(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、電子的及び/又は磁気的に情報を格納できる媒体に格納した患者ID番号を使用することを特徴とする医療・健康情報一元管理システム。
前記患者アラート情報は、電子メール、携帯端末のポップアップ表示、及び/又は、通信アプリケーションにより前記患者端末に送付される、又は、メールにより患者本人に送付される請求項3に記載の医療・健康情報一元管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から医療・健康情報一元管理システムのアイデアは存在していた。しかし、それらのアイデアは、医療機関が容易に導入できるようなシステムではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決すべく、医療機関が導入しやすいシステムである、従来の診察券の使用を維持したまま、共通する患者ID番号を使用した医療・健康情報一元管理するICT(Information and Communication Technology)システムを開発した。
【0008】
本発明は以下の通りである。
〔1〕複数の医療機関に共通する患者ID番号を使用した医療・健康情報一元管理システムであって、
各医療機関に設置される患者情報提供端末と医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバが相互に通信自在に接続されており、
該患者情報提供端末は、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する患者ID番号取得手段と、
(2)患者情報閲覧手段と、
(3)患者の患者情報を入力する患者情報入力手段と、
(4)患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバから受信する患者情報受信手段と、
(5)入力した患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバに送信する患者情報送信手段と、を備え、並びに、
該サービス提供機関のサーバは、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号照合手段と、
(2)患者情報総合データベースと、
(3)該患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて該患者情報総合データベースに登録する患者情報登録手段と、
(4)複数の医療機関に共通する患者ID番号を患者に付与する患者ID番号登録手段と、
(5)各患者の複数の医療機関から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベース上で一元的に管理するデータベース一元管理手段と、
(6)該患者情報総合データベースの患者情報を更新する患者情報更新手段と、
(7)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベースから該患者情報提供端末に送信する患者情報送信手段と、
(8)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報提供端末から受信する患者情報受信手段と、を備えたことを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔2〕複数の医療機関に共通する患者ID番号を格納しかつ複数の医療機関に対して統一して使用できる共通診察券を使用した医療・健康情報一元管理システムであって、
各医療機関に設置される患者情報提供端末と医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバが相互に通信自在に接続されており、
該患者情報提供端末は、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を該共通診察券から取得する患者ID番号取得手段と、
(2)患者情報閲覧手段と、
(3)患者の患者情報を入力する患者情報入力手段と、
(4)患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバから受信する患者情報受信手段と、
(5)入力した患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバに送信する患者情報送信手段と、を備え、並びに、
該サービス提供機関のサーバは、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号照合手段と、
(2)患者情報総合データベースと、
(3)該患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて該患者情報総合データベースに登録する患者情報登録手段と、
(4)複数の医療機関に共通する患者ID番号を患者に付与する患者ID番号登録手段と、
(5)各患者の複数の医療機関から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベース上で一元的に管理するデータベース一元管理手段と、
(6)該患者情報総合データベースの患者情報を更新する患者情報更新手段と、
(7)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベースから該患者情報提供端末に送信する患者情報送信手段と、
(8)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報提供端末から受信する患者情報受信手段と、を備えたことを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔3〕複数の医療機関に共通する患者ID番号を格納しかつ各医療機関に対して個別に使用できる個別診察券を使用した医療・健康情報一元管理システムであって、
各医療機関に設置される患者情報提供端末と医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバが相互に通信自在に接続されており、
該患者情報提供端末は、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を該個別診察券から取得する患者ID番号取得手段と、
(2)患者情報閲覧手段と、
(3)患者の患者情報を入力する患者情報入力手段と、
(4)患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバから受信する患者情報受信手段と、
(5)入力した患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバに送信する患者情報送信手段と、を備え、並びに、
該サービス提供機関のサーバは、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号照合手段と、
(2)患者情報総合データベースと、
(3)該患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて該患者情報総合データベースに登録する患者情報登録手段と、
(4)複数の医療機関に共通する患者ID番号を患者に付与する患者ID番号登録手段と、
(5)各患者の複数の医療機関から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベース上で一元的に管理するデータベース一元管理手段と、
(6)該患者情報総合データベースの患者情報を更新する患者情報更新手段と、
(7)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベースから該患者情報提供端末に送信する患者情報送信手段と、
(8)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報提供端末から受信する患者情報受信手段と、を備えたことを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔4〕前項1〜3のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、電子的及び/又は磁気的に情報を格納できる媒体に格納した患者ID番号を使用することを特徴とする医療・健康情報一元管理システム。
〔5〕前項1〜4のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
さらに、患者端末を有し、
該患者端末は、前記サービス提供機関のサーバと相互に通信自在に接続されており、
該患者端末は、
(1)該複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する患者ID番号取得手段と、
(2)患者情報閲覧手段と、
(3)該患者の患者情報を入力する患者情報入力手段と、
(4)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバから受信する患者情報受信手段と、
(5)該入力した患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバに送信する患者情報送信手段と、を備え、並びに、
該サービス提供機関のサーバは、さらに、
(1)患者の患者端末から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベース上で一元的に管理するデータベース一元管理手段と、
(2)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベースから該患者端末に送信する患者情報送信手段と、
(3)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者端末から受信する患者情報受信手段と、を備え、
患者端末から患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新が可能なことを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔6〕前項1〜5のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、
閲覧制限手段を備え、
該閲覧制限手段が、閲覧制限の患者情報を該患者情報総合データベースから前記患者端末及び/又は前記患者情報提供端末に送信することを制限することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔7〕前項1〜6のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記患者情報提供端末又は前記患者端末は、さらに、
閲覧制限手段を備え、
該閲覧制限手段が、閲覧制限の患者情報を前記サービス提供機関のサーバから受信することを制限することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔8〕前項1〜7のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記患者情報提供端末又は前記患者端末は、さらに、
患者情報入力制限手段を備え、
