(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信装置が有する前記有線インタフェースが通信不可能状態になったことによって、前記2以上の通信装置のうち前記通信装置とは異なる第二通信装置が有する有線インタフェースが、前記プロトコルによって通信許可状態になった後において、
前記経路制御部は、前記2以上の通信装置のうち、前記有線インタフェースが通信許可状態である通信装置が通信不可能状態になったことに基づいて、前記フレームが前記宛先端末に到達できない場合に、前記端末情報を削除する
請求項1に記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0028】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0029】
(実施の形態)
本実施の形態において、メッシュネットワークにおける通信経路を適切に切り替える通信装置としての基地局について説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態に係る通信システム1の構成を示す模式図である。
【0031】
図1に示されるように通信システム1は、基地局M1、M2及びM3と、ハブ20とを備える。通信システム1は、端末T1及びT2に接続されている。
【0032】
基地局M1、M2及びM3は、メッシュネットワークを構成する基地局である通信装置であり、一般にメッシュポイント(MP)と呼ばれることもある。基地局M1、M2及びM3は、後述するように、少なくとも無線IF(インタフェース)を備え、さらに有線IFを備えてもよい。
【0033】
基地局M1は、基地局M2及びM3と無線IFによって無線通信可能に接続されている。また、基地局M1は、端末T1と無線IFによって通信可能に接続されている。
【0034】
基地局M2は、基地局M1と無線IFによって無線通信可能に接続されている。また、基地局M2は、有線IFによって、ハブ20を介して端末T2と有線通信可能に接続されている。
【0035】
基地局M3は、基地局M1と無線IFによって無線通信可能に接続されている。また、基地局M2は、有線IFによって、ハブ20を介して端末T2と有線通信可能に接続されている。
【0036】
ハブ20は、有線ネットワークの集線装置であり、基地局M2及びM3、並びに、端末T2と接続されている。
【0037】
端末T1は、無線通信をすることができる端末装置であり、基地局M1と無線通信可能に接続されている。
【0038】
端末T2は、有線通信をすることができる端末装置であり、ハブ20と有線通信可能に接続されている。
【0039】
基地局M2と基地局M3とは、ループを回避するためのプロトコルにより通信している。そして、基地局M2と基地局M3とのそれぞれの有線IFは、上記プロトコルによって動的に通信許可状態及び通信禁止状態を含む複数の状態のいずれかに設定される。上記プロトコルの一例はSTPであり、この場合、通信許可状態はSTPで規定されているフォワーディング状態であり、通信禁止状態はSTPで規定されているブロッキング状態である。以降ではこの場合を説明するが、他の例としてRSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)を採用することもできる。
【0040】
また、基地局M1、M2及びM3は、メッシュネットワークのルーティングプロトコルによって通信しており、このルーティングプロトコルによってメッシュネットワーク内の通信、及び、メッシュネットワークを介した端末同士の通信の通信経路を構築し、維持している。メッシュネットワークのルーティングプロトコルは、例えば、IEEE802.11s規格に準拠したルーティングプロトコルを採用し得る。
【0041】
端末T1が端末T2に向けて、通信システム1を介してフレームを送信することが想定される。このとき、端末T1を送信元端末ともいい、端末T2を宛先端末ともいう。
【0042】
通信システム1には、基地局M1及びM2、並びにハブ20を経由する第一の通信経路と、基地局M1及びM3、並びにハブ20を経由する第二の通信経路とがあり得る。そして、端末T1が端末T2に向けて送信したフレームが、これらの通信経路のどちらを流れるかが、ループを回避するためのプロトコル、及び、メッシュネットワークのルーティングプロトコルによって決定される。
【0043】
図2は、本実施の形態に係る基地局Mの構成を示すブロック図である。基地局Mは、
図1における基地局M1、M2及びM3に相当する。
【0044】
