(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1突出部及び第2突出部は、前記作動部が組立の間に前記ハウジングとスライド式で係合するのを許容する傾斜した表面を含む、請求項15に記載のオーバーキャップ組立体。
【背景技術】
【0003】
加圧容器は、一般に空気清浄剤、消臭剤、殺虫剤、殺菌剤、充血緩和剤、芳香剤などのような揮発性物質を貯蔵及び吐出(dispense)するために用いられる。揮発性物質は、一般に容器内に加圧状態及び液化状態で貯蔵される。製品は、炭化水素又は非炭化水素推進剤によってエアゾールバルブを介して容器から押し出される。外向きに延びるバルブステムを有する放出バルブは、容器の頂部における揮発性物質の放出を容易にするために設けられ、そのため、バルブステムを介したバルブの作動は、揮発性物質を容器からバルブステムを介して外部大気に流動するようにする。放出バルブは、典型的にバルブステムを傾けたり押したりすることによって、又は他の方式で変位させることによって作動させることができる。典型的なバルブ組立体は、バルブステム、バルブホディ、及びバルブスプリングを含む。バルブステムはペデスタル(pedestal)を介して延び、遠位端部はペデスタルから上方に延び、近位端部はバルブホディ内に配置される。
【0004】
加圧容器は、多くの場合、容器の上端部を覆うオーバーキャップを含む。典型的なオーバーキャップは、外向きに突出した隆起部を介して容器に取り外し可能に取り付けられ、隆起部は、オーバーキャップの内部下縁部を囲んで、容器の頂部を囲むビード(bead)又はシーム(seam)と相互作用する。オーバーキャップが容器の頂部に位置するとき、下向きの圧力がオーバーキャップに加えられ、この圧力は、隆起部がシームの外縁を乗り越え、シームの下面によって画定された棚(ledge)の下にロックする。
【0005】
典型的なオーバーキャップは、容器のバルブステムに係合するための機構を含む。一部の作動機構は、バルブステムを加圧し、容器内でバルブを開放するために下向きの圧力を加えるリンケージ(linkage)を含んでもよい。他の作動機構は、容器が傾斜活性化(tilt−activated)バルブステムを有する場合、半径方向の圧力を代わりに適用してもよい。いかなる場合でも、このような作動機構は、エンドユーザに比較的便利で使いやすいインターフェースを提供する。
【0006】
通常の作動機構は、作動ボタン又は作動トリガーを含む。従来の作動ボタンは、液体製品が通過することのできるダクトを画定する、ボタン内に位置する放出オリフィス(discharge orifice)を備える。ダクトは、典型的には、関連する容器のバルブステムに沿って係合するように画定される。従って、吐出が必要な場合、ユーザは作動ボタンを押すことができ、作動ボタンはバルブステムを加圧又は傾けて関連容器内でバルブを開放することによって、放出ダクトを介して放出オリフィスの外に容器の内容物を解放する。
【0007】
他の容器では、バルブステムは、バルブステムを半径方向に作動させるために、長手方向軸を横断する方向に傾斜又は変位させる。バルブ組立体が開放されると、容器内部と大気との間の圧力差によって、容器の内容物がバルブステムのオリフィスを介して外に押し出される。
【0008】
比較的小さなネック(neck)を有する容器と組み合わせて利用される従来技術の作動システムでは、多くの問題が発生した。特に、作動ボタンのような従来の作動部は、オーバーキャップでヒンジ式作動部の設計を用いる。しかし、さらに小さい容器ネックは、さらに小さいオーバーキャップの設置面積(footprint)を備えるため、オーバーキャップ内のヒンジ作動部を効果的に利用することは困難である。従って、より小さい設置面積のネックを有する容器に使用するためには、効果的で、容易に組み立てられ、長手方向に変位可能なオーバーキャップ組立体が必要とされる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、オーバーキャップ組立体102及び容器104を含む製品吐出システム100を示す。オーバーキャップ組立体102は、ハウジング108、作動部110、及びノズルインサート112を含む。作動部110は、ハウジング108内に少なくとも部分的に配置され、製品が吐出システム100から容易に吐出されるようにする。使用時には、オーバーキャップ組立体102は、吐出システム100のユーザによる作動部110の手動による起動などの特定の状態が発生するとき、容器104から製品を解放する。放出される製品は、キャリア液、脱臭液などの液体内に配置された芳香剤又は殺虫剤であってもよい。製品はまた、殺菌剤、空気清浄剤、清浄剤、臭気除去剤、かび又は白かび防止剤、殺虫剤、及び/又はそのようなものなど、及び/又はアロマテラピー特性を有する他の活性剤を含んでもよい。製品は、代替的に容器から吐出されてもよく、当業者に周知の任意の固体、液体、又は気体を含む。容器104は、二酸化炭素、ヘリウム、水素、ネオン、酸素、キセノン、亜硝酸塩、又は窒素を含む液化、非液化、又は溶解され得る圧縮ガスなどの任意のタイプの加圧又は非加圧製品を含んでもよい。容器104は、あるいは、アセチレン、メタン、プロパン、ブタン、イソブテン、ハロゲン化炭化水素、エーテル、液体石油ガス又は別名LPGとして知られるブタンとプロパンの混合物、及び/又はそれらの混合物を含む任意の種類の炭化水素ガスを含むことができる。従って、製品吐出システム100は、任意の数の異なる製品を吐出するように適合される。
