特許第6889864号(P6889864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6889864
(24)【登録日】2021年5月26日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】クローラ取付機構
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/084 20060101AFI20210607BHJP
   B60C 27/00 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   B62D55/084
   B60C27/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-179181(P2017-179181)
(22)【出願日】2017年9月19日
(65)【公開番号】特開2019-51913(P2019-51913A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2020年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】石谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】阪本 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】領野 昌治
(72)【発明者】
【氏名】梅木 達也
(72)【発明者】
【氏名】椿野 慧
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−285780(JP,A)
【文献】 特開平02−099474(JP,A)
【文献】 特開平06−297904(JP,A)
【文献】 特開昭56−067604(JP,A)
【文献】 実開昭56−062204(JP,U)
【文献】 特開2001−106133(JP,A)
【文献】 特開平09−109947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/084
B60C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸心回りに回転可能な駆動輪と、回転軸心回りに回転可能な従動輪と、前記駆動輪および従動輪に巻掛けられる無端状の履帯とを備えたクローラを、車両のハブホイールに取付けるためのクローラ取付機構であって、
軸心方向一方側が前記ハブホイールに取付けられた状態で軸心方向他方側に前記駆動輪が取付けられる駆動輪取付体と、
該駆動輪取付体に装着された状態で前記駆動輪のボス孔に挿通可能な芯出し治具とを備え、
前記駆動輪取付体は、前記駆動輪に形成されたボルト孔に挿通する取付ボルトを備え、該取付ボルトは、前記駆動輪取付体の回転軸心に沿い、且つ該回転軸心の周囲周方向に間隔をおいて複数本設けられ、
前記芯出し治具は、前記駆動輪取付体の軸心方向に沿う軸状に形成され、その基端部が前記駆動輪取付体の回転軸心上で、且つ前記駆動輪取付体の軸心方向他方側に取付けられ、該芯出し治具の軸方向長さは、前記駆動輪取付体に対する前記取付ボルトの突出量を超えるよう設定されたことを特徴とするクローラ取付機構。
【請求項2】
前記芯出し治具の先端側であって前記取付ボルトに対して突出した前記芯出し治具の突出部分の外周面は、先端に向けて小径となる傾斜面とされ、前記芯出し治具の、前記先端側に対する基端側の外周面は、軸心方向に亘って前記ボス孔と略同一径とされた請求項1に記載のクローラ取付機構。
【請求項3】
前記駆動輪取付体は、軸心方向他方側の中心部に軸心方向外方に向かって突設され前記ボス孔に挿入される環状のボス部を有し、該ボス部の外径は、前記芯出し治具の基端側の外径と略同一に設定された請求項1または請求項2に記載のクローラ取付機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駆動輪をクローラに交換するためのクローラ取付機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、作業者や作業具を作業現場まで運搬するのに一般車両が用いられる場合、滑り易い雪道や険しい山道を走行可能とするために、予め作業者により車両の駆動輪がクローラに交換される場合がある。クローラは下記特許文献1に示すように、車両の駆動軸に取付けられる駆動輪と、転輪(従動輪)と、駆動輪および転輪に巻掛けられる無端状の履帯とを備える。
