特許第6889938号(P6889938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6889938
(24)【登録日】2021年5月26日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210607BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】2
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2019-190925(P2019-190925)
(22)【出願日】2019年10月18日
(62)【分割の表示】特願2017-100445(P2017-100445)の分割
【原出願日】2017年5月21日
(65)【公開番号】特開2020-6253(P2020-6253A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】平澤 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】生方 正徳
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 洋行
(72)【発明者】
【氏名】中澤 良道
【審査官】 進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−090654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域と開口部とが形成された透明板状の遊技盤と、
前記遊技盤の裏面側に設けられ、遊技の進行に応じて態様が、第1位置における第1態様と、前記第1位置に比べて前記開口部の内方側となる第2位置における第2態様と、に変位する演出を実行可能な第1装飾役物と、
遊技の進行に応じて態様が変位する演出を実行可能であって、第1連結部と、前記第1連結部に対して可動に連結された第2連結部と、を有する第2装飾役物と、を備え、
前記第1装飾役物は、
前記第1態様から前記第2態様に変位すると、前記遊技盤の前記開口部を介して視認できる領域が大きくなり、
前記第2装飾役物は、
前記第1装飾役物が前記第2態様となる場合に、前記第1連結部に対して前記第2連結部が作動することによって、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のある態様から、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のない態様へ変位可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2装飾役物は、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のある態様から、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のない態様へ変位する場合には、前記第1連結部に対して前記第2連結部が摺動する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技盤において、各種の演出により作動する可動役物を備え、遊技状態に応じて、例えば、大当たりの可能性が高い、といった内容を遊技者に対して示唆するために様々な動きをする可動役物を備える遊技機がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−047245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来の遊技機では、新たな演出を行うような可動役物の開発が望まれており、遊技の興趣を向上させる余地があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技の興趣を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
[適用例1]
本発明の遊技機(遊技機100)では、遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域106)と開口部(開口部102AZ)とが形成された透明板状の遊技盤(遊技盤102A)と、前記遊技盤の裏面側に設けられ、遊技の進行に応じて態様が、第1位置における第1態様(図15−1、および図1)と、前記第1位置に比べて前記開口部の内方側となる第2位置における第2態様(図15−3)と、に変位する演出を実行可能な第1装飾役物(第1文字ユニット155a)と、遊技の進行に応じて態様が変位する演出を実行可能であって、第1連結部(第1外レール1910)と、前記第1連結部に対して可動に連結された第2連結部(第2外レール1920)と、を有する第2装飾役物(第2文字ユニット155b)と、を備え、前記第1装飾役物は、前記第1態様から前記第2態様に変位すると、前記遊技盤の前記開口部を介して視認できる領域が大きくなり、前記第2装飾役物は、前記第1装飾役物が前記第2態様となる場合に、前記第1連結部に対して前記第2連結部が作動することによって、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のある態様から、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のない態様へ変位可能である(図15−3)ことを要旨とする。
[適用例2]
適用例1の遊技機(遊技機100)において、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のある態様から、前記第1装飾役物の可動領域と干渉する可能性のない態様へ変位する場合には、前記第1連結部に対して前記第2連結部が摺動することを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の遊技機100の正面図である。
図2】外枠160に対してガラス枠150と内枠170が開いた状態を示す遊技機100の斜視図である。
図3】遊技機100の機能ブロックを表す図である。
図4-1】主制御基板300のメインROM301bを説明するための図である。
図4-2】主制御基板300のメインRAM301cを説明するための説明図である。
図5】各種の判定テーブル等を示す説明図である。
図6】大当たり図柄判定テーブルT2と大当たりの種別の振り分け割合を示す説明図である。
図7-1】第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aを例示する説明図である。
図7-2】第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bを例示する説明図である。
図7-3】第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cを例示する説明図である。
図7-4】第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dを例示する説明図である。
図7-5】第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aを例示する説明図である。
図7-6】第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bを例示する説明図である。
図7-7】第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cを例示する説明図である。
図7-8】第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dを例示する説明図である。
図8】主制御基板300で実行される処理の概略フローを示す説明図である。
図9】主制御基板300のメインCPU301aで実行される事前判定処理を示すフローチャートである。
図10】演出制御基板320の詳細を示すブロック図である。
図11】サブRAM320cに設けられる事前判定情報記憶領域320c3を模式的に示す説明図である。
図12】演出制御基板320で実行される処理の一覧を示す説明図である。
図13】先読み処理のフローチャートである。
図14】演出パターン決定処理のフローチャートである。
図15-1】第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが初期態様となった場合を示す概略図である。
図15-2】第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが第1態様となった場合を示す概略図である。
図15-3】第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが第2態様となった場合を示す概略図である。
図16-1】初期態様の第1文字ユニット155aを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
図16-2】第1態様の第1文字ユニット155aを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
図16-3】第2態様の第1文字ユニット155aを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
図17】ロック部1640におけるロック機構を説明する概略図であり、(A)はロック状態を示す図であり、(B)はロック解除状態を示す図である。
図18-1】初期態様の第2文字ユニット155bを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
図18-2】第1態様の第2文字ユニット155bを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
図18-3】第2態様の第2文字ユニット155bを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
図19-1】第1レール部1650の構成を示す図であり、(A)は第1レール部1650が分解された状態を示す斜視図であり、(B)は第1レール部1650における固定孔1922aとスライダ孔部1982と中レール孔部1952aとの位置関係を説明する図である。
図19-2】図19−2は、第1レール部1650における第2外レール1920に対する第2スライダ1980および中レール1950の摺動の様子を説明する図であり、(A)は摺動開始の時点の図であり、(B)は(A)の状態から摺動が進んだ状態を説明する図である。
図20】アウト球センサ部材2000の構成を示す概略図である。
図21】遊技機における連動演出を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態としての遊技機100について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
[遊技機100の構成]
図1、2を用いて、まず、遊技機100の構成について説明する。図1は、本実施形態の遊技機100の正面図である。図2は、外枠160に対して、ガラス枠150と内枠170が開いた状態を示す遊技機100の斜視図である。なお、遊技機100は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
【0012】
以下の説明では、必要に応じて、遊技機100の左右方向を「X方向」とも呼び、特に、遊技機100の右方向を「+X方向」とも呼び、遊技機100の左方向を「−X方向」とも呼ぶ。また、遊技機100の上下方向を「Y方向」とも呼び、特に、遊技機100の上方向を「+Y方向」とも呼び、遊技機100の下方向を「−Y方向」とも呼ぶ。さらに、遊技機100の奥行方向を「Z方向」とも呼び、特に、遊技機100に対して奥側に向かう方向を「+Z方向」とも呼び、遊技機100に対して手前側に向かう方向を「−Z方向」とも呼ぶ。
【0013】
図1、2に示すように、遊技機100は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠160と、その外枠160の前方側で該外枠160と回動可能に支持された内枠170、及びその内枠170の前方側で該内枠170と回動可能に支持されたガラス枠150を備えている。ガラス枠150には、ガラス部材151が裏側から着脱自在に設けられる。また、ガラス枠150の所定の位置には、ガラス枠150及び内枠170を外枠160に対して開閉状態とするとともに、後述する上部ユニット180を着脱するための錠ユニット190が設けられている。さらに、ガラス枠150の所定位置には、ガラス枠150が開放されたことを検出するための図示しないガラス枠開放スイッチが、内枠170の所定位置には、内枠170が開放されたことを検出するための図示しない内枠開放スイッチがそれぞれ設けられている。
【0014】
内枠170には、遊技機100を構成する主要な機構や種々の部品及び基板などが設けられると共に、遊技盤ユニット102が着脱自在に設けられている。ガラス部材151と遊技盤ユニット102との間には、遊技領域106が設けられている。この遊技領域106は、遊技球が流下する遊技球流下領域(図示せず)と、メイン表示装置131の表示画面領域とを含む。
【0015】
遊技盤ユニット102は、透明なアクリル部材からなる遊技盤102Aを備えている。遊技盤102Aには、複数の釘(図示せず)や風車(図示せず)が配置されている。これら釘や風車は、遊技球の動きを変更したり、所定の入賞口に誘導したりする機能を有する。遊技盤102Aにおいて、遊技者側の面を表側面とも呼び、奥側の面(表側面とは反対面)を裏側面とも呼ぶ。
【0016】
遊技盤ユニット102の遊技盤102Aは、開口部102AZを有している。メイン表示装置131は、この開口部102AZに配置される。これにより、遊技者からメイン表示装置131が視認し易くなる。
【0017】
なお、本実施形態では、遊技盤102Aは、透明に形成されているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、遊技盤102Aは、光透過性に形成されていればよく、半透明でもよい。また、遊技盤102Aは、アクリル部材以外の部材、例えば、透明なプラスチック部材から形成されてもよい。
【0018】
ガラス枠150の下部側には、演出操作ユニットBSUが設けられている。演出操作ユニットBSUは、刀柄ユニット135及び演出操作スティック136で構成されている。演出操作ユニットBSUの奥側には、上皿128が設けられている。また、演出操作ユニットBSUの左下方には、下皿129が設けられている。さらにまた、演出操作ユニットBSUの右下方には、発射ハンドル装置103が設けられている。
また、ガラス枠150の上部側には、上部ユニット180が設けられ、所定の遊技状態になると、上部ユニット180は、所定の関連動作を実行する(上部ユニット180は、ガラス枠150以外に外枠160に対しても取り付けられる)。さらに、ガラス枠150の左右両側面には、遊技時及び非遊技時に演出表示を行うための第1サイド表示装置132、第2サイド表示装置133が設けられている。
【0019】
上皿128は、遊技領域106に発射するための遊技球を貯留するための皿である。下皿129は、上皿128に貯留しきれない遊技球を貯留するための皿である。上皿128に貯留された遊技球は、発射レール(図示せず)に導出され、発射ハンドル装置103により所定の発射強度で発射レールを介して誘導レール(図示せず)に誘導されて、遊技領域106(遊技球流下領域)に発射される。この場合、遊技者による発射ハンドル装置103の回転操作具合により、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、遊技領域106に含まれる遊技球流下領域の左側ルート106a、または、右側ルート106bを通過する。具体的には、遊技者が、発射ハンドル装置103を比較的弱めに回転操作した場合には、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、左側ルート106aを通過し得る。一方、遊技者が、発射ハンドル装置103を比較的強めに回転操作した場合には、発射ハンドル装置103から発射された遊技球は、右側ルート106bを通過し得る。
【0020】
演出操作ユニットBSUの中央部には、刀柄ユニット135が配置されている。刀柄ユニット135は、押圧操作により演出態様を変更させることが可能である。
また、演出操作ユニットBSUの左側には、演出操作スティック136が設けられている。
【0021】
図1に示すように、遊技領域106は、上部の奥側に刀ユニット154を、遊技球流下領域の上部の左側で刀ユニット154の前面側(手前側)に第1文字ユニット155aを、遊技球流下領域の下部の右側に第2文字ユニット155bを、遊技球流下領域の左側に第1月光ユニット156を、遊技球流下領域の右側に第2月光ユニット157を、遊技領域106の前面側(手前側)の遊技領域106を覆う第1導光パネル181aを、遊技領域106の奥側で各ユニット154,155a,155b,156,157の前面側(手前側)を覆う第2導光パネル181bを、それぞれ備えている。
【0022】
遊技領域106に備えられた各ユニット154,155a,155b,156,157は、可動役物(いわゆるギミック)であり、それらのユニット154,155a,155b,156,157を、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行うようになっている。
なお、本願では、「可動役物」は、動く役物を意味するように解釈される。また、「役物」は、可動役物、および動かない不動役物の両方を含むように広義に解釈される。
また、第1導光パネル181a、第2導光パネル181bは、透明なアクリルなどの樹脂製のパネルであり、メイン表示装置131で表示される演出表示を透過して視認可能とするとともに、発光部(図示せず)から入射される光によりパネルの一部を発光させることにより図柄などを表示させることが可能となっている。
【0023】
遊技領域106の略中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第1始動装置112が設けられている。この第1始動装置112は、一般入賞装置タイプの入賞装置であって、遊技球が入賞すると、大当たり乱数が取得されて大当たり判定が行われると共に、所定の賞球(例えば3個)が払い出される。また、第1始動装置112の上方には、遊技球が遊技球流下領域の主に左側ルート106aの途中で、釘の間を通過せず、いわゆるワープし、第1始動装置112に入球しやすくなるステージ140が備えられている。
【0024】
また、遊技領域106の右側下方の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を有する第2始動装置115が設けられている。第2始動装置115は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、始動口が設けられ、始動口の上側に可動片115bを有しており、この可動片115bは、遊技盤102Aから突出する突出状態と、遊技盤102Aに引き込む引き込み状態とに可動制御される。そして、可動片115bが引き込み状態なると、遊技球を始動口から第2始動装置115内に導き、遊技球が第2始動装置115に入球容易となる。逆に、可動片115bが突出状態になると、遊技球が始動口に入球せず、遊技球は第2始動装置115に入賞できなくなる。つまり、第2始動装置115は、可動片115bが突出状態にあるときには、遊技球の入賞機会がなく、可動片115bが引き込み状態にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
【0025】
第2始動装置115は、遊技球が入賞すると、上記第1始動装置112と同様に、大当たり乱数が取得されて大当たり判定が行われると共に、例えば第1始動装置112と同じ賞球(3個)が払い出される。
【0026】
また、遊技領域106の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通領域を有する普通図柄作動ゲート113bと、遊技球が入球可能な第1大入賞装置117と、遊技球が入球可能な第2大入賞装置127と、が設けられている。普通図柄作動ゲート113bは、遊技球が通過すると、当たり乱数取得されて当たり判定が行われる。なお、普通図柄作動ゲート113bを遊技球が通過しても、その通過に基づいた賞球が払い出されることはない。
【0027】
第1大入賞装置117は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、開口部が設けられ、開口部の上側に可動片117bを有しており、この可動片117bは、遊技盤102Aから突出する突出状態と、遊技盤102Aに引き込む引き込み状態とに可動制御される。そして、可動片117bが引き込み状態なると、遊技球を開口部から第1大入賞装置117内に導き、遊技球が第1大入賞装置117に入賞可能となる(この状態を「開放」又は「開放状態」とも呼ぶ)。また、第1大入賞装置117に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば15個)が払い出される。逆に、可動片117bが突出状態になると、遊技球が開口部に入球せず、遊技球は第1大入賞装置117に入賞できなくなる(この状態を「閉塞」又は「閉塞状態」とも呼ぶ)。
【0028】
第2大入賞装置127は、いわゆるアタッカ型電動役物であって、その下部には、開口部が設けられ、開口部の上側に可動片127bを有しており、この可動片127bは、遊技盤102Aから突出する突出状態と、遊技盤102Aに引き込む引き込み状態とに可動制御される。そして、可動片127bが引き込み状態なると、遊技球を開口部から第2大入賞装置127内に導き、遊技球が第2大入賞装置127に入賞可能となる(この状態を「開放」又は「開放状態」とも呼ぶ)。また、第2大入賞装置127に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば15個)が払い出される。逆に、可動片127bが突出状態になると、遊技球が開口部に入球せず、遊技球は第2大入賞装置127に入賞できなくなる(この状態を「閉塞」又は「閉塞状態」とも呼ぶ)。
【0029】
また、第2大入賞装置127の上方には、入賞補助装置200を備えている。この入賞補助装置200は、遊技領域106の右側ルート106bを通過した複数の遊技球が閉塞状態の可動片127bを通過するときに、可動片127bの上に所定の時間滞留するようになっており、所定の時間毎に可動片127bが開放されて、滞留している複数の遊技球を一度に第2大入賞装置127に入球させることにより、遊技者に対する興趣を向上させるようになっている。
