特許第6889962号(P6889962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6889962
(24)【登録日】2021年5月26日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】獣毛の改質方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 16/00 20060101AFI20210607BHJP
   D06M 11/00 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   D06M16/00 B
   D06M11/00 130
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2021-1597(P2021-1597)
(22)【出願日】2021年1月7日
【審査請求日】2021年1月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397025037
【氏名又は名称】ミテジマ化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100088801
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 宗雄
(72)【発明者】
【氏名】金子 浩大
(72)【発明者】
【氏名】中西 一沙
(72)【発明者】
【氏名】末常 裕治
(72)【発明者】
【氏名】西川 一義
【審査官】 斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/004739(WO,A1)
【文献】 特開平09−003772(JP,A)
【文献】 特開平09−003773(JP,A)
【文献】 特表2004−506816(JP,A)
【文献】 特開平03−213574(JP,A)
【文献】 特表2002−515555(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/066785(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 10/00 − 16/00
D06M 19/00 − 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
獣毛をpH7〜pH9の条件下において還元剤を含む還元処理液で処理する還元処理工程、および
還元処理した獣毛をタンパク質およびトランスグルタミナーゼを含有する酵素処理液で処理する酵素処理工程、
を包含する獣毛の改質方法。
【請求項2】
前記還元剤が、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、没食子酸塩またはそれらの混合物である、請求項記載の改質方法。
【請求項3】
タンパク質は水溶性タンパク質である、請求項1または2に記載の改質方法。
【請求項4】
獣毛が、山羊毛または羊毛である、請求項1〜のいずれか1項に記載の改質方法。
【請求項5】
還元処理工程が、温度70〜95℃で10〜120分行われる、請求項1〜のいずれか1項に記載の改質方法。
【請求項6】
酵素処理工程が、温度30〜60℃で30〜180分行われる、請求項1〜のいずれか1項に記載の改質方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣毛の改質方法、特に獣毛のいわゆるピリングを防止する改質方法および改質処理により得られた獣毛に関する。
【背景技術】
【0002】
羊毛などの獣毛から得られた製品には、ピリングと呼ばれる毛玉の発生が欠点として存在する。毛玉防止(「ピリング防止」ともいう。)として、強力な薬剤を用いて羊毛の強度を脆弱化させ、毛玉を落とすことにより加工物への毛玉付着量を落とし、あたかも毛玉が発生していないかのような対策を取ることがある。しかし、羊毛の脆弱化により、羊毛自体の厚みが奪われ、羊毛自体の風合いに影響を及ぼす。他方、樹脂製薬剤を使用し、羊毛をコーティングすることにより毛玉発生を抑制している対策もあるが、樹脂コーティングにより羊毛特有の肌触りを失ってしまう。
【0003】
獣毛のピリングを防止する処理は、これまでにも存在する。例えば、特開平3−213574号公報(引用文献1)には、獣毛繊維を酵素水溶液で処理してキューティクル部を架橋することが開示されている。キューティクル部は獣毛繊維の外側に存在するうろこ状のもので、これがピリングの原因であることが知られている。特許文献1では、獣毛繊維を酵素(トランスグルタミナーゼを含む)で処理してピリングを防止することが提案されている。この処理では、必ずしも十分なピリング防止性能が得られていない。
【0004】
