(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
厚さが互いに異なる複数種類の薄型媒体を搬送可能な搬送路の少なくとも一点に規定された厚さ計測点において、前記薄型媒体の前記厚さ計測点に位置する部分の厚さを計測する厚さ計測センサを用いた前記薄型媒体の状態特定方法であって、
前記厚さ計測センサから前記薄型媒体の厚さの計測結果を示す厚さ情報を取得して前記薄型媒体の種類及び状態を特定する状態特定ステップを有し、
前記状態特定ステップにおいて、
前記薄型媒体が前記厚さ計測点を通過している最中であって前記薄型媒体が検知されてから当該薄型媒体が前記搬送路の所定点を通過し終わるまでの間、前記厚さ情報を所定の時間間隔で複数回取得し、連続で所定個数だけ取得する度に当該所定個数の前記厚さ情報からなる厚さ情報群についての代表値を繰り返し算出し、算出した前記代表値に基づいて前記薄型媒体の種類及び状態を特定し、
前記薄型媒体が前記厚さ計測点を通過している最中において、繰り返し算出されている前記代表値が所定の判定閾値未満から当該判定閾値以上に変動した場合、前記薄型媒体の状態を複数枚同時挿入と特定する、
薄型媒体の状態特定方法。
厚さが互いに異なる複数種類の薄型媒体を搬送可能な搬送路と、前記搬送路の少なくとも一点に規定された厚さ計測点において、前記薄型媒体の前記厚さ計測点に位置する部分の厚さを計測する厚さ計測センサと、を備える薄型媒体搬送装置のコンピュータを、
前記厚さ計測センサから前記薄型媒体の厚さの計測結果を示す厚さ情報を取得して前記薄型媒体の種類及び状態を特定する状態特定手段として機能させるプログラムであって、
前記状態特定手段は、
前記薄型媒体が前記厚さ計測点を通過している最中であって前記薄型媒体が検知されてから当該薄型媒体が前記搬送路の所定点を通過し終わるまでの間、前記厚さ情報を所定の時間間隔で複数回取得し、連続で所定個数だけ取得する度に当該所定個数の前記厚さ情報からなる厚さ情報群についての代表値を繰り返し算出し、算出した前記代表値に基づいて前記薄型媒体の種類及び状態を特定し、
前記薄型媒体が前記厚さ計測点を通過している最中において、繰り返し算出されている前記代表値が所定の判定閾値未満から当該判定閾値以上に変動した場合、前記薄型媒体の状態を複数枚同時挿入と特定する、
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る料金自動収受機について、
図1〜
図7を参照しながら説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金自動収受機を有する料金収受設備の全体構成を示す図である。
図1に示すように、料金収受設備9は、料金自動収受機1と、車種判別装置9Aと、発進制御機9Bと、発進検知器9Cと、を備えている。
第1の実施形態に係る料金自動収受機1は、車線Lの側部のアイランドI上に設けられ、車線L上に停止した車両に対し料金収受処理を行う料金自動収受機である。具体的には、料金自動収受機1は、通行券、乗継券等の紙製の薄型媒体、及び、クレジットカード、ETCカード等のプラスチック製の薄型媒体を専用の挿入口から受け付けて、車両Aの車種や有料道路の走行距離等に応じた料金収受処理を行う。
図1に示すように、料金自動収受機1の筐体のうち、車線Lが配される側の面には、利用者が操作するための操作用パネルが配置されている。利用者は、車両Aの運転席側面が操作用パネルと対面する位置でアイランドIの境界に幅寄せして停止し、料金自動収受機1を操作する。
【0019】
車種判別装置9Aは、車線Lの上流側(車両Aの走行方向における手前側、−X方向側)に設けられ、車線Lに進入する車両の特性を検出する装置群である。車種判別装置9Aは、車両検知器、踏板、車高検知器、車長検知器、ナンバープレート認識装置等の装置群を通じて得られる種々の検出信号に基づいて、通行する車両Aの車種を特定する。
発進制御機9Bは、料金自動収受機1よりも車線Lの下流側(車両Aの走行方向における奥手側、+X方向側)に設けられ、ゲートの開放動作及び閉塞動作を実施する。発進制御機9Bは、例えば、利用者の運転する車両Aを、料金の収受処理が完了するまで発進させないようにする等の目的で設けられている。
発進検知器9Cは、車線Lの最下流に設けられ、利用者の車両Aが車線Lから退出したか否かを検出する。例えば、料金収受施設9は、発進検知器9Cが車両Aの退出を検出した後に、発進制御機9Bに閉指令を出力してゲートの閉塞動作を実行させる。
【0020】
