【実施例1】
【0020】
(買物かご除菌装置)
本発明の実施例1における買物かご除菌装置について、
図1、2を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1における買物かご除菌装置を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。
図2は、本発明の実施例1における持ち手上昇部及び複数の発光部と買物かごとの関係を説明する図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【0021】
買物かご除菌装置100は、箱型で鉄など金属製の筐体10を有し、その一側面に扉20を備えている。扉20は開閉のための把手21、内部を視認可能とするための窓23、奥行方向端部には奥行方向位置決め部16、及び扉20の内面(筐体側の面)には買物かごBに対する奥行方向の位置決めを行なう奥行方向位置決め部22を備えている。
【0022】
買物かご除菌装置100の筐体10内には、扉10から買物かごBを1個挿入することができる。つまり、把手21を引き、扉20を開けて、買物かごBを上向きにして(持ち手BH1、BH2がある方を上にして)内部に挿入する。その際、持ち手BH1、BH2は開いた状態(買物かごBの本体BXに持ち手BH1、BH2が接触した状態)にして挿入する。
【0023】
筐体10の内部には、筐体10の正面視左側端部に固定され、扉20から挿入された買物かごBの左幅方向を位置決めする幅方向位置決め部13と、筐体10の正面視右側端部に固定され、扉20から挿入された買物かごBの右幅方向を位置決めする幅方向位置決め部14とを備えている。これにより、挿入される買物かごBの左右の位置決めが行われる。
【0024】
また、買物かごBを筐体10内に挿入する過程で、買物かごBの持ち手BH1、BH2を開いた状態からそれぞれ上昇させて、買物かごBが取出されるまで持ち手BH1、BH2を上昇させたまま維持する持ち手上昇部11、12を備えている。持ち手上昇部11、12は、扉10からみて筐体10の奥行方向(
図1における+y方向)端部に固定され、手前方向(
図1における―y方向)に向けて棒状をなしている。持ち手上昇部11、12の手前側である先端は先端上面にテーパ面を有している。これにより、扉20から筐体10内に水平方向に買物かごBを挿入する過程で、買物かごBの持ち手BH1、BH2と買物かごBの本体BXとの間にクサビとして挿入される。そうすると、持ち手BH1、BH2は挿入されるにしたがって持ち上がっていく。そして、買物かごBを取出すまで、持ち手BH1、BH2の上昇を継続させる。
【0025】
買物かご除菌装置100は、持ち手上昇部11、12により買物かごBの持ち手BH1、BH2を上昇させている。そのため、買物かごBを持ち手BH1、BH2の下方及び持ち手BH1、BH2が開いたときに接触する本体BXの上面も含めて除菌することができる。
【0026】
買物かご除菌装置100は、1個の買物かごBを除菌するものである。仮に、2個以上の買物かごBを買物かご除菌装置100に挿入しようとしても、持ち手上昇部11、12が2個目の買物かごBの本体BXに干渉して挿入できず扉20を閉めることができない。これにより、2個以上の買物かごが重なったことによる持ち手下方などの除菌ができない領域をなくすことができる。
【0027】
筐体10内には、筐体10内に挿入された買物かごBに対して除菌用の深紫外光を照射する複数の発光部15(15a〜15f)を備えている。発光部15(15a〜15f)は、蛍光灯からなり、波長250nm以下の深紫外光を発光することができる。図示しない照光型スイッチを押すことにより、発光部15a〜15dは、買物かごBの上方から深紫外光を15秒間照射し、発光部15eは買物かごBの左側方から上昇している持ち手BH1の下方と本体BXの上面に対して深紫外光を15秒間照射する。また、発光部15fは買物かごBの右側方から上昇している持ち手BH2の下方と本体BXの上面に対して深紫外光を15秒間照射する。
【0028】