図2に示されるように、基地局Mは、有線IF11と、無線IF12及び13と、転送部14と、STP制御部15と、経路制御部16とを備える。
【0045】
有線IF11は、有線ネットワークに接続される通信インタフェース装置である。有線IF11は、例えばIEEE802.3規格に従う。なお、有線IF11は、必須の構成要素ではない。
図1に示される通信システム1では、基地局M1は有線IF11を備えていなくてもよい。基地局M1は有線ネットワークに接続されていないからである。一方、基地局M2及びM3は、有線IF11を備えている必要があり、有線IF11によってハブ20に接続される。
【0046】
無線IF12は、無線通信を行う通信インタフェース装置である。無線IF12は、他の基地局Mの無線IF12との間で無線通信リンクを確立し、無線通信を行う。無線IF12の通信規格は、例えば、IEEE802.11a、b、g、nに適合する無線LANである。
【0047】
無線IF13は、端末との無線通信を行う通信インタフェース装置である。無線IF13は、端末との間で無線通信リンクを確立し、無線通信を行う。無線IF13の通信規格は、例えば、IEEE802.11a、b、g、nに適合する無線LANである。また、無線IF13は、例えばインフラストラクチャモードでアクセスポイントとして動作することが想定されるが、これに限定されない。
【0048】
なお、無線IF12と無線IF13とは、物理的に1つの無線インタフェース装置により、論理的に、互いに異なる2つの無線IFとして実現されてもよい。
【0049】
転送部14は、有線IF11並びに無線IF12及び13の間でフレームを転送する処理部である。転送部14は、有線IF11並びに無線IF12及び13のいずれかのインタフェースからフレームを受信した場合に、受信したフレームの宛先アドレスを参照し、その宛先アドレスに向けて適切なインタフェースによりフレームを送信することで転送する。
【0050】
転送部14は、上記いずれかのインタフェースからフレームを受信すると、受信したフレームの送信元を一定時間、転送テーブル(不図示)に記憶している。受信したフレームの宛先アドレスが直接に接続されている装置である場合には、転送テーブルを参照することで、出力すべきインタフェースを決定し得る。また、転送部14は、受信したフレームの宛先アドレスが他の基地局Mを介して接続されている装置である場合には、経路制御部16が管理している経路テーブル17及び端末テーブル18を参照し、受信したフレームを出力すべきインタフェースを、有線IF11、無線IF12及び13のうちから決定し得る。インタフェースを決定する方法は後で説明する。なお、経路テーブル17を経路情報ともいい、端末テーブル18を端末情報ともいう。
【0051】
なお、転送部14は、経路テーブル17及び端末テーブル18を参照して決定したインタフェースがフレームを送信できない状態である場合には、そのフレームの送信元に対してエラーフレームを送信してもよい。エラーフレームは、メッシュネットワークにおいて自装置が通信不可能であることを示すフレームを利用することができ、例えば、IEEE802.11s規格におけるpath errorフレームを利用し得る。
【0052】
STP制御部15は、STPのプロトコル処理(単に「STPの処理」ともいう)を行う制御部である。STP制御部15は、有線IF11及び無線IF12によりSTPのBPDU(Bridge Protocol Data Unit)を送信する。また、有線IF11及び無線IF12により他の基地局Mが送信するBPDUを受信する。そして、STPの処理に基づいて、有線IF11を、フォワーディング状態及びブロッキング状態を含む複数の状態のうちのどの状態とするかを制御する。ここでフォワーディング状態とは、フレームの送受信が可能である状態をいい、ブロッキング状態とは、BPDUの受信をする以外は、フレームの送受信が不可能である状態をいう。
【0053】
経路制御部16は、メッシュネットワークにおける通信経路の構築又は削除などの制御を行う処理部である。経路制御部16は、他の基地局Mとの間でメッシュネットワークのルーティングプロトコルによる通信を行い、メッシュネットワークを構成する基地局Mそれぞれとの通信に用いる通信経路のネクストホップ装置を示す経路テーブル17を生成して管理している。また、メッシュネットワークに接続されている端末がどの基地局Mに接続されているかを示す端末テーブル18を生成して保有している。
【0054】
