(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0016】
〔第1の実施形態〕
<冷蔵庫の全体構成>
本実施形態では、冷蔵室の右側の扉の表面に表示パネルが設置されている冷蔵庫を例に挙げて説明する。
図1には、本実施形態にかかる冷蔵庫1の概略構成を示す。冷蔵庫1は、上段に第1の冷蔵室、中段に第2の冷蔵室(野菜室)、および下段に冷凍室を備えている。
【0017】
なお、冷蔵庫1における各貯蔵室の構成や配置は、上記のものに限定はされない。各貯蔵室の構成および配置は、冷蔵庫の容量、用途などに応じて適宜変更することができる。
【0018】
また、上段の第1の冷蔵室には、左右に分割された観音開き(フレンチドア)式の冷蔵室扉11(右側の冷蔵室扉)及び12(左側の冷蔵室扉)が設けられている。中段の第2の冷蔵室には、引き出し式の冷蔵室扉13が設けられている。下段の冷凍室には、引き出し式の冷凍室扉14が設けられている。
【0019】
なお、冷蔵庫1における各扉の構成は、上記のものに限定はされない。各貯蔵室の扉は、各貯蔵室の構造、用途、位置などに応じて、例えば、観音開き方式、左右の何れかの端部から開閉する方式、左右両側から開閉可能な方式、引き出し方式などを適宜採用することができる。
【0020】
本実施形態では、扉が設けられている面を冷蔵庫の前面(正面)とする。そして、前面を基準にして、冷蔵庫1を通常の状態で設置した場合に存在する位置に基づいて、冷蔵庫1の各面を、上面、側面、背面、及び底面とする。したがって、本明細書中において、「前面側」(「正面側」ともいう)または「背面側」と規定するときは、任意の位置を基準として前面又は背面が設けられている側、あるいは、任意の位置から前面又は背面へ向かう方向のことを意味する。また、本明細書では、冷蔵庫1の一方の側面から他方の側面へ向かう方向を、左右方向と呼ぶ。さらに、本明細書においては、原則として、冷蔵庫または冷蔵室扉の「右側」とは、冷蔵庫の正面から見て右側に当たる側のことを意味し、冷蔵庫または冷蔵室扉の「左側」とは、冷蔵庫の正面から見て左側に当たる側のことを意味する。
【0021】
右側の冷蔵室扉11には、表示パネル50が設置されている。表示パネル50は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成することができる。また、表示パネル50は、取り外し可能とすることもできる。この場合、取り外した表示パネル50は、タブレット端末として利用することができる。
【0022】
表示パネル50には、冷蔵庫運転情報及び制御情報、庫内在庫情報、カレンダ情報、レシピ情報、伝言情報などを表示させることができる。また、冷蔵庫内に小型カメラが備えられている場合には、小型カメラで撮影された庫内の映像を表示させることもできる。また、表示パネル50がインターネット接続されている場合には、インターネットを介して得られる各種ホームページなどの情報を表示させることもできる。また、表示パネルの表示面や縁部などにタッチセンサ等の入力デバイスを設けることで、表示パネル50から表示内容に沿った入力操作を行うこともできる。
【0023】
<冷蔵室扉の構成>
続いて、冷蔵庫1に備えられた冷蔵室扉11のより具体的な構成について、
図2から
図5を参照しながら説明する。
図2には、冷蔵室扉11の正面側を拡大して示す。
図3には、冷蔵室扉11の背面側を拡大して示す。
図4には、冷蔵室扉11の縦断面の構成を示す。
図5には、冷蔵室扉11の横断面の構成を示す。
【0024】
図2に示すように、表示パネル50は、冷蔵室扉11の上下方向の中央部分に配置されている。そして、表示パネル50の上方には、上部ガラスパネル11aが配置され、表示パネル50の下方には、下部ガラスパネル11bが配置されている。
【0025】
また、本実施形態では、表示パネル50は、冷蔵室扉11の左側(すなわち、センターキャップ21(
図2、
図5など参照)が取り付けられている開放端部側)に寄せられて配置されている。そして、表示パネル50の右側(すなわち、ヒンジ22(
図2参照)が取り付けられている側)には、第3のガラスパネル11cが配置されている。このように、本実施形態では、表示パネル50の左側の端部が、冷蔵室扉11の左側の端部に沿って配置されている。
【0026】
第3のガラスパネル11cの背面側には、表示パネル50などの電子部品に接続された配線75などが配置されている(
図5参照)。配線75には複数の配線を束ねたハーネスも含まれる。また、第3のガラスパネル11cの背面側には、冷蔵室扉11の本体部分と表示パネル50との連結部が配置されている。