【0030】
なお、遊技領域106の最下部には、第1始動装置112、第2始動装置115、第1大入賞装置117、第2大入賞装置127のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口111が設けられている。
また、遊技領域106の右側の領域には、ゲート113b、第2始動装置115、第1大入賞装置117、第2大入賞装置127を手前側から覆うカバー116が設けられている。このカバー116には、遊技球を第2始動装置115、第1大入賞装置117、第2大入賞装置127に誘導するために、遊技盤102A側に突出した誘導部が形成されている。
【0031】
遊技領域106の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなるメイン表示装置131が設けられており、このメイン表示装置131は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動装置112、第2始動装置115の遊技球の入賞に基づいて、大当たりの判定結果を報知するための複数の装飾図柄が変動表示され、特定の装飾図柄の組合せ(例えば、777等)が停止して確定停止表示されることにより、大当たり判定結果として大当たりが報知される。
【0032】
つまり、装飾図柄は、第1始動装置112、第2始動装置115に遊技球が入賞したときには、後述する第1特別図柄表示器120、第2特別図柄表示器122に表示される特別図柄の変動表示に合わせて変動表示されると共に、所定の変動時間経過後に特別図柄の停止表示に合わせて停止表示される。すなわち、メイン表示装置131による装飾図柄の変動表示と第1特別図柄表示器120、第2特別図柄表示器122による特別図柄の変動表示のタイミングは、同期している。また、この装飾図柄の変動表示中に、様々な画像やキャラクタ等を演出表示したり、あるいは、特別図柄に係る保留表示の先読み演出等を表示したりすることによって、大当たりに当選するかもしれないという期待感を遊技者に与えるようにもなっている。
【0033】
また、本実施形態においては、メイン表示装置131を液晶表示装置として用いているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイを用いてもよいし、プロジェクタや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス、回転ドラム等の表示装置を用いてもよい。
【0034】
図1に示すように、遊技領域106の左側下方には、表示器125が設けられている。表示器125は、普通図柄表示器118と、第1特別図柄表示器120と、第2特別図柄表示器122と、普通図柄保留表示器119と、第1特別図柄保留表示器123と、第2特別図柄保留表示器124とを有する。表示器125の詳細は後述する。
【0035】
メイン表示装置131は、遊技盤ユニット102の略中央に配置され、3つの装飾図柄が変動表示され、種々の演出が表示される。このようなメイン表示装置131で表示される演出は、後述する演出パターンに基づいて実行される。以下では、メイン表示装置131で表示される演出を、単に「表示演出」とも呼ぶ。なお、本実施形態では、装飾図柄は、数字の1〜9と、特殊図柄とを含む。
【0036】
メイン表示装置131における表示演出では、後述する大当たり判定で、当選した場合、すなわち、大当たりの場合には、最後に、3つの装飾図柄を停止表示させて、大当たりを表す大当たり図柄配列(例えば、「7,7,7」などのゾロ目)を表示させる。また、表示演出において、後述する大当たり判定で、落選した場合、すなわち、ハズレの場合には、最後に、3つの装飾図柄を停止表示させて、ハズレを表すハズレ図柄配列(例えば、「2,5,1」などのばらけ目)を表示させる。これにより、遊技者は、大当たり判定の結果を認識することができる。
【0037】
遊技者が発射ハンドル装置103を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、遊技領域106における左側領域を流下する。一方、遊技者が発射ハンドル装置103を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、遊技領域106における右側領域を流下する。したがって、ゲート113b、第2始動装置115、第1大入賞装置117あるいは第2大入賞装置127へ入球させる際は「右打ち」が必要となってくる。
【0038】
第1始動装置112は、常時開放されている始動装置である。一方、第2始動装置115は、通常時は可動片115bによって閉塞されている。可動片115bは、ゲート113bへの遊技球の入球を条件とする判定結果に基づいて、第2始動装置115を開放する。この場合、遊技球が入球し易い状態が作出される。遊技球が第1始動装置112又は第2始動装置115へ遊技球が入球した場合には、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、および、変動パターン乱数が取得され、以下の4つの判定が実行され得る。
(1)遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かの判定(以下では、大当たり判定とも呼ぶ)。
(2)表示器125において、大当たり判定の結果を報知するための図柄(以下では、特別図柄とも呼ぶ)の判定(以下では、大当たり図柄判定とも呼ぶ)。
(3)この大当たり判定図柄判定では、大当たりの場合には、当該大当たりの種別を表す図柄(以下では、大当たり図柄とも呼ぶ)を判定する。
(4)メイン表示装置131での表示演出において、リーチを行うか否かの判定(以下では、リーチ判定とも呼ぶ)複数の変動パターンのうち、いずれの変動パターンとするかの判定(以下では、変動パターン判定とも呼ぶ)
【0039】
「大当たり遊技」とは、第1大入賞装置117あるいは第2大入賞装置127を開放させる特別遊技である。
「リーチ」とは、メイン表示装置131において、変動表示する3つの装飾図柄のうち、2つの装飾図柄が停止表示し、当該2つの装飾図柄が、大当たり図柄配列を構成する3つの装飾図柄のうちの2つを構成する状態となった場合をいう。例えば、メイン表示装置131において、変動表示する3つの装飾図柄のうち、2つの装飾図柄が停止表示し、当該2つの装飾図柄が同じ状態となった場合をいう。この場合、大当たり図柄配列を構成する3つの装飾図柄のうちの2つを構成する装飾図柄を、リーチ図柄とも呼ぶ。
また、以下の説明では、第1始動装置112を通過した遊技球の入賞を条件として実行される上記4つの判定を「第1特別図柄判定」とも呼び、第2始動装置115への遊技球の入賞を条件として実行される上記4つの判定を「第2特別図柄判定」とも呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」とも呼ぶ。
【0040】
また、遊技球がゲート113bを通過した場合には、普通図柄乱数が取得され、第2始動装置115の可動片115bを開放するか否かの判定が実行される。以下では、ゲート113bへの遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」とも呼ぶ。本実施形態の遊技機100では、普通図柄判定で当たりとなる確率、すなわち、可動片115bを開放すると判定する確率は、遊技機100の遊技状態で変化する仕様となっている。
【0041】
第1大入賞装置117は、大当たり図柄判定の結果に応じて可動片117bが開放される。第1大入賞装置117は、通常はこの可動片117bによって閉塞されている。これに対して、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合、上記可動片117bを作動させて第1大入賞装置117を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に「右打ち」を行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
【0042】
[表示器125の説明]
図1に示す表示器125は、主に大当たり図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示し、第1特別図柄表示器120、第2特別図柄表示器122、第1特別図柄保留表示器123、第2特別図柄保留表示器124、普通図柄表示器118、及び、普通図柄保留表示器119を有している。
【0043】
第1特別図柄表示器120は、第1特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した特別図柄によって、第1特別図柄判定における大当たり図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器120には、大当たり図柄判定の判定結果として、大当たりであることを示す大当たり図柄、または、第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
【0044】
第2特別図柄表示器122は、第2特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した特別図柄によって、第2特別図柄判定における大当たり図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器122には、大当たり図柄判定の判定結果として、大当たりであることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
【0045】
ところで、本実施形態の遊技機100は、特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第1始動装置112に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、第1特別図柄判定を保留し、当該第1特別図柄判定のための4つの乱数情報を1組の保留情報として格納する保留機能を備えている。第1特別図柄保留表示器123は、このようにして格納された第1特別図柄判定のための保留情報の数を表示する。
【0046】
同様に、遊技機100は、特別図柄判定に係る特別図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第2始動装置115に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、第2特別図柄判定を保留し、当該第2特別図柄判定のための4つの乱数情報を1組の保留情報として格納する保留機能を備えている。第2特別図柄保留表示器124は、このようにして格納された第2特別図柄判定のための保留情報の数を表示する。
【0047】
普通図柄表示器118は、普通図柄判定が行われると、普通図柄を変動表示してから停止表示し、当該停止表示した普通図柄によって、普通図柄判定の判定結果を報知する。ところで、普通図柄表示器118における普通図柄の変動表示中など、遊技球がゲート113bを通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る普通図柄の変動表示を即座に実行しない構成となっている。そこで、遊技機100は、普通図柄判定を保留し、当該普通図柄判定のための普通図柄乱数の情報を保留情報として格納する保留機能を備えている。普通図柄保留表示器119は、このようにして格納された普通図柄判定のための保留情報の数を表示する。
【0048】
なお、本実施形態の遊技機100では、右打ちランプ(図示せず)とラウンドランプ(図示せず)とを備えている。右打ちランプは、後述の大当たり遊技状態時と後述の時短遊技状態時に点灯し、遊技者に右打ち(詳細は後述)をすることを推奨する。ラウンドランプは、1つ以上のランプから構成される。ラウンドランプは、大当たり時において、消灯状態から点灯状態に移行する。ラウンドランプは、点灯により大当たり時の大当たり種別に応じて、ラウンド遊技の回数を示唆する。例えば、ラウンドランプが2つある場合には、一方のラウンドランプが点灯することによって、ラウンド遊技を4回実行することを示唆し(すなわち、4R大当たりであることを示唆し)、他方のラウンドランプが点灯することによって、ラウンド遊技を16回実行することを示唆する(すなわち、16R大当たりであることを示唆する)。
【0049】
[遊技機100の内部構成]
図3は、遊技機100の機能ブロックを表す図である。遊技機100は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、画像制御基板330、ランプ制御基板340、発射制御基板350、および、電源基板360を備えている。
【0050】
主制御基板300は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板300は、ワンチップマイコン301を備えている。ワンチップマイコン301は、メインCPU301a、メインROM301bおよびメインRAM301cを含んでいる。また、主制御基板300は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも図示せず)を備えている。
【0051】
この主制御用の入力ポートには、ゲート113bに遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ303、第1始動装置112に遊技球が入球したことを検知する第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置115に遊技球が入球したことを検知する第2始動装置検出スイッチ305、第1大入賞装置117に遊技球が入球したことを検知する第1入賞装置検出スイッチ306a、第2大入賞装置127に遊技球が入球したことを検知する第2入賞装置検出スイッチ306b、及び、払出制御基板310が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板300に入力される。
【0052】
また、主制御用の出力ポートには、可動片115bを開閉動作させる始動装置開閉ソレノイド307、第1大入賞装置117を開閉する可動片117bを動作させる第1大入賞装置開閉ソレノイド308、第2大入賞装置127を開閉する可動片127bを動作させる第2大入賞装置開閉ソレノイド370、特別図柄及び普通図柄を表示する図柄表示器118,120,122、特別図柄判定のための保留情報数及び普通図柄判定のための保留情報数を表示する図柄保留表示器119,123,124、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板309、払出制御基板310、及び、演出制御基板320が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
【0053】
なお、遊技情報出力端子板309は、主制御基板300において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板309は主制御基板300と配線接続され、遊技情報出力端子板309には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
【0054】
主制御基板300のワンチップマイコン301において、メインCPU301aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインROM301bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
【0055】
図4―1は、主制御基板300のメインROM301bを説明するための図である。図4−2は、主制御基板300のメインRAM301cを説明するための説明図である。特に、図4―1は、メインROM301bに格納される格納情報を説明するための図であり、図4―2は、メインRAM301cを説明するための図である。
【0056】
メインROM301bには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが格納されている。例えば、メインROM301bには、図4―1に示すように、大当たり判定テーブルT1と、大当たり図柄判定テーブルT2と、リーチ判定テーブルT3と、第1変動パターンテーブルT4と、第2変動パターンテーブルT5と、普通図柄判定テーブルT6が格納されている。
【0057】
大当たり判定テーブルT1は、大当たり乱数に基づいて、大当たり判定を行うためのテーブルである。大当たり判定テーブルT1は、2つの大当たり判定テーブル、すなわち、非確変時大当たり判定テーブルT1Aと、確変時大当たり判定テーブルT1Bとを含む。
大当たり図柄判定テーブルT2は、大当たり図柄乱数に基づいて、大当たり図柄判定を行うためのテーブルである。大当たり図柄判定テーブルT2は、2つの大当たり図柄判定テーブル、すなわち、特1大当たり図柄判定テーブルT2Aと、特2大当たり図柄判定テーブルT2Bとを含む。
【0058】
リーチ判定テーブルT3は、リーチ判定乱数に基づいて、リーチ判定を行うためのテーブルである。リーチ判定テーブルT3は、4つのリーチ判定テーブル(図示せず)、すなわち、特1通常時リーチ判定テーブルと、特1確変時リーチ判定テーブルと、特2通常時リーチ判定テーブルと、特2確変時リーチ判定テーブルとを含む。これらの4つのリーチ判定テーブルは、遊技状態や特別図柄の種別によって、選択される。具体的には、特1通常時リーチ判定テーブルは、非確変遊技状態において、第1始動装置112への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特1確変時リーチ判定テーブルは、確変遊技状態において、第1始動装置112への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特2通常時リーチ判定テーブルは、非確変遊技状態において、第2始動装置115への入球に基づく表示演出でリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。特2確変時リーチ判定テーブルは、確変遊技状態において、第2始動装置115への入球に基づく表示演出で装飾図柄を用いてリーチを実行するか否かを選択するためのテーブルである。
なお、非確変遊技状態や確変遊技状態など、各種の遊技状態の詳細は、後述する。
【0059】
第1変動パターンテーブルT4は、変動パターン乱数に基づいて、変動パターン判定を行うためのテーブルである。第1変動パターンテーブルT4は、4つの変動パターンテーブル、すなわち、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aと、第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bと、第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cと、第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dとを含む。これら4つの変動パターンテーブルは、遊技状態と特別図柄の種別によって、選択され得る。具体的には、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aは、非確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bは、確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cは、非確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dは、確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。
【0060】
第2変動パターンテーブルT5は、変動パターン乱数に基づいて、変動パターン判定を行うためのテーブルである。第2変動パターンテーブルT5は、4つの変動パターンテーブル、すなわち、第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aと、第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bと、第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cと、第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dとを含む。これら4つの変動パターンテーブルは、遊技状態と特別図柄の種別によって、選択され得る。具体的には、第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aは、非確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bは、確変遊技状態で、第1始動装置112への入球に基づく第1特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cは、非確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dは、確変遊技状態で、第2始動装置115への入球に基づく第2特別図柄の変動パターンを選択するためのテーブルである。
【0061】
これら第1変動パターンテーブルT4と、第2変動パターンテーブルT5は、変動パターン判定時に、いずれか1つのテーブルが選択され、同時に選択されることはない。第1変動パターンテーブルT4は、平均変動秒数(平均演出時間)が第2変動パターンテーブルT5よりも短いテーブルであり、後述の取得時保留順情報が「3」、または、「4」の場合に選択される。第2変動パターンテーブルT5は、平均変動秒数が第1変動パターンテーブルT4よりも長いテーブルであり、後述の取得時保留順情報が「1」、または、「2」の場合に選択される。これらの詳細については、後述する。
【0062】
普通図柄判定テーブルT6は、普通図柄乱数に基づいて、普通図柄判定を行うためのテーブルである。
上述した大当たり判定テーブルT1、大当たり図柄判定テーブルT2、第1変動パターンテーブルT4、第2変動パターンテーブルT5、および、普通図柄判定テーブルT6についての詳細は、後述する。
【0063】
メインRAM301cは、図4―2(A)に示すように、メインCPU301aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM301cは、保留情報記憶領域301cxと、保留情報判定領域301cyと、獲得出玉相当情報記憶領域301czと、を有している。また、メインRAM301cは、各種フラグ(後述する確変遊技フラグ、時短遊技フラグ、および、大当たり遊技フラグなど)や、各種記録値(後述の変数Kや定数Km)などが格納される記憶領域(図示せず)を有している。
