(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エチレン・プロピレン・ジエンコポリマー(EPDM)、エチレン・プロピレンコポリマー(EPM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロポリエチレン(CM)、クロロイソブテン・イソプレン(クロロブチル)ゴム(CIIR)、クロロスルホニル・ポリエチレン(CSM)、エチレン・ビニルアセテートコポリマー(EAM)、アルキルアクリレートコポリマー(ACM)、ポリエステルポリウレタン(AU)、ポリエーテルポリウレタン(EU)、ブロモ・イソブテン・イソプレン(ブロモブチル)ゴム(BIIR)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CFM)、イソブテンイソプレンゴム(ブチルゴム、IIR)、イソブテンゴム(IM)、ポリイソプレン(IR)、熱可塑性ポリエステルポリウレタン(YAU)、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン(YEU)、ポリマー鎖にメチル基を有するシリコーンゴム(MQ)、水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(HNBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)またはカルボキシル化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(XNBR)の群から選択される少なくとも1つのゴムと、
少なくとも1つの充填剤と、
少なくとも1つの請求項1に記載のケイ素含有アゾジカルボキサミド
を混合することを特徴とするゴム混合物の製造方法。
(a)エチレン・プロピレン・ジエンコポリマー(EPDM)、エチレン・プロピレンコポリマー(EPM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロポリエチレン(CM)、クロロイソブテン・イソプレン(クロロブチル)ゴム(CIIR)、クロロスルホニル・ポリエチレン(CSM)、エチレン・ビニルアセテートコポリマー(EAM)、アルキルアクリレートコポリマー(ACM)、ポリエステルポリウレタン(AU)、ポリエーテルポリウレタン(EU)、ブロモ・イソブテン・イソプレン(ブロモブチル)ゴム(BIIR)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CFM)、イソブテンイソプレンゴム(ブチルゴム、IIR)、イソブテンゴム(IM)、ポリイソプレン(IR)、熱可塑性ポリエステルポリウレタン(YAU)、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン(YEU)、ポリマー鎖にメチル基を有するシリコーンゴム(MQ)、水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(HNBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)またはカルボキシル化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(XNBR)の群から選択される少なくとも1つのゴムと、
(b)少なくとも1つの充填剤と、
(c)請求項1に記載の一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミド
を含むことを特徴とするゴム混合物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドは、加水分解を受けてよく、アルコキシシランの縮合は、一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドのシロキサン含有オリゴマーを形成する働きをする。
【0012】
平均ポリエーテル分率xは、以下の方程式:
【数1】
にしたがって計算され、ここで、M(SiO
2)は、SiO
2のモル質量(60.08g/mol)であり、質量%(SiO
2)は、以下の方法にしたがって決定されるSiO
2の量である。上述の式は、以下の前提に基づく:
【数2】
【0013】
モル質量Mは、以下の通り構成されている:
M=1011.5(x−1)+636.0(2−x)。この1011.5は、xが2である標準化合物
【化6】
の平均モル質量の半分であり、636.9は、xが1である標準化合物
【化7】
の平均モル質量の半分である。
【0014】
質量%(SiO
2)の測定:
方法は、二酸化ケイ素をフッ化水素酸とともに加熱して質量測定することを記述している。
【0015】
手法の説明:
分析する試料0.2gを白金るつぼに秤量して入れる。濃硫酸10滴を添加して、るつぼを適切な蓋で密閉して、熱板上で加熱する。濃硝酸1mlおよび30%過酸化水素10滴を添加して、るつぼを再び蓋で密閉する。酸化は、熱板上のるつぼ内で実施し、硝酸および過酸化水素の添加は、るつぼ内の残留物が白色になるまで繰り返す。るつぼの内容物を気化させ、発煙分離(fumed off)して、ブンゼンバーナーで焼成する。その後、焼成工程をマッフル炉内で1000℃にて1時間行う。試料をデシケーター内で冷却して、その後、秤量する。
【0016】
数滴の硫酸および40%フッ化水素酸5mlを添加する。気化および発煙分離は、硫酸蒸気がそれ以上発生しなくなるまで実施する。フッ化水素酸とともに加熱する工程を繰り返す。焼成は、最初はブンゼンバーナーで実施し、その後、マッフル炉内で1000℃にて1時間実施する。試料をデシケーター内で冷却して秤量する。
【0017】
SiO
2含有率の計算:
【数3】
m
1=フッ化水素酸とともに加熱した後の焼成残留物を含むるつぼの質量(単位g)
m
2=フッ化水素酸とともに加熱する前の焼成残留物を含むるつぼの質量(単位g)
