(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る情報処理システムについて、
図1〜
図17を参照して説明する。
【0008】
本実施形態の情報処理システムは、タブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置4と、内部及び外部に各種のセンサを設けたモニター装置1(端末装置)とを備える。
このような情報処理システムは、例えば、老人ホームなどの介護施設に設けることができる。
モニター装置1及び各センサは、これらの利用者にあたる被介護者の部屋ごとに設けられ、各センサが検出した利用者の生体情報や環境情報などの変動情報を各モニター装置1がそれぞれ取得できるようになっている。
【0009】
情報処理装置4のうち、例えば、タブレットやスマートフォンは介護従事者などの管理者が携行し、PCは被介護者や管理者が常駐する管理室に設けており、いずれもモニター装置1との間でWi−Fi(登録商標)通信などの無線通信が可能となっている。
情報処理装置4は、モニター装置1から無線通信により変動情報を受信し、この変動情報に基づいて利用者の状態を示す情報を表示することができる。
【0010】
以下、このような情報処理システムについて、モニター装置1と情報処理装置4に分けて詳細に説明する。
【0011】
[モニター装置]
モニター装置1は、
図1に示すように、所定形状(たまご形)の筐体からなる端末装置であり、各利用者の部屋において、利用者が就寝や休憩等に利用するベッドごとに設置されている。
モニター装置1は、例えば、ベッドの足やベッドフレームに、面ファスナー等を用いて固定することができる。この際、モニター装置1の裏側に、面ファスナーの取付位置を示すガイド等を設けることで固定作業を円滑に行うことができる。
【0012】
モニター装置1は、
図2に示すように、外部センサ情報受信部11と、内部センサ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、制御部17と、を備えている。
【0013】
外部センサ情報受信部11は、モニター装置1の外部に設けた生体センサ21などの外部センサ(検出手段)と通信ケーブル等を介して接続され、外部センサにより検出された各種情報を自動的に受信するようにしている。
【0014】
生体センサ21は、利用者による押圧など外的な作用を受けて内圧が変動するエアバッグ211と、エアバッグ211における圧力を検知してこれを電気信号(例えば電圧値)に変換する圧電素子を備えた圧力検知部212とによって構成される。
エアバッグ211は、例えば、ベッド上の利用者の胸部に対応する位置に、面ファスナー等を用いて固定することができる。
このような生体センサ21によれば、利用者の心拍、呼吸、体動に伴う振動に応じ、エアバッグ211が受けた圧力値を示す電気信号を生成することができる。生体センサ21は、このような電気信号からなる振動情報(生体情報)を外部センサ情報受信部11に送信する。
【0015】
内部センサ12は、モニター装置1の内部に設けられた検出手段であって、本実施形態では、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、照度センサ、GPSセンサ等の環境センサによって構成されている。
このため、モニター装置1は、これらのセンサを介して、温度(室温)(°C)、湿度(%)、気圧(hPa)、照度(lx,ルクス)、位置情報(緯度・経度)等といった周囲の環境情報を検出することができる。
なお、外部センサをなす各センサをモニター装置1の内部に設けたり、内部センサをなす各センサをモニター装置の外部に設けることもできる。すなわち、各センサは、特に設置場所を制限するものではなく、どのような態様で設置されてもよい。
【0016】
記憶部13は、例えば、ROM、RAMや、EEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等により構成され、モニター装置1の有する機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する記憶手段である。
記憶部13に記憶されるデータには、モニター装置1に固有の識別情報であって、Wi−Fi通信において用いられるSSID(Service Set Identifier)がある。
【0017】
通信部14は、情報処理装置4との間で各種情報の送受信を行う通信手段である。
本実施形態の通信部14は、Wi−Fi規格に対応した無線通信インタフェースであり、同規格の無線通信インタフェースを有する情報処理装置4との間に通信回線を確立し、この通信回線を通じて情報の送受信が可能になっている。
通信部14から送信される情報には、生体センサ21により検出される振動情報や内部センサ12により検出される環境情報などの変動情報がある。なお、
図3は、モニター装置1から送信される情報の一例である。
また、通信部14は、SSIDを含むビーコンと呼ばれる電波を全方位に向けて常時発信している。
【0018】
操作部15は、モニター装置1における操作手段であり、筐体の前部に設けられている。
【0019】
制御部17は、CPU,ROM,RAMからなるコンピュータで構成され、種々の制御動作を行う。
例えば、制御部17は、情報処理装置4との間で通信回線を確立させ、この通信回線を通じて、生体センサ21により検出された振動情報や内部センサ12により検出された環境情報を、情報処理装置4に送信する動作を行う。
制御部17は、振動情報や環境情報の送信を、一定の間隔で(例えば、1分ごと)、SSIDに紐付けて行う(
図3参照)。
【0020】
[情報処理装置]
情報処理装置4は、
図4に示すように、通信部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、制御部45と、を備えている。
【0021】
通信部41は、各モニター装置1との間で情報の送受信を行う通信手段である。
通信部41は、Wi−Fi規格に対応した無線通信インタフェースであり、同規格の無線通信インタフェースを有するモニター装置1との間で通信回線を確立し、この通信回線を通じて情報の送受信を行うことができる。
このため、本実施形態の通信部41は、検出手段である各センサにより検出された振動情報や環境情報をモニター装置1から受信する受信手段として動作することができる。これらの情報は、モニター装置1の送信タイミングに応じ、一定の間隔で受信することができる。
なお、通信部41は、複数のモニター装置1との間に同時に通信回線を確立することができ、各モニター装置1から同時に受信した振動情報等に基づいて、各利用者の状況をリアルタイムに確認できるようになっている(
図6(b)参照)。
【0022】
記憶部42は、例えば、RAM、EEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等により構成され、情報処理装置4が備える各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。
記憶部42に記憶されるプログラムには、利用者が在床中か離床中か、睡眠中か起床中か、眠りが深いか浅いか等の判定制御を行う情報処理プログラムや、利用者の状態を示す情報を表示する情報処理プログラムがある。
このような情報処理プログラムは、例えば、製造時に予め記憶しておいたり、ウェブサイトからダウンロードしたり、外部の装置やUSBメモリなどの記憶媒体から取得することができる。
また、記憶部42に記憶されるデータには、各種のテーブルデータやアイコンの画像データ等がある(
図5,
図7,
図9〜
図11,
図13等参照)。
【0023】
表示部43は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等からなる表示手段である。
表示部43は、タッチ操作可能なタッチパネルで構成し、指やタッチペンで画面を触れることにより各種の設定操作を受け付けるようにすることで、操作手段として機能させることもできる。
表示部43には、利用者の状態等を示す情報や各種設定画面を表示することができる(
図6,
図8,
図12,
図14,
図16参照)。
操作部44は、例えば、キーボードやマウスからなる操作手段である。
例えば、操作部44の操作によって、利用者の登録を行うことができる。利用者の登録情報には、利用者名、部屋番号、ベッド番号、モニター装置1の管理番号、SSID、シリアル番号等がある。利用者の登録が完了すると、これらの情報が利用者登録テーブル(
図5)として記憶部42に記憶される。
【0024】
制御部45は、CPUを備えるコンピュータで構成され、記憶部42に記憶されている情報処理プログラムを実行することで、情報処理装置4が備える各種機能を実行する。
【0025】
例えば、制御部45は、利用者判定手段として動作することで、通信部41により受信した変動情報(振動情報)の値に基づいて、利用者が存在するか否かを判定することができる。
すなわち、情報処理装置4は、生体センサ21により検出された振動情報を、モニター装置1を介して定期的に受信可能な構成となっている。このため、何らかの振動情報をモニター装置1から受信している場合は、ベッド上に存在する利用者の呼吸、心拍、体動による振動情報とみなすことができるため、この状態を「在床中」と判定することができる。他方、何ら振動情報の値が検出されない場合は、ベッド上に利用者が存在していないとみなすことができるため、この状態を「離床中」と判定することができる。
【0026】
また、「在床中」と判定された場合、その利用者が睡眠中か起床中かを判定することができる。例えば、公知の判定方法に基づき、振動情報において、大きな振幅が高頻度で検出された場合は、寝返りなどの体動が頻繁にあるとみなして「起床中」と判定し、それ以外を「睡眠中」と判定することができる。
また、「睡眠中」の場合に、睡眠深度(眠りの深さ)を判定することができる。例えば、公知の判定方法に基づき、各睡眠深度に固有の心拍数・呼吸数や、睡眠中に移行してから各睡眠深度に至る時間等の分析結果に基づいて、「浅い眠り」、「深い眠り」、「中間の眠り」等と判定することができる。
【0027】
このような利用者判定手段の動作は、一定の間隔ごと行う。例えば、モニター装置1から振動情報を受信するたびに、受信した振動情報に基づいて利用者の状態を判定することができる。
また、利用者の状態判定は、利用者ごとに行い、複数の利用者の状態判定を同時に行うことができる。
例えば、モニター装置1から受信する振動情報に紐付いているSSIDをキーとして利用者を特定し(
図5参照)、特定した利用者ごとに状態の判定を行うことができる。
【0028】
また、状態判定手段による判定の結果を表示部43に表示させることができる。
具体的には、制御部45が、上記判定に基づいて利用者の状態を示す状態画像(状態アイコンi1)を、複数の中から何れかに決定する状態画像決定手段として動作し、状態画像決定手段により決定された状態画像を表示する画像情報表示手段として動作する。
例えば、
図6(a)に示すステータスウインドP1(総合状態表示画像)のように、利用者の状態を示す状態アイコンi1等を表示したり、
図6(b)に示すステータス一覧画面P2のように、複数の利用者のステータスウインドP1を一覧表示することができる。
【0029】
本実施形態のステータスウインドP1では、領域aに、利用者の状態を示す状態アイコンi1を表示するようにしている。例えば、利用者が在床中で、かつ、起床中と判定された場合は、第一状態アイコンテーブル(
図7(a))を参照し、在床中(起床中)アイコンi1a(
図7(b)左図)を決定し、これを領域aに表示する。同様に、利用者が在床中で、かつ、睡眠中と判定された場合は、睡眠中アイコンi1b(
図7(b)中央図)を表示し、利用者が離床中と判定された場合は、離床中アイコンi1c(
図7(b)右図)を表示する。
【0030】
領域bには、利用者の生体情報として、血流(心拍)による振動を示す血流振動アイコン、呼吸に伴って発生する振動を示す呼吸振動アイコン、及び、寝返りなどの体動によって発生する振動を示す体動振動アイコン、並びに、それぞれの感度を示す感度アイコンを表示する(
図6(a))。
このような各種振動アイコンと感度アイコンの組合せによれば、心拍、呼吸、体動に係る振動の大小を一目で把握することができる。
また、生体センサ21(エアバッグ211)の設置状態が悪いときには血流振動アイコンの感度や呼吸振動アイコンの感度が比較的低くなるため、その設置状態の善し悪しの判断に参照することもできる。
また、領域bには、在床中か離床中かを示す情報(「在床情報」)や、睡眠中か覚醒かを示す情報(「睡眠状態」)を表示することができる(
図6(a))。
領域cには、環境情報として、室温、湿度、気圧、照度を表示する(
図6(a))。
【0031】
この他、ステータスウインドP1には、モニター装置1との通信状態を示すレベルメータを表示することができる(
図6(a))。例えば、モニター装置1から常時発信されているビーコンの受信強度を求め、その強弱をレベルメータにより表示することができる。レベルメータによれば、モニター装置1と情報処理装置4との間の通信状態(強弱や切断状態などのネットワークステータス)を、視覚を通じて把握することができる。
【0032】
このように、ステータスウインドP1やステータス一覧画面P2によれば、利用者の状態のみならず、利用者の周辺の環境の状態、モニター装置1との通信状態等を総合的に表示することができる。
このため、管理者は一目で利用者に関する情報を確認することができ、極めて高い利便性を提供することができる。
【0033】
このほか、本実施形態の情報処理システムは、以下の特徴的な構成を備えている。
【0034】
[閾値を設定する構成]
本構成において、情報処理装置4は、閾値の設定を可能としており、制御部45は、閾値が設定された状態において利用者判定手段の動作を行うようにしている。
閾値は、例えば、
図8に示す閾値設定画面におけるマウス操作等、手動によって設定することができる。
例えば、「オフセット設定」に「120」を選択して「送信」ボタンを押すと、制御部45が、閾値の設定値「120」を記憶部42に記憶する。これにより閾値が有効に設定される。
この他、閾値は、製造時に予め設定値を記憶させることや、Webサイトや外部装置から取得することによって設定することができる。
【0035】
閾値が設定された状態において、制御部45は、利用者判定手段の動作として、振動情報の値が設定された閾値を超える場合に「在床」と判定し、振動情報の値がこの閾値以下の場合は「離床」と判定する。
例えば、
図8に示す閾値設定画面の「振動値:5」は、現在、モニター装置1から受信している振動情報の値である。
この場合、「振動値:5」は、「振動値オフセット:120」以下であることから、利用者の状態は「離床」(利用者が存在しない)と判定される。
このケースと異なり、「振動値」が120を超える場合、利用者の状態は「在床」(利用者が存在する)と判定される。
このようにすると、心拍、呼吸、体動に伴う振動に基づく利用者の状態判定において、これらの振動以外のノイズとなる振動(後記外部要因や内部要因によるもの等)を排除可能となり、状態判定を適切に行うことができる。
【0036】
[環境に応じて閾値を設定する構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、検出手段である生体センサ21が設けられる環境を判定する環境判定手段の動作を行い、環境判定手段により判定された環境に応じた閾値を設定する閾値設定手段の動作を行う。
ここで、「環境」とは、生体情報としての振動以外のノイズ振動を受け易い環境であり、例えば、車道、鉄道、建設現場の近くなど、介護施設の外部要因に関する環境を挙げることができる。
情報処理装置4は、上記動作を行うにあたり、予め、環境判定テーブル(
図9)、閾値設定テーブル(
図11)、及び、車道、鉄道、建設現場の位置情報が記録された地図情報(図示省略)等を記憶部42に記憶している。
【0037】
ここで、情報処理装置4がモニター装置1から受信する環境情報には、モニター装置1に内蔵するGPSセンサにより取得される位置情報が含まれている。この位置情報は、生体センサ21が設置されている場所の位置情報に相当する。