また、経路制御部16は、転送部14が転送したフレームが、宛先端末に到達したか否かを判定する。そして、経路制御部16は、上記フレームが宛先端末に到達しないと判定した場合に端末テーブル18を削除する。上記の判定では、例えば、転送部14が転送したフレームに対する受信応答フレーム(ACKフレーム)を、送信したインタフェースによって受信したときに、転送部14が転送したフレームが宛先端末に到達したと判定し、そうでない場合に、宛先端末に到達しないと判定する。また、例えば、エラーフレームを受信した場合に、宛先端末に到達しないと判定する。なお、端末テーブル18を削除する、という場合、端末テーブル18のうち宛先端末に係るエントリを削除することを意味する。
【0055】
経路制御部16は、上記のように端末テーブル18を削除した後、宛先端末へフレームを転送するために新たな端末テーブル18を生成する。具体的には、経路制御部16は、端末テーブル18を削除した場合に、無線IF12により宛先端末を探索するための探索フレームを送受信することで新たな端末テーブル18を生成する。探索フレームの送受信は、例えば、宛先端末のMACアドレスを解決するためのARP(Address Resolution Protocol)リクエストフレームの送信と、そのARPリクエストフレームに対するARPリプライフレームの受信とによってなされる。この探索処理は、端末テーブル18にエントリがないときにメッシュネットワークのルーティングプロトコルに係る処理によって通常になされる処理である。すなわち、この探索処理は、端末テーブル18が削除されたことが契機となって、上記ルーティングプロトコルに係る処理によって行われたものである。
【0056】
例えば、上記のようにフレームが宛先端末に到達できなくなるのは、他の2以上の基地局Mそれぞれが備える有線IF11のうちフォワーディング状態である有線IF11がブロッキング状態に遷移することによって生ずる。このとき、経路制御部16は、2以上の基地局Mそれぞれが備える有線IF11のうち、新たにフォワーディング状態に遷移した有線IF11を経由して探索フレームを送受信することによって、新たな端末テーブル18を生成する。これにより、基地局M1は、通信許可状態である有線インタフェースを経由して受信した探索フレームを用いて新たな端末情報を生成するので、生成される端末情報は、通信許可状態である有線インタフェースを経由した通信経路に整合したものとなる。
【0057】
図3は、本実施の形態に係る経路テーブル17の説明図である。
図3に示される経路テーブル17は、具体的には、基地局M1が有する経路テーブルである。
【0058】
図3に示されるように、経路テーブル17の各エントリは、ネクストホップアドレス31と、宛先アドレス32とを含む。経路テーブル17の各エントリは、1つの宛先アドレスに1対1に対応づけられる。
【0059】
ネクストホップアドレス31は、基地局Mから当該エントリに係る宛先アドレスを有する基地局Mに至る通信経路上において、自身の基地局Mに隣接する基地局M(ネクストホップ装置ともいう)のアドレスである。
【0060】
宛先アドレス32は、当該エントリに係る宛先アドレスである。宛先アドレス32が、基地局Mに隣接する基地局Mを指している場合、宛先アドレス32及びネクストホップアドレス31ともに、その基地局Mのアドレスとなる。
【0061】
図3に示される経路テーブル17における最上段のエントリでは、ネクストホップアドレス31及び宛先アドレス32ともに基地局M2のMACアドレスである。また、経路テーブル17における上から2段目のエントリでは、ネクストホップアドレス31及び宛先アドレス32ともに基地局M3のMACアドレスである。なお、
図3における「M2」の記載は、基地局M2のMAC(Medium Access Control)アドレスを示している。以降でも同様とする。
【0062】
図4は、本実施の形態に係る端末テーブル18の説明図である。
【0063】
図4に示されるように、端末テーブル18の各エントリは、基地局アドレス41と、端末アドレス42とを含む。端末テーブル18の各エントリは、1つの端末アドレスに1対1に対応付けられている。
【0064】
基地局アドレス41は、基地局M等のうち、当該エントリに係る端末が接続されている基地局Mのアドレスである。
【0065】
端末アドレス42は、当該エントリに係る端末のアドレスである。
【0066】
図4に示される端末テーブル18では、端末T2が基地局M2に接続されていることが示されている。
【0067】
転送部14は、有線IF11並びに無線IF12及び13のいずれかのインタフェースからフレームを受信した場合に、受信したフレームの宛先アドレスを参照する。その宛先アドレスに係る端末が、基地局Mから直接に、つまり他の通信装置を経由することなく通信可能である場合には、上記インタフェースのうち、その宛先に接続されているインタフェースによりフレームを送信する。
