【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載のウィンドウレギュレータアセンブリ、請求項20に記載
のウィンドウレギュレータアセンブリ、および請求項21に記載の組付方法のいずれによ
っても達成される。
【0006】
本発明では、とりわけ、ウィンドウレギュレータアセンブリであって、ガラス面に沿っ
て延在するウィンドウガラス、該ウィンドウガラスの側縁部の領域で該ウィンドウガラス
に固定されている少なくとも1つの第1のガイド部材を備える、ウィンドウレギュレータ
アセンブリが提案される。この少なくとも1つの第1のガイド部材は、一般に車体側また
はドア側の第2のガイド部材でウィンドウガラスの調節経路に沿って変位可能に保持され
る。簡単な組付のために、第1または第2のガイド部材は、該第1および第2のガイド部
材が調節経路を横切ってガラス面と略平行に延びる連結方向において互いにスナップ嵌合
されることを可能にする、少なくとも1つの弾性変位可能な掛止部を有している。この少
なくとも1つの掛止部により、ウィンドウガラスに固定される第1のガイド部材と第2の
ガイド部材との形状係合連結(positive connection)であって、該第1のガイド部材を
該第2のガイド部材に連結方向に関して固定する連結がもたらされる。ウィンドウレギュ
レータアセンブリの組立のために第1および第2のガイド部材が互いにスナップ嵌合され
得る連結方向は、該ウィンドウレギュレータアセンブリの設置後状態を基準として、車両
フロント側から車両リア側に向いた車両前後方向と略平行に延びる方向である。さらに、
所期のとおり互いに形状係合によって連結された第1および第2のガイド部材により、連
結方向および該連結方向と直交して伸びる横方向におけるウィンドウガラスの位置を規定
するガイド構造が提供される。
【0007】
本発明に従って構成された第1および第2のガイド部材により、ウィンドウガラスをウ
ィンドウパラペットよりも上方から、簡単に組み付けることができる。というのも、ウィ
ンドウガラスに固定される第1のガイド部材を第2のガイド部材のガイド溝内に下方から
挿入することが特に必要でなくなり、むしろ、これらガイド部材同士をリア側またはフロ
ント側に向いた連結方向で互いにスナップ嵌合すればよいからである。まずこの場合、弾
性変位可能な掛止部が、ガラス側の第1のガイド部材に設けられているのか、それとも、
車体側またはドア側の第2のガイド部材に設けられているのかは重要でない。重要なのは
、まず、ウィンドウガラスが連結方向だけでなく、これと直交して延びる横方向にも案内
され得る形状係合(掛止)連結(形状同士の組み合せによる連結)が生じるように、それ
ら2つのガイド部材が連結方向にまとまって配置されて、互いに掛止され得るという点の
みである。
【0008】
この場合、一方のガイド部材の、他方のガイド部材のガイド溝内にスナップ嵌合される
掛止部が、ウィンドウガラスを連結方向に関して固定すると共に、該連結方向における位
置ガイド体を提供する。さらに、この掛止部または該掛止部とは別のガイド部により、連
結方向と直交して延びる横方向における位置のガイド構造も提供される。したがって、互
いにスナップ嵌合された第1および第2のガイド部材によって、ウィンドウガラスは、第
1のガイド部材を含む側縁部の領域において、該ウィンドウガラスの調節経路と直交して
延びる複数の空間方向に所期のとおり案内されることになる。好ましくは、この場合の第
2のガイド部材は、該第2のガイド部材によって第1のガイド部材がウィンドウ開口部に
おいて変位可能に保持されるように、該ウィンドウ開口部の少なくとも一部に延在する。
よって、この場合ウィンドウパラペットよりも上方でのそれら2つのガイド部材のスナッ
プ嵌合が可能となる。したがって、本発明に従って構成されたウィンドウレギュレータア
センブリが車両ドアに使用される場合には、原則として、ドアアウタスキンを後から(す