このため、制御部45は、モニター装置1から受信する位置情報と、この位置情報の周辺の車道、鉄道、建設現場の位置情報に基づいて、生体センサ21と、近傍の車道、鉄道、建設現場との距離を算出することができる。
【0038】
制御部45は、この算出距離に基づいて、生体センサ21が設けられる環境を判定する環境判定手段の動作を行う。例えば、環境判定テーブル(
図9)に基づき、車道との距離が10m以内の場合は車道に近いと判定し、鉄道との距離が10m以内の場合は鉄道に近いと判定し、建設現場との距離が10m以内の場合は建設現場に近いと判定する。
そして、制御部45は、判定された環境に応じた閾値を設定する閾値設定手段の動作を行う。具体的には、閾値設定テーブル(
図11)に基づき、「車道に近い」と判定された場合は振動値オフセット(閾値)を200に設定し、「鉄道に近い」と判定された場合は振動値オフセットを300に設定し、「建設現場に近い」と判定された場合は振動値オフセットを500に設定する。
このようにすると、外部要因によるノイズ振動を除外可能な適切な閾値を自動的に設定することができる。
【0039】
なお、環境判定手段による判定によって、例えば、鉄道に近く、かつ、車道にも近い、というように、2以上の項目について重複した判定結果が得られた場合は、重複判定された項目のうち、最も高い閾値を設定することができる。
また、最も高い閾値に所定値を加算した値を閾値として設定することもできる。例えば、算式:(最も高い閾値)×{1+0.1(n−1)}(但し、n=判定された項目数)により算出される値を閾値とすることができる。上記例のように、鉄道と車道の2つの項目が判定された場合、n=2となり、鉄道の閾値(300)が最も高いことから、これらの値を上記算式に代入して得られた値:(300)×{1+0.1(2−1)}=330が閾値として設定される。
これ以外にも、各項目に割り当てられた閾値の合計値を閾値として設定したり、平均値を閾値として設定することができる。
【0040】
環境判定テーブル(
図9)において、距離や「近い」の程度を段階的に設定することができる。例えば、車道との距離について、「15m以内」、「10m以内」、「5m以内」の3つのケースを設け、各ケースに応じて、「やや近い」、「近い」、「極めて近い」とそれぞれ対応付けて設定する。この場合、閾値設定テーブル(
図11)においても、「近い」程度に対応した閾値をそれぞれ設定しておく。
【0041】
また、例えば、車道については、高速道路、国道、県道等に分け、鉄道については、新幹線、在来線、地下鉄等に分けるなど、種別ごとに異なる距離や閾値を設定することもできる。
GPSセンサを用いて位置情報を自動的に求めるのではなく、手動にて位置情報を入力することもできる。
例えば、地図上をクリックして介護施設の住所を指定したり、住所を直接入力し、入力した住所情報(または、これを変換した緯度・経度)に基づいて近傍の車道等との距離を算出し、対応する閾値を設定することができる。
【0042】
以上のように、本構成によれば、環境に応じた適切な閾値を設定することができる。
すなわち、利用者が在床中か離床中かの判定に用いられる振動情報は、利用者がベッドに存在することにより生体センサ21(エアバッグ211)を押圧した場合のみならず、道路上の車の走行、線路上の電車の運行、建設現場の作業等の外部要因による振動も含まれる。
そして、これらの振動の値は、要因によって異なり、その要因は環境に応じて変化することから、振動の値は環境に応じて異なる。
このような点に鑑み、情報処理装置4においては、外部要因に応じた振動情報の値を超える閾値を、環境に応じた値に設定している。そして、振動情報の値が閾値を超えた場合には利用者が生体センサ21を押圧しており、閾値を超えない場合には外部要因による振動が生体センサ21に加えられたとみなすことにより、利用者が存在するか否か(利用者がベッドを利用しているか否か)を適切に判定できるようにしている。
このため、どのような環境であっても、利用者が存在しないにも関わらず、存在すると判定してしまうことを防止することができる。
また、モニター装置1の設置場所が変わっても、場所に応じた閾値が設定されるため、利用者が存在するか否かを適切に判定することができる。
【0043】
[時間帯に応じた閾値設定を行う構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、時刻を判定する時刻判定手段の動作を行い、時刻判定手段により判定された時刻に応じた閾値を設定する閾値設定手段の動作を行う。なお、「時刻」には、時刻のほか、時間帯や経過時間その他の時間的情報を含む。
情報処理装置4は、上記動作を行うにあたり、予め、時刻判定テーブル(
図10)及び閾値設定テーブル(
図11)を記憶部42に記憶している。
【0044】
時刻判定手段では、現在の時刻を特定し、閾値設定手段は、現在の時刻に応じた閾値を設定する動作を行う。
具体的には、時刻判定テーブル(
図10)に基づき、現在の時刻が6:00〜12:00に含まれる場合は「朝」と判定し、現在の時刻が12:00〜18:00に含まれる場合は「昼」と判定し、現在の時刻が18:00〜6:00に含まれる場合は「夜」と判定する。
なお、上記のように、時間帯の開始時刻や終了時刻は、時間と分によって表記していることから、例えば、「12:00」は、見かけ上「朝」の時間帯と「昼」の時間帯の両方に含まれる。しかしながら、詳細には、「朝」の時間帯の終了時刻:12:00は11時59分59秒であり、「昼」の時間帯の開始時刻:12:00は12時00分00秒である。このため、このように見かけ上複数の時間帯に含まれる場合があっても、実際にはそれぞれの時間帯が重複することはない。
このような時間帯の解釈は、時刻判定手段だけでなく他の事項においても共通である。例えば、対象となる一の時間帯が5:00〜9:00の場合、その終了時刻は8時59分59秒であり、対象となる他の時間帯が9:00〜12:00場合、その開始時刻は9時00分00秒である(
図15等参照)。
【0045】
続いて、閾値設定テーブル(
図11)に基づき、「朝」と判定された場合は振動値オフセット(閾値)を30に設定し、「昼」と判定された場合は振動値オフセットを50に設定し、「夜」と判定された場合は振動値オフセットを100に設定する。
そして、制御部45は、振動情報の値が、設定された閾値を超える場合に、利用者がベッド上に存在すると判定する利用者判定手段の動作を行う。
【0046】
なお、上記例では、「時刻」を、朝/昼/夜に分けてそれぞれ閾値を設定したが、これ以外にも、午前/午後、所定時間ごと(時間帯)、曜日ごと、平日/土日祝日等に基づいて閾値を設定することができる。
また、これらを組み合わせた閾値設定も可能である。例えば、平日は朝/昼/夜に分けて閾値を設定し、土日祝日は所定時間ごと(例えば、3時間ごと)に閾値を設定することができる。
【0047】
このようにすると、時間帯に応じた適切な閾値を設定することができ、利用者の状態判定を精度良く行うことができる。
すなわち、利用者が在床中か離床中かの判定に用いられる振動情報は、利用者がベッド上に存在することにより生体センサ21(エアバッグ211)を押圧した場合のみならず、生体センサ21近傍での歩行、利用者の部屋にある家電製品の駆動等の内部要因による振動も含まれる。
そして、これらの振動の値は、要因によって異なり、その要因は時間帯に応じて変化することから、振動の値は時間帯に応じて異なる。
このような点に鑑み、本実施形態の情報処理装置4においては、内部要因に応じた振動情報の値を超える閾値を、時間帯に応じた値に設定するようにしている。そして、振動情報の値が閾値を超えた場合には利用者が生体センサ21を押圧しており、閾値を超えない場合には内部要因による振動が生体センサ21に加えられたとみなすことにより、利用者が存在するか否か(利用者がベッドを利用しているか否か)を適切に判定できるようにしている。
このため、どのような時間帯であっても、利用者が存在しないにも関わらず、存在すると判定してしまうことを防止することができる。
【0048】
[アイコンにより閾値設定を行う構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、環境に関する画像(環境アイコンi3)を複数種類表示する環境画像表示手段の動作や、時刻に関する画像(時刻アイコンi2)を複数種類表示する時刻画像表示手段の動作を行い、環境画像表示手段や時刻画像表示手段により表示される複数の画像のうち、何れかの画像を選択可能な選択手段を備えている。
【0049】
具体的には、制御部45は、
図12に示すようなアイコン閾値設定画面を表示部43に表示させることができる。
図12に示すように、アイコン閾値設定画面には、朝を想起させる朝アイコンi2a、昼を想起させる昼アイコンi2b、及び夜を想起させる夜アイコンi2cを時刻アイコンi2として表示し、車道を想起させる車アイコンi3a、鉄道を想起させる電車アイコンi3b、及び建設現場を想起させる建設現場アイコンi3cを環境アイコンi3として表示しており、マウス操作等によって所望のアイコンを選択できるようにしている。
【0050】
制御部45は、閾値設定手段として、選択手段により選択された画像に対応する閾値を設定する動作を行う。
この動作にあたり、情報処理装置4は、予めアイコン閾値設定テーブル(
図13)を記憶部42に記憶している。
例えば、朝アイコンi2aが選択されると、制御部45は、アイコン閾値設定テーブル(
図13)にもとづいて、振動値オフセット(閾値)を30に設定し、車アイコンi3aが選択されると、同様にして、振動値オフセットを200に設定する。
そして、制御部45は、振動情報の値が、設定された閾値を超える場合に、利用者が「在床」と判定する利用者判定手段の動作を行う。
【0051】
このようにすると、環境や時刻を想起する画像(アイコン)を選択するだけで閾値を設定できるため、環境や時刻に応じた適切な閾値を容易に設定することができる。
【0052】
なお、アイコンを選択する際に時間帯を指定することもできる。
これにより、指定した時間帯において、選択したアイコンに対応する閾値を予約設定することができる。
例えば、5:00〜9:00を指定して電車アイコンi3bを選択すると、5:00〜9:00の時間帯においては、電車アイコンi3bに対応する閾値(300)に基づいて利用者判定手段の動作が行われる(
図14参照)。
【0053】
[複数の条件に基づき閾値設定を行う構成]
本構成において、情報処理装置4は、複数の条件を入力する条件入力手段を備え、制御部45は、条件入力手段への入力結果に応じた閾値を設定する動作を行う。以下、「複数の条件」として、「複数の時間帯」を例に挙げて説明する。
すなわち、本構成においては、指定した時間帯ごとに時刻アイコンi2や環境アイコンi3を選択して閾値を設定することができる。
【0054】
例えば、
図14に示すように、「時間帯1」として、5:00〜9:00を指定し、電車アイコンi3bを選択することで、この時間帯において閾値:300を予約設定するとともに、「時間帯2」として、9:00〜12:00を指定し、建設現場アイコンi3cを選択することで、この時間帯において閾値:500を予約設定することができる。
このようにすると、時間帯によって状況が異なる場合に柔軟に対応して、適切に閾値を設定することができ、異なる時間帯ごとに適切な状態判定を自動的に行うことができる。
なお、
図14のアイコン閾値設定画面では、時間帯2における振動値オフセットが枠で囲まれて表示されているが、これは、現在の時刻が時間帯2に含まれることから、時間帯2に設定されている振動値オフセットを特定表示することで、現在設定されている閾値を認識できるようにしている。
また、アイコン閾値設定画面の操作においては、指定した時間帯ごとにアイコンを選択することで当該アイコンに対応する振動値オフセットが設定されるが、現在設定中の時間帯の振動値オフセットをこのように枠で囲んで特定表示することもできる。
【0055】
[時間帯が重複した場合の処理]
次に、複数の時間帯に異なる閾値を設定した場合において、時間帯が重複したときの処理について
図15を参照して説明する。
なお、ここでは、「時間帯1」には5:00〜9:00において閾値:300が設定され、「時間帯2」には7:00〜12:00において閾値:500が設定されたものとする(
図15参照)。
すなわち、7:00〜9:00の時間帯は、設定が重複しており、この重複した時間帯における閾値の設定方法について説明する。
【0056】
まず、閾値が大きい設定を優先する方法について、
図15(a)を参照して説明する。
ここで、時間帯1の閾値は300で、時間帯2の閾値は500であることから、時間帯2の閾値の方が大きい。
このため、重複する時間帯7:00〜9:00については、時間帯2の閾値:500を設定する。
この結果、
図15(a)の斜線部に示すように、「時間帯1」には5:00〜7:00において閾値:300が設定され、「時間帯2」には7:00〜12:00において閾値:500が設定される。
【0057】
後の時間帯の設定を優先する方法について、
図15(b)を参照して説明する。
ここで、時間帯1は、開始時刻が5:00であり終了時刻が9:00であり、時間帯2は、開始時刻が7:00であり終了時刻が12:00である。
時間帯1と時間帯2のそれぞれ開始時刻と終了時刻を比較すると、いずれも時間帯2の方が後であることから、時間帯2が後の時間帯となる。
このため、重複する時間帯7:00〜9:00については、時間帯2の閾値:500を設定する。
この結果、
図15(b)の斜線部に示すように、「時間帯1」には5:00〜7:00において閾値:300が設定され、「時間帯2」には7:00〜12:00において閾値:500が設定される。
なお、先の時間帯(時間帯1)の閾値を優先適用することもできる。また、開始時刻又は終了時刻のいずれか一方を基準に先後を判断することもできる。
【0058】
先に行った設定を優先する方法について、
図15(c)を参照して説明する。
例えば、時間帯1の設定を既に行っている状況において、その後に、時間帯2の設定を行ったものとする。すなわち、時間帯1の設定が先に行われている。
この場合、後の設定である時間帯2の閾値設定の際にエラーを報知し、その設定は反映させない。
この結果、
図15(c)の斜線部に示すように、「時間帯1」には5:00〜9:00において閾値:300が設定される。
【0059】
なお、この場合でも、重複した時間帯で同一のアイコンが選択された場合には、エラーとせず、後の設定を反映することができる。例えば、本例の場合、時間帯1において、時間帯に2と同じ建設現場アイコンi3cが選択されている場合は、時間帯1と時間帯2はいずれも建設現場アイコンi3cに対応した閾値:500を設定することができる。
具体的には、「時間帯1」には5:00〜7:00において閾値:500を設定し、「時間帯2」には7:00〜12:00において閾値:500を設定することができる。また、「時間帯1」又は「時間帯2」の一方に、5:00〜12:00において閾値:500を設定することもできる。
【0060】
このようにすると、様々な条件に合うように詳細に閾値を設定することが可能となり、利用者の状態判定をより適切に行うことができる。
【0061】
[チェックボックスにより閾値設定を行う構成]
本構成において、情報処理装置4は、時刻アイコンi2や環境アイコンi3に代えて、環境や時刻に対応するチェックボックスを選択可能に表示し、選択したチェックボックスに対応する閾値を設定することもできる。
例えば、
図16に示すチェックボックス閾値設定画面のように、「朝」、「昼」、「夜」、「車道に近い」、「鉄道に近い」、「建設現場に近い」にそれぞれ対応したチェックボックスを設けた設定画面を表示することができる。
例えば、「車道に近い」のチェックボックスが選択された場合、閾値設定テーブル(
図11参照)にもとづいて、振動値オフセット(閾値)を200に設定することができる。
【0062】
また、このチェックボックス閾値設定画面においては、複数のチェックボックスを選択可能とし、この場合、対応する閾値の一部又は全部を加算するようにすることができる。
例えば、「夜」と「車道に近い」のチェックボックスが選択された場合、「夜」に対応する振動値オフセット:100と「車道に近い」に対応する振動値オフセット:200との合計値:300を閾値として設定することができる。
