(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記前枠が前記閉じ位置から前記開き位置へ回動するときに、前記外枠に対して前記前枠を前方向及び前記閉じ位置から前記開き位置へ回動する方向に付勢する付勢部材を備えている請求項1記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている遊技機は、クリア部材保持枠が内枠に対して該クリア部材保持枠の上部軸着部分を中心にして上方に開放するため、開放時には内枠よりも上方に位置する各種部品等と干渉しやすいといった問題があった。
例えば、一般に遊技機は、複数台の遊技機を配置可能に形成されている島設備に設置されて遊技者の遊技に供されるところ、島設備には遊技機が設置される箇所よりも上側にその遊技機の大当たり回数をはじめとする各種の情報が表示する表示装置や、遊技店で店員を呼ぶためのコールボタンなどが設けられている。
【0007】
そのため、特許文献1に記載されている遊技機の場合は、クリア部材保持枠が内枠に対して上記したように上方に開放すると、該クリア部材保持枠の上端部と表示装置などが互いに干渉し合い、該クリア部材保持枠を本来の位置である水平位置まで開放することができないという問題があった。一方、このように干渉しないようにするには表示装置などを内枠の上方に設置しないようにすることで解消できるものの、表示装置を設置しないと遊技機の演出によって遊技者の興趣を向上させるといった効果が限定的になるといった問題があった。
【0008】
また、遊技機の点検時などにおいても、クリア部材保持枠を十分に上方まで開放することができないために作業しづらくなりがちであり、作業効率を大きく向上することができないという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、前枠を水平位置まで開放しても島設備に配置されている各種装置と干渉しない遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
(1)遊技領域を有する遊技盤の前側に前枠を備えた遊技機であって、前記前枠を回動させるときに回動中心となる回動支点を有し、前記前枠の後方に設けられており、枠状に形成された外枠本体と、前記外枠本体から前方に向けて延出形成されており、前記前枠の
水平軸回りに上開きする開閉動作及び前後方向への移動動作をガイドするためのガイド部材を有する外枠とを備え、前記ガイド部材は、前記外枠本体に取付固定されている固定部と、前記固定部の前側に取り付けられているガイド体とを有しており、前記前枠は、前記開閉動作を行うときに前記回動支点を
水平軸方向中心に有する回動軸を備えるとともに、前記回動支点を中心にして、前記遊技盤の前側に位置する閉じ位置と、
上開きして前記遊技盤を開放する開き位置との間で開閉自在に回動するとともに、前記回動するときには前記外枠に対して前後方向に移動するように構成され、前記ガイド体は、
前記遊技機を、正面
視したときに左右方向に貫通する貫通孔を有しており、前記回動軸は、前記ガイド部材により前記前後方向への移動がガイドされるとともに前記貫通孔内を移動するように構成されていることを特徴とする遊技機、
(2)前記前枠が前記閉じ位置から前記開き位置へ回動するときに、前記外枠に対して前記前枠を前方向及び前記閉じ位置から前記開き位置へ回動する方向に付勢する付勢部材を備えている上記(1)記載の遊技機、
(3)前記ガイド部材は、前記外枠本体から前方に向けて下り傾斜しつつ延出形成されるように形成されている上記(1)又は(2)記載の遊技機を要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前枠を水平位置まで開放しても島設備に配置されている各種装置と干渉しないようにすることができ、点検時等における遊技機での作業効率を飛躍的に向上させることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る遊技機の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本明細書では、本発明に係る遊技機の例としてパチンコ機を用いて説明するが、本発明はパチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシン等にも適用することができる。また、本明細書においては、パチンコ機(以下では、単に「遊技機」と言う。)及び遊技機を構成する各部材の「前側」、「後側」、「上側」、「下側」、「左側」及び「右側」は、遊技機を正面から見た場合における前側、後側、上側、下側、左側及び右側を示すものとする。また、本明細書では、遊技機から遊技者に対して払い出される遊技球のことを「賞球」と言う。