該患者情報入力制限手段が、入力制限の患者情報を前記サービス提供機関のサーバに送信することを制限することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔9〕前項1〜8のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、
患者情報入力制限手段を備え、
該患者情報入力制限手段が、入力制限の患者情報を前記患者情報提供端末又は前記患者端末から受信することを制限することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔10〕前項1〜9のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、
アラート手段を有し、ここで、該アラート手段は、前記患者情報総合データベースから患者アラート情報を抽出して、さらに該患者アラート情報を該患者情報総合データベースから前記患者端末及び/又は前記患者情報提供端末に送信する手段であって、
該患者アラート情報は、該患者端末及び/又は該患者情報提供端末の患者情報閲覧手段に表示されることを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔11〕前記患者アラート情報は、電子メール、携帯端末のポップアップ表示、及び/又は、通信アプリケーションにより前記患者端末に送付される、又は、メールにより患者本人に送付される前項10に記載の医療・健康情報一元管理システム。
〔12〕前記患者アラート情報は、以下のいずれか1から選ばれる前項10又は11に記載の医療・健康情報一元管理システム。
(1)初診予約
(2)再診予約
(3)検査予約
(4)健康診断
(5)癌の定期検診
(6)処方薬受け取り
(7)処方薬を内服または外用する際の処方薬の種類、量、回数、時間
(8)予防接種
(9)人工透析予約
〔13〕前項1〜12のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記患者情報提供端末又は前記患者端末は、さらに、
患者ID番号登録申込手段を備え、ここで、該患者ID番号登録申込手段は、患者を特定できる情報を前記サービス提供機関のサーバに送信する手段であって、
患者情報提供端末又は患者端末から共通する患者ID番号を取得できることを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔14〕前項1〜13のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、医療機関ID番号照合手段を有し、
該手段は、医療機関ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔15〕前項1〜14のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、医療従事者ID番号照合手段を有し、
該手段は、医療従事者ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔16〕前項1〜13のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、医療機関及び医療従事者ID番号の照合手段を有し、
該手段は、医療従事者のID番号が所属している医療機関のID番号に適合する前に、患者ID番号照合を制限することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔17〕前項13〜16のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限手段を有し、
該手段は、前記医療機関ID番号及び/又は前記医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者が前記患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔18〕前項13〜16のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、医療機関及び医療従事者アクセスログ記録手段を有し、
該手段は、前記医療機関ID番号及び/又は前記医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者のアクセスログを保存することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔19〕前項1〜18のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、患者情報閲覧制限手段を有し、
該手段は、患者本人が予め自身が閲覧したくない情報を選択し、該情報を該患者が閲覧できないように設定することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔20〕前項1〜19のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、患者情報自動送信手段を有し、
該手段は、患者本人が予め設定した宛先に特定の条件が解除された場合には、患者本人が指定した情報を該宛先に送信することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔21〕前項1〜20のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、医療費控除計手段を備え、
前記患者端末は、さらに、医療費控除情報入力手段を備え、
該医療費控除計手段が、患者が入力した医療費控除情報を基にして、医療費控除を受けられるかどうかを判定する及び/又は医療費控除の額を算出することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔22〕前項1〜20のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、医療保険の給付金・保険金計算手段を備え、
前記患者端末は、さらに、医療保険の加入情報入力手段を備え、
該医療保険の給付金・保険金計算手段が、患者が入力した医療保険の加入情報を基にして、医療保険の給付金・保険金を受けられるかどうかを判定する及び/又は医療保険の給付金・保険金の額を算出することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔23〕前項1〜20のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、地域毎の医療機関情報提供手段を備え、
前記患者端末は、さらに、住所変更入力手段又はGPS機能を備え、
地域毎の医療機関情報提供手段が、患者が入力した住所変更情報又はGPS機能の位置情報を基にして、該住所又は該位置情報の地域の医療機関情報を該患者端末に提示することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔24〕前項1〜20のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、認定医制度申請手段を備え、
該認定医制度申請手段は、認定医制度申請に必要な情報を医療従事者ID番号から抽出して作成することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔25〕前項1〜20のいずれか1に記載の医療・健康情報一元管理システムにおいて、
前記サービス提供機関のサーバは、さらに、協力依頼申請手段を備え、
該協力依頼申請手段は、患者情報総合データベースより、特定の条件及び/又は疾患に該当する患者を抽出し、該患者に研究及び/又は治験の協力依頼を該患者の患者端末に通知することを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔26〕複数の医療機関に共通する患者ID番号を使用した医療・健康情報一元管理システムであって、
各医療機関に設置される患者情報提供端末と医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバが相互に通信自在に接続されており、並びに、患者端末と該サービス提供機関のサーバが相互に通信自在に接続されており、
該患者情報提供端末は、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する患者ID番号取得手段と、
(2)患者情報閲覧手段と、
(3)患者の患者情報を入力する患者情報入力手段と、
(4)患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバから受信する患者情報受信手段と、
(5)入力した患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバに送信する患者情報送信手段と、を備え、
並びに、
該サービス提供機関のサーバは、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号照合手段と、
(2)患者情報総合データベースと、
(3)該患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて該患者情報総合データベースに登録する患者情報登録手段と、
(4)複数の医療機関に共通する患者ID番号を患者に付与する患者ID番号登録手段と、
(5)各患者の複数の医療機関から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベース上で一元的に管理するデータベース一元管理手段と、
(6)該患者情報総合データベースの患者情報を更新する患者情報更新手段と、
(7)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベースから該患者情報提供端末に送信する患者情報送信手段と、
(8)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報提供端末から受信する患者情報受信手段と、
(9)患者の患者端末から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベース上で一元的に管理するデータベース一元管理手段と、
(10)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベースから該患者端末に送信する患者情報送信手段と、
(11)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者端末から受信する患者情報受信手段と、
(12)閲覧制限の患者情報を該患者情報総合データベースから該患者端末及び/又は前記患者情報提供端末に送信することを制限する閲覧制限手段と
(13)入力制限の患者情報を該患者情報提供端末又は該患者端末から受信することを制限する患者情報入力制限手段と、
(14)該患者情報総合データベースから患者アラート情報を抽出して、さらに該患者アラート情報を該患者情報総合データベースから該患者端末及び/又は該患者情報提供端末に送信するアラート手段と、を備え、
並びに、
該患者端末は、
(1)該複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する患者ID番号取得手段と、