また、振動値オフセットの合計値の半分の値:150(=300×0.5)を閾値として設定することもできる。
最も高い閾値を優先して設定することもできる。例えば、「朝」(閾値:30)と「車道に近い」(閾値:200)と「建設現場に近い」(閾値:500)のチェックボックスが選択された場合、「建設現場に近い」のチェックボックスに対応する閾値が最も高いため、当該閾値を設定する。
【0063】
チェックボックスを選択する際に時間帯を指定することで、指定した時間帯について閾値を予約設定することもできる。
この際、複数の時間帯を指定し、時間帯ごとにチェックボックスを選択することで、複数の時間帯ごとに閾値を予約設定することもできる。
複数の時間帯を指定して閾値を設定する場合において、時間帯が重複するときは、前述の[時間帯が重複した場合の処理]と同様に、様々な優先処理を行うことができる。
【0064】
本構成によれば、アイコンと異なる方法で閾値の設定が可能であるため、設定操作に柔軟性をもたせることができる。
また、様々な条件に合うように詳細に閾値を設定することができる。
【0065】
[利用者不在時の振動情報に基づいて閾値設定を行う構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、利用者が存在しない所定の期間において検出した変動情報の値の平均値を算出する平均値算出手段として動作し、平均値算出手段により算出された平均値に基づく値を、閾値として設定する閾値設定手段の動作を行う。
例えば、利用者の不在時の所定期間(例えば、数時間、1日、1週間等)、モニター装置1から受信した振動情報の値について、その平均値を算出する。
そして、算出した平均値をX倍(例えば、X=1.2)した値を閾値として設定する。
このようにすると、生体センサ21が設置されている環境において実際に発生しているノイズ振動だけを抽出し、排除できるため、利用者の在床・離床の判定をより精度よく行うことができる。
なお、平均値に代えて、最大値、最小値、最頻値、中央値などを用いることもできる。
【0066】
本発明の第一実施形態に係る在床・離床の判定方法について、
図17を参照して説明する。
図17に示すように、本実施形態の在床・離床の判定方法では、情報処理装置4において振動情報を受信している(S1)。
この振動情報は、生体センサ21により検出された呼吸、心拍、体動に応じた生体情報であり、モニター装置1を介して一定の間隔で継続的に受信している。
【0067】
次に、環境の判定を行う(S2)。
例えば、環境の判定においては、環境判定テーブル(
図9)に基づいて車道、鉄道、建設現場のいずれかに近いことを判定する。
続いて、判定された環境に応じた閾値の設定を行う(S3)。
例えば、「車道に近い」と判定された場合、閾値設定テーブル(
図11)に基づいて閾値:200を決定し、設定を行う。
なお、複数項目について重複した判定結果が得られた場合は、最も高い閾値を設定したり、最も高い閾値に所定値を加算した値や、各項目の合計値、平均値等を閾値として設定することができる。
【0068】
次に、振動情報の値が閾値を超過しているか否かを判定する(S4)。
具体的には、S1において受信した振動情報の値が、S3において設定された閾値を超過しているか否かを判定する。
振動情報の値が閾値を超過していると判定された場合(S4−YES)、利用者はベッド上に存在するとみなし、「在床」と判定する(S5)。
一方、振動情報の値が閾値を超過していないと判定された場合(S4−NO)、利用者はベッド上に存在しないとみなし、「離床」と判定する(S6)。
【0069】
なお、
図17に基づく上述の方法では、「環境」の判定を行い(S2)、判定された「環境」に応じた閾値を設定する(S3)工程を含むことで、「環境」に応じた在床・離床の判定方法について説明したが、「環境」を「時刻」に代えることで、「時刻」に応じた在床・離床の判定方法とすることができる。
例えば、S2においては、時刻の判定を行う。具体的には、現在の時刻を特定し、特定した時刻と時刻判定テーブル(
図10)に基づいて、「朝」、「昼」、「夜」のいずれかを判定する(
図10参照)。
また、S3においては、判定された時刻に応じた閾値の設定を行う。例えば、「朝」と判定された場合、閾値設定テーブル(
図11)に基づいて閾値:30を設定する。
これ以外の工程は、
図17に示す方法のS1,S4〜S6と同様である。
【0070】
さらに、在床・離床の判定方法において、「環境」と「時刻」について判定を行い、判定されたそれぞれの結果に応じた閾値を設定する工程を含ませることもできる。
これにより、「環境」及び「時刻」に応じた在床・離床の判定方法とすることができる。
【0071】
以上のように、本発明の第一実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムにおいては、複数種類の閾値の中から環境や時刻に応じて何れかの閾値を設定するようにしているため、環境や時間帯に応じた適切な閾値を設定することができる。
これにより、どのような状況においても、利用者が存在しないにも関わらず、存在すると誤って判定してしまうことを防止することができる。
一方、従来の生体検出装置において、環境や時刻に応じて閾値を設定する構成を備えておらず、環境や時間帯によっては、利用者が存在しないにも関わらず存在すると誤って判定することがあった。
本実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムによれば、従来の生体検出装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することができる。
【0072】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る情報処理システムについて、
図18〜
図27を参照して説明する。
本実施形態の情報処理システムは、
図18,
図19に示すように、モニター装置1において呼出ボタン16を設けている以外は、第一実施形態と共通の構成及び機能を備えている。
このため、第一実施形態と共通する構成及び機能については、説明を省略する。
本実施形態の情報処理システムは、以下の特徴的な構成を備えている。
【0073】
[通信切断状態になったときに特別状態アイコンを表示する構成]
図20に示すように、本実施形態の情報処理装置4は、モニター装置1との通信状態が通信切断状態になったときに、通信切断前の利用者の状態、及び、通信切断状態であることを示す特別状態アイコンixを表示するようにしている。
【0074】
このため、情報処理装置4は、制御部45が、当該情報処理装置4とモニター装置1との通信状態を判定する通信状態判定手段の動作を行い、通信状態判定手段により通信切断状態になったと判定された場合、通信切断状態前に決定した状態画像(状態アイコンi1)が示す利用者の状態を識別可能にすると共に、通信切断状態であることが識別可能な特別状態画像(特別状態アイコンix)を決定する状態画像決定手段の動作を行い、通信状態判定手段により通信切断状態になったと判定された場合、状態画像決定手段により決定された特別状態画像を表示する画像情報表示手段の動作を行うようにしている。
【0075】
ここで、情報処理装置4は、モニター装置1との間において、電波を媒体とする無線通信回線を介して生体情報や環境情報を受信している。
このような無線通信においては、電波強度の低下、近傍周波数帯の他の無線電波との干渉その他の理由により、通信回線が切断されることがある。
このため、情報処理装置4は、通信状態判定手段として、通信回線の状態を監視し、通信回線が切断状態か否かを判定する機能を備えている。
例えば、通信回線が確立されている状態において、モニター装置1から所定の識別情報(例えば、空のパケットデータ)を定期的に送信するようにしておくことにより、情報処理装置4において、所定時間内に識別情報の受信が確認されない場合は通信回線が切断状態になったと判定することができる。
また、モニター装置1から受信するビーコンの電波強度が所定レベル未満の場合や、所定時間内に一定量以上のデータを受信しない場合等、実質的な切断状態と判定することもできる。
【0076】
通信回線の状態が通信切断状態になったと判定されると、この通信切断状態になる直前の利用者の状態を示すとともに、通信切断状態であることを示す特別状態アイコンixを決定する。
【0077】
例えば、通信状態が正常な場合においては、第一実施形態と同様に、そのときの利用者の状態に応じ、第二状態アイコンテーブル(
図21(a))に基づいて、各種状態アイコンi1a,i1b,i1cが決定され、ステータスウインドP1の領域aに表示される(
図6(a),
図7(b)参照)。
ここで、例えば、在床中(起床中)に通信切断状態になったと判定された場合、
図21(a)の第二状態アイコンテーブルを参照し、特別状態アイコンixaを決定する。同様に、睡眠中に通信切断状態になったと判定された場合、特別状態アイコンixbを決定し、離床中に通信切断状態になったと判定された場合、特別状態アイコンixcを決定する。
そして、決定した特別状態アイコンixをステータスウインドP1の領域aに表示する。
特別状態アイコンixaは、
図21(b)に示すように、各種状態アイコンi1a〜i1cの背景部分に、通信切断状態になったことを示す「?」からなる第一付加画像iaを重ねた構成としている。
このため、
図21(b)左図によれば、在床中(起床中)に通信切断状態になったことを把握することができ、
図21(b)中央図によれば、睡眠中に通信切断状態になったことを把握することができ、
図21右図によれば、離床中に通信切断状態になったことを把握することができる。
【0078】
また、
図22(a)に示すように、一定値以上の照度が検出された場合には、照明が付いている状態を示す第二付加画像ibが重ねられた状態アイコンi1を表示することができる。例えば、
図22(a)左図は、在床中(起床中)に照明が付いていることを示す起床中(照明付き)アイコンi4であり、
図22(a)右図は、睡眠中に照明が付いていることを示す睡眠中(照明付き)アイコンi5である。
このようなアイコンによれば、照明の消し忘れを報知することができる。
さらに、これらのアイコンに対応した特別状態アイコンixを表示することもできる。例えば、
図22(b)の左図は、起床中で、かつ、照明が点灯している状態において、通信切断状態になったときの特別状態アイコンであり、
図22(b)の右図は、睡眠中で、かつ、照明が点灯している状態において、通信切断状態になったときの特別状態アイコンである。
【0079】
以上のように、本構成によれば、通信状態が切断状態になった場合は、通信状態が切断状態になっていることと、通信が切断する直前の利用者の状態を把握できるようにしている。
このため、何らかの理由で通信状態が切断状態になった場合であっても、通信状態が切断状態になっていることだけでなく、現在の利用者の状態を予測可能となる。
このため、このような場合でも、利用者の適切な管理に役立てることができる。
【0080】
[利用可能でない状態を示す特定状態アイコンを表示する構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、利用者が利用する通信端末(モニター装置1)を設定する設定手段の動作を行い、設定手段によって利用可能に設定されない場合に対応する状態画像として、特定状態画像(特定状態アイコンiy)を決定する状態画像決定手段の動作を行い、状態画像決定手段が特定状態画像を決定した場合、当該特定状態画像を表示する画像情報表示手段の動作を行う。
【0081】
ここで、「設定手段」とは、具体的には、モニター装置1を利用可能な状態にする手段のことをいう。具体的には、「利用者登録」を行うことによって、モニター装置1を利用可能な状態にすることを挙げることができる。
このため、「設定手段によって利用可能に設定されない場合」は、利用者の登録を行わない「利用者未登録」の状態を挙げることができる。
また、「設定手段によって利用可能に設定されない場合」には、「設定手段」により「利用者登録」が実行されても利用可能な状態にならない場合も含まれる。
具体的には、管理者が意図的に「通信切断設定」を行っている場合が相当する。
「通信切断設定」とは、例えば、情報処理装置4において、通信状態をハード的又はソフト的に切断状態にする設定をいう。また、「通信切断設定」には、受信データを破棄・無効にするなど、実質的に通信切断状態にする設定も含まれる。
このような「通信切断設定」は、例えば、入居予定の利用者がいるが、実際の入居までには多少の期間がある(つまり、利用者がいない)ため、利用者登録は済ませておくものの、入居まで利用を制限するために行われる。
なお、「利用者登録」や「通信切断設定」が行われているか否かといった設定状態については、例えば、登録時や設定時にこれらの設定が完了したことを示す識別情報を記憶することで、この識別情報の有無や内容に基づいて判別することができる。
【0082】
そして、
図23のステータスウインドP1に示すように、設定手段によって利用可能に設定されない場合、対応する状態画像(特定状態アイコンiy)を領域aに表示する。
例えば、設定状態が「利用者未登録」の場合は、
図24(a)に示す第三状態アイコンテーブルを参照し、特定状態アイコンiyaを決定し、これを表示する(
図24(b)の左図参照)。
また、設定状態が「通信切断設定」の場合は、同様にして、特定状態アイコンiybを表示する(
図24(b)の右図参照)。
【0083】
加えて、本構成においては、制御部45は、画像情報表示手段として、状態画像決定手段が特定状態画像を決定した場合、通信状態判定手段による判定結果に関わらず、当該特定状態画像を表示する動作を行う。
具体的には、「利用者未登録」や「通信切断設定」の状態の場合に、通信切断状態になったとしても、通信切断になったことを表示することなく、特定状態アイコンiyを固定的に表示するようにしている。
この点に関しては、前述の特別状態アイコンix(
図20参照)が、通信状態が通信切断状態になったときに、それまでの状態アイコンに通信切断になったことを示す第一付加画像iaを加えた表示態様としている点と異なる。
このようにすると、モニター装置1の利用者がいないにも関わらず、状態を表示したり、通信切断状態前の状態を表示する無駄をなくすことができる。
【0084】
[通信切断状態になったときでも環境情報を表示しない構成]
本構成において、検出手段である各センサにより検出される変動情報には環境情報が含まれ、制御部45は、画像情報表示手段として、センサが検出した環境情報を送信可能である通信端末(モニター装置1)から、環境情報を受信したことに基づいて、環境情報に関する情報を表示し、通信状態判定手段により通信切断状態になったと判定された場合、環境情報に関する情報を識別可能に表示しない動作を行う。
すなわち、本実施形態の情報処理システムは、第一実施形態の情報処理システムと同様の構成及び機能を備えており、情報処理装置4は、内部センサ12である温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、照度センサが検出した温度、湿度、気圧、照度といった環境情報を、モニター装置1を介して受信し(
図3参照)、受信した環境情報をステータスウインドP1において表示することができる(
図6の領域c参照)。
【0085】
ただし、本構成において、モニター装置1との通信状態が通信切断状態になったときや、モニター装置1が利用できない環境情報を識別できない表示態様にしている。
具体的には、
図20のステータスウインドP1に示すように、特定状態アイコンiy以外の生体情報(領域bの「在床情報」や「睡眠状態」)や環境情報(領域cの室温、湿度、気圧、照度)を隠蔽した表示態様にすることができる。また、これらの情報を非表示にすることもできる。
これは、仮に、通信切断中に上記情報を表示したとすると、通信切断中であるために表示されている情報が誤っているにも関わらず、これらの情報が正しいと誤認識するおそれがあり、このような誤った認識によって管理者が混乱することを未然に防ぐためである。
すなわち、通信切断状態には、電波強度が低下するなどして実質的に切断状態になった場合も含むため、この場合、モニター装置1から送信された情報が通信の途中で変動し、この結果、情報処理装置4において誤った情報を受信することがあるからである。