第1の実施形態に係る料金自動収受機1は、厚さが互いに相違する複数種類の「薄型媒体」を処理可能とされている。ここで、「薄型媒体」とは、料金自動収受機1による料金収受処理に必要な情報を記録する記録媒体である。本実施形態においては、薄型媒体には、入口料金所等の情報が記録された通行券、乗継券である「紙製記録媒体」、及び、料金の支払に用いられるETCカード、クレジットカード等の「プラスチック製カード型記録媒体」の2種類が存在する。「紙製記録媒体」及び「プラスチック製カード型記録媒体」は、それぞれ、規定された幅、長さ、厚さに形成されている。
また、本実施形態において、「紙製記録媒体」は、「プラスチック製カード型記録媒体」に対して厚さが小さく(薄く)、また、長さが大きい(長い)ものとされている。
【0021】
(料金自動収受機の構造)
図2、
図3は、それぞれ、第1の実施形態に係る料金自動収受機の構造を示す第1の図、第2の図である。
図2に示すように、料金自動収受機1は、内部に薄型媒体搬送装置1Aを備えている。
薄型媒体搬送装置1Aは、料金自動収受機1の媒体処理口Nから挿入された薄型媒体を所定の位置まで搬送する。
【0022】
薄型媒体搬送装置1Aは、前段搬送部2と、後段搬送部3と、を備えている。
前段搬送部2は、媒体処理口Nから挿入された薄型媒体C(
図3)を、料金自動収受機1の奥行き方向(−Y方向)の所定位置まで搬送する機構である。前段搬送部2は、前段駆動モータ31と、当該前段駆動モータ31によって回転駆動する駆動ローラR1と、駆動ローラR1の回転に応じて回転する従動ローラR2と、駆動ローラR1及び従動ローラR2とを連結する前段搬送ベルトB1と、を有してなる。
後段搬送部3は、前段搬送部2によって搬送された薄型媒体Cを、更に奥行き方向(−Y方向)に向けて搬送する機構である。後段搬送部3は、後段駆動モータ32と、当該後段駆動モータ32によって回転駆動する駆動ローラR3と、駆動ローラR3の回転に応じて回転する従動ローラR4と、駆動ローラR3及び従動ローラR4とを連結する後段搬送ベルトB2と、を有してなる。
図2、
図3に示すように、前段搬送部2及び後段搬送部3は、挿入された薄型媒体Cを料金自動収受機1の奥行き方向(−Y方向)に搬送するための搬送路Dをなしている。この搬送路Dは、幅、長さ、厚さが互いに異なる「紙製記録媒体」及び「プラスチック製カード型記録媒体」の各々を搬送可能とされている。
【0023】
また、薄型媒体搬送装置1Aは、厚さ計測部4を備えている。
厚さ計測部4は、媒体処理口Nから挿入された薄型媒体Cの厚さを計測するための機構である。
図2、
図3に示すように、厚さ計測部4は、搬送路D上の最も上流(+Y方向)側に設置されている。厚さ計測部4は、本体部T1と、押さえローラT2と、鏡面T3と、測距センサ22と、を有してなる。
【0024】
本体部T1は、
図2、
図3に示すように、一端側が下方(−Z方向)に伸び、他端側が奥行き方向(−Y方向)に伸びるL字型の部材であって、駆動ローラR1等の回転軸と平行な回転軸線O回りに回転可能とされる。
本体部T1の下方に伸びる側の先端には押さえローラT2が取り付けられている。押さえローラT2は、前段搬送部2の駆動ローラR1に接しながら、駆動ローラR1と連動して回転する。
なお、押さえローラT2には、本体部T1を通じて、駆動ローラR1を下方に押す所定量の力が加えられている。これにより、挿入された薄型媒体Cが、当該駆動ローラR1及び押さえローラT2に挟まれて所定量の力で押さえられながら搬送される。
【0025】
本体部T1の上記他端側(奥行き方向に伸びる側の先端側)には鏡面T3が取り付けられている。鏡面T3は、別途設けられた測距センサ22が投光するレーザー光を受光して反射する。
ここで、
図3に示すように、押さえローラT2と駆動ローラR1との間に薄型媒体Cが挿入された場合、押さえローラT2が薄型媒体Cの厚さに応じた量だけ持ち上げられて、押さえローラT2の位置が上昇(+Z方向に変位)する。そうすると、押さえローラT2の位置の上昇に伴い本体部T1が回転軸線O回りに回転する。これにより、回転軸線Oを中心に、押さえローラT2の反対側に位置する鏡面T3の高さ方向の位置が下降(−Z方向に変位)する。
薄型媒体Cが押さえローラT2と駆動ローラR1との間に挿入されることで生じる鏡面T3の高さ方向の位置の変位量Δは、薄型媒体Cの厚さに応じた量となる。
【0026】
測距センサ22は、測距センサ22自身が投光するレーザー光の反射光を読み取って、投光対象(鏡面T3)までの距離を計測して出力する。
図2、
図3に示すように、測距センサ22は、下方に位置する鏡面T3に向けてレーザー光を投光し、その反射光を受光する。このような構成により、測距センサ22を通じて、薄型媒体Cの厚さに応じた鏡面T3の変位量Δが読み取られる。即ち、測距センサ22は、搬送路D上における押さえローラT2が配置される位置である厚さ計測点αにおいて、薄型媒体Cの厚さ計測点αに位置する部分の厚さを計測する厚さ計測センサとして機能する。