【0014】
容器104及び/又はオーバーキャップ組立体102は、ポリマー、プラスチック、アルミニウムのような金属、アルミニウム合金、又は錫メッキ鋼、ガラス、セルロース系材料、積層材、リサイクル材、及び/又はこれらを組み合せた物質などの同一又は異なる物質の複数のレイヤを含む任意の物質で各々製造されてもよい。容器104及び/又はオーバーキャップ組立体102は、様々な周知のポリマー材料で形成されることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、結晶質PET、非晶質PET、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリ(スチレン:アクリロニトリル)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレン(PEN)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、PET単独重合体、PEN共重合体、PET/PEN樹脂ブレンド、PEN単独重合体、オーバーモールド熱可塑性エラストマ(TPE)、フルオロポリマー、ポリスルホン、ポリイミド、アセチルセルロース、及び/又はこれらの組み合わせで形成されてもよい。容器104は、構造的に容器104をより強化するとともに、容器104を過酷な化学物に対して耐性をもたせるように、内部及び/又は外部ライニング又はコーティングを含むことをさらに想定できる。ライニング及び/又はコーティングは、前述のポリマー材料のいずれか1つで製造されてもよく、エチレンビニルアルコール(EVOH)で製造されてもよい。容器104は、不透明、半透明、又は透明であってもよい。
【0015】
図2に最もよく示されるように、容器104は、下端部116と、容器104の肩部120で終端する実質的に円筒状の本体118を含む。代替的に、容器104は、実質的にテーパ状の本体118を含む任意の他の形状の本体を含んでもよい。ネック122は、肩部120に隣接し、シーム、ビード、又は突出部128の下に配置される。突出部128は、本実施形態では丸みのある角によって画定され、オーバーキャップ組立体102を容器104に取り付けることができる位置を提供する。本開示の容器104は、本体118、肩部120、ネック122、及び/又は突出部128の部分に外部的又は内部的にクリンプ(crimp)される特徴部を含む、従来のエアゾール容器であってもよい。例えば、
図2に示すように、装着カップ又はクラウン130(crown)は、突出部128の上の容器104に外部的にクリンプされてもよい。突出部128は、内部的又は外部的にクリンプされた部分の一部である必要はなく、オーバーキャップ組立体102を保持及び/又は係合するのを補助するために、代替的に成形、押し出し、そうでなければ接着剤又は粘着剤によって容器104に追加することができる。また、突出部128は、クラウン130に超音波溶接、スピン溶接、又はレーザ溶接されてもよい。
【0016】
さらに
図2を参照すると、ネック122及び突出部128は、容器104の終端部132(finish)を形成する。終端部132は、概ね円形であり、クラウン130で終わる。容器104のクラウン130は、概ね平坦な表面134を含み、平坦な表面134は、ペデスタル136によって遮断される。ペデスタル136は、クラウン130の中心部分138から上方に延びている。従来のバルブ組立体(詳細には図示せず)は、バルブステム140を含み、バルブステム140は、容器104内に配置されるバルブスプリング(図示せず)及びバルブホディ(図示せず)に接続される。バルブステム140は、ペデスタル136を介して上方に延び、遠位端部142は、ペデスタル136から上方に延び、オーバーキャップ組立体102内に配置された作動部110と相互に作用する。長手方向軸Aは、バルブステム140を介して延びている。
【0017】
異なるタイプの容器104又はボトルが本明細書に開示されたオーバーキャップ組立体102と共に使用され得ることも考えられる。現在開示されているオーバーキャップ組立体102は、小さな設置面積を有する容器に対して特別な利点を有するが、本オーバーキャップ組立体は、他のタイプの周知の容器と共に使用することができると考えられる。さらに、このような容器は、エアゾール物質又は流体を保持するように適合された任意のタイプの容器を広く包含し、独立型容器(standalone container)及び/又はベース又は他の吐出ハウジングとしての使用に適用してもよい。
【0018】