【0014】
[遊技機の外観構成]
まず、遊技機1の外観構成を
図1から
図4に基づいて説明する。
図1は、遊技機1の外観構成を表す斜視図、
図2は遊技機1の前枠4を開いた状態を表わす斜視図、
図3及び
図4は遊技機1の分解斜視図である。
【0015】
遊技機1は、機体の外郭を構成する縦長方形の枠状に形成された外枠2を備えており、この外枠2の開口前面側に縦長方形の中枠3が該外枠2に対して開閉自在に組み付けられている。また、中枠3の前面側には、前枠4が開閉自在に組み付けられている。
【0016】
外枠2は、遊技店などに予め設置されている島設備に遊技機1を設置する際に、該島設備に形成されている遊技機設置用の開口部(図示せず)に嵌め込んで設置することができる大きさに形成されている。この外枠2は、外枠本体5とガイド部材6とを備えている。外枠本体5は、前枠4の後方に設けられており、縦長方形の枠状に形成されている部材であり、一般的には木材などを用いて形成されており、遊技機1の重量を支えることができるようになっている。また、本実施の形態における外枠本体1のように、より強固に補強する趣旨で、木材などで形成した枠状体の外周部や四隅に金属製の板材をネジ止めするなどしてもよい。なお、外枠2の構成や外枠2を形成する材料は上記したものに限定されるものではない。
【0017】
図3に示すように、ガイド部材6は外枠本体5の上部に取り付けられている。このガイド部材6は、金属製の固定部6aとこの固定部6aの前側に取り付けられているガイド体6bとから構成されている。固定部6aは、外枠本体5を構成する上側の枠材に対してネジ止め等の方法によって取付固定されている。ガイド体6bは固定部6aと一体的になるよう形成されており、外枠本体5に固定部6aを取付固定したときに、ガイド体6bが固定部6aの前側、言い換えるとガイド体6bが外枠本体5(外枠2)の前側に位置するように外枠本体5に取り付けられている。
【0018】
このガイド体6bは、外枠本体から前方に向けて延出形成されており、かつ前方へ行くにしたがって下り傾斜しつつ延出形成されている。また、ガイド体6bは、ガイド部材6を外枠本体5に取付固定したときの前端部及び後端部が曲線状に形成されるとともに、この前端部及び後端部の間は直線状に形成されており、ガイド体6bを側面視すると長穴形状を有する輪状に形成されている。また、この長穴形状をしている箇所は、ガイド体6bを正面視したときに左右方向に貫通する貫通孔となっている。以下では、この貫通孔のことを貫通孔6cとする。
【0019】
ガイド体6bは、固定部6aに対して左右一対となるように2つ形成されている。これら2つのガイド体6bは、前枠4を外枠2に対して取付固定したときのガタツキ等を防止する趣旨で、同一形状とすることが好ましい。なお、本実施の形態では、一つの固定部6aに対して2つのガイド体6bが対となるように形成されている例を用いて説明しているが、一つの固定部6aに対するガイド体6bの数は上記した例に限定されるものではない。また、本実施の形態では、ガイド体6bは外枠本体5の左右両端部よりも中央寄りに配置されているが、ガイド体6bを配置する箇所も上記した例に限定されるものではない。
【0020】
また、外枠2には、該外枠2を正面視したときの右側に付勢部材としてのエアシリンダ7が設けられている。このエアシリンダ7は外枠2と前枠4とを接続することができるように設けられている。エアシリンダ7は、基端側の端部が外枠本体5の右側部にネジ止め等の任意な方法によって取り付けられており、先端側の端部が前枠4に取り付けられるようになっている。なお、本実施の形態では、付勢部材の例としてエアシリンダを用いた例を説明しているが、前枠4を開放したときに、開放された前枠4を支持することができるものであればよく、上記した例には限定されない。
【0021】
なお、外枠2において、該外枠2を正面視したときの左側上部及び下部において前方に延出するように設けられているのは、中枠3を開閉可能に取り付けるための固定部材8である。
【0022】
中枠3は、外枠2の前側に位置するように配置されている。この中枠3は、外枠2に形成されている固定部材8によって固定される被固定部(図示せず)が形成されており、この被固定部が固定部材8によって固定されることにより、外枠2に対して開閉自在に取り付けられている。中枠3は、遊技機1を正面視した時の左側に外枠2に対して開閉する開閉軸があり、この開閉軸を中心にして開閉することができるようになっている。つまり、中枠3は、外枠2に対して該外枠2の長手方向一端部を中心に回動可能に形成されており、外枠2に対して開閉自在に取り付けられている。