E=試料の初期質量(単位g)。
【0018】
Alkは、好ましくは、
【化8】
であってよい。
【0019】
R
1は、好ましくは、
【化9】
であってよい。
【0020】
A
1のアルキルポリエーテル基の((CR
I2)
w−O−)基は、エチレンオキシド(CH
2−CH
2−O)、プロピレンオキシド、例えば(CH(CH
3)−CH
2−O)または(CH
2−CH(CH
3)−O)、またはブチレンオキシド単位、例えば(−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−O)、(−CH(CH
2−CH
3)−CH
2−O)または(−CH
2−CH(CH
2−CH
3)−O)であってよい。
【0021】
−O−((CR
I2)
w−O−)
v基は、好ましくは
【化10】
または相互の組み合わせであってよい。
【0022】
指数a、bおよびcは、整数であり、繰り返し単位の数を示す。指数a、bおよびcは、1から20まで、好ましくは1から15まで、より好ましくは1から8まで、非常に好ましくは1から5までであってよい。
【0023】
−O−((CR
I2)
w−O−)
vAlkを有するアルキルポリエーテル基A
1は、以下のものであってよい。
【化11-1】
【化11-2】
【化11-3】
【化11-4】
【0024】
−O−((CR
I2)
w−O−)
vAlkを有するアルキルポリエーテル基A
1(ここで、vは5であり、R
IはHであり、AlkはC
13H
27である)は、以下のものであってよい。
【化12】
【化13】
または
【化14】
【0025】
炭素鎖Alkの平均分岐数は、1から5まで、好ましくは1、2、3または4であってよい。ここで、平均分岐数は、(CH
3基の数)−1として定義される。
【0026】
一般式Iの化合物(式中、A
1は、アルキルポリエーテル基−O−((CR
I2)
w−O−)
vAlk、好ましくは−O−(CH
2−CH
2−O−)
vAlkである)は、以下のものであってよく、ここで、vは1から40まで、好ましくは、vは1から30まで、より好ましくは、vは1から15までである。
【化15-1】
【化15-2】
【化15-3】
【化15-4】
【0027】
好ましい一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドにおいて、A
1基は、−O−((CH
2)
w−O−)
5C
13H
27であってよい。
【0028】
一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドは、式
【化16】
のケイ素含有アゾジカルボキサミドであってよい。
【0029】
本発明は、さらに、一般式I
【化17】
のケイ素含有アゾジカルボキサミドの製造方法であって、
一般式II
【化18】
のアゾジカルボキシ化合物を、
一般式III
【化19】
のアミノシランと反応させ、
前記式中、x、A
1、A
2、R
1およびD
1は、上述に定義されたものであり、
Sub
1およびSub
2は、同一であるか、または異なっており、H、C
1〜C
18、好ましくはC
3〜C
12の分岐鎖または非分岐鎖アルキルであり、好ましくはエチル、プロピルまたはイソプロピル、ベンジル(−CH
2−C
6H
5)またはアルキルポリエーテル(CH
2−CH
2−O)
n−Alk’または(CH(CH
3)−CH
2−O)
n−Alk’であり、ここで、nは1から10まで、好ましくは1から8まで、より好ましくは1から5まで、非常に好ましくは1から3までであり、Alk’は、上述に定義されたものであり、
X
1およびX
2は、同一であるか、または異なっており、OまたはNHであることを特徴とする製造方法を提供する。
【0030】
反応物として使用される一般式IIのアゾジカルボキシ化合物は、一般式IIのアゾジカルボキシ化合物の混合物であってよい。
【0031】
反応物として使用される一般式IIIのアミノシランは、一般式IIIのアミノシランの混合物であってよい。
【0032】
一般式IIIのアミノシランは、加水分解を受けてよく、アルコキシシランの縮合は、一般式IIIのアミノシランのシロキサン含有オリゴマーを形成する働きをする。
【0033】
一般式IIIのアミノシランは、所望のモル比のアミノシラン(A
2)
3Si−R
1−N(D
1)HとアルキルポリエーテルA
1−Hとのエステル交換により製造されてよい。
【0034】
一般式IIの化合物は、以下のものであってよい。
【化20】
【0035】
基本形のアルキル−O−C(O)−N=N−C(O)−O−アルキルの一般式IIの化合物は、以下のものであってよい。
【化21】
【0036】
基本構造のAlk’−(O−CH
2−CH
2)
n−O−C(O)−N=N−C(O)−O−(CH
2−CH
2−O)
n−Alk’の一般式IIの化合物(ここで、nは1から10までである)は、以下のものであってよい。
【化22】
【0037】
一般式IIIの化合物は、以下の通りであってよく、ここで、vは1から40まで、好ましくは、vは1から30まで、より好ましくは、vは1から15までである。
【化23-1】
【化23-2】
【0038】
本発明の方法の生成物は、一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドを、
13C−NMRにより測定して30mol%超、好ましくは50mol%超、より好ましくは75mol%超、非常に好ましくは80mol%超含んでいてよい。
【0039】
本発明の方法の生成物は、一般式IIの第二の成分を、
13C−NMRにより測定して50mol%未満、好ましくは25mol%未満、より好ましくは15mol%未満、非常に好ましくは10mol%未満含んでいてよい。
【0040】
本発明の方法の生成物は、一般式IIIおよびIVの第二の成分を、
13C−NMRにより測定して50mol%未満、好ましくは25mol%未満、より好ましくは15mol%未満、非常に好ましくは10mol%未満含んでいてよい。
