特許第6890606号(P6890606)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890606
(24)【登録日】2021年5月27日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】ハイブリッドX線及びガンマ線撮像システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20210607BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   A61B6/00 370
   A61B6/00 300D
   A61B6/00 300X
   G01T1/161 B
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-545498(P2018-545498)
(86)(22)【出願日】2017年2月16日
(65)【公表番号】特表2019-510559(P2019-510559A)
(43)【公表日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2017053456
(87)【国際公開番号】WO2017148706
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2019年12月6日
(31)【優先権主張番号】16158500.5
(32)【優先日】2016年3月3日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィークゾレク ヘルフリード カール
(72)【発明者】
【氏名】ゲディケ アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ステージフース ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブス ヨハネス ウィルヘルムス マリア
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−202976(JP,A)
【文献】 特表2011−502567(JP,A)
【文献】 特開2013−228226(JP,A)
【文献】 特開2008−173297(JP,A)
【文献】 特開2004−181204(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0207526(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102011083853(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0084961(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
A61B 6/03
G01T 1/161
G01T 1/164
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源と、
X線検出器と、
X線Cアームと、
単一のガンマカメラと、
ガンマカメラ支持構造体と、
を含み、
前記X線源と前記X線検出器との間の進路に沿ってX線透過率を測定するために、前記X線源は前記X線Cアームの第1の部分に取り付けられ、前記X線検出器は前記X線Cアームの第2の部分に取り付けられ、前記単一のガンマカメラは、前記ガンマカメラ支持構造体によって画定される線形軌道に沿って移動可能であり、前記線形軌道は、前記単一のガンマカメラが前記X線源と前記X線検出器との間の前記進路内に配置可能であるように、前記X線源と前記X線検出器との間の前記進路と交差する、医用撮像装置。
【請求項2】
X線Cアーム支持体を更に含み、
前記X線Cアームは、前記X線Cアームの並進又は回転の少なくとも一方のために、前記X線Cアーム支持体に取り付けられる、請求項1に記載の医用撮像装置。
【請求項3】
前記X線Cアーム支持体及び前記ガンマカメラ支持構造体は、互いに固定された機械的関係に保持される、請求項2に記載の医用撮像装置。
【請求項4】
前記ガンマカメラ支持構造体及び前記X線Cアームは、互いに対して独立して移動可能である、請求項1から3の何れか一項に記載の医用撮像装置。
【請求項5】
患者支持台を更に含み、
前記患者支持台は、前記患者支持台を長さ方向に通る縦軸に沿って並進可能であり、