【0003】
ところで、下記特許文献2に、航空機におけるホイール交換機が記載されている。特許文献2のホイール交換機は、交換しようとするホイール組立品を吊持し、所定の方向へ移動させる装置である。すなわちこのホイール交換機は、航空機の脚柱をジャッキによりジャッキアップさせた状態で、車軸に設けられた砲弾型の補助機具とホイール組立品のハブの中心に設けられたインナーレースとを位置合わせしたうえで、ホイール組立品を車軸に取付けるよう移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−109947号公報
【特許文献2】特開平6−297904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般車両を滑り易い雪道や険しい山道を走行可能とすべく車両の駆動輪をクローラに交換するのに、上記特許文献2に記載されているような、空港やドックにおいて用いられる大がかりなホイール交換機を準備することは、実質的に不可能である。
【0006】
そこで本発明は、特別な交換機等を用いることなく、車両の駆動輪を容易にクローラに交換し得るクローラ取付機構の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のクローラ取付機構は、回転軸心回りに回転可能な駆動輪と、回転軸心回りに回転可能な従動輪と、前記駆動輪および従動輪に巻掛けられる無端状の履帯とを備えたクローラを、車両のハブホイールに取付けるためのクローラ取付機構であって、軸心方向一方側が前記ハブホイールに取付けられた状態で軸心方向他方側に前記駆動輪が取付けられる駆動輪取付体と、該駆動輪取付体に装着された状態で前記駆動輪のボス孔に挿通可能な芯出し治具とを備え、前記駆動輪取付体は、前記駆動輪に形成されたボルト孔に挿通する取付ボルトを備え、該取付ボルトは、前記駆動輪取付体の回転軸心に沿い、且つ該回転軸心の周囲周方向に間隔をおいて複数本設けられ、前記芯出し治具は、前記駆動輪取付体の軸心方向に沿う軸状に形成され、その基端部が前記駆動輪取付体の回転軸心上で、且つ前記駆動輪取付体の軸心方向他方側に取付けられ、該芯出し治具の軸方向長さは、前記駆動輪取付体に対する前記取付ボルトの突出量を超えるよう設定されたことを特徴とする。
【0008】
上記構成を備えた本発明のクローラ取付機構によれば、作業者が、車両の駆動輪をハブホイールから取外した後、該ハブホイールに駆動輪取付体の一方側を取付けるとともに、該駆動輪取付体の他方側に芯出し治具を取付ける。芯出し治具の軸方向長さは、駆動輪取付体の回転軸心の周囲周方向に間隔をおいて複数本設けられた取付ボルトの駆動輪取付体に対する突出量を超えるよう設定されているため、この芯出し治具の突出部分をクローラ取付時のガイドとして利用できる。具体的に、クローラの駆動輪のボス孔の周壁面を摺らせるようにして駆動輪を芯出し治具の軸心方向に沿って軸心方向一方側に移動させれば、芯出し治具がボス孔に嵌合され、取付ボルトがクローラのボルト孔に嵌合され、クローラのうちの駆動輪が車両のハブホイールに対して容易に取付けられる。
【0009】
本発明のクローラ取付機構では、前記芯出し治具の先端側であって前記取付ボルトに対して突出した芯出し治具の突出部分の外周面は、先端に向けて小径となる傾斜面とされ、前記芯出し治具の、前記先端側に対する基端側の外周面は、軸心方向に亘って前記ボス孔と略同一径とされた構成を採用することができる。
【0010】
上記構成のクローラ取付機構によれば、作業者が、クローラの駆動輪のボス孔の周壁面を、芯出し治具の先端側に傾斜面に摺らせるようにして、駆動輪を芯出し治具の軸心方向に沿うよう移動させて芯出し治具の基端側まで移動させると、基端側は軸心方向に亘ってボス孔と略同一径であるから、駆動輪を芯出し治具回りに回動させるだけで、取付ボルトに対するボルト孔の位置合わせを行える。
【0011】
本発明のクローラ取付機構では、前記駆動輪取付体は、軸心方向他方側の中心部に軸心方向外方に向かって突設され前記ボス孔に挿入される環状のボス部を有し、該ボス部の外径は、前記芯出し治具の基端側の外径と略同一に設定された構成を採用することができる。