なわち、具体的にはウィンドウガラスの導入後に)組み付けることを可能とするドア設計
がもはや必要でなくなる。当然ながら、車体側またはドア側にある第2のガイド部材は、
ウィンドウパラペットよりも下方に、したがって、例えばドアチャンネル内に延長してい
るものとされてもよい。ただし、第2のガイド部材の少なくとも一部が、ウィンドウ開口
部に、したがって、ウィンドウパラペットよりも上方に延在することが好ましい。
【0009】
一変形例において、掛止部は、第1および第2のガイド部材が互いにスナップ嵌合され
たときにガイド溝の壁部に係止される少なくとも1つの掛止フックを具備するように構成
されている。該掛止フックが壁部の背面に係止されることによって、ガイド溝からの掛止
部の抜け落ちが防止される。これと同時に壁部に接する掛止フックにより、連結方向にお
ける位置を規定するガイド構造を提供することができる。
【0010】
一改良形態では、一つのガイド部材に少なくとも2つの掛止部が設けられており、その
うち第1の掛止部は、第1の方向に突出する掛止フックを形成しており、第2の掛止部は
、第1の方向とは反対の第2の方向に突出する掛止フックを形成している。これにより、
少なくとも2つの掛止フックをガイド溝の対向し合う2つの壁部の背面に係止できるので
、それら2つのガイド部材間の形状係合掛止連結の安定性が向上する。
【0011】
改良形態に基づく一変形例では、第1の掛止部と第2の掛止部とが、連結方向と直交し
、ガラス面と略平行に延びる縦方向で上下に配置されている。そのため、これら2つの掛
止部は、ウィンドウレギュレータアセンブリ設置後状態を基準として、車両床から車両屋
根に向いた車両の上下軸と平行に一般的に延びる縦方向において互いに離間している。第
1の掛止部と第2の掛止部とが複数ある場合には、これら掛止部が縦方向において互いに
交互に配置され、これによって該掛止部の掛止フックが、断面U字状のガイド溝の一方ま
たは他方の壁部に交互に掛止することになる。
【0012】
代替的な一変形例では、第1の掛止部と第2の掛止部とが、横方向において前後に、し
たがって、互いに向かい合わせに配置されている。よって、この場合、前後に配置された
2つの掛止部は、2つのガイド部材を互いにスナップ嵌合するためにガイド溝内に挿入さ
れると、初めは互いに向かって弾性的に圧迫されるが、該掛止部がそのガイド溝内に連結
方向に十分深く挿入されると、該掛止部がスナップして該掛止部の掛止フックがそのガイ
ド溝の対向し合う壁部上に配される。
【0013】
一変形例では、少なくとも1つの掛止部が(それぞれ)、断面L字状に構成されている
。この場合のL字状の掛止部は、例えば、ウィンドウガラスの車両内部に面することにな
る内側表面に該ウィンドウガラスの側縁部の領域で固定されたベースに対して、弾性変位
可能である。したがって、弾性変位可能な掛止部は、ウィンドウガラスの内側表面からベ
ースを経由して若干突出してから、連結方向にウィンドウガラスのガラス面(場合によっ
ては、曲面である)と略平行に延設されている。この場合の掛止部は、さらに、ガラス面
の側縁部を越えて連結方向に突出していてもよい。
【0014】
一変形例では、第1または第2のガイド部材が、連結方向と略平行に突出する少なくと
も1つの剛体のガイド部を有している。このガイド部は、第1および第2のガイド部材が
互いにスナップ嵌合された後に、該第1のガイド部材と該第2のガイド部材とのさらなる
形状係合連結であって、該第1のガイド部材を該第2のガイド部材に横方向に対して固定
する連結をもたらす。この構成によれば、掛止部によってウィンドウガラスの側縁部の領
域において連結方向における該ウィンドウガラスの案内が行われるとともに、ガイド部に
よってウィンドウガラスの側縁部の領域において横方向における該ウィンドウガラスの案
内が行われる。つまり、少なくとも1つの掛止部の弾性により、第1および第2のガイド
部材の掛止が可能となるだけでなく連結方向における組付公差、設定挙動及び温度依存性