特表2002−51555号公報(特許文献2)には、獣毛をタンパク質分解酵素およびトランスグルタミナーゼで処理する技術が記載されている。また、WO2009/066785号公報(特許文献3)には、繊維に小麦タンパク質部分加水分解物を付着させ、その後トランスグルタミナーゼを作用させる技術が記載されている。特許文献2や3の方法では、十分なピリング防止性能が得られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−213574号公報
【特許文献2】特表2002−51555号公報
【特許文献3】WO2009/066785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、抗ピリング性を備えた獣毛を簡単な処理でえられる改質方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は以下の態様を提供する:
[1]
獣毛を中性または弱アルカリ性の条件下において還元剤を含む還元処理液で処理する還元処理工程、および
還元処理した獣毛をタンパク質およびトランスグルタミナーゼを含有する酵素処理液で処理する酵素処理工程、
を包含する獣毛の改質方法。
[2]
中性または弱アルカリ性が、pH7〜pH9である、[1]の改質方法。
[3]
還元剤が、生理的に許容される還元剤である、[1]または[2]記載の改質方法。
[4]
生理的に許容される還元剤が、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、没食子酸塩またはそれらの混合物である、[3]記載の改質方法。
[5]
タンパク質は水溶性タンパク質である、[1]〜[4]のいずれかに記載の改質方法。
[6]
獣毛が、山羊毛または羊毛である、[1]〜[5]のいずれかに記載の改質方法。
[7]
還元処理工程が、温度70〜95℃で10〜120分行われる、[1]〜[6]のいずれかに記載の改質方法。
[8]
酵素処理工程が、温度30〜60℃で30〜180分行われる、[1]〜[7]のいずれかに記載の改質方法。
[9]
請求項1〜8のいずれか1項に記載の処理方法で得られた獣毛。
[10]
[9]記載の獣毛から得られた加工物。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、獣毛を改質処理に関する技術であって、安全性および処理コストの点で好適な高い抗ピリング性を備えた獣毛を提供する処理技術である。本発明により得られた抗ピリング効果により、耐洗濯性に優れた羊毛繊維加工物を提供することが可能となり、従来の羊毛やその他の獣毛の繊維加工物では困難であった用途や製品に対して幅広い利用が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の獣毛の改質方法は、獣毛を中性または弱アルカリ性の条件下において還元剤を含む還元処理液で処理する還元処理工程、および還元処理した獣毛を水溶性タンパク質およびトランスグルタミナーゼを含有する酵素処理液で処理する酵素処理工程、を包含するものである。尚、本発明の改質方法は、主として獣毛の改質を目的としているが、ポリエステル繊維など人造繊維と獣毛を含む混紡繊維に対して本発明の処理を行っても良い。もっとも、人造繊維には本発明の処理の効果が期待できない。
【0010】
[獣毛]
本発明の改質方法で改質する獣毛としては、原料として天然ケラチンを含む動物性繊維を原料として用いることが好適である。獣毛としては、例えば羊毛、山羊毛、兎毛、アルパカ毛等を挙げることができる。またその繊維形態は毛、糸、編物、織物等を挙げることができる。
【0011】
[還元処理工程]
本発明では、獣毛を中性または弱アルカリ性の条件下に還元剤を含む還元処理液で処理をする。中性または弱アルカリ性とは、pHでいうと、pH7〜9であるが、必ずしもこれにこだわらない。従って、少し酸性域(具体的には、pH6〜7の間領域)からpH9を超えるアルカリ性域になっても構わないが、主としてpH7〜9の領域内で処理が行なわれる。pHは緩衝剤により調整することが好適である。
【0012】
還元剤は、物質に作用してその物質を還元させる化合物であって、かつ生理的に許容されるものあれば特に制限はないが、環境問題に配慮し、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩、没食子酸塩等の可食性薬剤を使用することが好適である。尚、生理的に許容されるとは、生理的に低毒性または無毒性であることをいう。
【0013】
還元処理液は、上記還元剤を含む水溶液であって、還元剤の配合量は、繊維に対して5%owf(owfはon the weight of fiberの略で繊維重量に対する重量を表す。)〜25%owf好ましくは10%owf〜20%owf、より好ましくは12〜18%owfである。5%owfより少ないと、還元処理が不十分となり、最終的な高ピリング性が不十分となる。25%owfより多くても、問題が無いが、配合量の増加に対して抗ピリングが増加しないし、還元剤が無駄になる。