【0023】
この中枠3は、外枠2の内部にはまり込む大きさ及び形状に形成されている。また、中枠3は内部に裏ユニット9を設置することができるように形成されている。なお、遊技時に遊技球を流下させることのできる遊技領域を有する遊技盤10は裏ユニット9に取付固定されている。また、中枠3の下部には、受け皿としての上受け皿11及び下受け皿12を備えている。本実施の形態では、上受け皿11及び下受け皿12を一つのユニットとして形成しているが、上受け皿11及び下受け皿12は別体として形成してもよいし、他の形態で形成してもよい。また、本実施の形態では、下受け皿12の一部を形成し、前枠3が閉じたときに下受け皿として機能するように形成しているが、他の形態により形成してもよい。
【0024】
この上受け皿11及び下受け皿12は、遊技中に図示しない入賞装置等に遊技球が入賞したときに払い出される所定数の賞球を貯留するための貯留スペース13,14を有している。遊技機1は、遊技の進行に応じて払い出される賞球を貯留スペース13,14に払い出し、その賞球を遊技に費やしたりすることができるようになっている。
【0025】
前枠4は、外枠2及び中枠3の前側に位置し、これら外枠2及び中枠3のいずれに対しても開閉自在となるように配置されており、遊技機1においては最も遊技者に近い側に位置するように配置されている。
図1等において示すように、この前枠3は中央部に窓部15が形成されており、この窓部15が形成されている箇所にガラス板16が取付固定されている。また、前枠4の下部であって窓部15の前方には所定の形状を有する構造体17が設けられている。この構造体17は、遊技の進行に応じて遊技者に所定の操作を行わせるためのものである。
図1,3等においては、構造体17は球状に形成されているが、この構造体17の形状も任意に決定してよい。例えば、構造体17が剣をイメージした形状をしていてもよいし、他の形状をしていてもよい。なお、構造体17は、前枠4の下部から上方に向けて延出したりするような大柄なものである場合には、一枚板上を介して形成することが好ましい。このように形成することで、構造体17の強度を強くすることができ、例えば後述するように前枠4を開放したときに構造体17が自重で折れてしまったり、変形するというような不具合を確実に防止することができる。なお、本実施の形態に係る遊技機1では、前枠4にガラス板16が取付固定されている例を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、前枠4にガラス板16を取付固定していなくてもよい。この場合には、ガラス板16は外枠2に対して、該外枠2の長手方向一端部を中心に回動可能に形成される態様であってもよく、またこれ以外の別の態様であってもよい。
【0026】
図1,3にも示す通り、前枠4には右下に操作ハンドル18が設けられている。操作ハンドル18は、遊技者の操作によって所定量回動することができるように構成されている。遊技機1では、遊技盤10に向けて遊技球を弾発するための発射装置を内部に備えており、この発射装置が遊技球を弾発する弾発強さを操作ハンドルの回動量を調節することによって調節することができるように構成されている。
【0027】
図4に示すように、前枠4は、上部の裏側に回動軸19を有している。また。回動軸19が配置されている所定箇所には切欠き部20が形成されている。切欠き部20は、前枠4が外枠2に取付固定されたときに、外枠本体5に取付固定されたガイド部材6のガイド部6bと干渉しないようにするためのものである。この切欠き部20が形成されている箇所においては、ガイド部6bが露出するように形成されている。
【0028】
図4に示すように、前枠4は回動軸19を有しており、外枠2に対して前枠3を回動させるときに、この回動軸19の軸中心が前枠4を回動させるときに回動中心となる回動支点となっている。即ち、回動軸19は、開閉動作を行うときの回動支点Sを軸方向中心に有しており、回動軸19はガイド部材6により前後方向への移動がガイドされるように構成されている。そして、前枠4の上部が外枠2の上部と接続されることにより、外枠2に対する前枠4の回動支点Sが形成されており、前枠4は、回動支点Sを回動中心として、該回動中心の長手方向反対側の端部である自由端が回動支点Sよりも垂直方向下方に位置して遊技盤10の前側に位置する閉じ位置と、自由端が回動支点の高さ位置に位置し遊技盤10を開放する開き位置との間で開閉自在に回動することができるように構成されている。また、ガイド部6bは、前枠4が回動するときには、外枠2に対して前後方向に移動するようにも構成されている。
【0029】