【0041】
一般式IIの化合物の生成物における相対mol%の量は、一般式IIおよびIの化合物の
13C−NMRにおけるカルボニル炭素原子の積分比によって測定される。
【0042】
一般式IIの化合物の相対mol%=(一般式IIにおけるすべての−(
C=O)原子の積分)/(一般式IIにおけるすべての−(
C=O)原子の積分)+(一般式Iにおけるすべての−(
C=O)原子の積分)。
【0043】
本発明の方法の生成物は、一般式IV、V、VIおよびVIIの化合物を含んでいてよい。
【化24】
【0044】
生成物中の一般式IIIおよびIVの化合物の相対mol%は、
13C−NMRにおけるN−隣接炭素原子(NH
2−
CH
2)の、N−隣接炭素原子(−(C=O)−NH−
CH
2−)の一般式Iの化合物のmol%に対する積分によって、および比によって測定される。
【0045】
一般式IIIの化合物の相対mol%=(Nに隣接する式IIIにおけるR
Iのすべての炭素原子の積分)/((Nに隣接する式IIIにおけるR
Iのすべての炭素原子の積分)+(Nに隣接する式IにおけるR
Iのすべての炭素原子の積分))。
【0046】
本発明の方法は、溶媒中で実施されるか、または無溶媒で実施されてよい。
【0047】
使用される一般式IIの化合物に対して、溶媒の量は、1質量%から5000質量%まで、好ましくは1質量%から1000質量%まで、より好ましくは50質量%から1000質量%まで、より好ましくは50質量%から500質量%までであってよい。
【0048】
使用される一般式IIの化合物に対して、溶媒の量は、1質量%超、好ましくは10質量%超、より好ましくは50質量%超、より好ましくは100質量%超であってよい。
【0049】
使用される溶媒の沸点は、−100℃から250℃まで、好ましくは0℃から150℃まで、より好ましくは20℃から100℃までであってよい。
【0050】
使用される溶媒は、アルコール系化合物または非アルコール系化合物であってよい。
【0051】
使用される溶媒は、アルコール系化合物および/または非アルコール系化合物の混合物であってよい。
【0052】
非アルコール系溶媒は、ハロゲンを含むか、またはハロゲンを含まない溶媒であってよい。
【0053】
ハロゲンを含む非アルコール系溶媒は、好ましくはCCl
4、CHCl
3、CH
2Cl
2、CH
3Cl、CCl
3−CCl
3、CHCl
2−CCl
3、CHCl
2−CHCl
2またはCH
2Cl−CH
2Clであってよい。
【0054】
使用されるハロゲンを含まない非アルコール系溶媒は、好ましくは、アルカン、エーテル、メルカプタン、ジアルキルスルフィドまたはアルキルホスファンであってよい。
【0055】
使用されるハロゲンを含まない非アルコール系溶媒は、非常に好ましくはアルカンまたはアルカンの混合物、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンまたはオクタンであってよい。
【0056】
使用されるアルコール系溶媒は、直鎖、環式または分岐鎖のアルコールであってよい。
【0057】
使用されるアルコールは、アルコールの混合物であってもよい。
【0058】
特に好ましくは、式IIIの化合物におけるケイ素上のそれぞれのアルコキシ置換基に相当するアルコールを使用することが可能である。
【0059】
非常に好ましくは、メタノール、エタノール、シクロヘキサノール、n−ブタノール、tert−ブタノールまたはイソプロパノールが使用されてよい。
【0060】
反応は、好ましくは空気および水を排除して実施されてよい。
【0061】
反応は、不活性ガス雰囲気下、例えばアルゴンまたは窒素下、好ましくは窒素下に実施されてよい。
【0062】
本発明の方法は、大気圧で、高圧で、または減圧で実施されてよい。
【0064】
高圧は、1.1barから100barまで、好ましくは1.5barから50barまで、より好ましくは2barから20barまで、非常に好ましくは2barから10barまでの圧力であってよい。
【0065】
減圧は、1mbarから1000mbarまで、好ましくは1mbarから500mbarまで、より好ましくは1mbarから250mbarまで、非常に好ましくは5mbarから100mbarまでの圧力であってよい。
【0066】
本発明の方法は、−100℃から+200℃まで、好ましくは−25℃から150℃まで、より好ましくは−10℃から100℃まで、非常に好ましくは−10℃から50℃までの温度で実施されてよい。
【0067】
本発明の方法の場合、一般式IIの物質は、一般式IIIの物質に計量供給されてよい。
【0068】
本発明の方法の場合、一般式IIIの物質は、一般式IIの物質に計量供給されてよい。
【0069】
本発明の方法の場合、安定剤は、反応の前、その間またはその後に添加されてよい。
【0071】
安定剤は、アゾ化合物の熱的誘導分解を抑制するか、または遅延させるものであってよい。
【0072】
安定剤は、ラジカル捕捉剤であってよい。
【0074】
安定剤は、アゾ化合物の光誘起分解を抑制するか、または遅延させるものであってよい。
【0076】
安定剤は、酸化反応を抑制するか、または遅延させるものであってよい。
【0077】
安定剤は、アニオン性化合物またはカチオン性化合物であってよい。
【0078】
安定剤は、ヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素またはリンを含んでいてよい。
【0079】
安定剤は、カルボン酸、好ましくはジカルボン酸またはトリカルボン酸であってよい。トリメリット酸(CAS番号528−44−9)、ピロメリット酸(CAS番号89−05−4)、フタル酸、ニトリロ三酢酸(CAS番号139−13−9)、α−ヒドロキシコハク酸(CAS番号6915−15−7)、アジピン酸、フマル酸およびマレイン酸が好ましい。
【0080】