【0012】
上記構成を備えたクローラ取付機構は、ハブホイールに駆動輪を装着した後、ハブホイールから芯出し治具を取外しても、駆動輪取付体の環状のボスを駆動輪のボス孔に挿入しているため、ハブホイールの回転中心と駆動輪の回転中心とを位置ずれさせることがない。
【発明の効果】
【0013】
本発明のクローラ取付機構によれば、特別な交換機等を用いることなく、車両の駆動輪を容易にクローラに交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るクローラ取付機構を示した分解図。
図2図2は、駆動輪が取付けられた車両の図。
図3図3は、図1のクローラを示す図。
図4図4は、図1の芯出し治具を示す斜視図。
図5図5(a)〜(c)は、同クローラ取付機構の使用状態を示す図。
図6図6は、クローラを取付けた4輪駆動の車両を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係るクローラ取付機構を、図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態に係るクローラ取付機構1は、車両のハブユニット2にクローラ3を装着する際に使用される。このため、説明の便宜上、はじめに車両のハブユニット2およびクローラ3についてその概略を説明する。
【0016】
車両のハブユニット2は、図1に示すように、車軸20に取付けられるハブホイール21と、ハブホイール21の中心周りに、周方向に間隔を置いて配置されたタイヤホイール(図示せず)を取付けるための複数のハブボルト22と、ハブホイール21の一面に取付けられた後述のクローラ3の駆動輪30を取付けるための駆動輪取付体(スペーサとも称する)23とを備える。
【0017】
ハブホイール21は、ハブボルト22を固定するためのフランジ部210を備えている。ハブボルト22は、本実施形態では、ハブホイール21の中心周りに、周方向に等間隔に5本配置されている。
【0018】
駆動輪取付体23は、円板状に形成された本体23aと、本体23aの前面中心部(軸心方向他方側の中心)に突設された環状のボス部230とを備えている。本体23aは、軸心方向一方側がハブホイール21に取付けられる。本体23aには、ボス部230の中心周りに、各ハブボルト22が挿通される挿通孔231が形成されている。挿通孔231と挿通孔231との間には、クローラ3を取付けるための取付ボルト233が5本配置されている。各取付ボルト233は、本体23aに対し溶接によって固着されたボルト、または本体23aに対し着脱可能に取付けられたボルトである。取付ボルト233は、駆動輪取付体の回転軸心に沿い、且つ該回転軸心の周囲周方向に間隔を置いて複数設けられ、後述のクローラ3の駆動輪30のボルト孔301に挿入される。本体23aの後面には、フランジ部210が嵌合される凹部232が形成されている。ボス部230の中心には、後述する芯出し治具10を挿入させる挿入孔234が形成され、その内面には、芯出し治具10を接続するための雌ねじが形成されている。
【0019】
クローラ3は、図3および図5(a)に示すように、回転軸線O2に沿って形成されたボス孔300、および該ボス孔300周りの周方向に等間隔に形成されたボルト孔301を有する駆動輪30と、該駆動輪30の下方に位置ずれして配置された一対の従動輪31,31と、一対の従動輪31,31の間に配置された複数の補助輪32と、無端状の履帯33とを備え、履帯33は、駆動輪30、一対の従動輪31,31、各補助輪32に巻掛けられている。履帯33は、駆動輪30、一対の従動輪31,31、各補助輪32に巻掛けられて三角形状となっている。本実施形態では、三角クローラを使用する。
【0020】
本実施形態では、ボルト孔301は、10個形成されているが、駆動輪取付体23の取付ボルト233の本数(5本)に合わせて、10個のうち5個を使用する。使用する5個のボルト孔301の間隔は、取付ボルト233の間隔と同一である。
【0021】
図1に示すように、本発明のクローラ取付機構1は、前述の駆動輪取付体23と、取付ボルト233と、芯出し治具10とを備える。
【0022】
