【実施例】
【0049】
以下の実施例において採用される物質は以下の通りである。実施例で使用される各物質はすべて商業源から購入可能なものである。
グラフェン相変化材料の具体的な製造
採用される添加物成分及びそれらの質量比として、カーボンナノチューブ、グラフェン、粒子物、ヒュームドシリカの質量比は1:10:8:1であり、全部添加物と以下の相変化材料の質量比は1:4である。
カーボンナノチューブの純粋度≧95wt%で、灰分≦0.2wt%である。
粒子物はアルミナ(Al
2O
3)とし、その平均粒径が10μmとする。
相変化材料はパラフィンとし、相変化温度が70℃とする。
パラフィンを完全溶解まで加熱して、そして、質量比が1:10:8のカーボンナノチューブとグラフェンと粒子物をパラフィン溶解液中に入れて予め混合させて、均一に混合するまで攪拌した後、穏やかに所定質量のヒュームドシリカを入れて、続いて均一に混合するまで攪拌した後、冷却して、最終の相変化材料を得た。
【0050】
グラフェン含有熱伝導シリコーングリースの具体的な製造
採用される添加物成分及びそれらの質量比はとして、カーボンナノチューブ、グラフェン、粒子物の質量比は1:6:3であり、全部添加物とシリコーンオイルの体積比は6:4である。
カーボンナノチューブの純粋度≧95wt%で、その灰分≦0.2wt%である。
粒子物はパラフィンを包覆した相変化カプセルとし、パラフィンを包覆する材料はアルミナとし、相変化温度は29℃とし、平均粒径は60μmとする。
上記のシリコーンオイルは、25℃の場合は粘度が500000cStであるジメチルシリコーンオイルと水素化シリコーンオイルの混合物とする。
【0051】
製造方法
質量比が6:3のグラフェンと粒子物を少量のシリコーンオイルに添加して予め混合させて、機械的な攪拌の条件で、穏やかに所定質量のカーボンナノチューブに入れながら、常時にシリコーンオイルを所定のシリコーンオイル含有量まで補充した。続いて半時間機械的に攪拌した後、対ローラ式研磨機によって混合物を1時間研磨して、最終の相変化材料を得た。
【0052】
RLCPグラフェン有りフッ素樹脂複合材料の具体的な製造は以下の通りである。
質量比として50%の含フッ素シリコン樹脂(上海薈研新材料有限公司)、40%のアクリル希釈剤、4%の電子移動式有機化合物であるポリプロピレン、1%のグラフェン、1%のカーボンナノチューブ、1%のチタン白粉末、硬化剤として3%のエポキシ樹脂を工程の順次に混合させた後、常温で800−1000回転/分間の条件で均一に攪拌して、目的塗料を形成した。
【0053】
以下の実施例においてRLCPグラフェン有りフッ素樹脂複合材料は以下の方法によってサンフラワー型ヒートシンクの表面に塗布する。
スプレーをしょうとするヒートシンクの表面に対して油除去、汚れ除去のクリーン処理を行って、目的塗料を十分に攪拌した後、スプレーガンに入れて(スプレーガンの圧力は0.4MPaと設定される。)、目的表面に狙って(両者間の距離は10−20cmとする。)、往復して2−3回スプレーを行って、塗料を物体の表面に均一に覆わせるようになる。塗層は均一で明るく、その厚さが要求によって適宜に選択可能である。塗層は12時間かけて自然乾燥し又はオーブンに10分間置くことで快速的に硬化させる。
以下の実施例において使用される光源はCOB光源とする。
【0054】
実施例1
グラフェン含有熱伝導シリコーングリースを含むLEDランプ
比較サンプル:160×70mm雄型のサンフラワー型ヒートシンク及び30Wの集積光源を採用する。光源とステージの間は台灣利民シリコーングリースを介して接続される。チャンパーの内部及び放熱片の表面への処理は行われていない。
実験サンプル:比較サンプルと同じ160×70mm雄型のサンフラワー型ヒートシンク及び比較サンプルと同じ30Wの集積光源を採用する。光源とステージの間は上記グラフェン含有熱伝導シリコーングリースを介して接続される。チャンパーの内部及び放熱片の表面への処理は行われていない。