【0068】
また、受信したフレームの宛先に係る端末が、基地局Mから直接に通信可能でない場合には、まず端末テーブル18を参照してその端末が接続されている基地局Mを特定し、次にその基地局Mへ到達するためのネクストホップ装置を特定し、そのネクストホップ装置に向けて接続されているインタフェースによりフレームを送信する。
【0069】
このようにして、転送部14は、受信したフレームの宛先アドレスに向けて適切なインタフェースによりフレームを送信することで転送する。
【0070】
以上のように構成された基地局Mの処理について説明する。
【0071】
図5は、本実施の形態に係る基地局Mの処理を示すフロー図である。
図5に示される一連の処理は、基地局Mによる通信経路の構築が完了した後に、端末T1が端末T2を宛先としてフレームを送信する場合の処理を示している。
【0072】
図5に示されるように、ステップS100において、STP制御部15及び経路制御部16は、STPの処理、及び、ルーティングプロトコルに基づく処理を行い、経路テーブル17及び端末テーブル18を生成し、管理する。
【0073】
ステップS101において、転送部14は、有線IF11並びに無線IF12及び13のいずれかのインタフェースからフレームを受信したか否かを判定する。上記いずれかのインタフェースからフレームを受信した場合(ステップS101でYes)にはステップS102に進み、そうでない場合(ステップS101でNo)には、ステップS101を再び実行する。つまり、転送部14は、上記いずれかのインタフェースからフレームを受信するまでステップS101で待機状態をとる。
【0074】
ステップS102において、転送部14は、上述のように、経路制御部16で管理されている経路テーブル17及び端末テーブル18とを参照して、ステップS101で受信したフレームを上記いずれかのインタフェースにより送信することで転送する。
【0075】
ステップS103において、経路制御部16は、ステップS102で転送したフレームが宛先端末に到達したか否かを判定する。宛先端末に到達したと判定した場合には、
図5に示される一連の処理を終了し、そうでない場合には、ステップS104に進む。
【0076】
ステップS104において、経路制御部16は、端末テーブル18のエントリを削除する。
【0077】
ステップS105において、経路制御部16は、端末T2を探索する処理を行う。この処理は、例えば、端末T2のMACアドレスを解決するためのARPリクエストフレームの送信、及び、上記ARPリクエストフレームに対して端末T2が送信するARPリプライフレームの受信によりなされる。
【0078】
ステップS106において、経路制御部16は、ステップS105で行った端末T2の探索処理の結果に基づいて、端末テーブル18を生成する。
【0079】
以上の一連の処理により、メッシュネットワークにおいて基地局Mから端末への通信ができない場合に、通信経路を適切に切り替え、通信を可能にし得る。
【0080】
次に、端末T1が通信システム1を介して端末T2に対してフレームを送信する場合の処理を、より具体的に説明する。
【0081】
図6は、実施の形態に係る通信システム1における通常時の処理を示すシーケンス図である。
図6は、基地局M1、M2及びM3によるSTPの処理、及び、メッシュネットワークにおける通信経路の構築が完了している状態において、端末T1から端末T2にデータフレームを送信する場合の処理を示している。このとき、基地局M2の有線IF11がフォワーディング状態であり、基地局M3の有線IF11がブロッキング状態である。また、基地局M1が有する端末テーブル18は、端末T2が基地局M2に接続されていることを示している。
【0082】
ステップS201において、端末T1は、データフレームを送信する。基地局M1の無線IF12は、端末T1が送信したデータフレームを受信する。
【0083】
ステップS211において、基地局M1の転送部14は、ステップS201で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して基地局M2に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。基地局M2は、送信されたフレームを受信する。
【0084】