の可変膨張の補償も可能となる。この構成によれば、組付時において、ウィンドウガラス
を連結方向において位置合わせしたり調節したりすることが、掛止部により可能となる。
そして、これとは独立して、剛体構造のガイド部により、少なくとも横方向においてガラ
スを所定位置に規定するガイド構造が提供されるので、横方向で内側又は外側に大きな力
が働いた場合であっても、車体側またはドア側にあるガイド体でウィンドウガラスが保持
される。
【0015】
例えば、ガイド部の厚さは、掛止部及び設けられている掛止フックの厚さよりも大きく
選択されており、これによって掛止部とガイド部とが同じガイド溝内に挿入され得る一方
で、掛止部については該ガイド溝内に挿入された時に、未だ掛止のため連結方向を横切る
ように変位可能であり、かつ、剛体の該ガイド部については該ガイド溝内において該ガイ
ド溝を画定する、対向する2つの壁部間で実質的に隙間なしに又は横方向に関して隙間な
しに収容されるようにできる。また、一方のガイド部材が少なくとも1つの掛止部を形成
し、他方のガイド部材が少なくとも1つのガイド部を形成するものであってもよい。
【0016】
例示的な一実施形態では、掛止部とガイド部とが、連結方向と直交し、ガラス面と略平
行に延びる縦方向において互いに離間しており、従って、上下に配置されていることが好
ましい。具体的には、この場合の掛止部とガイド部とは、縦方向において連なって配置さ
れているものであってもよい。掛止部が複数ある場合には、ガイド部が複数の(2つ以上
の)掛止部間に配置されてもよく、特には、上下に連なって配置されていてもよい。
【0017】
一変形例では、ウィンドウレギュレータアセンブリのガイド部材の一方に弾性領域が設
けられており、2つのガイド部材が互いにスナップ嵌合されると、少なくとも1つの掛止
部を有するガイド部材が、弾性領域によって他方のガイド部材に対して連結方向と平行に
、すなわち、連結方向とは逆方向に又は連結方向に付勢される。つまり、弾性領域により
例えば、掛止部の掛止フックが背面に係止された壁部に該掛止フックが該弾性領域の付勢
力によって押し付けられることで、互いにスナップ嵌合された第1および第2のガイド部
材の形状係合掛止連結が支援される。この場合の弾性領域は、例えば、ガイド部に設けら
れ得る。
【0018】
変形例に基づく一改良形態では、弾性領域が、ガイド部の連結方向に位置する前面に形
成された円弧状のバネによって形成されている。2つのガイド部材が所期のとおり互いに
連結された状態においてこの円弧状のバネは、ガイド溝のウィンドウガラスの側縁部に面
するベースに押し付けられることによって掛止部を有するガイド部材に付勢力を加え、該
掛止部によるウィンドウガラスの位置制御を支援し、(場合によっては)掛止連結を意図
せずして解除されることのない確実なものとする。
【0019】
一変形例では、第1および第2のガイド部材の形状係合連結を(さらに)確実なものに
するために、少なくとも1つの掛止部に配置される少なくとも1つの固定部材が設けられ
る。この場合、該固定部材は、形状係合連結を連結方向と直交する方向において又は連結
方向と平行な方向において確実なものにするように、少なくとも1つの掛止部に配置され
得る。これにより、固定部材によって2つのガイド部材が、相互の係合状態から意図せず
して外れないようにされる。好ましくは、連結方向と直交する方向での固定部材の配置又
は挿入は、ガラス面と略平行に延びる縦方向(場合によっては、垂直方向)で(好ましく
は、ウィンドウガラスの内側表面上で)行われる。
【0020】
この場合、掛止部に配置された固定部材により、一方のガイド部材の掛止部の掛止フッ
クが、他方のガイド部材の壁部との係合状態から外れ得ないようにされる。この場合の固
定部材は、ガイド部材同士が互いにスナップ嵌合された後に、掛止部の弾性変位を阻止す
るものである。固定部材は、まず、少なくとも1つの掛止部に後から配置され得るか、あ
