2端子収容室46側の面)は、第2前側梁部53の上面(第2端子収容室46側の面)と面一状に形成されており、第2後側梁部54の下面(第2端子収容室46側の面)とも面一状に形成されている。
【0045】
各第2抜止部57は、第2梁部53,54,55の上面(第1ハウジング2側の面)よりも上方(第1ハウジング2側)に突出して、上方(第1ハウジング2側)に露出している。第2抜止部57の上面(第1ハウジング2側の面)は、第2干渉後面57Aと、第2干渉接続面57Bと、第2干渉前面57Cとを有している。第2干渉後面57Aは、第2抜止部57の上面の後端部を構成しており、略水平方向に沿って延びている。第2干渉前面57Cは、第2抜止部57の上面の前端部を構成しており、第2干渉後面57Aよりも上方(第1ハウジング2側)に配され、略水平方向に沿って延びている。第2干渉接続面57Bは、第2干渉後面57Aの前端縁と第2干渉前面57Cの後端縁に連続しており、後方から前方に向けて上方(第1ハウジング2側)に向かって傾斜している。
【0046】
第2抜止部57の前面は、第2規制面57Dを構成しており、略垂直方向に沿って延びている。第2抜止部57の前面は、第2前側梁部53の後面と前後方向に揃っているか、あるいは第2前側梁部53の後面よりも後方の位置に配されている。第2抜止部57の後面は、第2後側梁部54の前面と前後方向に揃っているか、あるいは第2後側梁部54の前面よりも前方の位置に配されている。
【0047】
第2前側梁部53と第2後側梁部54との間には、第2抜止部57によって区切られた複数の第2挿通孔58が形成されている。第1抜止部27は、第2挿通孔58を通じて第2端子収容室46内に進入可能となっている。
【0048】
複数の第2挿通孔58は、左右方向両端に配された一対の第2外側挿通孔58Xと、一対の第2外側挿通孔58Xの間に配された複数の第2内側挿通孔58Yと、から構成されている。第2外側挿通孔58Xは、第2内側挿通孔58Yよりも左右方向の幅寸法が小さい点で、第2内側挿通孔58Yと異なる。第2外側挿通孔58Xには第1片側抜止部27Xが挿通可能となっており、第2内側挿通孔58Yには第1両側抜止部27Yが挿通可能となっている。第2外側挿通孔58Xは、1つの第2端子収容室46が下方から目視可能となるように形成されている。したがって、1つの第1片側抜止部27Xは、第2外側挿通孔58Xを通じて、1つの第2端子収容室46内に進入可能となっている。一方、第2内側挿通孔58Yは、隣り合う2つの第2端子収容室46が下方から目視可能となるように形成されている。したがって、1つの第1両側抜止部27Yは、第2内側挿通孔58Yを通じて、隣り合う2つの第2端子収容室46内に進入可能となっている。
【0049】
各側板部60は、夫々、側板部60の後端部を除く大部分(前端部及び前後方向中央部)を構成する起立部61と、側板部60の後端部を構成するロック板部62と、を備えている。各側板部60の前端縁は、第2端子収容部40の前端縁まで延びている。各側板部60の後端縁は、第2端子収容部40の後端部(第2端子収容部40の後端縁から少し前方寄りの位置)まで延びている。
【0050】
各側板部60の内側面前端部には、第1ハウジング2の回動軸部30を回動自在に支持する回動軸受部66が形成されている。回動軸受部66は、前方及び左右方向内方に開放しており、回動軸部30の後方への移動を規制する後側受面66Aと、回動軸部30の上方への移動を規制する上側受面66Bと、回動軸部30の左右方向外方への移動を規制する外側受面66Cと、を有している。後側受面66A、上側受面66B、及び外側受面66Cは互いに連続している。上側受面66Bの下面は、略水平方向に沿って延びている。
【0051】
ロック板部62は、第2端子収容部40の左右両端縁の後端部上面から起立している。ロック板部62の上端縁は、起立部61の上端縁よりも上方まで延びている。ロック板部62は、第2端子収容部40の左右両端縁の後端部上面から起立した張出部63と、張出部63の左右方向内面の上端部から左右方向内方に突出したロック突部64と、を有している。張出部63は、左右方向に厚みを有する平板状をなしている。張出部63の左右方向外側面は、起立部61の左右方向外側面よりも左右方向外方に張り出している。張出部63の左右方向内側面は、起立部61の左右方向内側面よりも左右方向外方に張り出している。ロック突部64は、起立部61の上端縁よりも上方に配されている。ロック板部62の前端縁は、起立部61の後端縁と連続している。上述の第2抜止部57は、前後方向においてロック板部62よりも前方に位置し、第2前壁部48より後方に位置している。