(2)患者情報閲覧手段と、
(3)該患者の患者情報を入力する患者情報入力手段と、
(4)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバから受信する患者情報受信手段と、
(5)該入力した患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバに送信する患者情報送信手段と、を備えることを特徴とする、
医療・健康情報一元管理システム。
〔27〕複数の医療機関に共通する患者ID番号を使用した医療・健康情報一元管理方法であって、
各医療機関に設置される患者情報提供端末と医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバが相互に通信自在に接続されており、
該患者情報提供端末は、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する患者ID番号取得工程と、
(2)患者情報閲覧工程と、
(3)患者の患者情報を入力する患者情報入力工程と、
(4)患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバから受信する患者情報受信工程と、
(5)入力した患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該サービス提供機関のサーバに送信する患者情報送信工程を行い、並びに、
該サービス提供機関のサーバは、
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号照合工程と、
(2)該患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて患者情報総合データベースに登録する患者情報登録工程と、
(3)複数の医療機関に共通する患者ID番号を患者に付与する患者ID番号登録工程と、
(4)各患者の複数の医療機関から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベース上で一元的に管理するデータベース一元管理工程と、
(5)該患者情報総合データベースの患者情報を更新する患者情報更新工程と、
(6)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報総合データベースから該患者情報提供端末に送信する患者情報送信工程と、
(7)該患者の患者情報を、該共通する患者ID番号に関連づけて、該患者情報提供端末から受信する患者情報受信工程を行う、
ことを特徴とする医療・健康情報一元管理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の医療・健康情報一元管理システムは、医療機関が現在発行している診察券の使用を維持したままでも医療・健康情報一元管理を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の医療・健康情報一元管理システムを詳細に説明する。
【0012】
(医療・健康情報一元管理システム)
本発明の医療・健康情報一元管理システムとは、患者情報を、医療・健康情報一元管理システムのサービスを請け負う機関(以後、「医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関」又は「サービス提供機関」と称する場合がある)が所有するサーバで保存・管理し、患者本人や医療機関{すべての形態の病院(大学病院、大規模、中規模、小規模病院、在宅や企業内クリニックを含む全ての形態のクリニック、すべての形態の歯科医院、すべての形態の薬局、デイケア、老人ホーム、身体障害者施設、精神福祉施設などの全ての形態の介護・福祉施設、健康診断機関、消防署(救急隊も含む)、眼鏡店、鍼灸マッサージ、接骨院、臨床検査会社}等が、患者の許可の元に閲覧・入力するシステムを意味する。
本発明の医療・健康情報一元管理システムは、少なくとも、各医療機関に設置される患者情報提供端末と医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバを有し、さらに好ましくは、患者端末を有する。
加えて、サービス提供機関のサーバは、患者情報提供端末又は患者端末と相互に通信自在に接続されている(参照:
図1)。さらに、利用者が、容易に、サーバにアクセスすることができるために、サーバは、外部から閲覧・入力可能なウェブサイト(HP等)を備えることが好ましい。
【0013】
(患者情報)
本発明での「患者情報」は、本来患者に帰属する健康・医療データを意味することとする。それ以外に、医師や医療従事者の判断に基づき、診察・治療時に通常カルテに記録される情報は、「医療情報」と呼んで「患者情報」と区別する。患者情報には、患者本人が提供することができる情報以外にも、一般には個々の医療施設に保存されているが、医師や医療従事者の判断を含まない客観的な情報、例えば、臨床検査データや、画像検査データ、また、医療費の支払い情報なども含む。患者情報として、限定されないが、下記を列挙することができる。
患者の氏名、生年月日、性別、住所、健康保険情報、緊急連絡先等の個人情報、既往歴、家族歴、嗜好、血液型、アレルギー情報(禁忌薬情報を含む)、服薬状況、問診情報、救急時に必要な医療処置情報、処方歴、血液検査結果、放射線等の医療画像検査情報、健康管理情報等(体重、血圧、身長、視力等)、予防接種記録、自治体健康診断記録、職場健診記録、学校検診記録、人間ドック記録、母子手帳記録情報、加入保険、総医療費、保険費用。
なお、患者とは、現在、医療機関に受診している人だけでなく、今後受診予定の人、過去に受診歴がある人、健康診断のみを受けた経験のある人、予防接種のみを受けた経験のある人(健常人も含む)等をすべて含み、特に限定されない。
【0014】
(複数の医療機関に共通する患者ID番号)
本発明における「複数の医療機関に共通する患者ID番号(「共通する患者ID番号」又は「患者ID番号」と略する場合がある)」とは、日本国内外で他の患者と重複しないように定められた各国毎の各患者に固有の番号である。すなわち、患者ID番号から、患者を特定することができる。また、患者ID番号は、マイナンバー、医療分野等ID、それらそのものを採用しても良いし、マイナンバー、医療分野等IDに対応する番号でも良い。すなわち、患者ID番号を特定することができれば、患者のマイナンバー、医療分野等IDも特定できるし、その逆もできる。
例えば、日本の総人口数を考慮して、9〜20桁の数字(又は、数字とアルファベットの組み合わせ)を患者ID番号とする。加えて、国番号は、ISOが提供しているISO 3166-1を採用しても良い(例、日本:JPN、JP)。
さらに、乳幼児や要介護高齢者に患者ID番号が付与される場合、カード管理者(窓口での提示者)が本人と異なる場合には、カード管理者の患者ID番号と乳幼児や要介護高齢者の患者ID番号を紐付けることができる。例えば、乳幼児の患者ID番号は、該乳幼児の親の患者ID番号を提示することにより、利用することができる(代行手続ができる)。また、要介護高齢者の患者ID番号の不正利用を防ぐために、該高齢者の患者ID番号の使用を制限することもできる。例えば、該高齢者の患者ID番号を使用する前に、該高齢者の親族(息子、娘等)の患者ID番号の提示を医療機関で要求するように設定することもできる。
【0015】
(医療機関ID番号)
本発明における「医療機関の固有の医療機関ID番号」とは、日本国内外で他の医療機関と重複しないように定められた各医療機関の固有の番号である。すなわち、医療機関ID番号から、各国毎の医療機関を特定することができる。
例えば、日本の医療機関数を考慮して、6〜20桁の数字(又は、数字とアルファベットの組み合わせ)を医療機関ID番号とする。加えて、国番号は、ISOが提供しているISO 3166-1を採用しても良い。
【0016】
(医療従事者ID番号)
本発明における「医療従事者の固有の医療従事者ID番号」とは、日本国内外で他の医療従事者と重複しないように定められた各医療従事者の固有の番号である。すなわち、医療従事者ID番号から、各国毎の医療従事者を特定することができる。
例えば、日本の医療従事者数を考慮して、6〜20桁の数字(又は、数字とアルファベットの組み合わせ)を医療従事者ID番号とする。加えて、国番号は、ISOが提供しているISO 3166-1を採用しても良い。
医療従事者ID番号の好ましい例として、医師なら医師免許証番号を挙げられる。これらの医師免許証番号は、すべて厚生労働省のデータベースに氏名と共に登録されている。
また、本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、サーバー内に、医師免許証番号を医療従事者ID番号と別に登録することも可能である。
【0017】
(共通診察券)
本発明における「共通診察券{通称:MeDaCa(Medical Data Card)カード}」とは、複数の医療機関に共通する患者ID番号を格納しかつ複数の医療機関に対して統一して使用できるカード{参照:
図2(1)}であれば、特には限定されない。
例えば、患者ID番号(通称:MeDaCa番号)を、磁気テープ上又はICチップに登録する。
共通診察券には、通常、医療施設で発行される診察券と違って、患者ID番号が格納されていることを明示するために、特別なロゴやマーク(例えば、MeDaCa)を記載しても良い。
これにより、共通診察券(複数の医療機関に対して統一して使用できるカード、通称:MeDaCaカード)に格納されている患者ID番号により、新規医療機関に受診した場合でも、病歴等を問診用紙に記載する必要がなくなる。また、本システムが導入されている医療機関では、個別に診察券を作成する必要がない。
また、共通診察券を一枚持っていれば、救急科の医師、看護師、救急隊員が救急時に必要な情報を読み取り、例えば、意識障害等の緊急事例でもリアルタイムに患者情報を入手し、利用することができる。
共通診察券には、患者本人の顔写真を付けたり、生体認証の情報をコード化するなど、本人を同定するための補助になるようなシステムを付与することも可能である。
さらに、患者ID番号は、共通診察券上に明示する形で印刷することも可能であるし、また、ひと目に触れないようカード上の磁気テープの中にだけ格納しておくこともできる。加えて、磁気テープに格納・保存されている患者ID番号は、ポータブル・カードリーダ等のついたコンピュータ端末や携帯デバイス(スマートフォン)などで読みとることもできる。
加えて、患者ID番号とは異なるID番号(共通診察券ID番号)を共通診察券の表面(又は裏面)に印字しても良い。患者は、この共通診察券ID番号を手元に控えておけば、共通診察券を紛失した時に、サービス提供機関に連絡することにより、該共通診察券の使用を止めることができる。
【0018】
共通診察券では、例えば、患者の氏名、生年月日、性別、住所、健康保険情報、緊急連絡先等の個人情報、既往歴、家族歴、嗜好、血液型、アレルギー情報(禁忌薬情報を含む)、服薬状況、問診情報、救急時に必要な医療処置情報、健康管理情報等(体重、血圧、身長、視力等)のいずれか1以上を登録しても良い。特に、好ましい登録情報は、救急時に必要な医療処置情報である。
さらに、共通診察券には、クレジット機能、電子マネー機能等を付加しても良い。
【0019】
(個別診察券)