また、通信切断前の情報であり、最新ではないために現状とは異なる可能性がある情報を表示すると、これを見た管理者が誤認識することが考えられ、このような不具合を防止するためである。
【0086】
なお、
図23のステータスウインドP1に示すように、特定状態アイコンiyを表示する場合も、これらの情報を識別できない表示態様にすることができる。
このようにすると、利用者がいないにも関わらず、上記情報が表示されていることで、管理者が、利用者がいると誤認識したり、これにより混乱することを防ぐことができる。
【0087】
[所定条件が成立したときに表示態様を変化させる構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、画像情報表示手段の動作として、通信端末(モニター装置1)を利用する利用者の状態を示す状態画像(状態アイコンi1)を含む複数の画像により構成される総合状態表示画像(ステータスウインドP1)を表示する動作を行う。
すなわち、本実施形態の情報処理システムは、第一実施形態の情報処理システム同様の構成・機能を備えており、情報処理装置4は、利用者の状態を示す状態アイコンi1をステータスウインドP1内に表示することができる(
図6(a)参照)。
【0088】
ただし、本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、所定の条件が成立したことに基づいて、総合状態表示画像の表示態様を第1表示態様(ステータスウインドP1)から第2表示態様(ステータスウインドP1a)に変化することが可能であると共に、状態画像(状態アイコン)の少なくとも一部を視認可能な状態で、当該総合状態表示画像(ステータスウインドP1)よりも前に前記所定の条件に応じた画像(ポップアップウインドP3)を表示する動作を行う。
【0089】
ここで、「所定の条件」として、呼出ボタン16の操作など、所定操作があったことを挙げることができる。
呼出ボタン16は、例えば、利用者のベッドの近くに設けられ、モニター装置1と通信ケーブル等を介して接続されている。呼出ボタン16により押しボタン操作が行われると、利用者を特定可能な識別情報(部屋番号、管理番号等)が出力され、これが通信部14を介して情報処理装置4に送信される。
これにより、情報処理装置4は、どの利用者から呼出しがあったかを把握可能となる。このような呼出ボタン16は、利用者の緊急時等において管理者に報知を行う、いわゆるナースコール用に用いることができる。
また、「所定の条件」として、利用者の状態が在床状態から離床状態に変った場合など、報知すべき利用者の状態の変化を挙げることができる。
【0090】
このような条件が成立した場合、制御部45は、例えば、ステータスウインドP1の全体の配色を通常と異ならせる(例えば、通常は灰色で、操作時は赤色)表示制御を行うことで、通常時とは異なる表示態様のステータスウインドP1aを表示することができ、この表示態様の変化によって報知を行うことができる。
また、
図25に示すように、ステータスウインドP1の上端部の領域に有色(例えば赤色のグラデーション)帯状の第三付加画像icを重ねた態様の画像にすることにより、通常のステータスウインドP1(第1表示態様)を他の表示態様のステータスウインドP1a(第2表示態様)に変化させて報知を行うこともできる。第三付加画像icは、ステータスウインドP1の背景部や下層に配置したり、半透明にすることで、ステータスウインドP1における情報の視認性を損なわないようにすることができる。
【0091】
さらに、本構成において、ステータスウインドP1aの表示態様に加え、このステータスウインドP1aより前にポップアップウインドP3を表示するようにしている。
例えば、
図26に示すように、利用者の状態が在床状態から離床状態に変化したことを検出した場合に、ステータス一覧画面P2において、ステータスウインドP1aより上層にポップアップウインドP3を配置して表示することができる。このとき、ポップアップウインドP3は、ステータスウインドP1の状態アイコンi1と重ならない位置に配置される(
図26参照)か、視認可能な程度に一部が重なる態様で配置することができる。
【0092】
これにより、ステータスウインドP1の表示態様の変化による報知を行いつつ、状態アイコンi1を含む各種情報の表示は維持されるので、利用者の状態がわからなくなることはない。
すなわち、本構成によれば、ナースコール操作や利用者の状態変化など、所定の事象が生じたときに、その事象を強調して表示しつつ、利用者の状態を把握可能な表示を行うことができる。
【0093】
本発明の第二実施形態に係る特別状態アイコンの表示方法について、
図27を参照して説明する。
図27に示すように、本実施形態の特別状態アイコンの表示方法では、情報処理装置4において振動情報を受信している(S11)。
この振動情報は、生体センサ21により検出された呼吸、心拍、体動に応じた生体情報であり、これを、モニター装置1を介して一定の間隔で継続的に受信している。
【0094】
次に、利用者の状態の判定を行う(S12)。
利用者の状態判定はS11において受信した振動情報に基づき、利用者が在床中か離床中か、睡眠中か起床中か、睡眠深度を判定することができる。
続いて、S12において判定された状態に応じた状態アイコンi1の表示を行う(S13)。
具体的には、
図6(a)のステータスウインドP1に示すように、在床中(起床中)を示す在床中(起床中)アイコンi1aや、睡眠中を示す睡眠中アイコンi1bや、離床中を示す離床中アイコンi1cを表示することができる(
図7(b)参照)。
【0095】
ここで、通信切断を検出した場合(S14−YES)、通信切断前の利用者の状態と、通信切断状態になったことを示す状態アイコンを表示する(S15)。
具体的には、情報処理装置4は、モニター装置1との通信状態を判定可能な通信状態判定手段としての機能を備えており、これにより通信切断状態になったと判定された場合には、通信切断前における状態アイコンi1と、通信切断状態になったことを示す第一付加画像iaを重ねた態様の特別状態アイコンixを決定し表示する(
図20,
図21参照)。
なお、通信切断が検出されない場合(S14−NO)は、S13に戻り、引き続き利用者の状態に応じた状態アイコンを表示する(
図21(a)参照)。
【0096】
以上のように、本発明の第二実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムにおいては、情報処理装置4が、モニター装置1から受信した振動情報に基づいて、利用者の状態を示す状態アイコンを表示するようにしている。
そして、情報処理装置4は、モニター装置1との通信状態が通信切断状態になった場合に、通信切断前の状態アイコンに付加画像を付加して表示するようにしている。
これにより、通信切断中でも通信切断前の利用者の状態を把握できるため、通信状態が切断された後の現在の利用者の状態を予測することができる。
【0097】
一方、従来の生体情報表示装置は、通信端末との通信状態が切断された状態では、通信状態が切断された理由の表示は行うものの、通信状態が切断される前の利用者の状態が分かるものではなく、通信状態が切断された後の利用者の状態を予測することはできなかった。
本実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムによれば、従来の生体情報表示装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することができる。
【0098】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る情報処理システムについて、
図28〜
図35を参照して説明する。
本実施形態の情報処理システムは、第一〜第二実施形態と共通の構成を備えるとともに、グラフ表示機能以外は、第一〜第二実施形態と共通の機能を備えている。
【0099】
グラフ表示機能に関し、本実施形態の情報処理装置4は、通信部41が、検出手段である各センサが検出した振動情報や環境情報といった変動情報をモニター装置1から受信する動作を行い、制御部45が、利用者の状態を判定する状態判定手段の動作を行い、変動情報の値に基づいて利用者の状態を示すグラフを表示するグラフ表示手段の動作を行う。
状態判定手段の動作は、一定の間隔で行い、例えば、変動情報を受信するたびに行うことができる。
また、状態判定手段により、利用者の睡眠深度(深い眠り、中間の眠り、浅い眠り、覚醒)を判定するとともに、その判定を行った時刻を特定することができる。
また、変動情報から環境情報(温度、湿度、気圧、照度)の値を抽出することができる。
【0100】
これにより、
図28に示すように、横方向を時間軸としたグラフであって、利用者に関する様々な状態の変化を表した総合グラフ画面P4を表示部43に表示させることができる。
総合グラフ画面P4において、領域Aには、利用者の睡眠深度の変化を把握可能な睡眠リズムのグラフを配置し、領域Bには、利用者の周囲の温度(室温)、湿度、気圧、照度の変化を把握可能な環境情報のグラフを配置している。
本実施形態の情報処理システムは、このようなグラフ表示機能において、さらに、以下の特徴的な構成を備えている。
なお、第一〜第二実施形態と共通する構成及び機能については、説明を省略する。
【0101】
[利用者の状態が変化したことを示す変化アイコンを表示する構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、状態判定手段による判定結果に基づいて、利用者が予め定められた状態に変化したか否かを判定する状態変化判定手段の動作を行い、状態変化判定手段による判定結果に基づいて、利用者が予め定められた状態に変化したことを示す変化画像(変化アイコンi6)を決定する変化画像決定手段の動作を行い、グラフ表示手段として、変化画像決定手段により決定された変化画像が表示される第1表示領域と、利用者の状態を示す特定画像zを表示する第2表示領域と、をグラフ(睡眠状態グラフ)に含めて表示する動作を行う。
【0102】
状態変化判定手段により判定される「予め定められた状態」には、利用者がベッドに入ったことを示す「入床」、利用者が眠りに入ったことを示す「入眠」、利用者がベッドから離れたことを示す「離床」がある。
状態変化判定手段は、一定の間隔で行い、例えば、状態判定手段による状態判定のたびに行うことができる。
そして、状態判定の結果が、その直前に行った状態判定の結果と異なる場合に、利用者の状態が変化したと判定することができる。
例えば、
図29に示す変化アイコンテーブルを参照し、利用者の状態が、「離床中」から「在床中」に変化した場合に、変化の種別として「入床」を判定し、「在床中(起床中)」から「睡眠中」に変化した場合に「入眠」と判定し、「在床中」から「離床中」に変化した場合に「離床」と判定することができる。
なお、これ以外にも、「睡眠中」から「在床中(起床中)」に変化した場合に、「起床」と判定することができる。
【0103】
状態変化判定手段により状態の変化が判定されると、その状態に変化したことを示す変化アイコンi6を決定する動作を行う。
具体的には、「入床」が判定された場合には、
図29に示す変化アイコンテーブルを参照し、対応する入床アイコンi6aを決定する。同様に、「入眠」が判定された場合には、入眠アイコンi6bを決定し、「離床」が判定された場合には離床アイコンi6cを決定する。
【0104】
グラフ表示手段の動作として、決定された変化アイコンi6を睡眠状態グラフに含めて配置する。
具体的には、総合グラフ画面P4(
図28)に含まれる領域であって、時間軸に沿って設けた帯状の領域C(睡眠状態グラフの表示領域)内において、状態の変化が判定された時刻に対応する領域D(第1表示領域)に、変化画像決定手段により決定された変化アイコンi6を配置する。
例えば、
図28では、時刻19:15において「入床」の状態変化が判定されたことから、その時刻に対応する領域D1に入床アイコンi6aを配置し、時刻22:35において「入眠」の状態変化が判定されたことから、その時刻に対応する領域D2に入眠アイコンi6bを配置し、時刻07:05において「離床」の状態変化が判定されたことから、その時刻に対応する領域D3に離床アイコンi6cを配置している(
図28の領域C参照)。
【0105】
このような変化アイコンi6によれば、利用者の状態が変化した時期を明確に把握することができる。
また、変化アイコンi6は、入床アイコンi6a、入眠アイコンi6b、離床アイコンi6cごとに、異なる色、模様等を施している(
図28参照)。
このため、状態変化の時期のみならず、その変化した状態の種別を、視覚を通じて把握することができる。
【0106】
また、グラフ表示手段の別の動作として、利用者の状態を示す特定画像を表示する動作を行う。
具体的には、利用者状態判定手段により判定された状態に基づいて、対応する特定画像zを決定する。
例えば、利用者状態判定手段による判定によって、在床中で、かつ、起床中と判定された場合は、
図30に示す睡眠状態グラフテーブルを参照し、対応する在床(覚醒)画像z1を決定する。同様に、在床中で、かつ、睡眠中と判定された場合は、睡眠中画像z2を決定し、離床中と判定された場合は、離床(不在)画像z3を決定する。
特定画像zを決定する動作は、一定の間隔(例えば、1分ごと)に行い、例えば、利用者状態判定手段による状態判定のたびに行うことができる。
【0107】
次に、決定された特定画像zを、睡眠状態グラフに含めて配置する。
具体的には、
図28に示すように、総合グラフ画面P4の領域C(睡眠状態グラフの表示領域)内において、状態判定が行われた時刻に対応する領域E(第2表示領域)に、決定された特定画像zを配置する。
例えば、
図28では、時間帯19:15〜22:35の各時刻において「在床中(起床中)」の状態が判定されたことから、各時刻に対応する領域E1に在床(覚醒)画像z1を配置し、時間帯22:35〜07:05の各時刻(但し、01:30、05:45の時刻は除く)において「睡眠中」の状態が判定されたことから、各時刻に対応する領域E2に睡眠中画像z2を配置し、時間帯07:05〜09:00の各時刻において「離床中」の状態が判定されたことから、各時刻に対応する領域E3に離床(不在)画像z3を配置している(
図28の領域C参照)。
特定画像zは、当該特定画像zを決定するタイミングに応じた時間幅を有する帯状の画像からなり、「在床(覚醒)」、「睡眠中」、「離床(不在)」といった状態の種別が識別できるように、それぞれ異なる色、模様等を施している(
図28参照)。
これにより、
図28の領域Cに示すように、利用者の状態が変化した時期をピンポイントに示す変化アイコンi6と、変化アイコンi6間の期間であって利用者の連続的な状態を示す特定画像zを含む睡眠状態グラフが形成される。
【0108】
このような睡眠状態グラフによれば、利用者の状態の変化があったタイミングを明確に把握することができる。
また、どのような状態に変化したかを容易に把握することができる。
例えば、
図28の領域Cに示す睡眠状態グラフを見ると、利用者は、19:15に入床し、19:15〜22:35の間、在床(覚醒)し、22:35に入眠し、22:35〜07:05の間、睡眠し、07:05に離床したことを把握することができる。このうち、22:35〜07:05の睡眠中の時間帯においては、01:30、05:45の各時刻に覚醒し、その後、すぐに眠りに移行したことを把握することができる。
このため、利用者の睡眠状態等を分析することができる。
例えば、変化アイコンi6の数に注目することで状態変化の頻度を把握することができ、特定画像zの長さに注目することによって状態の連続性を把握することができる。
これにより、寝つきのよさ、夜間における覚醒の有無・頻度、睡眠時間や、夜間以外の時間帯における睡眠(朝寝、昼寝、夕寝)の有無、睡眠時間等を、視覚を通じて容易に把握することができ、利用者の管理等に役立てることができる。
また、このように、利用者の状態の詳細について、利用者の近くにいなくても確認できるため、管理者等に対し優れた利便性を提供することができる。
【0109】
さらに、利用者の長期間に亘る睡眠状態グラフを表示することもできる。
例えば、