図2に示す例では、連結部は2個設けられているが、連結部の個数はこれに限定はされない。後述するように、この連結部は、表示パネル50側の固定部材52(52aまたは52b)と、冷蔵室扉11側の突起36(36aまたは36b)と、これらに嵌まり込むネジ(図示せず)とで構成される。
【0027】
本実施形態では、上部ガラスパネル11a、表示パネル50の表面、第3のガラスパネル11c、および下部ガラスパネル11bで、冷蔵室扉11の表面が形成されている。すなわち、冷蔵室扉11の本体部分の表面と、表示パネル50の表面とが面一となっている。
【0028】
また、表示パネル50の上方および下方の端部には、表示パネル50の背面側に設けられた空間P1への通気口41および42がそれぞれ設けられている。
【0029】
図3に示すように、冷蔵室扉11の背面側は、ドアバック31で形成されている。ドアバック31は、例えば、樹脂製の板状部材で形成されている。ドアバック31には、冷蔵室扉11の背面を左右方向に延びるように配置された、複数の収納ポケット61・62・63が取り付けられている。また、冷蔵室扉11の背面側には、扉の外周に沿うように、突出壁32が形成されている。突出壁32は、土手、フランジなどとも呼ばれる。
【0030】
また、冷蔵室扉11の開放端部には、センターキャップ21が取り付けられている。センターキャップ21の内部には、結露防止用の放熱パイプが配置されていてもよい。また、冷蔵室扉11のヒンジ22側の端部には、サイドキャップ23が取り付けられている。
【0031】
続いて、冷蔵室扉11の内部の構成について説明する。冷蔵室扉11の内部、すなわち、冷蔵室扉11の前面側を形成する本体部とドアバック31との間には、断熱層が設けられている。断熱層は、例えば、真空断熱材と発泡断熱材とで構成される。真空断熱材は、シート状または板状の断熱材である。発泡断熱材は、例えば、発泡ポリウレタン(硬質ウレタンフォームともいう)などで形成することができる。
【0032】
真空断熱材は、冷蔵庫の筐体および各扉の内部に部分的に配置されている。真空断熱材は、グラスウールやシリカ粉末等の微細空隙を有する芯材を、ガスバリア性を有する外被材(袋状体、例えばラミネートフィルム)で覆い、外被材の内部を減圧密封して形成される。真空断熱材は、その内部空間を高真空に保ち、気相を伝わる熱量を出来る限り小さくすることにより、高い断熱効果を実現することができる。真空断熱材を構成する材料については、従来公知のものを用いることができる。
【0033】
そのため、冷蔵庫において、特に高い断熱性が要求される場所に真空断熱材を配置することが望ましい。例えば、冷蔵庫1では、
図4および
図5に示すように、冷蔵室扉11において、表示パネル50と対向する位置(すなわち、正面視で表示パネル50と重なる位置)に真空断熱材34が配置されている。これにより、表示パネル50から発生する熱をより確実に遮断して、冷蔵室扉11の断熱性能を高めることができる。なお、さらなる断熱性能の向上のために、表示パネル50と対向する位置以外の領域にも真空断熱材を配置してもよい。
【0034】
また、
図4に示すように、冷蔵室扉11の最前面側には、ガラスパネル11a・11bおよび表示パネル50が配置されている。ガラスパネル11a・11bおよび表示パネル50の背面には、冷蔵室扉11の本体部分が配置されている。そして、冷蔵室扉11の本体部分の背面には、断熱層33が配置されている。
【0035】
また、表示パネル50の背面には、表示パネル設置板35が配置されている。表示パネル設置板35は、冷蔵室扉11の本体部分の一部として構成される(
図7など参照)。そして、表示パネル設置板35の背面には、板状の真空断熱材34が表示パネル設置板35に接触するように配置されている。また、断熱層33内には、真空断熱材34を平面的に配置させるためのスペーサ43が配置されている。断熱層33内の真空断熱材34およびスペーサ43の占有領域以外の領域は、発泡ポリウレタン(硬質ウレタンフォームともいう)が充填されている。
【0036】
図4に示すように、表示パネル設置板35の上端は、上部ガラスパネル11aに接続されており、表示パネル設置板35の下端は、下部ガラスパネル11bに接続されている。そして、表示パネル設置板35は、上部ガラスパネル11aおよび下部ガラスパネル11bの表面から背面側へ凹んだ形状を有している(
図7など参照)。この凹みの部分に、表示パネル50が嵌め込まれている。
【0037】
