(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0013】
<トイレの全体概略構成>
本実施形態によるトイレシートを用いたペット用のトイレを
図1に示す。
図1に示すように、本実施形態は、ペットDGとして犬が飼われる場合の実施形態である。本実施形態に係わるペット用のトイレTRは、容器1と、容器1に上方から被せられるトイレシート101と、を有している。なお、以下の説明において、上下方向、前後方向、左右方向は、
図1等の各図中に適宜示す矢印向に対応している。なお、以下適宜、後側を「奥側」、前側を「手前側」と称する。
【0014】
<容器>
容器1の全体構造を
図2に示す。
図2に示すように、容器1は、上向きに開口するとともに、奥側と反対側である手前側に向かう開口部1Aを備えた、前開口型の略箱状の形状を備えている。すなわち、容器1は、底面10と、この底面10と一体的に形成された複数の(この例では5つの)側壁面12〜16と、を有している。ペットDGは、(被せられたトイレシート101越しに)上記開口部1Aを利用して容器1内へ容易に出入りすることができる。
【0015】
複数の側壁面は、底面10の左側に立設される左壁面11と、底面10の右側に立設される右壁面12と、底面10の奥側に立設される奥壁面13と、底面10の手前側の左側端部近傍に立設される左前壁面15と、底面10の手前側の右側端部近傍に立設される右前壁面16と、を一体的に備えている。
【0016】
<トイレシート>
トイレシート101を容器1に被せた状態を表す前方側からの斜視図を
図3に示し、略上方からの斜視図を
図4に示し、略後方からの斜視図を
図5に示し、左方からの斜視図を
図6に示し、前方からの正面図を
図7に示す。
【0017】
これら
図3〜
図7に示すように、トイレシート101は、底面10の上に載置された略平板状の吸収部材105と、上方から上記側壁面11〜16を覆うように被せられる不透液性のシート本体110と、容器1を締め付けるための弾性締付部材160と、を有している。吸収部材105は、略長方形形状を備えており、ペットDGの尿を吸収する機能を有する。なお、シート本体110として、上記吸収部材105と同等のものを用いてもよい。すなわち、シート本体110及び吸収部材105を、不透液性を備えかつ液吸収性も備えた、共通の単一の素材により構成してもよい。この場合、トイレシートは、底面10の上に載置される、上記単一素材による吸収部材と、側壁面11〜16を覆うように被せられる、上記単一素材によるシート本体と、弾性締付部材160と、によって構成される(実質的に2部材によって構成される)こととなる。
【0018】
<シート本体>
シート本体110は、例えば防水不織布で構成されており、吸収部材105の外方に一体的に設けられている。このシート本体110は、奥壁面13のうち少なくとも底面10側を覆う奥面部113と、容器1の左壁面11のうち少なくとも底面10側(この例では底面10側のほぼ全部と反底面10側の約半分)を覆う左面部111と、右壁面12のうち少なくとも底面10側(この例では底面10側のほぼ全部と反底面10側の約半分)を覆う右面部112と、を有している。
【0019】
この例では、奥面部113は、容器1の奥壁面13のうち、底面10側のほぼ全部、及び、反底面10部側の上端近傍のみ、を覆っている。この結果、後方側から見た場合、
図5に示すように、容器1の奥壁面13がほぼ表面に露出する一方、奥壁面13の上端近傍のみ、シート本体110の奥面部113によって覆われている。奥面部113をこのような構成とすることで、シート本体110全体による容器1へのフィット感は維持しつつ、シート本体110の製造のために使用する生地の量を低減することができる。また、シート本体110を容器1に取り付けやすくすることができる効果もある。
【0020】
左面部111は、上記の奥面部113の形状に対応し、容器1の左壁面11のうち、底面10側のほぼ全部、及び、反底面10側の約半分を覆っている。すなわち、左面部111は、その縁部111aが、容器1の左壁面11のうち奥側かつ上側の端部11A近傍から手前側かつ下側の端部11B近傍に向かって下り傾斜で延びるような、三角形形状を備えている。
なお、図示を省略しているが、シート本体110は左・右対称形状となっており、右面部112は、上記左面部111と対称形状となっている。すなわち、上記同様、奥面部113の形状に対応し、右面部112は、容器1の右壁面12のうち、底面10側のほぼ全部、及び、反底面10側の約半分を覆っている。すなわち、右面部112は、その縁部aが、容器1の右壁面12のうち奥側かつ上側の端部近傍から手前側かつ下側の端部近傍に向かって下り傾斜で延びるような、三角形形状を備えている。