図3に最もよく示されるように、使用前に、作動部110は、バルブステム140の遠位端部142と流体連通するように配置される。ユーザは、手動又は自動的に作動部110を操作してバルブ組立体を開口し、これにより容器104の内部144と大気との間の圧力差を生じさせ、容器104の内容物を押し出して、バルブステム140のオリフィス146を通り、オーバーキャップ組立体102を介して大気中に放出する。
【0019】
次に、
図4〜
図9を参照すると、オーバーキャップ組立体102がより詳細に記載されている。オーバーキャップ組立体102のハウジング108は、前方部分200及び後方部分202を有するものとして画定される。ハウジング108は、下縁部208から上方に延びる下部側壁206を含む切頭円錐台形状の下部本体204を含む。
図10及び
図11に示すように、下部側壁206の下縁部208は、概ね円形であり、ハウジング108の下部開口210を画定する。下部側壁は、任意にリップ(lip)を含んでもよい。再び
図4〜
図9を参照すると、下部側壁206は、上向き及び内向きにテーパし、一連の肩部212a,212bを含む。肩部212a,212bは、丸い形であるが、例えば、実質的に直角を含む任意の形状を有してもよい。肩部212a,212bの間には、ハウジング108の上部本体214に下部本体204を接続する1つ以上の中間壁が設けられている。上部本体214は、上部肩部218に向かって内側にテーパする上部側壁216を含む。上部肩部218もまた、丸みを帯びて頂壁220に隣接する。頂壁220は、上部開口222を含む。頂壁220の前部224は、上部開口222の周りに配置され、概ね軸Aに垂直である。頂壁220の後方部226はまた、上部開口222の周りに配置され、前部224及び上部開口222から下向き及び外向きに傾斜している(
図6参照)。上部開口222は、以下でより詳細に記述されるように、作動部110の一部を受け入れる。ハウジング108は、ハウジング108の前方部分200に隣接して上部側壁216に配置された吐出オリフィス228をさらに含み、これは、ハウジングを介して外側へ製品の放出を許容する。
【0020】
図10を参照すると、ハウジング108の下部開口210は、容器104の部分を受容するための下縁部208に隣接して位置するように示されている。
図10〜
図14に最もよく示されるように、ハウジング108は、ハウジング108の下部側壁206の内面302の周りに配置された外側に延びる複数の固定リブ300を含む。固定リブ300は、最も長い部分が下縁部208と実質的に平行になるように配向されている。複数の直線突出部304は、固定リブ300の間に配置され、容器104に対するオーバーキャップ組立体102の回転を制限するように、及び/又はオーバーキャップ組立体102と共に使用するための異なる容器サイズの変更を可能にするように適合される。好ましい実施形態では、突出部304は、容器104のクラウン130の外径とのわずかなインターフェース(light interface)を有するため、突出部304は、容器104に対するハウジング108の回転を制限する。突出部304はまた、より大きい直径(即ち、ハウジングの直径と実質的に同じ直径)を有する容器がオーバーキャップ組立体102のハウジング108内に挿入される場合、ハウジング108の下部側壁206上の圧力を緩和し得る。
【0021】
下部側壁206の内面302は、オーバーキャップ組立体102の中心に向かって半径方向に内側に延びる、等間隔に離隔した複数の第2ガイドリブ306をさらに含む。第2ガイドリブ306は、互いに実質的に平行であり、固定リブ300の下に設けられる。好ましい実施形態では、等しい数のリブ300,306が設けられ、それぞれの第2ガイドリブ306は、対応する固定リブ300の中央部分308と実質的に整列している。オーバーキャップ組立体102の上部側壁216の内面302はまた、オーバーキャップ組立体102の中心に向かって半径方向内側に延びる細長い第3安定化リブ312を含む。第3安定化リブ312は、実質的に互いに平行であり、固定リブ300の上方に設けられる。好ましい実施形態では、第2ガイドリブ306が存在する数よりも、第3安定化リブ312は、1〜2倍存在する。
図10〜
図14を参照すると、第3安定化リブ312の一部は、一般に第2ガイドリブ306と整列し、残りの第3安定化リブ312は、一般に直線突出部304と整列する。
【0022】
図15に最もよく示されるように、容器104上にオーバーキャップ組立体102が配置され、容器の突出部128は、固定リブ300と第3安定化リブ312との間に配置された環状間隙314にスナップフィット方式によって適切に保持される。容器104にオーバーキャップ組立体102の取り付けを助けるために、任意の数及びのサイズのリブ300,306,312が側壁206,216の内面302を囲むように含まれてもよい。代替的に、当技術分野で知られているようにオーバーキャップ組立体102を容器104に固定するために、他の方法が使用されてもよい。
【0023】