【0064】
保留情報記憶領域301cxは、図4−2(B)に示すように、第1始動装置112に係る保留情報、および、取得時保留順情報を対応付けて格納可能な4つの保留情報領域(第1保留情報領域、第2保留情報領域、第3保留情報領域、第4保留情報領域)と、第2始動装置115に係る保留情報を格納可能な4つの保留情報領域(第1保留情報領域、第2保留情報領域、第3保留情報領域、第4保留情報領域)と、が設けられている。
【0065】
保留情報記憶領域301cxの第1特別図柄に対応する保留情報領域において、保留情報の格納の優先順は、第1保留情報領域が最優先で格納対象とされ、第1保留情報領域に保留情報が格納されていれば、次に、第2保留情報領域が優先で格納対象とされ、次に、第3保留情報領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4保留情報領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対応する保留情報領域においても同様である。なお、図4−2(B)では、保留情報が格納されている保留情報領域には、「○」が示されており、保留情報が格納されていない保留情報領域には、「−」が示されている。
【0066】
保留情報記憶領域301cxの保留情報領域に格納される取得時保留順情報は、保留情報が取得された際の保留順を表す情報である。詳しくは、取得時保留順情報は、保留情報が取得された場合において、その際に格納される保留情報領域の番号に対応する。例えば、保留情報が取得された場合において、第1保留情報領域のみに保留情報が格納されている場合には、保留情報は第2保留情報領域に格納されることになるので、取得時保留順情報は、「2」となる。保留情報が取得された場合において、第1保留情報領域、第2保留情報領域、および、第3保留情報領域に保留情報が格納されている場合には、保留情報は、第4保留情報領域に格納されることになるので、取得時保留順情報は、「4」となる。
保留情報判定領域301cyは、保留情報に基づいて、特別図柄判定が実行される判定領域である。
【0067】
獲得出玉相当情報記憶領域301czは、獲得出玉相当情報を記憶するための情報である。当該獲得出玉相当情報は、大当たり遊技状態時において、第1大入賞装置117及び第2大入賞装置127への入賞に基づいて遊技者に払い出された遊技球の数を表す。獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶される獲得出玉相当情報が表す数(獲得出玉相当数とも呼ぶ)は、第1大入賞装置117及び大2大入賞装置127に1つの遊技球が入ると、賞球数(例えば、第1大入賞装置117では15、第2大入賞装置127では10)ずつ加算される。すなわち、獲得出玉相当情報が表す数は、大当たり遊技状態時において、第1大入賞装置117及び第2大入賞装置127に入った遊技球の数に、賞球数を乗じた値となる。
なお、獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶される獲得出玉相当情報は、時短遊技状態が終了した場合に、メインCPU301aによってリセット(消去)される。従って、この獲得出玉相当情報が表す数は、初大当たり時における大当たり遊技状態に払い出された遊技球数と、初大当たり後の時短遊技状態が終了する前に再度大当たり遊技状態に移行した場合に払い出された遊技球数との和である。すなわち、時短遊技状態が継続している間の獲得出玉相当数は、大当たり遊技状態に移行する度に、当該大当たり遊技状態で払い出された遊技球数分加算されていく。
【0068】
払出制御基板310は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板310は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板300に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ311、扉開放スイッチ312、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板300に送信する。また、払出制御基板310の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ313が接続されている。払出CPUは、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ313を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0069】
演出制御基板320は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板320は、サブCPU320a、サブROM320b、サブRAM320cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から演出制御基板320への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU320aは、主制御基板300から受信した各種コマンド、各種ユニット、演出操作スティック136、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM320bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。
【0070】
例えば、演出制御基板320におけるサブCPU320aは、主制御基板300から変動開始コマンドを受信すると、メイン表示装置131、音声出力装置331、刀柄ユニット135、刀ユニット154、第1文字ユニット155a、第2文字ユニット155b、第1月光ユニット156及び第2月光ユニット157等に遊技演出を実行させるための演出パターンを決定し、当該演出パターンを実行するための演出パターン指定コマンドを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。この演出パターンの決定についての詳細は、後述する。
【0071】
サブROM320bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータおよび複数のテーブルが格納されている。これらのテーブルについての詳細は、後述する。
【0072】
サブRAM320cは、サブCPU320aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能すると共に、遊技状態、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、および、発射操作情報等が格納される。また、サブRAM320cには、複数の記憶領域が設けられている。これらの記憶領域についての詳細は、後述する。
【0073】
画像制御基板330は、メイン表示装置131の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、制御ROM、制御RAM、CGROM、VRAM、VDPと、音声CPU、音声ROM、及び、音声RAMを備えている。この画像制御基板330は、演出制御基板320に双方向通信可能に接続されており、その出力側にメイン表示装置131、および、音声出力装置331が接続されている。
【0074】
画像CPUは、演出制御基板320から受信したコマンドに基づいて、VDPに所定の画像を表示させる制御を行う。制御RAMは、画像CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROMから読み出されたデータを一時的に格納する。また、制御ROMには、画像CPUの制御処理のプログラムや、演出パターンに基づくアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが格納されている。
【0075】
CGROMには、メイン表示装置131に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUは、演出制御基板320から送信された演出パターン指定コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、CGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データをメイン表示装置131に表示させる制御を行い、表示演出を実現する。
【0076】
また、音声ROMには、音声出力装置331から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板320から送信された演出パターン指定コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置331における音声出力制御を行い、音声演出を実現する。
【0077】
ランプ制御基板340は、種々の可動役物の制御と、刀柄ユニット135に内蔵されるランプや発射ハンドル103に内蔵されるランプなどの演出用照明装置342の制御と、を実行する。具体的には、ランプ制御基板340は、刀柄ユニット135、刀ユニット154、第1文字ユニット155a、第2文字ユニット155b、第1月光ユニット156及び第2月光ユニット157を駆動制御することで、駆動したユニットに備わる可動役物(可動体)による役物可動演出を実現する。また、ランプ制御基板340は、演出用照明装置342を点灯制御、または、点滅制御することで、照明演出を実現する。
【0078】
発射制御基板350は、タッチセンサ351からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム352から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド353や玉送りソレノイド354に対する通電制御を行う。
【0079】
タッチセンサ351は、遊技者が発射ハンドル装置103に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者が発射ハンドル装置103に触れたことを検知すると、発射制御基板350に発射用ソレノイド353の通電を許可するタッチ信号を出力する。
【0080】
発射ボリューム352は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム352に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板350へ供給する。
【0081】
ここで、発射用ソレノイド353の回転速度は、発射制御基板350に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
【0082】
なお、タッチセンサ351からのタッチ信号及び発射ボリューム352からの電圧信号は、演出制御基板320へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板320において遊技球の発射を検出可能となる。
【0083】
電源基板360は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機100に電源電圧を供給する。具体的には、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、発射制御基板350へ電源電圧を供給する。また、遊技機100に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板300に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU301aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU301aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0084】
[遊技状態の説明]
図5は、各種の判定テーブル等を示す説明図である。具体的には、図5(A)は、非確変時大当たり判定テーブルT1Aを示し、図5(B)は、確変時大当たり判定テーブルT1Bを示し、図5(C)は、普通図柄判定テーブルT6を示す。
【0085】
本実施形態の遊技機100では、大当たり判定に関する遊技状態として、「非確変遊技状態」または「確変遊技状態」に設定され得る。また、遊技機100では、普通図柄判定に関する遊技状態として、「非時短遊技状態」または「時短遊技状態」に設定され得る。以下にこれらの遊技状態について説明する。
【0086】
[非確変遊技状態と確変遊技状態の説明]
非確変遊技状態における大当たり判定では、図5(A)に示す非確変時大当たり判定テーブルT1Aが用いられる。非確変時大当たり判定テーブルT1Aは、大当たり判定で大当たりと判定される大当たり値が「0」〜「2」の3つの数値に設定される。非確変時大当たり判定テーブルT1Aを用いた大当たり判定では、第1始動装置112又は第2始動装置115への入球時に取得される大当たり乱数(「0」〜「1199」のいずれかの数値)が、上記3つの大当たり値のいずれかである場合には、「大当たり」と判定され、いずれでもない場合には「ハズレ」と判定される。すなわち、非確変遊技状態の場合に大当たり判定で大当たりと判定される確率(大当たり確率とも呼ぶ)は1/400である。
【0087】
確変状態における大当たり判定では、図5(B)に示す確変時大当たり判定テーブルT1Bが用いられる。確変時大当たり判定テーブルT1Bは、大当たり判定で大当たりと判定される大当たり値が「0」〜「19」の20個の数値に設定される。確変時大当たり判定テーブルT1Bを用いた大当たり判定では、第1始動装置112又は第2始動装置115への入球時に取得される大当たり乱数(「0」〜「1199」のいずれかの数値)が、上記20個の大当たり値のいずれかである場合には、「大当たり」と判定され、いずれでもない場合には「ハズレ」と判定される。すなわち、確変遊技状態の場合の大当たり確率は1/60である。
【0088】
従って、確変遊技状態は、非確変遊技状態よりも、大当たり判定での大当たり確率が高く設定され、非確変遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。確変遊技状態の場合には、確変遊技フラグが「ON」にセットされ、非確変遊技状態の場合には、確変遊技フラグが「OFF」となっている。また、非確変遊技状態から確変遊技状態への移行、または、確変遊技状態から非確変遊技状態への移行は、大当たり遊技終了後に実行され得る。
【0089】
[非時短遊技状態と時短遊技状態の説明]
図5(C)に示すように、普通図柄判定テーブルT6は、非時短遊技状態における普通図柄判定では、当たりと判定される当たり値が「0」のみに設定され、時短遊技状態における普通図柄判定では、当たりと判定される当たり値が「0」〜「65534」の65535個に設定される。
【0090】
非時短遊技状態における普通図柄判定では、ゲート113bへの遊技球通過時に取得される普通図柄乱数(「0」〜「65535」のいずれかの数値)が、上記1つのみの当たり値「0」である場合には、「当たり」と判定され、「0」でない場合には、「ハズレ」と判定される。すなわち、非時短遊技状態の場合に普通図柄判定で当たりと判定される確率は、1/65536である。
【0091】
一方、時短遊技状態における普通図柄判定では、ゲート113bへの遊技球通過時に取得される普通図柄乱数(「0」〜「65535」のいずれかの数値)が、上記65535個の当たり値のいずれかである場合には、「当たり」と判定され、いずれでもない場合には、「ハズレ」と判定される。すなわち、非時短遊技状態の場合に普通図柄判定で当たりと判定される確率は、65535/65536≒1/1.00002である。
【0092】
また、非時短遊技状態では、ゲート113bを遊技球が通過したことを条件として普通図柄判定の判定を実行した後、普通図柄の変動を開始してから停止表示するまでの変動時間が12秒と比較的長く設定され、かつ、当たりに当選した際に可動片115bを可動させて第2始動装置115を開放する開放制御時間が0.2秒と比較的短く設定される。すなわち、非時短遊技状態では、ゲート113bを遊技球が通過すると、普通図柄判定が行われて、普通図柄表示器118において普通図柄の変動表示が行われ、変動表示された普通図柄は、変動表示が開始されてから12秒後に停止表示する。判定結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、可動片115bの可動により第2始動装置115が0.2秒間開放される。
【0093】
これに対して、時短遊技状態では、ゲート113bを遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄判定を実行した後、普通図柄の変動を開始してから停止表示するまでの変動時間が3秒と比較的短く設定され、かつ、当たりに当選した際に可動片115bを可動させて第2始動装置115を開放する開放制御時間が2.5秒と比較的長く設定される。すなわち、時短遊技状態では、ゲート113bを遊技球が通過すると、普通図柄判定が行われて、普通図柄表示器118において普通図柄の変動表示が行われ、変動表示された普通図柄は、変動表示が開始されてから3秒後に停止表示する。判定結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、可動片115bの可動により第2始動装置115が2.5秒間開放される。
【0094】
以上のように、非時短遊技状態では、普通図柄判定の当たり確率は、1/65536と比較的低く設定され、かつ、普通図柄の変動時間が12秒と比較的長く設定され、かつ、可動片115bの開放制御時間が0.2秒と比較的短く設定されている。
一方で、時短遊技状態では、普通図柄判定の当たり確率は、65535/65536と比較的高く設定され、かつ、普通図柄の変動時間が3秒と比較的短く設定され、かつ、可動片115bの開放制御時間が2.5秒と比較的長く設定されている。
【0095】
従って、ゲート113bを同じ数の遊技球が通過した場合において、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも、第2始動装置115が開放状態に制御されやすくなる。これにより、時短遊技状態では、遊技の進行において遊技球の消費が抑えられ、非時短遊技状態よりも遊技者にとって有利に遊技を進行できる。時短遊技状態の場合には、時短遊技フラグが「ON」にセットされており、非時短遊技状態の場合には、時短遊技フラグが「OFF」となっている。また、非時短遊技状態から時短遊技状態への移行、または、時短遊技状態から非時短遊技状態への移行は、大当たり遊技終了後に実行され得る。
【0096】
上記実施形態の時短遊技状態では、非時短状態と比較して、普通図柄判定の当たり確率が高く、かつ、普通図柄の変動時間が短く、かつ、可動片115bの開放制御時間が長く設定され、遊技の進行において遊技球の消費を抑制するようにしているが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、時短遊技状態では、非時短遊技状態と比較して、普通図柄判定の当たり確率、普通図柄の変動時間、及び、可動片115bの開放制御時間のうち少なくとも一つが、遊技球の消費が抑制されるように設定されていてもよい。例えば、時短遊技状態では、遊技球の消費を抑制するために、非時短遊技状態と比較して、普通図柄の変動時間のみが短くなるように設定されていてもよい。
【0097】
以下では、非確変遊技状態、かつ、非時短遊技状態である遊技状態を通常遊技状態とも呼ぶ。非確変遊技状態、かつ、時短遊技状態である遊技状態を低確時短遊技状態とも呼ぶ。確変遊技状態、かつ、非時短遊技状態である遊技状態を、高確非時短遊技状態とも呼ぶ。確変遊技状態、かつ、時短遊技状態である遊技状態を、高確時短遊技状態(潜伏遊技状態)とも呼ぶ。
また、時短遊技状態は、所定の変動回数の間継続して行われ得る。このように時短遊技状態が行われる変動回数を、時短変動回数とも呼ぶ。
【0098】
[大当たり遊技の説明]
大当たり遊技は、大当たり遊技フラグがONの場合に実行され、第1大入賞装置117が最初に開放されるまでのオープニング演出と、第1大入賞装置117が開放及び閉塞を繰り返す複数のラウンド遊技と、第1大入賞装置117が閉塞してから次に特別図柄の変動が開始されるまでのエンディング演出と、で構成される。ラウンド遊技は、第1大入賞装置117の一回の開放期間をいい、ロング開放のラウンド遊技と、ショート開放のラウンド遊技とがある。
【0099】
ロング開放のラウンド遊技では、第1大入賞装置117に規定個数(本実施形態では9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。また、規定個数の遊技球が入球しない場合でも、規定秒数(本実施形態では29.5秒)が経過すると、1回のラウンド遊技が終了となる。このようなロング開放のラウンド遊技では、第1大入賞装置117に遊技球が入球し易くなるとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能である。
【0100】
また、ロング開放のラウンド遊技が実行された場合には、ラウンド遊技の終了後に所定条件が成立するまでボーナス状態となり、第2大入賞装置127が規定秒数(本実施形態では0.5秒)の開放状態となることを繰り返して、第2大入賞装置127に遊技球が入球可能となる。なお、所定条件とは、例えば、ボーナス状態中の第2始動装置115に入球することによる大当たり判定において、大当たり遊技を実行すると判定された場合や、ラウンド遊技の終了後に始まる高確時短遊技状態が終了した場合などがある。
このように、ロング開放のラウンド遊技が実行された場合には、ラウンド遊技の終了後にボーナス状態となり、第2大入賞装置127が開放されることにより、更に多量の賞球を獲得可能となっており、遊技者の興趣を向上させることができるようになっている。
【0101】
一方、ショート開放のラウンド遊技は、例えば0.1秒だけ第1大入賞装置117が開放されて、1回のラウンド遊技が終了となる。これはいわゆる「パカ」と呼ばれる開放態様であり、遊技球が入球困難な開放態様である。したがって、ショート開放のときは、第1大入賞装置117への遊技球の入球は期待できず、ほとんど賞球は望めない。
このような「大当たり遊技」は、いわゆる「右打ち」で消化することとなる。ショート開放であっても遊技球が入球すれば賞球が行われるため、「右打ち」を指示するようにしてもよい。
【0102】
[大当たり種別の説明]