安定剤は、無水カルボン酸、好ましくは環式無水カルボン酸であってよい。無水トリメリット酸(TMSA、CAS番号552−30−7)、二無水ピロメリット酸(CAS番号89−32−7)、テトラヒドロ−2,5−フランジオン(CAS番号108−30−5)、無水フタル酸および無水マレイン酸が特に好ましい。
【0081】
安定剤は、アルコール、好ましくはジアルコールまたはトリアルコールであってよい。ヒドロキノン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンが好ましい。
【0082】
安定剤は、ベンゾトリアゾール(CAS番号95−14−7)およびその誘導体であってよい。トリルトリアゾール(CAS番号29385−43−1)、5−ブチルベンゾトリアゾール(CAS番号3663−24−9)、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール(CAS番号28539−02−8)が好ましい。
【0083】
ベンゾトリアゾール誘導体は、米国特許第5441563号明細書(US5441563)、米国特許第5548003号明細書(US5548003)および仏国特許出願公開第2722205号明細書(FR2722205)に記載の誘導体に相当するものであってよい。
【0084】
安定剤は、ベンゾイミダゾールおよびその誘導体であってよい。1−ヒドロキシメチルベンゾイミダゾール(CAS番号19541−99−2)、CAS番号13786−58−8、CAS番号18249−94−0およびCAS番号81247−25−8が好ましい。
【0085】
本発明による式Iの化合物のための安定剤は、ゴム産業において促進剤および活性剤として慣用および公知の物質であってよい。
【0086】
安定剤は、チオカルバミドであってよい。
【0087】
安定剤は、好ましくは2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジイソプロピルベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ベンゾチアジル−2−スルフェンモルホリド、N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトライソブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィドおよびジペンタメチレンチウラムテトラ/ヘキサスルフィドであってよい。
【0088】
本発明の方法の場合、使用される一般式IIの物質の質量を基準として0.001質量%から100質量%まで、好ましくは0.01質量%から50質量%まで、より好ましくは0.01質量%から10質量%まで、非常に好ましくは0.1質量%から5質量%までの安定剤が使用されてよい。
【0089】
本発明の方法の場合、使用される一般式IIの物質の質量を基準として0.001質量%超、好ましくは0.01質量%超、より好ましくは0.1質量%超、非常に好ましくは1質量%超の安定剤が使用されてよい。
【0090】
本発明の方法の場合、使用される一般式IIの物質の質量を基準として100質量%未満、好ましくは25質量%未満、より好ましくは10質量%未満、非常に好ましくは1質量%未満の安定剤が使用されてよい。
【0091】
本発明は、さらに、エチレン・プロピレン・ジエンコポリマー(EPDM)、エチレン・プロピレンコポリマー(EPM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロポリエチレン(CM)、クロロイソブテン・イソプレン(クロロブチル)ゴム(CIIR)、クロロスルホニル・ポリエチレン(CSM)、エチレン・ビニルアセテートコポリマー(EAM)、アルキルアクリレートコポリマー(ACM)、ポリエステルポリウレタン(AU)、ポリエーテルポリウレタン(EU)、ブロモ・イソブテン・イソプレン(ブロモブチル)ゴム(BIIR)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CFM)、イソブテンイソプレンゴム(ブチルゴム、IIR)、イソブテンゴム(IM)、ポリイソプレン(IR)、熱可塑性ポリエステルポリウレタン(YAU)、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン(YEU)、ポリマー鎖にメチル基を有するシリコーンゴム(MQ)、水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(HNBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)またはカルボキシル化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(XNBR)、好ましくはエチレン・プロピレン・ジエンコポリマー(EPDM)の群から選択される少なくとも1つのゴムと、少なくとも1つの充填剤と、少なくとも1つの一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドを混合することを特徴とするゴム混合物の製造方法を提供する。
【0092】
本発明は、さらに
