特許第6890562号(P6890562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6890562-椅子用物品落下防止具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890562
(24)【登録日】2021年5月27日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】椅子用物品落下防止具
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/62 20060101AFI20210607BHJP
【FI】
   A47C7/62 Z
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-44711(P2018-44711)
(22)【出願日】2018年3月12日
(65)【公開番号】特開2019-154733(P2019-154733A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2018年11月21日
【審判番号】不服2020-10777(P2020-10777/J1)
【審判請求日】2020年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】399084915
【氏名又は名称】株式会社ボディワークホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】大野 政嗣
【合議体】
【審判長】 佐々木 一浩
【審判官】 一ノ瀬 覚
【審判官】 島田 信一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0148563(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0076872(US,A1)
【文献】 特開2004−16526(JP,A)
【文献】 特開平10−295757(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/098197(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 7/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が着座する座部と、この座部の後部から上方へ向けて設けられ利用者の背中を支持する背もたれ部と、この座部の両側部に上方に向かって設けられた掛け部を備えた椅子に装着されて、前記座部と前記背もたれ部との隙間から物品が落下を防止するための椅子用物品落下防止具であって、シート状の本体を備え、
前記シート状の本体は、前記座部に対峙させられる平面部と、前記背もたれ部に対峙させられ、前記座部から前記肘掛け部天面までの高さよりも立ち上げ高さが低い立ち上げ部と、が設けられ、
前記座部から、この座部と背もたれ部との隙間に差し込まれることなく、前記隙間を覆うように、背もたれ部へかけて前記椅子に敷設され、
その裏面と前記座部および背もたれ部とを、接離可能に止着するファスナーとによって構成されている、椅子用物品落下防止具。
【請求項2】
前記本体の両側部が前記肘掛け部に沿って延設され、この延設部と前記肘掛け部との間に、これらを接離可能に止着するファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の椅子用物品落下防止具。
【請求項3】
前記椅子が、前記座部を覆う座面クッションを備え、この座面クッションが前記座部に敷設された前記本体の表面を覆って載置されるとともに、前記座面クッションと前記本体との間に、これらを接離可能に止着するファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の椅子用物品落下防止具。
【請求項4】
前記ファスナーが面ファスナーであることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の椅子用物品落下防止具。
【請求項5】
前記椅子がマッサージ用の椅子であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の椅子用物品落下防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が着座する座部と、この座部の後部から上方へ向けて設けられ利用者の背中を支持する背もたれ部とを備えた椅子に装着されて、前記座部と前記背もたれ部との隙間から物品が落下を防止するための椅子用物品落下防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、利用者が着座する座部と、この座部の後部から上方へ向けて設けられ利用者の背中を支持する背もたれ部とを備えた椅子にあっては、前記座部と前記背もたれ部との間に隙間がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したように、前記座部と背もたれとの間に隙間があると、利用者が座部に物品を落とした場合、その物品が前記隙間に入り込んで紛失してしまうことがある。
【0005】
本発明は、このような不具合を解消するために、利用者が座部に落とした物品が、座部と背もたれ部に形成される隙間に入り込むことを防止して、その紛失を防止することのできる椅子用物品落下防止具を提供することを解決しようと課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の椅子用物品落下防止具は、利用者が着座する座部と、この座部の後部から上方へ向けて設けられ利用者の背中を支持する背もたれ部とを備えた椅子に装着されて、前記座部と前記背もたれ部との隙間から物品が落下を防止するための椅子用物品落下防止具であって、前記座部上に敷設されるシート状の本体と、この本体の裏面と前記座部および背もたれ部とを接離可能に止着するファスナーとによって構成されていることを特徴としている。
【0007】
このような構成とすることにより、前記シート状の本体は、前記ファスナーにより前記座部から前記背もたれ部に掛けて止着される。
これによって、前記座部と前記背もたれ部との間に形成される隙間が、前記本体により覆われる。
【0008】