本発明における「個別診察券」とは、各医療機関で個別に使用できる診察券に、患者ID番号を格納したカード{参照:
図2(2)}である。
個別診察券には、各医療機関のカルテ番号、患者番号等が記載されているが、同時に、磁気テープ上又はICチップ内に、患者ID番号が格納されている。さらに、ICチップには、患者番号だけでなく、患者氏名や生年月日、性別等も含むことができる。
個別診察券には、通常、医療施設で発行される診察券と違って、患者ID番号が格納されていることを明示するために、共通診察券と同様なロゴやマーク(例えば、MeDaCa)を記載しても良い。
また、患者ID番号が格納された個別診察券を一枚でも持っていれば、救急科の医師、看護師、救急隊員が救急時に必要な情報を読み取り、例えば、意識障害等の緊急事例でもリアルタイムに患者情報を入手、利用することができる。
従来使用していた診察券に、患者ID番号を格納すれば、個別診察券の機能を有することもできる。すなわち、本システムでは、従来から使用している医療機関が発行している診察券・診察カードの使用を維持したまま、医療・健康情報一元管理することができる。
また、従来使用していた診察券が、磁気テープを有し、そこに、各医療機関のカルテ番号、患者番号等が記載されている場合もあるが、その場合、磁気テープ上に、患者ID番号をさらに付け加えて格納する。そのため、個別診察券は、従来の医療機関で磁気テープにより患者カルテ番号を読み取って運用されてきたシステムと齟齬を来さない。
磁気テープに格納・保存されている患者ID番号は、ポータブル・カードリーダ等のついたコンピュータ端末や携帯デバイス(スマートフォン)などで読みとることもできる。
また、患者本人が、患者ID番号を所有していることを明示するために、個別診察券に、患者ID番号を印刷しても良い。また、患者ID番号を、ひと目に触れないようカード上の磁気テープの中にだけ格納しておくこともできる。
個別診察券には、患者本人の顔写真を付けたり、生体認証の情報をコード化するなど、本人を同定する補助になるようなシステムを付与することも可能である。
さらに、個別診察券には、クレジット機能、電子マネー機能等を付加しても良い。
加えて、患者ID番号とは異なるID番号(個別診察券ID番号)を個別診察券の表面(又は裏面)に印字しても良い。患者は、この個別診察券ID番号を手元に控えておけば、個別診察券を紛失した時に、サービス提供機関に連絡することにより、該個別診察券の使用を止めることができる。
【0020】
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、上記共通診察券及び個別診察券に加え、患者ID番号を格納した電子的及び/又は磁気的に情報を格納できる媒体{カード(磁気カードとICカード(非接触、接触の両方を含む)等を含む)、携帯端末機器(アプリケーションソフトウェアも含む)、腕輪、腕時計、又はUSBドライブ}を使用することもできる。
また、患者ID番号を格納した非接触ICカード{参照:
図2(3)、(4)}を患者情報提供端末に接続された非接触ICカードリーダ(ライタ)に提示することにより、患者情報提供端末に患者情報を提示することができる(参照:
図6)。
加えて、本システムでは、どのような規格の近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)も利用したカードを使用することができる。例えば、ISO/IEC14443(Type A及びType B)、FeliCa、ISO/IEC15693等のNFCを利用したカードを例示することができる。
Type Aは、日本ではタバコ購入用成人認証カードtaspoに採用されており、欧州では交通系カードに採用されている。Type Bは、住民基本台帳カード、自動車運転免許証、パスポートに採用されている。FeliCaでは、Suica、Edy、WAON、nanaco、交通系カード、電子マネーに採用されている。ISO/IEC15693は、小売、物流などのICタグ・ICラベルに採用されている。
加えて、患者が複数の個別診察券を有していても、携帯端末機器のアプリケーションソフトウェアで1枚の共通診察券に統合することもできる。さらに、患者は、複数の診察券を持っていても、医療・健康情報一元管理システムは同一患者についての名寄せができるので、携帯端末アプリケーションソフトウェア上では全ての診察券の医療・健康情報を統合して参照できる。この場合、携帯アプリケーションソフトウェアを診察券とすることができる。
【0021】
(各医療機関に設置される患者情報提供端末)
本発明における「各医療機関に設置される患者情報提供端末」は、外部と通信可能でありかつ一時的に患者情報を保存可能なハードウエア資源であれば、特に限定されない。モバイルパソコン、タブレット端末等でも良く、災害現場などに持ち込み使用もできる。
例えば、本システムを容易に導入するために、各医療機関が、現在所有している患者情報を格納したコンピュータが、各医療機関に設置される患者情報提供端末となりうることができる。すなわち、各医療機関は、別途、患者情報提供端末を購入する必要がない。
例えば、電子カルテの導入がなされておらず、「紙カルテ」で診療を行っている大多数の診療所(日本全国で10万ヶ所と言われている)では、インターネットに通信可能なタブレット端末の比較的安価な携帯端末に安価なカードリーダーを取り付けることで、本システムを運営するのに十分な患者情報提供端末を設置することができる。
また、本システムで取り扱う患者情報は、医療従事者(医師を含む)が判断してカルテに記入する医療情報ではないので、診療所は紙カルテと平行して本システムを使用できる。もちろん、一端、本システムが動き出せば、必要に応じて、医療情報も本システムの中に取り込んでいくこともできるので、現在、紙カルテで診療を行っている診療所の電子化にも貢献できる。
例えば、医療従事者や救急隊員は、携帯電話、スマートフォン、パソコン、タブレット端末、FeliCa等のデータ読み出し・書き込み機能一体型となるノートパソコンを介して、患者情報にアクセスすることができ、さらに、管理、入力、修正、削除等をすることができる。
加えて、患者ID番号を取得可能なカードリーダー付の端末であっても良い。
【0022】
患者情報提供端末は、少なくとも以下の手段を備える、又は、以下の工程を実施する。
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する患者ID番号取得手段(又は、複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する患者ID番号取得工程)
(2)患者情報閲覧手段(又は、患者情報を閲覧可能にする工程)
(3)患者の患者情報を入力する患者情報入力手段(又は、患者の患者情報を入力する工程である患者情報入力工程)
(4)患者情報受信手段(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバから受信する手段)又は、患者情報受信工程(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバから受信する工程)
(5)患者情報送信手段(入力した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバに送信する手段)又は、患者情報送信工程(入力した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバに送信する工程)
さらに、患者情報提供端末は、以下の工程を実施する。
○患者ID番号を有さない患者の初回登録
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する工程
(2)入力した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバに送信する工程
○患者ID番号を有する患者
(1)患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバから患者情報を受信する工程
(2)該患者情報を閲覧可能にする工程
(3)入力された患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバに送信する工程
患者ID番号によりサービス提供機関のサーバから受信した患者情報は、初回訪問又は再訪問の医療機関のどちらでも同じ情報を閲覧することができる。
【0023】
患者情報提供端末は、好ましくは、さらに以下の手段を備える、又は、以下の工程を実施する。
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を共通診察券又は個別診察券から取得する患者ID番号取得手段、又は、複数の医療機関に共通する患者ID番号を共通診察券又は個別診察券から取得する患者ID番号取得工程
(2)閲覧制限手段(閲覧制限の患者情報をサービス提供機関のサーバから受信することを制限する手段)、又は、閲覧制限工程(閲覧制限の患者情報をサービス提供機関のサーバから受信することを制限する工程)
(3)患者情報入力制限手段(入力制限の患者情報をサービス提供機関のサーバに送信することを制限する手段)又は、患者情報入力制限工程(入力制限の患者情報をサービス提供機関のサーバに送信することを制限する工程)
(4)医療機関ID番号照合手段(医療機関ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療機関ID番号照合工程(医療機関ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する工程)
詳しくは、医療機関ID番号の照合(正しいID番号であるかを確認する)が完了しない限り、患者ID番号照合を行うことができない。
さらに、必要に応じて、患者情報提供端末のIPアドレス及び/又はMACアドレスも照合対象とすることができる。
(5)医療従事者ID番号照合手段(医療従事者ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療従事者ID番号照合工程(医療従事者ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する工程)
詳しくは、医療従事者ID番号の照合が完了しない限り、患者ID番号照合を行うことができない。
(6)医療機関及び医療従事者ID番号の照合手段(医療従事者のID番号が所属している医療機関のID番号に適合する前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療機関及び医療従事者ID番号の照合工程(医療従事者のID番号が所属している医療機関のID番号に適合する前に、患者ID番号照合を制限する工程)
詳しくは、医療従事者の医療従事者ID番号より、該医療従事者が所属している医療機関を特定し、さらに、該医療機関の医療機関ID番号により、該医療従事者が所属している医療機関の患者情報提供端末より操作をしているかどうかを照合する手段(工程)である。