図4に示すように、表示パネル50と、その背面に配置された表示パネル設置板35との間には、空間P1が形成されている。これにより、表示パネル50において発生した熱が表示パネル設置板35側へ伝達されにくい構成とすることができる。
【0038】
また、上述したように、表示パネル50の上方および下方の端部には、表示パネル50の背面側に設けられた空間P1への通気口41および42がそれぞれ設けられている。表示パネル50の下方の通気口42からは、外部の比較的温度の低い空気が流入し、表示パネル50の上方の通気口41からは、表示パネル50の背面において表示パネル50の放熱に伴って温度の上昇した空気が排出される。これにより、表示パネル50の背面の空間P1内の空気を換気させることができ、表示パネル50を冷却することができる。
【0039】
なお、
図4に示す例では、冷蔵室扉11において表示パネル50の背面に位置する部分では、前後方向の全領域にわたって真空断熱材34が配置されている。しかし、本発明の別の態様では、前後方向において表示パネル50に近い側に真空断熱材34が配置され、ドアバック31に近い側には発泡ポリウレタンが位置するような構成とすることもできる。またあるいは、表示パネル50が配置されている冷蔵室扉11の中段部分のみに、真空断熱材34を配置するという構成も可能である。
【0040】
また、冷蔵室扉11のサイドキャップ23側(ヒンジ22が配置されている側)には、表示パネル50は設置されていない。
図5に示すように、冷蔵室扉11のサイドキャップ23側には、第3のガラスパネル11cが配置されている、第3のガラスパネル11cは、表示パネル50の表面と面一となっている。また。第3のガラスパネル11cと表示パネル設置板35との間には空間が形成されている。
【0041】
この空間は、仕切り37によって空間P2と空間P3とに区切られている。空間P2には、冷蔵室扉11の本体部分と表示パネル50との連結部(すなわち、固定部材52、突起36、およびネジ)が配置されている。空間P3には、表示パネル50に接続される配線75などが配置されている。
【0042】
<表示パネルの取り付け構造について>
続いて、表示パネル50を、冷蔵室扉11の本体部分へ取り付ける方法について説明する。表示パネル50の取り付け方法を説明するにあたって、先ず、取り付け構造に関連する冷蔵室扉11および表示パネル50個々の構成について説明する。
図6(a)(b)および
図7には、冷蔵室扉11の本体部の外観構成を示す。
図8(a)(b)および
図9には、表示パネル50の外観構成を示す。
【0043】
図6(a)および
図7に示すように、冷蔵室扉11の正面には、上部ガラスパネル11a、下部ガラスパネル11b、および表示パネル設置板35などが備えられている。表示パネル設置板35には、突起36、仕切り37、ハーネス収容部38、および位置決め突起39などが形成されている。
図6(b)に示すように、冷蔵室扉11の左側(開放端部側)の側端部には、センターキャップ21が取り付けられている。また、冷蔵室扉11の右側(ヒンジ22側)の側端部には、サイドキャップ23が取り付けられている。
【0044】
突起36(具体的には、上側の突起36aおよび下側の突起36b)は、表示パネル50との連結部を構成する。突起36は、表示パネル設置板35の表面から突出するように形成されている。これにより、表示パネル50の背面と、表示パネル設置板35の表面との間に、所定の空間P1を形成することができる。
【0045】
仕切り37は、表示パネル設置板35の表面から突出し、上下方向に延びている。仕切り37によって区切られたサイドキャップ23側の空間P3には、配線75などが配置される。仕切り37が形成されていることで、配線の配置位置を概ね規定することができる。この配線75は、一方がサイドキャップ23の内側に沿って冷蔵室扉11のヒンジ22に達する。この配線75の一方の端部には、ヒンジ22を通じて冷蔵庫1の本体側に接続するためのコネクタ部が備えられている。また、配線75の他方には、空間P2を通って表示パネル50に接続されるコネクタ部が備えられている。これにより、空間P1に配線75を通すことなく、すなわち、空間P1内の空気の流通を阻害することなく、配線75によって表示パネル50と冷蔵庫1の本体とを接続することができる。
【0046】
図5に示すように、表示パネル設置板35には、ハーネス収容部38が形成されていても良い。ハーネス収容部38は空間P1の側縁を含む一部に空間P1よりも深くなるように形成されている。また、ハーネス収容部38は、空間P2や空間P3が設けられる側とは反対側となる空間P1の側縁部に形成される。
【0047】