るいは、該固定部材が第1および第2のガイド部材を係合状態から外れないことを確実に
する固定位置で、少なくとも後から掛止部に配置され得る。
【0021】
固定部材の少なくとも一部は、掛止部による形状係合掛止連結を確実なものにするよう
、掛止部に設けられた挿入口に挿入され得る。掛止部自体に設けられている挿入口への挿
入によって、この場合の固定部材は、例えば、該掛止部を後から補強し、これによって掛
止部の弾性変位を防止することができる。
【0022】
一変形例では、複数の掛止部が(例えば、縦方向において)互いに離間して設けられて
おり、これらに対して個々の固定部材を同時に配置することができる。一変形例では、該
固定部材が例えば剛体のピン状体を形成しており、該剛体のピン状体は、相異なる2つの
方向に交互に突出する掛止フックを具備する複数の掛止部間に延在せしめられて、該掛止
フックをガイド溝の対向し合う壁部との係合状態に保持するように掛止フック同士を互い
に支持する。さらなる変形例では、固定部材はピンストリップを含み、このピンストリッ
プからは複数の固定ピンが突出している。そして、各々の固定ピンが、一つ一つの掛止部
の挿入口に振り当てられる。ピンストリップを含む固定部材を用いることにより、全ての
固定ピンが複数の掛止部に同時に取り付けられて、掛止係合を確実なものにする。
【0023】
原則として、ウィンドウガラスに固定されている第1のガイド部材は、ウィンドウガラ
スの連結方向を基準としてリア側の縁部の領域に固定されるものであってもよい。そのた
めウィンドウガラスの位置制御は、該ウィンドウガラスのリア側縁部で第2のガイド部材
により行われ、フロント側ガラスの場合にはBピラーの近傍で、リア側ガラスの場合には
Cピラーの近傍で行われる。変形例として、ウィンドウガラスの連結方向に対するフロン
ト側縁部の領域においてウィンドウガラスに固定された第1のガイド部材は、ウィンドウ
ガラスの位置制御が、該ウィンドウガラスのフロント側縁部で第2のガイド部材により行
われ、すなわち、フロント側ガラスの場合にはAピラーの近傍で又はリア側ガラスの場合
にはBピラーの近傍で行われるように固定されていてもよい。
【0024】
一変形例では、連結方向に対して反対側の縁部においてもウィンドウガラスの案内を行
うために、第3のガイド部材が設けられる。該第3のガイド部材は、ウィンドウ開口部で
第4のガイド部材にウィンドウガラスの調節経路に沿って変位可能に保持される。この場
合、第3または第4のガイド部材には連結部が設けられており、該連結部は、第1または
第2のガイド部材の少なくとも1つの掛止部と同じ方向に延びている。そこで、例えば、
ウィンドウガラスに固定されている第1および第3のガイド部材がそれぞれ、連結方向に
延出した部位を有するいわゆる「ピンガイド」として構成されており、好ましくは、該部
位が、車体に固定されているか又はドアに固定されている第2および第4のガイド部材の
ガイドトラックで変位可能に保持される。連結部と掛止部とが同じ方向に延びていること
により、第一に、ウィンドウガラスは各ウィンドウ開口部へ連結方向にしか組み付けられ
ることができないので、組付順序が実質的に予め決まったものになる。第二に、このよう
にしてウィンドウガラスの側方ガイド体で連結方向とは逆方向でもウィンドウガラスおよ
び/またはガイド部材についての対応する支持が行われるようになるので、ウィンドウガ
ラスの恒久的かつ確実な保持が比較的簡単に確保できる。結果として、ウィンドウガラス
に同じく固定される第3のガイド部材は、ドアに固定されるか又は車体に固定される第4
のガイド部材のガイド溝で変位可能に保持される連結部を有するものであってもよい。
【0025】
この場合の一変形例では、ウィンドウレギュレータアセンブリの組立のため、第4のガ
イド部材が、ドアに固定されたか又は車体に固定された部品上で、連結方向と平行な方向
に変位可能であってもよい。従って、この変形例では、ウィンドウガラスをウィンドウ開