(7)医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限手段(医療機関ID番号及び/又は医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者が前記患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定する手段)又は、医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限工程(医療機関ID番号及び/又は医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者が前記患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定する工程)
より詳しくは、医療従者者及び/又は医療機関の特性により、患者情報の閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定することができる。
(8)患者情報データベース
(9)患者情報登録手段(患者情報を患者情報データベースに登録する手段)又は、患者情報登録工程(患者情報を患者情報データベースに登録する工程)
(10)患者情報更新手段(患者情報データベースの患者情報を更新する手段)又は、患者情報更新工程(患者情報データベースの患者情報を更新する工程)
(11)患者情報自動更新手段(患者データベースに入力された患者情報が、サービス提供機関のサーバに送信され、該患者情報が患者総合データベースに入力、更新、修正、変更される手段)又は、患者情報自動更新工程(患者データベースに入力された患者情報が、サービス提供機関のサーバに送信され、該患者情報が患者総合データベースに入力、更新、修正、変更される工程)
患者情報提供端末は、上記の手段又は上記の工程を実施することができるので、医療機関は、他の医療機関が確認した患者の最新の医療保険情報は、自医療機関で保険証の確認ができない場合でも、該情報を利用することができる。
【0024】
(医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバ)
本発明における「医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバ」は、医療・健康情報一元管理システムのサービスを請け負う機関が所有する外部と通信可能(インターネット回線)でありかつ各患者の患者情報を保存可能なホスト・コンピューターであれば、特に限定されない。例えば、クラウドストレージ(オンラインストレージ)、外部と通信可能大規模コンピュータ(スーパーコンピュータ)等である。
なお、本明細書に記載のサーバは、あくまで一例であり、一つの機能をさらに分割し、複数の機能部をまとめて一つの機能部として構成してもよく、さらに一部の機能をインターネット回線を通じて日本国外に設置しても良い。
【0025】
サービス提供機関のサーバは、少なくとも以下の手段を備え、又は、少なくとも以下の工程を実施する。
(1)患者ID番号照合手段又は、患者ID番号照合工程
(2)患者情報総合データベース
(3)患者情報登録手段(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベースに登録する手段)又は、患者情報登録工程(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベースに登録する工程)
(4)患者ID登録手段(複数の医療機関に共通する患者ID番号を患者に付与する手段)又は、患者ID登録工程(複数の医療機関に共通する患者ID番号を患者に付与する工程)
(5)データベース一元管理手段(各患者の複数の医療機関から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベース上で一元的に管理する手段)又は、データベース一元管理工程(各患者の複数の医療機関から受信した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベース上で一元的に管理する工程)
(6)患者情報更新手段(患者情報総合データベースの患者情報を更新する手段)又は、患者情報更新工程(患者情報総合データベースの患者情報を更新する工程)
(7)患者情報送信手段(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベースから患者情報提供端末又は患者端末に送信する手段)又は、患者情報送信工程(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベースから患者情報提供端末又は患者端末に送信する工程)
(8)患者情報受信手段(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報提供端末又は患者端末から受信する手段)又は、患者情報受信工程(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、患者情報提供端末又は患者端末から受信する工程)
【0026】
サービス提供機関のサーバは、好ましくは、さらに以下の手段を備え、又は、さらに以下の工程を実施する。
(1)閲覧制限手段(閲覧制限の患者情報を患者情報総合データベースから患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信することを制限する手段)又は、閲覧制限工程(閲覧制限の患者情報を患者情報総合データベースから患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信することを制限する工程)
(2)患者情報入力制限手段(入力制限の患者情報を患者情報提供端末又は患者端末から受信することを制限する手段)又は、患者情報入力制限工程(入力制限の患者情報を患者情報提供端末又は患者端末から受信することを制限する工程)
(3)アラート手段(患者情報総合データベースから患者アラート情報を抽出して、さらに患者アラート情報を患者情報総合データベースから患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信する手段)又は、アラート工程(患者情報総合データベースから患者アラート情報を抽出して、さらに患者アラート情報を患者情報総合データベースから患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信する工程)
(4)医療機関ID番号照合手段(医療機関ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療機関ID番号照合工程(医療機関ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する工程)
より詳しくは、サービス提供機関のサーバは、医療機関IDと登録されている医療機関を照合して、一致した場合のみ患者ID番号照合を許可する。
(5)医療従事者ID番号照合手段(医療従事者ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療従事者ID番号照合工程(医療従事者ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する工程)
より詳しくは、サービス提供機関のサーバは、医療従事者IDと登録されている医療従事者(情報)を照合して、一致した場合のみ患者ID番号照合を許可する。
(6)医療機関及び医療従事者ID番号の照合手段(医療従事者のID番号が所属している医療機関のID番号に適合する前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療機関及び医療従事者ID番号の照合工程(医療従事者のID番号が所属している医療機関のID番号に適合する前に、患者ID番号照合を制限する工程)
より詳しくは、サービス提供機関のサーバは、医療従事者IDとその医療従事者が所属している医療機関のID番号を照合して、一致した場合のみ患者ID番号照合を許可する。
(7)医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限手段(医療機関ID番号及び/又は前記医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者が前記患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定する手段)又は、医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限工程(医療機関ID番号及び/又は前記医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者が前記患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定する工程)
(8)医療費控除計算手段(医療費控除計算プログラム)又は医療費控除計算工程
医療費控除計算手段(医療費控除計算プログラム)は、患者の医療費の情報を基にして、医療費控除を受けられるか、さらには医療費控除の額を算出する。
(9)医療保険の給付金・保険金計算手段(医療保険の給付金・保険金計算プログラム)又は医療保険の給付金・保険金計算工程
医療保険の給付金・保険金計算手段(医療保険の給付金・保険金計算プログラム)は、患者の加入保険の情報を基にして、医療保険の給付金・保険金を受けられるか、さらには医療保険の給付金・保険金の額を算出する。
(10)地域毎の医療機関情報提供手段又は地域毎の医療機関情報提供工程
地域毎の医療機関情報提供手段は、患者の住所変更情報を基にして、住所のある地域の医療機関情報(特に、現在、患者が通院している科がある病院情報)を該患者端末に提示する。
【0027】
(患者端末)
本発明における「患者端末」とは、患者が所有する又は利用できる端末であれば、特に限定されない。例えば、患者は、携帯電話、スマートフォン、パソコン、タブレット端末等を介して、自身の患者情報にアクセスすることができ、さらに、管理、入力、修正、削除等をすることができる。
加えて、患者ID番号を取得可能なカードリーダー付の端末であっても良い。
【0028】
患者端末は、少なくとも以下の手段を備え、又は、以下の工程を実施する。
(1)患者ID番号取得手段(複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する手段)又は、患者ID番号取得工程(複数の医療機関に共通する患者ID番号を取得する工程)
(2)患者情報閲覧手段又は、患者情報閲覧工程
(3)患者情報を入力する患者情報入力手段又は、患者情報を入力する患者情報入力工程
(4)患者情報受信手段(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバから受信する手段)又は、患者情報受信工程(患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバから受信する工程)
(5)患者情報送信手段(入力した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバに送信する手段)又は、患者情報送信工程(入力した患者情報を、共通する患者ID番号に関連づけて、サービス提供機関のサーバに送信する工程)
【0029】
患者端末は、好ましくは、さらに以下の手段を備え、又は、以下の工程を実施する。
(1)複数の医療機関に共通する患者ID番号を共通診察券又は個別診察券から取得する患者ID番号取得手段又は、複数の医療機関に共通する患者ID番号を共通診察券又は個別診察券から取得する患者ID番号取得工程