【0055】
実施例2
グラフェン相変化材料を含むLEDランプ
比較サンプル:上記160×70mm雄型のサンフラワー型ヒートシンク及び上記30Wの集積光源を採用する。光源とステージの間は台灣利民シリカゲルを介して接続される。チャンパーの内部及び放熱片の表面への処理は行われていない。
実験サンプル:上記160×70mm雄型のサンフラワー型ヒートシンク及び上記30Wの集積光源を採用する。光源とステージの間は台湾利民シリコーングリースを介して接続される。放熱片の表面への処理は行われていない。サンフラワー型チャンパーの内部は上記グラフェン相変化材料で充填される。
【0056】
実施例3
グラフェン有りフッ素樹脂材料の塗層を含むLEDランプ
比較サンプル:上記160×70mm雄型のサンフラワー型ヒートシンク及び90Wの集積光源を採用する。光源とステージの間は上記台湾利民シリコーングリースを介して接続される。チャンパーの内部及び放熱片の表面への処理は行われていない。
実験サンプル:上記160×70mm雄型のサンフラワー型ヒートシンク及び上記90Wの集積光源を採用する。光源とステージの間は台湾利民シリコーングリースを介して接続される。チャンパーの内部への処理は行われていない。ヒートシンクの表面に100μmの上記RLCPグラフェン有りフッ素樹脂複合材料がスプレーされている。
【0057】
実施例4
3種類のグラフェン材料の組み合わせを含むLEDランプ
実験サンプル:上記160×70mm雄型のサンフラワー型ヒートシンク及び上記90Wの集積光源を採用する。光源とステージの間は上記グラフェン含有熱伝導シリコーングリースを介して接続される。上記グラフェン相変化材料がサンフラワー型チャンパーの内部に充填され固化された。ヒートシンクの表面に100μmの上記グラフェン放熱塗層がスプレーされている。
【0058】
実施例1〜実施例4における実験サンプルと比較サンプルに対して以下の検測をした。
検測に使用される実験装置は以下である。
1) DRL−III熱伝導係数計
当該装置によってMIL−I−49456A基準に基づいて材料の熱伝導率を検測する。
2) AT4532高精度複数ルート温度測定装置
当該装置によって複数スポットでの温度を同時に且つ即時に監視する。
3) FLIRT420赤外線熱画像装置
当該装置によって夜など暗いところで光源がなくても明確な画像が形成できる。また、非接触モードで温度を測量できる。
【0059】
測定方法
1) グラフェン含有熱伝導シリコーングリースの熱伝導性を直接に測定及び比較する。GB10297−88(非金属固体材料熱伝導係数の測定方法(熱放射線法))を採用する。
2) 実施例1における比較サンプル及び実験サンプルの熱伝導性の測定条件:30Wの集積LEDの集積チップに関して、室温20℃、湿度45%で、電灯源をオン時間として40minオンさせる。
3) 実施例2における比較サンプル及び実験サンプの熱流密度低減効果の測定条件:グラフェン相変化材料の均温性の測定に関して、室温20℃、湿度45%で、基本的に安定であるとき(40min)のチップの温度状況を記録する。
4) 実施例3における比較サンプル及び実験サンプの放射熱交換効果の測定条件:グラフェン放熱塗層の放射降温性の測定に関して、室温20℃、湿度45%で、基本的に安定であるとき(40min)のチップの温度状況を記録する。
5) 実施例4における実験サンプルの放熱状況の測定条件:室温20℃、湿度45%で、基本的に安定であるとき(40min)のチップの温度状況を記録する。
【0060】
以下の通りに測定の結果をまとめる。
GB10297−88方法を採用して実施例に用いられるグラフェン含有熱伝導シリコーングリースと利民シリカゲルの性能を比較する。
【0061】
【表1】
【0062】
