(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筋ジストロフィーを罹患した対象に由来する筋芽細胞および健康なドナーに由来する筋芽細胞間の融合を含むキメラ細胞であって、生体外融合産物である、前記キメラ細胞。
処置を必要とする対象に請求項1に記載のキメラ細胞の有効量を投与し、それによって対象の筋ジストロフィーを処置することを含む、筋ジストロフィーを処置する方法における使用のための、請求項6に記載の組成物。
【背景技術】
【0002】
背景技術
筋ジストロフィー症(MD)は、動作を制御する骨格筋の進行性の虚弱および変質によって特徴づけられる30を超える遺伝子疾患の群である。MDのいくつかの形態は、幼少または幼年時に見られるが、その他は中年またはそれ以降まで現れない。障害は、筋肉虚弱(MDのいくつかの形態は、心筋に影響する)の分布および程度、発病年齢、進行速度、ならびに遺伝のパターンの見地から異なる。
【0003】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、最も一般的な、致死的X染色体連鎖進行性筋消耗障害であり、ジストロフィン遺伝子突然変異によって引き起こされ、筋肉の完全性を維持することに関与する蛋白質であるジストロフィン不存在をもたらす。DMDは、3500人の男児出生に1人を冒す。発病は、3才から5才の間で、障害は急速に進行する。殆どの少年は12才までに歩行不可で、のちに呼吸のためのレスピレータを必要とする。これらの家系の少女は、欠陥遺伝子を継承してその子供に渡す機会が50%ある。衰弱した患者は日常的な活動に参加できない。殆どは12才までに車いす依存になる。DMD患者の寿命は25才である。デュシェンヌ型MDに非常に類似するがそれより深刻ではない、ベッカー型MDの少年は、ジストロフィンが不完全であるか十分ではない。
【0004】
顔面肩甲上腕型(Facioscapulohumeral)MDは、通常十代で始まる。それは、顔、腕、脚部、および肩および胸の周囲の筋肉の進行性虚弱を引き起こす。それは、ゆっくり進行し、マイルドから運動困難まで症状が変化し得る。
【0005】
筋緊張性MDは、障害の最も一般的な大人の形態であり、長引く筋肉の痙攣、白内障、心臓の異常、内分泌攪乱の原因となる。筋緊張性MDの個人は、長く、細い顔、垂れ瞼、および白鳥様の首を有する。
【0006】
筋ジストロフィーは、骨格筋繊維の進行性変質によって引き起こされる。血漿膜、または低頻度で内部膜にある数種の蛋白質の欠乏が、収縮中の損傷の危険性を上げ、最終的に繊維変質をもたらし、免疫適格細胞の浸潤を伴う重度の局所炎症を伴う。デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの最も厳しい形態においては、再生が消耗し、骨格筋が進行的に脂肪および繊維組織によって置き換えられる。この状態では、患者は進行性虚弱になり、最終的には呼吸不全および/または心不全によって死に至る。
【0007】
現在、MDのための有効な治療は未だ発見されず、症状の進行を抑制するためのリハビリ、または機械的換気装置を用いる呼吸管理などに重要性が置かれている。薬物治療は、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)を含むが、それは強い副作用があり、十分な治療効果を生み出していない。再生治療(幹細胞および筋芽細胞の移植)(Meregalli, et al. (2010) BioDrugs 24:237-247; 米国特許7,341,719;米国特許7,887,793;および米国特許 7,452,529)、遺伝子治療(機能性ジストロフィン遺伝子導入、変異型エキソンのアンチセンスモルホリノ媒介性スキッピング)、代替的薬物治療(ナンセンス突然変異のリードスルー)などの実験的治療が示唆されている。しかしながら、MDに冒された患者を処置する新規のより有効な戦略を開発する緊急のニーズがある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
患者における筋ジストロフィーを処置するためのMDCC組成物および方法が、今や開発された。MDCCラインは、筋芽細胞、間葉系幹細胞または間質細胞の第2集団と共に筋芽細胞の第1集団(自己または同種)の生体外融合によって作られる。MDCCの投与は、患者に筋原性および間葉系原細胞の同時送達を可能にする。したがって、本発明は、筋ジストロフィーを罹患した対象に由来する筋芽細胞および健康なドナーに由来する筋芽細胞;筋ジストロフィーを罹患した対象に由来する筋芽細胞および間葉系幹細胞;健康なドナーに由来する筋芽細胞および間葉系幹細胞;筋ジストロフィーを罹患した対象に由来する筋芽細胞および間質細胞;または健康なドナーに由来する筋芽細胞および間質細胞の融合によって調製されるMDCCを提供する。特定の態様において、本発明のMDCCは、筋ジストロフィーを処置するための方法における使用を見出す。