口部に配置でき、次いで第1および第2のガイド部材が互いにスナップ嵌合される。その
後、第4のガイド部材の変位が行われ、この後、同じくウィンドウガラスに固定された第
3のガイド部材の連結部は、所期のとおり第4のガイド部材のガイド溝にしか係合しない
ようにされる。まず、第4のガイド部材は初めに、ドアに固定されているか又は車体に固
定されている部品上で組付時位置に配置されており、ウィンドウガラスは、第1および第
2のガイド部材を互いにスナップ嵌合することによりこの位置に配置され、ウィンドウ開
口部と位置合わせされる。この後でようやく第4のガイド部材がその組付時位置から使用
位置(少なくとも1つの第3のガイド部材の位置制御が該第4のガイド部材によって行わ
れる位置)まで変位され、その位置に固定される。例えば、ウィンドウガラスは車両前後
軸に対ししてリア側縁部で、該ウィンドウガラスの第1のガイド部材によってBピラー側
のガイド体(フロント側ガラスの場合)又はCピラー側のガイド体(リア側ガラスの場合
)にスナップ嵌合される。その後、該ウィンドウガラスはそのフロント側縁部でAピラー
(フロント側ガラスの場合)又はBピラー(リア側ガラスの場合)の領域における所定の
組付時位置に保持される。この保持は、そのフロント側縁部に配された該第4のガイド部
材のガイド溝内に第3のガイド部材の連結部を収容し、そこで変位可能に保持するために
、Aピラー側又はBピラー側にある第4のガイド部材が該ウィンドウガラスの前記フロン
ト側縁部の方向に変位されるまで行われる。
【0026】
一変形例では、第3および第4のガイド部材も、例えば該第3または第4のガイド部材
の弾性変位可能な掛止部によって、互いにスナップ嵌合され得る。第3および第4のガイ
ド部材にも、第1および第2のガイド部材のスナップ嵌合に関して既述したような追加の
固定部材が、該第3および第4のガイド部材の形状係合掛止連結を確実なものにするよう
に設けられてよい。
【0027】
上記の構成に代えて、または加えて、車両のドア部分または車体部分に取り付け得る別
体のカバー部材にシールを設けることができ、ウィンドウガラスの側縁部がこのシールに
もたれかかり、所期のとおりに設置された状態のウィンドウガラスは、カバー部材によっ
て連結方向と平行な方向に支持される。つまり、この場合のカバー部材(好ましくは、車
体または車両ドアの、車両内部に面する側に取り付けられるものである)は、ウィンドウ
ガラスの組付後に該ウィンドウガラスが連結方向とは逆方向に意図せずして変位されるこ
とができないように、ウィンドウ開口部での該ウィンドウガラスの側方支持体として機能
する。カバー部材により、ガイド部材同士がはずれることが防止されるだけではなく、ガ
タつき音の発生も防止される。車体部分又はドア部分の被覆体を形成するカバー部材がウ
ィンドウガラス(したがって、該ウィンドウガラスに固定されている第1および第3のガ
イド部材)の連結方向とは逆方向への変位を妨げることによって、ガイド部材と、対応す
る他方のガイド部材との形状係合がさらに確実なものとなる。
【0028】
例示的な一実施形態では、ウィンドウガラスが車両フロント側ドアにおけるウィンドウ
開口部を閉じるために設けられているものであるとき、カバー部材は三角形状のミラーパ
ネルにより形成されている。この場合の三角形状のミラーパネルは、一般的に、車両のA
ピラーの近傍の領域に取り付けられる。したがって、この変形例では、このような三角形
状のミラーパネルに、カバーとしての機能以外に、他の機能が組み込まれている。すなわ
ち、この変形例における三角形状のミラーパネルは、ウィンドウ開口部に配置されるウィ
ンドウガラスの側縁部に対するシールの担持体でもある。該三角形状のミラーパネルは、
さらに、連結方向と平行な方向でのウィンドウガラスの(追加の)固定部としても機能す
る。
【0029】
カバー部材、特には三角形状のミラーパネルへのこのような機能の組込みは、本発明に