【0052】
本実施例1では、第2基部45における積層方向外面(下面)を、最外面45Sと定義する。第2基部45には、最外面45Sから積層方向外方に突出した連設リブ70が形成されている。連設リブ70は、第2基部45の後端部(第1抜止部27及び第2抜止部57より後方)に形成されている。連設リブ70は、コネクタ1が相手側コネクタ(図示省略)と嵌合したときに相手側コネクタの内側に入り込まない位置に配されており、相手側コネクタの外側に露出した状態で配される。したがって、相手側コネクタ(図示省略)の高さ寸法が大きくなることが抑制されている。連設リブ70の積層方向の突出端面は、水平方向に沿ったフラットな面となっている。
【0053】
連設リブ70は、1つの検知リブ71と、左右対称な一対のガイドリブ72と、1つの接続リブ73とからなる。検知リブ71は、前後方向に細長く、第2基部45の左右方向中央部に形成されている。検知リブ71の正面視における断面形状は、方形をなす。ガイドリブ72は、前後方向に細長く、第2基部45の左右両端縁に形成されている。ガイドリブ72の正面視における断面形状は、方形をなす。接続リブ73は、左右方向に細長く、第2基部45の後端縁に沿って形成されている。接続リブ73は、検知リブ71の後端部及び左右両側のガイドリブ72の後端部に対し底面視において略直角に連なっている。
【0054】
検知リブ71及び左右両側のガイドリブ72は、前端縁が前後方向に揃っており、検知リブ71とガイドリブ72の前端縁は、第1抜止部27及び第2抜止部57の後端よりも後方に位置している。検知リブ71及び左右両側のガイドリブ72は側面視において重なるように配され、第2基部45が変形していない状態での側面視においては、検知リブ71がガイドリブ72に隠れて目視できない形態となっている。
【0055】
<雌端子金具80>
雌端子金具80は、
図13,14に示すように、導電性の金属板を曲げ加工等することで全体として前後方向に細長い筒状とされている。雌端子金具80の後端部には、電線81に圧着される圧着部82が形成されている。圧着部82は、電線81の先端において露出した導体に圧着されるワイヤバレル83と、導体の外周を覆う絶縁被覆に圧着されるインシュレーションバレル84とを有している。ワイヤバレル83の圧着により曲げられた部分は、インシュレーションバレル84よりも高さ方向内方に引っ込んでいる。
【0056】
雌端子金具80には、ワイヤバレル83の前側に第1溝部85が形成されており、第1溝部85の前側に中筒部86が形成されており、中筒部86の前側に第2溝部87が形成されており、第2溝部87の前側に先端筒部88が形成されている。第1溝部85及び第2溝部87は、高さ方向における圧着部82が圧着により曲げられる側が、中筒部86及び先端筒部88に対して高さ方向内方に凹んで形成されている。第1溝部85の凹み部分は、ワイヤバレル83の圧着により曲げられた部分よりも高さ方向内方に引っ込んでいる。
【0057】
第2溝部87は、前方に向かって溝が深くなる段差状に形成されており、溝が深い前側の第2前側溝部87Aと、溝が浅い後側の第2後側溝部87Bとからなる。また、ワイヤバレル83の圧着により曲げられた部分、及びインシュレーションバレル84の圧着により曲げられた部分は、中筒部86及び先端筒部88よりも高さ方向内方に引っ込んでいる。
【0058】
<コネクタ1の組み立て>
コネクタ1は以下のようにして組み立てる。まず、第1ハウジング2の第1端子収容室16及び第2ハウジング3の第2端子収容室46のそれぞれに雌端子金具80を挿入する。各雌端子金具80は、正規位置まで挿入する。全ての雌端子金具80の挿入作業が完了した後、第1ハウジング2に第2ハウジング3を組み付ける。そのために、まず第1ハウジング2の回動軸部30を第2ハウジング3の回動軸受部66に前方から嵌め込む。そして、回動軸部30を回動軸として第1ハウジング2を第2ハウジング3と重なる方向に回動させると、第1ハウジング2のロック受部32の傾斜面32Aが、第2ハウジング3のロック突部64に当接する。