前記X線源と前記X線検出器との前記進路は、前記縦軸に対して横方向に配置される、請求項1から4の何れか一項に記載の医用撮像装置。
【請求項6】
前記線形軌道及び前記縦軸は、相互に平行である、請求項5に記載の医用撮像装置。
【請求項7】
前記ガンマカメラは、前記患者支持台に対して並進可能である、請求項6に記載の医用撮像装置。
【請求項8】
前記ガンマカメラ支持構造体は、前記患者支持台によって支持される、請求項5から7の何れか一項に記載の医用撮像装置。
【請求項9】
前記線形軌道は、前記縦軸を横方向に交差する平面内に含まれる、請求項5に記載の医用撮像装置。
【請求項10】
前記線形軌道は、前記X線源と前記X線検出器との間の前記進路と、前記X線検出器よりも前記X線源に近い点において交差する、請求項1から9の何れか一項に記載の医用撮像装置。
【請求項11】
前記X線Cアームは、X線Cアーム軸の周りの回転用に構成され、
前記X線Cアーム軸と前記患者支持台を長さ方向に通る縦軸とは、相互に平行である、請求項5から9の何れか一項、又は、請求項5を直接的若しくは間接的に引用する請求項10に記載の医用撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線及びガンマ量子の検出に関する。本発明は、医療分野、より具体的には、医用撮像及び医学的介入の分野に応用され、例えば関心領域のX線画像及び対応する核画像を提供するために使用される。
【背景技術】
【0002】
様々な医用撮像手順において、関心領域のX線画像及び核画像の両方を提供することが有益である。X線画像は、通常、関心領域の生体構造を示す構造情報を提供する。核画像は、本明細書では、物体内の放射性追跡子分布を示す画像を意味するものとして規定され、検出されたガンマ量子に基づいて生成される。核画像は、例えばガンマシンチグラフィ又はSPECT画像であり、通常、関心領域に関する機能情報又は生理学的情報を提供する。当該2つの異なる画像タイプは一緒に使用されて、医学的検査時の基礎病理の特定を向上させる。
【0003】
様々な医学的処置も、X線撮像及び核撮像の組み合わせから恩恵を受ける。選択的内部照射療法、即ち、SIRTは、そのような医学的手順の1つであり、放射線を用いてがんを治療する。SIRTは、しばしば、切除不能のがん、即ち、外科的に治療できないがんに使用され、腫瘍に供給する動脈への放射性物質のマイクロスフィアの注射を伴う。肝腫瘍又は転移がんが、しばしば、このやり方で治療される。しかし、当該治療を行う際、潜在的な副作用を防ぐために、幾つかのワークフローステップが必要となる。これらのステップには、イットリウム90含有マイクロスフィアの注射前の非定型肺の閉鎖及び胃腸シャントが含まれる。これは、投与されたマイクロスフィアの肝外局在によって引き起こされる可能性のある放射線潰瘍を防ぐ。このために、低侵襲的処置中にX線誘導下でカテーテルベースの血管コイリングが行われる。その後、肺及び胃腸領域の方の残りのシャントレベルは、両方の主の肝動脈にテクネチウム凝集アルブミン(99mTc)、即ち、Tc標識MAAを注射した後に、平面ガンマ撮像が続いて制御される。この処置中、患者は、通常、カテーテル検査室とSPECT撮像室との間を繰り返し移送される。
【0004】
したがって、核画像及びX線画像の両方を提供可能である撮像システムが必要である。
【0005】
米国特許出願公開第2009/0016488A1号は、2つの駆動手段を用いて調節可能であり、いずれの場合にも1つの医用測定システムの保持デバイスとして機能を果たす2つのCアームを有する医用診断システムについて説明している。第1の測定システムは、X線エミッタ及びX線検出器を含み、高空間分解能を有するX線測定システムである。第2の測定システムは、組織機能を視覚化する核医学測定システムである。医学的診断及び介入が、両方の測定システムによって生成された画像情報に基づいて可能である。
【0006】
しかし、医用撮像の分野において、また、医学的処置の分野において、核画像及びX線画像の両方を提供可能である改良型撮像システムが依然として必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、関心領域の核画像及びX線画像の両方を提供可能であるシステムを提供することを目的とする。そこで、医用撮像装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該医用撮像装置は、X線源、X線検出器、X線Cアーム及びガンマカメラを含む。X線源はX線Cアームの第1の部分に取り付けられ、X線検出器はX線Cアームの第2の部分に取り付けられる。X線源とX線検出器とは、X線源とX線検出器との間の進路に沿ってX線透過率を測定するために配置される。更に、ガンマカメラは、X線源とX線検出器との間の進路と交差する軌道に沿って移動可能である。有利には、ガンマカメラは、X線源とX線検出器との間の進路と交差する軌道に沿って移動可能であるため、X線源及び検出器によって生成される画像とガンマカメラによって生成される画像とは密接に対応している。