図6は、大当たり図柄判定テーブルT2と、大当たりの種別の振り分け割合を示す説明図である。図6(A)は、特1大当たり図柄判定テーブルT2Aを示す説明図であり、図6(B)は、特2大当たり図柄判定テーブルT2Bを示す説明図であり、図6(C)は、大当たり種別の振り分け割合を示す説明図である。
【0103】
図6(A)および(B)に示すように、本実施形態における特1大当たり図柄判定テーブルT2Aおよび特2大当たり図柄判定テーブルT2Bでは、大当たり図柄として「特定図柄A」、「特定図柄B」及び「特定図柄C」が設定されている。これらの大当たり図柄判定テーブルT2A,T2Bは、特定図柄A〜Cに0〜9の乱数(数値)が割り当てられ
ており、割り当てられた乱数(数値)の数によって、大当たり図柄の選択割合が決められている。
以下では、各大当たり図柄(大当たり種別)とその選択割合について説明する。
【0104】
(1)特定図柄A:16R確変大当たり
特定図柄Aは、大当たり遊技において、16回のロング開放のラウンド遊技が実行される大当たりである。特定図柄Aで大当たりした場合には、メイン表示装置131における表示演出において、3つの装飾図柄がゾロ目で停止表示することで特定図柄Aでの大当たりが報知される。また、特定図柄Aで大当たりした場合には、大当たり遊技終了後に、遊技状態が高確時短遊技状態に制御される。このときの時短変動回数は100回となる。図6(A)および(B)に示すように、第1特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「1,7」であるので2/10の割合で選択される。一方、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「0,1,4,6,7,9」であるので6/10の割合で選択される。
また、16回のロング開放のラウンド遊技が実行された後、第2大入賞装置127が開放されるボーナス状態とな。
(2)特定図柄B:4R確変大当たり
特定図柄Bは、大当たり遊技において、4回のロング開放のラウンド遊技が実行される大当たりである。特定図柄Bで大当たりした場合には、メイン表示装置131における表示演出において、3つの装飾図柄がゾロ目で停止表示することで特定図柄Bでの大当たりが報知される。また、特定図柄Bで大当たりした場合には、大当たり遊技終了後に、遊技状態が高確時短遊技状態に制御される。このときの時短変動回数は100回となる。図6(A)および(B)に示すように、第1特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「0,2,4,5,8,9」であるので6/10の割合で選択される。一方、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「2,5,8」であるので、3/10の割合で選択される。
(3)特定図柄C:2R確変大当たり
特定図柄Cは、大当たり遊技において、2回のショート開放のラウンド遊技が実行される大当たりである。特定図柄Cで大当たりした場合には、メイン表示装置131における表示演出において、装飾図柄の中図柄に特殊図柄が停止することで特定図柄Cでの大当たりが報知される。特殊図柄は、例えば、「確変」と表記された図柄である。また、特定図柄Cで大当たりした場合には、大当たり遊技終了後に、遊技状態が高確時短遊技状態に制御される。このときの時短変動回数は100回となる。図6(A)および(B)に示すように、第1特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「3,6」であるので2/10の割合で選択される。一方、第2特別図柄で大当たりとなった場合は、当たり値が「3」であるので1/10の割合で選択される。
なお、以下では、特定図柄Aを「特A」、特定図柄Bを「特B」、特定図柄Cを「特C」とも呼ぶ。
【0105】
図6(C)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり種別の振り分け割合が異なっている。第1特別図柄では16R確変大当たりに割り振られる確率が「20%」、4R確変大当たりに振り分けられる確率が「60%」、2R確変大当たりに振り分けられる確率が「20%」となっているのに対して、第2特別図柄では16R確変大当たりに割り振られる確率が「60%」、4R確変大当たりに振り分けられる確率が「30%」、2R確変大当たりに振り分けられる確率が「10%」となっている
【0106】
[変動パターンテーブルの説明]
図7−1は、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aを例示する説明図である。図7−2は、第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bを例示する説明図である。図7−3は、第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cを例示する説明図である。図7−4は、第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dを例示する説明図である。図7−5は、第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aを例示する説明図である。図7−6は、第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bを例示する説明図である。図7−7は、第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cを例示する説明図である。図7−8は、第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dを例示する説明図である。まず、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aについて説明し、その後、その他の変動パターンテーブルT4B,T4C,T4D、T5A、T5B、T5C、T5Dについて説明する。
【0107】
図7−1に示すように、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aは、変動パターン1〜変動パターン10Bまでの19の変動パターンを有している。これらの変動パターン1〜10Bについて説明する。
【0108】
なお、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aにおいて、「変動パターン」+「数字」+「アルファベット」で表される変動パターンがあるが、「変動パターン」+「数字」が同じである場合には、基本的に対応する基幹表示演出が同様の変動パターンとなる。例えば、変動パターン2Aと変動パターン2Bとは、基本的に対応する基幹演出がノーマルリーチ(ハズレ)演出で同様であり、後述する擬似連演出を実行するか否かが異なり得る。従って、「変動パターン」+「数字」が同じ変動パターンにはついては、同種の変動パターンと見なし、まとめて説明を行う。
【0109】
なお、基幹表示演出とは、ベースとなる表示演出であり、背景画像の切り替わりタイミングや、演出の切り替わりタイミング、または、キャラクタの出現タイミングなどがほぼ同じ演出である。
【0110】
[変動パターン1]
変動パターン1は、通常ハズレ演出を実行するための変動パターンである。この変動パターン1は、変動時間が5秒であり、ハズレの場合の21/30の割合で選択される。この通常ハズレ演出とは、メイン表示装置131において、リーチを形成するリーチ形成演出が行われずに、大当たり判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄配列(例えば、「2」「5」「1」)が形成される演出である。
【0111】
[変動パターン2]
変動パターン2は、基幹演出としてノーマルリーチ(ハズレ)演出を実行するための変動パターンである。このうち、変動パターン2Aは、ノーマルリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出なし)を実行し、変動秒数が10秒であり、ハズレの場合の2/30で選択される。ノーマルリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出なし)は、メイン表示装置131において、擬似連演出が実行されず、リーチを形成するリーチ形成演出が実行された後、発展演出が行われずに、変動中の装飾図柄がリーチ図柄とは異なる図柄で停止表示されて、ハズレ図柄配列(例えば、「7」「6」「7」)が形成される演出である。
【0112】
ここで、擬似連演出について説明する。擬似連演出(または擬似連続変動演出)とは、特別図柄の変動表示中において、装飾図柄を変動表示させ、当該装飾図柄を仮停止させた後、再び、変動表示させて、装飾図柄の変動表示を擬似的に繰り返す演出である。なお、この場合、擬似連演出では、装飾図柄を仮停止させているが、これに限られず、装飾図柄を仮停止させずに、スローダウンさせた後、その後、装飾図柄を変動表示させてもよい。
【0113】
変動パターン2Bは、ノーマルリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出あり)を実行し、変動秒数が16秒であり、ハズレの場合の2/30で選択される。このノーマルリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出)は、メイン表示装置131において、擬似連演出が実行され、リーチを形成するリーチ形成演出が実行された後、発展演出が行われずに、変動中の装飾図柄がリーチ図柄とは異なる図柄で停止表示されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
【0114】
[変動パターン3]
変動パターン3は、ノーマルリーチ(特C当たり)演出を実行する場合の変動パターンである。変動パターン3Aは、ノーマルリーチ(特C当たり)演出(擬似連演出なし)を実行し、変動時間が10秒であり、特定図柄Cでの大当たりの場合に選択される。ノーマルリーチ(特C当たり)演出(擬似連演出なし)は、擬似連演出が実行されずに、リーチ形成演出が実行された後、発展演出が行われずに、変動中の装飾図柄が特殊図柄で停止表示されて、特定図柄Cでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0115】
変動パターン3Bは、ノーマルリーチ(特C当たり)演出(擬似連演出あり)を実行し、変動時間が16秒であり、特定図柄Cでの大当たりの場合に選択される。ノーマルリーチ(特C当たり)演出(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出が実行された後、発展演出が行われずに、変動中の装飾図柄が特殊図柄で停止表示されて、特定図柄Cでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0116】
[変動パターン4]
変動パターン4は、SPリーチ(ハズレ)演出を実行するための変動パターンである。変動パターン4Aは、SPリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出なし)を実行し、変動時間が30秒であり、ハズレの場合の3/60で選択される。SPリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出が実行された後、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
【0117】
変動パターン4Bは、SPリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出あり)を実行し、変動時間が36秒であり、ハズレの場合の3/60で選択される。SPリーチ(ハズレ)演出(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出が実行された後、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
【0118】
[変動パターン5]
変動パターン5は、SPリーチ(特A,特B当たり)演出を実行するための変動パターンである。変動パターン5Aは、SPリーチ(特A,特B当たり)演出(擬似連演出なし)を実行し、変動時間が30秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の1/30で選択される。SPリーチ(特A,特B当たり)演出(擬似連演出なし)は、擬似連演出が実行されずに、リーチ形成演出が実行された後、SPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列(例えば、「7」「7」「7」)が形成される演出である。
【0119】
変動パターン5Bは、SPリーチ(特A,特B当たり)演出(擬似連演出あり)を実行し、変動時間が36秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の4/30で選択される。SPリーチ(特A,特B当たり)演出(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出が実行された後、SPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0120】
[変動パターン6]
変動パターン6は、SPSPリーチ(ハズレ)演出1を実行するための変動パターンである。変動パターン6Aは、SPSPリーチ(ハズレ)演出1(擬似連演出なし)が実行され、変動時間が60秒であり、ハズレの場合の1/60で選択される。SPSPリーチ(ハズレ)演出1(擬似連演出なし)は、擬似連演出が実行されずに、リーチ形成演出、SPリーチ演出が実行された後、さらに、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
【0121】
変動パターン6Bは、SPSPリーチ(ハズレ)演出1(擬似連演出あり)が実行され、変動時間が66秒であり、ハズレの場合の1/60で選択される。SPSPリーチ(ハズレ)演出1(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出、SPリーチ演出が実行された後、さらに、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
【0122】
[変動パターン7]
変動パターン7は、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出1を実行するための変動パターンである。変動パターン7Aは、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出1(擬似連なし)が実行され、変動時間が60秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の3/30で選択される。SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出1(擬似連なし)は、擬似連演出が実行されずに、リーチ形成演出、SP演出が実行された後、SPSPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0123】
変動パターン7Bは、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出1(擬似連あり)が実行され、変動時間が66秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の7/30で選択される。SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出1(擬似連あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出、SP演出が実行された後、SPSPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0124】
[変動パターン8]
変動パターン8は、SPSPリーチ(ハズレ)演出2を実行するための変動パターンである。変動パターン8Aは、SPSPリーチ(ハズレ)演出2(擬似連演出なし)が実行され、変動時間が60秒であり、ハズレの場合の1/60で選択される。SPSPリーチ(ハズレ)演出2(擬似連演出なし)は、擬似連演出が実行されずに、リーチ形成演出、SPリーチ演出が実行された後、さらに、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
【0125】
変動パターン8Bは、SPSPリーチ(ハズレ)演出2(擬似連演出あり)が実行され、変動時間が66秒であり、ハズレの場合の1/60で選択される。SPSPリーチ(ハズレ)演出2(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出、SPリーチ演出が実行された後、さらに、発展演出としてスーパーリーチ演出の一つであるSPSPリーチ演出が実行されて、ハズレ図柄配列が形成される演出である。
【0126】
[変動パターン9]
変動パターン9は、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出2を実行するための変動パターンである。変動パターン9Aは、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出2(擬似連演出なし)が実行され、変動時間が60秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の3/30で選択される。SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出2(擬似連演出なし)は、擬似連演出が実行されずに、リーチ形成演出、SP演出が実行された後、SPSPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0127】
変動パターン9Bは、SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出2(擬似連演出あり)が実行され、変動時間が66秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の7/30で選択される。SPSPリーチ(特A,特B当たり)演出2(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出、SP演出が実行された後、SPSPリーチ演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0128】
[変動パターン10]
変動パターン10は、SPSPリーチ復活(特A,特B当たり)演出を実行するための変動パターンである。変動パターン10Aは、SPSPリーチ復活(特A,特B当たり)演出(擬似連演出なし)が実行され、変動時間が80秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の1/30で選択される。SPSPリーチ復活(特A,特B当たり)演出(擬似連演出なし)は、擬似連演出が実行されずに、リーチ形成演出、SP演出、SPSPリーチ演出が実行されて、一旦、ハズレ図柄配列で仮停止表示させた後、装飾図柄を再変動させる復活演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを
表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0129】
変動パターン10Bは、SPSPリーチ復活(特A,特B当たり)演出(擬似連演出あり)が実行され、変動時間が86秒であり、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりの場合の4/30で選択される。SPSPリーチ復活(特A,特B当たり)演出(擬似連演出あり)は、擬似連演出が実行され、リーチ形成演出、SP演出、SPSPリーチ演出が実行されて、一旦、ハズレ図柄配列で仮停止表示させた後、装飾図柄を再変動させる復活演出が実行されて、特定図柄Aまたは特定図柄Bでの大当たりを表す大当たり図柄配列が形成される演出である。
【0130】
なお、本実施形態では、変動パターンに基づく表示演出として、ノーマルリーチ演出が行われた場合よりも、SPリーチ演出が行われた場合の方が大当たりとなる期待度(以下では、大当たり期待度とも呼ぶ)が高くなるように、変動パターンの選択率が設定されている。また、SPリーチ演出が行われた場合よりも、SPSPリーチ演出が行われた場合の方が大当たり期待度が高くなるように、変動パターンの選択率が設定されている。
【0131】
本実施形態では、図7−2に示すように、第1特1確変時第1変動パターンテーブルT4Bは、19の変動パターン(変動パターン11〜20B)を有しており、これらの変動パターンのうちの変動パターン12A〜20Bは、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aが有する18の変動パターン(変動パターン2A〜10B)とそれぞれ同様となっている。第1特1確変時第1変動パターンテーブルT4Bが有する変動パターン11は、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aが有する変動パターン1と同様に通常ハズレ演出を実行するための変動パターンであるが、変動パターン1と比較して、変動時間が長く、変動時間が10秒に設定されている。
【0132】
また、図7−3に示すように、第1特2通常時第1変動パターンテーブルT4Cは、19の変動パターン(変動パターン21〜30B)を有しており、これらの変動パターン21〜30Bは、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aが有する19の変動パターン(変動パターン1〜10B)とそれぞれ同様となっている。
【0133】
さらに、図7−4に示すように、第1特2確変時第1変動パターンテーブルT4Dは、19の変動パターン(変動パターン31〜40B)を有している。これらの変動パターンのうちの変動パターン32A〜40は、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aが有する18の変動パターン(変動パターン2A〜10B)とそれぞれ同様となっている。第1特2確変時第1変動パターンテーブルT4Dが有する変動パターン31は、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aが有する変動パターン1と同様に通常ハズレ演出を実行するための変動パターンであるが、変動パターン1と比較して、変動時間が短く、変動時間が2秒に設定されている。