【0015】
本発明は、組み合わせ療法が、筋細胞に分化する筋芽細胞を導入するため、他の細胞ベースの療法とは異なり、一方で、MSCは、減少したアロ反応性、可塑性および損傷組織における筋芽細胞への脱分化の可能性があることが知られている。免疫調節サイトカインと成長因子の分泌を含む筋芽細胞/MSCの特性の組み合わせは、好ましい微小環境条件下でのMDCC生着、耐性および再生を支持する。一方、筋芽細胞/筋芽細胞MDCCの特徴および自発的に融合する能力は、筋幹細胞ニッチを生着し再補充する能力を提供するか、処置後に受容筋芽細胞と融合する能力を提供し、筋芽細胞/MSC MDCCよりも良好な結果を提供する。DMD患者から採取された細胞は、ハプロタイプの男性親族、すなわち父親または細胞バンクのハプロ適合ドナー由来の健康なジストロフィン陽性幹細胞と融合し得る。このように、MDCCは、自己およびハプロ同一起源の表面抗原を共有し、移植されたMDCC拒絶のリスクを低減する。さらに、MDCCが遺伝的に改変されていず(すなわち、組換え方法によって)、免疫抑制を必要としないことを考えると、本発明の細胞の使用は、従来の療法に対する安全な選択肢を提供する。
【0016】
本発明の目的のために、「キメラ細胞」または「ハイブリッド細胞」は、例えば2つ以上の生物細胞(親細胞)の体細胞ハイブリッド化(または全細胞ハイブリッド化)から構築される細胞である。親細胞またはドナー細胞は、同じドナーまたは細胞系、または異なるドナーまたは細胞系のいずれかから得ることができる。本発明のMDCCは「キメラ細胞」と呼ばれるが、前記キメラ細胞は単細胞または細胞集団を意味することが意図される。
【0017】
本願明細書に使用されるように、ドナーは、本発明のキメラ細胞の調製において使用される細胞を提供する対象である。ドナーは、筋ジストロフィーを罹患した対象、または健康なドナーすなわち、同じ遺伝障害を罹患していない個人であり得る。ドナーは、筋ジストロフィーを持つ対象(息子)の遺伝的な父親(親)、または細胞バンクドナーであり得る。特定の態様において、ドナーの少なくとも一人は、健康な対象である。特定の態様において、健康なドナーは、対象の父親である。他の態様において、第1の筋芽細胞、第2の筋芽細胞、間葉系幹細胞または間質細胞は、自己または同種である。さらに、ドナーは、ヒト、マウス、ラット、犬、猫、馬などを含む哺乳類であり得る。特定の態様において、ドナーは、ヒトである。
【0018】
当該技術において慣例であるように、筋芽細胞は、筋繊維へ成長する可能性を有する原始的筋細胞をいう。筋芽細胞は、デスミンおよびCD56の表現によって特徴付けられ、当該技術分野において周知の方法を使用して、胎生または成人組織から得られ得る。例えば、WO93/03768を参照されたい。そこには、フローサイトメトリー(例えば、FAC)によって粗細胞集団から筋芽細胞を単離することを開示する。その代わりに、筋芽細胞は、あるいは、筋肉生検由来の筋芽細胞を培養中に増殖および繁殖させることによって、筋芽細胞を得ることができる。例えば、Springer, et al. (1997) In: Current Human Genetics. Unit 13.4, Boyle Ed. John Wiley & Sons, NYを参照されたい。本発明のいくつかの態様に従って、健康なドナーからの筋芽細胞は、筋ジストロフィーを持つ対象からの筋芽細胞と融合される。特定の態様において、第1の筋芽細胞および筋芽細胞は、異なるドナーに由来する。
【0019】
間葉系幹細胞(「MSC」ともいう)は、循環およびリンパ系における結合組織、骨、軟骨組織、および細胞のもとである。間葉系幹細胞は、ゆるやかに詰まった、紡錘形または星状の未分化の細胞からなる胚性中胚葉の一部である間葉に見出される。間葉系幹細胞は、従来法によって得られ、以下のマーカー:CD29、CD31
−、CD34
―、CD44、CD45
−、CD51、CD73、CD90/Thy−1、CD105、CD166、インテグリンα1、PDGF Rα、ネスチン、Sca−1
+、SCF R/c−Kit、STRO−1、ならびにVCAM−1の1つ以上に同定され得る。いくつかの態様において、間葉系幹細胞は、骨髄(BM)または脂肪組織(ASC)に由来し、またはそれから得られる。特定の態様において、間葉系幹細胞は、ヒトの骨髄に由来し、またはヒトの骨髄から得られる。
【0020】
「間質細胞」または「接着性間質細胞」という用語は、他の細胞および/またはゆるい結合組織中に見出される要素を有するか、または有さない組織培養処理ペトリ皿において接着および増殖する能力によって定義される細胞を意味することを意図しており、該結合組織には、内皮細胞、周皮細胞、マクロファージ、単球、血漿細胞、肥満細胞および脂肪細胞を含むが、それらに限定されない。間質細胞を得るためには好適な方法が使用され得る。例えば、Tondreau, et al. (2005) Stem Cells 23:1105-1112を参照されたい。特定の態様において、間質細胞は、骨髄(BM)または臍帯血(CB)に由来するか、またはそれから得られる。他の態様において、間質細胞はCD133