ハーネス収容部38は、表示パネル50の基板設置部55(
図8(a)参照)に対応する位置に配置されている。表示パネル50の基板に接続された配線は、先ずこのハーネス収容部38へと延びる。ハーネス収容部38では、配線は複数本に束ねられる。そして、各配線は、ハーネス収容部38の端縁から表示パネル設置板35の外に出て、断熱層33を通ってヒンジ22へと導かれる。
【0048】
これにより、表示パネル50が外部機器と接続するためのコネクタ部を空間P2に対して離れた側(本実施形態ではセンターキャップ21側)に有していたとしても、コネクタに接続される配線75がハーネス収容部38を通じて空間P1の外に導かれる。したがって、空間P1に配線75を通すことなく、すなわち、空間P1内の空気の流通を阻害することなく、配線75を設置することができる。
【0049】
また、冷蔵庫1に庫内の様子を撮影することのできるカメラが備えられている場合には、ハーネス収容部38に、表示パネル50とカメラとを接続する配線を配置することができる。カメラは、例えば、冷蔵室扉11のドアバック31の突出壁32の先端、収納ポケット61・62・63、あるいは冷蔵庫1の貯蔵室(冷蔵室または冷凍室)などに取り付けることができる。
【0050】
なお、表示パネル50が取り外し可能である場合には、表示パネル50と冷蔵庫1とは無線通信によってデータの送受信を行ってもよい。無線通信の方法は、従来公知の方法を採用することができる。
【0051】
位置決め突起39は、突起36よりもやや中央寄りに配置されている。表示パネル50の左右方向の配置位置は、位置決め突起39によって規定される。
【0052】
センターキャップ21は、冷蔵室扉11の開放端部を覆うように設けられている。また、センターキャップ21の内側(表示パネル50が配置される側)には、表示パネル50の端部(具体的には、端部に形成された溝53)に嵌め込まれる篏合凸部21aが形成されている(
図5参照)。篏合凸部21aは、センターキャップ21の内側において上下方向に延びている。また、図示はしていないが、センターキャップ21は、冷蔵庫1の正面側で、各ガラスパネル11a・11bの左側端部を抱え込んでいる。
【0053】
サイドキャップ23は、冷蔵室扉11のヒンジ22側の側端部を覆うように設けられている。サイドキャップ23は、冷蔵庫1の正面側で、各ガラスパネル11a・11b・11cの右側端部を抱え込んでいる(
図6(b)参照)。
【0054】
図8(a)に示すように、表示パネル50は、正方形状または長方形状を有している。表示パネル50の左右方向の端部の何れか一方には、固定部材52(具体的には、上側の固定部材52aおよび下側の固定部材52b)が設けられ、他方の端部には、溝53が形成されている。本実施形態では、表示パネル50の右側端部50a(ヒンジ22に近い側の端部)に、固定部材52が設けられ、表示パネル50の左側端部50b(開放端部側)に溝53が形成されている(
図8(b)および
図9参照)。
【0055】
固定部材52は、ネジによって、表示パネル設置板35の突起36上に固定される。また、溝53には、センターキャップ21に形成された篏合凸部21aが嵌め込まれる。これにより、表示パネル50は、その左右方向の端部が表示パネル設置板35に対して固定される。一方、表示パネル50の上下方向の端部は、表示パネル設置板35と接続されることなく、通気口41・42を形成する。
【0056】
また、本実施形態では、冷蔵室扉11の開放端部(すなわち、センターキャップ21)に沿って、表示パネル50の左側端部が配置される。熱を発生する表示パネル50が冷蔵室扉11の開放端部に沿って配置されていることで、開放端部における結露を低減させる効果が得られる。
【0057】
表示パネル50の背面部(画素形成領域の裏側)には、表示パネル50を駆動するための制御基板が備えられている。本実施形態では、制御基板は、表示パネル50の左上方の角部分に配置されている。この角部分を、表示パネル50の基板設置部55(
図8(a)参照)と呼ぶ。制御基板には、バックライトが接続されている。このバックライトも基板設置部55に配置されている。表示パネル50において、制御基板およびバックライトが設置されている基板設置部55は、他の部分と比較してより熱を発生しやすい領域である。
【0058】
そこで、本実施形態では、基板設置部55が冷蔵室扉11の開放端部側に位置するように構成されている。これにより、開放端部における結露をより低減させることができる。なお、本明細書では、表示パネル50において、基板設置部55などのように、他の部分と比較してより熱を発生しやすい領域を、発熱部と称する。