ステップS221において、基地局M2の転送部14は、ステップS211で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して端末T2に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。端末T2は、送信されたフレームを受信する。
【0085】
このようにして、端末T1が送信したデータフレームが端末T2に到達する。
【0086】
図7は、本実施の形態に係る通信システム1における障害発生時の処理を示すシーケンス図である。
図7は、
図6の状態において、基地局M2に障害が発生し、基地局M2が通信不可能な状態になったときの各装置の処理を示している。
【0087】
図7において、基地局M2に障害が発生すると、その障害発生の後には、基地局M3は、基地局M2からのBPDUを受信しなくなる。
【0088】
ステップS331において、基地局M3は、基地局M2からのBPDUを受信しなくなったことに基づいてSTPの処理を行い、有線IF11がフォワーディング状態に遷移する。
【0089】
ステップS301において、端末T1がデータフレームを送信すると、基地局M1の無線IF12がそのデータフレームを受信する。
【0090】
ステップS311において、基地局M1の転送部14は、ステップS301で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して基地局M2に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。基地局M2は、障害が発生しているので、基地局M1が送信したデータフレームを受信できない。
【0091】
ステップS312において、基地局M1の経路制御部16は、ステップS311で転送部14が送信したデータフレームに対するACKフレームを基地局M2から受信しないことに基づいて、送信したデータフレームが端末T2に到達しなかったと判定し、端末テーブル18を削除する。この処理は、ステップS103及びS104(
図5参照)に相当する。
【0092】
ステップS313において、経路制御部16は、端末T2を探索する処理を行う。具体的には、経路制御部16は、端末T2のIPアドレスをターゲットIPアドレスとして設定したARPリクエストパケットをメッシュネットワーク内にブロードキャスト送信し、その応答であるARPリプライパケットを受信する。この処理は、ステップS105(
図5参照)に相当する。
【0093】
ステップS314において、経路制御部16は、ステップS313における探索処理の結果に基づいて、新たな端末テーブル18を生成する。新たな端末テーブル18は、端末T2が基地局M3に接続されていることを示している。この端末テーブル18は、新たにフォワーディング状態に遷移した基地局M3を経由する通信経路に整合している。
【0094】
ステップS302において、端末T1は、データフレームを送信する。基地局M1の無線IF12は、端末T1が送信したデータフレームを受信する。
【0095】
ステップS315において、基地局M1の転送部14は、ステップS302で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して基地局M3に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。基地局M3は、送信されたフレームを受信する。
【0096】
ステップS332において、基地局M3の転送部14は、ステップS315で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して端末T2に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。端末T2は、送信されたフレームを受信する。
【0097】
このようにして、経路制御部16は、有線IF11を介して宛先端末に接続されている基地局M2及びM3のうち、有線IF11がフォワーディング状態である基地局M2が通信不可能状態(障害発生)になったことに基づいて、フレームが宛先端末に到達できない場合に、端末テーブル18を削除する。その結果、経路制御部16は、新たな端末テーブル18を生成する。新たに生成される通信経路は、基地局M3を経由する通信経路である。なお、基地局M2が何らかの要因でSTPの処理によりブロッキング状態に遷移したときも同様である。
【0098】
図8は、本実施の形態に係る通信システム1における障害復旧時の処理を示すシーケンス図である。
図8は、
図7の障害発生後に通信可能となった状態において、基地局M2の障害が復旧し、基地局M2が通信可能な状態になったときの各装置の処理を示している。