【0009】
1つの態様によれば、撮像装置は、患者支持台を含む。患者支持台は、患者支持台を長さ方向に通る縦軸に沿って並進可能である。更に、X線源とX線検出器との間の進路は、縦軸に対して横方向に配置される。この配置は、患者支持台によって支えられる物体の周囲の撮像アクセスを向上させる。
【0010】
別の態様によれば、撮像装置において、軌道は、X線源とX線検出器との間の進路と、X線検出器よりもX線源に近い位置において交差する。有利には、この位置において、X線源−X線検出器構成は狭い視野を有するので、連続的なX線−核撮像が、ガンマ検出器の最小限の移動で実現される。更に、同時X線−核撮像も、最小限にオフセットされたガンマ検出器を用いて実現される。
【0011】
本発明の他の態様は、従属請求項によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、X線源111、X線検出器112、X線Cアーム113及びガンマカメラ114を含む医用撮像装置の第1の実施形態を示す。
図2図2は、X線源211、X線検出器212及びX線Cアーム213を含む医用撮像装置の第2の実施形態を示す。
図3図3は、X線源311、X線検出器312、X線Cアーム313、ガンマカメラ314及び患者支持台317を含む医用撮像装置の第3の実施形態を示す。
図4図4は、縦軸418に沿って並進可能である患者支持台417を含み、ガンマカメラ414が、縦軸418を横方向に交差する平面内に含まれる軌道416に沿って移動可能である医用撮像装置の第4の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記されたように、本発明は、関心領域の核画像及びX線画像の両方を提供するシステムを提供し、、医用撮像装置が提供される。
【0014】
図1は、X線源111、X線検出器112、X線Cアーム113及びガンマカメラ114を含む医用撮像装置の第1の実施形態を示す。図1に示されるように、X線源111はX線Cアーム113の第1の部分に取り付けられ、X線検出器112はX線Cアーム113の第2の部分に取り付けられている。X線源及びX線検出器は、X線源とX線検出器との間の進路115に沿ってX線透過率を測定するように配置される。図1におけるX線源−X線検出器構成の視野FOVが、進路115を含む破線によって示される。更に、ガンマカメラ114は、図示されるように、軌道116に沿って移動可能である。例えば軌道116は、レール、伸縮式部材、表面の溝、又は、図1に図示されない別の支持構造体によって画定される。軌道116は、X線源111とX線検出器112との間の進路115と、点Pintにおいて交差する。
【0015】
有利には、ガンマカメラ114は、X線源111とX線検出器112との間の進路115と交差する軌道に沿って移動可能であるため、X線源111及びX線検出器112によって撮像される関心領域ROIと同じ関心領域ROIに対応する核画像を生成するために使用することができる。軌道と経路とが互いに交差するので、核画像とX線画像との密接な対応性が達成される。更に、ガンマカメラがそれ自身の支持構造を有する場合、ガンマカメラとX線Cアームとの独立した動きが実現でき、これにより、位置決めの柔軟性が増加される。
【0016】
好適には、図1におけるX線検出器112は、X線シンチレーション光を生成するX線シンチレータ素子のアレイと、X線シンチレーション光を捕捉する光検出器の対応アレイとを含むフラットパネルX線検出器アレイである。或いは、X線検出器112は、曲面パネル、又は、曲線形状を提供するように円弧の周りに配置された複数のフラットパネルセグメントを含んでもよい。X線源111は、標準的なX線源であってよいが、この位置にデュアルエネルギー源を使用することも想定される。X線Cアーム113は、標準的なX線Cアームであり、固定位置に取り付けられるか、又は、任意選択的に、矢印によって示されるように、その支持体の付近で動くように構成されてもよい。
【0017】