【0059】
以上のように、本実施形態では、表示パネル50の左側端部50bに形成された溝53に、冷蔵室扉11のセンターキャップ21に形成された篏合凸部21aが嵌め込まれる(
図5の円形の破線枠参照)。そして、表示パネル50の右側端部50aに形成された固定部材52が、ネジによって、表示パネル設置板35の突起36に固定される。これにより、表示パネル50を、その左右方向の端部において、冷蔵室扉11の本体部に対して確実に固定することができる。
【0060】
(まとめ)
以上のように、本実施形態にかかる冷蔵庫1には、正面に表示パネル50が取り付けられた冷蔵室扉11が備えられている。そして、表示パネル50の背面に空間P1が形成され、表示パネル50の上下方向の端部に空間P1との通気口41・42が設けられている。この構成により、表示パネル50の背面の空気を自然対流効果により流通させることができる。したがって、表示パネル50において発生した熱を、効率的に冷蔵室扉11の外側へ逃がすことができる。
【0061】
また、冷蔵庫1では、表示パネル50の右側および左側の端部の少なくとも一方(本実施形態では、左側端部)が、対応する冷蔵室扉11の左右方向の何れかの端部に沿って配置されている。これにより、表示パネル50において発生する熱を、冷蔵室扉11の左右方向の何れかの端部からも逃がすことができる。
【0062】
なお、放熱性をより高めるためには、表示パネル50の左右何れかの端部と、冷蔵室扉11の対応する端部とが接触していることが好ましい。これにより、表示パネル50において発生する熱を冷蔵室扉11の対応する端部へと直接熱伝導することができる。
【0063】
また、本実施形態のように、表示パネル50は、冷蔵室扉11の開放端部側に寄せられて配置されていることが好ましい。開放端部側に放熱性を有する表示パネル50が寄せられて配置されていることで、表示パネル50において発生する熱が冷蔵室扉11の開放端部に熱伝導するため、表示パネル50からの放熱によって冷蔵室扉11の開放端部周辺における結露の発生を抑えることができる。
【0064】
さらに、冷蔵室扉11に表示パネル50を設置する場合には、表示パネル50の発熱部は、冷蔵室扉11の開放端部側に配置されることが好ましい。ここで、表示パネル50の発熱部とは、表示パネル50に画像を表示したときに、他の領域と比較してより温度の高くなる表示パネルの領域のことをいう。このような発熱部としては、例えば、制御基板が設置される領域(基板設置部55など)、バックライトが設置されている領域などが挙げられる。冷蔵室扉11の開放端部側に表示パネル50の発熱部が配置されることで、より効果的に表示パネル50の発熱部からの熱を放出するとともに、冷蔵室扉11の開放端部周辺における結露の発生をより抑えることができる。
【0065】
また、本実施形態の冷蔵庫1の冷蔵室扉11では、ヒンジ22が設けられている側の端部(すなわち、右側端部)に、表示パネル50に接続される配線75などが配置されている。そして、配線75などを収納する空間P3の前面には、第3のガラスパネル11cが配置されている。
【0066】
また、本実施形態の冷蔵庫1では、上部ガラスパネル11a、表示パネル50の表面、第3のガラスパネル11c、および下部ガラスパネル11bで、冷蔵室扉11の表面が形成されている。そして、冷蔵室扉11の本体部分の表面と、表示パネル50の表面とが面一となっている。これにより、冷蔵庫の外見上の美観および意匠性を向上させることができる。なお、表示パネル50の表面にガラスパネルを配置することなく、表示パネル50の表示面を露出させることで、表示パネル50の放熱性をより向上させることもできる。また、表示パネル50がタッチパネル式の場合には、タッチパネルの検知性能を向上させることもできる。
【0067】
〔第2の実施形態〕
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかる冷蔵庫1は、冷蔵室扉の開放端部、および、その開放端部と接続される表示パネルの構成が、第1の実施形態とは異なっている。そこで、以下では、これらの部分の構成を中心に説明する。第1の実施形態と基本的に同様の構成が適用できる構成部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図10には、第2の実施形態にかかる冷蔵庫1の開放端部周辺(すなわち、センターキャップ121の周辺)、および、表示パネル150の左側端部の構成を示す。
図10は、
図3に示す冷蔵室扉11のB−B線部分の横断面の一部に相当する部分の構成を示す図である。特に、