ここで、着座している利用者が、椅子の座部に物品を落とした場合、この物品が前記本体によって捕捉され、前記座部と前記背もたれ部との間に形成される隙間に入り込むことが阻止される。
【0009】
したがって、利用者は、前記座部上の物品を容易に確認することができるとともに、拾い上げることができる。
【0010】
前記座部の両側部に、上方へ向かって肘掛け部が設けられている場合、これらの肘掛け部と前記本体との間に、これらを接離可能に止着するファスナーを設けることにより、前記座部に落とされた物品が、前記座部の側方から落下して紛失してしまうことを防止することができる。
【0011】
前記椅子が、前記座部を覆う座面クッションを備えている場合、この座面クッションを、敷設された前記本体の表面を覆って載置するとともに、前記座面クッションと前記本体との間に、これらを接離可能に止着するファスナーを設けておくことができる。
【0012】
このような構成とすることにより、前記座面クッションを前記本体を介して前記座部に係止して、その位置ずれや落下を防止することができる。
【0013】
前記ファスナーは面ファスナーであることが好ましい。
【0014】
前記椅子用物品落下防止具をマッサージ用の椅子に適用することができる。
マッサージ用椅子は、クッション性の高い材質を用いることが多く、そのために、前記座部と前記背もたれ部との隙間が、前記クッション性の高さから密着しやすい。
そのために、前記隙間に物品が入り込むと探しづらくかつ取り出しづらいため、前述した椅子養分ピン落下防止具の機能を有効に利用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、椅子の座部に落ちた物品を捕捉して、その発見と拾い上げを確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態が適用されたマッサージ用椅子の外観図である。
図2】本発明の一実施形態が適用されたマッサージ用椅子の外観図である。
図3】本発明の一実施形態を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態を示す裏面図である。
図5】本発明の一実施形態が適用されたマッサージ用椅子の要部の拡大外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
これらの図において符号1は、本実施形態の椅子養分ピン落下防止具が適用されたマッサージ用椅子を示す。
【0018】
このマッサージ用椅子1は、利用者が着座する座部2と、利用者の背中を支持する背もたれ部3と、前記座部2の両側部上に設置された肘掛け部4とを備えており、前記座部2、前記背もたれ部3、および、前記両肘掛け部4間に、本実施形態に係わる椅子用物品落下防止具(以下、落下防止具と略称する)5が装着されている。
【0019】
そして、前記椅子用物品落下防止具5上には、座り心地を向上させるための座面クッション6が装着されている。
【0020】
本実施形態の落下防止具5は、シート状の本体7を備え、前記座部2に対峙させられる平面部7aと、この平面部7aの周縁部で、前記背もたれ部3および前記肘掛け部4に対峙させられる立ち上げ部7bとが形成されて、前記マッサージ用椅子1の前方と上方とが開放された袋状となされている。
【0021】
そして、前記本体7の前記平面部7aと前記座部2との対峙面には、前記本体7を前記座部2に接離可能に止着する面ファスナー8が取り付けられ、また、前記本体7の前記立ち上げ部7bと前記背もたれ部3との対峙面、さらに、前記本体7の前記立ち上げ部7bと前記肘掛け部4との対峙面に、これらの対峙面を接離可能に止着する面ファスナー9が取り付けられている。
【0022】
さらに、本実施形態においては、前記平面部7aと、この平面部7a上に載置される前記座面クッション6の下面との間に、これらを接離可能に止着する面ファスナー10が取り付けられている。
【0023】
このように構成された本実施形態の落下防止具5は、前記本体7の平面部7aを前記面ファスナー8によって前記座部2上に止着し、また、前記立ち上げ部7bの後部を、前記面ファスナー9によって前記背もたれ部3の下部に止着し、さらに、前記立ち上げ部7bの両側部を、前記面ファスナー9によって、前記各肘掛け部4の内面に止着する。
【0024】
以上の作業によって、前記落下防止具5を前記マッサージ用椅子1の前記座部2上に、前方および上方を開放した状態で装着される。
【0025】
このように装着された前記落下防止具5は、前記座部2の後部と前記背もたれ部3の下部との間に形成される隙間と、前記座部2と前記両肘掛け部4との間に形成される隙間を覆うように設置される。
【0026】
そして、利用者が前記座部2上に物品を落とした場合、この物品は、前記落下防止具5に捕捉されて、前記座部2と前記背もたれ部3および前記両肘掛け部4との間に形成されている隙間に入り込むことが阻止される。
【0027】
したがって、利用者は、前記座部2に落とした物品を容易に見つけることができるとともに拾い上げることができ、その紛失を防止することができる。
【0028】
一方、本実施形態においては、前記落下防止具5を覆って前記座面クッション6を装着するようにしている。
【0029】
このように前記座面クッション6を装着した場合、利用者の落とした物品が前記座面クッション6の側縁部から前記座部2へ入り込んでしまうことが想定される。
【0030】
しかしながら、本実施形態においては、前記座面クッション6の側縁部から入り込んだ物品が下方の前記落下防止具5によって捕捉され、前記座面クッション6を前記落下防止具5から取り外して、この落下防止具5の上方を開放することによって、前記物品の確認および拾い上げを容易に行なうことができる。
【0031】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、適用する椅子の種類等、あるいは、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0032】
また、前述したマッサージ用椅子に限らず、座部と背もたれ部とが独立して設けられている構造の椅子であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 マッサージ用椅子
2 座部
3 背もたれ部
4 肘掛け部
5 (椅子用物品)落下防止具
6 座面クッション
7 本体
7a 平面部
7b 立ち上げ部
8 面ファスナー
9 面ファスナー
10 面ファスナー

図1
図2
図3
図4
図5