【0027】
また、薄型媒体搬送装置1Aは、媒体検知部5を備えている。
媒体検知部5は、搬送路D上の、厚さ計測点αよりもわずかに下流側(−Y方向側)の位置である媒体検知点βに設置され、当該媒体検知点βにおいて薄型媒体Cが存在するか否かを検知する。
具体的には、
図2、
図3に示すように、媒体検知部5は、投光部21aと、受光部21bと、を有してなる。投光部21aは、搬送路Dの上方(+Z方向)側に設けられている。また、受光部21bは、搬送路Dの下方(−Z方向)側において、投光部21aと対向するように設けられ、投光部21aが投光する光を受光する。ここで、薄型媒体Cが搬送路Dの媒体検知点βにまで搬送された場合、投光部21aと受光部21bとの間に薄型媒体Cが存在することになるため、投光部21aから投光された光が薄型媒体Cによって遮光され、受光部21bにて受光されなくなる。媒体検知部5は、受光部21bにおいて受光されなくなったことをもって、媒体検知点βに薄型媒体Cが存在することを検知する。
【0028】
また、薄型媒体搬送装置1Aは、カード処理部40と、通行券読取部50と、を備えている。
カード処理部40は、搬送路Dのうち前段搬送部2にて搬送可能な領域に設けられている。カード処理部40は、前段搬送部2によって搬送される「プラスチック製カード型記録媒体」に対し情報の読み取り及び書き込みを行うための端子(ヘッダ)である。
通行券読取部50は、カード処理部40よりも下流(−Y方向)側であって、搬送路Dのうち後段搬送部3にて搬送可能な領域に設けられている。通行券読取部50は、後段搬送部3によって搬送される「紙製記録媒体」に記録された情報の読み取りを行うための端子(ヘッダ)である。
【0029】
また、薄型媒体搬送装置1Aは、更に、開閉動作することにより媒体処理口Nを閉塞又は開放するシャッターSHと、当該シャッターSHを開閉駆動させるシャッター駆動モータ30と、幅計測部6と、を備えている。
幅計測部6は、媒体処理口N(シャッターSHよりも上流側)に設けられ、媒体処理口Nに挿入された薄型媒体Cの幅(±X方向の長さ)を計測する。
具体的には、
図2、
図3に示すように、幅計測部6は、投光部20aと、受光部20bと、を有してなる。投光部20aは、媒体処理口Nの上方(+Z方向)側に設けられている。また、受光部20bは、媒体処理口Nの下方(−Z方向)側において、投光部20aと対向するように設けられ、投光部20aが投光する光を受光する。
ここで、投光部20a及び受光部20bの対は、媒体処理口Nの幅方向(±X方向)に沿って一定間隔で複数配置されている。そして、各投光部20aが投光する光を(遮光により)受光しなくなった受光部20bの個数に応じて、挿入された薄型媒体Cの幅(±X方向の長さ)を計測可能とされている。
なお、後述するように、幅計測部6によって得られた薄型媒体Cの幅の計測結果が予め規定された規定範囲内に属している場合に、シャッター駆動モータ30が駆動してシャッターSHを動かし、媒体処理口Nを開放する。
【0030】
また、薄型媒体搬送装置1Aは、薄型媒体搬送装置1A(料金自動収受機1)全体の動作を制御する制御ユニット10を備えている。制御ユニット10は、厚さ計測部4の測距センサ22、媒体検知部5の受光部21b、幅計測部6の受光部20bが出力する計測結果に基づいて挿入された薄型媒体Cの種類及び状態を特定し、その特定結果に応じて各種モータ(前段駆動モータ31、後段駆動モータ32、シャッター駆動モータ30等)の駆動を適切に制御する。
【0031】
(料金自動収受機の機能構成)
図4は、第1の実施形態に係る料金自動収受機の機能構成を示す図である。
図4に示すように、制御ユニット10は、搬送制御部11と、状態特定部12と、料金収受処理部13と、を有している。
搬送制御部11は、各種モータ(前段駆動モータ31、後段駆動モータ32、シャッター駆動モータ30等)の各々に正転又は逆転の指令信号を出力して駆動させる。
状態特定部12は、測距センサ22から薄型媒体Cの厚さの計測結果を示す「厚さ情報」を取得して薄型媒体Cの種類及び状態を特定する。また、状態特定部12は、媒体検知部5を通じて計測される、薄型媒体Cの長さ(±Y方向(
図2)の長さ)の計測結果を示す「長さ情報」、及び、幅計測部6を通じて計測される、薄型媒体Cの幅の計測結果を示す「幅情報」を取得して、薄型媒体Cの種類及び状態を特定する。
料金収受処理部13は、搬送路Dにて搬送される薄型媒体Cに対し、カード処理部40又は通行券読取部50を通じた料金収受処理を行う。
【0032】