図10は、
図5に示す冷蔵室扉11の一点鎖線で示す枠内の部分と同じ部分を示す図である。
【0069】
図10に示すように、表示パネル150は、冷蔵室扉11を構成する表示パネル設置板135に取り付けられる。また、冷蔵室扉11の開放端部には、センターキャップ121が取り付けられている。
【0070】
上述した第1の実施形態では、冷蔵室扉11に取り付けられた状態で、表示パネル50の左側端部は、冷蔵室扉11の開放端部に取り付けられたセンターキャップ21の内側に嵌め込まれている(
図5参照)。これに対して、第2の実施形態では、
図10に示すように、表示パネル150の左側端部150a(すなわち、冷蔵室扉11の開放端部側に位置する端部)は、外側に露出した状態となっている。すなわち、表示パネル150の左側端部150aは、冷蔵室扉11の開放端部を部分的に構成している。
【0071】
そして、表示パネル150の左側端部150aには、その背面部分に、表示パネルの内側方向へと突出するフック151が形成されている。
【0072】
また、冷蔵室扉11の開放端部に取り付けられるセンターキャップ121には、正面側の先端に、溝121aが形成されている。
図10に示すように、表示パネル150を冷蔵室扉11に取り付けた状態で、表示パネルのフック151は、センターキャップ121の溝121aに嵌め込まれる。なお、
図10に示すように、冷蔵室扉11を構成する表示パネル設置板135の左側端部(すなわち、冷蔵室扉11の開放端部側)は、センターキャップ121(より具体的には、センターキャップ121の溝121a)の裏側(背面側)に位置する。
【0073】
続いて、第2の実施形態の変形例について説明する。
図11には、第2の実施形態の変形例にかかる冷蔵庫1の開放端部周辺(すなわち、センターキャップ121’の周辺)、および、表示パネル150の左側端部の構成を示す。
図11は、
図3に示す冷蔵室扉11のB−B線部分の横断面の一部に相当する部分の構成を示す図である。特に、
図11は、
図5に示す冷蔵室扉11の一点鎖線で示す枠内の部分と同じ部分を示す図である。
【0074】
図11に示す変形例では、表示パネル150の構成については、第2の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0075】
また、冷蔵室扉11を構成する表示パネル設置板135’には、開放端部側の側面部に溝135’aが形成されている。
図11に示すように、表示パネル150を冷蔵室扉11に取り付けた状態で、表示パネルのフック151は、表示パネル設置板135’の溝135’aに嵌め込まれる。また、
図11に示すように、センターキャップ121’の正面側の先端には、冷蔵室扉11の内側方向へと突出するフック121’aが形成されている。フック121’aは、表示パネルのフック151とともに、表示パネル設置板135’の溝135’aに嵌め込まれる。
【0076】
以上のように、第2の実施形態およびその変形例にかかる構成では、表示パネル150を冷蔵室扉11に取り付けた状態で、表示パネル150の左側端部150aが、冷蔵室扉11の開放端部において外側に露出している。これにより、この露出した左側端部150aから、表示パネル150で発生した熱を効率よく放出することができる。また、表示パネル150の放熱部が、冷蔵室扉11の開放端部を部分的に構成することで、冷蔵室扉11の開放部分が温められるため、結露抑制の効果を得ることもできる。
【0077】
なお、センターキャップ121に形成された溝121a、または、表示パネル設置板135’に形成された溝135’aの深さをある程度の深さ(例えば、3〜5cm程度)としてもよい。これに伴って、溝121aまたは溝135’aに嵌め込まれる表示パネル150のフック151の幅をより大きくすることができる。このとき、表示パネル150のフック151と、表示パネル150と接続される冷蔵室扉11側の各構成部材(溝121aまたは溝135’a)とを面接触させることが好ましい。このように、表示パネル150と、冷蔵室扉11側の表示パネル150との接続部とを面接触させることで、互いの接触面積を大きくすることができ、表示パネル150の熱をより効率的に冷蔵室扉11へ伝えることができる。
【0078】
また、表示パネル150を取り外し可能なタブレット端末で構成する場合には、第2の実施形態にかかる構成を適用することが好ましい。これにより、表示パネル150を横に(
図10および
図11では右方向に)スライドさせる際にセンターキャップ121または121’が邪魔にならないため、表示パネル150の取り付けおよび取り外しを簡単に行うことができる。