【0021】
シート本体110はまた、左前壁面15のうち少なくとも底面10側を覆う左前面部115と、右前壁面16のうち少なくとも底面10側を覆う右前面部116と、吸収部材105の手前側の縁部に連設された挟面部114(後述の
図8等参照)と、を備えている。
図3等に示すように、左前面部115は、この例では、容器1の左前壁面15のほぼ全部を覆っており、右前面部116は、この例では、容器1の右前壁面16のほぼ全部を覆っている。挟面部114は、底面10の下部に差し込まれることにより、容器1の設置面Gと底面10との間で挟持されている(図示省略)。
【0022】
<弾性締付部材>
弾性締付部材160は、被せられた状態のシート本体110の外縁部に設けられている。すなわち、弾性締付部材160は、左面部111の外縁部に設けられた第1弾性部材161と、右面部112の外縁部に設けられた第2弾性部材162と、奥面部113の外縁部に設けられた第3弾性部材163と、挟面部114の外縁部に設けられた第4弾性部材164と、左前面部115の外縁部に設けられた第5弾性部材165と、右前面部116の外縁部に設けられた第6弾性部材166と、から構成されている。これら第1弾性部材161、第2弾性部材162、第3弾性部材163、第4弾性部材164、第5弾性部材165、及び第6弾性部材166は、例えば、各面部111,112,113,114,115,116の中に予めそれぞれ組み込まれている。そして、後述のように、各面部111,112,113,114,115,116が適宜に接着又は圧着又は縫製等(以下適宜、単に「接着等」と称する)により立体的に組み立てられたとき、隣接する弾性部材161〜166同士が互いに接着等により連結されることで、一体となっている。
【0023】
第3弾性部材163は、奥壁面13の反底面10部側の上端近傍のみを覆う奥面部113の前述した形状に対応し、奥面部113のうち上側の端部近傍において略水平に延設されている(
図3、
図6参照)。
第1弾性部材161は、前述の左面部111の形状、言い換えれば、奥側かつ上側の端部11A近傍から手前側かつ下側の端部11B近傍への縁部111aの方向に対応し、左面部111のうち奥側かつ上側の端部111A近傍から手前側かつ下側の端部111B近傍にかけて下り傾斜で延設されている(
図6参照)。
第2弾性部材162は、上記第1弾性部材161と同様、前述の右面部112の形状に対応し、右面部112のうち奥側かつ上側の端部112A近傍から手前側かつ下側の端部(図示省略)近傍にかけて下り傾斜で延設されている。
【0024】
<製造方法>
次に、上記構成のトイレシート101の製造方法の一例を
図8により説明する。本実施形態のトイレシート101は、例えば
図8に示すような1枚布状のシート素材Eを立体的に組み立てることによって製造される。
図8に示すように、シート素材Sには、前述した吸収部材105と、吸収部材105に対し境界線P1を介して図示上方に連設された上記奥面部113と、吸収部材105に対し境界線Q1を介して図示左方に連設された上記左面部111と、左面部111に対し境界線Q4,Q5を介し図示下方に連設された上記左前面部115と、吸収部材105に対し境界線R1を介して図示右方に連設された上記右面部112と、右面部112に対し境界線R4,R5を介し図示下方に連設された上記右前面部116と、吸収部材105に対し境界線U1を介して図示下方に連設された上記挟面部114と、が備えられている。
【0025】
トイレシート101を組み立てる際には、まず上記境界線P1,Q1,R1をそれぞれ谷折りすることにより奥面部113、左面部111、右面部112を起こし、吸収部材105に対し略直角に立設する。立設した奥面部113によって、容器1の奥壁面13の底面10側及び反底面10部側の上端近傍を覆う部分が生成される。
上記谷折りの結果、奥面部113の図示左側の縁部P2と左面部111の図示上側の縁部Q2とが対向するため、これら縁部P2,Q2を接着等により接合する。併せて第1弾性部材161と第3弾性部材163とが連結される。 同様に、奥面部113の図示右側の縁部P3と右面部112の図示上側の縁部R2とが対向するため、これら縁部P3,R2を接着等により接合する。併せて第2弾性部材162と第3弾性部材163とが連結される。
【0026】