深紫外光は、地球上に自然には存在しない光であり、生物のDNAが破壊される。これにより、買物かごBに付着しているウィルスが死滅する。筐体10外にいる利用者に深紫外光の影響が及ばないように、筐体10は鉄などの金属で覆われ、窓23は深紫外光を通さないガラスで構成されている。なお、実施例1においては、窓23をガラスで構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、紫外線(UV)カットアクリルで構成してもよい。これにより、破損の危険性が回避できる。
【0029】
窓23から深紫外光の照射の様子を見ると青く光っているのが確認できるとともに、図示しない照光型スイッチが点灯する。また、図示しない照光型スイッチが消灯し、青く光るのが止まることにより深紫外光の照射は終わったことを確認できる。また、扉20を開けると図示しない制御部により発光部15(15a〜15f)の発光を停止する。
【0030】
なお、実施例1においては、持ち手上昇部11、12の手前側である先端は先端上面にテーパ面を有している構成としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、持ち手上昇部11、12の手前側である先端は先端上面及び下面にテーパ面を有している構成としてもよいし、持ち手上昇部11、12の手前側である先端は先端下面にテーパ面を有している構成としてもよい。
【0031】
(買物かご除菌方法)
次に、買物かご除菌装置100を用いた買物かご除菌方法について説明する。買物かごBの利用者は利用する直前に、買物かご除菌装置100の扉20を開けて、買物かごB1個を筐体内に挿入し扉20を閉めて買物かご挿入工程を実施する。
【0032】
買物かご挿入工程の過程においては、買物かごBの持ち手BH1、BH2を上昇させる持ち手上昇工程が持ち手上昇部11、12により実施される。
【0033】
買物かごBが筐体10内に挿入されると、図示しない照光式スイッチを押して、発光部15(15a〜15f)を発光させて深紫外光を買物かごBに照射させる除菌工程を実施する。この除菌工程においては、持ち手BH1、BH2が上昇していることから、持ち手BH1、BH2の下方やその下の本体BX上面も含めて除菌することができる。このとき、図示しない照光式スイッチが点灯して殺菌中であることを利用者に知らせる。
【0034】
なお、実施例1においては、除菌工程を開始するにあたり、図示しない照光型スイッチを押すようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、照光型スイッチを押さずに、扉20を開けて買物かごB1個を筐体内に挿入し扉20を閉めることで除菌工程を開始させてもよい。
【0035】
約15秒して除菌が終了すれば、照光式スイッチが消灯するとともに、窓23から見えていた青い光が消えるので、利用者は殺菌が終了したことを知ることができる。利用者は、扉20を開けて一の買物かごBを取出す買物かご取出し工程を実施して買物かご除菌方法が終了する。利用者は目の前で、自分が利用する買物かごが除菌されるので、安心して当該買物かごを利用できる。
【0036】
このように、実施例1においては、買物かごを除菌する買物かご除菌装置であって、
箱型の筐体と、
前記筐体の一側面に設けられ、前記買物かごの持ち手を上にして1個の買物かごを挿入及び取出しが可能な扉と、
前記筐体の内部に固定され、前記扉から挿入された前記買物かごの幅方向を位置決めする幅方向位置決め部と、
前記買物かごを前記筐体内に挿入する過程で、前記買物かごの前記持ち手を上昇させて、当該買物かごが取出されるまで前記持ち手を上昇させたまま維持する持ち手上昇部と、
前記筐体内に挿入された前記買物かごに対して除菌用の深紫外光を照射する複数の発光部と、を備えたことを特徴とする買物かご除菌装置により、利用者が利用直前に買物かごを持ち手も含めて除菌可能とすることができる。
【0037】
また、利用直前に買物客が買物かごを除菌する買物かご除菌方法であって、
筐体で覆われた買物かご除菌装置の扉を開けて、1個の買物かごを前記筐体内に挿入する買物かご挿入工程と、
除菌後に前記扉を開けて前記1個の買物かごを取出す買物かご取出し工程と、を備え、
前記買物かご挿入工程の過程において、前記買物かごの持ち手を上昇させる持ち手上昇工程が実施されることを特徴とする買物かご除菌方法により、利用者が利用直前に買物かごを持ち手も含めて除菌可能とすることができる。