【0014】
還元処理工程の反応時間は、還元剤が繊維に作用することが可能な時間であれば特に制限はないが、10〜120分、より好ましくは15〜90分、より好ましくは30〜60分である。10分より少ないと、還元が不十分であり、120分を超えても、還元量が増加するわけではない。反応温度も還元剤が繊維に作用できれば特に制限はないが70℃以上が好ましい。上限は95℃以下である。70℃より低いと還元能力が不足し、95℃より高いと繊維を痛めることもある。繊維を処理液に浸漬後においては、振盪、噴射、攪拌いずれの方法でも構わないが、繊維と処理液の接触を増やす方法が好適である。
【0015】
[酵素処理工程]
上記還元処理工程で得られた獣毛は、次に酵素処理工程に掛ける。酵素処理工程は、還元処理した獣毛を水溶性タンパク質およびトランスグルタミナーゼを含有する酵素処理液(水溶液)で処理する。
【0016】
本発明に係る水溶性タンパク質は、動植物由来の水溶性タンパク質であれば特に制限はないが、好ましくは動物性由来の水溶性タンパク質を用いることが好適である。水溶性タンパク質は、動植物から得られるタンパク質の内、水溶性のものであり、動物や植物から直接あるいは特定の処理を経て得られるものであり、具体的にはゼラチン、大豆たんぱく、乳タンパク、ペプチド等が挙げられる。本発明では、動物由来のゼラチンが好ましい。水溶性タンパク質は、繊維に対して3%owf〜25%owf、好ましくは5%〜15%owf、より好ましくは5%owf〜10%owf質量%の量で配合するのが好ましい。3%owfより少ないと、トランスグルタミナーゼによるタンパク質の結着量不足による抗ピリング性の低下や風合い低下の欠点を有し、25%owfを超えても問題はないが、過剰添加による抗ピリング効果の向上は見込めず、添加したタンパク質が無駄になってしまう。
【0017】
本発明の酵素処理液には、酵素としてトランスグルタミナーゼを使用する。トランスグルタミナーゼは、タンパク質上のグルタミン酸とリジンのアミノ酸残基に作用してタンパク質を架橋する酵素であり、活性を有しているものであれば構わず、その起源としては、哺乳動物由来のもの、魚由来のもの、微生物由来のもの等、種々の基原のものが知られているが、いずれものでも構わない。トランスグルタミナーゼは、繊維に対して0.1U/g−繊維(加工繊維1gに対するトランスグルタミナーゼの活性値)〜100U/g−繊維、好ましくは1U/g−繊維〜50U/g−繊維、より好ましくは5U/g−繊維〜25U/g−繊維の量で配合するのが好ましい。0.1U/g−繊維より少ないと、タンパク質結着量が不足することで抗ピリング効果や風合いの低下が発生する欠点を有し、100U/g−繊維を超えても問題はないが、過剰添加による抗ピリング効果の向上は見込めず、添加したトランスグルタミナーゼが無駄になってしまう。
【0018】
本発明の酵素処理工程は、還元処理工程で得られた獣毛を水溶性タンパク質とトランスグルタミナーゼを含む酵素処理液に浸漬する方法が挙げられる。酵素処理工程の反応時間は、トランスグルタミナーゼが獣毛に作用することが可能な時間であれば特に制限はないが、30分以上が好ましく、60分以上がさらに好ましい。また、処理時間の上限も180分以下、好ましくは90分以下である。30分より少ないと、酵素処理が不十分であり、180分を超えても、時間能増加に応じて性能が増加するわけではない。反応温度もトランスグルタミナーゼが活性を保持することができる範囲であれば特に制限はないが、30〜60℃が好ましく、40〜50℃がさらに好ましい。反応温度が30℃未満であれば、酵素処理が不十分となり、逆に60℃を超える温度での酵素処理は現実的でない。
【0019】
本発明に係る処理を施した獣毛は、下記に記載の特徴を備えた獣毛である。本発明に係る獣毛の特性として強調すべき点は抗ピリング性に優れている点であり、従来技術に係る獣毛では困難であった用途や製品に対しての幅広い利用が可能となる。
【0020】
本発明の獣毛は、獣毛に中性から弱アルカリ性のpH条件下で還元処理を行い、さらに水溶性タンパク質の存在下でトランスグルタミナーゼを作用させものである。また、獣毛加工物の形態としては、コート、セーター、パンツ、ジャケット、マフラー、ひざ掛け、手袋または帽子等が挙げられるが特に形態に制限はない。
【0021】
本明細書中で、「ピリング性」は繊維同士が絡み合い、表面に毛玉(ピル)が発生することを意味し、編物および織物上で見られる。ピリング性はJIS L 1076織物及び編物のピリング試験方法に従い判定することができ、ピリング級数として表される。
【0022】
上記処理工程で用いる還元剤は、食品および/または食品添加物として認可されている薬剤を使用しており、サステイナブルだけでなく、安全性においても有用な技術を提供することが可能となる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。