(a)エチレン・プロピレン・ジエンコポリマー(EPDM)、エチレン・プロピレンコポリマー(EPM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロポリエチレン(CM)、クロロイソブテン・イソプレン(クロロブチル)ゴム(CIIR)、クロロスルホニル・ポリエチレン(CSM)、エチレン・ビニルアセテートコポリマー(EAM)、アルキルアクリレートコポリマー(ACM)、ポリエステルポリウレタン(AU)、ポリエーテルポリウレタン(EU)、ブロモ・イソブテン・イソプレン(ブロモブチル)ゴム(BIIR)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CFM)、イソブテンイソプレンゴム(ブチルゴム、IIR)、イソブテンゴム(IM)、ポリイソプレン(IR)、熱可塑性ポリエステルポリウレタン(YAU)、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン(YEU)、ポリマー鎖にメチル基を有するシリコーンゴム(MQ)、水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(HNBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)またはカルボキシル化アクリロニトリル・ブタジエンゴム(XNBR)、好ましくはエチレン・プロピレン・ジエンコポリマー(EPDM)の群から選択される少なくとも1つのゴムと、
(b)少なくとも1つの充填剤と、
(c)一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミド
を含むことを特徴とするゴム混合物を提供する。
【0093】
本発明のゴム混合物の製造に好ましいゴムは、第三のモノマーを含んでいてよいエチレン・プロピレン・ジエンコポリマー(EPDM)(エチレンプロピレンターポリマー)である。
【0094】
本発明のゴム混合物は、さらに天然ゴムまたは合成ゴムを含んでいてよい。好ましい合成ゴムは、例えばW.Hofmann、Kautschuktechnologie[Rubber Technology]、Genter Verlag、Stuttgart 1980に記載されている。それには、特に以下
・ポリブタジエン(BR)、
・スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、例えば乳化重合SBR(E−SBR)または溶液重合SBR(S−SBR)。スチレン/ブタジエンコポリマーは、スチレンを1質量%から60質量%まで、好ましくは2質量%から50質量%まで、より好ましくは10質量%から40質量%まで、非常に好ましくは15質量%から35質量%まで含んでいてよい、
・クロロプレン(CR)、
・イソプレンゴム(IR)、
・イソブチレン/イソプレンコポリマー(ブチルIIR)、
・スチレン/イソプレンコポリマー(SIR)、
・ブタジエン/イソプレンコポリマー(BIR)、
・スチレン/ブタジエン/イソプレンコポリマー(SBIR)、
・アクリロニトリルを5質量%から60質量%まで、好ましくは10質量%から50質量%まで(NBR)、より好ましくは10質量%から45質量%まで(NBR)、非常に好ましくは19質量%から45質量%まで(NBR)含むブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、
・部分的に水素化された、または完全に水素化されたNBRゴム(HNBR)、
・エチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM)、
・官能基、例えばカルボキシ基、シラノール基またはエポキシ基をさらに有する前述のゴム、例えばエポキシ化NR、カルボキシ官能化NBRまたはシラノール(−SiOH)官能化SBRおよび/またはシリルアルコキシ官能化(−Si−OR)SBR、
ならびにそれらのゴムの混合物が含まれる。
【0095】
ゴム混合物は、そのゴムとして天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムと、その他のジエンゴムの混合物を含んでいてよい。
【0096】
使用されるイソプレンゴムは、好ましくは1,4型のイソプレンゴムであってよい。高いシス−1,4結合量は、好ましくは、一般的に90mol%超、より好ましくは95mol%超、非常に好ましくは98mol%超であってよい。
【0097】
ゴム混合物に使用される充填剤は、以下のものであってよい:
・カーボンブラック、例えばランプブラック、ファーネスブラック、ガスブラックまたはサーマルブラック。カーボンブラックのBET表面積は、20m
2/gから200m
2/gであってよい。カーボンブラックは、任意にヘテロ原子、例えばSiを含んでいてもよい。カーボンブラックは、部分的に酸化されていてよく、(−OH)基または(−COOH)基を含んでいてよい。
【0098】
・非結晶性シリカ、例えばケイ酸塩溶液の沈殿により製造されるもの(沈降シリカ)か、またはハロゲン化ケイ素の火炎加水分解により製造されるもの(焼成またはフュームドシリカ)。沈降シリカおよびフュームドシリカの比表面積(BET表面積)は、5m
2/gから1000m
2/gまで、好ましくは20m
2/gから400m
2/gまでであってよい。沈降シリカおよびフュームドシリカの比表面積(BET表面積)は、5m
2/gから1000m
2/gまで、好ましくは20m
2/gから400m
2/gまでであり、ふるい分けにより測定可能な粒度分布は、0.1μmから1000μmまで、好ましくは0.1μmから500μmまでであってよい。沈降シリカおよびフュームドシリカは、その粒度分布に関するガウス分布を有していてよい。シリカは、任意に別の金属酸化物、例えば酸化Al、酸化Mg、酸化Ca、酸化Ba、酸化Znおよび酸化チタンとの混合酸化物の形態であってもよい。
【0099】
・合成ケイ酸塩、例えばケイ酸アルミニウムまたはケイ酸アルカリ土類金属塩、例えばケイ酸マグネシウムまたはケイ酸カルシウム。合成ケイ酸塩のBET表面積は、20m
2/gから400m
2/gまでであり、一次粒子径は、10nmから400nmまでであってよい。
【0100】
・合成または天然の酸化アルミニウムおよび水酸化アルミニウム。
【0101】
・天然ケイ酸塩、例えばカオリンおよび別の天然に存在するケイ酸塩。
【0102】
・炭酸塩、好ましくは炭酸カルシウム。
【0103】
・ガラス繊維およびガラス繊維製品(マット、ストランド)またはガラスマイクロビーズ。
【0104】
好ましくは、BET表面積が、20m
2/gから400m
2/gまで、好ましくは50m