その後、左面部111の内側領域111iと外側領域111oとの境界線Q3が山折りされる。これによって、容器1の左壁面11における底面10側のほぼ全部及び反底面10側の約半分と、が生成される。またこの山折りにより、左前面部115の内側領域115iの図示下側の縁部S2と外側領域115oの図示下側の縁部S3とが対向するため、これら縁部S2,S3を接着等により接合する。これによって、容器1の左前壁面15のほぼ全部を覆う部分が生成される。
上記同様に、右面部112の内側領域112iと外側領域112oとの境界線R3が山折りされる。右壁面12における底面10側のほぼ全部及び反底面10側の約半分と、を覆う部分が生成される。またこの山折りにより、右前面部116の内側領域116iの図示下側の縁部T2と外側領域116oの図示下側の縁部T3とが対向するため、これら縁部T2,T3を接着等により接合する。これによって、容器1の右前壁面16のほぼ全部を覆う部分が生成される。
【0027】
その後、上記境界線U1を山折りすることにより、挟面部114が吸収部材105の裏面側すなわち下側へと折り込まれる。これにより、底面10の下部に差し込まれ設置面Gと底面10との間で挟持される部分が生成される。
【0028】
そして、左面部111の上記内側領域111iと左前面部115の内側領域115iとの上記境界線Q4が谷折りされるとともに、左面部111の上記外側領域111oと左前面部115の外側領域115oとの上記境界線Q5が山折りされる。これら谷折り及び山折りの結果、内側領域115iの図示右側の縁部S4が、吸収部材105の図示下側の縁部(境界線U1の位置近傍)のうち図示左端側の部分に対し上下方向に対向するため、これらを接着等により接合する。
その後、外側領域115oとそれより図示左側の差込領域115uとの境界線S5が山折りされる。これにより、差込領域115uは、前述のように折り込まれ済の挟面部114のさらに下側へ重なるように折り込まれることとなる。この結果、差込領域115uの図示左側の縁部S7が、上記のように折り込み済の挟面部114の図示下側の外縁部U4のうち図示左端側の部分に対し、上下方向に対向することとなるため、これらを接着等により接合する。また差込領域115uの図示上側の外縁部S6が挟面部114の図示左側の外縁部U2に対し上下方向に対向することとなるため、これらを接着等により接合する。なおこのとき、外縁部S6には前述の第5弾性部材165が(左面部111の外側領域111oの第1弾性部材161と連結された状態で)設けられており、上記接合時に、第5弾性部材165は、挟面部114の上記外縁部U4に設けられている第4弾性部材164と接着等により連結される。これにより、第1弾性部材161、第5弾性部材165、及び第4弾性部材164が互いに連結される。
【0029】
上記同様、右面部112の上記内側領域112iと右前面部116の内側領域116iとの上記境界線R4が谷折りされるとともに、右面部112の上記外側領域112oと右前面部116の外側領域116oとの上記境界線R5が山折りされる。これら谷折り及び山折りの結果、内側領域116iの図示左側の縁部T4が、吸収部材105の図示下側の縁部(境界線U1の位置近傍)のうち図示右端側の部分に対し上下方向に対向するため、これらを接着等により接合する。
その後、外側領域116oとそれより図示右側の差込領域116uとの境界線T5が山折りされる。これにより、差込領域116uは、前述のように折り込まれ済の挟面部114のさらに下側へ重なるように折り込まれることとなる。この結果、差込領域116uの図示左側の縁部T7が、上記のように折り込み済の挟面部114の図示下側の外縁部U4のうち図示右端側の部分に対し、上下方向に対向することとなるため、これらを接着等により接合する。また差込領域116uの図示上側の外縁部T6が挟面部114の図示右側の外縁部U3に対し上下方向に対向することとなるため、これらを接着等により接合する。なおこのとき、外縁部T6には前述の第6弾性部材165が(右面部112の外側領域112oの第2弾性部材162と連結された状態で)設けられており、上記接合時に、第6弾性部材166は、挟面部114の上記外縁部U4に設けられている第4弾性部材164と接着等により連結される。これにより、第2弾性部材162、第6弾性部材166、及び第4弾性部材164が互いに連結される。
【0030】
以上の手順により、吸収部材105と、左面部111と、右面部112と、奥面部113と、挟面部114と、左前面部115と、右前面部116と、を有し、各面部111〜116にそれぞれ設けられた第1〜第6弾性部材161〜166が互いに連結された、前述の態様のトイレシート101が完成する。