図1および図4に示すように、芯出し治具10は、駆動輪取付体23の軸心方向に沿う軸状に形成された本体部100と、該本体部100の軸線の延長線上に、該軸線に沿うように延出された接続部103とを備える。図5(a)に示すように、芯出し治具10は、鋼材により中空の軸状に形成されている。芯出し治具10の軸方向の長さは、本体部100の軸方向の長さと接続部103の軸方向の長さとを加えた長さL1で、駆動輪取付体23に対する取付ボルト233の突出量L2を超えて突出する長さに設定されている。
【0023】
本体部100は、ハブホイール21においてその回転軸線O1に沿って取付けられる。本体部100は、円錐台状に形成された先端側部101と、円柱状に形成された基端側部102とを備える。図1に示すように、基端側部102の外周面は、軸心方向に亘って駆動輪30のボス孔300と略同一径とされ、且つ駆動輪取付体23のボス部230の外周面と略同一径とされている。
【0024】
先端側部101は、芯出し治具10をハブホイール21に取付けた状態において、取付ボルト233に対して突出する突出部分である。先端側部101の外周面は、先端に向けて小径となる傾斜面(テーパー面)101aとされる。先端側部101の最小径部101bの径は、駆動輪30のボス孔300の径R2よりも小さく設定され、先端側部101の軸方向の長さは、後述の基端側部102の前部102aの軸方向の長さよりも短く設定されている。先端側部101は、駆動輪30を基端側部102の前部102aにスムーズに移動できるよう構成されている。
【0025】
基端側部102は、先端側部101に連設される前部102aと、該前部102aに連設される後部102bとを備える。前部102aの軸方向の長さL4は、図5(a)に示すように、駆動輪30のボス孔300の軸方向の長さと略同じに設定されている。この長さL4は、本体部100の軸方向の長さと接続部103の軸方向の長さとを加えた長さL1から、取付ボルト233の突出量L2と、先端側部101の軸方向の長さL3とを差引いた長さに設定されている。
【0026】
基端側部102の後部102bは、図5(c)に示すように、取付ボルト233の突出量と同じ軸方向の長さL2を有している。この軸方向の長さL2は、駆動輪取付体23のボス部230を駆動輪30のボス孔300に挿入し、取付ボルト233をボルト孔301に嵌合させることができる長さとなっている。
【0027】
接続部103は、図1および図3に示すように、本体部100の基端部の端面に軸線方向に沿って突設された環状体であり、該環状体は、本体部100の外径R1よりも小径で、その外周面には、ねじ溝が形成されて雄ねじ103aとなっている。該雄ねじ103aは、駆動輪取付体23のボス部230に螺合する。
【0028】
上記構成を備えたクローラ取付機構1を用いて車両の駆動輪をクローラに交換する方法について説明する。まず、作業者は、図示しないジャッキを用いて、図2に示す車両Aをジャッキアップさせ、ハブホイール21から車両Aの駆動輪Bを取外す。この際、駆動輪取付体23は、ハブホイール21に取付けた状態にしておく。
【0029】
つぎに、作業者は、図5(a)に示すように、駆動輪取付体23のボス部230に芯出し治具10の接続部103を螺合させて取付ける。このようにすると、芯出し治具10の基端側部102は、駆動輪取付体23の軸心方向他方側に、駆動輪取付体23の回転軸心上に取り付けられる。駆動輪取付体23の回転軸線とハブホイール21の回転軸線O1とが同一直線上にあるので、芯出し治具10の軸線は、ハブホイール21の回転軸線O1と同一線上に位置するとともに、取付ボルト233の軸線に対し平行に位置する。
【0030】
つぎに、作業者は、駆動輪取付体23に芯出し治具10を装着した状態で、芯出し治具10の突出した部分にクローラ3の駆動輪30のボス孔300に挿通する。具体的に、作業者は、図5(a)に示すように、複数人でクローラ3を持上げて、持上げたクローラ3の駆動輪30のボス孔300の開口周縁部の内壁面の上側部を、芯出し治具10の先端側部101の傾斜面101aの上側部に預ける。
【0031】
つぎに、作業者は、図5(b)に示すように、複数人でクローラ3の駆動輪30のボス孔300の開口周縁部の内壁面の上側部を傾斜面101aの上側部に摺らせるようにして、駆動輪30を芯出し治具10の軸線方向に沿ってハブホイール21側に移動させ、芯出し治具10の基端側部102の前部102a上に位置させる。
【0032】