2/gから300m
2/gまで、より好ましくは80m
2/gから220m
2/gまでであるケイ酸塩溶液の沈殿によって製造される非結晶性シリカ(沈降シリカ)と、BET表面積が20m
2/gから400m
2/gまで、好ましくは50m
2/gから300m
2/gまで、より好ましくは80m
2/gから220m
2/gまでであるフュームドシリカを使用することが可能である。沈降シリカおよびフュームドシリカは、いずれの場合もゴム100質量部(phr)を基準として1質量部から300質量部まで、好ましくは5質量部から200質量部まで、より好ましくは5質量部から150質量部までの量で使用されてよい。
【0105】
非結晶性シリカは、例えばEvonik Industries AG社製のUltrasilsまたはSipernats、またはRhodia社製のZeosilsであってよい。
【0106】
フュームドシリカは、例えばEvonik Industries AG社製のAerosil製品、Cabot社製のCabosils、またはWacker社製のHDK silicasであってよい。
【0107】
前述の充填剤は、単独で、または混合物として使用されてよい。
【0108】
1つの好ましい変法では、ゴム混合物は、いずれの場合もゴム100質量部を基準として、酸化物系またはケイ酸塩系(silicatic)の充填剤を10質量部から150質量部まで、カーボンブラックを0質量部から100質量部まで、およびまた本発明による一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドも1質量部から50質量部まで、好ましくは2質量部から30質量部まで、より好ましくは3質量部から20質量部まで含んでいてよい。
【0109】
ゴム混合物は、さらにゴム助剤を含んでいてよく、例えば反応促進剤、劣化防止剤、熱安定剤、光安定剤、オゾン劣化防止剤、加工助剤、可塑剤、接着性付与剤、発泡剤、染料、顔料、ワックス、増量剤、有機酸、遅延剤、金属酸化物、およびまた活性剤、例えばトリエタノールアミンまたはヘキサントリオールも含んでいてよい。
【0110】
さらに、ゴム助剤は、以下のものであってよい:
50g/molから50000g/molまで、好ましくは50g/molから20000g/molまで、より好ましくは200g/molから10000g/molまで、非常に好ましくは400g/molから6000g/molまで、きわめて好ましくは500g/molから3000g/molまでのモル質量を有するポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールおよび/またはポリブチレングリコール
炭化水素末端化ポリエチレングリコール
【化25】
【0111】
炭化水素末端化ポリプロピレングリコール
【化26】
【0112】
炭化水素末端化ポリブチレングリコール
【化27】
ここで、y
Iは、平均して2から25まで、好ましくは、y
Iは、平均して2から15まで、より好ましくは、y
Iは、平均して3から8まで、および10から14まで、非常に好ましくは、y
Iは、平均して3から6まで、および10から13までであり、Alk’’は、分岐鎖または非分岐鎖の、置換されていないか、または置換されている、飽和または不飽和の、1個から35個まで、好ましくは4個から25個まで、より好ましくは6個から20個まで、非常に好ましくは10個から20個まで、きわめて好ましくは11個から14個までの炭素原子を有する一価炭化水素である、
ポリエチレングリコールのエーテル化物、ポリプロピレングリコールのエーテル化物またはポリブチレングリコールのエーテル化物(またはそれらの混合物を有する以下のエーテル化物のそれぞれ)ネオペンチルグリコールHO−CH
2−C(Me)
2−CH
2−OH、ペンタエリトリトールC(CH
2−OH)
4またはトリメチロールプロパンCH
3−CH
2−C(CH
2−OH)
3、ここで、エーテル化されたポリアルコールにおけるエチレングリコール、プロピレングリコールおよび/またはブチレングリコールの繰り返し単位は、2から100まで、好ましくは2から50まで、より好ましくは3から30まで、非常に好ましくは3から15までであってよい。
【0113】
y
Iの平均値を計算するために、分析により測定可能なポリアルキレングリコール単位の数の、分析により測定可能な−Alk’’の数に対する比を出すことが可能である[(ポリアルキレングリコール単位の数)/(−Alk’’の数)]。それらの数は、例えば
1Hおよび
13C核磁気共鳴分光法を使用して測定されたものであってよい。
【0114】
ゴム助剤は、公知の量で使用されてよく、この量は、使用目的を含む要素によって決定される。使用される加工助剤それぞれの通常の量は、ゴム(phr)を基準にして0.001質量%から50質量%まで、好ましくは0.001質量%から30質量%まで、より好ましくは0.01質量%から30質量%まで、非常に好ましくは0.1質量%から30質量%までの量であってよい。
【0115】
ゴム混合物は、硫黄加硫可能なゴム混合物であってよい。
【0116】
ゴム混合物は、過酸化物で架橋可能なゴム混合物であってよい。
【0117】
使用される架橋剤は、硫黄それ自体であるか、または硫黄供与体であってよい。硫黄は、ゴムを基準として0.1質量%から10質量%まで、好ましくは0.1質量%から5質量%までの量で使用されてよい。
【0118】