+間質細胞である。
【0021】
本発明のMDCCの調製において使用される細胞は、単離されることができ、任意に精製されることができる。本願明細書に使用されるように、用語「単離された」は、要素が自然に起こる環境とは異なる環境にある対象の細胞を記載することを意味する。本願明細書に使用されるように「精製された」は、それが生成された環境から除去された細胞をいい、少なくとも60%、好ましくは75%、最も好ましくは90%、それが自然に関連しているか、または生産中に関連した他の成分がないことをいう。
【0022】
対象の細胞の精製および/または同定は、当技術分野で公知の任意の手段によって、例えば免疫学的に達成することができる。組織化学染色、フローサイトメトリー、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)、ウエスタンブロット分析、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)などを用い得る。フロー免疫細胞化学は、細胞表面マーカーを検出するために使用され得、免疫組織化学(例えば、固定細胞の)は、細胞内または細胞表面マーカーに使用され得る。ウエスタンブロット分析は、細胞抽出物に対して行うことができる。酵素結合免疫吸着アッセイは、細胞抽出物または培地に分泌される産物に使用することができる。幹細胞マーカーの同定のための抗体は、例えば、Chemicon International, (Temecula, CA)からの商業的供給源から得ることができる。
【0023】
いくつかの態様において本発明のMDCCの調製に使用されるドナー細胞は、処置される対象に対して自己または異種である。他の態様において、本発明のMDCCの調製に使用されるドナー細胞は、前記対象に対して同種である。ある態様において、ドナー細胞は、HLA(ヒト白血球抗原)適合である。本発明のMDCCの調製に使用されるドナー細胞の代表的なソースは、表1に挙げられている。
【0025】
特定の態様において、MDCCは、以下の融合によって作られる:
a)筋ジストロフィーを罹患している対象由来のヒト筋芽細胞および健康なドナー由来のヒト筋芽細胞;
b)筋ジストロフィーに罹患している対象由来のヒト筋芽細胞および健康なドナー由来のヒト間葉系幹細胞;
c)健康なドナー由来のヒト筋芽細胞および健康なドナー由来のヒト間葉系幹細胞;
d)筋ジストロフィーに罹患している対象由来のヒト筋芽細胞、および健康なドナー由来のヒト間質細胞;または
e)健康なドナー由来のヒト筋芽細胞、および健康なドナー由来のヒト間質細胞。
【0026】
本発明のMDCCは、2つの異なるドナー細胞の生体外融合によって調製される。「体外(ex vivo)」によって、細胞が体外で操られることを意味する。細胞融合は、2以上の細胞が血漿膜を融合することによって1つに統合するプロセスである。MDCCは、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)のような融合促進化学剤に細胞を曝露すること;センダイウイルスなどの不活性化ウイルスの使用;および電気刺激の使用を含む、当該分野で公知の細胞融合法によって調製することができる。センダイウイルス誘発細胞融合、またはポリエチレングリコール(PEG)による細胞融合に基づく一般的に使用される方法のレビューに対するKennett (1979) Methods Enzymol. 58:345-359を参照されたい。簡潔に述べれば、融合される細胞は、センダイウイルスまたはPEGなどの融合剤によって培養される。遠心分離または撹拌を使用して、細胞膜の凝集および近接配置を促進することができる。時間、温度、細胞濃度および融合剤濃度などの変数は、各細胞の組み合わせに対して最適化され得る。電気融合に関しては、短い電気パルスを細胞の混合物に通して融合を刺激する。例えば、Neil & Zimmermann (1993) Methods Enzymol. 220:174-196を参照されたい。
【0027】
ある態様において、MDCCは、ポリエチレングリコール細胞融合によって調製される。融合後、筋原性/筋原性、または筋原性/MSC起源を表す細胞ラインは、筋芽細胞、およびMSC特定マーカーおよび細胞ドナー起源のHLAクラスI型を確認するために分離され、培養され、特徴付けされる。
【0028】
融合の前に、ドナー細胞はそれらの数を増やすために培養され得るか、培養され得ない。さらに、ドナー細胞は、ドナー細胞の融合を監視するために、標識され得るか、され得ない(例えば、膜染料によって)。例示によって、筋ジストロフィーを罹患した対象由来の筋芽細胞は、PKH26−レッドによって標識され、健康なドナー由来の筋芽細胞は、PKH67−グリーンによって標識される。