この状態からさらに第1ハウジング2と第2ハウジング3が重なる方向へ移動させると、ロック突部64を有するロック板部62がロック受部32の傾斜面32Aから左右方向外方に押されて撓む。さらに、第1ハウジング2と第2ハウジング3が重なる方向へ移動して、ロック突部64がロック受部32の滑り面32Bを越えると、ロック突部64がロック受部32からの干渉を受けなくなってロック板部62の弾性復元力によって元の形状に復帰し、ロック受部32の受面32Cによって離間方向への移動が規制される。このロック状態では、ロック突部64がロック受部32に引っ掛かるだけでなく、回動軸部30も回動軸受部66に引っ掛かる。なお、以下では、回動軸部30と回動軸受部66とで構成されるロック部を第1ロック部と称し、ロック突部64とロック受部32とで構成されるロック部を第2ロック部と称する。
【0059】
第1ハウジング2と第2ハウジング3は、第1ロック部のロック及び第2ロック部のロックによって積層方向への離間が規制される。また、ロック状態では、第1ハウジング2が、第2ハウジング3の左右両側の側板部60の内側に嵌まり込む。これにより、第1ハウジング2は、第2ハウジング3に対する左右方向への移動が規制される。
【0060】
また、第1ロック部のロックによって第1ハウジング2の第2ハウジング3に対する後方への移動が規制される。すなわち、第1ハウジング2が後方へ移動しようとすると、回動軸部30が第2ハウジング3の回動軸受部66に当接して、第2ハウジング3に対する後方への移動が規制される。
【0061】
また、第2ロック部のロックによって第1ハウジング2の第2ハウジング3に対する前方への移動が規制される。すなわち、第1ハウジング2が前方へ移動しようとすると、回動軸部30が嵌合溝部31の後面に当接して、第2ハウジング3に対する前方への移動が規制される。また、ロック突部64が第1ハウジング2の後端リブ34に当接して、第2ハウジング3に対する前方への移動が規制される。このように、第1ハウジング2と第2ハウジング3が第1ロック部及び第2ロック部によってロックされた状態をロック状態と定義する。なお、第1ロック部及び第2ロック部が本発明の「保持部」に相当する。このロック状態では、ハウジング2,3が積層状態に保持される。
【0062】
<半挿入状態の検知>
ところで、雌端子金具80は、第1端子収容室16又は第2端子収容室46の正規位置まで到達する前段階の半挿入状態では、コネクタ1と相手側コネクタ(図示省略)との嵌合状態において相手側端子金具(図示省略)と接触しないおそれがある。そこで、本実施例1では、以下のようにして半挿入状態を検知可能としている。なお、ここでは、説明の便宜上、第1端子収容室16に雌端子金具80を挿入した状態を示すが、第2端子収容室46に雌端子金具80を挿入する場合も同様である。
【0063】
まず、雌端子金具80が正規位置に挿入された正規挿入状態において、第1ハウジング2と第2ハウジング3が互いにロックされる場合について説明する。雌端子金具80が第1端子収容室16に挿入されると、雌端子金具80の前端部(先端筒部88)に押されて第1ランス26が第1端子収容室16と反対側に撓む。雌端子金具80が正規位置まで挿入されると、第1ランス26が弾性復帰して第2溝部87内に収まる。これにより、第1ランス26が後方へ移動しようとする雌端子金具80の第2溝部87の前端面に当接するので、雌端子金具80の後方への移動が規制される。このとき、雌端子金具80の中筒部86は、第1挿通孔28の開口領域の前側に配される。
【0064】
このように正規挿入状態となった第1ハウジング2と第2ハウジング3が第1ロック部及び第2ロック部によって互いにロックされると、
図13に示すように、以下のような状態となる。第1ランス26と第2ランス56は、第1背合わせ面26Aと第2背合わせ面56Aが重なり合って、背合わせの状態となる。これにより、第1ランス26は、第1端子収容室16と反対側への移動が第2ランス56によって規制される。
【0065】
また、第2抜止部57が、第1挿通孔28を通じて第1端子収容室16内に進入し、雌端子金具80と干渉することなく第1溝部85内に収まる。より具体的には、第2干渉後面57Aがワイヤバレル83の圧着により曲げられた部分に沿うように配され、第2干渉前面57Cが雌端子金具80の第1溝部85の奥端面に沿うように配される。第2抜止部57の第2規制面57Dは、後方へ移動しようとする雌端子金具80における中筒部86の背面に当接して、雌端子金具80の後方への移動を規制する。このように、第1ハウジング2と第2ハウジング3は、第2抜止部57と雌端子金具80が干渉することなく積層状態に保持される。