(2)閲覧制限手段(患者情報の中で、医療機関が患者情報提供端末を介して閲覧する情報を取捨選択して、サービス提供機関のサーバに入力し、患者自身が医療機関が受信する情報を制限する手段)又は、閲覧制限工程(患者情報の中で、医療機関が患者情報提供端末を介して閲覧する情報を取捨選択して、サービス提供機関のサーバに入力し、患者自身が医療機関が受信する情報を制限する工程)
(3)患者情報入力制限手段(入力制限の患者情報をサービス提供機関のサーバに送信することを制限する手段)又は、患者情報入力制限工程(入力制限の患者情報をサービス提供機関のサーバに送信することを制限する工程)
(4)医療機関ID番号照合手段(医療機関ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療機関ID番号照合工程(医療機関ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する工程)
(5)医療従事者ID番号照合手段(医療従事者ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療従事者ID番号照合工程(医療従事者ID番号の入力前に、患者ID番号照合を制限する工程)
(6)医療機関及び医療従事者ID番号の照合手段(医療従事者のID番号が所属している医療機関のID番号に適合する前に、患者ID番号照合を制限する手段)又は、医療機関及び医療従事者ID番号の照合工程(医療従事者のID番号が所属している医療機関のID番号に適合する前に、患者ID番号照合を制限する工程)
(7)医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限手段(医療機関ID番号及び/又は前記医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者が前記患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定する手段)又は、医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限工程(医療機関ID番号及び/又は前記医療従事者ID番号に関連づけて、医療機関及び/又は医療従事者が前記患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲を設定する工程)
(8)患者情報自動更新手段(患者端末に入力された患者情報が、サービス提供機関のサーバに送信され、該患者情報が患者総合データベースに入力、更新、修正、変更される手段)又は、患者情報自動更新工程(患者端末に入力された患者情報が、サービス提供機関のサーバに送信され、該患者情報が患者総合データベースに入力、更新、修正、変更される工程)
(9)医療費控除情報入力手段{患者が、医療費控除に必要な情報(世帯総収入額等)を入力できる手段}又は、医療費控除情報入力工程{患者が、医療費控除に必要な情報(世帯総収入額等)を入力できる手段}
(10)医療保険の加入情報入力手段{患者が、医療保険の給付金・保険金計算に必要な情報(医療保険の加入情報)を入力できる手段}又は、医療保険の加入情報入力工程{患者が、医療保険の給付金・保険金計算に必要な情報(医療保険の加入情報)を入力できる工程}
(11)住所変更入力手段(患者が、引っ越し等により住所を変更する場合において、新しい住所を入力できる手段)又は、住所変更入力工程(患者が、引っ越し等により住所を変更する場合において、新しい住所を入力できる工程)
【0030】
(閲覧制限・入力制限)
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、好ましくは、患者情報の属性によりアクセスできる範囲を制限する。
例えば、患者本人は、個人の健康情報は追記できるが、個人属性情報、医療情報には追記できない。医療機関は、医療機関の受診歴、最新の処方歴等の医療情報を追記できるが、他の情報は追記できない。医療機関の一例である薬局は、個人の服薬アレルギー情報は追記できるが、健康情報、医療情報等には追記できない。
さらに、個人の情報の閲覧、追記、更新時には全ての利用者のログを残すことができる手段を含んでも良い。
例えば、共通診察券又は個別診察券の閲覧、追記は、医師、歯科医師、薬剤師等の刑法第134条等で守秘義務が課せられている職種のみで許可される。
さらに、患者本人が、重篤な病気(例、末期癌等)であるとの情報を、自身が知りたくない場合には、予め、患者自身が閲覧制限することができる。
加えて、患者本人は、死亡した時の臓器提供の有無に関する情報、死亡した時の連絡先の情報等を登録し、患者本人が死亡するまでは、閲覧制限させることができる。
このような閲覧制限・入力制限の管理は、医療機関ID及び/又は医療従事者IDを用いても行うことができる。
【0031】
(アラート手段)
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、好ましくは、アラート情報を、患者端末及び/又は患者情報提供端末の患者情報閲覧手段に表示する。
例えば、患者が、引っ越しにより通院していた病院を変更した場合には、定期的に検査・実施しなければいけない項目{予防接種、健康診断、癌の検診(定期健診、予後検診)、人工透析予約}や、その他の項目(初診予約、再診予約、検査予約、処方薬受け取り、処方薬を内服または外用する際の処方薬の種類、量、回数、時間等)を、患者又は担当する医師に知らせる。
アラートは、患者端末、患者情報提供端末に表示することもできるし、また、電子メール、テキスト・メッセージなどの手段で患者又は医師に知らせることもできる。
より詳しくは、患者アラート情報は、電子メールにより前記患者端末に送付され、又は、メールにより患者本人に送付される。
このようなアラート機能は、本発明の医療・健康情報一元管理システムにより達成できる。
さらに、より詳しくは、オンラインでの診療予約記録が可能となる。例えば、医療機関は予約用端末を有し、患者が診察券を予約用端末に接触させると、次回の予約日、診療時間等を自動で予約できる。一方、患者情報提供端末は、一日の全予約リストを提示することができる。また、患者端末には、予約日、医療機関名、主治医名、予約時間などの情報が提示される。これにより、患者は、受診前日、当日の朝などにメールにより予約情報を受け取ることができるので、受信日を忘れないようにできる。
【0032】
(患者情報の付加的サービス)
医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関は、患者の海外渡航向けに、患者情報を翻訳するサービスを提供することもできる。これにより、患者は、海外からも自身の患者情報にアクセスでき、現地で病院を受診するときに、海外の医療機関に翻訳された患者情報を提示し、診察を容易かつ迅速にすることができる。
なお、救急時にも、患者ID番号を格納した共通診察券又は個別診察券を一枚でも持っていれば、救急隊員が救急時に必要な情報を読み取ることができる。特に、患者本人が意識のない場合、または、意識レベルの低下している場合には、救急隊員が、患者の許可なしに患者の個人情報(例えば、禁忌薬や現在の疾患など、救命のために一刻を争う情報)を閲覧できるようにすることもできる。
例えば、患者情報提供端末にアクセス制限を一時的に解除できる「クリックできるアイコン」を表示し、患者の意識が無い時、災害時などの緊急時(コードレッド)での患者情報アクセスを可能にする。この場合、誰が緊急時にアクセスをしたか、どの情報にアクセスしたかのログが残され、責任の所在を明らかにすることもできる。
【0033】
医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関は、医療機関の要請及び/又は患者の同意に基づき、共通診察券または個別診察券を発行する際に、患者のこれまでの検査や画像データをサーバに取り込む、又は、参照可能なようにリンクする。
これにより、患者が様々な病院などで受けてきた検査データ等を統合して統合医療情報とすることが可能になる。このような統合医療情報は、今後の治療、健康管理に非常に有用である。
以上により、本発明の医療・健康情報一元管理システムは、患者が中心になって、すべての医療機関(救急隊も含む)が連携できるシステムとなる。
【0034】
(マイナンバー入手方法)
本発明の医療・健康情報一元管理システムは、マイナンバーを患者本人からの申告又は患者ID番号を格納した共通診察券又は個別診察券から入手できるが、都道府県市町村、地方公共団体情報システム機構、国(国の機関を含む)等と専用回線、VPN及び/又はインターネット回線を介して相互に通信が可能とすることにより、患者本人以外からも入手可能である。
【0035】
(医療分野等ID)
日本政府は2015年5月29日、医療等(医療・健康・介護)分野の情報に個人番号を付与する、いわゆる「医療等ID」に関する方針を決定した。この医療等IDは、マイナンバーのインフラを活用して、マイナンバーと連携させた形で運用される。
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、医療等IDを患者本人からの申告又は患者ID番号を格納した共通診察券又は個別診察券から入手できるが、医療等ID発行機関等と専用回線、VPN及び/又はインターネット回線を介して相互に通信が可能とすることにより、患者本人以外からも入手可能である。
【0036】
(医療費控除計算手段)
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、好ましくは、医療費控除計算プログラム(医療費控除計算手段)を含んでいても良い。本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、各患者のマイナンバー(又は、医療分野等ID)及びその家族のマイナンバー(又は、医療分野等ID)並びに各患者の総医療費のデータ及びその家族の総医療費の情報を有している。よって、医療費控除計算プログラムは、該医療費の情報を基にして、医療費控除を受けられるか、さらには医療費控除の額を算出する。なお、患者端末では、医療費控除を受けることができるか、さらには医療費控除の額を算出するための情報(総所得情報等である医療費控除情報)を入力できる手段を有する(参照:
図8)。
【0037】
(医療保険の給付金・保険金計算手段)
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、好ましくは、各企業、公共機関が提供している医療保険の給付金・保険金計算プログラム(給付金・保険金計算手段)を含んでいても良い。本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、各患者のマイナンバー(又は、医療分野等ID)及びその家族のマイナンバー(又は、医療分野等ID)並びに各患者の加入保険のデータ及びその家族の加入保険の情報を有している。よって、医療保険の給付金・保険金計算プログラムは、該加入保険の情報を基にして、給付金・保険金を受けられるか、さらには給付金・保険金の額を算出する。なお、患者端末では、給付金・保険金を受けることができるか、さらには給付金・保険金の額を算出するための情報(加入保険情報等)を入力できる手段を有する(参照:
図9)。
さらに、医療保険の給付金計算手段に加えて、支払い済みや支払中の医療保険の種別入力、掛け金計算手段を含んでも良い。また、給付金・保険金等を受けることができるかは、基準(クライテリア)を満たしたらアラートやポップアップ(ウェブポップアップ)で患者又は患者端末に通知しても良い。