第3安定化リブ312はまた、オーバーキャップ組立体102の保持を可能にするためにオーバーキャップ組立体102に追加的な構造的完全性を提供してもよい。特に、第3安定化リブ312の底面316は、容器104の周囲のハウジング108の上部に加えられる力を分散させるのを補助するために、容器104の部分と相互に作用する。また、第3安定化リブ312は、キャッピング工程の間及び/又は後で、オーバーキャップ組立体102を適所に整列及び配置するのを助け、組立体102のトップロード(top−load)及び落下性能(drop performance)を増加させることができる。このような整列補助は、作動部110がバルブステム140上に正確に位置決めするように保障する。
【0024】
図12〜
図14を参照すると、内壁318は、上部開口222を画定するのを助けるハウジング108の頂壁220に隣接するように設けられる。ハウジング108の内壁318及び上部側壁216は、吐出オリフィス228によってハウジング108の前方部分200で遮断される。吐出オリフィス228は、上部側壁216内の開口部320及び内壁318内のホール322によって画定される。図示した実施形態では、上部側壁216の開口部320はレーストラック形状であり、内壁318のホール322は切頭状のレーストラック形状である。しかし、開口部320及びホール322の両方は、楕円形、正方形、三角形、長方形、円形、又は他の任意の形状のような他の形状又は切頭形状を有してもよい。内壁318のホール322の上端部324は、後述するように作動部110の好ましくない上方への垂直移動又は回転を防止するための停止部として機能する。開口部320及びホール322の形状は、ハウジング108の所望する機能に応じて、類似していてもよく、異なっていてもよい。
【0025】
図13及び
図14にさらに示されるように、ハウジング108の内壁318は、複数の第3支持リブ312の一部に取り付けられている。
図15に示すように、内壁318は、ハウジング108の後方部分202に沿って配置されたノッチ326をさらに含む。ノッチ326は、内壁318内に形成された切り欠き(cutout)であってもよく、ノッチ326は、内壁318及び1つ以上の安定化リブ312の1つ以上の表面の組み合わせによって画定されてもよい。図示した実施形態では、ノッチ326は、内壁318の下壁縁部328及び2つの安定化リブ312によって画定される。ノッチ326は、ホール322と関連して上述したような作動部110の好ましくない上方への垂直移動又は回転を防止するための停止部として作動し、以下にてより詳細に説明される。再び
図13及び
図14を参照すると、内壁318の下壁縁部328は、一般に内壁318の下部境界を形成する。下壁縁部328は、内壁318の好ましい構造的特性及びハウジング108を形成するのに使用される所望量の材料によって角度が付けられてもよく、一般に水平であってもよい。
【0026】
さらに
図13及び
図14を参照すると、2つの類似の形状の細長いフランジ330a,330bがハウジング108の内壁318から下方に延びている(330bについては
図20及び
図21参照)。フランジ330a,330bは、第1端部332において内壁318に取り付けられている。フランジ330a,330bの第2端部334は、内壁318から離間している。好ましい実施形態では、フランジ330a,330bの第1端部332は、ハウジング108の前方部分200及び後方部分202が交差する内壁318に接続される。フランジ330a,330bは、下方に延びており、特定の例示的な実施形態では、オーバーキャップ組立体102の中心に向かってわずかに内側に延びている。フランジ330a,330bは、各々突出部336a,336bを備える。突出部336a,336bは、フランジ330a,330bの第2端部334に配置され、オーバーキャップ組立体102の中心に向かって内側に突出する。
【0027】
突出部336a,336bは、頂面338、側面340、傾斜面342、及び底面344を含む。突出部336a,336bの頂面338は、概ね平面であり、ハウジング108の頂壁220の前部224と平行する。突出部336a,336bの頂面338は、フランジ330a,330bの停止面346と交差し、オーバーキャップ組立体102が作動状態にあるときに作動部110を受容するように形成されており、以下に詳しく説明される。頂面338は、頂面338にほぼ垂直な側面340と交差する。側面340は、傾斜面342と交差する。傾斜面342は、突出部336a,336bの底面と交差するようにオーバーキャップ組立体102の中心から下向き及び外向きに延びる。フランジ330a,330bの後面348(
図20及び
図21参照)は、突出部336a,336bの底面344から内壁318の内側350まで上方に延びる。内壁318の内側350は、ハウジング108の頂壁220の下側352と交差するように上方に延びる。フランジ330a,330bの面346,348及び突出部336a,336bの面338,340,342,344は、代替の構成を有してもよく、突出部336a,336b及びフランジ330a,330bから完全に除外されてもよい。
【0028】