図2に示すように、前枠4には、エアシリンダ7の他端部が接続されている。上記した通り、エアシリンダ7は一端部が外枠2に設けられており、前枠4が閉じ位置から開き位置へと回動したり、前枠4が開き位置に位置しているときは、外枠2と前枠4との間で所定量の大きさの付勢力を付与して、前枠4が外枠2に対して開放している状態を維持することができるようになっている。
【0030】
[遊技機の作用効果]
次に、本実施の形態に係る遊技機の作用を
図5から
図10に基づいて説明する。
図5から
図10は、本実施の形態に係る遊技機の作用として前枠4の開閉動作を説明するための説明図である。
【0031】
まず、遊技機1が遊技に供されるときの状態について
図5などを用いて説明する。通常、遊技機1が遊技に供されるときは、遊技店に予め設置された島設備90に設置されている。
図5などに示すように、島設備90には所定の大きさを有する開口部が形成されており、この開口部に遊技機1の外枠2が嵌め込まれて設置されている。このように、遊技機1を島設備90に設置すると、遊技機1の上方には、島設備90に取り付けられている呼びボタン91や、遊技機1の稼働状況に関する各種情報を表示する表示装置(図示せず)などが配置されている。
【0032】
このようにして島設備90に設置された遊技機1は、通常は
図1,5に示すように、外枠2に対して中枠3及び前枠4が閉じた状態、すなわち中枠3及び前枠4が閉じ位置に位置するように配置されている。遊技機1がこのようになっているときに、遊技者が操作ハンドル18を操作すると遊技機1遊技球が順次弾発され、遊技が進行する。
【0033】
ここで、前枠4が閉じ位置に位置しているときの回動軸19とガイド体6bとの位置関係を説明する。まず、
図5,6に示すように、遊技機1では、前枠4が外枠2に対して組み付けられている場合には、前枠4の回動軸19がガイド体6bの貫通孔6c内において、該貫通孔6cの最奥側に位置するように配置されている。
【0034】
ここで、操作者が前枠4を開放するときは、
図5に示すA方向に向けて前枠4を引き上げる。このとき、前枠4には構造体17も一体的に構成されているので、前枠4が引き上げられると、それと同時に構造体17も一体的に移動する。前枠4がA方向に向けて引き上げられるときは、回動軸19における回動支点Sを回動中心として回動する。
【0035】
前枠4が閉じ位置と開き位置との間に位置しているときの様子を図示したのが
図7,8である。これら
図7,8に示すように、前枠4を閉じ位置から開き位置へと引き上げると、上記した通りA方向に回動しながら引き上げられる。また、それと同時に、前枠4はガイド部材6のガイド部6b中を前方向(
図8におけるB方向)へと移動する。つまり、前枠4は、B方向へのスライド移動とA方向への回動を同時に行いながら順次引き上げられることになる。
図8に図示した通り、前枠4が閉じ位置と開き位置との間にある場合には、回動軸19はガイド体6bの最先側と最奥側との間に位置している。実際には、前枠4が閉じ位置から開き位置まで移動するのに伴って、回動軸19もガイド体6bにおける最奥側から最先側へと移動している。
【0036】
このような動作を行いながら、前枠4が閉じ位置から開き位置へ到達すると、前枠は水平方向に位置するところまで引き上げられる。このとき、
図9,10に示すように、回動軸19はガイド体6bの最先側に位置している。つまり、前枠4が閉じ位置から開き位置まで引き上げられると、回動軸19はガイド体6bの最奥側から最先側まで移動することになる。言い換えると、前枠4は、閉じ位置から開き位置まで引き上げられるときは、
図5等に示したA方向へ回動するのと同時に、前方向(
図7等におけるB方向)へとスライド移動することになる。そして、開き位置に位置した前枠4は、エアシリンダ7の付勢力が作用するので、この付勢力によって前枠4が開き位置に位置することが維持される。そのため、操作者が前枠4を開き位置まで移動させた後に手を放しても、エアシリンダ7の付勢力によって開き位置が維持されることになる。
【0037】
次に、前枠4を外枠2に対して開放した後に、中枠3を外枠2に対して開放する。中枠3を外枠2に対して開放するのは、例えば主制御基板(図示せず)や副制御基板(図示せず)といった箇所を点検したりするとき等などである。このような場合には、中枠3と外枠2との係合状態を解除して中枠3が外枠2に対して回動できる状態にし、その後に中枠3を開放する位置まで回動させる。このとき、本実施の形態に係る遊技機1では、中枠3は遊技機1を正面視したときの左側の長手方向が回動するための軸になっているので、作業者は中枠3の右側端部などを手に取って、中枠3の左側を軸にして
図11中のC方向に回動させる。そうすると、