【0029】
いくつかの態様において、本発明のMDCCは、1以上の免疫調節サイトカインおよび成長因子を分泌する。ある態様において、該免疫調節サイトカインおよび成長因子は、インシュリン様成長因子1(IGF−1)肝細胞成長因子(HGF)、ならびにミオスタチンを含む。さらなる態様において、本発明のMDCCは、ジストロフィンを作る。
【0030】
本発明のMDCCは、筋ジストロフィーの処置における特定の使用についてである。したがって、本発明は、また、ジストロフィーを処置するための有効量の本発明のMDCC、またはMDCCを含有する組成物を対象に投与することによって、それを必要とする対象における筋ジストロフィーを処置する方法を提供する。疾患または障害を有する対象を「処置する」とは、以下の1以上を成し遂げることを意味する:(a)疾患の重篤度を減らすこと、(b)疾患または障害の進行を阻止すること、(c)疾患または障害の悪化を妨げること、(d)以前に疾患または障害を有していた患者における疾患または障害の再発を制限または予防すること、(e)疾患または障害の後退を起こさせること、(f)疾患または障害の症状を改善または除去すること、(g)生存を改善すること。
【0031】
本願明細書に示したように、筋ジストロフィーは、動きを制御する骨格筋の進行性虚弱および変質によって特徴づけられる遺伝子疾患の群である。筋ジストロフィーの例は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、筋緊張性筋ジストロフィー、筋萎縮性側索筋ジストロフィー、眼球咽頭筋ジストロフィー、エメリー−ドレイファス筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、ミヨシミオパシー、ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィー、シュタイナート型筋ジストロフィーを含む。特定の態様において、筋ジストロフィーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)である。
【0032】
療法に従って、MDCCまたはそれを含有する組成物は、筋ジストロフィーを有する対象に投与される。いくつかの態様において、本発明のMDCCの組み合わせを投与することができる。MDCCまたは細胞の組み合わせは、細胞が対象に、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、骨内などのように注射される生着によって投与し得る。ある態様において、投与は、約10
2、10
4、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
12、またはそれ以上の細胞を移植することに関与する。移植された細胞の数は、投与経路および/または細胞が移植されている状態の重篤度に基づいて選択し得る。有利には、本発明のMDCCは、筋ジストロフィー患者の欠損した筋肉の機能を首尾よく移植し補完する。
【0033】
MDCCまたはMDCCの組み合わせを含む組成物は、細胞または細胞の組み合わせを薬学的に許容し得る担体または水性媒体と組み合わせることによって調製することができる。「薬学的にまたは薬理学的に許容し得る」という句は、動物またはヒトに投与した場合に、有害な、アレルギー性の、または他の不都合な反応を生じない分子実体および組成物をいう。本願明細書中で使用されるように、「薬学的に許容し得る担体」には、任意のおよびすべての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、アイソトニックなどが含まれる。薬学的に活性な物質のためのかかる媒体および薬品の使用は、当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または薬品が本開示の細胞と適合しない場合を除いて、治療組成物におけるその使用が期待される。医薬組成物は、例えば、意図される投与経路、送達形態および所望の投薬量に依存して、当業者によって決定され得る。例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 18th Edition, (A. R. Gennaro, ed.), 1990, Mack Publishing Companyを参照されたい。
【0034】
本発明の組成物は、注射可能の製剤に組み入れられ得る。製剤は、また、必要な生理学的に許容し得る担体材料、賦形剤、潤滑剤、緩衝剤、界面活性剤、抗菌剤、充填剤(マンニトールのような)、抗酸化剤(アスコルビン酸または重亜硫酸ソーダ)などを包含し得る。
【0035】