図20に示すように、間隙354は、フランジ330a,330bのそれぞれの後面348と上部側壁216の内面302との間に形成される。間隙354は、オーバーキャップ組立体102の組立中及び作動工程中の両方において、フランジ330a,330bが撓んでヒンジとして作用することを可能にする。間隙354の最小幅は、好ましくは少なくとも約0.2mmである。特定の例示的な実施形態では、間隙354の好ましい範囲は、約0.2mm〜約8mm、より好ましくは約0.8mm〜約5mm、最も好ましくは約1mmである。間隙354の間隔は、本明細書で説明したようにガイド機能を依然として提供し、フランジ330a,330bの適切な撓みを許容するように特に寸法決めされる。間隙354のサイズは、本明細書に記載の利点が実現されるように、適切なサイズに調整され得る。容器サイズ、オーバーキャップのサイズ、吐出される製品のタイプ、作動部のサイズ、構成要素の製造物質など、様々な製造上の考慮事項を考慮に入れることができる。
【0029】
好ましい実施形態では、容器104のネック122は、約17mm〜約40mm、又は約25mm〜約35mm、又は約29mmの直径を有する。また、突出部128の最も外側の縁は、好ましくは、軸Aを介して約20mm〜約40mm、又は約25mm〜約35mm、又は約33mmの直径を有する。また、クラウン130は、好ましくは約20mm〜約40mm、又は約25mm〜35mm、又は約33mmの直径を有する。また他の実施形態では、バルブステム140は、容器104の平面の表面134から(又はバルブステムが延びるペデスタルの上端部から)バルブステム140の遠位端部142に向かって、約5.0mm〜約8.5mm、又は約5.49mm〜約8.15mm、又は約7.0mmの高さを有する。さらに、許容可能な製造公差又は容器の使用に対するバルブステム高さの変化によってバルブステム高さに変動があり得、例えば、圧縮ガスを有する容器は、その寿命期間においてバルブステム高さが約1mm減少する。また、バルブステム高さの変動は、従来のヒンジシステムに問題を引き起こし、それにより、本発明のオーバーキャップソリューションが有利であるというさらなる理由が提供される。
【0030】
図16〜
図21を参照すると、作動部110は、オーバーキャップ組立体102に関連する上述の材料のうちの任意の1つから製造され得るボタン400を含む。ボタン400は、垂直管路402(
図18〜
図21参照)及び水平管路404(
図18及び
図19参照)を含む。管路402,404は、同様に、オーバーキャップ組立体102と関連する前述した材料のうちの任意の1つで製造されてもよい。ボタン400は、垂直管路402及び水平管路404と一体である。水平管路404は、接合部406で垂直管路402と流体連通する(
図18及び
図19参照)。垂直管路402は、吐出システム100の使用中に容器104のバルブステム140と流体連通する。垂直管路402は、容器104のバルブステム140を受容するための大きさの入口オリフィス408を含む。
【0031】
さらに、
図16〜
図21を参照すると、ボタン400及び/又は管路402,404は、同一の材料で製造されてもよく、異なる材料で製造されてもよい。例えば、1つの特定の実施形態において、管路402,404が同一の材料で形成されることも考慮され得るが、管路402,404のうちの一方又は両方の1つ以上の部分が管路の柔軟性を変更するために、異なる物質で形成できる点もまた考慮され得る。管路402,404の他の部分は、異なる物質で形成されてもよく、同一の物質で形成されてもよい。作動部110の垂直作動中に、管路402,404のうちの一方又は両方が撓みを有していないか、又はある程度の撓みを有することが好ましいことがある。代替的に、管路402,404のより広範囲の動きを可能にするより大きな容器の設置面積を有するという観点から、ある程度の撓みを有することが望ましい場合がある。撓みは、管路402,404の一方又は両方に使用される物質の結果であってもよく、撓みは、同一の物質が使用されるために同一であってもよく、又は使用される物質が異なる、又は管路402,404を構成する物質の厚さが異なる、又は管路402,404の交差点に位置する薄いヒンジ部分の可能性によって異なってもよい。入口オリフィス408は、流体が管路402,404を介してノズル出口又は放出管路412まで延びる通路410を通過することを可能にする(
図18及び
図19参照)。放出管路412は、環状に構成され、ポストのような外側部分414及び内側部分416を含む。放出管路412は、ノズルインサート112を適合するように受容する。ノズルインサート112は、当業者に周知の複数の構成で形成されてもよい。ノズルインサート112は、放出流体を、用途に適したスプレーパターン及び粒子サイズのミストに分解することを補助するために、任意の数のチャネル、リブ、又は、その他の構造を備えてもよい。
【0032】