40minを経て安定させると、実施例1の実験サンプルの場合は、チップの温度が34.7℃となり、放熱片の温度が34.8℃となる。一方、実施例1の比較サンプルの場合は、チップの温度が36.8℃となり、放熱片の温度が36.8℃となる。利民シリコーングリースの場合に比べると、同じ時間内でグラフェン含有熱伝導シリコーングリースによってはチップの温度が2℃低くなると分かった。これは熱伝導係数測定法に基づいて得られたデータに基本的に一致する。
【0063】
さらに、実施例2の実験サンプルと比較サンプルに対して上記試験の条件に従って測定を行ったところ、40minを経て安定させると、比較サンプルのチップ温度が41℃となり、チップフィンにおける温度差が3℃である一方、実験サンプルのチップ温度がわずか38℃となり、チップフィンにおける温度差がない。
【0064】
さらに、実施例3の実験サンプルと比較サンプルに対して上記試験の条件に従って測定を行ったところ、実施例3の実験サンプルのサンフラワー型放熱システムのチップにおける温度上昇が比較サンプルのチップにおける温度上昇より遅いことが明らかであり、実験サンプルは比較サンプルに比べると、最終の温度が7℃低くなることから、本発明の材料をスプレーした後、システムの放熱能力がより強いとわかった。さらに、実験サンプルの放熱片の表面温度がスプレーしなかった放熱片の表面温度より約3℃高い。また、チップと放熱片の温度差から、実験サンプルの温度差値はすべて1℃程度であるが、比較サンプルの温度差は最大で10.6℃に達した。本発明のグラフェン含有フッ素樹脂材料をスプレーしたサンフラワー型放熱システムはより良好な熱放射能力を具備し、LEDチップ温度を低減させると示唆した。
【0065】
さらに、実施例4のサンプルに対して測定を行う。安定させてから、90Wの集積光源の基板における温度上昇がわずか31.6℃となり、基板温度とヒートシンクの温度最低点との温度差が1℃範囲以内となり、均温性は優れる。
【0066】
本実施例にかかるサンフラワー型ヒートシンクの表面はRLCPグラフェン有りフッ素樹脂複合材料によりコーティングされることで、赤外線放射を増強させることができ、実験結果から、当該塗層を採用すると、放熱効率を明らかに向上させると示される。一般のヒートシンクの表面における放射係数は0.2であるが、グラフェン塗層を加えた後の放射係数は0.7まで増加して、外に対する放射と蓄熱性が大きく強化される。
【0067】
本実施例では、サンフラワー型ヒートシンクのチャンパーにグラフェン有り相変化ナノ蓄熱材料を内蔵している。実験結果から、当該相変化材料を採用すると、ヒートシンクの放熱効率をさらに向上させることができると示される。そして、同じ放熱条件でヒートシンクの体積を縮小させるため、LEDモジュールの組立がより容易になる。
【0068】
本発明に提供される光源モジュールは3種類のグラフェン熱伝導材料を封入し添加することによって、LED全体の熱伝導効率を上昇させ、光効率は従来のナトリウムランプより200%向上し、従来のLEDランプより30%程度向上した。
【0069】
上記のすべてはその主要作用が本知的財産を実施することにあり、本新製品及び/又は新方法を実施する他の形態を制限する意図設定がない。本分野の当業者は本重要情報を利用して、上記内容を修正したりして、類似的な実行を実現することがある。しかし、本発明新製品に基づくすべての修正又は改造は本発明特許請求の範囲に属する。以上の記載は、本発明の好ましい実施例にすぎなく、本発明に対して他の形態を制限するものであらず、本専門の技術に詳しい何らかの者であれば、上記に披露した技術内容を利用して、変更や改変型するなどして均等的変形の等効果実施をする可能性があるが、本発明の技術案の内容を超えないものであれば、本発明の技術的実質に基づき以上の実施例に対する何らかの簡単な修正、均等的変形、及び改変型は、依然として本発明技術案にかかる保護の範囲に属する。