許容し得る製剤材料は、好ましくは、使用される投薬量および濃度でレシピエントに対して非毒性である。医薬組成物は、組成物のpH、浸透圧、粘性、透明度、色、等張性、臭気、無菌性、安定性、溶解または放出速度、組成物の吸着または浸透などを変性、維持または保存するための製剤材料を含有し得る。適切な製剤材料には、限定されないが、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリシンなど);抗菌剤;抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウムなど);緩衝剤(ホウ酸塩、重炭酸塩、トリス−HCl、クエン酸塩、リン酸塩または他の有機酸など);充填剤(マンニトールまたはグリシンなど);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなど);充填剤;モノサッカライド、ジサッカライド、およびその他の炭水化物(グルコース、マンノースまたはデキストリンなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなど);着色剤、香味剤および希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩形成対イオン(ナトリウムなど);防腐剤(塩化ベンズアルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸または過酸化水素など);溶媒(グリセリン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなど);糖アルコール(マンニトールまたはソルビトールなど);懸濁剤;界面活性剤または湿潤剤(PLURONICS、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート20およびポリソルベート80などのポリソルベート、トリトン、トリメタミン、レシチン、コレステロール、またはチロキサパールなど);安定性増強剤(ショ糖またはソルビトールなど);等張化剤(アルカリ金属ハロゲン化物、好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトールまたはソルビトールなど);送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤および/または医薬アジュバントを包含する。例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, Id.を参照されたい。
【0036】
医薬組成物における主要なビヒクルまたは担体は、本質的に水性、あるいは非水性であり得る。例えば、好適なビヒクルまたは担体は、注射用の水、生理食塩水、または脳脊髄液、非経口投与のための組成物に共通のその他の材料で多分補足される。中性緩衝食塩水または血清アルブミンと混合した食塩水は、さらに例示的ビヒクルである。医薬組成物は、約pH7.0〜8.5のトリス緩衝液、または約pH4.0〜5.5のアセテート緩衝液を含み、それは、さらにソルビトールまたはそのための好適な置換物を包含する。本発明の医薬組成物は、所望の純度の程度を有する選択された組成物を任意の製剤薬品(REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, Id.)と混合することによって、貯蔵のために凍結乾燥されたケーキまたは水溶液の形態に調製され得る。
【0037】
細胞または組成物は、持続放出系によって、カプセル化によってまたは移植装置によって提供することができる。組成物は、ボーラス注射によって、または連続的に注入によって、または移植デバイスによって投与され得る。組成物はまた、1個の細胞、または複数の細胞がその上に吸収またはカプセル化された膜、スポンジまたは別の適切な材料の移植を介して、局所的に投与することもできる。移植デバイスが使用される場合、デバイスは、任意の好適な組織または器官に移植され得る。注射は、所望の治療効果を達成するために繰り返し(毎日、毎週、毎月、毎年など)、1回の処置として与えられてもよい。
【0038】
細胞のカプセル化方法論は、以前に記載され、それは、パーキンソン病(Tresco, et al. (1992) ASAIO J. 38:17-23)または筋萎縮性側索硬化症(Aebischer, et al. (1996) Hum. Gene Ther. 7:851-860)の処置におけるカプセル化細胞の移植を可能にする。この態様によれば、細胞は、微多孔性膜を形成する化合物によってカプセル化される。対象の細胞を含む、例えば約1cmの長さのカプセルは、ポリエーテルスルホン(PES)(Akzo Nobel Faser AG, Wuppertal, Germany; Deglon, et al. (1996) Hum. Gene Ther. 7:2135-2146)から製造された中空微孔性膜を使用して調製することができる。
【0039】