また、状態特定部12は、幅取得部120と、長さ取得部121と、厚さ取得部122と、代表値演算部123と、状態判定処理部124と、を有している。
【0033】
幅取得部120は、幅計測部6(
図2)の受光部20bから受け付ける受光信号に基づいて薄型媒体Cの「幅情報」を取得する。具体的には、幅取得部120は、媒体処理口Nの幅方向(±X方向(
図2))に沿って配列された各受光部20bのうち、投光部20a(
図2)が投光する光を受光しなくなったものの個数から、薄型媒体Cの幅を算出して「幅情報」を取得する。
【0034】
長さ取得部121は、媒体検知部5(
図2)の受光部21bから受け付ける受光信号に基づいて薄型媒体Cの「長さ情報」を取得する。具体的には、長さ取得部121は、前段搬送部2による薄型媒体Cの搬送中において、投光部21a(
図2)が投光する光が受光部21bにて受光されない時間を取得する。ここで、前段搬送部2が薄型媒体Cを下流側(−Y方向(
図2))に向けて搬送する搬送速度は一定(本実施形態においては320mm/sec一定)とされている。したがって、長さ取得部121は、投光部21aが投光する光が受光部21bにて受光されていない時間(即ち、薄型媒体Cが媒体検知点βを通過するのに要した時間)を求め、これに上記搬送速度を乗算することで、薄型媒体Cの「長さ情報」を取得することができる。
【0035】
厚さ取得部122は、厚さ計測部4(
図2)の測距センサ22から薄型媒体Cの「厚さ情報」を取得する。厚さ取得部122は、薄型媒体Cが厚さ計測点α(
図2)を通過している最中に、測距センサ22から「厚さ情報」を所定の時間間隔で複数回取得する。
厚さ取得部122のより詳細な処理については後述する。
【0036】
代表値演算部123は、厚さ取得部122によって連続で取得された所定個数の「厚さ情報」からなる「厚さ情報群」の代表値を算出する。なお、「厚さ情報群」の代表値については後述する。
【0037】
状態判定処理部124は、幅取得部120が取得した「幅情報」、長さ取得部121が取得した「長さ情報」、及び、代表値演算部123が算出した「厚さ情報群」の代表値に基づいて、搬送路D(
図2)にて搬送される薄型媒体Cの種類及び状態を特定する。
【0038】
(制御ユニットの処理フロー)
図5は、第1の実施形態に係る制御ユニットの処理フローを示す第1の図である。
図5に示す処理フローは、ある媒体(以下、「判断対象媒体」と記載)が媒体処理口Nに挿入された時点から直ちに開始される。なお、初期状態においては、媒体処理口Nは、シャッターSHによって閉塞されている。
【0039】
まず、判断対象媒体が媒体処理口Nに挿入されると、幅取得部120は、受光部20bを通じて当該判断対象媒体の幅情報(以下、「幅W」と表記)を取得する。状態判定処理部124は、幅Wが予め規定された幅判定閾値Wth以上か否かを判定する(ステップS01)。ここで、幅判定閾値Wthは、薄型媒体Cの幅の下限値(例えば、45mm)として規定される。
判断対象媒体の幅Wが幅判定閾値Wth未満であった場合(ステップS01:NO)、挿入された判断対象媒体は、料金自動収受機1にて処理可能な薄型媒体Cではない(「紙製記録媒体」、「プラスチック製カード型記録媒体」のいずれでもない)ものと判断される。したがって、状態判定処理部124は、『通行券・カード以外(幅異常)』との判定結果を出力する(ステップS02)。この場合、搬送制御部11は、『通行券・カード以外(幅異常)』との判定結果を受けて、シャッター駆動モータ30を駆動しないようにする。したがって、シャッターSHが開かないため、判断対象媒体が媒体処理口Nに挿入されることが防止される。
【0040】
判断対象媒体の幅Wが幅判定閾値Wth以上であった場合(ステップS01:YES)、搬送制御部11は、シャッター駆動モータ30を通じてシャッターSHを駆動させ、媒体処理口Nを開放する。次に、搬送制御部11は、前段搬送部2(前段駆動モータ31)を駆動させて判断対象媒体の引き込み動作を開始する(ステップS03)。
【0041】
前段搬送部2の引き込み動作により判断対象媒体が媒体検知部5に検知された段階(即ち、判断対象媒体が媒体検知点βに到達した段階)で、厚さ取得部122は、判断対象媒体の厚さ情報を、所定の時間間隔で連続して取得する処理を開始する。代表値演算部123は、厚さ取得部122にて所定個数の厚さ情報(厚さ情報群)が取得された段階で、当該所定個数の厚さ情報の代表値を算出する。状態判定処理部124は、厚さ情報群の代表値を判断対象媒体の「厚さt」とみなし、当該厚さtが以下の4つの条件b1〜b4の何れに属するかを判定する(ステップS04)。