図31に示すように、特定の利用者の一定期間(例えば1週間、一ヶ月等)における複数日の睡眠状態グラフを、日ごとに並べて表示することができる。
このような睡眠状態グラフによれば、利用者の生活リズムを把握し易いため、利用者に応じた適切な対応が行い易くなる。
例えば、夜間の睡眠状態が翌日にどのような影響を及ぼすか(例えば、夜間に起床が頻繁な場合、昼寝をする傾向が高いなど)、平日/土日、特定曜日における睡眠状態や状態の変化に特定の傾向があるか、といったことに応じて、利用者の管理等を適切に行うことができる。
【0110】
[通信切断時に通常と異なる表示態様の特別画像を表示し、通信状態の復帰時に通常の表示態様に補正を行う構成]
本構成において、モニター装置1と情報処理装置4は、互いに通信相手との通信状態が通信切断状態であるか否か(正常状態か)を判定可能な機能を備えている。この機能は、第二実施形態の情報処理装置4が備える通信状態判定手段と同様の機能である(前記[通信切断状態になったときに特別状態アイコンを表示する構成]参照)。
この通信状態判定は、一定の間隔(例えば、1分ごと)で行うことができる。
【0111】
情報処理装置4は、通信部41が、モニター装置1から送信される変動情報を受信する受信手段として動作し、制御部45が、グラフ表示手段として、モニター装置1との通信状態が通信切断状態である期間を示す特別画像z4を睡眠状態グラフに含めて表示する動作を行う。
具体的には、通信状態判定により通信切断状態を判定した場合には、睡眠状態グラフテーブル(
図30)から対応する特別画像z4を決定し、睡眠状態グラフに含めて配置する。
【0112】
例えば、
図32に示すように、総合グラフ画面P4の領域C(睡眠状態グラフの表示領域)内において、通信切断状態の判定が行われた時刻に対応する領域E4に、決定された特別画像z4を配置する。
特別画像z4は、他の特定画像(z1〜z3)と同様の帯状の画像であるが、他の特定画像(z1〜z3)と区別できるように色や模様を異ならせている(
図32参照)。
このような睡眠状態グラフによれば、通信切断時に通常と異なる表示態様の特別画像z4を表示するようにしているため、通信切断中の期間が明示され、その期間は状態判定に必要な情報が受信されていない(データ無し)など、異常な状態であることを明確に把握することができる(
図32参照)。
また、
図32の領域Aや領域Bに示すように、睡眠リズムや環境情報のグラフについては、通信切断状態の期間中は何ら表示を行わないようにすることができる。
これによっても、通信切断中の期間を明示することができる。
【0113】
ここで、本構成においては、通信状態が通信切断状態から復帰したときに通常の表示態様に補正を行うようにしている。
このため、モニター装置1は、制御部17が、変動情報を所定期間記憶する変動情報記憶手段として動作し、変動情報記憶手段により記憶された変動情報を送信する変動情報送信手段として動作する機能を備えている。
すなわち、モニター装置1は、各センサにより検出された振動情報を、所定期間分(例えば1週間分)、記憶部13に記憶(蓄積)することができるとともに、蓄積された変動情報を取り出して情報処理装置4に送信する機能を備えている。
【0114】
また、モニター装置1は、制御部17が、変動情報送信手段として、情報処理装置4との通信状態が通信切断状態である場合、通信切断状態から復帰したことに基づいて、当該通信切断状態中において変動情報記憶手段が記憶した変動情報を送信する動作を行う機能を備えている。
この動作にあたり、モニター装置1や情報処理装置4は、通信状態が切断状態になった場合に、その後に正常状態に復帰させることが可能な公知の機能を備えている。
例えば、情報処理装置4は、モニター装置1からの電波強度が低下するなどして電波状況が悪化し、これが原因で通信回線が切断された場合でも、その後、電波状態が良好な状態になった場合に、モニター装置1との通信回線を再度確立して正常な状態に復帰させることができる機能を有している。
【0115】
また、モニター装置1は、この機能に基づき、情報処理装置4との通信状態が切断状態になったことを判定し、さらに、その後、正常な状態になったことを判定した場合に、通信状態が復帰したことを検出する機能を備えている。
加えて、モニター装置1は、通信状態が復帰したことを検出すると、通信切断状態の期間の開始時期から終了時期に至って蓄積した振動情報を記憶部13から取り出し、これを情報処理装置4に送信(再送)する機能を備えている。すなわち、通信切断状態のために、当該通信切断の期間中に情報処理装置4に送信できなかった蓋然性の高い振動情報をあらためて送信する動作を行う。
【0116】
そして、本構成の情報処理装置4は、制御部45が、グラフ表示手段として、モニター装置1との通信状態が通信切断状態から復帰し、通信部41が当該通信切断状態中における振動情報を受信したことに基づいて、特別画像z4を、当該振動情報に基づく表示態様に変更する動作を行う。
具体的には、
図33の睡眠状態グラフに示すように、領域E4を特別画像z4(
図32参照)から、モニター装置1からの再送に応じて受信した通信切断中の期間における振動情報に基づく通常の表示態様の画像(変化アイコンi6や特定画像z)に補正する。
また、同様に、睡眠深度の変化に基づく睡眠リズムのグラフも、通常の表示態様(折れ線グラフ)に補正することができる(
図33の領域A参照)。
このようにすると、各センサにより検出された振動情報については、情報処理装置4において振動情報を受信することができない期間があっても、これをもれなく抽出してグラフに反映させることができる。
このため、利用者の状態を表す表示態様として、信頼性に優れたグラフ表示を行うことができる。
【0117】
ところで、
図32においては、睡眠状態グラフの通信切断中の状態を示す特別画像z4が表示されている一方で、それ以降は、各グラフが通常の表示態様となっており、通信状態が正常状態に復帰しているにも拘わらず、特別画像z4が補正されずに表示されている点で矛盾を有している。
しかしながら、
図32は、睡眠状態グラフにおいて、通信切断中の期間に対応する領域E4に特別画像z4を配置して表示することを主に説明するための図面であり、このため、上記矛盾は本発明を説明するうえで特に問題はないものとして、便宜上、手当てを行っていない。
【0118】
環境情報のグラフについては、睡眠状態グラフや睡眠リズムのグラフと異なり、通常のグラフの表示態様に補正せず、通信切断中の表示を残すようにしている(
図33の領域B参照)。
このように、一部の情報を正常な表示態様に戻さないことで、総合グラフ画面P4において、通信切断状態があったことの履歴を残すことができる。このため、総合グラフ画面P4を見るだけで、通信切断状態があったことやその期間に加え、利用者の状態を正確に把握することができる。
【0119】
なお、このような表示態様とは異なり、一部又は全部の環境情報を、通信切断状態から復帰したときに、補正表示することができる。
また、睡眠状態グラフと睡眠リズムのグラフのうち一方又は双方を、通信切断状態から復帰したときに補正表示しないようにすることもできる。
また、通信状態が復帰したときに補正表示しない情報については、モニター装置1において蓄積せず、又は、再送しないようにすることができる。
【0120】
[環境情報が異常の場合の表示]
前述のとおり、検出手段である各センサにより検出される変動情報には環境情報が含まれ、情報処理装置4は、通信部41が、各センサにより検出された環境情報を受信する受信手段として動作する。
すなわち、モニター装置1は、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、照度センサ等の環境センサを備え、これらの環境センサにより検出された温度、湿度、気圧、照度の情報を情報処理装置4に送信し、これを情報処理装置4が受信するようになっている。
【0121】
ここで、本構成の情報処理装置4は、制御部45が、通信部41により受信された環境情報の値が異常値であるか否かを判定する異常判定手段の動作を行う。
異常の判定は、例えば、モニター装置1から受信した環境情報の値が、予め設定した下限値を下回る場合や上限値を上回る場合に異常値と判定し、下限値と上限値の間(閾値)に含まれる場合に正常値と判定することができる。
例えば、気圧の場合、0hPaなど、地上ではあり得ない気圧の値を閾値に含めないことで、このような異常値を検出することができる。
なお、上記閾値は、例えば、管理者が手動にて設定したり、製造時に予め設定値を記憶させておいたり、Webサイトや外部装置から取得して設定したり、所定期間で得られた環境情報に基づく値に設定することができる。
また、第一実施形態と同様に、環境や時間帯に応じた閾値を自動で設定することができる。例えば、場所が東京である場合に、温度の閾値が0〜40°Cとなるように設定することができ、季節に応じて、温度の閾値を変動するように設定することができる。
異常判定手段の動作は、環境情報の受信に応じ、一定の間隔(例えば、1分ごと)で行うことができる。
【0122】
情報処理装置4は、制御部45が、グラフ表示手段として、環境情報の値について、異常判定手段によって異常値であると判定された場合は、グラフを通常とは異なる表示態様とする動作を行う。
図34は、気圧情報の値について異常な期間がある場合の総合グラフ画面P4の一例である。
図34の睡眠状態グラフに示すように、気圧の値について異常値であるとの判定が得られた場合に、気圧の値が異常値である異常期間に対応する領域E5に特別画像z4を配置している。
また、
図34の領域Aに示すように、睡眠リズムのグラフは、当該異常期間においては非表示としている。
なお、
図34では、異常期間の環境情報として、気圧グラフのみ異常な表示態様(0値)を示しているが、他の環境情報(室温、湿度、照度)についても、通信切断状態と同様の表示態様(0値)とすることができる。
すなわち、睡眠状態グラフ、睡眠リズムのグラフ、及び環境情報のグラフについては、環境情報の値が異常値であると判定された場合、通信切断状態の場合と同様の表示態様とすることができる。
【0123】
環境情報の値が異常値であると判定された場合にこのような表示態様としたのは、以下の理由からである。
すなわち、本実施形態の情報処理システムは、複数の装置が互いに通信可能なネットワークを構成しているため、例えば、情報処理装置4において、気圧の異常を判定したときには、その原因は、気圧センサ単体の異常のほか、通信状態の異常によるデータ破損、モニター装置1や情報処理装置4のハードウェア・ソフトウェア上の不具合等も考えられる。
このため、環境情報のうち少なくとも一部の環境情報の値が異常な場合には、他の環境情報を含めすべての変動情報の値が異常である可能性が高く、通信状態が切断状態になった場合と共通する。
【0124】
このため、
図34の睡眠状態グラフ、睡眠リズムのグラフ、環境情報のグラフのように、環境情報の値が異常な期間を示す領域E5に通信切断状態になった場合と同じ表示態様にする(特別画像z4の表示、非表示、0値表示)ことで、誤った情報に基づいてグラフが形成されたり、このような不正確なグラフを見て誤った認識や混乱することを防ぐことができる。
【0125】
ただし、情報処理装置4は、制御部45が、環境情報の値が異常値から正常値に復帰し、異常判定手段により異常値でないと判定された場合であっても、検出手段が検出した異常期間中における変動情報に基づいて、特別画像z4を、当該変動情報に基づく表示態様に変更しないようにしている。
すなわち、環境情報の値が異常値から正常値に戻ったとしても、その間の環境情報によって補正しないようにしており、この点において、通信切断状態から復帰した場合と動作が異なる。
これは、例えば、気圧の値が異常値から正常値に戻ったとしても、その異常の原因が気圧センサの故障等の場合が考えられ、この場合、異常期間中に蓄積されている気圧情報は信頼性の低い情報である可能性があるからである。
このため、本構成によれば、環境情報が異常から正常に復帰したとしても、異常な値にもとづき誤ったグラフが形成されて表示されることを防ぐことができる。
【0126】
本発明の第三実施形態に係る睡眠状態グラフの表示方法について、
図35を参照して説明する。
図35に示すように、本実施形態の睡眠状態グラフの表示方法では、情報処理装置4において振動情報を受信している(S21)。
この振動情報は、生体センサ21により検出された呼吸、心拍、体動に応じた生体情報であり、これを、モニター装置1を介して一定の間隔で継続的に受信している。
【0127】
次に、利用者の状態、及び、利用者の状態の変化を判定する(S22)。
利用者の状態の判定は、S21において受信した振動情報に基づき、利用者が在床中か離床中か、睡眠中か起床中か、睡眠深度を判定することができる。利用者の状態の判定は、一定の間隔ごとに継続的に行う。
使用者の状態の変化は、継続的に行われる利用者の状態の判定結果に基づいて、入床、入眠、離床を判定する。
ここで、S22において利用者の状態の変化が判定されたか否かを判断する(S23)。
【0128】
利用者の状態の変化が判定された場合(S23−YES)、利用者の状態が変化したことを示す変化アイコンi6を睡眠状態グラフに含めて表示する(S24)。
具体的には、状態変化判定手段の判定結果に基づいて、「入床」に対応する「入床アイコンi6a」、「入眠」に対応する「入眠アイコンi6b」、「離床」に対応する「離床アイコンi6c」を決定し(
図29参照)、睡眠状態グラフに含めて表示する。
他方、利用者の状態の変化が判定されない場合(S23−NO)、利用者の状態を示す特定画像zを睡眠状態グラフに含めて表示する(S25)。
具体的には、状態判定手段の判定結果に基づいて、「在床中(起床中)」、「睡眠中」に対応する特定画像「在床(覚醒)画像z1」、「睡眠中」対応する特定画像「睡眠中画像z2」、「離床中」に対応する特定画像「離床(不在)画像z3」を決定し、睡眠状態グラフに含めて表示する。
これにより、変化アイコンと特定画像zが時系列に沿って交互に配置された睡眠状態グラフを表示することができる(
図28参照)。
【0129】
以上のように、本発明の第三実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムにおいては、情報処理装置4が、モニター装置1から受信した生体情報に基づいて利用者の睡眠深度を判定し、この判定結果を用いて利用者の睡眠状態を示す睡眠状態グラフを表示するようにしている。
そして、この睡眠状態グラフにおいては、利用者の状態が変化した時期を示す変化アイコンi6と、変化アイコンi6間における利用者の状態を示す特定画像zを表示するようにしている。
このように、変化アイコンi6や特定画像zをグラフに含めて表示することにより、利用者の状態が変化するタイミングを分かり易くすることができる。
【0130】
一方、従来の睡眠状態評価装置は、利用者の睡眠状態を示すグラフを表示するようにしているが、睡眠状態を示すための表示として、グラフ上の色を変えているだけであるため、より分かり易いグラフとしては改善の余地があった。
本実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムによれば、従来の睡眠状態評価装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することができる。
【0131】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係る情報処理システムについて、
図36〜
図44を参照して説明する。
本実施形態の情報処理システムは、前述の第一〜第三実施形態と共通の構成・機能を備えるが、照度センサを介して検出される照度情報に基づいて、利用者に対して巡回が行われたと判定可能な巡回判定機能を有する点で異なる。
具体的には、
図36に示すように、所定のスイッチ操作により懐中電灯5を種々のパターンで点灯又は消灯させ、これに応じ照度センサが検出し、モニター装置1から受信した照度の変化に基づいて、情報処理装置4において、巡回が行われたと判定するところに特徴を有している。
また、この懐中電灯5は、本来、夜間に巡回を行う管理者(以下、巡回者という。)が、巡回時のルーチンワークとしての利用者の状態確認に用いる道具であり、本実施形態では、この懐中電灯5を用いて情報処理装置4に巡回判定を行わせるところに特徴を有する。