本発明の組成物は、非経口的に送達することができる。非経口投与が期待される場合、本発明における使用のための治療用組成物は、発熱物質を含まない非経口的に許容し得る水溶液の形態であってもよい。非経口注射のための特に好適なビヒクルは、滅菌蒸留水である。調製は、注射可能なマイクロスフェア、生体腐食性粒子、高分子化合物(ポリ乳酸またはポリグリコール酸など)、ビーズまたはリポソームなどの薬品を用いた製剤に関与することができ、1個の細胞または複数の細胞の制御または持続放出を提供することができ、その後蓄積注射によって送達され得る。ヒアルロン酸を用いた製剤は、循環における持続期間を促進する効果を有する。埋め込み型薬物送達デバイスは、所望の組成物を導入するために使用し得る。
【0040】
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤のようなアジュバントを含有してもよい。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実にすることができる。また、糖、塩化ナトリウムなどのアイソトニック剤を含むことが望ましい場合もある。
【0041】
補充活性成分も組成物に組み込むことができる。本開示の活性組成物は、古典的な医薬調剤を含み得る。本開示によるこれらの組成物の投与は、標的組織がその経路を介して利用可能である限り、任意の一般的経路を介して行われる。かかる経路には、経口、経鼻、頬側、直腸、膣または局所経路が含まれる。あるいは、投与は、同所性、皮内、皮下、腹腔内、または静脈内注射であり得る。筋肉内注射が好ましい。かかる組成物は、通常、薬学的に許容し得る組成物として投与される。
【0042】
本願明細書に使用されるように、用語「有効量(amount effective)」、「有効量(effective amount)」または「治療上有効量」は、所望の結果を達成するために十分な本発明の細胞または組成物の量をいう。「有効量」または「治療上有効量」を構成する細胞または組成物の量は、疾患の重篤度、状態、処置される患者の重量、または年令、投薬の頻度、または投与の経路に依存して変化し得るが、当業者によって日常的に決定し得る。臨床医は、最適な治療効果を得るために投与の投薬量または経路を力価測定し得る。
【0043】
本発明は、また、筋ジストロフィーの処置のためのキットにも向けられる。キットは、筋ジストロフィーを処置する発明の方法を実施するために有用である。キットは、少なくとも1つの発明の組成物を含む、材料または成分の集まりである。こうして、いくつかの態様において、キットは、1以上のドナー細胞(例えば、細胞バンクからのドナー細胞)、および任意に上記のようにドナー細胞を得るための材料の生体外細胞融合を実施するための融合剤である。
【0044】
本発明のキットにおいて構成された構成要素の正確な性質は、その意図される目的に依存する。例えば、いくつかの態様は、筋ジストロフィーを処置する目的で構成されている。一実施形態では、キットは、特に、ヒト対象を処置する目的で構成されている。別の態様において、キットは、特に、成人のヒト対象を処置する目的のために構成されている。別の態様において、キットは、特に子供を処置する目的のために構成されている。別の態様において、キットは、特にDMDを処置する目的のために構成されている。別の態様において、キットは、特にBMDを処置する目的のために構成されている。別の態様において、キットは、特に、連続的な毎日の使用投薬量を提供する目的のために構成されている。別の態様において、キットは、必要に応じて使用投薬量を提供する目的のために特に構成されている。さらなる態様において、キットは、限定されないが、家畜(far animals)、家畜(domestic animals)および実験動物などの対象を処置する、獣医学的応用のために構成されている。
【0045】
使用説明書はキットに含まれている。「使用説明書」は、典型的には、筋ジストロフィーを処置するため、BMDを処置するため、またはDMDを処置するためになどの、所望の結果を達成するためにキットの成分を使用する際に使用される技術を記述する具体的な表現を含む。任意に、キットには、希釈剤、緩衝液、薬学的に許容し得る担体、シリンジ、カテーテル、アプリケータ、ピペットまたは測定器具、包帯材料または当業者によって容易に認識されるであろう他の有用な道具などの他の有用な成分も含まれている。
【0046】
キットに組み込まれた材料または構成要素は、その操作性および有用性を保持する任意の便利で好適な方法で保管された、開業医に提供することができる。例えば、成分は、溶解、脱水、または凍結乾燥形態であり得る;それらは、室温、冷蔵または凍結温度で提供することができる。これらの成分は、典型的には好適な包装材料に包まれる。本明細書で使用される「包装材料」という語句は、キットの内容物を収容するために使用される1つ以上の物理的構造をいう。包装材料は、好ましくは滅菌された汚染のない環境を提供するために、周知の方法によって構築される。キットに用いられる包装材料は、治療的処置において慣習的に利用されるものである。本願明細書で使用する用語「パッケージ」は、個々のキット構成要素を保持することができる、ガラス、プラスチック、紙、箔などのような好適な固体マトリックスまたは材料をいう。包装材料は、一般に、キットおよび/またはその成分の内容および/または目的を示す外部標識を有する。