【0031】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のトイレシート101においては、内方側すなわち中央寄りに吸収部材105が設けられ、その吸収部材105の外方にシート本体110が一体的に設けられる。使用時には、吸収部材105は容器1の底面10の上に載置され、シート本体110は容器1の複数の側壁面11〜16を上方から覆うように被せられる。複数の側壁面11〜16に被せられるシート本体110の外縁部には、弾性締付部材160が設けられている。
これにより、トイレシート101が容器1に被せられた際には、シート本体110の外縁部において弾性締付部材160が容器1を弾性的に締め付けるため、容器1に対して十分に密着させることができる。その結果、従来構造のようなシート自由端が生じなくなる、若しくは生じにくくなるので、ペットDGの不用意な行動により容器1からずれたり外れたりするのを防止し、掃除の煩雑さを回避することができる。また使用前においては、例えば不織布などの柔らかい素材を使用することで、
図9に示すように、コンパクトに折りたたんだ状態とすることができる。なお、弾性締付部材160としては、例えば市販の紙おむつに使用されているもの等と同様、シート本体110内部又は外面に接着等により一体化したものを用いることもできる。
【0032】
ペットDGの排泄時においては、尿は下部の吸収部材105によって吸収され、糞は吸収部材105の上に載置された形で集積される。犬の立ち姿勢による側方への排尿は、側壁面11〜16を覆う不透液性のシート本体110上を流下して吸収部材105にて吸収される。なおシート本体110の材料としては例えば防水不織布を用いることができる。
【0033】
飼い主は、適宜のタイミングでトイレシート101を容器1から取り外すことで、糞尿をシートごと廃棄することができる。その際、前述のように弾性締付部材160による弾性力を用いて、ワンタッチで簡単に取り外すことができる。このとき、糞尿により汚れるのはトイレシート101のみであり、容器1は汚れることがない。したがって、容器1(いわゆるトイレトレー)の底面10上に四角形平板状の吸収シートを敷きその上にメッシュ板を置いてトイレとする場合のように、容器1、吸収シート、メッシュ板を分解してそれらを都度掃除する、面倒な手間が生じない。特に、メッシュ板のメッシュ(網目)の中に糞が詰まったときの多大な掃除の手間をなくすことができる効果が大きい。
【0034】
上記容器1、吸収シート、メッシュ板からなるトイレを用いる場合を比較例としたときに、本実施形態により得られる効果を
図11に一覧表として示す。
図11に示すように、比較例においては、掃除の際には、周囲が汚れるのを防ぐために新聞紙を広げて敷く(ステップ1)→飼育用のゲージから容器等を取り出す(ステップ2)→容器、吸収シート、メッシュ板の3つに分解する(ステップ3)→汚れた吸収シートを取り出す(ステップ4)→容器を掃除する(ステップ5)→汚物をまとめてゴミ箱に捨てる(ステップ6)→新しい吸収シートをセット(ステップ7)→容器、吸収シート、メッシュ板の3つを組み立てる(ステップ8)→それら容器等をゲージに戻す(ステップ9)→新聞紙を片付ける(ステップ10)、という10個の手順が必要となる。
これに対し、本実施形態では、前述のように汚れるのはトイレシート101のみである(容器1は汚れることがない)ことから、上記のステップ1,2,3,5,8,9,10は不要となる。すなわち、汚れたトイレシート101を取り出す(ステップ4)→トイレシート101ごと汚物をゴミ箱に捨てる(ステップ6)→新しいトイレシート101をセット(ステップ7)、という3手順だけで足りるので、手間を大きく減らすことができる。
【0035】
また本実施形態によれば、前述した容器、(四角形平板状の)シート、メッシュ板の3層積層構造とすることなく、容器1の上にトイレシート101を被せる2層構造で足りる。すなわち、メッシュ板の配置を考慮する必要がなくなるため、容器1側の構造も単純化することができる。そして、シート本体110を容器1の形状に合わせた形状とすることで、種々の形状を備えた多様な種類の容器1に対して、本実施形態と同様のトイレ用シートを適用し、上記の効果を得ることができる。
【0036】