以下、このような巡回判定及び関連する機能について説明する。
なお、第一〜第四実施形態と共通する構成及び機能については、詳細な説明を省略する。
【0132】
[照度の変化パターンに基づいて巡回判定を行う構成]
本構成において、本実施形態の情報処理装置4は、制御部45が、照度検出手段が検出した照度を示す照度情報から特定される照度の変化パターンが、予め定められた変化パターンであるか否かを判定する変化パターン判定手段の動作を行い、変化パターン判定手段により、前記照度の変化パターンが予め定められた変化パターンであると判定されたことに基づいて、巡回が行われたと判定する巡回判定手段の動作を行う。
具体的には、照度センサが検出した照度の情報であって、モニター装置1を介して一定の間隔(例えば、1秒ごと)で受信した照度情報に基づいて照度の高低に対応したON/OFFを判定するとともに、このON/OFFの変化パターンが、予め定めたON/OFFの変化パターンと一致するか否かを判定し、一致する判定がなされた場合に、巡回が行われたと判定する。
なお、巡回の判定は、モニター装置1から照度情報とともに受信するSSIDと利用者登録テーブル(
図5)に基づき、モニター装置1の利用者や当該利用者の部屋ごとに行うことができる。
【0133】
「ON」又は「OFF」は、照度が所定値以上の場合に「ON」と判定し、照度が所定値未満の場合に「OFF」と判定することができる。
また、「所定値」は任意の値を設定することができる。例えば、巡回者が巡回時に用いる懐中電灯5の照度がXルクスの場合、これに所定係数(例えば、0.8)を掛けたY(=0.8×X)ルクス以上の場合に「ON」と判定し、照度がYルクス未満の場合に「OFF」と判定する。
【0134】
「予め定められた変化パターン」は、OFF→ON、ON→OFF、OFF→ON→OFFといったON/OFFの変化の態様、回数、タイミング等を識別可能なデータ(基準パターン)であり、これを予め記憶部42に記憶している。
【0135】
ところで、本実施形態では、懐中電灯5を照度センサ側に向けた状態でスイッチを所定のパターンでオン/オフすることを巡回時のルーチン操作としている。
このようなルーチン操作によれば、当該ルーチン操作に応じて懐中電灯5を点灯又は消灯させ、この点灯/消灯に応じ照度センサを介して照度の変化を検出させることができる。
そこで、本構成では、基準パターンを定めるに際し、ルーチン操作におけるスイッチのオン/オフのパターンを事前に設定し、この設定したパターンに基づきオン/オフ操作を行った場合に検出が想定される照度変化のパターンを基準パターンとして定めるようにしている。
このようにすると、巡回時のルーチン操作によって基準パターンと一致する照度の変化が検出されるため、このルーチン操作を行うことによって情報処理装置4に巡回が行われたと判定させることができる。
【0136】
このような基準パターンとして、例えば、
図37(a)〜(d)に示すパターンA〜Dを挙げることができる。
【0137】
パターンAは、「1秒以内におけるON/OFFの変化を2回」とした基準パターンである。
パターンAは、懐中電灯5において短時間におけるオフ→オン→オフのスイッチ操作を2回行うことを巡回時のルーチン操作として、当該ルーチン操作による懐中電灯5の点灯/消灯に応じ照度センサを介して検出される照度の変化パターン(ON/OFFパターン)に合わせたものである。
このため、巡回者が上記のような簡易なルーチン操作を行うだけで、これに応じ、情報処理装置4では、パターンAと一致するON/OFFの変化パターンが検出されて、巡回が行われたと判定される。
【0138】
また、基準パターンにおいてON/OFFの変化回数は任意に設定することができる。
例えば、パターンBは、パターンAに比べON/OFFの変化回数を増やし「1秒以内におけるON/OFFの変化を3回」とした基準パターンである。
パターンBに対応したルーチン操作は、懐中電灯5において短時間におけるオフ→オン→オフのスイッチ操作を3回行うことであり、このルーチン操作が行われると、情報処理装置4は、パターンBと一致する照度の変化パターンが検出されて、巡回が行われたと判定する。
パターンBは、パターンAとはON/OFFの変化回数が多く、その分だけ巡回判定の精度を高めることができる。
【0139】
また、パターンAやパターンBのように、「短い期間内(1秒以内)における照度の変化(OFF→ON→OFF)を複数回」とすることで、日常生活において生ずる通常の照度の変化を、巡回の判定から除外することができる。
例えば、利用者が夜間に自室内で所用のために起きる場合(例えば、読書を行う場合や自室内のトイレに行く場合等)があり、この場合、室内灯を点灯し、所用が済んだ後に消灯することから、この室内照度の変化を、照度センサを介して検出することになる。
しかしながら、この場合、光センサを介して検出される照度の変化(OFF→ON→OFF)は1回のみであって、照度の変化が2回であるパターンAやパターンBとは一致しないことから、巡回が行われたと判定されない。
このため、上記のような日常的な照度の変化があっても、これに基づいて巡回が行われたと誤って判定することがなく、精度の高い巡回判定を行うことができる。
【0140】
パターンCやパターンDは、「所定時間以内に、短い期間内(1秒以内)における照度の変化(OFF→ON→OFF)を複数回」とした基準パターンであり、パターンAなどと異なり、複数回の照度の変化を所定時間内に収めたパターンである。
ここで、「所定時間」は、例えば、巡回時の作業量に合わせ任意の時間を設定することができる。
例えば、巡回が、利用者が部屋に居ることを確かめる程度ですぐ済む場合には、パターンCのように所定時間を10秒とし、巡回の際、利用者の寝返り補助やおむつ替え等の相当量の介助作業を行う場合には、パターンDのように、所要時間を10分〜15分の範囲とすることができる。
【0141】
そして、パターンCやパターンDに対応するルーチン操作は、巡回時の作業の前後において、懐中電灯5において短時間におけるオフ→オン→オフのスイッチ操作を所定時間内に所定回数行うことであり、このルーチン操作が行われると、情報処理装置4は、パターンCやパターンDと一致する照度の変化パターンが検出されて、巡回が行われたと判定する。
すなわち、巡回時のルーチン操作としては、上記スイッチ操作を巡回の開始時と終了後に分けて行うだけなので、巡回者に過度な負担を加えることはなく、巡回時の作業を一定の規律に沿って効率的に進めるように促すことができる。
また、時間的制限を巡回判定の条件に加えることで、巡回判定の精度を一層高めることができる。
【0142】
このように、本構成の情報処理装置4によれば、照度センサが検出した照度の変化パターンが、予め定めた基準パターンと一致した場合に巡回が行われたことを判定するようにしている。
そして、この変化パターンや基準パターンは、巡回時のルーチンワークに用いる懐中電灯の操作に応じた点灯/消灯の変化に対応している。
このため、巡回時のついでに行うことが可能な懐中電灯の簡易操作によって、巡回を進めることができ、また、巡回の履歴を自動的に残すことができる。
【0143】
[照度の変化と睡眠状態に基づいて巡回判定を行う構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、照度検出手段が検出した照度を示す照度情報に基づいて、照度が変化したか否かを判定する照度変化判定手段の動作を行い、変動情報検出手段が検出した利用者の状態を示す変動情報に基づいて利用者が睡眠中であるか否かを判定する睡眠状態判定手段の動作を行う。
照度変化判定手段は、照度センサにより検出され、モニター装置1を介して一定の間隔で受信した照度の情報に基づいて、所定の照度の変化を検出する。
具体的には、巡回者が懐中電灯5を照度センサ側に向けた状態で行うスイッチのオン操作を巡回時のルーチン操作として予め取り決めておき、このルーチン操作により懐中電灯5が点灯することに応じ、照度センサを介して検出が想定される照度の立ち上がり(OFF→ON)を検出する。
【0144】
睡眠状態判定手段は、具体的には、生体センサ21により検出され、モニター装置1を介して一定の間隔で受信する振動情報に基づき、利用者が睡眠中か否かを判定する。
【0145】
そして、制御部45は、照度変化判定手段により照度が変化したと判定されたこと、及び睡眠状態判定手段により利用者が睡眠中であると判定されたことに基づいて、巡回が行われたと判定する巡回判定手段の動作を行う。
具体的には、
図38に示すパターンEの条件に基づき、対象の利用者が睡眠中で、かつ、照度の立ち上げ(OFF→ON)が判定された場合に、巡回が行われたと判定する。パターンEの条件は、参照可能なデータとして予め記憶部42に記憶している。
このような巡回判定は、例えば、巡回者が、自身が携行するスマートフォンやタブレットで利用者の睡眠状態をリアルタイムで確認しながら、睡眠中の利用者に対してのみ巡回を行うようにすることができる。
そして、この場合の巡回時のルーチン操作として、巡回者が携行する懐中電灯5を照度センサに向けてスイッチのオン操作を1回だけ行う。
これにより、照度センサにより検出される照度の変化としてOFF→ONが検出され、かつ、利用者は睡眠中であることにより、パターンEの条件を満たすため、情報処理装置4に、巡回が行われたことを判定させることができる。
【0146】
このようにすると、照度の変化パターンのみにもとづいて巡回判定を行う場合に比べ睡眠中であることを条件に加えているため、単に寝ていない利用者が室内灯を点灯した場合に、これを誤って巡回が行われたと判定することを防ぐことができる。
また、照度に関する巡回判定の条件としては、照度の立ち上がり(OFF→ON)だけを検出すれば足りるためより簡易なルーチン操作によって正確な巡回判定を行うことができる。
また、睡眠中の利用者を対象に巡回を行うことに対応し、巡回判定の条件として照度の変化の少ない変化パターンを用いることで、巡回時のルーチン操作によって利用者を起こしにくくすることができる。
【0147】
[所定の条件に応じて基準パターンを変更する構成]
本構成において、「予め定められた変化パターン」である基準パターンは、複数種類の変化パターンを含むようにしている。
本構成の情報処理装置4は、複数種類の変化パターンとして前述のパターンA〜Eを記憶部42に記憶しているものとする。
そのうえで、情報処理装置4は、制御部45が、所定の変更条件が成立したことに基づいて、複数種類の変化パターンのうち何れかに変更する変更手段の動作を行い、巡回判定手段の動作として、照度の変化パターンが、変更手段により変更された変化パターンであるか否かを判定し、変更された変化パターンであると判定されたことに基づいて、巡回が行われたと判定する。
【0148】
例えば、巡回時の時刻が所定の時間帯に含まれる場合に変更条件が成立したとして基準パターンを変更する態様の巡回判定を挙げることができる。
具体的には、
図39(a)に示すように、00:00〜07:00の時間帯Aは、基準パターンとしてパターンAを対応付け、19:00〜00:00の時間帯Cは、基準パターンとしてパターンBを対応付けた時間帯テーブルを予め記憶部42に記憶しておき、これを巡回判定の際に参照する。
この時間帯テーブルに基づけば、例えば、時間帯Cに含まれる00:00までは、照度の変化パターンがパターンCと一致するか否かを判定し、当該判定において一致したことが判定された場合に巡回が行われたことの判定を行うが、その後、00:00を過ぎて時間帯Aに含まれることになったときは、基準パターンがパターンCに変更されるため、照度の変化パターンがパターンCと一致した場合に巡回が行われたことの判定を行う。
なお、07:00〜19:00の時間帯Bは、昼間であり巡回判定を行わない時間帯であるため基準パターンを設定していない。
【0149】
このように、巡回時の時刻が所定の時間帯に含まれる場合に変更条件が成立したとして基準パターンを変更する態様の巡回判定は、例えば、時間帯ごとに睡眠深度が特定できる場合などに用いることができる。
例えば、眠りが浅い時間帯が予め特定できている場合には、その時間帯に巡回を行う場合には、照度の変化回数が比較的少ない基準パターン(例えばパターンA)を用い、対応するルーチン操作を巡回時に行うようにする。
このようにすると、巡回時のルーチン操作に伴う懐中電灯5の点灯/消灯の回数を抑えることができ、当該点灯/消灯の繰り返しによって利用者が起こされることを防ぐことができる。
また、時間帯Bのように巡回判定を行わない時間帯を設けることによって、明らかに巡回を行わない時間帯にもかかわらず、カーテンの開閉など何らかの理由によって誤って巡回が行われたと判定されることを防ぐことができる。
【0150】
また、
図39(b)に示すように、00:00〜07:00の時間帯Aは、基準パターンとしてパターンAを対応付け、19:00〜00:00の時間帯Cは、基準パターンとしてパターンEを対応付けた時間帯テーブルを予め記憶部42に記憶しておき、これを巡回判定の際に参照することもできる。
この時間帯テーブルに基づけば、巡回時の時刻が時間帯Aに含まれる場合は、照度の変化パターンがパターンAと一致するか否かの判定を行い、当該判定において一致したことが判定された場合に巡回が行われたことの判定を行い、巡回時の時刻が時間帯Cに含まれる場合は、照度の変化が判定され、かつ、睡眠状態が判定された場合に、巡回が行われたことの判定を行う。
【0151】
なお、時間帯に限らず、月や季節に応じて基準パターンを変更することもできる。また、気温・湿度等の環境値や、利用者や巡回者の属性値(年齢、在籍年数等)に応じて基準パターンを変更することもできる。
【0152】
[睡眠深度に応じて基準パターンを変更する構成]
本構成において、「予め定められた変化パターン」である基準パターンは、睡眠深度に応じた複数種類の変化パターンを含むようにしている。
例えば、本構成の情報処理装置4は、
図40に示すように、浅い眠りには基準パターンとしてパターンAを対応付け、中間の眠りや深い眠りには基準パターンとしてパターンBを対応付けた睡眠深度テーブルを予め記憶部42に記憶しておき、これを巡回判定の際に参照することができる。
情報処理装置4は、制御部45が、変動情報検出手段が検出した利用者の状態を示す変動情報に基づいて、利用者の睡眠深度を判定する睡眠深度判定手段の動作を行い、変更手段として、睡眠深度判定手段により判定された睡眠深度に基づいて、複数種類の変化パターンのうち何れかに変更する動作を行い、巡回判定手段として、照度の変化パターンが、変更手段により変更された変化パターンであるか否かを判定し、変更された変化パターンであると判定されたことに基づいて、巡回が行われたと判定することができる。
【0153】
睡眠深度判定手段は、具体的には、睡眠状態判定手段によって睡眠中と判定された利用者について、公知の方法に基づき、浅い眠り、中間の眠り、又は、深い眠りのいずれかを判定することができる(第一実施形態の利用者判定手段の記載を参照)。
そして、睡眠深度テーブルに基づき、利用者が浅い眠りの間は、照度の変化パターンがパターンAと一致した場合に、巡回が行われたことの判定を行うが、中間の眠りや深い眠りに移行した場合は、基準パターンがパターンBに変更されるため、照度の変化パターンがパターンBと一致した場合に、巡回が行われたことの判定を行う。
具体的には、巡回者は、自身が携行するスマートフォンやタブレットで各利用者の睡眠状態をリアルタイムで確認しながら施設内を移動が可能な場合において、睡眠中の利用者に対し、その睡眠深度に応じた基準パターンに対応したルーチン操作を行う。
このため、眠りが浅い利用者に対する巡回においては、懐中電灯5による点灯/消灯を抑えたルーチン操作が可能となり、利用者の睡眠が妨害されて起こされることを防ぐことができる。
【0154】
[睡眠深度及び巡回判定を示す情報を表示する構成]
本構成において、情報処理装置4は、制御部45が、通信部41が受信した照度情報の値に基づいて、照度の変移を示すグラフを生成するグラフ生成手段として動作し、巡回判定手段により巡回が行われたと判定されたことに基づいて、当該巡回が行われたことに関する情報を示す画像である巡回情報画像を生成する巡回情報画像生成手段として動作し、グラフ生成手段により生成されたグラフと共に巡回情報画像生成手段により生成された巡回情報画像を表示する巡回情報画像表示手段として動作する。
【0155】
