特許第6889912号(P6889912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6889912ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6889912
(24)【登録日】2021年5月26日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/06 20060101AFI20210607BHJP
   C08L 77/02 20060101ALI20210607BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20210607BHJP
   C08K 5/5465 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   C08L77/06
   C08L77/02
   C08K7/14
   C08K5/5465
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-102833(P2017-102833)
(22)【出願日】2017年5月24日
(65)【公開番号】特開2018-197316(P2018-197316A)
(43)【公開日】2018年12月13日
【審査請求日】2020年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】祢宜 行成
【審査官】 北田 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−117817(JP,A)
【文献】 特開2005−273884(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/075699(WO,A1)
【文献】 特開2016−060902(JP,A)
【文献】 特開2013−253196(JP,A)
【文献】 特開2017−048284(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/203606(WO,A1)
【文献】 特開2013−253197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 67/00−87/00
C08K 3/00−13/08
C08G 63/00−83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド樹脂、ガラス繊維およびカップリング剤を含有するポリアミド樹脂組成物であって(ただし、変性ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂組成物を除く)
ポリアミド樹脂が、2種以上のポリアミド樹脂の混合物であって、前記混合物の、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が2.8以上であり、前記混合物のうち最も相対粘度が高いポリアミド樹脂と最も相対粘度が小さいポリアミド樹脂の相対粘度の差が0.5以上であって、
ガラス繊維の平均繊維径が6.0〜9.0μmであり、
カップリング剤が、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランであることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【請求項2】
2種以上のポリアミド樹脂が、いずれもポリアミド66であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
2種以上のポリアミド樹脂が、いずれもポリアミド6であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
【請求項5】
摺動部品であることを特徴とする請求項4に記載の成形体。
【請求項6】
ギア、プーリー、カム、軸受けまたはケーブルハウジングであることを特徴とする請求項4に記載の成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は優れた機械的特性および耐摩擦磨耗特性を有するポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は、エンジニアリングプラスチックとしての優れた特性を有することから、自動車、機械、電気・電子等各種の工業分野において広く用いられている。近年、ポリアミド樹脂は、その優れた機械的特性、耐摩耗性から、軸受け、ギア、ウオーム、摺動筒等の摺動部品の金属代替として広く用いられるようになってきているが、高荷重、高速度条件下では、耐摩擦摩耗性が不十分であるという問題があった。そのため、ポリアミド樹脂に対し各種補強材や添加剤を配合し、機械的特性や摺動性を向上させることが検討されている。
【0003】
特許文献1、2では、ポリアミド樹脂にテトラフルオロエチレンや高密度ポリエチレンを配合して耐摩擦磨耗特性を向上させることが開示されており、特許文献3、4では、ポリアミド樹脂にエラストマーやフィラーを配合して耐摩擦磨耗特性を向上させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−185747号公報
【特許文献2】特開平8−157714号公報
【特許文献3】特開2001−106904号公報
【特許文献4】特開2004−107440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来技術に鑑み、優れた機械的特性および耐摩擦磨耗特性を有するポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、特定のポリアミド樹脂の混合物を用いて、特定の繊維径のガラス繊維を用いることによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
(1)ポリアミド樹脂、ガラス繊維およびカップリング剤を含有するポリアミド樹脂組成物であって(ただし、変性ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂組成物を除く)
ポリアミド樹脂が、2種以上のポリアミド樹脂の混合物であって、前記混合物の、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が2.8以上であり、前記混合物のうち最も相対粘度が高いポリアミド樹脂と最も相対粘度が小さいポリアミド樹脂の相対粘度の差が0.5以上であって、
ガラス繊維の平均繊維径が6.0〜9.0μmであり、