【0038】
(地域毎の医療機関情報提供手段)
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、好ましくは、地域毎の医療機関情報提供手段を含んでいても良い。本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、各患者のマイナンバー(又は、医療分野等ID)及びその家族のマイナンバー(又は、医療分野等ID)の情報を有している。よって、地域毎の医療機関情報提供手段は、患者が入力した住所変更情報又は患者端末が有するGPS機能の位置情報を基にして、該住所又は該位置情報の地域の医療機関情報(特に、現在、患者が通院している科がある病院情報)を該患者端末に提示する。患者は、提示された医療機関情報を基にして、住所変更後に通院する予定の医療機関を選択し、さらには、予約をすることもできる(参照:
図10)。
【0039】
(認定医制度申請手段)
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、好ましくは、認定医制度申請手段を含んでいても良い。本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、各医師(看護婦を含む)がどのような患者の症例を担当したかを医療従事者ID番号から抽出して一覧表にすることできる。すなわち、本システムは、医療従事者ID番号から担当した症例数及び経験年数等を示した一覧表(認定医制度申請書に必要な書類)を作成することができる。
さらに、本システムは、認定医制度申請書に必要な書類を、申請者の代わりに、各学会等に提出することもできる。
【0040】
(協力依頼申請手段)
本発明の医療・健康情報一元管理システムでは、好ましくは、協力依頼申請手段を含んでいても良い。協力依頼申請手段は、患者情報総合データベースより、特定の条件(病名、主訴、薬品名、年齢層、血液型等)や疾患(特に、難治性疾患、希少疾患)に該当する患者を抽出し、該患者に研究・治験等の協力依頼を患者端末に通知する。
【0041】
以下、本発明を実施例で説明するが、これは本発明の典型例を例示するものであって、その内容を限定解釈するものではない。
【実施例1】
【0042】
(患者ID番号登録の流れ)
本実施例では、個別診察券発行の流れを例示する。
患者の個人認証を行った上で、患者ID番号を登録・発行するのであれば、以下の手順に限定されない。
【0043】
患者は、医療機関を初回受診時、又は、医療機関が本システム導入後の再診受診時に、マイナンバーカード、医療分野等IDカード、住民基本台帳カード、運転免許証、健康保険証等の個人を特定できる情報を医療機関に提示する。
医療機関は、通常通り、該医療機関特有の患者番号(患者カルテ番号)を割り振り、診察券を発行する。これは、従来の簡易の診察券であり、紙、プラスチックその他でできており、患者氏名、患者番号、医療機関名、医療機関住所、医療機関電話番号等が記載されている。簡易の診察券は、個別診察券が発行されるまで一時的に使用され、個別診察券発行の後は破棄されるので、費用節約のために実際には発行しなくても良い。ここで、医療機関は、患者に、該簡易の診察券と同時に、個別診察券の申込書を渡す。
医療機関は、該医療機関特有の患者番号(患者カルテ番号)と患者氏名などの基本情報を、患者の同意を得て、サービス提供者(医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関)に送付する。
また、医療機関は、患者を対面で個人同定しているので、その時に個人を同定するのに利用した情報(例えば、マイナンバー、医療分野等ID、住民基本台帳カード、免許証、パスポート等の写真付きIDカード)のコピーを、患者の同意を得て、サービス提供者(医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関)に送付する。なお、医療機関は、患者の同意を得た場合には、患者情報提供端末を介して、個人を同定するのに利用した情報を医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバに直接送信しても良い。
一方、患者は、個別診察券申込書を記入し、サービス提供者(医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関)に送付する。医療機関が個人を同定できる情報を、サービス提供者に送付していない場合には、患者が個人を同定できる情報をサービス提供者に送付する。
個別診察券申込書には、患者情報の中で、患者本人が提供できる情報の詳細を記述できるようにする。例えば、患者の氏名、生年月日、性別、住所、健康保険情報、緊急連絡先等の個人情報、既往歴、家族歴、嗜好、血液型、アレルギー情報(禁忌薬情報を含む)、服薬状況、問診情報、救急時に必要な医療処置情報、処方歴などである。
【0044】
別法として、医療機関は、患者の同意を得た場合には、患者の代わりに、患者情報提供端末を介して、個別診察券発行に必要な情報を医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバに送信しても良い。
さらに、別法として、患者は、患者端末を介して、個別診察券発行に必要な情報を医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバに送信しても良い。
【0045】
サービス提供者のサーバは、患者がすでに患者ID番号を取得しているかどうかを、患者を特定できる情報(個別診察券発行に必要な情報)を基にして、患者データベースに格納されているかどうかを検索する(患者ID番号照会手段)。
検索の結果、患者が、患者ID番号を取得していない場合には、該患者特有の患者ID番号を登録する(患者ID番号登録手段)。次に、該患者の患者情報を、個別診察券申込書や、患者本人が入力した内容に基づき取得し、患者ID番号に関連づけて該患者情報総合データベースに登録する(患者情報登録手段)。
サービス提供者は、該医療機関から提供された患者番号(患者カルテ番号)とともに、患者氏名、生年月日、性別、医療機関名、医療機関住所、医療機関電話番号等を記載した個別診察券を発行する。この個別診察券には、サービス提供者が登録した患者ID番号を電子的に格納する。また、患者ID番号を明示的に個別診察券に記載することも可能である。また、該医療機関がすでに磁気テープ又はICチップを用いた診察券を運用している場合には、その情報も同時に個別診察券に格納し、個別診察券が該医療機関ですでに運用されているシステムでも利用できるようにする。
サービス提供者は、発行された個別診察券を患者に送付する。また、希望によっては、個別診察券を該医療機関に送付し、医療機関から患者に提供することもできる。
または、必要に応じて、患者ID番号を、患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信する(患者情報送信手段)。これにより、医療機関は、患者ID番号を、すでに発行している診療カード(個別診察券)に付加することもできるし、患者ID番号を含む医療機関特有の個別診察券を新たに発行しても良い。また、患者ID番号を診察券以外の形、例えば、スマートフォンなどの携帯端末に格納することもできる。
【0046】
検索の結果、患者が、患者ID番号を取得していた場合には、個人を同定できる情報と厳密に照合した上で、取得済患者ID番号を、該医療機関から提供された患者番号(患者カルテ番号)、患者氏名に連結し、該患者情報総合データベースに登録する(患者情報登録手段)。
次に、該患者の患者情報を、個別診察券申込書や、患者本人が入力した内容に基づき取得し、患者ID番号に関連づけて該患者情報総合データベースに付け加える(患者情報登録手段又は患者情報更新手段)。
上記に記載した方法で、患者ID番号を格納した個別診察券を発行する。
【0047】
患者は、どこの医療機関であるかを問わず、本システムによって発行された個別診察券、または、共通診察券(例えば、MeDaCaのロゴのついた診察券)を所有している場合には、医療機関を初回受診時、又は、医療機関が本システム導入後の再診受診時に、その個別診察券、または、共通診察券を医療機関に提示することによって、個人を特定するための書類(マイナンバー、医療分野等ID、住民基本台帳カード、運転免許証、健康保険書等の個人を特定できる情報)の提出を簡略化、または、省略することができる。
また、医療従事者ID番号(ID番号を格納したカード)は、該医療従事者が所有している共通診察券又は個別診察券に格納されている患者ID番号(共通診察券又は個別診察券)でも良い。さらに、医療従事者ID番号(ID番号を格納したカード)は、所属している医療機関の従業員のID番号(ID番号を格納した従業員カード)でも良い。
好ましくは、医療従事者が所有するカードは、医療機関ID番号及び医療従事者ID番号の両方、さらには自身の患者ID番号を格納されている。
【0048】
上記に記述されている例では、患者は、複数の個別診察券を所持することになる。それぞれの個別診察券には、共通の患者ID番号が格納されているが、同時に、医療機関毎に異なる該医療機関固有の患者番号(カルテ番号)と医療機関の名称、住所などが表記されていることになる。患者は、それぞれの医療機関受診時に、それぞれの医療機関の名称と固有の患者番号(カルテ番号)の表記された個別診察券を提示することになる。
【0049】
共通診察券発行の流れも、原則、個別診察券発行の流れと同様である。共通診察券にも、共通の患者ID番号が格納されているが、個別診察券と異なり、医療機関固有の患者番号(カルテ番号)と医療機関の名称、住所などは、表記されていない。共通診察券は、共通診察券を診察券として認めた医療機関でのみ有効となる。そのため、患者は、共通診察券以外にも、複数の個別診察券を所持することになると考えられる。
なお、共通診察券発行は、個人(患者)が個人を同定するのに利用した情報を、サービス提供者に送付することによっても行うことができる。
【0050】
(患者ID番号登録システム)
患者ID番号登録における医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバの作業工程を下記で例示する。
(1)患者情報提供端末又は患者端末より送信された患者を特定する情報を受信する(患者情報受信手段)。
(2)患者がすでに患者ID番号を取得しているかどうかを、患者を特定できる情報(共通診察券又は個別診察券発行に必要な情報)を基にして、患者データベースに格納されているかどうかを検索する(患者ID番号照会手段)。
(3)検索の結果、患者が、患者ID番号を取得していない場合には、該患者特有の患者ID番号を登録する(患者ID番号登録手段)。
(4)検索の結果、患者が、患者ID番号を取得していた場合には、取得済患者ID番号を、患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信する(患者情報送信手段)。
(5)患者情報を、患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベースに登録する(患者情報登録手段)。
(6)新たに登録した患者ID番号を、患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信する(患者情報送信手段)。