また、本実施形態では特に、容器1は、上記側壁面として、左壁面11、右壁面12、奥壁面13の3つを備えることで左右両側及び奥側の三方が各側壁面11,12,13で外部と仕切られるとともに、手前側は開口した、略箱型の形状となっている。これにより、ペットDGはその開口した手前側よりスムーズに容器1内に立ち入って(
図1中の矢印ア参照)、排泄を行うことができる。
【0037】
また、本実施形態では特に、前述のように、左右両側及び奥側の三方が各側壁面11,12,13で外部と仕切られる形状の容器1に対して被せられ、容器1の左壁面11、右壁面12、奥壁面13はそれぞれ左面部111、右面部112、奥面部113により覆われる。その際、左面部111、右面部112、奥面部113それぞれの外縁部には、第1弾性部材161、第2弾性部材162、第3弾性部材163がそれぞれ設けられるとともに、これら第1〜第3弾性部材161〜163は、互いに連結された一体構造となっている。これにより、前述のように三方が仕切られ手前側が開口した略箱型形状の容器1に対し被せられて使用される場合でも、一体構造の上記第1〜第3弾性部材161〜163によって確実に容器1を締め付けることができるので、容器1からずれたり外れたりするのを防止できる。
【0038】
また、本実施形態では特に、容器1の奥壁面13に対応する奥面部113においては、その上側端部近傍において第3弾性部材163が略水平に延設されている。そして、奥面部113に対し左手前側において接することとなる左面部111においては、第1弾性部材161が、上記第3弾性部材163の左端部に連続するように、奥側かつ上側の端部近傍から手前側かつ下側の端部近傍へと下り傾斜で延設されている(
図6参照)。同様に、奥面部113に対し右手前側において接することとなる右面部112においては、第2弾性部材162が、上記第3弾性部材163の右端部に連続するように、奥側かつ上側の端部近傍から手前側かつ下側の端部近傍へと下り傾斜で延設されている。
このような第1弾性部材161、第3弾性部材163、第2弾性部材162の配置態様とすることで左面部111の手前側下端部近傍〜左面部111の奥側上端部近傍〜奥面部113の左側上端部近傍〜奥面部113の右側上端部近傍〜右面部112の奥側上端部近傍〜右面部112の手前側下端部近傍の経路により、各面部111,113,112において直線的に弾性部材161,163,162を延設することができる(
図6等参照)。この結果、各面部111,113,112において強力な締め付け力を確実に作用させ、さらに確実にトイレシート101全体を容器1へ密着させることができる。)
【0039】
また、本実施形態では特に、前述の左面部111、右面部112、奥面部113のほかに、挟面部114が備えられている。この挟面部114は、吸収部材105の手前側に連設されており、トイレシート101の使用時には、容器1の底面10の下部に手前側から奥側へと差し込まれ容器1の設置面Gと底面10との間で挟持される。これにより、ペットDGが上記略箱型形状の容器1内へと出入りする手前側開口部においても確実に容器1を覆い、ペットDGの糞尿により容器1が汚れるのを防止することができる。また挟面部114の外縁部には第4弾性部材164が設けられ、この第4弾性部材164は、左面部111、右面部112、奥面部113それぞれに延設された上記第1弾性部材161、第2弾性部材162、第3弾性部材163に対し連結されて一体となっている。これにより、この挟面部114が設けられる場合においても、挟面部114を含むすべての面部111〜116において強力な締め付け力を確実に作用させ、シート全体を容器1へ確実に密着させることができる。
【0040】
また、本実施形態では特に、容器1はさらに、底面10手前側の左端部近傍に立設される左前壁面15と、底面10手前側の右端部近傍に立設される右前壁面16とを備えている。これにより、ペットDGが容器1内へと出入りする開口部の両側に位置するそれら左前壁面15及び右前壁面16によって当該開口部まわりの強度を補強し、容器1の耐久性を向上することができる。またこのとき、トイレシート101には、上記左前壁面15及び右前壁面16をそれぞれ覆う左前面部115及び右前面部116が備えられるとともに、それら左前面部115及び右前面部116の外縁部には第5弾性部材165及び第6弾性部材166がそれぞれ備えられている。それら第5弾性部材165及び第6弾性部材166は、前述の第1〜第4弾性部材164に対し連結されて一体となっている。これにより、上記のような強度補強がなされた構造の容器1に対しても確実に覆うことができ、かつすべての面部111〜116において強力な締め付け力を確実に作用させ、トイレシート101全体を容器1へ確実に密着させることができる。