【0047】
以下の非限定的例は、さらに本発明を例示するために提供される。
【0048】
例1:ヒト筋ジストロフィー キメラ細胞(hMDCC)の生体外調製
ポリエチレングリコール技術(
図1)を用いて、2つの無関係なドナー由来の同種のヒト筋芽細胞およびMSCまたは筋芽細胞の生体外融合を行った。簡潔には、市販(Lonza, Inc.)のヒト筋芽細胞およびMSCを別々に6〜10日間培養した。次に、
図1に示すように、PKH−26(赤色)またはPKH−67(緑色)追跡用色素のいずれかを用いて、細胞を蛍光標識した。PEGを用いて融合を行った。二重(PKH26およびPKH67)染色を表す細胞を、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS; BD ASTERIOS)によって選択した。融合を確認するために、二重(PKH26およびPKH67)標識MDCCを、共焦点顕微鏡法およびフローサイトメトリーを用いて評価した(
図2)。透過型電子顕微鏡を用いてMDCCの形態を評価した。MDCCは、2つの核、融合細胞膜および融合細胞質の存在によって確認された。
【0049】
融合後、7、14、21および30日目に、MDCCの表現型変化を評価するために、フローサイトメトリーを用いた。MDCCを筋肉特異的マーカー(抗筋原性、抗hミオシン重鎖、抗mMYF−5)およびMSCマーカー(CD105、CD73、CD90)の発現について試験した。結果を表2に示す。特に、MDCCは、造血細胞に特徴的なCD45またはCD8マーカーを発現しなかった。
【0051】
さらに、MDCCをFISHによって分析して性染色体および生存性染色(Trypan blue)を検出した。さらに、MDCCを30日間培養し、ELISAアッセイによって増殖および分泌特性を試験した。さらに、免疫蛍光染色を用いて、ジストロフィンの発現がヒトMDCCにおいて実証された。さらに、生体外の結果は、hMDCCの筋原性分化能を確認した。融合後、hMDCCを特定の筋原性分化培地(インスリンで補足した低血清培地、PROMOCELL社製)に7日間置いた。骨格筋細胞分化のマーカーである骨格ミオシン重鎖発現は、すべてのhMDCC株において観察された。
【0052】
遺伝子型を評価し、細胞融合を確認するために、MDCCに対して、HLAクラスIおよびIIおよび特異的遺伝子の両方のドナーからの組合せ(それぞれ表3および表4)を検出する重合連鎖反応−逆配列特異的探査(Polymerize Chain Reaction - Reverse Sequence-Specific Probe, PCR-rSSOP)および短反復配列PCR(STR-PCR)を実施した。この分析は、MDCCが両方のドナー細胞に由来するHLA対立遺伝子を提示し、両方の融合ドナー細胞に特異的な遺伝的マーカーの存在を示したことを示した。
【0055】
生体外培養結果は、増殖能、長期生存性、およびDMDCCの筋細胞系への分化を示した。ジストロフィンの発現は、DMDCCによって融合後30日間維持された。DMDCCによるサイトカインの分泌は、ELISAアッセイによって確認された。
【0056】
生体内研究において、mdx/scidマウスモデルにおける局所投与hMDCCの生着が評価された。5つのグループのマウスが試験された(表5)。最初の2つのグループは、mdx/scidマウスの左腓腹筋に、標準化されたテンプレートに続く複数の筋肉内注射によって送達された、筋芽細胞のMDCC/筋芽細胞またはMSC/筋芽細胞起源(用量0.5x10
6)を含んでいた。対照グループは、ビヒクルによる処置、融合していない筋芽細胞(用量0.5x10
6)による処置、または筋肉注射による、混合MSCおよび筋芽細胞(用量0.5x10
6)による処置を含んでいた。測定された結果には、生体内筋肉機能、処置筋肉におけるジストロフィン発現ならびに1週間および12週間の時点でのMDCC生着も同様に含まれていた。
【0057】
両方のhMDCC株がジストロフィンを発現することが確認されたので、ジストロフィン発現をhMDCCに対する特異的マーカーとして使用した。hMDCCの局所的な筋肉内送達の7日後に、hMDCCの成功した生着が示された。さらに、mdx/scid対照におけるジストロフィン発現の欠如と比較して、局所的に増加したジストロフィン発現(12%)が移植後7日目にして早くも観察された。さらに、90日目に、ジストロピン発現の17%が観察された。
【0059】