【0051】
患者ID番号登録における患者情報提供端末の作業工程を下記で例示する。
(1)患者を特定する情報を、サービス提供機関のサーバに送信する(患者情報送信手段)。
(2)検索の結果、患者が患者ID番号を取得していた場合には、取得済患者ID番号を、サービス提供機関のサーバより受信する(患者情報受信手段)。
(3)検索の結果、患者が患者ID番号を取得していなかった場合には、新たに登録した患者ID番号を、サービス提供機関のサーバより受信する(患者情報受信手段)。
(4)取得済患者ID番号又は登録した患者ID番号を、患者情報閲覧手段により、患者情報提供端末に表示する。
【0052】
患者ID番号登録における患者端末の作業工程を下記で例示する。
(1)患者を特定する情報を、サービス提供機関のサーバに送信する(患者情報送信手段)。
(2)検索の結果、患者が患者ID番号を取得していた場合には、取得済患者ID番号を、サービス提供機関のサーバより受信する(患者情報受信手段)。
(3)検索の結果、患者が患者ID番号を取得していなかった場合には、新たに登録した患者ID番号を、サービス提供機関のサーバより受信する(患者情報受信手段)。
(4)取得済患者ID番号又は登録した患者ID番号を、患者情報閲覧手段により、患者端末に表示する。
【実施例2】
【0053】
(患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新するシステム)
患者情報を閲覧、入力、変更、修正、更新における医療・健康情報一元管理システムのサービス提供機関のサーバの作業工程を下記で例示する。
(1)患者情報提供端末又は患者端末より送信された患者を特定する情報(患者ID番号)を受信する(患者情報受信手段)。
(2)患者ID番号に関連づけて、患者情報を、患者情報総合データベースから患者情報提供端末又は患者端末に送信する(患者情報送信手段)。
(3)患者情報提供端末又は患者端末で入力された新たな患者情報(変更、修正、更新、削除した患者情報も含む)を、患者ID番号に関連づけて、患者情報提供端末又は患者端末から受信する(患者情報受信手段)。
(4)受信した新たな患者情報を、患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベースに登録(患者情報登録手段)、又は、更新する(患者情報更新手段)。
(5)複数の医療機関又は患者端末から受信した新たな患者情報を、患者ID番号に関連づけて、患者情報総合データベース上で一元的に管理する(データベース一元管理手段)。
(6)患者ID番号に関連づけて、新たな患者情報を、患者情報総合データベースから患者情報提供端末又は患者端末に送信する(患者情報送信手段)。
【実施例3】
【0054】
(患者情報を閲覧制限するシステム)
サービス提供機関のサーバは、閲覧制限の患者情報を患者情報総合データベースから患者端末及び/又は患者情報提供端末に送信することを制限する手段(閲覧制限手段)を備えても良い。
また、患者情報提供端末又は患者端末は、閲覧制限の患者情報を患者情報総合データベースから受信することを制限する手段(閲覧制限手段)を備えても良い。
これらの閲覧制限手段により、閲覧者は、許可されている患者情報のみを閲覧することができる。
【実施例4】
【0055】
(患者情報を入力制限するシステム)
患者情報提供端末又は患者端末は、入力制限の患者情報をサービス提供機関のサーバに送信することを制限する手段(患者情報入力制限手段)を備えても良い。
また、サービス提供機関のサーバは、入力制限の患者情報を患者情報提供端末又は患者端末から受信することを制限する手段(患者情報入力制限手段)を備えても良い。
これらの患者情報入力制限手段により、患者情報入力者は、許可されている患者情報のみを入力、修正、更新することができる。
【実施例5】
【0056】
(患者情報にアクセスした医療機関、医療従事者の閲覧、入力、変更、修正、更新することのできる範囲の設定並びにアクセスログを保存するシステム)
サービス提供機関のサーバは、医療機関ID番号照合手段、医療従事者ID番号照合手段、医療機関及び医療従事者ID番号の照合手段、医療機関及び/又は医療従事者閲覧制限手段、並びに、医療機関及び医療従事者アクセスログ記録手段を備えても良い。
詳しくは、患者の個別診察券、または、共通診察券をカードリーダ等で読み取る前に、まず、医療従事者ID番号及び/又は医療機関ID番号を読み取らせる必要があるようにできる。
サービス提供機関のサーバには、医療従事者IDの入力後でなければ、患者ID番号を入力しても患者情報を閲覧できないように制限を設けることができる。
このシステムの利点は、最初に読み取らせる医療従事者IDによって、患者情報の閲覧・入力に制限を加えることが可能になる。また、患者情報を閲覧・入力した医療機関、医療従事者を、サービス提供機関のサーバ上の患者情報に記録することも可能となる。これによって、情報のアクセスコントロールが出来るだけでなく、患者にとっては、いつ、どこで、どの診療機関で、どの医療従事者に診察を受けたかという有用な記録が自動的にとれることになる。
【実施例6】
【0057】
(救急時に救急隊員や救急医が必要な患者情報に直ちにアクセスできるシステム)
救急隊員や救急車に、タブレット端末(スマートフォン)にカードリーダーを装着した患者情報提供端末を装備することによって、救急時に直ちに必要な情報にアクセスできる。
例えば、意識レベルの低下している患者が倒れている時に、患者が、個別診察券又は共通診察券のどれか一枚でも持っていれば、さらには、患者ID番号が読み取れる携帯端末(患者端末)等を持っていれば、現場に到着した救急隊員が、患者情報提供端末に、自身のIDカード(医療従者者ID番号)を読み込ませた後に、患者の個別診察券を読み込ませることで、サービス提供者のサーバにアクセスし、患者情報、例えば、禁忌薬や現在の疾患など、救命のために一刻を争う情報を閲覧できる。また、家族の連絡先や主治医の連絡先にも直ちにアクセスできる。例えば、救急隊員のIDカードには、意識を失っている患者の患者情報を患者の許可無く閲覧できるコードレッドの機能を付与することもできる。
【実施例7】
【0058】
(患者情報閲覧制限手段)
サービス提供機関のサーバは、患者本人が予め閲覧したくない情報を設定し、該情報を該患者が閲覧できないように設定できることを特徴とする患者情報閲覧制限手段を備えても良い。
該手段により、患者本人が、重篤な病気(例、末期癌等)であるとの情報を、自身が知りたくない場合には、予め、患者自身が閲覧制限することができる。
【実施例8】
【0059】
(患者情報自動送信手段)
サービス提供機関のサーバは、患者本人が予め設定した宛先に特定の条件が解除された場合には、患者本人が指定した情報を該宛先に送信できることを特徴とする患者情報自動送信手段を備えても良い。
本手段により、患者本人は、予め設定した宛先(家族、友人、会社等)に、特定の条件が解除された場合(死亡した時、重篤な病気になった時、特定の余命日数になった時等)には、患者本人が指定した情報(遺言書、臓器提供の有無)を該宛先に自動送信することができる。
【0060】
(本システムの効果)
本発明の医療・健康情報一元管理システムの効果を、患者面、医療機関面、社会面から下記で説明する。
【0061】
(患者の利点)
患者情報が、サーバに保存されており、病院を変わるたびに、病歴・家族歴などを何度も紙に書いて提出する必要がなくなり、また、検査結果、画像情報もデータをCDなどで持ち運びする必要がなくなる。
患者は、医療機関を受診する前に、問診票を記入しておくこともでき、病院で書く必要がなくなる。また、医療機関は、電子的に問診票などを参照できるので、診療・診察が効率化でき、患者の待ち時間が短くなる。
患者は、自身の患者情報を自分で管理できる。例えば、医療機関に、閲覧させる情報を選択することができる。
患者は、医療機関に行く前に、または、行く途中で、患者端末を使って、その日の主訴、医療機関に行く理由等を、サーバに登録することができる。その後、患者は、どの医療機関に行っても、共通診察券又は個別診察券を提示すると、自動的にその日の主訴等がその病院の名前と連結した形で保存され、そして、その病院の医師にまたは医療従事者に掲示することができる。
高齢患者、持病のある患者にとっては、緊急時を想定した場合の不安解消になる。
患者は、自身の患者情報を保存して、閲覧することによって、健康増進効果が期待できる。
患者は、不要かつ重複する検査をすることを防ぐことができる。
各医療機関での医療費の支払い情報(項目、金額など)は、患者情報に属する故、各医療機関がサービス提供者のサーバにアップロードすることが可能となる。患者は、患者端末を介して、医療費の記録を随時見ることができ、また、年度末に、医療費の総計を知ることができ、活用できる。
【0062】
(医療機関の利点)
共通診察券又は個別診察券は、患者ID番号により、これまで各医療機関に散らばっていた患者情報を統一し、閲覧することができるようになる。
特に、個別診察券は、各医療機関が発行し使用している診察券と同様の働きをするので、現在の業務の妨げにならない。
個別診察券には、従来通り、自身のブランド(医療機関の名前、医療機関のロゴ)をそのまま表現することができ、また、医療機関の地図、連絡先など重要な情報を表記することができる。したがって、医療機関の側から見ても、個別診察券の導入に対するハードルは低い。
紙カルテで診療業務を行っている大多数の診療所においては、電子化を進めるきっかけとなる。
患者情報提供端末を活用して、患者から得られる患者情報、特に、既往歴、家族歴、嗜好、アレルギー情報(禁忌薬情報を含む)、服薬状況、問診情報、処方歴などを簡便に閲覧できる。また、それら情報を紙にプリントして紙カルテに付け足すこともできる。電子カルテを使用している場合には、必要な情報を電子カルテにコピーすることができる。これらは、診療の質を高めるのみならず、診療時間の効率化につながる。
患者情報提供端末を活用して、自身の医療機関、また、他の医療機関で得られた患者情報、特に、血液検査結果、放射線等の医療画像検査情報、健康管理情報等(体重、血圧、身長、視力等)、予防接種結果、健康診断結果、職場健診結果、学校検診結果、人間ドック結果、母子手帳記録情報等を簡便に閲覧できる。また、それら情報を紙にプリントして紙カルテに付け足すこともできる。電子カルテを使用している場合には、必要な情報を電子カルテにコピーすることができる。これらは、診療の質を高めるのみならず、診療時間の効率化につながる。
また、救急隊のような医療機関は、患者ID番号を読み取ることができるリーダー(カードリーダー)により、患者の緊急処置に必要な情報を容易かつ迅速に入手することができる。
【0063】
(社会の利点)
患者が不要かつ重複する検査(ピロリ菌感染症、内視鏡検査、感染症検査)を防ぐこと及び患者の健康意識が高まることにより、医療費を抑えることができる。
【0064】
(総論)
本発明の医療・健康情報一元管理システムは、将来の全国共通医療情報化へつなげられる有効な方法であり、しかも最小限の投資で行うことができる。
本発明の患者ID番号を格納した共通診察券及び/又は個別診察券を使用した医療・健康情報一元管理システムによれば、従来、各患者の患者情報は医療機関毎に保存・管理されていたために患者の同一性が確認できず、他の病院での利用や救急時の活用が阻まれていた情報を、「いつでもどこでも」患者や患者の許可を得た医療機関が利用できるようになる。