カップリング剤が、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランであることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
(2)2種以上のポリアミド樹脂が、いずれもポリアミド66であることを特徴とする(1)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(3)2種以上のポリアミド樹脂が、いずれもポリアミド6であることを特徴とする(1)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
(5)摺動部品であることを特徴とする(4)に記載の成形体。
(6)ギア、プーリー、カム、軸受けまたはケーブルハウジングであることを特徴とする(4)に記載の成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れた機械的特性および耐摩擦磨耗特性を有するポリアミド樹脂組成物を提供することができる。本発明のポリアミド樹脂組成物は、摺動部品に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂とガラス繊維とカップリング剤とから構成される。
【0009】
本発明に用いるポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合を有する樹脂のことである。ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリε−カプラミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリウンデカナミド(ポリアミド11)、ポリドデカナミド(ポリアミド12)、ポリアミド6/66共重合体を挙げられる。中でも、耐熱性、強度、加工性、経済性の観点から、ポリアミド66が好ましい。
【0010】
ポリアミド樹脂は、2種以上のポリアミド樹脂の混合物であることが必要である。混合物の相対粘度は、2.8以上であることが必要であり、2.8〜3.8であることが好ましい。前記混合物の相対粘度が2.8未満の場合、摩耗量が多くなったり、衝撃強度が低くなったりするので好ましくない。一方、前記混合物の相対粘度が3.8を超える場合、耐摩擦磨耗性が劣るものとなったり、成形性が低くなったりする場合がある。前記混合物のうち最も相対粘度が高いポリアミド樹脂と最も相対粘度が小さいポリアミド樹脂の相対粘度の差は、0.5以上であることが必要であり、0.7以上であることが好ましい。前記相対粘度の差が0.5未満の場合、耐摩擦磨耗性が劣るものとなるので好ましくない。前記混合物のうち最も相対粘度が高いポリアミド樹脂の相対粘度は、3.3〜5.0であることが好ましく、3.7〜4.6であることがより好ましい。前記混合物のうち最も相対粘度が高いポリアミド樹脂の相対粘度が3.3未満の場合、機械的特性が低くなる場合があり、前記相対粘度が5.0を超える場合、ガラス繊維の分散性が悪くなり、機械的特性が低くなる場合がある。
【0011】
本発明に用いるガラス繊維は、機械的特性と耐摩擦磨耗性の観点から、繊維径が6.0〜9.0μmであることが必要である。繊維径が6.0μm未満のガラス繊維は、チョップドストランドの製造が困難なばかりか、配合時に開繊不足が発生しポリアミド樹脂中にガラス繊維を均一に混合することが困難であるため好ましくなく、一方、繊維径が9.0μmを越える場合、耐摩擦磨耗性が低くなるので好ましくない。断面形状は、円形であっても非円形断面であってもよい。非円形断面としては、特に限定されないが、通常、まゆ形、長円形、半円形、円弧形、長方形、平行四辺形またはこれらの類似形のものが用いられる。繊維長は、1〜15mmであることが好ましく、1.5〜12mmであることがより好ましく、2〜6mmであることがさらに好ましい。ガラス繊維は、ポリアミド樹脂中への分散性および密着性を高める目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の高分子または低分子の表面処理剤で表面処理されているのが好ましい。
【0012】
ガラス繊維の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、5〜50重量部とすることが好ましく、15〜40質量部とすることがより好ましい。ガラス繊維の含有量が5質量部よりも少ない場合、機械的特性、耐摩擦磨耗性の向上効果が小さくなる場合がある。一方、ガラス繊維の含有量が50質量部よりも多い場合、耐摩擦磨耗性が低下する場合がある。
【0013】
本発明に用いるカップリング剤としては、シラン系カップリング剤が好ましく、イソシアネートシランカップリング剤またはエポキシシランカップリング剤がより好ましい。イソシアネートシランカップリング剤は、1分子当たりイソシアネート基を1個以上含有するシランカップリング剤である。イソシアネートシランカップリング剤としては、例えば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。エポキシシランカップリング剤は、1分子当たりエポキシ基を1個以上含有するシランカップリング剤である。エポキシシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。中でも、イソシアネートシランカップリング剤が好ましく、γ− イソシアネートプロピルトリメトキシシランまたはγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランがより好ましい。
【0014】
カップリング剤の含有量としては、ポリアミド樹脂100質量部に対して、0.1〜1質量部とすることが好ましく、0.2〜0.5質量部とすることがより好ましい。カップリング剤の含有量が0.1質量部よりも少ない場合、耐摩擦磨耗性の向上効果が小さい場合がある。一方、カップリング剤の含有量が1質量部よりも多い場合、引張強度および引張弾性率が低下する場合がある。
【0015】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、熱安定剤を含有させてもよい。熱安定剤としては、例えば、塩化銅、臭化銅、フッ化銅、ヨウ化銅、チオシアン酸銅、硝酸銅、酢酸銅、ナフテン銅、カプリン酸銅、ラウリン酸銅、ステアリン酸銅、アセチルアセトン銅、酸化銅(I)、および酸化銅(II)が挙げられる。熱安定剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、耐熱性向上の観点から、ヨウ化銅等のハロゲン化銅または酢酸銅が好ましい。上記銅系熱安定剤は、ハロゲン化カリウムと併用することにより、さらに耐熱性を向上させることができる。ハロゲン化カリウムとしては、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウムが挙げられる。
【0016】