また、ノズルインサート112は、1つ以上の下流凹部と流体連通する流体放出を補助する渦流室を含んでもよい。また、ノズルインサート112は、1つ以上の特性を流体に付与してもよい。このような特性は、流体の粒子サイズ、流体のスプレーパターン、流体の速度、流体の放出速度、又は、流体の任意の他の物理的又は化学的特性の変更を含むが、これらに限定されることはない。使用時、流体は、通路410から放出管路412に流れる。その後、流体は、放出管路の環状通路に進入し、ノズルインサート112の出口端部424に配置された出口又は出口オリフィス422を介して放出される。他の実施形態では、出口オリフィス422は、ノズルインサート112上に配置されず、むしろ、出口オリフィス422は、作動部110の一部である。出口オリフィス422は、一般に円形の形状であるが、任意の他の幾何学的形状であってもよい。当技術分野で知られているように、様々な異なる構成要素が通路410又はノズルインサート112に任意に含まれて流体に影響を及ぼすことができる。
【0033】
図16及び
図17を参照すると、作動部110は、丸みのある角430でボタン400と交差する外壁428を含む。作動部110の外壁428は、作動部110の周辺を囲み、その前方端部432でノズル管路412と交差する。外壁428は、下縁部434を含む。作動部110は、その前方端部432の反対側に位置する後方端部436をさらに含む。タブ438は、作動部の後方端部436において作動部110の下縁部434から外方に突出している。タブ438は、一般に作動部110の外壁428に垂直である。タブ438は、後述するように作動部110の上方への垂直移動を防止するように、ハウジング108のノッチ326によって受容されるように形成される。オーバーキャップ組立体102が組み立てられると、タブ438は、隣接する安定化リブ312によって両側に境界が定められ、これはハウジング104の作動部110の回転運動を制限する。タブ438は、1つの単一部品(piece)であってもよく、複数の部品であってもよい。タブ438は、作動部110の外壁428の下縁部434に沿った任意の点に、又は他の実施形態では、下縁部434から遠い点に配置されてもよい。また、タブ438は、作動部110から分離可能な別の部品であってもよい。
【0034】
好ましい実施形態では、ボタン400の直径は、約5mm〜約50mm、又は約10mm〜約40mm、又は約15mm〜約35mm、又は約20mmである。ハウジング108の下縁部208からハウジング108の頂壁220の前部224まで測定されたハウジング108の高さは、約46mm、又は約25mm〜約70mmである。ハウジング108の下縁部208の直径は、好ましくは約40mm、又は約40mm〜約70mmである。
【0035】
さらに、
図16及び
図17を参照すると、作動部110は、ノズルインサート112又はハウジング108なしで示されている。作動部110は、作動部110の左側部分442及び右側部分444上に各々位置する左側スロット440a(
図20又は
図21に示す)及び右側スロット440bを含む。スロット440a,440bは、前方ガイド面448、側方ガイド面448、後方ガイド面450及び停止面452によって画定される。側方ガイド面448は、一般に作動部110の外壁428と平行であるが、作動部110の外壁428からオフセットしている。前方ガイド面446、停止面452及び後方ガイド面450は、側方ガイド面448からほぼ垂直に外側に延びている。オーバーキャップ組立体102の使用中に、前方ガイド面446は、ハウジング108の前方部分200の方向に配置され、後方ガイド面450は、ハウジング108の後方部分202の方向に配置される。スロット440a,440bは、一般にハウジング108の突出部336a,336bを受容するように形成され、作動部110の軸Aに対する実質的に下方に垂直移動及び回転を防止する。具体的には、スロット440a,440bの停止面452は、停止部として作用し、突出部336a,336bの頂面338とそれぞれ係合し、以下詳しく説明するように、作動状態の間に作動部110の不注意な下方への垂直移動を防止する。軸Aに対する作動部110の実質的な回転を防止するために、作動部110のスロット440a,440bの前方ガイド面446は、ハウジング108の突出部336a,336bの前面454(
図13参照)と係合し、作動部110のスロット440a,440bの後方ガイド面450は、ハウジング108の突出部336a,336bの背面456(
図14参照)と係合する。
【0036】
オーバーキャップ組立体102を動作可能な状態にするために、作動部110は、ハウジング108のノッチ326と整列する作動部110のタブ438とハウジング108の下部開口210を介してスライドし、作動部110のスロット440a,440bは、突出部336a,336bに各々整列する。整列後、作動部110は上方に押され、作動部110の丸みのある角430はハウジング108の突出部336a,336bの傾斜面342と係合する。作動部110が突出部336a,336bの傾斜面342に押し付けられることにより、突出部336a,336bは作動部110が