【0134】
また、図7−5に示すように、第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aは、19の変動パターン(変動パターン1X〜10BX)を有している。これら19の変動パターン(変動パターン1X〜10BX)は、それぞれ、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aが有する変動パターン1〜10Bと同様の基幹演出を実行するための変動パターンであるが、第1特1通常時第1変動パターンテーブルT4Aが有する変動パターン1〜10Bと比較して、それぞれ、変動時間が10秒ほど長く設定されている。
【0135】
図7−6に示すように、第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bは、19の変動パターン(変動パターン11X〜20BX)を有している。これら19の変動パターン(変動パターン11X〜20BX)は、それぞれ、第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bが有する変動パターン11〜20Bと同様の基幹演出を実行するための変動パターンであるが、第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bが有する変動パターン11〜20Bと比較して、それぞれ、変動時間が10秒ほど長く設定されている。
【0136】
また、図7−7に示すように、第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cは、19の変動パターン(変動パターン21X〜30BX)を有している。これら19の変動パターン(変動パターン21X〜30BX)は、それぞれ、第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cが有する変動パターン21〜30Bと同様の基幹演出を実行するための変動パターンであるが、第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cが有する変動パターン21〜30Bと比較して、それぞれ、変動時間が10秒ほど長く設定されている。
【0137】
図7−8に示すように、第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dは、19の変動パターン(変動パターン31X〜40BX)を有している。これら19の変動パターン(変動パターン31X〜40BX)は、それぞれ、第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dが有する変動パターン31〜40Bと同様の基幹演出を実行するための変動パターンであるが、第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dが有する変動パターン31〜40Bと比較して、それぞれ、変動時間が10秒ほど長く設定されている。
【0138】
すなわち、第2変動パターンテーブルT5における各変動パターンは、第1変動パターンテーブルT4における対応する各変動パターンよりも、それぞれ変動時間が10秒ほど長く設定されている。
【0139】
[主制御基板300での処理一覧]
図8は、主制御基板300で実行される処理の概略フローを示す説明図である。
主制御基板300のメインCPU301aは、電源が供給されると、メインROM301bに格納されているプログラムに基づいて、メイン処理を実行する。メインCPU301aは、メイン処理として、電源遮断から、電源遮断前の遊技状態に復旧するための電源復旧処理、または、メインRAM301cを初期化するRAMクリア処理を実行する。また、メインCPU301aは、メイン処理として、各種の乱数(例えば、大当たり乱数)の初期値の更新を実行する。
さらに、メインCPU301aは、メイン処理の実行中に、一定周期(例えば4ミリ秒周期)ごとに繰り返しタイマ割込処理を実行する。以下に、タイマ割り込み処理の各種処理を説明する。
【0140】
[乱数更新処理]
まず、メインCPU301aは、乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理は、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および、普通図柄乱数などの各種乱数値を更新する。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
【0141】
[スイッチ処理]
続いて、メインCPU301aは、スイッチ処理を行う。このスイッチ処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行される。スイッチ処理には、始動装置スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、第1大入賞装置スイッチ処理、および、第2大入賞装置スイッチ処理などが含まれる。始動装置スイッチ処理には、事前判定処理が含まれる。
【0142】
[始動装置スイッチ処理]
メインCPU301aは、始動装置スイッチ処理として、第1始動装置112または第2始動装置115に入球があった場合に、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、および、変動パターン乱数を取得して、これらを保留情報として、メインRAM301cの保留情報記憶領域301cx(保留情報領域:図4−2(B)参照)に格納する。例えば、メインCPU301aは、第1始動装置112に遊技球が入球し、第1特別図柄に対する保留情報を取得すると、保留情報記憶領域301cxの第1特別図柄に対応する保留情報領域において、保留情報が格納されている保留情報領域を特定し、当該保留情報領域の次に優先的に格納すべき保留情報領域に保留情報を格納する。ただし、第4保留情報領域に保留情報が格納されている場合には、保留情報の格納は行わない。第2特別図柄に対する保留情報が取得された場合も同様の処理が行われる。
【0143】
また、メインCPU301aは、始動装置スイッチ処理として、保留情報を保留情報記憶領域301cx(保留情報格納領域)に格納する場合において、当該保留情報領域に、当該保留情報と対応付けて取得時保留順情報を格納する。この場合、保留情報が取得された場合において、保留情報領域に保留情報が格納されていない場合には、保留情報は第1保留情報領域に格納されることになるので、取得時保留順情報は、「1」となる。
【0144】
[事前判定処理]
図9は、主制御基板300のCPU301aで実行される事前判定処理を示すフローチャートである。メインCPU301aは、上述した始動装置スイッチ処理中に、事前判定処理を実行する。この事前判定処理では、第1始動装置112及び第2始動装置115への入球時において、取得された保留情報と取得時保留順情報とが保留情報記憶領域301cx(保留情報領域)に格納される前に、当該保留情報に基づいて、大当たり判定、大当たり図柄判定、リーチ判定、および、変動パターン判定が実行される。すなわち、この事前判定処理は、保留情報記憶領域301cx(保留情報領域)に格納された保留情報が保留情報判定領域301cyにシフトして、特別図柄判定が実行されるよりも前に、大当たり判定の結果、大当たり図柄判定の結果、リーチ判定の結果、および、変動パターン判定の結果を予め特定するための処理である。
【0145】
図9に示すように、メインCPU301aは、S1001の処理で、取得した保留情報(大当たり乱数)に基づいて大当たり判定を実行し、大当たりか否かを判断する。メインCPU301aは、大当たりであると判断した場合(S1001:YES)には、S1002の処理で、大当たり図柄判定を実行し、特別図柄としての大当たり図柄(特定図柄A,B,C)を特定し、その後、S1004の処理へ移行する。一方、メインCPU301aは、大当たりでないと判断した場合(S1001:NO)、すなわち、ハズレであると判断した場合には、S1003の処理で、特別図柄としてのハズレ図柄を特定し、その後、S1004へ移行する。次に、メインCPU301aは、S1004の処理で、変動パターン判定を実行し、変動パターンを特定する。続いて、メインCPU301aは、S1005の処理で、保留コマンドを生成する。この保留コマンドには、保留情報記憶領域301cxに保留情報が追加されたことを表す保留追加情報と、特定された特別図柄(以下では、事前判定用特別図柄とも呼ぶ)と、上記で特定された変動パターン(以下では、事前判定用変動パターンとも呼ぶ)と、保留情報に対応付けられる取得時保留順情報と、が含まれる。事前判定用特別図柄と事前判定用変動パターンと取得時保留順情報とを総じて事前判定情報とも呼ぶ。
【0146】
[ゲートスイッチ処理]
また、メインCPU301aは、ゲートスイッチ処理として、ゲート113bに遊技球が通過した場合に、普通図柄乱数を取得して、メインRAM301cの所定の記憶領域に格納する。
【0147】
[第1大入賞装置スイッチ処理]
メインCPU301aは、第1大入賞装置スイッチ処理として、大当たり遊技を実行中(大当たり遊技状態時)において、第1大入賞装置117に入賞した遊技球の検知を実行する。
この場合、メインCPU301aは、大当たり遊技状態時において、第1大入賞装置117への入賞に基づいて遊技者に払い出された遊技球の数を、メインRAM301cの獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶される(蓄積される)獲得出玉相当情報が表す数に加算する。
また、メインCPU301aは、時短遊技状態が終了した場合には、獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶された獲得出玉相当情報をリセット(消去)する。これにより、獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶される獲得出玉相当情報は、初大当たり時における大当たり遊技状態で払い出された遊技球数と、時短遊技状態が継続している間に移行した大当たり遊技状態で払い出された遊技球数との和を表す。すなわち、当該獲得出玉相当情報が表す数は、連チャン時の大当たり遊技状態で払い出された遊技球数である。
さらに、メインCPU301aは、第1大入賞装置スイッチ処理において、獲得出玉相当情報を更新した場合には、獲得出玉相当情報を表す獲得出玉相当情報コマンドをセットする。
【0148】
[第2大入賞装置スイッチ処理]
メインCPU301aは、第2大入賞装置スイッチ処理として、大当たり遊技を実行中(大当たり遊技状態時)において、第2大入賞装置127に入賞した遊技球の検知を実行する。
この場合、メインCPU301aは、大当たり遊技状態時において、第2大入賞装置127への入賞に基づいて遊技者に払い出された遊技球の数を、メインRAM301cの獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶される(蓄積される)獲得出玉相当情報が表す数に加算する。
また、メインCPU301aは、時短遊技状態が終了した場合には、獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶された獲得出玉相当情報をリセット(消去)する。これにより、獲得出玉相当情報記憶領域301czに記憶される獲得出玉相当情報は、初大当たり時における大当たり遊技状態で払い出された遊技球数と、時短遊技状態が継続している間に移行した大当たり遊技状態で払い出された遊技球数との和を表す。すなわち、当該獲得出玉相当情報が表す数は、連チャン時の大当たり遊技状態で払い出された遊技球数である。
さらに、メインCPU301aは、第2大入賞装置スイッチ処理において、獲得出玉相当情報を更新した場合には、獲得出玉相当情報を表す獲得出玉相当情報コマンドをセットする。
【0149】
[特別図柄処理]
スイッチ処理の後、メインCPU301aは、特別図柄に関する処理である特別図柄処理を行う。この特別図柄処理には、保留情報シフト処理と、大当たり判定処理と、大当たり図柄判定処理と、リーチ判定処理と、変動パターン設定処理と、特別図柄停止処理と、が含まれる。特別図柄処理の各処理について以下に説明する。
【0150】
[保留情報シフト処理]
メインCPU301aは、保留情報シフト処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、特別図柄の変動表示が終了すると、メインRAM301cの保留情報記憶領域301cxにおいて、保留情報と、取得時保留順情報とをシフトさせる。例えば、メインCPU301aは、保留情報記憶領域301cxにおいて、第1特別図柄に対する保留情報が第1保留情報領域と第2保留情報領域に格納されており、かつ、第2特別図柄に対する保留情報が格納されていない状態で、特別図柄の変動表示が終了した場合には、第1特別図柄に対応する第2保留情報領域の保留情報と取得時保留順情報とを第1保留情報領域へシフトさせ、第1保留情報領域の保留情報と取得時保留順情報とをメインRAM301cの保留情報判定領域301cyにシフトさせる。
【0151】
[大当たり判定処理]
次に、メインCPU301aは、大当たり判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、保留情報シフト処理によって、保留情報判定領域301cyにシフトされた保留情報に含まれる大当たり乱数と大当たり判定テーブルT1とに基づいて、大当たり判定を実行する。この場合、遊技状態が非確変遊技状態の場合には、非確変時大当たり判定テーブルT1Aを用い、確変遊技状態の場合には、確変時大当たり判定テーブルT1Bを用いる。
【0152】
[大当たり図柄判定処理]
次に、メインCPU301aは、大当たり図柄判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、大当たり判定が終了すると、大当たり判定の結果が大当たりの場合には、保留情報シフト処理によってシフトされた保留情報に含まれる大当たり図柄乱数と大当たり図柄判定テーブルT2とに基づいて、大当たり図柄判定を実行して、大当たり図柄(特別図柄)を決定する。この場合、シフトされた保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1大当たり図柄判定テーブルT2Aを用い、シフトされた保留情報の種別が第2特別図柄の場合には、特2大当たり図柄判定テーブルT2Bを用いる。一方、メインCPU301aは、大当たり判定でハズレの場合には、所定のハズレ図柄(特別図柄)を決定する。
【0153】
[リーチ判定処理]
次に、メインCPU301aは、リーチ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、シフトされた保留情報に含まれるリーチ乱数とリーチ判定テーブルT3とに基づいて、リーチ判定を実行する。この場合、遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1通常時リーチ判定テーブルを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、特1確変時リーチ判定テーブルを用いる。遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、特2通常時リーチ判定テーブルを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、特2確変時リーチ判定テーブルを用いる。
【0154】
[変動パターン設定処理]
次に、メインCPU301aは、変動パターン設定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、まず、取得時保留順情報に基づいて、第1変動パターンテーブルT4を選択するのか、第2変動パターンテーブルT5を選択するのかを決定する。例えば、取得時保留順情報が「3」、または、「4」の場合には、第1変動パターンテーブルT4を選択し、取得時保留順情報が「1」、または、「2」の場合には、第2変動パターンテーブルT5を選択する。
【0155】
次に、メインCPU301aは、選択した変動パターンテーブルに含まれる4つの変動パターンテーブルのうち、遊技状態と特別図柄の種別に基づいて、いずれの変動パターンテーブルを用いるのか選択する。例えば、上記で第1変動パターンテーブルT4を選択した場合には、第1変動パターンテーブルT4のうちの4つの変動パターンテーブルT4A〜T4Dの中から1つの変動パターンテーブルを選択する。この場合、遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、第1特1通常時変動パターンテーブルT4Aを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、第1特1確変時変動パターンテーブルT4Bを用いる。遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、第1特2通常時変動パターンテーブルT4Cを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、第1特2確変時変動パターンテーブルT4Dを用いる。
【0156】
また、例えば、上記で第2変動パターンテーブルT5を選択した場合には、第2変動パターンテーブルT5のうちの4つの変動パターンテーブルT5A〜T5Dの中から1つの変動パターンテーブルを選択する。この場合、遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、第2特1通常時変動パターンテーブルT5Aを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第1特別図柄である場合には、第2特1確変時変動パターンテーブルT5Bを用いる。遊技状態が非確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、第2特2通常時変動パターンテーブルT5Cを用いる。遊技状態が確変遊技状態であり、保留情報の種別が第2特別図柄である場合には、第2特2確変時変動パターンテーブルT5Dを用いる。
【0157】
次に、メインCPU301aは、大当たり図柄判定の結果、リーチ判定の結果、シフトされた保留情報に含まれる変動パターン乱数、および、選択した変動パターンテーブルに基づいて、変動パターン判定を実行し、変動パターンを決定する。この場合、例えば、大当たり図柄判定の結果、特定図柄が決定されている場合には、選択した変動パターンテーブルにおける変動パターンのうち、当該特定図柄の演出内容に対応する変動パターンの中から選択する。また、リーチ判定の結果、リーチを行うと判定されている場合には、選択した変動パターンテーブルにおける変動パターンのうち、リーチを実行する演出内容に対応する変動パターンの中から選択する。メインCPU301aは、変動パターンを決定すると、決定した変動パターンを含む変動開始コマンドをセットする。
【0158】
[特別図柄停止処理]
また、メインCPU301aは、特別図柄停止処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、変動パターン設定処理後、第1特別図柄表示器120又は第2特別図柄表示器122に特別図柄を変動表示させて、変動パターン判定で判定された変動パターンに基づく時間が経過すると、変動中の特別図柄を停止表示させ、当該停止表示させた特別図柄によって、大当たり図柄判定の判定結果を報知させる。この場合、メインCPU301aは、図柄確定コマンドをセットする。
【0159】
さらに、メインCPU301aは、特別図柄停止処理において、変動中の特別図柄を停止表示させた後、大当たり図柄判定の判定結果に基づいて、大当たり遊技フラグをONするか否かを判定し、ONすると判定した場合には、大当たり遊技フラグをONする処理を実行する。
【0160】
この特別図柄処理において、メインCPU301aは、時短遊技フラグおよび確変遊技フラグがONの場合に、時短変動回数が所定回数(例えば、100回)となった場合には、これら時短遊技フラグおよび確変遊技フラグをOFFする処理も実行する。
【0161】
[普通図柄処理]
メインCPU301aは、普通図柄処理を行う。この普通図柄処理は、普通図柄判定処理と、動作パターン設定処理と、開閉部材制御処理と、を含む。普通図柄処理の各処理について以下に説明する。
【0162】
[普通図柄判定処理]
メインCPU301aは、普通図柄判定処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、普通図柄の保留情報がある場合には、当該保留情報に含まれる普通図柄乱数と普通図柄判定テーブルT6とに基づいて、普通図柄判定を実行する。
【0163】
[動作パターン設定処理]
メインCPU301aは、普通図柄判定で当たりと判定した場合には、可動片115bの動作パターン設定処理を行う。具体的には、メインCPU301aは、非時短遊技状態であるときは0.1秒間の開放を2回行う動作パターンを設定(合計開放制御時間は0.2秒)し、時短遊技状態であるときは0.5秒間の開放を5回行う動作パターンを設定(合計開放制御時間は2.5秒)する。メインCPU301aは、普通図柄判定の結果が、ハズレの場合には、動作パターンの設定を行わない。
【0164】
[開閉図柄制御処理]
メインCPU301aは、開閉部材制御処理を実行する。具体的には、メインCPU301aは、普通図柄判定を実行後、普通図柄表示器118に普通図柄を変動表示させ、普通図柄判定の判定結果を示す普通図柄を停止表示させる。この場合、普通図柄の変動秒数は、非時短遊技状態であるときは12秒と設定され、時短遊技状態であるときは3秒と設定される。メインCPU301aは、普通図柄を停止表示させた後、動作パターン設定処理において動作パターンが設定されていれば、当該動作パターンに基づいて、可動片115bを開閉制御する。
【0165】
[大入賞装置開放制御処理]
続いて、メインCPU301aは、大入賞装置開放制御処理を行う。この大入賞装置開放制御処理は、第1大入賞装置117及び第2大入賞装置127の開放パターン設定処理と遊技状態設定処理とを含む。
【0166】
[開放パターン設定処理]
メインCPU301aは、大当たり遊技フラグがONである場合には、オープニング演出中に、大当たり図柄判定の結果に基づいて、第1大入賞装置117及び第2大入賞装置127の開放パターンを設定する開放パターン設定処理を行う。メインCPU301aは、オープニング演出が終了すると、設定した開放パターンに基づいて、第1大入賞装置117の開閉制御を行い、ラウンド遊技を実現させる。
また、ラウンド遊技が16ラウンド継続の場合には、第1大入賞装置117のよる16ラウンドの遊技が終了(第1大入賞装置117を閉)すると、設定した開放パターンに基づいて、第2大入賞装置127の開閉制御を行い、ボーナス遊技を実現させる。