【0041】
また、本実施形態では特に、ペットDGが排泄した糞尿を始末する際の便宜のために、前述の
図8に示すように、トイレシート101に備えられる上記吸収部材105の裏面側に、形状保持部材TPが設けられている。これにより、使用後には、トイレシートを折りたたんだ後、形状保持部材TPを用いてその折りたたんだ形状を保持することができる。この結果、ペットDGが排泄した糞尿を始末する際には、糞尿ごとトイレシート101を折りたたんだ状態で、容易かつ簡単に取り扱うことができる(
図10参照)。なお、形状保持部材TPとしては、例えば市販の紙おむつに使用されているテープと同様のものを用いることもできる。
【0042】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。
【0043】
(1)左前面部及び右前面部を省略する場合
すなわち、
図12中の模式図に示すように、例えば容器1′が、左前壁面15及び右前壁面16を有さず、底面10、左壁面11、右壁面12、及び奥壁面13のみを有している場合である。このような容器1′に対しては、
図12の模式図に示すように、左前面部115及び右前面部を省略し、左面部111、右面部112、奥面部113、挟面部114、吸収部材105のみからなるトイレシート101′が用いられる。このトイレシート101′は、例えば
図12に示すような1枚布状のシート素材E′を立体的に組み立てることによって製造される。
図12に示すように、このシート素材E′は、
図8に示した上記実施形態のシート素材Eから前述の左前面部115、右前面部116、第5弾性部材165、第6弾性部材を削除した構成となっている。
【0044】
また、第5弾性部材165及び第6弾性部材の削除に対応して、全弾性部材161〜164を一体に連結するために、第4弾性部材164の左・右両端部に左接続部164l及び右接続部164rがそれぞれ追加されている。これにより、前述の境界線Q3,R3の山折りの後に、境界線U1の山折りで挟面部114が吸収部材105の下側へと折り込まれた際に、第4弾性部材164の左接続部164l及び右接続部164rを、それぞれ第1弾性部材161及び第2弾性部材162の図示下側の端部にそれぞれ接着等により連結することができる。これによって、第4弾性部材164は図示左側において第1弾性部材161に連結され、図示右側において第2弾性部材162に連結されるため、全弾性部材161,162,163,164を一体的に連結することができる。
以上のように構成した本変形例のトイレシート101′においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
(2)その他
なお、以上においては、前述のメッシュ板等を使用しない新しい構成の容器1について図示及び説明を行ったが、これに限られない。すなわち、容器1に相当するトイレトレーの底面上に吸収シートを敷きその上にメッシュ板を置いてトイレとする旧来の構成(掃除のときに前述の分解が必要となっていた構成)に対し、上記トイレシート101を被せて使用してもよい。この場合も、前述と同様の効果を得る。
また、以上においては、ペットDGとして犬が飼われる場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ペットとして飼い主に飼育される動物であれば、猫、ウサギ、フェレット、ハムスター、モルモット、爬虫類、鳥、等が飼われる場合においても適用でき、同様の効果を得る。
【0046】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0047】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0048】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【解決手段】トイレシート101は、底面10と複数の側壁面11〜16とを備え少なくとも上向きに開口した容器1を有するペット用トイレTRに設けられており、底面10の上に載置され、ペットDGの尿を吸収する吸収部材105と、吸収部材105の外方に一体的に設けられ、上方から複数の側壁面11〜16を覆うように被せられる不透液性のシート本体110と、被せられた状態のシート本体110の外縁部に設けられ、シート本体110が被せられた状態にある容器1を締め付ける、弾性締付部材160と、を有する。