図1の軌道116は、交差点Pintに加えて、軌道に沿って、ガンマカメラがX線源と検出器との間の進路115によって遮られないオフセット位置も含む。これは、例えばガンマカメラが、X線源111−X線検出器112構成の視野FOVから外れた位置にある軌道116の1つの端である。ガンマカメラ114を、交差点Pintとオフセット位置との間で軌道116に沿って移動可能であることによって、異なるビュー、したがって、X線画像と核画像との異なる対応度が実現可能である2つの可能な核撮像位置が提供される。当然ながら、軌道116に沿って追加の核撮像位置も提供される。更に、ガンマカメラは、ガンマカメラがX線源111によって放射された放射X線を遮らないように又は当該放射X線の影響を受けないように、X線撮像中、X線源及びX線検出器の視野FOVから外れたオフセット位置に配置されてよい。
【0018】
使用時、図1の装置は、幾つかの異なるモードで使用される。1つの例示的なモードでは、X線源111−X線検出器112構成を使用して、医学的処置を行うために、関心領域ROIのX線画像の単一ショット又は連続ストリームが生成される。1つのそのような医学的処置は、上記カテーテルベースの血管コイリング処置である。X線誘導下で医学的処置が行われた後、ガンマカメラ114は、軌道116に沿って、軌道116が進路115と交差する点Pintまで動かされる。この位置において、ガンマカメラ114を使用して、X線画像に密接に対応するROIの核画像が生成される。更に、点Pintは、関心領域ROIに近いので、ガンマカメラ114によって、ROIからの多数のガンマカウントが検出される。つまり、より高い分解能の核画像がもたらされる。したがって、この例示的なモードでは、X線画像及び核画像は連続的に生成される。別の例示的なモードでは、X線画像及び核画像は、上記オフセット位置にあるガンマカメラ114と同時に生成される。このモードでは、ROIのX線ビューとガンマカメラビューとは明らかに僅かに異なる。有利には、この同時撮像構造では、最初の設定段階の後、撮像システム位置の更なる調整が不要である。
【0019】
図1に示される軌道以外の他のガンマカメラ軌道が使用されてもよい。図2は、X線源211、X線検出器212及びX線Cアーム213を含む医用撮像装置の第2の実施形態を示す。図2には、ガンマカメラ214、214、214のそれぞれに対応する複数の任意選択的なガンマカメラ軌道216、216、216も示される。例えば軌道216及び216は、それぞれ、任意の軸Y及びXと一直線にされ、軌道216は、ZX平面内にある円弧である。好適な構造では、ガンマカメラ214、214、214のうちの1つによって例示される単一のガンマカメラが使用され、当該カメラは、軌道216、216、216のうちの少なくとも1つに沿って移動可能である。複数のガンマカメラが同様に使用されてよい。図2におけるX線源211及び対応するX線検出器212は、X線源211とX線検出器212との間の進路215に沿ってX線透過率を測定するように配置される。更に、各例示的なガンマカメラ214、214、214は、図示されるように、対応する軌道216、216、216に沿って移動可能である。円弧状軌道216は、例えばレール、伸縮式梁、表面の溝、又は、図1に図示されないCアームによって画定される。各軌道216、216、216は、X線源211とX線検出器212との進路215と、点Pintにおいて交差する。任意選択的に、交差点Pintは、X線検出器212よりもX線源211に近い。有利には、この位置において、X線源−X線検出器構成は狭い視野を有するので、連続的なX線−核撮像がガンマ検出器の最小限の移動で実現される。更に、同時X線−核撮像も、最小限にオフセットされたガンマ検出器を用いて実現される。
【0020】
図3は、X線源311、X線検出器312、X線Cアーム313、ガンマカメラ314及び患者支持台317を含む医用撮像装置の第3の実施形態を示す。X線源311及びX線検出器312は、進路315に沿ってX線透過率を測定するために、X線Cアーム313に配置される。更に、ガンマカメラ314は、軌道316に沿って移動可能である。軌道316は、X線源311とX線検出器312との間の進路315と、点Pintにおいて交差する。更に、患者支持台317は、患者支持台を長さ方向に通る縦軸318を有する。患者支持台317は、縦軸318に沿って並進可能である。更に、X線源311とX線検出器312との進路315は、縦軸318に対して横方向に配置される。患者支持台317は、縦軸318に沿って並進可能であるため、患者支持台によって支えられる物体の周囲の撮像アクセスが向上される。
【0021】