図21に示すようになるまで、オーバーキャップ組立体102の中心から遠ざかるように外側に押し出され、ハウジング108の突出部336a,336bは、作動部110のスロット440a,440b内に配置される。作動部110をハウジング108に係合させた後、放出管路412は、ハウジング108のレーストラック形状の開口部320の中心に位置合わせする。放出管路412がそのように配置されると、ノズルインサート112は、放出管路412内に嵌合する。オーバーキャップ組立体102内の作動部110の固定は、容器104がオーバーキャップ組立体102に整合するようにし、組立工程の間に適切な整列を提供し、作動部110又はバルブステム140の位置ずれ又は破損の可能性を低減し、キャッピング操作中の偶発的な作動を防止する。
【0037】
組み立てられたオーバーキャップ組立体102は、その後、上述したのと同様の方式で容器104上に載置して保持され、即ち、ハウジング108のリブ300,306,312は、容器104の突出部128と相互作用して、オーバーキャップ組立体102を容器104にスナップフィット方式によって固定される。この状態では、作動部110のボタン400は、ハウジング108を介して上方に延び、ハウジング108の頂壁220に配置された上部開口222を介して外に出る。適切に載置されると、ボタン400は、上部開口222を介して上方に延び、ユーザが作動工程を達成するために圧力を加えることができる表面を形成する。さらに、この状態では、容器104のバルブステム140は、入口オリフィス408内に載置され、入口オリフィス408及びバルブステム140を画定する表面は、それらの間に実質的に流体に密なシールを提供する。バルブステム140、リブ300,306,312及び作動部110の寸法及び位置は、垂直管路402とバルブステム140との間の適切な流体シールを保持し、作動部110が吐出オリフィス228との位置ずれを防止する。従来のオーバーキャップ構造では、製造公差が変化すると、典型的にオーバーキャップ組立体の欠陥が生じ、先に述べた構成要素の整列は、構成要素の破損、容器の早期放出、又は不適切なスプレー角を引き起こした。例えば、従来のオーバーキャップのバルブステムは、オーバーキャップが設計された高さより大きい構成要素で製造された場合、容器上にオーバーキャップを載置すると、バルブステム又は作動部が破損したり、容器の内容物が偶発的に放出されたりし、又は、吐出オリフィスの位置ずれが発生して、不適切な角度でスプレーされたり、オーバーキャップ自体の中にスプレーされたりすることがある。
【0038】
作動部110がハウジング108内に挿入されてその内部に保持されるとき、様々な利点が吐出システム100によって実現される。特に、ハウジング108内の作動部110の固定は、ボタン400をハウジング108の頂壁220の前方部分200の下に配置するようにし、ユーザによるボタンの持ち上げを実質的に防止する。また、作動部110は、浮動式作動部として動作するため、オーバーキャップ組立体102のセットアップは、広範囲のバルブステム高さを補完し、それにより、広範囲のボトル又は容器をオーバーキャップ組立体102と共に使用することを可能にする。
【0039】
使用時には、流体は作動部110に力を加えることによって吐出システム100からスプレーされる。力は、作動部110を垂直方向に移動させ、入口オリフィス408を非作動位置から作動位置に移動するようにする。好ましい実施形態では、作動部110は、非作動位置から作動位置まで約0.5mm〜約10mm、又は、約1mm〜約8mmの間で移動する。作動部110から力が除去されると、入口オリフィス408は、非作動位置に戻る。作動部110は、容器104内のバルブ組立体を閉鎖するために、バルブスプリングによって上方に移動するバルブステム140の力によって非作動位置に移動する。
【0040】
図18〜
図21を参照すると、オーバーキャップ組立体102は、非作動状態(
図18及び
図20参照)及び作動状態(
図19及び
図21参照)の断面として示されている。
図19及び
図21に示されたオーバーキャップ組立体102は、完全に作動した状態として示されている。しかし、容器及び/又はバルブステム、及びそれに伴うバルブ組立体の許容誤差又は特定の特性に応じて、
図18及び
図20(非作動)及び
図19及び
図21(完全に作動)に示された2つの位置の間で、ある程度作動部を下方へ加圧することによって、スプレーが完全に又は部分的に実行することも可能である。しかし、作動部110とハウジング108の機能及び相互作用を説明する目的において、「作動状態」という用語は、
図19及び
図21に示したオーバーキャップ組立体102と関連して、実際にオーバーキャップ組立体102が完全に作動状態した状態を示す。
【0041】
図18及び
図19に示した断面図を参照すると、吐出システム100の作動部110のボタン400に力を加えると、作動部110が非作動状態(
図18)から作動状態(
図19)に移動する。作動部110が非作動状態から移動されると、作動部110の出口オリフィス424は、第1位置から第2位置に移動する。
図18に示すように、オーバーキャップ組立体102が非作動状態にあるとき、放出管路412の部分は、ハウジング108の内壁318のホール322を画定する表面と接触又は係合する。また、作動部110のタブ438は、ハウジング108の内壁318のノッチ326を画定する表面と接触又は係合する。ユーザが作動部110のボタン400を押して作動部110を非作動状態から作動状態に移動するときまで、作動部110は、バルブスプリング(図示せず)の力によって非作動状態を保つ。