使用される促進剤は、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、亜鉛メルカプトベンゾチアゾール、2−(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジイソプロピルベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ジベンゾチアジルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ベンゾチアジル−2−スルフェンモルホリド、N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトライソブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラ/ヘキサスルフィド、N,N’−エチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N’−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、N,N,N’−トリブチルチオ尿素、亜鉛ジメチルジチオカルバメート、亜鉛ジエチルジチオカルバメート、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、亜鉛ジイソブチルジチオカルバメート、亜鉛ジベンジルジチオカルバメート、亜鉛エチルフェニルジチオカルバメート、亜鉛ペンタメチレンジチオカルバメート、亜鉛ジイソノニルジチオカルバメート、亜鉛ジアミルジチオカルバメート、テルルジエチルジチオカルバメート、銅ジメチルジチオカルバメート、銅ジブチルジチオカルバメート、ビスマスジメチルジチオカルバメート、カドミウムジエチルジチオカルバメート、セレンジエチルジチオカルバメート、ピペリジンペンタメチレンジチオカルバメート、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニッケルジエチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジイソブチルジチオカルバメート、ニッケルジベンジルジチオカルバメート、鉛ジアミルジチオカルバメート、ナトリウムジメチルジチオカルバメート、ナトリウムジエチルジチオカルバメート、ナトリウムジブチルジチオカルバメート、ナトリウムジイソブチルジチオカルバメートまたはナトリウムジベンジルジチオカルバメートであってよい。
【0119】
使用される第二の促進剤は、ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、o−トリルビグアニジン、N,N’−ジフェニルグアニジン、ヘキサメチレンテトラミン、アクロレイン同族体と芳香族塩基の縮合生成物、またはアルデヒドとアミンの縮合生成物であってよい。
【0120】
一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドは、無機材料、例えばガラスビーズ、ガラス破片、ガラス表面、ガラス繊維、金属表面、酸化物系充填剤、例えばシリカと、有機ポリマー、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂またはエラストマーとの間の接着促進剤として、ならびに酸化物表面の架橋剤および表面改質剤として使用されてよい。
【0121】
一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドは、充填されたゴム混合物、例えば工業用ゴム製品、例えば制振部材、または靴底においてカップリング試薬として使用されてよい。
【0122】
混合工程における、一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドの添加、ならびにまた充填剤および添加剤の添加も、50℃から200℃、好ましくは70℃から180℃まで、より好ましくは90℃から160℃までのバッチ温度で行われてよい。一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドの添加は、さらなるゴム助剤の計量供給の前、その間またはその後に行われてよい。
【0123】
ゴムと充填剤、任意にゴム助剤および一般式Iのケイ素含有アゾジカルボキサミドの混合は、公知の混合装置、例えばロール、内部ミキサーおよび混合押出機で行われてよい。
【0124】
ゴム混合物の加硫化は、90℃から230℃まで、好ましくは110℃から210℃まで、より好ましくは120℃から190℃までの温度で、任意に10barから200barの圧力下で行われてよい。
【0125】
ゴム混合物は、造形品、例えばケーブル外部被覆、ホース、駆動ベルト、ベルトコンベヤ、ロールカバー、靴底、リングシールまたは制振部材を製造するために使用されてよい。
【実施例】
【0126】
化合物
【化28】
を、欧州特許出願公開第0085831号明細書(EP0085831)または独国特許出願公開第3203688号明細書(DE3203688)および欧州特許出願公開第1683801号明細書(EP1683801)の記載と同様に、触媒を全く必要とせずに、
【化29】
と
【化30】
とのエステル交換により製造する。
【0127】
実施例に使用される原材料は、以下の通りである:Novasep社製のジイソプロピルアゾジカルボキシレート、Evonik Industries AG社製の3−アミノプロピル(トリエトキシシラン)、Sasol社製のMarlosol TA3050(エトキシル化イソトリデカノール)。
【0128】
VWR社製のペンタンを溶媒として使用する。
【0129】
比較例1
【化31】
の製造
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、ペンタン(300ml)中の
【化32】
(286g)を−3℃で導入して撹拌する。この混合物に、15分にわたって、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(48.5g)を−5℃から+5℃までで滴加する。次に、冷却槽を外して、混合物が室温に温まる180分の間、溶液を撹拌する。その後、すべての揮発性成分(ペンタン、イソプロパノール)を0.2mbarまでの圧力下で除去する。生成物を澄明な赤色の油(307g)として単離する。
【0130】
上述の方法は、質量%(SiO
2)は9.4%であり、したがって、計算されるxは1.0であることを示す。