【0167】
[遊技状態設定処理]
また、メインCPU301aは、エンディング演出が終了する場合に、大当たり遊技フラグをOFFする処理と、時短遊技フラグ、および、確変遊技フラグをONする処理とを実行すると共に、時短変動回数を所定回数(例えば、8000回)に設定する遊技状態設定処理を行う。
【0168】
[払出処理]
続いて、メインCPU301aは、払出処理を実行する。この払出処理は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する処理である。
[コマンド送信処理]
次に、メインCPU301aは、コマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理は、上記処理においてメインRAM301cにセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板320に送信する。
【0169】
[演出制御基板320の電気的構成]
図10は、演出制御基板320の詳細を示すブロック図である。演出制御基板320は、主制御基板300から送信されるコマンド(変動パターン等含む)に基づき、演出パターンを決定して、演出パターンに基づく演出パターン指定コマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する。上述したように、画像制御基板330にはメイン表示装置131、および、音声出力装置331が電気的に接続されており、ランプ制御基板340には、刀柄ユニット135、刀ユニット154、第1文字ユニット155a、第2文字ユニット155b、第1月光ユニット156、第2月光ユニット157、および、演出用照明装置342が電気的に接続されている。かかる構成により、画像制御基板330およびランプ制御基板340は、演出制御基板320から送信される演出パターン指定コマンドに基づいて、表示演出、音声演出、照明演出、および、役物可動演出を実行することが可能となる。
【0170】
図10に示すように、サブROM320bには、基幹表示演出指定テーブルTS1と、装飾図柄決定テーブルTS2と、チャンスアップ決定テーブルTS3とが格納されている。
基幹表示演出指定テーブルTS1は、主制御基板300から送信される変動パターンに基づいて、上述した通常ハズレ演出、ノーマルリーチ(ハズレまたは当たり)演出、SPリーチ(ハズレまたは当たり)演出、SPSPリーチ(ハズレまたは当たり)演出1、SPSPリーチ(ハズレまたは当たり)演出2、および、SPSPリーチ復活(当たり)演出のうちのいずれかの演出を、表示演出における基幹となる演出(以下では、基幹表示演出とも呼ぶ)として指定するためのテーブルである。本実施形態では、主制御基板300から送信される変動パターンと基幹表示演出とが一対一に対応している。
【0171】
なお、変動パターンに対し複数の基幹表示演出を対応させておき、演出制御基板320のサブCPU320aが抽選で基幹表示演出を選択するようにしてもよい。このようにすれば、同じ変動パターンであっても、その演出内容を変えることができる。また、複数の変動パターンに対して一つの基幹表示演出を対応させるようにしてもよい。
【0172】
装飾図柄決定テーブルTS2は、演出パターンに基づく表示演出において、仮停止表示や確定停止表示する装飾図柄の組み合わせと、リーチを実行する場合におけるリーチ図柄と、を決定するためのテーブルである。
【0173】
チャンスアップ決定テーブルTS3は、表示演出において、所定のチャンスアップ演出を決定するためのテーブルである。ここで、チャンスアップ演出とは、通常の演出とは異なる態様の表示演出を実行して、通常の演出と比較して、大当たりの期待度を上昇させるための演出である。
【0174】
図10に示すように、サブRAM320cには、保留記憶領域320c1と、獲得出玉相当情報記憶領域320c2と、事前判定情報記憶領域320c3とが設けられている。
保留記憶領域320c1は、第1特別図柄に対応した第1保留領域、第2保留領域、第3保留領域、および、第4保留領域と、第2特別図柄に対応した第1保留領域、第2保留領域、第3保留領域、および、第4保留領域との8つの領域に区分され、それぞれに1つの保留フラグが格納可能となっている。保留記憶領域320c1の第1特別図柄に対応する保留領域において、保留フラグの格納の優先順は、第1保留領域が最優先で格納対象とされ、第1保留領域に保留フラグが格納されていれば、次に、第2保留領域が優先で格納対象とされ、次に、第3保留領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4保留領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対応する保留領域においても同様である。演出制御基板320が主制御基板300からの保留コマンドを受信すると、保留記憶領域320c1において、保留フラグが格納されている保留領域を特定し、当該保留領域の次に優先的に格納すべき保留領域に保留フラグを格納する。ただし、第4保留領域に保留フラグが格納されている状態で、保留コマンドを受信した場合には、保留フラグの格納は行わない。
【0175】
また、保留フラグの消去の優先順は、格納する場合の優先順の逆であり、すなわち、第4保留領域が最優先で消去対象とされ、第4保留領域に保留フラグが格納されていないと、次に、第3保留領域が優先で消去対象とされ、次に、第2保留領域が優先で消去対象とされ、最後に、第1保留領域が消去対象として選択される。演出制御基板320が主制御基板300から図柄確定コマンドを受信すると、保留記憶領域320c1において、保留フラグが格納されている保留領域を特定し、優先的に消去すべき保留領域の保留フラグを消去する。第1保留領域に保留フラグを格納されていない場合には、消去処理を行わない。
【0176】
獲得出玉相当情報記憶領域320c2は、主制御基板300から送信される獲得出玉相当情報コマンドが表す獲得出玉相当情報を記憶するための領域である。この獲得出玉相当情報は、獲得出玉相当情報コマンドが送信されてくるたびに、上書き保存される。
【0177】
図11は、サブRAM320cに設けられる事前判定情報記憶領域320c3を模式的に示す説明図である。事前判定情報記憶領域320c3は、事前判定情報(事前判定用特別図柄と事前判定用変動パターンと取得時保留順情報)を格納するための記憶領域であり、特別図柄の種別に対応して、それぞれ、4つの格納領域(第1格納領域、第2格納領域、第3格納領域、および、第4格納領域)が設けられている。また、それぞれの格納領域には、事前判定用特別図柄に基づく大当たり判定情報を格納する大当たり判定情報欄と、事前判定用図柄に基づく大当たり図柄情報を格納する大当たり図柄情報欄と、事前判定用変動パターンに基づく変動パターン情報を格納する変動パターン情報欄と、取得時保留順情報を格納する取得時保留順情報欄と、連続演出の発動の有無を示す連続演出有無情報を格納する連続演出有無情報欄と、が設けられている。詳細は後述するが連続演出有無情報は、連続演出発動情報と、連続演出不発動情報とを含む。
【0178】
主制御基板300から送信されてくる保留コマンド(図9:S1005)には、事前判定情報(事前判定用特別図柄と事前判定用変動パターンと取得時保留順情報)が含まれる。事前判定情報記憶領域320c3には、これらの事前判定情報が対応付けられて格納される。第1特別図柄に対する格納領域において、事前判定情報を格納する優先順は、第1格納領域が最優先で格納対象とされ、第1格納領域に事前判定情報が格納されていれば、次に、第2格納領域が優先で格納対象とされ、次に、第3格納領域が優先で格納対象とされ、最後に、第4格納領域が格納対象として選択される。第2特別図柄に対する格納領域についても同様である。例えば、第1特別図柄の第3格納領域に既に事前判定情報が格納されている状態で、新たな第1特別図柄の事前判定情報(特定図柄A、変動パターン7B、取得時保留順情報「4」)を格納する場合(図11参照)には、第4格納領域の取得時保留順情報欄に「4」を表す情報を格納し、第4格納領域の変動パターン情報欄に「変動パターン7B」を表す情報を格納し、第4格納領域の大当たり図柄情報欄に「特定図柄A」を表す情報を格納し、第4格納領域の大当たり判定情報欄に「大当たり」を表す情報を格納する。
【0179】
なお、図11では、第1特別図柄に係る第1格納領域の事前判定情報として、大当たり判定情報欄に「ハズレ」の情報が、大当たり図柄情報欄に「なし」の情報が、変動パターン情報欄に「変動パターン1」の情報が、取得時保留順情報欄に「3」を表す情報がそれぞれ格納されている。第2格納領域の事前判定情報として、大当たり判定情報欄に「ハズレ」の情報が、大当たり図柄情報欄に「なし」の情報が、変動パターン情報欄に「変動パターン2AX」の情報が、取得時保留順情報欄に「1」を表す情報がそれぞれ格納されている。第3格納領域の事前判定情報として、大当たり判定情報欄に「ハズレ」の情報が、大当たり図柄情報欄に「なし」の情報が、変動パターン情報欄に「変動パターン4BX」の情報が、取得時保留順情報欄に「2」を表す情報がそれぞれ格納されている。
【0180】
また、連続演出有無情報欄には、後述の先読み処理において、連続演出を実行するか否かを表す連続演出発動情報が格納される。なお、図11では、第1特別図柄に係る第4格納領域に対応する連続演出有無情報欄に、連続演出の発動を示す情報である連続演出発動情報として「○」が示され、その他の格納領域には、連続演出を発動しないことを示す情報である連続演出不発動情報として「−」が示されている。
【0181】
なお、サブRAM320cは、所定のフラグなどが記憶されるフラグ記憶領域(図示せず)も有している。例えば、このフラグ記憶領域には、後述する連続実行演出フラグや擬似連演出実行フラグなどが格納される。
【0182】
[演出制御基板320での処理一覧]
図12は、演出制御基板320で実行される処理の一覧を示す説明図である。演出制御基板320のサブCPU320aは、電源が供給されると、演出メイン処理を実行する。
【0183】
[演出メイン処理]
サブCPU320aは、演出メイン処理として、主制御基板300で実行される電源復旧処理に対応する電源復旧演出処理、または、主制御基板300で実行されるRAMクリア処理に対応するRAMクリア演出処理を実行する。
また、サブCPU320aは、演出メイン処理中の実行中に、一定周期(例えば、2ミリ秒)ごとに繰り返し演出タイマ割込処理を実行する。なお、このような演出制御基板320で行われる処理は、サブROM320bに格納されているプログラムに基づいて実行される。
【0184】
[演出タイマ割込処理]
サブCPU320aは、演出タイマ割込処理において、乱数更新処理と、コマンド受信処理と、演出ボタン処理と、コマンド送信処理とを実行する。以下に、演出タイマ割込処理の各種処理を説明する。
【0185】
[乱数更新処理]
サブCPU320aは、乱数更新処理として、演出に用いる各種乱数(例えば、装飾図柄決定乱数、チャンスアップ乱数)を更新する。具体的には、サブCPU320aは、各種乱数に「1」を加算して更新し、所定の値まで到達すると「0」にリセットする。
【0186】
[コマンド受信処理]
サブCPU320aは、コマンド受信処理として、先読み処理と、演出パターン決定処理と、保留処理と、事前判定情報シフト処理と、普図演出処理と、図柄確定処理と、獲得出玉相当情報記憶処理と、大当たり処理とを実行する。以下に、コマンド受信処理の各種処理を説明する。
【0187】
[先読み処理]
先読み処理は、主制御基板300から送信される保留コマンドに基づいて連続演出を行うか否かを判定する処理、擬似連演出を行うか否かを判定する処理を実行する。この先読み処理については、図13を用いて詳細を後述する。
【0188】
なお、連続演出とは、メイン表示装置131において、実行され得る演出であり、特別図柄における複数の変動表示に亘って、後述する変動開始演出中に実行され得る演出である。この連続演出は、1種類の演出だけで構成されていてもよいし、複数種類の演出を含んでいてもいい。連続演出が複数種類の演出を含む場合には、複数種類の演出のうち1つの演出を選択して実行するようにしてもよい。また、連続演出は、特別図柄における1回の変動表示に実行されてもよい。
【0189】
また、擬似連演出は、1種類の演出だけで構成されていてもよいし、複数種類の演出を含んでいてもいい。擬似連演出が複数種類の演出を含む場合には、複数種類の演出のうち1つの演出を選択して実行するようにしてもよい。
【0190】
[演出パターン決定処理]
サブCPU320aは、演出パターン決定処理として、基幹表示演出指定テーブルTS1、装飾図柄決定テーブルTS2、および、チャンスアップ決定テーブルTS3に基づいて、演出パターンを決定する。この演出パターン決定処理についての詳細は、図14を用いて後述する。
【0191】
[保留処理]
サブCPU320aは、保留処理として、主制御基板300からの保留コマンドを受信した場合であって、サブRAM320cに設けられた保留記憶領域320c1における第4保留領域に保留フラグが格納されていない場合に、格納優先度が高い保留領域に保留フラグを格納する。例えば、サブCPU320aは、第1〜第2保留領域に保留フラグが格納された状態で、保留コマンドを受信した場合には、第3保留領域に保留フラグを格納する。また、サブCPU320aは、保留処理として、演出パターン決定処理で演出パターンが決定された場合(変動開始コマンドを受信した場合)に、保留フラグの消去優先度の高い保留領域から1つの保留フラグを消去する。サブCPU320aは、第1〜第4保留領域に保留フラグが格納された状態で、演出パターンが決定された場合(変動開始コマンドを受信した場合)には、第4保留領域の保留フラグを消去する。
【0192】
また、サブCPU320aは、保留処理として、保留表示に係る処理を実行する。具体的には、保留記憶領域320c1の4つの保留領域に対応させて、メイン表示装置131において保留表示を行うための保留表示コマンドをセットする。例えば、保留記憶領域320c1において、第1〜第3保留領域に保留フラグが格納されている状態では、メイン表示装置131において3つの保留があることを示す保留表示コマンドをセットする。この保留表示コマンドは、後述のコマンド送信処理において、画像制御基板330に送信される。画像制御基板330は、保留表示コマンドを受信した場合には、メイン表示装置131を制御して、当該保留表示コマンドに基づく保留表示を実行する。
【0193】
[事前判定情報シフト処理]
サブCPU320aは、事前判定情報のシフト処理として、演出パターン決定処理で演出パターンが決定された場合(変動開始コマンドを受信した場合)に、サブRAM320cの事前判定情報記憶領域320c3の格納領域に格納された事前判定情報のシフト処理を実行する。例えば、図11のごとく事前判定情報が格納されている場合において事前判定情報のシフト処理を実行する場合には、第1格納領域に格納された情報を消去し、第2格納領域に格納された情報を第1格納領域にシフトし、第3格納領域に格納された情報を第2格納領域にシフトし、第4格納領域に格納された情報を第3格納領域にシフトする。従って、第1特別図柄に対応する第1格納領域〜第4格納領域に格納されている事前判定情報(大当たり判定情報、大当たり図柄情報、変動パターン情報のセット)の数と、主制御基板300のメインRAM301c(保留情報記憶領域301cx:図4−2参照)に格納されている第1特別図柄に対する保留情報の数とは、1対1に対応する。同様に、第2特別図柄に対応する第1格納領域〜第4格納領域に格納されている事前判定情報(大当たり判定情報、大当たり図柄情報、変動パターン情報を1セット)の数と、主制御基板300のメインRAM301c(保留情報記憶領域301cx)に格納されている第2特別図柄に対する保留情報の数とは、1対1に対応する。例えば、図11に示すように、第1特別図柄に対する第1格納領域〜第4格納領域のすべてに事前判定情報が格納されていれば、主制御基板300のメインRAM301c(保留情報記憶領域301cx)に格納されている第1特別図柄に対する保留情報の数も4つである。
【0194】
なお、本実施形態の遊技機1では、第1特別図柄および第2特別図柄の双方に保留情報があり、特別図柄を停止して、次の図柄変動へと移行する場合、第2特別図柄の保留情報を優先的に用いて特別図柄判定を行う。従って、事前判定情報記憶領域320c3において、第1特別図柄および第2特別図柄に対応する格納領域のそれぞれに事前判定情報が格納されている場合には、装飾図柄の変動を停止表示して、次の変動演出へと移行する場合、第2特別図柄に対応する格納領域の事前判定情報のシフト処理が実行される。
【0195】
[普通図柄演出処理]
普通図柄演出処理は、普通図柄判定における判定結果に応じて、メイン表示装置131の所定の領域(例えば、メイン表示装置131の角)などで、普通図柄の変動に対応する演出を行う。例えば、普通図柄の変動中は「○」と「×」とを交互に表示し、判定結果に応じて当たりであれば「○」、ハズレであれば「×」を表示する。
【0196】
[図柄確定処理]
サブCPU320aは、図柄確定処理として、主制御基板300からの図柄確定コマンドに基づいて、メイン表示装置131で変動中の装飾図柄を確定停止表示させるための処理を実行する。
【0197】
[獲得出玉相当情報記憶処理]
サブCPU320aは、獲得出玉相当情報記憶処理として、主制御基板300から獲得出玉相当情報コマンドを受信した場合には、当該コマンドが表す獲得出玉相当情報をサブRAM320cの獲得出玉相当情報記憶領域320c2に記憶する。
[大当たり処理]
サブCPU320aは、大当たり処理として、主制御基板300からの所定のコマンドを受信することによって、大当たり遊技の初めのオープニング演出を実行するためのオープニング処理、大当たり遊技中のラウンド遊技に対応するラウンド演出を実行するためのラウンド処理、および、大当たり遊技の最後に、エンディング演出を実行するためのエンディング処理を実行する。
【0198】
[演出ボタン処理]
サブCPU320aは、演出ボタン処理として、刀柄ユニット135や演出操作スティック136を介した入力を検出し、それに応じた所定の演出を行う。
[コマンド送信処理]
サブCPU320aは、コマンド送信処理として、上記各種処理でセットされたコマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する。
【0199】
[先読み処理の説明]
図13は、先読み処理のフローチャートである。ここで、上述した先読み処理を以下に説明する。
この先読み処理では、まず、サブCPU320aは、S1305の処理で、保留コマンド受信処理を実行する。具体的には、主制御基板300から保留コマンドを受信したか否かを判断し、保留コマンドを受信した場合には、保留コマンドに含まれる事前判定情報を事前判定情報記憶領域320c3の対応する格納領域に格納する。保留コマンドを受信していない場合には、後述の連続演出フラグ設定処理と擬似連演出フラグ設定処理を実行せずに、この先読み処理を終了する。
【0200】
続いて、サブCPU320aは、保留コマンド受信処理後、S1310の処理で、連続演出フラグ設定処理を実行する。具体的には、サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される連続演出フラグがOFFである場合には、S1305の処理で受信した事前判定情報に基づいて、連続演出を実行するか否か、言い換えれば、連続演出フラグをONにするか否かを判定する。詳しくは、サブCPU320aは、以下の条件A、条件Bの2つの条件をすべて満たした場合に、連続演出フラグをONすると判定し、2つの条件のうち一つでも満たさない場合には、連続演出フラグをONしないと判定する。
【0201】
条件A:事前判定情報記憶領域320c3において、S1305の処理で新たに格納した事前判定情報よりも前に格納された事前判定情報(大当たり判定情報欄)に、大当たりを表す情報がないこと。言い換えれば、S1305の処理で事前判定情報を格納する前の保留情報記憶領域301cxにおける保留情報に大当たりがないこと。
条件B:先読み抽選に当選。
【0202】
上記条件Aの例として、第2特別図柄に対応する格納領域には事前判定情報が格納されておらず、一方で、第1特別図柄に対応する第1格納領域〜第3格納領域にそれぞれ事前判定情報が格納されており、新たに、S1305の処理で事前判定情報を第1特別図柄に対応する第4格納領域に格納した場合を想定する(図11参照)。この場合、第1特別図柄に対応する第1格納領域〜第3格納領域に格納された事前判定情報(大当たり判定欄)に大当たりを示す情報がなければ、上記条件Aが満たされる。
【0203】
また、条件Cにおける先読み抽選は、S1305の処理で新たに格納した事前判定情報に含まれる事前判定用特別図柄が、ハズレ図柄の場合には、第1の先読み抽選確率で抽選を行い、大当たり図柄の場合には、第1の先読み抽選確率よりも当選期待度が高い第2の先読み抽選確率で抽選を行うように設定されている。これにより、大当たりの場合に、先読み演出が実行される確率が高く設定され、言い換えれば、先読み演出が出現した場合には、先読み演出が出現しない場合と比較して、大当たり期待度が高い。
【0204】
また、本実施形態では、条件A、条件Bのすべてを満たさなければ、連続演出フラグをONしないこととしているが、本発明は、これに限られるものではなく、例えば、上記条件Bを満たせば、連続演出フラグをONするようにしてもよい。
【0205】
連続演出フラグをONとすると判定した場合には、事前判定情報記憶領域320c3において、S1305の処理で格納した格納領域に対応する連続演出有無情報欄に、連続演出発動情報(図11では「○」)を格納する。連続演出フラグをONしないと判定した場合には、事前判定情報記憶領域320c3において、S1305の処理で格納した格納領域に対応する連続演出有無情報欄に、連続演出不発動情報(図11では「−」)を格納する。
【0206】
サブCPU320aは、連続演出有無情報欄に連続演出発動情報、または、連続演出不発動情報が格納された場合、または、サブRAM320cに記憶される連続演出フラグが既にONである場合には、次のS1315の処理に移行する。
【0207】
なお、連続演出フラグがONされ、事前判定情報記憶領域320c3の連続演出有無情報欄に、連続演出発動情報「○」が格納された場合には、次回の特別図柄の変動表示から、メイン表示装置131において、連続演出が実行される。この連続演出は、連続演出発動情報を含む事前判定情報に対応する保留情報に基づいて表示演出が実行されるまで、実行され得る。この場合、連続演出発動情報を含む事前判定情報に対応する保留情報に基づく表示演出中でも実行され得る。
【0208】
また、サブCPU320aは、この連続演出フラグ設定処理で連続演出フラグをONに設定した場合において、判定に用いた事前判定情報に対応する変動表示が終了した場合には、上述した図柄確定処理において、連続演出フラグをOFFに設定する。