なお、ステップS04では、第1厚さ判定閾値tth1、第2厚さ判定閾値tth2及び第3厚さ判定閾値tth3の3種類が用いられる。第1厚さ判定閾値tth1及び第2厚さ判定閾値tth2は、それぞれ、通行券、乗継券等の「紙製記録媒体」の厚さの下限値(例えば、0.025mm)及び上限値(例えば、0.250mm)として規定される。また、第3厚さ判定閾値tth3は、ICカード等の「プラスチック製カード型記録媒体」の厚さの下限値(例えば、0.475mm)として規定される。
【0042】
条件b1として、算出された厚さtが第1厚さ判定閾値tth1未満であった場合(ステップS04:条件b1)、挿入された判断対象媒体は、料金自動収受機1にて処理可能な薄型媒体Cではないものと判断される。したがって、状態判定処理部124は、『通行券・カード以外(厚さ異常)』との判定結果を出力する(ステップS05)。
この場合、搬送制御部11は、『通行券・カード以外(厚さ異常)』との判定結果を受けて、前段搬送部2の駆動を中止する。
【0043】
また、条件b3として、厚さtが第2厚さ判定閾値tth2よりも大きく第3厚さ判定閾値tth3未満であった場合(ステップS04:条件b3)、2枚の「紙製記録媒体」(通行券及び乗継券)が重なって同時に挿入されたものと判断される。したがって、状態判定処理部124は、『通行券と乗継券の2枚同時挿入』との判定結果を出力する(ステップS06)。
この場合、搬送制御部11は、『通行券と乗継券の2枚同時挿入』との判定結果を受けて、前段搬送部2の駆動を中止する。
【0044】
また、条件b2として、厚さtが第1厚さ判定閾値tth1以上で第2厚さ判定閾値tth2以下であった場合(ステップS04:条件b2)、判断対象媒体の厚さが「紙製記録媒体」の厚さに該当しているため、搬送制御部11は、判断対象媒体の引き込み動作を継続する。
厚さ取得部122及び代表値演算部123は、判断対象媒体が搬送されている最中において、判断対象媒体の厚さ情報の取得及び代表値(厚さt)の算出を繰り返し行う。そして、状態判定処理部124は、判断対象媒体が搬送されている最中において厚さtが算出される度に、当該厚さtがステップS04の段階から変動したか否かを判定する(ステップS07)。
【0045】
判断対象媒体が搬送されている最中において、厚さtが第3厚さ判定閾値tth3以上に変動した場合(ステップS07:YES)、「紙製記録媒体」の端が挿入方向(−Y方向)にずれた状態で「プラスチック製カード型記録媒体」と重なって挿入されたものと判断される。したがって、状態判定処理部124は、『通行券とカードの2枚同時挿入』との判定結果を出力する(ステップS08)。
この場合、搬送制御部11は、『通行券とカードの2枚同時挿入』との判定結果を受けて、前段搬送部2の駆動を中止する。
【0046】
判断対象媒体が媒体検知点βを通過する段階まで厚さtが変動しなかった場合(ステップS07:NO)、長さ取得部121は、判断対象媒体が媒体検知点βを通過し終わった時点で判断対象媒体の長さ情報(以下、「長さL」と記載)を算出して取得する。状態判定処理部124は、長さLが、予め規定された第1長さ判定閾値Lth1以上かつ第2長さ判定閾値Lth2以下か否かを判定する(ステップS09)。ここで、第1長さ判定閾値Lth1及び第2長さ判定閾値Lth2は、それぞれ、「紙製記録媒体」の長さの下限値(例えば、115mm)及び上限値(例えば、125mm)として規定される。
【0047】
長さLが、第1長さ判定閾値Lth1未満、又は、第2長さ判定閾値Lth2より大きかった場合(ステップS09:NO)、挿入された判断対象媒体は、料金自動収受機1にて処理可能な薄型媒体Cではないものと判断される。したがって、状態判定処理部124は、『通行券・カード以外(長さ異常)』との判定結果を出力する(ステップS10)。
この場合、搬送制御部11は、『通行券・カード以外(長さ異常)』との判定結果を受けて、前段搬送部2の駆動を中止する。
【0048】
長さLが、第1長さ判定閾値Lth1以上かつ第2長さ判定閾値Lth2以下であった場合(ステップS09:YES)、状態判定処理部124は、挿入された判断対象媒体が「紙製記録媒体」が1枚で挿入されたものとみなし、『通行券』との判定結果を出力する(ステップS11)。
この場合、搬送制御部11は、『通行券』との判定結果を受けて、前段搬送部2(前段駆動モータ31)に加え、後段搬送部3(後段駆動モータ32)を駆動させる。そして、後段搬送部3が判断対象媒体を通行券読取部50の位置まで搬送すると、料金収受処理部13は、通行券読取部50を通じて、「紙製記録媒体」である判断対象媒体から料金収受処理に必要な情報(例えば、入口料金所等の情報)を読み出す。
【0049】