図11,12に示すように、中枠3が開放した状態にして所定の作業をすることができる状態になる。
【0038】
次いで、中枠3を外枠2に閉じる動作及び前枠4を閉じ位置にする動作を説明する。
図10,
図11に示すように、開放された中枠3を外枠2に対して閉じるためには、操作者が遊技機1の正面視したときの右側を押して、中枠3が外枠2に近づく方向にむけて該中枠3を回動させる。このとき、中枠3は、該中枠3の左側を軸として、
図11中のD方向に回動させる。このように回動させると、
図2に示すように、中枠3が外枠2に対して閉じた状態になる。その後、中枠3を外枠2にロックさせて、外枠2と中枠3とをロック状態にする。
【0039】
次に、前枠4を開き位置から閉じ位置に移動させる。この場合は、
図9,10に示す開き位置からE方向に回動させる。上記した通り、前枠4が開き位置に位置しているときは、回動軸19がガイド体6bの最先側に位置しているところ、前枠4をE方向に回動させると、回動軸19は
図10中におけるF方向、言い換えるとガイド体6bの最奥側に向けて移動し始める。つまり、前枠4をE方向に回動させると、この方向に回動するのと同時に、F方向にも移動するように動作を行う。そして、前枠4が開き位置から閉じ位置に到達すると、回動軸19はガイド体6bの最奥側に位置させ、前枠4と外枠2とをロックする。
【0040】
本実施の形態に係る遊技機1では、このように前枠4が閉じ位置から開き位置に向けて回動するときに、
図8におけるB方向、つまり外枠2に対して前側にスライド移動するので、
図9に示すように、前枠4が開き位置に位置しているときに、島設備90における呼びボタン91や各種の表示装置との干渉を確実に防止することが可能になる。そのため、前枠4を開き位置に位置させるにあたって上記した干渉を防ぐために前枠4をどこまで開放していいかを調整したりする煩雑さをなくすことができるとともに、前枠4を作業者が開放して作業をするときに、作業者の作業スペースを十分に確保することが可能になる。
【0041】
一般に、作業者は、
図12に示すように、開き位置に前枠4を位置させた状態で、この前枠4の下方に座って作業をすることになる。そのため、作業スペースを広くして十分に確保することによって、作業者の作業効率を大きく向上させることができる。また、本実施の形態に係る遊技機1では、エアシリンダ7を用いて前枠4が開き位置に位置するのを維持するようにしているので、作業者は片手で前枠4を手に取り、もう片方の手で作業を行うというようなことをせず、両手を使って作業を行うことができる。そのため、作業を非常に迅速かつ正確に行うことが可能になる。遊技店においては、特に釘調整などの作業を頻繁に行うことが多く、かつ釘調整は精度が求められるため、こういった作業を正確かつ効率的に行うことで作業をよりスムーズに行えるようになる。また、作業者はエアシリンダ7によって前枠4が支持されていることで、安心感をもって作業を行うことも可能になる。
【0042】
また、
図12に示すように、遊技店においては1台の島設備90において複数台の遊技機1が設置されることが一般的である。また、上記した釘調整などの作業も、複数台の遊技機1に対して行うことが多い。このような場合、本実施の形態に係る遊技機1によれば、複数台の遊技機1の前枠4をすべて開き位置に位置させておくことで、従来の遊技機のように前枠を回避するように移動しながら順次作業を進めるといった煩雑さを解消することができるので、非常に効率的に行うことが可能になる。
【0043】
さらに、本実施の形態に係る遊技機1によれば、外枠2に対して前枠4に加えて中枠3を開閉可能に形成されており、前枠4は上方に向けて回動し、中枠3は左右方向に向けて回動するように構成されているので、例えば遊技中に中枠3を開放して作業を行うことになった場合にも、開き位置に位置した前枠4が隣接する遊技機1で遊技を行っている遊技者の頭上に位置することがなくなるので、隣接する遊技機1での遊技に支障を及ぼすことがなく、円滑に遊技機1での作業を行うことが可能になる。
【0044】
また、本実施の形態に係る遊技機1によれば、上受け皿11及び下受け皿12は裏ユニット9に固定されているため、前枠4を開き位置に位置させる場合においても賞球として払い出される遊技球が前枠4の開放時にこぼれ落ちることがなく、遊技者に対して不快感を与えるようなことを確実に防止することのできる遊技機1を提供することが可能になる。
【0045】
以上、本発明に係る遊技機について詳細に説明したが、上記したのは本発明に係る遊技機の例を示したに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してもよい。