【0131】
比較例2
【化33】
の製造
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、ペンタン(300ml)中の
【化34】
(251g)を0℃で導入して撹拌する。この混合物に、15分にわたって、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(26.1g)を−5℃から+5℃までで滴加する。次に、冷却槽を外して、混合物が室温に温まる180分の間、溶液を撹拌する。その後、すべての揮発性成分(ペンタン、イソプロパノール)を0.2mbarまでの圧力下で除去する。生成物を澄明な赤色の油(322g)として単離する。
【0132】
上述の方法は、質量%(SiO
2)は5.9%であり、したがって、計算されるxは2.0であることを示す。
【0133】
本発明の例1
【化35】
の製造
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、ペンタン(300ml)中の
【化36】
(246g)を0℃で導入して撹拌する。この混合物に、15分にわたって、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(35.1g)を−5℃から+8℃までで滴加する。次に、冷却槽を外して、混合物が室温に温まる180分の間、溶液を撹拌する。その後、すべての揮発性成分(ペンタン、イソプロパノール)を0.2mbarまでの圧力下で除去する。生成物を澄明な赤色の油(262g)として単離する。
【0134】
上述の方法は、質量%(SiO
2)は8.0%であり、したがって、計算されるxは1.3であることを示す。
【0135】
本発明の例2
【化37】
の製造
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、ペンタン(300ml)中の
【化38】
(276g)を0℃で導入して撹拌する。この混合物に、10分にわたって、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(35.9g)を−5℃から+5℃までで滴加する。次に、冷却槽を外して、混合物が室温に温まる180分の間、溶液を撹拌する。その後、すべての揮発性成分(ペンタン、イソプロパノール)を0.2mbarまでの圧力下で除去する。生成物を澄明な赤色の油(291g)として単離する。
【0136】
上述の方法は、質量%(SiO
2)は7.3%であり、したがって、計算されるxは1.5であることを示す。
【0137】
本発明の例3
【化39】
の製造
フラスコに、アルゴン雰囲気下で、ペンタン(300ml)中の
【化40】
(305g)を0℃で導入して撹拌する。この混合物に、15分にわたって、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(40.0g)を−5℃から+5℃までで滴加する。次に、冷却槽を外して、混合物が室温に温まる180分の間、溶液を撹拌する。その後、すべての揮発性成分(ペンタン、イソプロパノール)を0.2mbarまでの圧力下で除去する。生成物を澄明な赤色の油(263g)として単離する。
【0138】
上述の方法は、質量%(SiO
2)は6.6%であり、したがって、計算されるxは1.7であることを示す。
【0139】
例4:ゴム混合物
ゴム混合物に使用する配合物は、以下の第1表に記載されている。phrという単位は、使用する原料ゴム100質量部を基準とする質量部を意味する。シランは、等モルで、すなわち同じ物質量で計量供給される。ゴム混合物とその加硫物の一般的な製造方法は、「Rubber Technology Handbook」、W.Hofmann、Hanser Verlag 1994の書籍に記載されている。
【0140】
【表1】
【0141】
ポリマーのBuna(登録商標)EP G5455は、パラフィン油50phrを含有する、平均不飽和度(ENB含有量)が4.3であるLanxess社製のエチレン・プロピレン−5ターポリマーである。ムーニー粘度(UML(1+4)125℃)は、46である。
【0142】
Ultrasil 7000GRは、Evonik Industries AG社製の易分散性のシリカであり、そのBET表面積は170m
2/gである。
【0143】
Sasol社製のLipoxol4000は、ポリエチレングリコール4000である。
【0144】
Holly Corporation社製のSunpar 150は、パラフィン油である。
【0145】
Lanxess社製のVulkacit Mercapto Cは、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)である。Perkacit TBzTD(テトラベンジルチウラムテトラスルフィド)は、Flexsys N.V.社の製品である。Rhenocure TP/Sは、RheinChemie社製であり、33%シリカに結合された67%亜鉛ジアルキルジチオホスフェートである。
【0146】
ゴム混合物を、内部ミキサーにて第2表の混合方法にしたがって製造する。
【0147】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0148】
第3表は、ゴム試験の方法をまとめたものである。
【0149】
【表3】
【0150】
第4表は、工業用ゴムの試験結果を示している。加硫化は、155℃で30分間行う。
【0151】
【表4】
【0152】
第4表から分かる通り、本発明のシランを有する本発明の混合物3、4および5は、混合物1、2および6(比較混合物)と比べて利点を示している。等モルで計量供給する場合、平均ポリエーテル分率が特許請求の範囲に記載された範囲よりも低い、および高いシランを含有するゴム混合物と比べて、モジュラス300、デルタトルクおよび引裂抵抗における明らかな改善が観察される。