(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890537
(24)【登録日】2021年5月27日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】片面プリント回路基板を有するデバイス
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20210607BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20210607BHJP
H04N 5/44 20110101ALI20210607BHJP
H04N 21/422 20110101ALI20210607BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H04Q9/00 371
H04N5/44 003
H04N21/422
H04Q9/00 331Z
H05K1/18 F
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-510835(P2017-510835)
(86)(22)【出願日】2015年8月24日
(65)【公表番号】特表2017-535055(P2017-535055A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】SG2015000137
(87)【国際公開番号】WO2016032395
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2018年8月20日
(31)【優先権主張番号】14182073.8
(32)【優先日】2014年8月25日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515166749
【氏名又は名称】ホーム コントロール シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】テオ,エン キム
【審査官】
ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−023503(JP,A)
【文献】
特開昭60−081718(JP,A)
【文献】
特開平10−288638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/18
H04N 5/44
H04N 21/422
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートコントロールのエンドユーザーによって単一のプローブの挿入及び抜去を行う孔を有する底部筐体と、
片面プリント回路基板であり、前記底部筐体中の前記孔と揃えられている非金属化孔と、当該片面プリント回路基板の金属化面にあって前記非金属化孔に近接する接続領域とを有する、片面プリント回路基板と、
前記接続領域からの導通ブリッジであり、かつ、前記非金属化孔を介して前記片面プリント回路基板の非金属化面からの単一の前記プローブと前記接続領域とを接触させることを可能にするため、前記非金属化孔を少なくとも部分的に覆う、導通ブリッジと、
を含み、
前記片面プリント回路基板、接続領域及び導通ブリッジは、接着剤を要することなく、作動的に接続可能な接触状態で、ハウジング内に維持され、
単一の前記プローブは、前記非金属化孔に挿入可能かつ抜去可能であり、
前記底部筐体中の前記孔と、前記片面プリント回路基板中の前記非金属化孔とを介して単一の前記プローブが挿入されると、単一の前記プローブと前記接続領域との間で前記導通ブリッジを介して電気的接続がなされ、
前記リモートコントロールの試験、プログラミング又はリセットを開始するために、前記電気的接続が作用可能である、
リモートコントロールデバイス。
【請求項2】
カーボンプリント領域を有するキーマットを更に含み、前記導通ブリッジは、前記カーボンプリント領域によって形成される、請求項1に記載のリモートコントロールデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片面プリント回路基板を有するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野では、片面プリント回路基板(single‐sided printed circuit board)が知られており、片面プリント回路基板は、両面プリント回路基板よりも安価であるという利点を有する。しかし、片面プリント回路基板の明らかな欠点は、一方の側でのみ接続が可能であるという点である。プリント回路基板を介した金属化ビア又は孔も知られている一方で、そのような金属化孔はまた、価格の上昇をもたらしてしまう。プリント回路基板(代替的に、プリント配線基板という)に関する一般的な背景情報に関して、Wikipediaの記事(http://en.wikipedia.org/wiki/Printed wiring board)を参照し、本明細書に参照として組み込む。
【発明の概要】
【0003】
とりわけ、本発明の目的は、金属化ビアを使用することなく、他方の側から接触されることができる片面プリント回路基板を有する、比較的低価格なデバイスを提供することである。本発明は、独立請求項によって定義される。有利な実施形態は、従属請求項において定義される。
【0004】