【0209】
続いて、サブCPU320aは、連続演出フラグ設定処理後、S1315の処理で、擬似連演出フラグ設定処理を実行する。具体的には、サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される連続演出フラグがONである場合には、サブRAM320cに記憶される擬似連演出フラグをOFFに設定する。サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される連続演出フラグがOFFである場合には、サブRAM320cに記憶される擬似連演出フラグをONに設定する。その後、この先読み処理を終了し、コマンド受信処理に戻る。
【0210】
なお、サブCPU320aは、後述の演出パターン決定処理において、取得した変動パターンが擬似連演出ありの変動パターン(例えば、変動パターン7B)の場合であっても、上記擬似連演出フラグ設定処理により、擬似連演出フラグがOFFに設定されている場合(連続演出フラグがONの場合)には、擬似連演出を実行しない。
【0211】
[演出パターン決定処理の説明]
図14は、演出パターン決定処理のフローチャートである。この演出パターン決定処理において、まず、サブCPU320aは、主制御基板300からの変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(S1405)。サブCPU320aは、変動開始コマンドを受信していない場合(S1405:NO)には、この演出パターン決定処理を終了し、コマンド受信処理に戻る。
サブCPU320aは、変動開始コマンドを受信した場合(S1405:YES)には、S1410の処理で、変動開始コマンドに含まれる変動パターンを取得する。
【0212】
次に、サブCPU320aは、S1415の処理で、演出パターンを決定する。具体的には、サブCPU320aは、基幹表示演出の決定、連続演出の決定、擬似連演出の決定、リーチ図柄の決定、チャンスアップの決定、および、停止図柄の決定を行うことで演出パターンを決定する。以下に、この詳細について説明する。
【0213】
まず、サブCPU320aは、基幹表示演出指定テーブルTS1に基づいて、S1410の処理で取得した変動パターンに対応する演出を基幹表示演出として決定する。例えば、サブCPU320aは、取得した変動パターンが変動パターン6Bの場合、基幹表示演出指定テーブルTS1に基づいて、変動パターン6Bに対応する演出であるSPSPリーチ(ハズレ)演出1を基幹表示演出として決定する。
【0214】
次に、サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される連続演出フラグがONである場合には、連続演出の実行を決定する。サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される連続演出フラグがOFFである場合には、連続演出の不実行を決定する。
【0215】
次に、サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される擬似連演出フラグがONである場合であって、S1410の処理で取得した変動パターンが擬似連演出に対応している場合には、擬似連演出の実行を決定する。例えば、サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される擬似連演出フラグがONである場合であって、S1410の処理で取得した変動パターンが「変動パターン4B」である場合には、擬似連演出の実行を決定する。
【0216】
一方、サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される擬似連演出フラグがOFFである場合には、S1410で取得した変動パターンが擬似連演出に対応しているか否かに拘わらずに、擬似連演出の不実行を決定する。例えば、サブCPU320aは、サブRAM320cに記憶される擬似連演出フラグがOFFである場合には、S1410の処理で取得した変動パターンが「変動パターン4B」であるにも拘わらずに、擬似連演出の不実行を決定する。
【0217】
すなわち、連続演出フラグがONの場合には、擬似連演出フラグはOFFであるので、連続演出が実行される場合には、擬似連演出が実行されない。一方、連続演出フラグがOFFの場合には、擬似連演出フラグはONであるので、S1410で取得した変動パターンが擬似連演出に対応していれば、擬似連演出が実行され得る。
【0218】
次に、サブCPU320aは、取得した変動パターンがリーチ(リーチ形成演出)を実行する演出に対応している場合には、装飾図柄決定乱数と装飾図柄決定テーブルTS2に基づいて、リーチ図柄を決定する。サブCPU320aは、取得した変動パターンがリーチ(リーチ形成演出)を実行する演出に対応していない場合には、この処理を飛ばす。
【0219】
次に、サブCPU320aは、取得した変動パターンと、チャンスアップ乱数とに基づいて、上述のようなチャンスアップ演出実行の有無を決定する。
次に、サブCPU320aは、取得した変動パターンと、装飾図柄決定乱数とに基づいて、最終停止する装飾図柄の図柄配列を決定する。
【0220】
以上より、サブCPU320aは、基幹表示演出、連続演出実行の有無、擬似連演出実行の有無、リーチ図柄、チャンスアップ実行の有無、および、最終停止する装飾図柄の図柄配列を決定し、この決定に沿った表示演出、役物可動演出、音声演出、および、発光演出を実現するための演出パターンを最終決定する。
【0221】
[第1文字ユニット155aと第2文字ユニット155bによる演出]
図15−1〜図15−3は、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bによる演出を説明する図である。図15−1は、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが初期態様となった場合を示す概略図である。図15−2は、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが第1態様となった場合を示す概略図である。図15−3は、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが第2態様となった場合を示す概略図である。
【0222】
図15−1に示すように、遊技領域106の左上に設けられた第1文字ユニット155aは、遊技盤に固定されるベース部1500、ベース部1500に対して可動な第1可動部1510、第1可動部1510に対して可動な第2可動部1520から構成されている。第1可動部1510の前面側には、「必」の文字の一部が形成されるとともに、複数のLED(図示しない)および反射材(図示しない)が設けられた第1装飾面部1515が形成されている。第2可動部1520の前面側には、第1装飾面部1515とは異なる「必」の文字の残りの部分が形成されるとともに、LED(図示しない)および反射材(図示しない)が設けられた第2装飾面部1525が形成されている。つまり、第1可動部1510と第2可動部1520は、組み合わさった場合には、第1装飾面部1515と第2装飾面部1525が組み合わさって、一つの「必」の文字を形成するような構成となっている。
【0223】
図15−1に示すように、遊技領域106の右下に設けられた第2文字ユニット155bは、遊技盤に固定されるベース部1550、ベース部1550に対して可動な第1可動部1560、第1可動部1550に対して可動な第2可動部1570から構成されている。第1可動部1560の前面側には、「勝」の文字の一部が形成されるとともに、複数のLED(図示しない)および反射材(図示しない)が設けられた第1装飾面部1565が形成されている。第2可動部1570の前面側には、第1装飾面部1565とは異なる「勝」の文字の残りの部分が形成されるとともに、LED(図示しない)および反射材(図示しない)が設けられた第2装飾面部1575が形成されている。つまり、第1可動部1560と第2可動部1570は、組み合わさった場合には、第1装飾面部1565と第2装飾面部1575が組み合わさって、一つの「勝」の文字を形成するような構成となって
いる。
【0224】
図15−2に示すように、初期態様から第1態様となる場合、第1文字ユニット155aは、第1可動部1510と第2可動部1520とが一体となって、ベース部1500に対して遊技領域106の中央に向かう方向に移動する。つまり、第1文字ユニット155aにおける第1可動部1510と第2可動部1520とは、図15−1に示した初期態様における初期位置に比べて遊技領域106の中央に近い位置である第1位置に位置する第1態様となる。また、第2文字ユニット155bは、第1可動部1560と第2可動部1570とが一体となって、ベース部1550に対して遊技領域106の中央に向かう方向に移動する。つまり、第2文字ユニット155bにおける第1可動部1560と第2可動部1570とは、初期態様における初期位置に比べて遊技領域106の中央に近い位置である第1態様に位置する第1態様となる。したがって、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが初期態様から第1態様となると、「必」と「勝」の文字ユニットが遊技領域106の中央に向かって移動し、「必」と「勝」の文字が互いに近づくような演出が行われる。
【0225】
図15−3に示すように、第1態様から第2態様となる場合、第1文字ユニット155aにおいては、第2可動部1520のみが、第1可動部1510に対して遊技領域106の中央に向かう方向に移動する。つまり、第1文字ユニット155aにおける第2可動部1520のみが第1態様の第1位置に比べて遊技領域106の中央に近い位置である第2位置に位置する第2態様となる。また、第2文字ユニット155bにおいては、第2可動部1570のみが、第1可動部1560に対して初期位置に向かう方向に移動する。つまり、第2文字ユニット155bにおける第2可動部1570のみが第1態様の位置に比べて遊技領域106の中央から遠い位置である第2位置に位置する第2態様となる。したがって、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが第1態様から第2態様となると、「必」と「勝」の文字ユニットの一部が共に同じ方向に移動するとともに、「必」と「勝」の文字が切断されたような演出が行われる。
【0226】
[第1文字ユニット155aの構成および作動機構]
図16−1〜図16−3は、各態様における第1文字ユニット155aを説明する図である。図16−1は、初期態様の第1文字ユニット155aを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。図16−2は、第1態様の第1文字ユニット155aを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。図16−3は、第2態様の第1文字ユニット155aを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
【0227】
図16−1(A)に示すように、第1文字ユニット155aは、遊技盤に固定されるベース部1500と、ベース部1500に対して可動に連結された第1可動部1510と、第1可動部1510に対して可動に連結された第2可動部1520とから構成されている。また、第1装飾面部1515の図示しない複数のLEDは、ベース部1500を介して、発光制御が可能にランプ制御基板340と電気的に接続されており、演出内容に応じて発光制御される。さらに、第2装飾面部1525の図示しない複数のLEDは、ベース部1500および第1可動部1510を介して、発光制御が可能にランプ制御基板340と電気的に接続されており、演出内容に応じて発光制御される。
【0228】
図16−1(B)に示すように、ベース部1500には、第1可動部1510と連結するリンク機構1620と、リンク機構1620に付勢力を加えるバネ部1615と、リンク機構1620を作動させるためのモータと図示しないギヤ機構からなる第1駆動部1610とが設けられている。また、第1可動部1510は、第2可動部1520を可動させるためのモータと図示しないギヤ機構からなる第2駆動部1630と、第2可動部1520の可動をロックするロック部1640とが設けられている。さらに、ベース部1500と第1可動部1510とに跨って設けられる第1レール部1650によって、ベース部1500に対して第1可動部1560が可動となるように、ベース部1500と第1可動部1510が連結されている。また、第2可動部1520には、第2駆動部1630の図示しないギヤと噛合うラック1670と、突起状の部材である第1ストッパ1680および第2ストッパ1685とが設けられている。さらに、第1可動部1510と第2可動部1520とに跨って設けられる第2レール部1660によって、第1可動部1510に対して第2可動部1520が可動となるように、第1可動部1510と第2可動部1520とが連結されている。
【0229】
図16−2(A)に示すように、第1文字ユニット155aが第1態様となった場合は、第1可動部1510と第2可動部1520が一体となった状態で、ベース部1500から離間した状態となる。この第1態様の状態では、第1可動部1510と第2可動部1520とが一体となっているため、第1装飾面部1515と第2装飾面部1525とが一体となっていることによって、「必」の文字が形成されることとなる。
【0230】
図16−2(B)に示すように、第1文字ユニット155aが初期態様から第1態様になるときには、第1駆動部1610のモータが作動し、ギヤを介してリンク機構1620を作動させて、第1可動部1510をベース部1500から離間させるように下斜め方向に移動させる。このとき、第1可動部1510は、第1レール部1650に沿って移動することとなる。なお、第1文字ユニット155aが初期態様から第1態様になるときに、ロック部1640は、ロック状態から解除状態となる。このロック部1640におけるロック状態と解除状態との切替については、後述する。
【0231】
図16−3(A)に示すように、第1文字ユニット155aが第1態様から第2態様となった場合は、第2可動部1520が第1可動部1510から離間した状態となる。この第2態様の状態では、第1態様において一体であった第1可動部1510と第2可動部1520とのうち、第2可動部1520のみが第1可動部1510から離間するため、第1装飾面部1515と第2装飾面部1525とで形成されていた「必」という文字が、所定の箇所で切断されたように表されることとなる。
【0232】
図16−3(B)に示すように、第1文字ユニット155aが第1態様から第2態様になるときには、第2駆動部1630のモータが作動し、図示しないギヤによってラック1670が動かされ、第2可動部1520を第1可動部1510から離間させるように下斜め方向に移動させる。このとき、第2可動部1520は、第2レール部1660に沿って移動することとなる。なお、第2可動部1520は、第2駆動部1630の図示しないギヤのカバーに設けられた凸部1635が第1ストッパ1680に係止することで、移動する範囲が制限される。
【0233】
また、第2可動部1520において、第2レール部1660は、第2装飾面部1525における1装飾面部1515と合わさる辺となる境界面に対して平行とならないように設けられている。つまり、初期態様または第1態様における第1装飾面部1515と第2装飾面部1525との境界線に対して、第2レール部1660が平行とならないように設けられている。具体的には、第2レール部1660が、第2装飾面部1525の移動方向の端部に近づくほどに、第2装飾面部1525における第1装飾面部1515と合わさる面までの距離が大きくなるように構成されている。このような構成であれば、図15−3および図16−3(A)に示すように、第2態様となった場合に、移動方向に対する鉛直方向における第1装飾面部1515と第2装飾面部1525との離間距離が大きくなる。
【0234】
ここで、第1文字ユニット155aのロック部1640における、ロック状態とロック解除状態との切替えの機構について図17を用いて説明する。図17は、ロック部1640におけるロック機構を説明する概略図であり、(A)はロック状態を示す図であり、(B)はロック解除状態を示す図である。なお、第1文字ユニット155aが初期態様のときには、ロック部1640におけるロック機構はロック状態であり、第1文字ユニット155aが第1態様のときには、ロック機構はロック解除状態である。
【0235】
図17(A)に示すように、第1文字ユニット155aが初期態様の場合には、ロック部1640はロック状態となっており、第1可動部1510から第2可動部1520が離間しないような状態である。なお、ロック部1640には、図示しないバネが設けられており、図面上の左回り方向への付勢力が働いている。初期態様のロック部1640は、ベース部1500に設けられたベースブロック部1720により左回り方向への回転が制限されている。そのため、ロック部1640の突起部1745が、第2可動部1520に設けられた第1ブロック部1770と第2ブロック部1775との間に入り込んだ状態となるため、第2可動部1520が第1可動部1510から離間することが制限されることとなる。
【0236】
図17(B)に示すように、第1文字ユニット155aが第1態様の場合には、ロック部1640がロック解除状態となっており、第1可動部1510から第2可動部1520が離間可能な状態である。具体的には、第1可動部1510がベース部1500から離間することによって、ロック部1640に対するベースブロック部1720による制限がされなくなり、ロック部1640がバネの付勢力により回転する。そのため、ロック部1640の突起部1745が第1ブロック部1770と第2ブロック部1775との間から抜け出た状態となり、第2可動部1520が第1可動部1510に対して離間可能な状態となる。
【0237】
以上のように、第1文字ユニット155aが初期態様から第1態様へ、第1態様から第2態様へ移行する様子を説明したが、第2態様から初期態様に移行するときには、第2態様から第1態様へ、第1態様から初期態様へ移行する、といった態様で変化する。つまり、第2態様で離間した状態の第1可動部1510と第2可動部1520とにおいて、第2可動部1520が第1可動部1510に近づいていき、第1可動部1510と第2可動部1520とが一体となった第1態様となる。そして、第1態様で一体となった第1可動部1510と第2可動部1520とは、そのまま一体となってベース部1500に近づくように移動して初期態様となる。なお、第2可動部1520が、第2位置から第1位置に移動するときに、第2駆動部1630の凸部1635が第2ストッパ1685に係止することで、移動する範囲が制限される。
【0238】
また、バネ部1615においては、初期態様から第1態様へ変化すると、バネ部1615に対して力が加わり、変形した状態となり、第1態様から第2態様へ変化しても、バネ部1615はそのまま変形した状態を維持する。そして、第1態様から初期態様に戻るときは、変形したバネ部1615が復元するため、第1態様から初期態様に戻るときに、第1可動部1510の移動に付勢力が加わることとなる。このように、第1可動部1510に対してバネ部1615による付勢力が加わると、第1態様から初期位置に戻るときの初期速度が速くなるような演出を実行することができる。
【0239】
このように第2態様から初期態様に戻るときに、ロック部1640によるロック機構によって、第2態様における第1可動部1510のみが、初期態様の位置に戻るといった移動を阻止するようになっている。具体的には、第1可動部1510が初期態様の位置となった場合には、ロック部1640がベースブロック部1720により押圧されることで、第2可動部1520が移動する場合の第1ブロック部1770の移動線上に突起部1745が位置することとなる。そのため、突起部1745によって、第1ブロック部1770が初期態様の位置に移動することが阻害される。つまり、第2態様における第1可動部1510のみが初期態様の初期位置に戻るといった移動が阻止されることとなる。
【0240】
[第2文字ユニット155bの構成]
図18−1〜図18−3は、各態様における第2文字ユニット155bを説明する図である。図18−1は、初期態様の第2文字ユニット155bを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。図18−2は、第1態様の第2文字ユニット155bを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。図18−3は、第2態様の第2文字ユニット155bを説明する図であり、(A)は表面を示す図であり、(B)は裏面を示す図である。
【0241】
図18−1(A)に示すように、第2文字ユニット155bは、遊技盤に固定されるベース部1550と、ベース部1550に対して可動に連結された第1可動部1560と、第1可動部1560に対して可動に連結された第2可動部1570とから構成されている。また、第1装飾面部1565の図示しない複数のLEDは、ベース部1550を介して、発光制御が可能にランプ制御基板340と電気的に接続されており、演出内容に応じて発光制御される。さらに、第2装飾面部1575の図示しない複数のLEDは、ベース部1550および第1可動部1560を介して、発光制御が可能にランプ制御基板340と電気的に接続されており、演出内容に応じて発光制御される。
【0242】
図18−1(B)に示すように、ベース部1550には、第1可動部1560と連結するリンク機構1820(図18−2(B)を参照。)と、リンク機構1820を作動させるためのモータと図示しないギヤ機構からなる第1駆動部1810とが設けられている。また、第1可動部1560には、第2可動部1570を可動させるためのモータと図示しないギヤ機構からなる第2駆動部1830が設けられている。さらに、ベース部1550と第1可動部1560とに跨って設けられる第1レール部1850によって、ベース部1550に対して第1可動部1560が可動となるように、ベース部1550と第1可動部1560が連結されている。また、第2可動部1570には、第2駆動部1830の図示しないギヤと図示しないギヤ機構が設けられている。さらに、第1可動部1560と第2可動部1570とに跨って設けられる第2レール部1860によって、第1可動部1560に対して第2可動部1570が可動となるように、第1可動部1560と第2可動部1570とが連結されている。
【0243】
図18−2(A)に示すように、第2文字ユニット155bが第1態様となった場合は、第1可動部1560と第2可動部1570が一体となった状態で、ベース部1550から離間した状態となる。この第1態様の状態では、第1可動部1560と第2可動部1570とが一体となっているため、第1装飾面部1565と第2装飾面部1575とが一体となっていることによって、「勝」の文字が形成されることとなる。