従って可能となる第1および第2のガイド部材のスナップ嵌合との組合せで有利となり得
るが、当然ながらスナップ嵌合との組合せに限定されない。したがって、これとは独立し
て、本発明のさらなる態様で提案されるウィンドウレギュレータアセンブリ
は、少なくと
も2つのガイド部材の一つのガイド部材が、ガラス面と略平行に延びる連結方向で、別の
ガイド部材に固定され得て、車両のドア部分または車体部分に取り付けられ得る別体のカ
バー部材にシールが設けられており、ウィンドウガラスの側縁部がこのシールに圧接し(
もたれかかり)、所期のとおりの設置された状態のウィンドウガラスは、カバー部材によ
って連結方向とは逆方向に支持される、ウィンドウレギュレータアセンブリである。
【0030】
カバー部材により、該カバー部材が連結方向とは逆方向へのウィンドウガラス(したが
って、該ウィンドウガラスに固定されているガイド部材)の変位を阻止するので、このよ
うにして他方のカバー部材での一方のカバー部材の保持、具体的には他方のガイド部材で
の一方のカバー部材の形状係合が連結方向においてさらに確実なものにされ得る。これに
より、ウィンドウガラスは、連結方向とは逆方向にカバー部材を越えて変位され得ない。
【0031】
この場合においても、対応するカバー部材が三角形状のミラーパネルにより形成されて
おり、該三角形状のミラーパネルが、ウィンドウガラスのフロント側縁部に対するシール
の担持体にもなることが好ましい。
【0032】
本発明のさらなる態様は、ウィンドウレギュレータアセンブリ(特には、本発明に従っ
て構成されたウィンドウレギュレータアセンブリ)の組立方法であって、該ウィンドウレ
ギュレータアセンブリは、車両のウィンドウレギュレータ用に設けられており、調節され
るウィンドウガラスは、閉めた状態では、該ウィンドウガラスによって閉じられる開口部
を画定する上方および/または側方の車体部分に対して面一に装着される、方法である。
【0033】
本発明では、ウィンドウガラスにフロントまたはリア側縁部の領域において固定されて
いる第1のガイド部材、あるいは、前記第1のガイド部材をウィンドウガラスの調節経路
に沿って変位可能に保持するよう設計された第2のガイド部材が、少なくとも1つの弾性
変位可能な掛止部を有している。本発明では、第1および第2のガイド部材がウィンドウ
レギュレータアセンブリの組立のために、調節経路を横切ってガラス面と略平行に延びる
連結方向において互いにスナップ嵌合される。この場合の2つのガイド部材同士のスナッ
プ嵌合は、ウィンドウ開口部の領域において行われ得る(ただし、任意で、ウィンドウパ
ラペットよりも下方で、したがって、例えばドアチャンネル内で行われてもよい)。重要
なのは、第1または第2のガイド部材の少なくとも1つの掛止部により、ウィンドウガラ
スに固定されている第1のガイド部材と第2のガイド部材との形状係合連結が行われ、こ
の連結が該第1のガイド部材を該第2のガイド部材に連結方向に対して固定することであ
る。本発明では、この場合にさらに、所期のとおり互いに形状係合によって連結された第
1および第2のガイド部材により、連結方向および該連結方向と直交して延びる横方向の
両方においてウィンドウガラスの位置を規定するガイド構造が提供される。
【0034】
上述のように、第1および第2のガイド部材が互いにスナップ嵌合された後、別体の部
品として構成された固定部材を少なくとも1つの掛止部に配置し、該固定部材によって第
1および第2のガイド部材の形状係合連結を確実なものとしてもよい。
【0035】
第1のガイド部材は、連結方向に対してリア(フロント)側縁部の領域でウィンドウガ
ラスに固定されているものであってもよい。そして、第3のガイド部材は、ウィンドウガ
ラスのフロント(リア)側縁部の領域で該ウィンドウガラスに固定でき、車体側またはド
ア側にある第4のガイド部材に、ウィンドウ開口部で変位可能に保持され得る。第3のガ
イド部材には、このための連結部が設けられており、ウィンドウガラスが該連結部を介し