つぎに、作業者は、芯出し治具10の基端側部102の前部102a上で、ハブホイール21と駆動輪30とを対向させる。この際、ハブホイール21の回転軸線O1と芯出し治具10の軸線とが同一直線上に位置することから、ハブホイール21の回転軸線O1とクローラ3の駆動輪30の回転軸線O2とが同一直線上に位置し、駆動輪30の各ボルト孔301と、各取付ボルト233とが同一径の円周上に位置する。
【0033】
つぎに、作業者は、芯出し治具10の基端側部102の前部102a上で、クローラ3の履帯33を把持し履帯33を介して駆動輪30を回転させ、駆動輪30の各ボルト孔301と、各取付ボルト233との位置合わせを行う。作業者は、芯出し治具10回りに駆動輪30を回動させるだけで、取付ボルト233に対するボルト孔301の位置合わせが容易に行える。
【0034】
取付ボルト233とボルト孔301との位置合わせ作業終了後、作業者は、図5(c)に示すように、芯出し治具10の軸心方向に沿ってクローラ3の駆動輪30を、芯出し治具10の基端部側(ハブホイール21側)の後部102bに移動させ、取付ボルト233をボルト孔301に挿入させるとともに、駆動輪取付体23の環状のボス部230を駆動輪30のボス孔300に嵌合させる。この際、芯出し治具10の基端側部102の外径R1とボス孔300の径R2とが略同一径であるから、駆動輪30をハブホイール21側にスムーズに移動させることができる。
【0035】
つぎに、作業者は、対角に位置する取付ボルト233の先端部にナットを順次螺合させて締め付け、ハブホイール21に駆動輪30を取付ける。具体的に、駆動輪30とハブホイール21との間に駆動輪取付体23を挟持し、駆動輪30の内面を、駆動輪取付体23の外面に外嵌して取付ける。
【0036】
ハブホイール21に駆動輪30を取付けた後、作業者は、芯出し治具10を回転させ、駆動輪取付体23のボス部230の雌ねじから、芯出し治具10の接続部103の雄ねじを取外し、駆動輪30のボス孔300から芯出し治具10を取外す。この際、駆動輪取付体23のボス部230が駆動輪30のボス孔300に挿入されているため、ハブホイール21の回転軸線O1と駆動輪30の回転軸線O2とが位置ずれすることがない。
【0037】
このように、本実施形態では、大がかりなホイール交換機を準備することなく、ハブホイール21にクローラ3の駆動輪30を容易に取付けることができる。すなわち、駆動輪取付体23のボス部230に、ハブホイール21に対して取付ボルト233の突出量L2を超えるよう突出する軸状の芯出し治具10を取付け、芯出し治具10上においてクローラ3の駆動輪30の回転軸線O2と、車両Aのハブホイール21の回転軸線O1との芯出し作業を行えるようにしたので、車両Aの駆動輪Bを容易にクローラ3に交換することができる。
【0038】
本発明のクローラ取付機構1は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、三角クローラの駆動輪30をハブホイール21に装着する場合を例示した。しかしながら、クローラ取付機構1は、駆動輪30および従動輪31を横一列に配置したクローラにも適用することが考えられる。
【0039】
上記実施形態では、芯出し治具10の先端側を円錐台状とする場合を例示した。しかしながら、芯出し治具10は、全体を円柱状に形成することが考えられる。この場合、クローラ3の駆動輪30のボス孔300に、芯出し治具10が挿入できるように、目視によって位置合わせし、クローラ3の駆動輪30をハブホイール21側に軸方向に沿って移動させ、クローラ3の駆動輪30のボス孔300に、駆動輪取付体23のボス部230を挿入し、クローラ3のボルト孔301に取付ボルト233を嵌合させる。
【0040】
上記各実施形態では、車両の駆動形式は具体的に例示しなかった。しかしながら、クローラ取付機構1は、4輪駆動、前輪駆動のいずれにも適用することが考えられる。特に図6に示すように、前後左右の4輪をクローラ3に交換する場合、作業に要する時間を大幅に短縮できる。
【符号の説明】
【0041】
1…クローラ取付機構、10…芯出し治具、100…本体部、101…先端側部、101a…傾斜面、102…基端側部、102a…前部、102b…後部、103…接続部、2…ハブユニット、20…車軸、21…ハブホイール、22…ハブボルト、23…駆動輪取付体(スペーサ)、230…ボス部、231…挿通孔、233…取付ボルト、3…クローラ、30…駆動輪、300…ボス孔、301…ボルト孔、31…従動輪、32…補助輪、33…履帯
図1
図2
図3
図4
図5
図6