【0244】
図18−2(B)に示すように、第2文字ユニット155bが初期態様から第1態様になるときには、第1駆動部1810のモータが作動し、ギヤを介してリンク機構1820を作動させて、第1可動部1560をベース部1550から離間させるように上斜め方向に移動させる。このとき、第1可動部1560は、第1レール部1850に沿って移動することとなる。なお、リンク機構1820に付勢力を加えるバネ部1815が設けられている。
【0245】
図18−3(A)に示すように、第2文字ユニット155bが第1態様から第2態様となった場合は、第2可動部1570が第1可動部1560から離間した状態となる。この第2態様の状態では、第1態様において一体であった第1可動部1560と第2可動部1570とのうち、第2可動部1570のみが第1可動部1560から離間するため、第1装飾面部1565と第2装飾面部1575とで形成されていた「勝」という文字が、所定の箇所で切断されたように表されることとなる。
【0246】
図18−3(B)に示すように、第2文字ユニット155bが第1態様から第2態様になるときには、第2駆動部1830のモータが作動し、図示しないギヤ機構が動かされ、第2可動部1570を第1可動部1560から離間させるように下斜め方向に移動させて初期態様の初期位置に位置させる。このとき、第2可動部1570は、第2レール部1860に沿って移動することとなる。なお、第2可動部1570は、ベース部1550に設けられた突起状のストッパ1880に係止することで、初期位置よりも下方に移動することが制限される。
【0247】
以上のように、第2文字ユニット155bが初期態様から第1態様へ、第1態様から第2態様へ移行する様子を説明したが、第2態様から初期態様に移行するときには、第2態様から第1態様へ、第1態様から初期態様へ移行する、といった態様で変化する。つまり、第2態様で離間した状態の第1可動部1560と第2可動部1570とにおいて、第2可動部1570が第1可動部1560に近づいていき、第1可動部1560と第2可動部1570とが一体となった第1態様となる。そして、第1態様で一体となった第1可動部1560と第2可動部1570とは、そのまま一体となってベース部1550に近づくように移動して初期態様となる。
【0248】
また、バネ部1815においては、初期態様のときに、バネ部1615に対して力が加わって変形した状態である。そして、初期態様から第1態様に変化するときは、変形したバネ部1815が復元するため、初期態様から第1態様に変化するときに、第1可動部1560の移動に付勢力が加わることとなる。このように、第1可動部1560に対してバネ部1815による付勢力が加わると、初期態様から第1態様へ変化するときの初期速度が速くなるような演出を実行することができる。
【0249】
[第1レール部1650の構成]
図19−1、図19−2は、第1文字ユニット155aにおける第1レール部1650を説明するための図である。図19−1は、第1レール部1650の構成を示す図であり、(A)は第1レール部1650が分解された状態を示す斜視図であり、(B)は第1レール部1650における固定孔1922aとスライダ孔部1982と中レール孔部1952aとの位置関係を説明する図である。図19−2は、第1レール部1650における第2外レール1920に対する第2スライダ1980および中レール1950の摺動の様子を説明する図であり、(A)は摺動開始の時点の図であり、(B)は(A)の状態から摺動が進んだ状態を説明する図である。なお、第1レール部1650,1850および第2レール部1660,1860は、全て同じ構成であるため、以下では、具体例として、第1レール部1650の構成について説明する。
【0250】
図19−1(A)に示すように、第1レール部1650は、断面が凹形状の第1外レール1910および第2外レール1920と、第1外レール1910と第2外レール1920との間で摺動可能に設けられた中レール1950と、第1外レール1910と中レール1950との間で摺動可能に設けられた第1スライダ1970と、第2外レール1920と中レール1950との間で摺動可能に設けられた第2スライダ1980とから構成されている。
【0251】
第1外レール1910は、長手方向の両端部に一部が折り曲げられることで形成されたストッパ部1918a,1918bと、固定孔1912a,1912bとが設けられている。固定孔1912a,1912bは、他の部材に固定するためのビスが通される孔である。なお、第2外レール1920においても、第1外レール1910と同様の構成であるため、ストッパ部1928a,1928bと、固定孔1922a,1922bとが設けられている。第1スライダ1970は、断面形状が凹形状であり、摺動方向に対して鉛直をなす各側面には、内側方向および外側方向に突出するように複数のボールベアリング1975が設けられている。また、摺動方向の両端には、係止部1978a,1978bが設けられ、長手方向の略中央には、貫通したスライダ孔部1972が形成されている。なお、第2スライダ1980においても、第1スライダ1970と同様の構成であり、係止部1988a,1988bと、スライダ孔部1982と、複数のボールベアリング1985とが設けられている。中レール1950は、摺動方向の両端に第1スライダ1970の係止部1978a,1978bおよび第2スライダ1980の係止部1988a,1988bが係止するためのストッパ1958a,1958bと、貫通した中レール孔部1952a,1952bが設けられている。
【0252】
以上のような構成の第1レール部1650は、第1スライダ1970の内側において、中レール1950に複数のボールベアリング1975が接触した状態になり、第1スライダ1970に対して中レール1950が摺動することとなる。一方、第1スライダ1970の外側においては、第1外レール1910に複数のボールベアリング1975が接触した状態になり、第1外レール1910に対して第1スライダ1970が摺動することとなる。また、第1外レール1910のストッパ部1918a,1918b、第2外レール1920のストッパ部1928a,1928bによって、第1スライダ1970および第2スライダ1980が摺動方向から抜け出ないように構成されている。さらに、中レール1950のストッパ1958a,1958bに対して、第1スライダ1970の係止部1978a,1978bおよび第2スライダ1980の係止部1988a,1988bが係止されることによって、中レール1950と第1スライダ1970および第2スライダ1980とが互いに摺動方向から抜け出ることが防止される。つまり、第1レール部1650は、第1スライダ1970および第2スライダ1980に複数のボールベアリング1975,1985が設けられているため、第1外レール1910および第2外レール1920に対して、中レール1950、第1スライダ1970、第2スライダ1980が滑らかに摺動可能とされる。
【0253】
なお、第1文字ユニット155aの第1レール部1650において、第1外レール1910はベース部1500に設けられ、第2外レール1920は第1可動部1510に設けられる。第1文字ユニット155aの第2レール部1660において、第1外レールは第1可動部1510に設けられ、第2外レールは第2可動部1520に設けられる。また、第2文字ユニット155bの第1レール部1850において、第1外レールはベース部1550に設けられ、第2外レールは第1可動部1560に設けられる。第2文字ユニット155bの第2レール部1860において、第1外レールは第1可動部1560に設けられ、第2外レールは第2可動部1570に設けられる。
【0254】
図19−1(B)に示すように、第1レール部1650が第1文字ユニット155aに取付けられた場合に、第2外レール1920の固定孔1922aに対して、第2スライダ1980のスライダ孔部1982と中レール1950の中レール孔部1952aとの位置を合わせると、これらの孔部を介して固定孔1922aを確認することができる。つまり、このような構成であると、第1レール部1650を取付ける場合や取外す場合に、工具を使用して作業をすることが容易となる。
【0255】
図19−2(A)に示すように、第1レール部1650において、第2外レール1920に対して第2スライダ1980および中レール1950が摺動を開始すると(図面上の上方向に摺動するものとする。)、第2外レール1920の内側の壁面に対して第2スライダ1980のボールベアリング1985を回転させながら、第2スライダ1980が摺動する。また、中レール1950は、第2スライダ1980のボールベアリング1985を回転させながら、第2スライダ1980の内側にて摺動する。
【0256】
図19−2(B)に示すように、図19−2(A)の状態から所定の距離を摺動させると、第2外レール1920に対する第2スライダ1980の摺動距離と、中レール1950の摺動距離が異なってくる。つまり、第2スライダ1980が所定の位置に到達するまでの時間と、中レール1950が所定の位置に到達するまでの時間が異なり、所謂、タイムラグが生じることとなる。
【0257】
上述のような第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bであれば、第1レール部1650等のようなレールが設けられていない可動役物に比べて、スムーズな作動を行わせることができる。このような可動役物を備えた遊技機によれば、従来の可動役物に比べて、遊技者が想像し得ない演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0258】
また、上述のような第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bであれば、初期態様から第1態様に変化するときには互いに近づくように移動し、第1態様から第2態様に変化するときには互いに離れるように移動することができる。このような可動役物を備えた遊技機によれば、従来の可動役物では実現できなかった演出を実現することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0259】
上述の実施形態においては、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bは、初期態様、第1態様、第2態様に変化するものであったが、他の態様に変化するものであってもよい。例えば、初期態様から第1態様へ変化するときに、第1文字ユニット155aにおいて第1可動部1510と第2可動部1520とが一体となって揺動するような動きによって、所謂、煽り演出をするような形態に変化してもよい。このとき、第1文字ユニット155aの揺動と連動するように、第2文字ユニット155bも揺動してもよい。
【0260】
上述の実施形態においては、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bは、共に同じ形態に変化するものであったが、互いに異なる形態に変化するものであってもよい。例えば、第1文字ユニット155aは、初期態様であるときに、第2文字ユニット155bは、第1態様または第2態様であってもよい。
【0261】
上述の実施形態においては、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bは移動することで各態様へ変化することとしたが、各ユニットに設けられた図示しないLEDの発光制御によって態様が変化するものとしてもよい。例えば、種々の遊技状態に応じて、LEDが点滅したり、消灯から点灯したり、といった様々な発光制御によって態様が変化するものとしてもよい。さらに、移動による各態様への変化に加えて、各態様での発光制御も共に行われることで態様のバリエーションを持つものとしてもよい。
【0262】
上述の実施形態においては、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bのみの移動による各態様へ変化することとしたが、他の役物、可動役物、表示装置と連動してもよい。例えば、メイン表示装置131における表示や第1導光パネル181aおよび第2導光パネル181bにおける表示と連動して様々な態様の演出を行うものとしてもよい。具体的には、図21に示すような態様のものがある。
【0263】
ここで、上述の第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bが、メイン表示装置131、他の可動役物、演出用照明装置342等と連動した連動演出について説明する。
【0264】
図21に示すように、右上照明装置2102が点灯し、メイン表示装置131においては、右上方から左斜め下方に向けて直線状の画像である直線画像2181が表示される。さらに、左スピーカ照明装置2105が点灯し、左下照明装置2103が点灯する。これによって、遊技機100全体において、右上から左下方に向けて一本の光が走るように表示される。すなわち、右上照明装置2102の点灯、直線画像2121の表示、左スピーカ照明装置2105の点灯、及び左下照明装置2103の点灯によって、遊技機100に、一本の光2182が表示されたようになる。また、左上照明装置2101が点灯し、メイン表示装置131においては、左上方から、右斜め下方に向けて直線状の画像である直線画像2183が表示される。さらに、右スピーカ照明装置2106が点灯し、右下照明装置2104が点灯する。これによって、遊技機100全体において、左上から右下方に向けて一本の光が走るように表示される。すなわち、左上照明装置2101の点灯、直線画像2183の表示、右スピーカ照明装置2106の点灯、及び右下照明装置2104の点灯によって、一本の光2184が表示されたようになる。以上のような演出によって、全体として、X(エックス)状に光が発光された状態となる。
【0265】
さらに、サイド表示装置2180の発光部2160,2160が発光してもよい。そして、稲妻2112のように、メイン表示装置131とサイド表示装置2180に跨って画像が表示されてもよい。そして、稲妻2113のように、第1導光パネル181a、第2導光パネル181bとサイド表示装置2180に跨って画像が表示されてもよい。すなわち、本発明のサイド表示装置2180と第1導光パネル181a、第2導光パネル181bとは、一体的な画像を表示可能である。さらに、本発明のメイン表示装置131、サイド表示装置2180、及び第1導光パネル181a、第2導光パネル181bは、一体的な画像を表示可能である。また、メイン表示装置131とサイド表示装置2180によって表示された稲妻2112と、第1導光パネル181a、第2導光パネル181bとサイド表示装置2180とによって表示された稲妻2113とが表示されることで、メイン表示装置131、サイド表示装置2180、及び第1導光パネル181a、第2導光パネル181bとによる一体的な演出が行われている。
【0266】
また、上部ユニット180が動作してもよい。例えば、上部ユニット180の左右方向中央部が上に持ち上がり、カバー2186が下方に開く。これによって、円形ユニット2187が外部に露出する。円形ユニット2187は、外部に露出した状態で、前後方向及び上下方向に揺動する。また、円形ユニット2187が、発光する。さらに、可動役物の少なくとも一部が連動してもよい。例えば、全ての可動役物が、連動してもよい。また、メイン表示装置131、可動役物、演出用照明装置2142、サイド表示装置2180、第1導光パネル181a、第2導光パネル181b以外の部材も連動してもよい。また、各部材の連動する順番は限定されない。なお、例えば、連動演出時に、第1サイド表示装置132及び第2サイド表示装置133には、何も表示されない時間があってもよい。すなわち、上記ブラックアウト演出が実行されてもよい。この場合、第1サイド表示装置132及び第2サイド表示装置133がブラックアウトされるので、例えば、光2182,2184がより目立つようになる。よって、遊技者の興趣が向上する。
【0267】
そしてまた、上述の実施形態では、遊技盤部材としては、ガラス枠150と外枠160と内枠170に対してビス等で固定されていない遊技盤102A、遊技盤ユニット102、上部ユニット180、刀柄ユニット135であったが、ビス等で固定されているものの遊技場のスタッフにて容易に脱着できる部材であればどのようなものであってもよい。例えば、図20に示すアウト球センサ部材2000のようなものであってもよい。このアウト球センサ部材2000は、アウト口111から排出される遊技球が貯められるアウト球集積部に至る遊技球の通路上に設けられ、排出された遊技球を検知するものである。このアウト球センサ部材2000は、センサ部2020とベース部2050とが設けられている。センサ部2020は、主制御基板300に接続されており、排出された遊技球の検知結果を主制御基板300に送信し、この検知結果に基づき主制御基板300にてアウト球の数の集積値が算出される。また、ベース部2050は、遊技機の所定の箇所に取付けられる部材である。
【0268】
◆[発明A]
発明Aの遊技機(100)では、基部(1500,1550)と、駆動部(1610,1630,1810,1830)と、装飾面(1515,1525,1565,1575)が形成され、前記駆動部により前記基部に対して可動な装飾可動部(1510,1520,1560,1570)と、前記基部に取付けられ、溝が形成された第1外レール(1910)と、前記装飾可動部に取付けられ、溝が形成された第2外レール(1920)と、前記第1外レールと前記第2外レールとを連結するように設けられ、前記第1外レールの溝と前記第2外レールの溝とにおいて摺動可能な中レール(1950)と、を備え、前記装飾可動部は、前記第1外レールと前記第2外レールとの間で前記中レールが摺動することによって、前記基部に対して離間した態様である第1態様となる、ことを要旨とする。
【0269】
上述の実施形態の遊技機100の第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bにおいては、ベース部1500,1550と、モータを有する第1駆動部1610,1810および第2駆動部1630,1830と、第1駆動部1610,1810および第2駆動部1630,1830によりベース部1500,1550に対して可動であり第1装飾面部1515,1565が形成された第1可動部1510,1560および第2装飾面部1525,1575が形成された第2可動部1520,1570とを備える。また、断面が凹形状の第1外レール1910および第2外レール1920と、第1外レール1910と第2外レール1920とを連結するように設けられ第1外レール1910と第2外レール1920との間で摺動可能な中レール1950とからなる第1レール部1650,1850および第2レール部1660,1860を備える。さらに、ベース部1500,1510と第1可動部1510,1560とを連結するように第1レール部1650,1850が設けれているため、第1可動部1510,1560はベース部1500,1510に対して第1レール部1650,1850に沿って離間するように移動して初期態様から第1態様に変化することが可能である。
【0270】
このような遊技機100であれば、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bは、従来の可動役物に比べて、第1レール部1650,1850に沿ったスムーズな動きの可動役物であるため、遊技者が想像し得ない演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0271】
発明Aの遊技機(100)において、前記装飾可動部は、前記装飾面の一部が形成されるとともに、前記第2外レールが取付けられる第1装飾部(1510,1560)と、前記装飾面のうち前記第1装飾部とは異なる部分が形成されるとともに、前記駆動部により前記第1装飾部に対して可動な第2装飾部(1520,1570)と、を有し、前記第1装飾部に対して前記第2装飾部が離間することによって、前記第1態様から第2態様になる、ことを要旨とする。
【0272】
上述の実施形態の遊技機100の第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bにおいては、「必」または「勝」の文字の一部が形成された第1装飾面部1515,1565を有するとともに、第2外レール1920が取付けられる第1可動部1510,1560と、第1装飾面部1515,1565とは異なる「必」または「勝」の文字の残りの部分が形成された第2装飾面部1525,1575を有するとともに、第1可動部1510,1560に対して可動な第2可動部1520,1570とを備える。
【0273】
また、第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bにおいては、第1態様から第2態様に変化すると、第1態様において一体であった第1可動部1510,1560と第2可動部1520,1570とのうち、第2可動部1520,1570のみが第1可動部1510,1560から離間するため、第1装飾面部1515,1565と第2装飾面部1525,1575とで形成されていた「必」または「勝」という文字が、所定の箇所で切断されたように表されることとなる。このような動きを行う第1文字ユニット155aおよび第2文字ユニット155bを備える遊技機100であれば、従来の可動役物に比べて、遊技者が想像し得ない演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0274】
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0275】
100…遊技機(遊技機)、102A…遊技盤(遊技盤)、102AZ…開口部(開口部)、106…遊技領域(遊技領域)、155a…第1文字ユニット(第1装飾役物)、155b…第2文字ユニット(第2装飾役物)、1560…第1可動部(第1部材)、1570…第2可動部(第2部材)、1910…第1外レール(第1外レール)、1920…第2外レール(第2外レール)、1950…中レール(中レール)。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5
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図7-2】
図7-3】
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図18-3】
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図19-2】
図20
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