グラフ生成手段は、具体的には、照度センサが検出し、モニター装置1から一定間隔ごとに受信した照度情報に基づき、当該照度情報の受信時刻(又は送信時刻、検出時刻)と照度(照度値)を対応付けることで、照度の変化を把握可能なグラフ(例えば、折れ線グラフ)を生成する。
巡回情報画像生成手段は、具体的には、巡回が行われたことの履歴情報などを含む画像を巡回情報画像として生成する。例えば、対象の利用者について、2015年11月30日において、巡回が行われた1回目と2回目の判定に対応して「2015/11/30において、1回目の巡回が行われました。」や「2015/11/30において、2回目の巡回が行われました。」といった情報を含む吹き出し画像を生成する。
【0156】
巡回情報画像表示手段は、このようにして生成された照度のグラフ(折れ線グラフ)と巡回情報画像(吹き出し画像)を共に表示する。
具体的には、
図41の総合グラフ画面P4に示すように、照度の折れ線グラフを表示するとともに、巡回情報画像である吹き出し画像を、1回目及び2回目の巡回が行われた時刻に対応する位置に表示する。
なお、この総合グラフ画面P4には、睡眠深度(浅い眠り、中間の眠り、深い眠り)の変移を示すグラフ(睡眠リズム)も表示することができる。
このような総合グラフ画面P4によれば、巡回を行った時刻や回数といった巡回履歴を視認可能に表示することができる。
【0157】
ところで、1回目の巡回の判定は、短い時間内における照度の変化が2回検出されたことに基づき、照度の変化パターンがパターンAと一致したことによって行われたものである。
また、2回目の巡回の判定は、照度の変化を検出し、かつ、そのときに利用者が睡眠中であることを検出したから、パターンEの条件と一致したことに基づいて行われたものである。
このことは、総合グラフ画面P4において、照度のグラフから読み取れる照度の変化パターンや、当該照度の変化パターンと睡眠深度のグラフから把握される利用者の睡眠状態との関係からも推察することができる。
【0158】
図42に示すように、利用者に対する巡回回数を日付ごとに表示することができる。
また、巡回回数とともに予定巡回回数を表示することもできる。この予定巡回回数は管理者等によって事前に設定することができる。
さらに、巡回回数が予定巡回回数に満たなかった場合には、その旨を報知することができる。
例えば、
図42の例では、2月12日の予定巡回回数が3回であるにもかかわらず、巡回回数が2回であったため、当該巡回回数の表示領域に所定模様の網掛け(網掛けA)を施している。
これにより、2月12日は、予定通り巡回が行われなかったことを報知することができる。
また、巡回回数が予定巡回回数よりも著しく多い場合には、その旨を報知することができる。
例えば、
図42の例では、2月15日の予定巡回回数が3回であるのに対し、巡回回数がこれを遙かに超える15回となっているため、当該巡回回数の表示領域に網掛けAとは異なる模様の網掛け(網掛けB)を施している。
なお、巡回回数が予定巡回回数より著しく多いか否かは、例えば、巡回回数が、予定巡回回数×N(例えば、N=4)より多いか否かに基づいて判定することができる。
これにより、2月15日は、照度センサが故障した可能性があることを報知することができる。
【0159】
[巡回判定に関する他の構成]
この他、巡回判定に関する種々の構成を備えることができる。
例えば、一の部屋に複数の利用者が居住しており、そのうちの一部の利用者について巡回が行われたと判定された場合に、その部屋のすべての利用者について巡回が行われたと判定することができる。
具体的には、情報処理装置4において、対象となる複数の利用者に対し同じグループ番号を付し、このうち特定又は不特定の一又は複数の利用者について巡回が行われたと判定された場合に、そのグループに属するすべての利用者について巡回が行われたと判定することができる。
このようにすると、部屋単位で巡回を行うことができるため、一の部屋に複数人が居住する場合でも、円滑に効率よく巡回を進めることができる。
【0160】
また、モニター装置1において、巡回が行われたことを報知させることもできる。
このため、モニター装置1は、図示しないLEDなどの発光手段や、スピーカなどの音声出力手段を備え、情報処理装置4は、巡回が行われたと判定した場合に、その旨を示す情報を対象のモニター装置1に送信する手段を備えている。
そして、モニター装置1は、情報処理装置4から上記情報を受信すると、発光手段により発光を行わせ、音声出力手段により音声を出力させる。
このようにすると、巡回者は、巡回が完了したことをその場に設置されているモニター装置1を介してすぐに確認できるため、確実にかつ効率よく巡回を進めることができる。
【0161】
また、モニター装置1において、巡回が行われたことを発光により報知する場合には、基準パターンとの一致判定において、照度の変化パターンとして、照度の立ち下がり(ON→OFF)を検出したことを契機に発光させるようにすることができる。
このようにすると、巡回時のルーチン操作において懐中電灯5を消灯させたタイミングで報知動作としての発光が行われるため、巡回が行われたことを明確に認識することができる。すなわち、仮に、ルーチン操作において懐中電灯5を点灯させたタイミングで報知動作としての発光を行うこととすると、当該発光が懐中電灯5の点灯により目立ちにくく、巡回が行われたことを明確に認識できないおそれがある。
【0162】
次に、本発明の第四実施形態に係る第一の巡回判定方法として、照度センサを介して検出される照度の変化パターンに基づいて巡回判定を行う方法について、
図43を参照して説明する。
図43に示すように、この巡回判定方法では、情報処理装置4において照度情報を受信している(S31)。
具体的には、通信部41が照度センサにより検出される照度情報を、モニター装置1を介して一定の間隔で継続的に受信する。
【0163】
次に、照度の変化パターンが予め定められた変化パターンと一致するか否かを判定する(S32)。
具体的には、予め設定した巡回時のルーチン操作によって懐中電灯5が点灯又は消灯することに応じて検出が想定される照度の変化パターン(基準パターン)を記憶部42に記憶しておく(
図37参照)。
そして、制御部45は、通信部41を介して一定の間隔で受信した照度情報に基づいて特定される照度の変化パターンと基準パターンとが一致するか否かを判定する。
【0164】
S32において、照度の変化パターンが予め定められた変化パターンと一致すると判定された場合(S32−YES)、巡回が行われたと判定する(S33)。
S32において、照度の変化パターンが予め定められた変化パターンと一致すると判定されなかった場合(S32−NO)、S31に戻る。
【0165】
次に、本発明の第四実施形態に係る第二の巡回判定方法として、照度センサを介して検出される照度の変化と利用者の睡眠状態との関係に基づいて巡回判定を行う方法について、
図44を参照して説明する。
図44に示すように、この巡回判定方法では、情報処理装置4において照度情報及び振動情報を受信している(S41)。
具体的には、通信部41が、照度センサにより検出される照度情報と、生体センサ21により検出される呼吸、心拍、体動に応じた生体情報としての振動情報を、モニター装置1を介して一定の間隔で継続的に受信する。
【0166】
次に、照度の変化の有無を判定する(S42)。
具体的には、通信部41を介して一定の間隔で受信した照度情報に基づいて特定される照度の変化として、照度の立ち上がり(OFF→ON)を検出する。
すなわち、巡回者が懐中電灯5を照度センサ側に向けた状態で行うスイッチのオン操作を巡回時のルーチン操作として予め取り決めておき、このルーチン操作により懐中電灯5が点灯することに応じ、照度センサを介して検出が想定される照度の立ち上がり(OFF→ON)を検出する。
【0167】
S42において、照度の変化が有ると判定された場合(S42−YES)、利用者は睡眠中か否かを判定する(S43)。
具体的には、通信部41を介して一定の間隔で受信している振動情報に基づいて、利用者が睡眠中か否かを判定する。
【0168】
S43において、利用者は睡眠中と判定された場合(S43−YES)、巡回が行われたと判定する(S44)。
S42において、照度の変化が有ると判定されなかった場合(S42−NO)、又はS43において、利用者が睡眠中と判定されなかった場合(S43−NO)、S41に戻る。
【0169】
以上のように、本発明の第四実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムにおいては、情報処理装置4が、照度センサが検出した照度情報から特定される照度の変化パターンが、予め定められた変化パターンであるか否かを判定し、前記照度の変化パターンが、予め定められた変化パターンであると判定されたことに基づいて、巡回が行われたと判定するようにしている。
また、照度センサが検出した照度を示す照度情報に基づいて、照度が変化したか否かを判定するとともに、生体センサ21が検出した変動情報に基づいて、利用者が睡眠中であるか否かを判定し、照度が変化したと判定されたこと、及び利用者が睡眠中であると判定されたことに基づいて、巡回が行われたと判定するようにしている。
そして、これらの巡回判定は、巡回者が夜間の巡回時に懐中電灯5を用いて通常的に行うルーチンワークのついでに実施できるように、懐中電灯5を用いた簡易な操作に応じて行われるようにしている。
このため、巡回者は巡回時の付加的かつ簡易な操作によって、情報処理装置4に、利用者について巡回が行われたと判定させることができ、また、これに伴って、巡回を行ったタイミングや回数等の巡回履歴を残すことが可能になる。
【0170】
一方、従来のナースコールシステムやナースコール親機としての情報処理装置には、巡回が完了した際に、部屋の出入口付近に設置されたボタンを押下することで、巡回時刻等の履歴データを記憶することが可能なものがあるが、この場合、巡回者の手でボタンを直接押下操作しなければならないため、煩わしい。
すなわち、巡回時の作業にボタン押下という新たな作業が加わるため、巡回者にとって煩わしく、また、ボタン操作が巡回時の作業とは関連しない動作であるため忘れ易く、改善の余地があった。
本実施形態の情報処理装置及び情報処理プログラムによれば、従来の情報処理装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することができる。
【0171】
[他の実施形態]
次に、本発明の他の実施形態に係る情報処理システムについて、
図45〜
図51を参照して説明する。
本実施形態の情報処理システムは、上述した第一〜第五実施形態と共通の構成及び機能を有しつつ、これ以外にも様々な機能を提供することができる。
【0172】
例えば、
図45,
図46に示すように、モニター装置1に接続される外部センサとして光センサ22を設け、これを徘徊検知機能に利用することができる。
光センサ22は、赤外線や可視光に基づいて所定の範囲内における人の所在(存在・不在)を検出可能な検出手段である。
本実施形態では、光センサ22をベッドの付近に設けており(
図45参照)、これにより、情報処理装置4の状態判定手段や状態変化判定手段とは別に、利用者の存在・不在を検出することができる。
このため、例えば、利用者がベッドに入床した場合は、光センサ22がこれを検出し、モニター装置1は、これを契機に、入床情報を情報処理装置4に送信する。情報処理装置4は、入床情報を受信することで利用者の「入床」を検出することができ、入床情報を受信しなくなるか、不在を検出したことを示す離床情報を受信することによって利用者の「離床」を検出することができる。
【0173】
[情報処理装置における徘徊検知機能の設定]
図47(a)〜(c)に示す画面は、タブレットなどの情報処理装置4の表示部43に表示される徘徊検知機能に関する設定操作画面である。
図47(a)は、徘徊検知を行うための基本設定を行う基本設定画面である。
この基本設定画面において、設定ボタンm2を押すことによって、離床タイマー表示領域m1の表示が、「1分」→「5分」→「30分」→「60分」→「1分」・・・と順次切り換わる。
動作ボタンm3は、これを押すことによって、基本設定のON(有効)とOFF(無効)を切り替えることができ、また、これに伴って設定ランプm4が点灯/消灯する。
例えば、離床タイマーとして「10分」が選択された状態で動作ボタンm3をON操作することによって、徘徊判定時間「10分」の設定情報が記憶部42に記憶され、これにより、基本設定が有効(ON)になる。
なお、ON/OFFの設定情報は、設定のたびにモニター装置1に送信され、モニター装置1側においても設定状態を認識できるようにしている。
【0174】
ここで、情報処理装置4において、状態変化判定手段により状態変化として「離床」が判定され、当該判定時から「離床中」の状態が連続して「10分」以上続いた場合(すなわち、離床してから10分以内に利用者がベッドに戻らない場合)は、徘徊の可能性があるとみなす徘徊判定を行う。
そして、徘徊判定がなされると、利用者を特定可能な情報(氏名、部屋番号等)を表示するなどして徘徊検知の報知を行う。
なお、基本設定において、「0分」を設定可能にすることもできる。このようにすることで、「離床」が判定されたことを契機に、即座に、報知を行うことができる。
【0175】
オプションセンサーボタンm6は、モニター装置1において光センサ22の接続が検出され、これにより、モニター装置1から送信される所定の接続情報を情報処理装置4が受信することでチェックが表示される。
また、オプションセンサーボタンm6の表示とともに、「入床判断あり」ボタンm8にチェックが表示され、光センサ22による入床判断を伴った後記徘徊判定が有効に設定される。
また、この状態で「即通知」ボタンm7をチェックすると、「入床判断あり」ボタンm8のチェック表示が消えるとともに、「即通知」ボタンm7にチェックが表示され、入床判断を伴わない後記徘徊判定が有効に設定される。
このように、「即通知」ボタンm7と「入床判断あり」ボタンm8は、光センサ22が検出されている場合にいずれかを選択することが可能であり、このため、オプションセンサーボタンm6との関連付けを示す表示(直線でつなげる表示)が施されている。
【0176】
「入床判断あり」ボタンm8が選択された場合の徘徊判定は、まず、情報処理装置4により「入床」の判定がされ(第1ステップ)、その後に、光センサ22により「離床」が検出された場合(第2ステップ)、徘徊の可能性があるとの判定に基づいて報知を行う。
他方、「即通知」ボタンm7が選択された場合、「入床」の判定(前記第1ステップ)を行わず、光センサ22により「離床」を検出(前記第2ステップ)しただけで徘徊の可能性があると判定して、即座に報知を行う。
「詳細モード設定」ボタンm9は、これを押すことで、
図47(b)に示す基本設定画面(詳細)を表示部43に表示させることができる。
詳細モードボタンm5は、基本設定画面(詳細)において設定が行われた場合にチェック(塗りつぶし)が表示される。
【0177】
図47(b)は、基本設定画面(詳細)である。
基本設定画面(詳細)は、上述の通り、基本設定画面の詳細モード設定ボタンm9を押すことで表示することができる。基本設定画面(詳細)は、基本設定画面よりも詳細な設定を行う場合に用いる操作画面である。
基本設定画面(詳細)における「通知設定」では、「徘徊検知モード」ボタンm10と「離床検知モード」ボタンm11のいずれかを選択することができる。ただし、「離床検知モード」ボタンm11は、光センサ22が検出されている場合に選択することができる。
「徘徊検知モード」ボタンm10を選択すると、「離床時間」欄の入力が可能になる。この欄には、1〜90分の範囲内で任意の時間を入力することができる。
「離床時間」欄に時間を入力して「更新する」ボタンm15を選択すると、入力時間が徘徊判定時間として記憶部42に記憶され、設定が有効(ON)になる。
この場合の徘徊判定や報知の動作は、上述した基本設定における徘徊判定や報知の動作と同様である。
【0178】
すなわち、基本設定画面(詳細)における「徘徊検知モード」は、基本設定画面(
図47(a)参照)における離床タイマーに基づく徘徊判定と同様の機能でありながら、徘徊判定時間を1〜90分の範囲内で任意に設定することができる。
このため、基本設定画面における場合に比べ、徘徊判定時間を、より細かに、かつ、長く設定することができる。