【0066】
これに対し、雌端子金具80の半挿入状態においては、
図14に示すように、雌端子金具80の中筒部86が、第1挿通孔28の開口領域内(つまり、第2抜止部57が進入する空間内)に位置している。この状態で第1ハウジング2と第2ハウジング3を互いにロックしようとすると、第1挿通孔28内に進入した第2抜止部57が雌端子金具80の中筒部86と干渉する。このため、半挿入状態の雌端子金具80がコネクタ1の左右両端部付近に存在する場合には、第1ハウジング2(ロック受部32)を第2ハウジング3(ロック板部62)にロックすることができない。
【0067】
また、半挿入状態の雌端子金具80がコネクタ1の左右方向中央部(左右方向においてロック受部32及びロック板部62から離れた位置)に存在する場合には、第1ハウジング2(ロック受部32)と第2ハウジング3(ロック板部62)を互いに引っ掛けてロックすることは可能である。しかし、第2ハウジング3の第2基部45が、その最外面45Sの左右方向中央部を下方に張り出させるように弾性的に湾曲変形する。これに伴って、検知リブ71が下方に張り出す。具体的には、検知リブ71の下面がガイドリブ72の下面よりも下方に張り出す。したがって、検知リブ71の下方への張出の有無を目視確認することによって、半挿入状態の有無を確認することができる。
【0068】
また、以下のように、検査用冶具91を用いて、検知リブ71の下方への張出の有無を検知することもできる。検知リブ71の下方への張出の有無の検知には、
図15及び
図16に示すように、固定された台座90と、水平方向に移動可能な検査用冶具91とが用いられる。検査用冶具91は、台座90と水平方向に対向する位置に配され、台座90側に向けて前進又は後退するように移動可能となっている。なお、検査開始前の状態では、検査用冶具91は、待機位置に配される。
【0069】
検査をする際、検知対象のコネクタ1における左右両端のガイドリブ72のうち、一方のガイドリブ72を台座90の上面に載せ、他方のガイドリブ72を検査用冶具91の上面に載せる。そして、検査用冶具91をガイドリブ72に沿って摺接させて、台座90側に向けて検査位置まで前進させる。検査位置は、検知リブ71を鉛直方向に延長した延長線上か、この延長線よりも台座90側に設定する必要がある。
【0070】
雌端子金具80が正規挿入状態にある場合には、
図15に示すように、検知リブ71の下面の位置は、ガイドリブ72の下面と上下方向に揃うか、あるいはガイドリブ72の下面よりも上方に配される。したがって、検査用冶具91は、検知リブ71の下方を通過して検査位置まで到達する。これにより、コネクタ1内の雌端子金具80が全て正規挿入状態にあることを検知することができる。
【0071】
これに対し、左右方向中央領域内に配された雌端子金具80が半挿入状態にある場合には、
図16に示すように、検知リブ71の下面の位置は、ガイドリブ72の下面よりも下方に張り出す。したがって、検査用冶具91は、検知リブ71に当接して検査位置まで到達しない。これにより、コネクタ1内に半挿入状態の雌端子金具80が含まれていることを検知することができる。
【0072】
<実施例1の作用及び効果>
以上説明したように、本実施例1のコネクタ1は、平板状の第1基部15を有する第1ハウジング2と、平板状の第2基部45を有する第2ハウジング3とを備えている。第1ハウジング2と第2ハウジング3は互いに積層状態に組み付けられる。第1ハウジング2には、第1基部15に沿って複数の雌端子金具80を左右方向に並列に収容する第1端子収容室16が形成されている。第2ハウジング3には、第2基部45に沿って複数の雌端子金具80を左右方向に並列に収容する第2端子収容室46が形成されている。コネクタ1は、第1ハウジング2と第2ハウジング3を互いに積層状態に保持する第1ロック部及び第2ロック部を備えている。第1ハウジング2は、第2端子収容室46に収容された雌端子金具80の後方への抜けを防止する第1抜止部27を備えている。第2ハウジング3は、第1端子収容室16に収容された雌端子金具80の後方への抜けを防止する第2抜止部57を備えている。第2ハウジング3は、左右方向中央部に配され、第2基部45の下面から下方に突出した検知リブ71を備えている。検知リブ71は、半挿入状態にある雌端子金具80と抜止部27,57とが干渉した場合に、検知リブ71が形成された第2基部45が積層方向外方に撓むことによって、積層方向外方に張り出す。