【0099】
図8において、基地局M2の障害が復旧すると、所定時間経過後に基地局M2の有線IF11はBPDUの送受信を開始する。
【0100】
ステップS421において、基地局M2の有線IF11は、基地局M3とのBPDUの送受信の結果に基づくSTPの処理により、フォワーディング状態に遷移する。
【0101】
ステップS431において、基地局M3の有線IF11は、基地局M2とのBPDUの送受信の結果に基づくSTPの処理により、ブロッキング状態に遷移する。
【0102】
ステップS401において、端末T1がデータフレームを送信すると、基地局M1の無線IF12がそのデータフレームを受信する。
【0103】
ステップS411において、基地局M1の転送部14は、ステップS401で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して基地局M3に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。基地局M3は、送信されたフレームを受信するが、有線IF11がブロッキング状態であるので、受信したフレームを有線IF11により送信することが禁止される。
【0104】
ステップS432において、基地局M3は、ステップS411でフレームを送信することが禁止されたことに基づいて、基地局M3に転送部14によってエラーフレームを基地局M1に送信する。基地局M1の経路制御部16は、基地局M3からエラーフレームを受信する。
【0105】
ステップS412において、基地局M1の経路制御部16は、ステップS432でエラーフレームを受信したことに基づいて、端末テーブル18を削除する。この処理は、ステップS103及びS104(
図5参照)に相当する。
【0106】
ステップS413及びS414において、経路制御部16は、端末T2を探索する処理を行い、探索処理の結果に基づいて、新たな端末テーブル18を生成する。この処理は、ステップS313及びS314(
図6参照)と同様である。新たな端末テーブル18は、端末T2が基地局M2に接続されていることを示している。この端末テーブル18は、新たにフォワーディング状態に遷移した基地局M2を経由する通信経路に整合している。
【0107】
ステップS402において、端末T1は、データフレームを送信する。基地局M1の無線IF12は、端末T1が送信したデータフレームを受信する。
【0108】
ステップS415において、基地局M1の転送部14は、ステップS402で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して基地局M2に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。基地局M2は、送信されたフレームを受信する。
【0109】
ステップS422において、基地局M2の転送部14は、ステップS415で受信したフレームを、端末テーブル18を参照して端末T2に転送する。この処理は、ステップS102(
図5参照)に相当する。端末T2は、送信されたフレームを受信する。
【0110】
このようにして、経路制御部16は、有線IF11を介して宛先端末に接続されている基地局M2及びM3のうち、通信不可能状態(障害発生)になった基地局M2が通信可能状態(障害復旧)になったことに基づいて、フレームが宛先端末に到達できない場合に、端末テーブル18を削除する。その結果、経路制御部16は、新たな端末テーブル18を生成する。新たに生成される通信経路は、基地局M2を経由する通信経路である。
【0111】
なお、本実施の形態における基地局Mを用いて別形態の通信システムを構成することも可能である。別形態の通信システムについて以下で説明する。
【0112】
図9は、本実施の形態に係る通信システムの別形態である通信システム1Aの構成と、通常時の通信経路とを示す模式図である。
【0113】
図9に示されるように、通信システム1Aは、8個の基地局M11〜M18と、ハブ20とを備える。
【0114】
基地局M11〜M18のそれぞれは、通信システム1の基地局Mと同じ通信装置である。また、ハブ20は、通信システム1のハブ20と同じである。
【0115】
通信システム1Aでは、3個の基地局M16、M17及びM18が有線IF11によってハブ20を介して端末T2に接続されている。そして、STPの処理により、基地局M17の有線IF11がフォワーディング状態に設定されており、基地局M16及びM18の有線IF11がブロッキング状態に設定されている。
【0116】
基地局M11から端末T2に至る通信経路は、