【0024】
[実施例1]山羊毛の改質処理および抗ピリング試験
山羊毛改質処理でpH条件を中性にした場合において、ピリング効果に与える影響を検討した。
【0025】
山羊毛100%の編地の重量に対し浴比1:30の還元処理溶液を用いた。還元処理溶液は還元剤として亜硫酸ナトリウム12%owfとpH7リン酸ナトリウムバッファー2g/Lを溶解して調製した。横振り振盪機を用い編地を60分間振盪して還元処理を行った。
【0026】
還元処理後、水洗、脱水を行い、還元処理同様浴比1:30の処理溶液を用い、タンパク質存在下でトランスグルタミナーゼを作用させる処理(以下トランスグルタミナーゼ処理)を行った。トランスグルタミナーゼ処理液は、ゼラチンAPH−100(新田ゼラチン社製、豚皮由来ゼラチン)10%owfとトランスグルタミナーゼ15U/g−繊維を溶解して調製した。横振り振盪機を用い、山羊毛を50℃、60分間振盪した。トランスグルタミナーゼ処理後、水洗、脱水、乾燥を行った編地を得た。得られた編地について、抗ピリング性および風合い評価を行った。
【0027】
抗ピリング試験
JIS L 1076 A法に従い、ICI型試験機を用いて評価した。試験結果を表1に示す。
【0028】
風合い評価
本明細書中で、「風合い」は繊維や織物、編物に触れた手触りや肌触りの感触を、人の官能による感覚で表現する主観的評価である。実施例で行った風合いの評価は、未加工布地との相対評価により実施した。やわらかさ、あたたかみ、ふくらみ、ヌメリ感について、官能評価を行い、いずれも結果は良好だった。
【0029】
[実施例2]羊毛の処理においてpH条件を中性にした場合において、その製造された処理した羊毛へのピリング効果に与える影響を検討した。
【0030】
羊毛100%の編地に対し、実施例1と同様に改質処理を行ない、編地を得、それについて実施例1と同様に抗ピリング性および風合いの評価を行った。抗ピリング性については表1に結果を記載した。
【0031】
風合い評価
やわらかさ、あたたかみ、ふくらみ、ヌメリ感について、官能評価を行い、いずれも結果は良好だった。
【0032】
[実施例3]山羊毛の改質処理および抗ピリング性の評価
山羊毛について、実施例1のpH条件を弱アルカリ性にした場合において、その製造された山羊毛処理物へのピリング効果に与える影響を検討した。
【0033】
山羊毛100%の編地に対し、実施例1の還元処理における条件をpH8とし、同様の処理により改質を行い、編地を得、それについて実施例1と同様に抗ピリング性および風合いの評価を行った。抗ピリング性については表1に結果を記載した。
【0034】
風合い評価
やわらかさ、あたたかみ、ふくらみ、ヌメリ感について、官能評価を行い、いずれも結果は良好だった。
【0035】
【表1】
【0036】
[比較例1]弱酸性条件にて処理した山羊毛編地のピリング試験の評価
山羊毛100%の編地に対し、実施例1の還元処理における条件をpH5とすること以外は、実施例1と同様に改質処理を行い、編地を得、それについて実施例1と同様に抗ピリング性の評価を行った。還元処理を弱酸性pH条件下で行う事で、ピリング級数は2.5級となった。
【0037】
[比較例2]特許文献2の分解酵素処理およびトランスグルタミナーゼ処理を行った山羊毛編地のピリング試験の評価
山羊毛100%の編地の重量に対し浴比1:30の分解酵素処理溶液を用いた。分解酵素処理溶液は分解酵素としてビオプラーゼAPL−30(ナガセケムテックス社製)を0.59%owfとpH8リン酸ナトリウムバッファー2g/Lを溶解して調製した。横振り振盪機を用いカシミヤを44℃、40分間振盪して分解酵素処理を行った。
【0038】
分解酵素処理後、80℃、10分間加熱し酵素を失活させ、水洗、脱水を行った。次に、水溶性タンパク質を添加していないトランスグルタミナーゼ処理液にて、実施例1と同様にトランスグルタミナーゼ処理を行い、続けて水洗、脱水、乾燥を行った。この処理ではピリング級数が1.5級となり、抗ピリング性は向上しなかった。
【0039】
[比較例3]特許文献3のトランスグルタミナーゼ処理した山羊毛編地のピリング試験の評価
山羊毛100%の編地に対し、実施例1のゼラチンを小麦タンパク質とし、トランスグルタミナーゼ処理のみの加工を行った。この処理ではピリング級数が1.5級となり、抗ピリング性は向上しなかった。
【要約】
【課題】 本発明は、抗ピリング性を備えた獣毛を簡単な処理でえられる改質方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、獣毛を中性または弱アルカリ性の条件下において還元剤を含む還元処理液で処理する還元処理工程、および
還元処理した獣毛を水溶性タンパク質およびトランスグルタミナーゼを含有する酵素処理液で処理する酵素処理工程、
を包含する獣毛の改質方法を提供する。
【選択図】なし