【0179】
基本設定画面(詳細)における「通知設定」において、「離床検知モード」ボタンm11を選択すると、「即通知」ボタンm12又は「入床判断後に通知する」ボタンm13を選択することができる。
【0180】
「入床判断後に通知する」ボタンm13を選択すると、「入床判定時間」欄の入力が可能になる。この欄には、1〜30分の範囲内で任意の時間を入力することができる。
「入床判定時間」欄に時間を入力して「更新する」ボタンm15を選択すると、入力時間が入床判定時間として記憶部42に記憶され、設定が有効になる。例えば、「10」を入力して「更新する」ボタンm15を選択すると、入判定時間「10分」が設定される。
この場合の徘徊判定は、まず、情報処理装置4により「入床」の判定がされ(第1ステップ)、その後に、光センサ22により「離床」が検出された後(第2ステップ)、入力操作により設定された入床判定時間(10分)を経過したときに、徘徊の可能性があるとの判定に基づいて報知を行う。
他方、「即通知」ボタンm12が選択された場合、「入床」の判定(前記第1ステップ)を行わず、光センサ22により「離床」を検出(前記第2ステップ)しただけで徘徊の可能性があるとして、即座に、報知を行う。
【0181】
「オプションセンサー感度」の「高」、「中」、「低」の各選択ボタンm14は、光センサ22の感度として「高」、「中」、「低」から選択することができ、選択された感度の選択ボタンm14がチェックされる。
選択ボタンm14は、それぞれ「高」=0.1秒、「中」=0.5秒、「低」=1秒といったように、感度と検出判定時間とを対応付けた情報がモニター装置1等に記憶されている。
例えば、「低」が選択されている場合、光センサ22が1秒以上連続して検知を行うと、モニター装置1が入床情報を情報処理装置4に送信し、情報処理装置4は、この「入床」の情報を受信することによって、利用者の「入床」を検出することができる。「高」や「中」が選択されている場合も同様である。
このため、「オプションセンサー感度」の選択ボタンm14を選択することで、光センサ22の反応感度(速度)を調整することができる。
【0182】
図47(c)は、個別設定画面である。
個別設定画面は、
図47(b)に示す基本設定画面(詳細)において、「個別」又は「個別2」のタブを選択することによって表示することができる。個別設定画面は、基本設定画面や基本設定画面(詳細)における設定内容をベースに、ある時間帯については個別に異なる設定を行いたい場合に用いる操作画面である。
個別設定画面において、「下記の時間にはこの設定を使う」m16を選択し、任意の時間帯を入力する。これにより、個別設定の対象となる時間帯が指定され、「通知設定」の設定後に更新することによって、その時間帯においては、「通知設定」における設定に基づいて徘徊判定が行われる。
「通知設定」において「通知しない」m17を選択すると、設定した上記時間帯においては、入床・離床を問わず、一切報知を行わないように設定される。
個別設定は、「個別」と「個別2」の複数の条件について設定することができる(
図47(c)参照)が、「個別」と「個別2」で、設定した時間帯が重複した場合は、後の設定を反映せず、エラーを報知することができる。
なお、上述した設定項目以外は、基本設定画面(詳細)と同様である。
【0183】
[モニター装置の操作による徘徊検知設定]
上述した基本設定画面(
図47(a)参照)の操作による基本設定は、
図48に示すモニター装置1の装置本体の操作によって行うこともできる。
具体的には、設定ボタンm2aを押すことによって、離床タイマー表示LEDm1aが、「1分」→「5分」→「10分」→「30分」→「60分」・・・と順次点灯して切り換わる。
動作ボタンm3aは、これを押すことによって、基本設定のON/OFF情報が情報処理装置4に送信され、情報処理装置4は、このON/OFF情報に基づいて基本設定のON(有効)とOFF(無効)を切り替えることができる。また、このON/OFFの操作に伴って設定ランプm4aが点灯/消灯する。
例えば、「10min」が選択された状態で動作ボタンm3aをON操作することによって、徘徊判定時間「10分」の設定情報がモニター装置1から情報処理装置4に送信され、情報処理装置4では、受信した設定情報を記憶部42に記憶することで、設定が有効(ON)になる。
なお、この場合の徘徊判定や報知の動作は、情報処理装置4における基本設定の場合と同様である。
【0184】
詳細モード表示LEDm5aは、情報処理装置4において基本設定画面(詳細)により設定が行われた場合に点灯する。
オプションセンサー表示LEDm6aは、光センサ22の接続が検出されている場合に点灯する。
「即通知」設定表示LEDm7aは、
図47(b)の基本設定画面(詳細)による詳細設定において「即通知」が設定された場合に点灯し、「入床判断あり」設定表示LEDm8aは、同様に、「入床判断後に通知する」が設定された場合に点灯する。
前述したように、「即通知」ボタンm12や「入床判断後に通知する」ボタンm13は、光センサ22が検出されている場合に選択することが可能であることから、オプションセンサーボタンm6との関連付けを示す表示(直線でつなげる表示)が施されている(
図48参照)。
「即通知」ボタンm12の選択操作により設定が行われると「即通知」設定表示LEDm7aが点灯し、「入床判断後に通知する」ボタンm13の選択操作により設定が行われると「入床判断あり」設定表示LEDm8aが点灯する。
【0185】
[モニター装置の操作本体のレイアウト]
図48に示すように、モニター装置1の装置本体のレイアウトは、基本設定画面のレイアウト(
図47(a))と類似している。
すなわち、
図47(a)及び
図48に示すように、モニター装置1の本体の正面部に配置されている各ボタンやLED等m1a〜m8aは、基本設定画面の各ボタンm1〜m8と対応する位置に配置されており、それぞれ共通の機能が割り当てられている。
例えば、ともに、右下部に配置した設定ボタン(m2a,m2)の操作によって、中央部に位置する動作ボタン(m3a,m3)の上部に配置された徘徊判定時間の設定タイマ(m1a,m1)を選択表示できるようになっている(
図47(a)と
図48参照)。
【0186】
また、ともに、オプションセンサー(光センサ)に関する表示(m6a,m6)、「即通知」設定を示す表示(m7a,m7)及び「入床判断あり」設定を示す表示(m8a,m8)が、左下部に配置され、オプションセンサーに関する表示(m6a,m6)と「即通知」設定を示す表示(m7a,m7)及び「入床判断あり」設定を示す表示(m8a,m8)とは、それぞれ関連性があることを想起させるように、線でつなげたデザインを施している(
図47(a)と
図48参照)。
このため、情報処理装置4側で設定したことがある管理者は、その経験を活かして、モニター装置1側において容易に徘徊検知機能に関する設定を行うことができる。
また、モニター装置1側で設定したことがある管理者は、その経験を活かして、情報処理装置4側において容易に徘徊検知機能に関する設定を行うことができる。
【0187】
[設定の優先処理]
上述したように、徘徊検知機能の設定は、モニター装置1と情報処理装置4の双方で行うことができるとともに、設定の有効(ON)/無効(OFF)の切り替えをそれぞれの動作ボタン(m3a,m3)のON/OFF操作によって行うことができる。
このような設定のON/OFFは、後に行った装置側の設定を優先してその設定内容を反映するようにしている。
このため、モニター装置1と情報処理装置4は、ON/OFF操作を行うと、ON/OFF情報や設定情報を互いに送受信し、新たに受信した情報に基づいてON/OFFを切り替え、又は、設定内容を更新するようにしている。
【0188】
このため、例えば、情報処理装置4での当初の設定とON操作により当該当初の設定の内容が有効な状態において、モニター装置によりOFF操作を行い、その後、モニター装置1において異なる設定とON操作を行った場合は、以下のように動作する。
この場合、情報処理装置4で行った当初の設定は、モニター装置によるOFF操作が行われるまで有効に取り扱われ、それまでは、当初の設定の内容に基づいて徘徊判定が行われる。
また、モニター装置1で行った設定(当初と異なる設定)は、その際のON操作によって、例えば、当初の設定に対し上書きされるなどして有効化されるため、その後は、当初と異なる設定の内容に基づいて徘徊判定が行われる。
【0189】
[睡眠イベントの通知]
また、他の実施形態として、睡眠イベントの通知を行うこともできる。
具体的には、利用者が睡眠状態に移行(状態変化)したときに、報知を行うようにすることができる。
例えば、
図49(a)に示す睡眠検出設定画面において、特定の利用者について睡眠報知設定を行うことができる。
例えば、この睡眠検出設定画面において、「1週間」を選択した場合、その利用者が入居した日(登録日)から1週間は、「入眠」を判定したときに、報知を行う。
報知は、例えば、
図49(b)に示すように、睡眠を検出したことを示す睡眠検出ポップアップウインドP5を、ステータス一覧画面上に表示させる。
このとき、その利用者のステータスウインドP1と重ならないように表示することで、利用者の各種状態も閲覧することもできる。
これにより、利用者が、まだ介護施設に入居して間もなく、このため、管理者が、利用者の睡眠リズム(おおよそ何時頃に寝るのか等)を把握したい場合や、利用者が無事に寝たことの安心を管理者が得たい場合等に有効に活用することができる。
【0190】
[総合グラフの他の例]
また、他の実施形態として、前述した総合グラフ画面P4(
図28等参照)とは異なる表示態様の総合グラフ画面P4aを表示することもできる。
具体的には、
図50に示すように、利用者の心拍や呼吸の変化を示す折れ線グラフを加えた総合グラフ画面P4aを表示することもできる(
図50の上部領域参照)。
このような総合グラフ画面P4aによれば、睡眠状態や環境情報に加え、心拍や呼吸といった生体情報の変化を把握することができるため、医療の現場において有用に活用することができる。
また、
図50の※部に示すように、睡眠中から覚醒するも、その後、すぐに眠りに移行した場合には、変化アイコンi6を表示しないようにすることができる。
具体的には、状態が変化してから所定期間(例えば、3分)、その状態が継続すれば、最初に状態が変化したと判定された時刻に対応する領域に変化アイコンi6を表示するが、状態が変化してから所定期間を経過する前に他の状態に変化したときは、変化アイコンi6を表示しないようにする。
これにより、頻繁に利用者の状態が変化する場合に複数の変化アイコンが密集し、これにより、睡眠状態グラフが見づらくなることを防ぐことができる。
【0191】
[エアバッグ及びエアバッグケース]
次に、生体センサ21のエアバッグ211及びエアバッグ211を収容可能なエアバッグケース213について説明する。
エアバッグ211は、ゴムなどの樹脂フィルムの周縁を接合して袋状にし、その内部に空気を充填することで長尺の弾性体を形成している。
このようなエアバッグ211は、所定の空気注入口(不図示)を設けている。
空気注入口を設けることで、エアバッグ211の内圧が低下した場合でも、空気を追加して注入することによって内圧を一定に保持させることができる。
【0192】
また、エアバッグ211は、一般に、ベッドの床板と寝具との間に配置して使用される。エアバッグ211は、このように配置することで、寝具上に横たわる利用者からの外的作用を上面から受けるようにしている。
このようなエアバッグ211は、そのままでも使用できるが、
図51に示すように、エアバッグケース213に収容して使用することもできる。
例えば、エアバッグケース213は、プラスチックなど一定の強度を有する樹脂によって形成し、エアバッグ211を収容可能でありながら、圧力検知部212と一体をなす直方体状の箱体を形成したものを用いることができる(
図51(a)参照)。
このエアバッグケース213は、箱体の本体に相当するケース下部213bと箱体の蓋部に相当するケース上部213aとに分離可能であり(
図51(b)参照)、このうち、ケース上部213aには、複数の開口214を施している。
【0193】
このようなエアバッグケース213によれば、エアバッグ211を収容することによりその強度を補強することができ、また、生体センサ21全体をユニット化することができる。
また、エアバッグ211を所定の位置に円滑に配置することが可能となる。
すなわち、エアバッグ211は、ベッドの床板と寝具との間に配置されるが、エアバッグ211は長尺の弾性体であるため、そのままだと設置が困難な場合がある。
例えば、寝具が敷かれている状態のときにエアバッグ211を配置する場合、床板と寝具の間に挿入しようとしても、エアバッグ211が、その弾性により曲がり易くうまく挿入できないことがある。
このような問題に対し、上記エアバッグケース213によれば、エアバッグ211を収容することで当該エアバッグ211の強度を補強することができるため、床板と寝具の間に円滑に挿入することができる。
なお、図示していないが、エアバッグケース213の端部をテーパ状に形成することにより、当該エアバッグケース213を床板と寝具の間により円滑に挿入することができる。
【0194】
また、エアバッグケース213の上面は、ケース内に収容したエアバッグ211の上面が外部を臨むように開口214を施している。
このため、エアバッグ211をエアバッグケース213に収容して使用しても、利用者からの外的作用を損失なく受けることができ、生体センサ21としての機能を適切に維持することができる。
【0195】
以上、本発明の情報処理装置及び情報処理プログラムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る情報処理装置及び情報処理プログラムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した情報処理システムの構成と異なり、モニター装置1と情報処理装置4との間に、無線又は有線による中継装置(図示省略)を設け、モニター装置1と情報処理装置4との情報通信を中継させることもできる。
また、第二実施形態に関連し、利用者未登録や通信切断設定を示す特定状態アイコンiyについても、通信切断状態になったときに、通信切断状態であることを示す第一付加画像iaを加えることで、特別状態アイコンixと同様の表示態様にすることもできる。
【0196】
また、
図22に示すように、照明が点灯していることを示す状態アイコンi4,i5は、起床中や睡眠中等の在床中のアイコンi1a,i1bをベースに形成しているが、離床中など他の状態を示す状態アイコンi1においても、照明が点灯していることを示す第二付加画像ibを加えた表示態様とすることもできる。
また、呼出ボタン16の操作や状態変化が所定回行われた場合に、利用者に異常が生じたとして、状態アイコンi1を特別な表示態様とすることができる。
【0197】
また、ステータスウインドP1において、利用者の睡眠レベル(深い眠り、浅い眠り、中間の眠り)を表示することもできる。
ステータスウインドP1上に表示する情報を選択できるようにすることもできる。
また、ステータス一覧画面P2のステータスウインドP1のレイアウトを、登録順、部屋の番号順、状態アイコンi1の種別ごとに区分けするなどして配列することができる。また、操作によって、これらの配列方法のうちのいずれかを選択できるようにすることもできる。
また、他の実施形態に係る徘徊検知機能の設定において、「入床判断あり」や「即通知」といった詳細設定を、モニター装置1側で設定できるようにすることもできる。
【0198】
第四実施形態の巡回判定における照度の変化パターンと基準パターンと一致判定は、照度の変化態様としてOFF→ON(照度の立ち上がり)やON→OFF(照度の立ち下がり)のみに基づいて行うこともできる。
例えば、基準パターンとしてCパターンを用いて巡回判定を行う場合、10秒以内にOFF→ONが2回検出されれば巡回が行われたと判定することができる。
また、このとき、ONへの変化は、照度の立ち上がり幅が所定値以上の場合に該当し、OFFへの変化は、照度の立ち下がり幅が所定値以上の場合に該当するようにすることもできる。
また、巡回時のルーチン操作は、懐中電灯5に限らず、スマートフォンの照明や卓上照明を用いて行うこともできる。