図9に矢印で示されるように、基地局M11、M13及びM17をこの順に経由する通信経路である。
【0117】
このとき、基地局M11が有する経路テーブル17には、基地局M17に至る通信経路におけるネクストホップ装置が基地局M13であることが示されている。また、基地局M11が有する端末テーブル18には、端末T2が基地局M17に接続されていることが示されている。
【0118】
端末T1が端末T2を宛先としたデータフレームを送信すると、データフレームは、基地局M11、M13及びM17を経由して端末T2に到達する。
【0119】
この状態において、基地局M17に障害が発生した場合の通信経路について
図10を用いて説明する。
【0120】
図10は、本実施の形態に係る通信システムの別形態である通信システム1Aの障害発生時の通信経路を示す模式図である。
【0121】
まず、STPの処理により、基地局M18の有線IF11がフォワーディング状態に遷移し、基地局M16の有線IF11がブロッキング状態を維持する。
【0122】
基地局M11から端末T2に至る通信経路は、
図7で説明したような経緯をたどって、
図10に矢印で示されたとおり、基地局M11、M14及びM18をこの順に経由する通信経路に変更される。
【0123】
このとき、基地局M11が有する経路テーブル17には、基地局M18に至る通信経路におけるネクストホップ装置が基地局M14であることが示されている。また、基地局M11が有する端末テーブル18には、端末T2が基地局M18に接続されていることが示されている。
【0124】
端末T1が端末T2を宛先としたデータフレームを送信すると、データフレームは、基地局M11、M14及びM18を経由して端末T2に到達する。
【0125】
以上のように、本実施の形態に係る通信装置は、転送したフレームが宛先端末に到達できない場合に端末情報を削除することによって、その宛先端末にフレームを送信するために必要な端末情報を生成する処理をその後に行う契機を作ることができる。このように端末情報を削除すると、通信装置はその後に新たな端末情報を生成し、生成した新たな端末情報を用いて宛先端末にフレームを転送する。メッシュネットワーク内から宛先端末に向かう通信の通信経路は、有線インタフェースを備えている通信装置のうち通信許可状態である通信装置を経由する通信経路となり、端末情報は、上記通信経路に整合した端末情報になっている。このとき、何らかの要因が生じ、ループ回避用プロトコルの処理により通信許可状態である通信装置が通信禁止状態に遷移すると、上記通信経路を経由した宛先端末への通信が不可能になる。そこで、このような状態の遷移があった場合に端末情報を新たに生成すれば、新たに生成される端末情報は、新たに通信許可状態に遷移した通信装置を経由した通信経路に整合した端末情報になる。その結果、送信元端末が送信したフレームを、新たな通信経路及び端末情報に従って、宛先端末へ到達させることができる。このように、本実施の形態に係る通信装置は、メッシュネットワークにおける通信経路を適切に切り替えることができる。
【0126】
また、通信装置は、端末情報を削除したことに伴って生成した新たな端末情報を用いて、フレームを宛先端末に向けて転送することができる。よって、通信装置は、メッシュネットワークにおける通信経路を適切に切り替えることができる。
【0127】
また、通信装置は、有線ネットワークに接続している通信装置が通信不可能状態になった場合に、その通信不可能状態になった通信装置を避けて宛先端末に至る通信経路を新たに生成する。このようにして、通信装置は、通信不可能状態になった通信装置を避ける新たな通信経路に適切に切り替えることができる。
【0128】
また、通信装置は、通信不可能状態になった通信装置が通信可能になった場合に、その通信可能状態になった通信装置を経由して宛先端末に至る通信経路を新たに生成する。このようにして、通信装置は、通信可能状態になった通信装置を経由する新たな通信経路に適切に切り替えることができる。
【0129】
また、通信装置は、経路情報をさらに用いてメッシュネットワーク内でフレームを転送する。これにより、通信装置が端末情報に示されている通信装置に隣接していない場合であっても、経路情報を用いて得られる宛先にフレームを送信することができる。
【0130】
なお、本発明は、装置として実現できるだけでなく、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【0131】
以上、本発明の通信装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。