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、耐衝撃材、耐熱材、発泡剤、耐候剤、結晶核剤、結晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料等の添加剤を加えてもよい。
【0017】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂とガラス繊維とカップリング剤を、一軸あるいは二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練することにより製造することができる。そして、得られたポリアミド樹脂組成物組成物を成形することにより、成形体を得ることができる。成形方法としては、押出成形法、ブロー成形法、射出成形法等が挙げられる。
【0018】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、摺動部品、特に自動車や機械のギア、プーリー、カム、軸受、ケーブルハウジング等に好適に用いることができる。
【実施例】
【0019】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
A.評価方法
(1)相対粘度
96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した。
(2)引張強度、引張弾性率
ISO527−1、2に準拠して、常温下、引張速度5mm/分で測定した。
(3)シャルピー衝撃強さ
ISO179−1に準拠して、常温下、ノッチ付きで、エッジワイズで測定した。
【0020】
(4)限界PV値
JIS K7218 A法に準拠して、鈴木式摩擦摩耗試験機(東洋ボールドウィン社製MODEL EFM−III−E型)を用いて摩擦摩耗試験をおこなった。相手材は円筒状の鋼(S45C、#2000仕上げ)を用いて、試験速度は200mm/秒とした。開始時に試験荷重100Nをかけ、10分毎に100Nずつ上げ、試験片が溶融した試験荷重の直前の荷重の値を限界PV値とした。
本発明においては、限界PV値が0.6MPa.m/s以上の場合、合格と判断した。
【0021】
(5)摩耗体積量
JIS K7218 A法に準拠して、鈴木式摩擦摩耗試験機(東洋ボールドウィン社製MODEL EFM−III−E型)を用いて摩擦摩耗試験をおこなった。相手材としては円筒状の鋼(S45C、#2000仕上げ)を用いて、試験速度は200mm/秒とした。開始時に試験荷重100Nをかけ、1時間連続運転した。
連続運転後、磨耗量(g)を求め、ポリアミド樹脂組成物の密度を用いて摩耗体積量(cm/時間)を求めた。
本発明においては、摩耗体積量が7cm/h以下の場合、合格と判断した。
【0022】
(6)振動疲労性
試験条件は振動疲労試験機(東洋精機製作所社製)を用い、引張荷重制御、チャック間距離:25mm、雰囲気温度:30℃、周波数:30Hz、応力モード:引張の条件下で測定をおこなった。63MPaでの応力を負荷し、試験片が破壊するまでの応力負荷回数を計測した。試験片は、JIS K7160の2形試験片を用いた。
本発明においては、負荷回数が10以上の場合、合格と判断した。
【0023】
B.原料
(1)ポリアミド樹脂
・PA6−1:ユニチカ社製 E2046、ポリアミド66、相対粘度4.6
・PA6−2:ユニチカ社製 E2037、ポリアミド66、相対粘度3.7
・PA6−3:ユニチカ社製 E2033、ポリアミド66、相対粘度3.3
・PA6−4:ユニチカ社製 E2000、ポリアミド66、相対粘度2.8
・PA6−5:ユニチカ社製 E2001R、ポリアミド66、相対粘度2.5
・PA66−1:ユニチカ社製 A1030BRL、ポリアミド6、相対粘度2.5
・PA66−2:ユニチカ社製 A1030BRT、ポリアミド6、相対粘度3.5
【0024】
(2)ガラス繊維
・GF1:オーウェンコーニング社製 CS03DEFT2A、繊維径6.5μm、繊維長3mm
・GF2:日東紡績社製 CS03G459、繊維径9.0μm、繊維長3mm
・GF3:日本電気硝子社製 ECS03T262H社繊維径10.5μm、繊維長3mm
【0025】
(3)カップリング剤
・C1:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 Y−5187、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン
・C2:信越シリコーン社製 KBM−403社γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・C3:信越シリコーン社製 KBM−903社γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0026】
(4)耐熱剤
・ヨウ化銅(CuI)
・臭化カリウム(KI)
【0027】
実施例1〜7、10〜11、参考例1〜2および比較例1〜7
表1に記載したポリアミド樹脂およびガラス繊維をTEM26SS二軸混練機で溶融混練し、目的とするポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
その後、得られたペレットをシリンダー温度290℃、金型温度80℃で射出成形し、各種試験片を製造し、各種物性を評価した。
【0028】
実施例1〜7、10〜11、参考例1〜2および比較例1〜7の樹脂組成や得られたポリアミド樹脂組成物の評価を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
実施例1〜7、10〜11のポリアミド樹脂組成物は、引張強度、シャルピー衝撃強度が高く、磨耗量が小さく、振動疲労性に優れていた。
【0031】
比較例1のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂として1種類の高粘度のポリアミド樹脂のみを用いたため、振動疲労性に劣っていた。
比較例2のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂として1種類の低粘度のポリアミド樹脂のみを用いたため、磨耗体積量が多かった。
比較例3のポリアミド樹脂組成物は、用いるポリアミド樹脂混合物の相対粘度が低かったため、摩耗体積量が多かった。
比較例4のポリアミド樹脂組成物は、用いるポリアミド樹脂混合物の相対粘度の差異が小さかったため、振動疲労性に劣っていた。
比較例5のポリアミド樹脂組成物は、ガラス繊維を用いなかったため、限界PV値が小さく、振動疲労性に劣っていた。
比較例6のポリアミド樹脂組成物は、用いるガラス繊維の繊維径が大きかったため、限界PV値が小さく、摩耗体積量が多く、振動疲労性に劣っていた。
比較例7のポリアミド樹脂組成物は、カップリング剤を用いなかったため、限界PV値が小さく、磨耗体積量が多かった。