また、条件b4として、厚さtが第3厚さ判定閾値tth3以上であった場合(ステップS04:条件b4)、判断対象媒体の厚さが「プラスチック製カード型記録媒体」の厚さに該当しているため、搬送制御部11は、判断対象媒体の引き込み動作を継続する。この間、長さ取得部121は、判断対象媒体の長さLを算出して取得する。
状態判定処理部124は、長さLが、予め規定された第3長さ判定閾値Lth3以上かつ第4長さ判定閾値Lth4以下か否かを判定する(ステップS12)。ここで、第3長さ判定閾値Lth3及び第4長さ判定閾値Lth4は、それぞれ、「プラスチック製カード型記録媒体」の長さの下限値(例えば、80mm)及び上限値(例えば、90mm)として規定される。
【0050】
長さLが、第3長さ判定閾値Lth3未満であった場合(ステップS12:NO)、挿入された判断対象媒体は、料金自動収受機1にて処理可能な薄型媒体Cではないものと判断される。したがって、状態判定処理部124は、『通行券・カード以外(長さ異常)』との判定結果を出力する(ステップS13)。
また、長さLが、第4長さ判定閾値Lth4よりも大きかった場合(ステップS12:NO)、「プラスチック製カード型記録媒体」の端が挿入方向(−Y方向)にずれた状態(又は、端が揃えられた状態)で「紙製記録媒体」と重なって挿入されたものと判断される。したがって、状態判定処理部124は、『通行券とカードの2枚同時挿入』との判定結果を出力する(ステップS13)。
この場合、搬送制御部11は、『通行券・カード以外(長さ異常)』又は『通行券とカードの2枚同時挿入』との判定結果を受けて、前段搬送部2の駆動を中止する。
【0051】
長さLが、第3長さ判定閾値Lth3以上かつ第4長さ判定閾値Lth4以下であった場合(ステップS12:YES)、状態判定処理部124は、挿入された判断対象媒体が「プラスチック製カード型記録媒体」が1枚で挿入されたものとみなし、『カード』との判定結果を出力する(ステップS14)。
この場合、搬送制御部11は、『カード』との判定結果を受けて、前段搬送部2(前段駆動モータ31)を引き続き駆動させる。そして、前段搬送部2が判断対象媒体をカード処理部40の位置まで搬送すると、料金収受処理部13は、カード処理部40を通じて、「プラスチック製カード型記録媒体」である判断対象媒体に対し、料金収受処理に必要な情報(例えば、利用履歴情報、明細情報等)の読み出し及び書き込み処理を行う。
【0052】
図6は、第1の実施形態に係る制御ユニットの処理フローを示す第2の図である。
また、
図7は、第1の実施形態に係る厚さ取得部及び代表値演算部の機能を説明する図である。
以下、
図6及び
図7を参照しながら、上述したステップS04及びステップS07(
図5)の処理について詳細に説明する。
【0053】
ステップS02(
図5)にて判断対象媒体の引き込み動作が開始されると、厚さ取得部122は、ステップS04の判定に用いる厚さtを取得する。
ここで、厚さ取得部122は、媒体検知部5(受光部21b)において判断対象媒体が検知されたか否かを判定する(ステップS101)。厚さ取得部122は、媒体検知部5において判断対象媒体が検知されていない場合(ステップS101:NO)、判断対象媒体が検知されるまで待機する。
【0054】
媒体検知部5において判断対象媒体が検知された場合(ステップS101:YES)、厚さ取得部122は、測距センサ22による厚さ計測を通じて厚さ情報を取得する(ステップS102)。
この段階では、搬送路D上の厚さ計測点αと、判断対象媒体(薄型媒体C)上における所定の位置P01(
図7参照)と、が一致する。したがって、厚さ取得部122は、判断対象媒体の位置P01における厚さ情報(厚さt)を取得する。
【0055】
次に、厚さ取得部122は、厚さ情報を所定回数(本実施形態においては7回)取得したか否かを判定する(ステップS103)。厚さ情報を所定回数取得していない場合(ステップS103:NO)、厚さ取得部122は、2msecのインターバル期間を設け(ステップS104)、ステップS102の処理に戻る。
ここで、上述した通り、前段搬送部2は、判断対象媒体を下流側(−Y方向(
図2))に向けて一定の搬送速度(本実施形態においては320mm/sec)で搬送されている。そうすると、判断対象媒体は、2msecのインターバル期間において0.64mm(320mm/sec×2msec)だけ下流(−Y方向)側に搬送される。したがって、2回目のステップS102にて厚さ情報が取得される判断対象媒体上の位置は、位置P01から0.64mmだけずれた位置P02となる(
図7参照)。
【0056】