【0079】
なお、表示パネル150の右側端部の構成は、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。但し、表示パネル150を冷蔵室扉11からより容易に取り外すことができるように、ネジを用いない接続構造(例えば、凹部と凸部との篏合構造など)とすることもできる。
【0080】
〔第3の実施形態〕
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
図12には、第3の実施形態にかかる冷蔵庫200の外観の構成を示す。
【0081】
上述した第1および第2の実施形態では、表示パネルの側端部(具体的には、左側端部)が冷蔵室扉11の左右方向の何れか一方の端部(具体的には、開放端部)のみに沿って配置されている構成例について説明した。しかし、本発明の一態様では、
図12に示すように、表示パネル250が、冷蔵室扉11の左右方向の全領域にわたって配置される構成とすることもできる。なお、冷蔵庫200において、表示パネル250以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。
【0082】
以上のように、本発明の一態様では、冷蔵室扉の左側端部から右側端部の全体にわたって表示パネルが配置されている構成も可能である。このような構成により、より表示面積の大きな表示パネルを冷蔵庫に設置することができる。また、この場合は、センターキャップ21による放熱に加えて、サイドキャップ23による放熱の効果も奏する。
【0083】
〔第4の実施形態〕
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
図13には、第4の実施形態にかかる冷蔵庫300の外観の構成を示す。
【0084】
上述した各実施形態では、観音開き式の冷蔵室扉に表示パネルが取り付けたられた構成について説明した。しかし、本発明の他の態様では、片開き式の冷蔵室扉を有する冷蔵庫とすることもできる。
【0085】
図13に示すように、冷蔵庫300は、上段に第1の冷蔵室、中段に第2の冷蔵室(野菜室)、および下段に冷凍室を備えている。なお、冷蔵庫300における各貯蔵室の構成や配置は、上記のものに限定はされない。各貯蔵室の構成および配置は、冷蔵庫の容量、用途などに応じて適宜変更することができる。
【0086】
また、上段の第1の冷蔵室には、片開き式の冷蔵室扉311が設けられている。中段の第2の冷蔵室には、引き出し式の冷蔵室扉13が設けられている。下段の冷凍室には、引き出し式の冷凍室扉14が設けられている。冷蔵室扉311は、その右側にヒンジ(図示せず)が設けられており、左側から開閉される。
【0087】
右側の冷蔵室扉311には、表示パネル350が設置されている。表示パネル350の内部構成については、第1の実施形態で説明した表示パネル50と同様の構成が適用できる。
【0088】
図13に示すように、表示パネル350は、冷蔵室扉311の上下方向の中央部分に配置されている。そして、表示パネル350の上方には、上部ガラスパネル11aが配置され、表示パネル350の下方には、下部ガラスパネル11bが配置されている。
【0089】
また、本実施形態では、表示パネル350は、冷蔵室扉311の左側(すなわち、開放端部側)に寄せられて配置されている。そして、表示パネル350の右側(すなわち、ヒンジが取り付けられている側)には、第3のガラスパネル11cが配置されている。このように、本実施形態では、表示パネル350の左側の端部が、冷蔵室扉311の左側の端部に沿って配置されている。
【0090】
第1の実施形態と同様に、第3のガラスパネル11cの背面側には、表示パネル350などの電子部品に接続された配線75などが配置されている。
【0091】
本実施形態では、上部ガラスパネル11a、表示パネル350の表面、第3のガラスパネル11c、および下部ガラスパネル11bで、冷蔵室扉311の表面が形成されている。
【0092】
以上のように、本実施形態の冷蔵庫300では、冷蔵室扉311の開放端部(本実施形態では、左側端部)側に沿って、表示パネル350の側端部(本実施形態では、左側端部)が配置されている。このように、熱を発生する表示パネル350が冷蔵室扉311の開放端部に沿って配置されていることで、開放端部における結露を低減させる効果が得られる。
【0093】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。