【0073】
コネクタ1では、雌端子金具80が半挿入状態のままハウジング2,3同士を組み付けようとすると、半挿入状態の雌端子金具80と、この雌端子金具80が収容されたハウジング2,3に重なり合う別のハウジング2,3の抜止部27,57とが干渉する。ゆえに、第1ロック部又は第2ロック部付近において雌端子金具80が半挿入状態となっている場合には、雌端子金具80と抜止部27,57との干渉によって、ハウジング2,3同士を互いに引っ掛けることができない。一方、第1ロック部及び第2ロック部から離れた位置において雌端子金具80が半挿入状態である場合には、ハウジング2,3同士を互いに引っ掛けて積層状態に保持することはできる。しかし、この場合には、雌端子金具80と抜止部27,57との干渉によって、第2基部45が下方に撓む。ゆえに、検知リブ71は、雌端子金具80と抜止部27,57との干渉が生じない場合と比較して下方に張り出す。したがって、検査用冶具91等を利用して検知リブ71の張り出しの有無を目視確認することで、雌端子金具80が半挿入状態にあるか否かを確認することができる。
【0074】
また、第2ハウジング3には、第2基部45の前縁部からリブ状に立ち上がった形態であり、第2端子収容室46に収容された雌端子金具80の前方への移動を規制する前壁部18,48が設けられている。検知リブ71は、第2基部45の後端部に設けられている。
【0075】
したがって、第2基部45の前端部は剛性が高くなっている。これに対し、第2基部45の後端部は、前端部と比較して剛性が弱いので撓みやすくなっている。この撓みやすい位置に検知リブ71を設けることで、干渉時における雌端子金具80と抜止部27,57の不正な変形等を防止できる。
【0076】
第2ハウジング3には、第2基部45の下面の左右両端縁から下方に突出したガイドリブ72が設けられている。ガイドリブ72の下面の位置は、検知リブ71の下面と上下方向に揃っているか、あるいは検知リブ71の下面よりも下方に位置している。
【0077】
上述したように、雌端子金具80が半挿入状態のままハウジング2,3同士を互いに引っ掛けさせると、第2基部45が下方に撓む。このとき、第2ハウジング3は、第1ロック部及び第2ロック部を支点として撓むので、第1ロック部及び第2ロック部に近い位置ほど撓みにくく、第1ロック部及び第2ロック部から離れた位置ほど撓みやすい。ここで、コネクタ1では、第2基部45における撓みやすい位置に検知リブ71を設けており、撓みにくい位置にガイドリブ72を設けている。そして、ガイドリブ72の下面の位置は、検知リブ71の下面と上下方向に揃っているか、または検知リブ71の下面よりも下方に配されている。ゆえに、第2基部45が撓んでいない場合には、検知リブ71の下面は、ガイドリブ72の下面よりも下方には張り出さない。これに対し、雌端子金具80と抜止部27,57とが干渉して第2基部45が撓んだ場合には、検知リブ71の下面は、ガイドリブ72の下面よりも下方に張り出す。したがって、検査用冶具91をガイドリブ72の下面に摺設させた状態で検知リブ71側に水平移動させた場合、雌端子金具80が半挿入状態であれば検査用冶具91が検知リブ71に当接し、雌端子金具80が半挿入状態でなければ検査用冶具91が検知リブ71に当接しない。このように、ガイドリブ72の下面を基準位置とすることで、雌端子金具80の半挿入状態を簡単且つ正確に検知することが可能となる。
【0078】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1では、ロック部がコネクタの左右両端縁に設けられている。しかし、ロック部はコネクタにおける左右両端縁のうち一端のみに設けてもよいし、左右両端縁以外の位置(例えば左右方向中央部)に設けてもよい。
(2)上記実施例1では、ロック部が、第1ロック部と第2ロック部で2つあるが、いずれか1つであってもよい。すなわち、コネクタの左右両側において前後方向全幅に亘ってロックするようにしているが、前後方向における一部のみをロックするようにしてもよい。
(3)接続リブはなくてもよい。また、ガイドリブもなくてもよい。