【0042】
ここで
図19を参照すると、作動状態で垂直下方に移動した作動部110が示されている。作動部110が非作動状態から作動状態に移動する間に、ノズルインサート112の出口オリフィス424は、ハウジング108のレーストラック形状の開口部320と実質的に整列するように配置される。非作動状態及び作動状態の間で、容器104のバルブステム140と入口オリフィス408との間に実質的に流体に密な接続が保たれる。
図19に示すように、作動部110が作動状態に押し下げられると、放出管路412は、それ以上ハウジング108の内壁318のホール322を画定する表面と接触又は係合しない。また、タブ438は、それ以上ノッチ326を画定する表面と接触又は係合しない。ユーザが作動部110のボタン400を解放して作動状態(
図19)から非作動状態18に作動部110の垂直移動を許容するまで、作動部110は、ユーザの下向きの力によって作動状態を保つ。
【0043】
次に、
図20及び
図21を参照すると、オーバーキャップ組立体102の前方断面図が示され、オーバーキャップ組立体102は、
図20で非作動状態、
図21で作動状態が示されている。
図20に示すように、オーバーキャップ組立体102が非作動状態にあるとき、作動部110のスロット440a,440bの停止面452(
図17参照)と、ハウジング108の突出部336a,336bの頂面338(
図13参照)との間に設置面積458が形成される。上述したように、放出管路412がホール322の上端部324を画定する表面と係合し、作動部110のタブ438がノッチ326を画定する表面と係合することによって、作動部は非作動状態に保たれる。また、上述したように、ユーザが作動部110のボタン400を押し下げて作動部110を非作動状態から作動状態に移動させる時まで、作動部110は非作動状態に保たれる。
【0044】
ここで
図21を参照すると、作動状態で垂直下方に移動した作動部110が示されている。作動部110が非作動状態から作動状態に移動する間に、ハウジング108の突出部336a,336bは、作動部110のスロット440a,440bの前方ガイド面446と後方ガイド面450との間に実質的に保たれる。
図21に示すように、作動部110が作動状態に押し下げられると、作動部110のスロット440a,440bの停止面452と突出部336a,336bの頂面338とが係合する。スロット440a,440bの停止面452(
図17参照)と、突出部336a,336bの頂面338(
図13参照)との係合は、作動部110の好ましくない下方への垂直移動を防止する。ユーザが作動部110のボタン400を解放して、作動部110を作動状態(
図21)から非作動状態(
図20)に戻るのを許可するまで、作動部110は作動状態に保たれる。
【0045】
上述したように、相対的に小さい設置面積を有する容器は、内部に配置された作動機構、例えばヒンジ及び他の回転式機構により作動のためのより大きい範囲の移動を必要とする先行技術のオーバーキャップ組立体と互換性がない。実際に、そのような容器のより小さい設置面積、例えばより小さい容器のネックは、ネックの周辺境界を越えて延長できず、このような設置面積におけるヒンジ又は回転式機構の利用を排除する。本明細書に開示されたシステムは、ユーザによる力が加えられたときに、オーバーキャップ組立体を作動させるために利用可能な限られた構成要素によって、40mm以下のネック直径を有する容器に最適である。本明細書に開示されたオーバーキャップ組立体は、比較的小さいネックを有する容器、即ち40mm以下のネック直径を有する容器と共に使用するように設計されているため、比較的に限定された範囲の作動角度が可能である。しかし、本明細書に開示されたオーバーキャップ組立体102は、非垂直バルブ組立体を有する容器又は作動のための角運動を必要とするバルブステムを有する容器と整合し得ることが考慮される。また、本オーバーキャップ組立体の教示は、より小さい設置面積を有する容器に特に有益であるが、本実施形態は、任意のサイズの容器と共に使用することができる。
【0046】
本明細書で説明された実施形態は、いずれも異なる実施形態と関連して開示された任意の構造又は方法論を含むように変形され得る。さらに、本開示は、具体的に示される形態のエアゾール容器に限定されない。また、本明細書に開示された実施形態のいずれかのオーバーキャップは、任意のタイプのエアゾール又は非エアゾール容器と共に作動するように変形されてもよい。
【0047】
前述の説明を考慮することにより、本発明に対する複数の変更は当業者に明らかであろう。従って、これらの説明は単なる例示に過ぎないと解釈されるべきであり、当業者が本発明を実施し使用することを可能にし、同じことを実施する最良のモードを教示するために提示される。添付の特許請求の範囲の範囲に含まれる全ての変更に対する排他的権利は留保される。