好適には、図3における軌道316及び縦軸318は相互に平行である。これにより、ガンマカメラ314は、患者支持台317によって支えられる物体の位置と一致して動かされ、これにより、例えばライブX線撮像中の患者支持台の移動中に物体の連続核撮像が提供される。1つの構成では、ガンマカメラ314は、任意選択的にガンマカメラ支持構造体を介して、患者支持台317に取り付けられるか又は患者支持台317によって支えられる。これにより、患者支持台317によって支えられる物体の同じ部分が、患者支持台317のその縦軸に沿った並進中に、ガンマカメラ314によって撮像される。これは、物体のガンマ画像が連続的であることによって、即ち、X線撮像中の物体の並進移動中であっても、翻って画質を向上させる。更に、当該支持構成は、患者の動きとガンマカメラの動きとの密接な対応を確実にし、これにより画質が向上される。別の構成では、ガンマカメラ314は、患者支持台317に対して並進可能である。これにより、操作者が、患者支持台317によって支えられる物体の異なる部分を撮像するか、又は、上記されたようにガンマカメラが放射X線を遮らないように又は当該放射X線の影響を受けないように、X線撮像中に、ガンマ検出器314をオフセット位置に移動させることができる。
【0022】
図4は、縦軸418に沿って並進可能である患者支持台417を含み、ガンマカメラ414が、縦軸418を横方向に交差する平面内に含まれる軌道416に沿って移動可能である医用撮像装置の第4の実施形態を示す。したがって、図3と対照的に、図4の構成では、軌道416は、縦軸418を横方向に交差する平面内に含まれる。これは、患者支持台417に配置される物体の核撮像を行うための別のアクセスを提供する。有利には、この構成を使用して、様々な角度位置から縦軸418までの核撮像が提供される。好適には、軌道416は、回転の弧を含む。当該弧を使用して、各撮像中のガンマ検出器414から関心領域内の物体の中心までの距離の変化が低減され、これにより、関心領域における深度に依存する散乱効果が最小限に抑えられる。或いは、軌道416は直線であってもよい。任意選択的に、ガンマカメラ414は、ガンマカメラCアーム421に取り付けられ、回転の弧は、ガンマカメラCアームに沿ったガンマカメラの動きによって画定される。
【0023】
任意選択的に、図3及び図4におけるX線Cアーム313、413は、それぞれ、X線Cアーム軸319、419を中心にX線Cアーム313、413を回転させるX線Cアーム支持体320、420を含む。X線Cアーム支持体は更に、Cアーム自体も回転させる。X線Cアーム支持体320、420は、当該動きを可能とするために、自在軸受、滑り継手又は歯車付きトラックを含む。X線Cアーム軸319、419及び対応する縦軸318、418は、相互に平行である。更に、図3及び図4において、X線Cアーム軸319、419はY軸と平行である。したがって、X線Cアーム支持体320、420は、図示されるXZ平面における回転を実現するために、点線の矢印の方向にX線Cアーム313、413を動かすように使用される。X線Cアーム支持体320、420は、例えばこの動きを実現するために、Cアームに取り付けられる歯と係合する歯付き機構を含む。これを行うことにより、X線カメラ及び核カメラがより柔軟に位置決めされる。本明細書全体を通して使用される「平行」との用語は、厳密に平行であることの約±10度以内又は±5度以内であることを意味することを意図している。
【0024】
更に又は或いは、図3及び図4におけるX線Cアーム313、413は、位置決めの柔軟性を更に向上させるために、図示されるように、X軸の周りの回転用に構成されてもよい。
【0025】
1つの構成では、X線Cアーム支持体320、420及びガンマカメラ支持構造体は、互いに対し固定の機械的関係で保持される。当該構成は、任意の振動が両方の撮像システムに同様に影響を及ぼす傾向があるため、X線源及びX線検出器によって生成されるX線画像と、ガンマカメラによって生成される画像との密接な対応性を提供する。
【0026】
要約するに、医用撮像装置が説明されている。医用撮像装置100では、X線源111とX線検出器112との間の進路115に沿ってX線透過率を測定するために、X線源111がX線Cアーム113の第1の部分に取り付けられ、X線検出器112がX線Cアーム113の第2の部分に取り付けられる。ガンマカメラ114が、X線源とX線検出器との間の進路と交差する軌道116に沿って移動可能である。ガンマカメラが、X線源とX線検出器との間の進路と交差する軌道に沿って移動可能であるため、ガンマカメラを使用して、X線源及び検出器によって撮像される関心領域と同じ関心領域に密接に対応する核画像を生成することができる。
図1
図2
図3
図4