本発明の一態様は、非金属化孔(non‐metallized hole)と、片面プリント回路基板の金属化面(metallized side)における非金属化孔に近接する接続領域(connection area)とを有する片面プリント回路基板(single‐sided printed circuit board)と;接続領域からの導通ブリッジ(conducting bridge)であり、かつ、該非金属化孔を介して片面プリント回路基板の非金属化面から接続領域を(例えば、プローブによって)接触させることを可能にするため、非金属化孔を少なくとも部分的に覆う導通ブリッジと、を備えるデバイスを提供する。
【0005】
本発明は、リモートコントロールデバイスにおいて有利に適用され、その場合、接続ブリッジ(connection bridge)は、接続ブリッジを形成するカーボンプリント領域(carbon print area)を有するキーマット(key‐mat)の一部によって形成されることができる。試験目的か、あるいは、ICをプログラミングすることを可能にするために、プローブを使用することができる。同様の方法で、リセットボタンが各接続ブリッジを介してプリント回路基板の配線上面における2つの接続領域を橋渡しする場合、片面プリント回路基板の底面にリセットボタンを作ることが可能である。
【0006】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載の実施形態を参照すると、明らかになり、かつ、明瞭になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の一実施形態に従ったリモートコントロールデバイスの分解図を示す。
【
図1B】本発明の一実施形態に従ったリモートコントロールデバイスの分解図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に従ったリモートコントロールデバイスの他の図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に従ったリモートコントロールデバイスの他の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
さまざまな図において、参照符号は以下の意味を有する。
TC リモートコントロールデバイスの上部筐体(top casing)
KM キーマット(key‐mat)
B キーマット上のボタン
CP キーマットの底部におけるカーボンプリント領域(carbon print area)
PCB プリント回路基板(printed circuit board)
CA プリント回路基板上の接続領域(connection area)
BC リモートコントロールデバイスの底部筐体(bottom casing)
BL 電池蓋(battery lid)
P プローブ(probe)
【0009】
図は、本発明の一実施形態に従ったリモートコントロールデバイスのさまざまな図を示す。実施形態は、比較的簡単なリモートコントロールであり、チャネルアップ、チャネルダウン、ボリュームアップ、ボリュームダウン及びスタンドバイボタンのためのボタンBを有する。もちろん、本発明は、より多くのボタンを有するリモートコントロールと共に、代替的に用いることができる。ボタンが押下されるとき、キーマットKMの下面におけるカーボンプリント領域CPは、2つの接触領域(本実施形態において、これらの接触領域は半円で表され、他の形状を有する接触領域が代替的に可能である)を橋渡しすることによって、プリント回路基板PCB上で接続を行う。プリント回路基板PCBは、集積回路及び赤外光発光ダイオードなどのリモートコントロールデバイスにとって慣習的な、いくつかの他の構成要素を有する。
【0010】
発明の本実施形態に従って、ボタンBの下方にはないが、プリント回路基板の底面から、底部筐体BC内の孔及びプリント回路基板PCB内の整合孔を介して、片面プリント回路基板PCBの上面上の接続領域CAへと挿入される場合及びそのようなときに、プローブP間の接続を行うように機能する、キーマットKM上のカーボンプリント領域CPもある。
【0011】
図2及び
図3に示すように、本発明の実施形態に従ったリモートコントロールデバイスの上部筐体TCは、プリント回路基板PCB内の孔の上方のカーボンプリント領域が接続領域に対して堅固に押圧されるように形成されることが好ましく、それにより、プローブPが孔を介して挿入され、かつ、カーボンプリントに接触する場合及びそのようなときに、接続領域と良好な接続を得る。
【0012】
なお、留意すべきことは、上述の実施形態は、本発明を制限するというよりはむしろ、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者が多くの代替的な実施形態を設計することができるであろうということを説明しているということである。図示した実施形態において、接続領域CAは、プリント回路基板PCB内の孔の周りで円である。代替的に、それは、孔のちょうど一方の側に隣接する金属化領域でよい。カーボンプリント領域CPは、円形を有する必要はなく、孔を介して挿入されるプローブPと接続領域CAとの間で接続が行われることを確実にする限り、孔全体を覆う必要はない。導通ブリッジが形成されるように電気接続が行われ得るということが重要であるように、キーマットKMの底面は、カーボンプリント領域に代わって金属化接触領域を代替的に有することができる。リモートコントロールデバイスによって形成される実施形態を用いて本発明を説明する一方で、本発明は、他方の側から接触される必要がある片面プリント回路基板を有する任意のデバイスと共に利用されることができる。特許請求の範囲において、括弧内のいかなる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む(comprising)」という語は、請求項に記載される以外の要素又は工程の存在を除外しない。要素に先行する「a」又は「an」は、複数のそのような要素の存在を除外しない。