握力測定およびワイヤーハンギング試験を含む運動機能試験において、もう1組の実験群(ビヒクルおよびhMDCC処置mdx/scidおよび野生型snjマウス、n=3)を試験した。hMDCCを受けたマウスは、hDMM治療送達後90日間、握力およびワイヤに対する疲労耐性(mdx/scidマウス、50gF;hMDCC治療、85−90gF)の改善(p=0.037)を示した。機能改善は、42日目までビヒクル処置された場合に比べて、MDCCの両方の株で処置した群に観察された。この時点後、筋芽細胞/筋芽細胞hMDCCのみが、90日間のフォローアップ期間全体にわたり筋肉強度の増加を維持した。比較すると、握力値は、MSC/筋芽細胞hMDCCで処置したマウスにおいて42日後にベースラインレベルに戻った。融合していない細胞処置対照群は、最初の21日間のみ運動機能の一時的な改善を示した。
【0060】
hMDCC送達の90日後に採取した腓腹筋を生体外収縮性試験で分析し、電気刺激によって誘発された筋力を評価した。結果は、筋芽細胞/筋芽細胞hMDCC処置(
図3A)筋肉は、誘発された株(
図3B)の下でさえも有意に強い収縮(p=0.04)を示した。同じ筋肉試料を共焦点顕微鏡法によって分析し、hMDCC処置後90日のジストロフィン発現を検出および定量した。平均して、細胞の17%がジストロフィン発現に対して陽性であった。
【0061】
現在、3500人の新生児のうち1人に影響を与える致死的な遺伝的神経筋障害であるDMDを処置する有効な療法はない。ジストロフィン遺伝子の突然変異をスキップするように設計された、成長調節剤、抗炎症または二次メッセンジャーシグナル調節剤、および分子デバイスなどの処置様式が試みられているが、これらのアプローチは疾患の進行を停止または逆転させることができない。これと比較して、本MDCC治療は、DMDに罹患した患者における局所的または全身的適用のための普遍的な再生医療アプローチを表す。さらに、他の細胞ベースの療法と比較して、生体外融合により作製されたMDCCのユニークな特徴は、筋原性および間葉系由来の細胞の相補的な特性、例えば高い増殖速度、筋原性転換能および筋肉再生を促進する免疫調節サイトカインおよび成長因子の分泌である。さらに、MDCCの調製は、遺伝子操作または細胞へのウイルスベクトルの導入を必要とせず、したがってそれをより安全な療法にする。さらに、MDCC療法は遺伝子/突然変異特異的ではないので、例えば、ベッカー・ジストロフィーを含む他のタイプの筋ジストロフィーに罹患した患者に合わせて適用することができる。
【0062】
例2:マウスデュシェンヌ型筋ジストロフィーキメラ細胞(mDMDCC)の生体外調製
健康なsnjおよびmdx(ジストロフィン欠損)の一次筋芽細胞培養およびmdx MSC培養を確立し、生体内で増殖させた。3つのマウス筋芽細胞/MSCおよび筋芽細胞/筋芽細胞融合をポリエチレン−グリコール技術を用いて行った。筋原性分化能と同様に、ジストロフィン発現も融合前後で確認された。
【0063】
生体内研究(表6)において、マウスのDMDCC生着の有効性、ジストロフィン発現および運動機能の生存および回復を、mDMDCCを腓腹筋に局所送達してから30日後に試験した。試験した5つのグループのうち、mdxマウスの左腓腹筋に、標準化されたテンプレートに従った複数の筋肉内注射を介して、筋芽細胞/筋芽細胞およびMSC/筋芽細胞起源(用量0.5x10
6)からなるmDMDCCを送達した。対照群は、ビヒクルによる処置、融合していない筋芽細胞による処置、および混合MSCおよび筋芽細胞による処置を含んでいた。結果の測定には、生体内筋肉機能、処置筋肉におけるジストロフィン発現、ならびに4週間後に評価されたmDMDCC生着が含まれていた。筋芽細胞/筋芽細胞のmDMDCC送達後、ジストロフィン発現細胞は、共焦点顕微鏡による免疫蛍光分析で全有核細胞の37%を構成した。筋芽細胞/筋芽細胞のmDMDCCで処置した筋肉は、ジストロフィン陽性およびジストロフィン陰性の領域を示した。ジストロフィン陽性細胞は、膜上のジストロフィン発現(正常なパターン)ならびに細胞質発現によって特徴付けられた。
【0065】
興味深いことに、mDMDCC処置筋肉は、反対側の未処置筋肉と比較して筋肉重量の減少を示した。処置された筋肉のより低い重量は、DMD関連の肥大および線維症の減少によって説明することができる。筋肉重量の減少にもかかわらず、インサイチュの電気刺激で誘発された筋力測定は、生体内(
図4Aおよび4B)および生体外(
図5Aおよび5B)における筋力の増加値をもたらした。
【0066】
握力およびワイヤーハンギング試験によって評価された生体内の運動機能は、また、握力増加と耐性疲労の延長時間によって効果を確認した。筋芽細胞/筋芽細胞のmDMDCC処置筋肉は筋芽細胞/MSC MDCCで処置した筋肉よりも高い強度値を維持し、治療送達後30日目の対照筋肉値と差はなかった。筋芽細胞由来のmDMDCC処置は、対照動物と比較してワイヤ上より長いハンギング時間によって示される、疲労に対する耐性の増加をもたらした。