て、ウィンドウ開口部で第4のガイド部に変位可能に保持されるように設計されている。
例示的な一実施形態における該連結部は、第1および第2のガイド部材が互いにスナップ
嵌合されるときに第4のガイド部材との係合状態に移行させられるか、あるいは、第1お
よび第2のガイド部材が互いにスナップ嵌合された後に第4のガイド部材との係合状態に
移行させられる。
【0036】
最初に述べた場合には、第1および第2のガイド部材、さらには、第3および第4のガ
イド部材が互いに連結された後にのみ、シールを具備するカバー部材を取り付けのため、
車両のドア又は車体部分に提供することができる。その後、取り付けられたカバー部材は
、部材のシールによってウィンドウガラスを、該ウィンドウガラスの側縁部が該シールに
圧接することによって支持する。
【0037】
第1および第2のガイド部材がリア(フロント)側縁部の領域において互いにスナップ
嵌合された後でしか第3および第4のガイド部材がウィンドウガラスのフロント(リア)
側縁部の領域において互いとの係合状態に移行されない一変形例では、車体側またはドア
側にある第4のガイド部材がウィンドウレギュレータアセンブリの組立のために変位可能
とされている。この場合の該第4のガイド部材はドアに固定されているか又は車体に固定
されている部品上において連結方向と平行な方向に変位可能に保持されており、ウィンド
ウガラスをウィンドウ開口部に配置して位置合わせした後に、該第4のガイド部材に第3
のガイド部材が係合するように、連結方向に又は該連結方向とは逆方向に変位される。従
って、この場合の第3および第4のガイド部材の所期のとおりの連結は、第1および第2
のガイド部材が互いにスナップ嵌合されて、ウィンドウガラスがウィンドウ開口部に位置
合わせされた後でしか実現されない。このようにして、例えば、第4のガイド部材のガイ
ド溝は、ウィンドウガラスがウィンドウ開口部に配置された後はじめて、連結方向に平行
に、したがってその延在方向を実質的に横切るように配置され、ウィンドウガラスに固定
された第3のガイド部材の連結部に押しかぶせられる。その後、変位された第4のガイド
部材が、使用時位置を規定する調整位置で固定される。
【0038】
ウィンドウレギュレータアセンブリの組立時に第4のガイド部材を組付時位置から使用
時位置に変位できるよう、該ガイド部材を変位可能とするために、ガイド部として例えば
スロットが設けられている。この場合、例えば、第4のガイド部材に固定されている締結
具(例えば、ねじ等)などの部品が車体部分又はドア部分におけるスロットに係合してお
り、ここで例えばこの締結具等を用いて第4のガイド部材が該車体部分又はドア部分に固
定されることになる。あるいは、これとは逆に、車体部分又はドア部分に固定されている
部品が第4のガイド部材のスロットに係合していてもよい。
【0039】
さらなる変形例では、第1および第2のガイド部材が互いにスナップ嵌合された後に、
第3および第4のガイド部材も互いにスナップ嵌合される。具体的には、この変形例では
さらに、第3および第4のガイド部材を互いに連結するよりも前にフロント側縁部の領域
にはシールを具備したカバー部材が既に、車両のドア部分または車体部分に設けられ、ウ
ィンドウガラスが所期のとおりウィンドウ開口部内に配置されると、シールにウィンドウ
ガラスのフロント側縁部が圧接してカバー部材によってウィンドウガラスが連結方向と平
行な方向に支持される。
【0040】
本発明にかかる組立方法はこの場合、特には、本発明に従って構成されたウィンドウレ
ギュレータアセンブリの組立に適用され得る。結果として、本発明にかかるウィンドウレ
ギュレータアセンブリの各種変形例に関して前述した及び後述する利点及び特徴は、本発
明にかかる組立方法の各種変形例にも当てはまり、その逆も然りである。
【0041】
さらに、本発明にかかる解決技術の想定可能な変形例について、添付の図面を参照しな
がら説明する。