厚さ取得部122は、ステップS102〜S104の処理により、2msec間隔で厚さ情報を7回取得する。したがって、厚さ取得部122は、判断対象媒体上において、0.64mmずつ離れた位置P01〜P07における厚さ情報を取得する(
図7参照)。
【0057】
厚さ情報を7回取得した場合(ステップS103:YES)、厚さ取得部122は、判断対象媒体が媒体検知点βを通過し終わったか否かを判定する(ステップS105)。判断対象媒体が媒体検知点βを通過し終わっていない場合(ステップS105:NO)、代表値演算部123は、ステップS102〜S104の処理を経て取得された7個の厚さ情報(位置P01〜P07の各々について取得された厚さ情報)からなる厚さ情報群Q01の代表値を算出する(ステップS106)。
【0058】
ここで、本実施形態において「代表値」とは、具体的には「平均値」である。
代表値演算部123は、厚さ情報群Q01のうち最初に取得された厚さ情報(位置P01についての厚さ情報)を除いた6個の厚さ情報(位置P02〜P07の各々について取得された厚さ情報)の平均値を算出し、算出した平均値を厚さ情報群Q01の代表値として状態判定処理部124に出力する。
【0059】
厚さ取得部122は、ステップS106の処理において、3msecのインターバル期間を設けた後にステップS102の処理に戻る。ここで、ステップS106におけるインターバル期間(3msec)は、厚さ情報群Q01の代表値演算処理に要する時間を考慮して、ステップS104のインターバル期間(2msec)よりも長めに設定されたものである。
判断対象媒体は、3msecのインターバル期間において0.96mm(320mm/sec×3msec)だけ下流(−Y方向)側に搬送される。したがって、厚さ情報群Q01の代表値算出後において、次に厚さ情報が取得される判断対象媒体上の位置は、位置P07から0.96mmだけずれた位置P08となる(
図7参照)。
【0060】
厚さ取得部122は、位置P08についての厚さ情報を取得した後、同様に、ステップS102〜S104の処理を繰り返して、位置P08〜P14の各々についての7個の厚さ情報を取得する。そして、代表値演算部123は、位置P08〜P14の各々についての7個の厚さ情報からなる厚さ情報群Q02についての代表値を算出する。即ち、代表値演算部123は、厚さ情報群Q02のうち最初に取得された厚さ情報(位置P08についての厚さ情報)を除いた6個の厚さ情報(位置P09〜P14の各々について取得された厚さ情報)の平均値を算出し、算出した平均値を厚さ情報群Q02の代表値として状態判定処理部124に出力する。
【0061】
厚さ取得部122及び代表値演算部123は、判断対象媒体が媒体検知点βを通過している最中(ステップS105:NO)において、ステップS102〜S106の処理を繰り返す。これにより、判断対象媒体が媒体検知点βを通過している間に、厚さ情報群Q01、Q02、Q03、・・・の代表値が逐次算出される。
一方、判断対象媒体が媒体検知点βを通過し終わった場合(ステップS105:YES)、厚さ取得部122及び代表値演算部123は、厚さ情報の取得及び代表値の演算処理を終了する。
【0062】
(作用効果)
以上の通り、第1の実施形態に係る薄型媒体搬送装置1Aは、厚さが互いに異なる複数種類の薄型媒体Cを搬送可能な搬送路Dと、搬送路Dの少なくとも一点に規定された厚さ計測点αにおいて、薄型媒体Cの厚さ計測点αに位置する部分の厚さを計測する厚さ計測部4(測距センサ22)と、を備えている。また、薄型媒体搬送装置1Aは、厚さ計測部4から薄型媒体Cの厚さの計測結果を示す厚さ情報を取得して薄型媒体Cの種類及び状態を特定する状態特定部12を備えている。
更に、第1の実施形態に係る薄型媒体搬送装置1Aによれば、状態特定部12(厚さ取得部122)は、薄型媒体Cが厚さ計測点αを通過している最中に厚さ情報を所定の時間間隔(2msec)で複数回取得する。また、状態特定部12(代表値演算部123)は、連続で取得された所定個数(7個)の厚さ情報からなる厚さ情報群についての代表値を算出する。そして、状態特定部12(状態判定処理部124)は、代表値演算部123が算出した代表値に基づいて薄型媒体Cの種類及び状態を特定する。
このようにすることで、複数の厚さ情報の代表値を薄型媒体Cの「厚さt」として算出し、算出した「厚さt」に基づいて薄型媒体Cの種類及び状態の判断を行うので、厚さ情報の一つ一つに重畳される計測誤差を低減し、厚さの計測精度を高めることができる。また、薄型媒体Cの搬送の最中において複数個の厚さ情報を取得するので、厚さの計測のために薄型媒体Cの搬送処理が阻害されることがない。
したがって、搬送路Dにて搬送される薄型媒体Cの種類及び状態を正確に特定しつつ、当該薄型媒体Cの搬送を円滑に行うことができる。
【0063】
また、薄型媒体Cを挿入すべき挿入口を統一したことで、例えば、ICカードと通行券とを2枚重ねて同時に入れようとする等、誤った挿入操作が行われることが想定される。したがって、正規の挿入方法とは異なる態様で薄型媒体が挿入された場合には、機器の誤動作、故障を防止するため、迅速にそのことを検知することが求められる。
ここで、第1の実施形態に係る薄型媒体搬送装置1Aによれば、状態特定部12は、厚さ情報を連続で所定個数(7個)取得する度に、当該所定個数の厚さ情報からなる厚さ情報群Q01、Q02、Q03・・・(
図7)についての代表値を算出する処理を繰り返し行う。
これにより、精度の高い厚さtの計測を維持しつつ、薄型媒体Cの搬送中において、厚さ情報群Q01、Q02、Q03・・・の代表値が連続的に取得される。したがって、薄型媒体Cが2枚重ねて挿入された場合であっても、厚さtが変動した際に、直ちに異常を検知することができる。
【0064】
また、第1の実施形態に係る薄型媒体搬送装置1Aによれば、状態特定部12は、所定の時間間隔(2msec)で厚さ情報を連続で所定個数(7個)だけ取得する度に、当該所定個数だけ取得してから次に厚さ情報を取得するまでの時間間隔を上記所定の時間間隔(2msec)よりも長い時間(3msec)とする。
このようにすることで、代表値を確実に演算するために必要な時間が確保されるため、代表値を複数回繰り返して演算する処理を安定的に行うことができる。
【0065】
また、第1の実施形態に係る薄型媒体搬送装置1Aによれば、状態特定部12は、厚さ情報群Q01、Q02、Q03・・・に含まれる所定個数の厚さ情報のうち、最初に取得された厚さ情報を除いて代表値を算出する。
ここで、薄型媒体Cが最初に厚さ計測点αを通過した時点では、薄型媒体C及び押さえローラT2の変位が安定していない場合がある。そうすると、厚さ情報群Q01のうち最初に取得された厚さ情報(位置P01(
図7)について取得された厚さ情報)は、大きい誤差を含んでいる場合が想定される。そこで、当該最初に取得された厚さ情報を除く他の厚さ情報から代表値を算出することで、厚さの計測精度を一層高めることができる。
【0066】
(第1の実施形態の変形例)
以上、第1の実施形態に係る薄型媒体搬送装置1Aについて詳細に説明したが、第1の実施形態に係る薄型媒体搬送装置1Aの具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
【0067】
例えば、第1の実施形態において、「代表値」とは「平均値」であるものとして説明したが、他の実施形態においては、「代表値」が複数の厚さ情報の中央値、最頻値であってもよい。
【0068】
また、第1の実施形態において状態特定部12は、所定の時間間隔(2msec)で厚さ情報を連続で所定個数だけ取得する度に、当該所定個数だけ取得してから次に厚さ情報を取得するまでの時間間隔を上記所定の時間間隔よりも長い時間(3msec)とするものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
即ち、例えば、所定個数の厚さ情報を連続で取得する時間間隔(2msec)内で厚さ情報群Q01の代表値を確実に演算可能であれば、厚さ情報群Q01と厚さ情報群Q02との間のインターバル期間を長く設けなくともよい。
【0069】
また、第1の実施形態においては、状態特定部12は、厚さ情報群Q01、Q02、Q03・・・に含まれる所定個数の厚さ情報のうち、当該厚さ情報群Q01、Q02、Q03・・・の全てについて、最初に取得された厚さ情報を除いて代表値を算出するものとして説明した。しかし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、状態特定部12は、最初に取得される厚さ情報群Q01についてのみ、厚さ情報群Q01のうち最初に取得された厚さ情報を除いて代表値を算出するものとし、以降に取得される厚さ情報群Q02、Q03、・・・については、各厚さ情報群に含まれる全ての厚さ情報の代表値を算出するものとしてもよい。
【0070】
また、上述の各実施形態においては、上述した制御ユニット10の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0071】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。更に、制御ユニット10は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0072】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。