特許第6890752号(P6890752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6890752コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法及びコンテンツ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890752
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法及びコンテンツ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20210607BHJP
   G06Q 40/06 20120101ALI20210607BHJP
【FI】
   G06Q50/18 310
   G06Q40/06
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-215617(P2019-215617)
(22)【出願日】2019年11月28日
(65)【公開番号】特開2021-86440(P2021-86440A)
(43)【公開日】2021年6月3日
【審査請求日】2019年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】592131906
【氏名又は名称】みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】桜井 公人
(72)【発明者】
【氏名】濱野 雅宏
(72)【発明者】
【氏名】片野 健一
(72)【発明者】
【氏名】吉竹 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 佳代
【審査官】 竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2020−013405(JP,A)
【文献】 特開2002−117261(JP,A)
【文献】 特開2017−182789(JP,A)
【文献】 特開2003−196415(JP,A)
【文献】 特開2002−073916(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/067168(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツに係る権利者毎に権料を計算するための計算方法と、前記コンテンツの製作の出資者の配分比率と、前記コンテンツ毎の収益情報及び支出情報と、コンテンツに関わる各権利の存続期間に関する情報とを記録する管理情報記憶部と、
前記コンテンツに関する情報を管理する制御部とを備えたコンテンツ管理システムであって、
前記制御部が、
前記コンテンツの収益情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、
前記コンテンツの販売のための支出情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、
前記管理情報記憶部に記録された存続期間を経過している場合には、注意喚起を出力し、
前記管理情報記憶部に記録された収益情報に応じて、前記計算方法を用いて各権利者の権料を計算し、
前記収益情報及び支出情報と前記権料とから算出した配分原資を、前記各出資者の配分比率に応じて配分することを特徴とするコンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記コンテンツの販売者の関係者システムから販売報告書を取得して前記管理情報記憶部に記録し、前記コンテンツの収益情報を、前記販売報告書に基づいて取得することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記コンテンツの販売者の会計システムに接続され、
前記会計システムから、コンテンツの販売のための支出情報を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記管理情報記憶部に記録されたコンテンツの販売報告書を、前記コンテンツの関係者端末に表示することを特徴とする請求項2又は3に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項5】
コンテンツに係る権利者毎に権料を計算するための計算方法と、前記コンテンツの製作の出資者の配分比率と、前記コンテンツ毎の収益情報及び支出情報と、コンテンツに関わる各権利の存続期間に関する情報とを記録する管理情報記憶部と、
前記コンテンツに関する情報を管理する制御部とを備えたコンテンツ管理システムを用いて、コンテンツを管理するための方法であって、
前記制御部が、
前記コンテンツの収益情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、
前記コンテンツの販売のための支出情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、
前記管理情報記憶部に記録された存続期間を経過している場合には、注意喚起を出力し、
前記管理情報記憶部に記録された収益情報に応じて、前記計算方法を用いて各権利者の権料を計算し、
前記収益情報及び支出情報と前記権料とから算出した配分原資を、前記各出資者の配分比率に応じて配分することを特徴とするコンテンツ管理方法。
【請求項6】
コンテンツに係る権利者毎に権料を計算するための計算方法と、前記コンテンツの製作の出資者の配分比率と、前記コンテンツ毎の収益情報及び支出情報と、コンテンツに関わる各権利の存続期間に関する情報とを記録する管理情報記憶部と、
前記コンテンツに関する情報を管理する制御部とを備えたコンテンツ管理システムを用いて、コンテンツを管理するためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記コンテンツの収益情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、
前記コンテンツの販売のための支出情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、
前記管理情報記憶部に記録された存続期間を経過している場合には、注意喚起を出力し、
前記管理情報記憶部に記録された収益情報に応じて、前記計算方法を用いて各権利者の権料を計算し、
前記収益情報及び支出情報と前記権料とから算出した配分原資を、前記各出資者の配分比率に応じて配分する手段として機能させることを特徴とするコンテンツ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツに関する収益を配分するためのコンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法及びコンテンツ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、映画・テレビなど各種メディアを通して多様な作品が公開されており、これら作品を利用して収益を得るコンテンツビジネスが行なわれている。このような作品には、著作権者、製作者(出資者)等、多様な関係者が関わっている。そして、多様な関係者において、コンテンツビジネスにおける収益を分配している。そこで、公開されたコンテンツを管理するための販売支援システムが検討されている(例えば、特許文献1を参照)。この文献に記載された販売支援サーバの制御部は、クライアント端末から、予算、パッケージ構成本数、検索キーワードを取得する。そして、制御部は、検索キーワードを用いて候補作品を検索する。ここで、パッケージ構成本数以上を抽出できた場合、制御部は、パッケージ候補の生成処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−203831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製作委員会方式でコンテンツを製作する場合がある。この製作委員会方式は、アニメーション、映画、テレビ番組などの映像作品等を作るための資金調達の際に、ひとつの企業による単独出資ではなく、複数の企業に出資してもらう方式である。この出資企業の集合体を「製作委員会」と呼ぶ。
【0005】
この場合、図9に示すように、製作委員会による出資が行なわれる(ステップS1)。これを原資としてコンテンツが製作される(ステップS2)。そして、製作されたコンテンツについて、権利処理が行なわれる(ステップS3)。更に、必要に応じて収益の配分を行なう(ステップS4)。
【0006】
次に、図10を用いて、作品に関わる要素を説明する。作品E1を製作する場合、製作委員会E2が出資を行なう。この製作委員会E2は、出資者E3により構成される。また、製作されたコンテンツを販売する販売者E4が関係する。この出資者E3は、出資だけではなく、販売を行なう場合もある。出資者E3、販売者E4に対して、契約E5により配分条件、販売条件が定められている。
【0007】
また、コンテンツには著作権等の各種権利があり、この権利者E6が関係する。この権利者E6も、契約E7により配分条件が定められる。
そして、作品E1の収支は、売上に対して経費、配分金原資により構成される。経費には、P&A費、媒体別の著作権料・許諾料等が含まれる。そして、販売者E4の売上からP&A費(プリント費及び宣伝費)、媒体別の権利者E6の著作権料・許諾料を差し引いた金額が配分金原資となり、この配分金原資を配分比率に基づいて出資者E3に配分する。
【0008】
このように、製作委員会方式は、関係者が多様であるため、管理が煩雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するコンテンツ管理システムは、コンテンツに係る権利者毎に権料を計算するための計算方法と、前記コンテンツの製作の出資者の配分比率と、前記コンテンツ毎の収益情報及び支出情報を記録する管理情報記憶部と、前記コンテンツに関する情報を管理する制御部とを備える。そして、前記制御部が、前記コンテンツの収益情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、前記コンテンツの販売のための支出情報を取得して前記管理情報記憶部に記録し、前記管理情報記憶部に記録された収益情報に応じて、前記計算方法を用いて各権利者の権料を計算し、前記収益情報及び支出情報と前記権料とから算出した配分原資を、前記各出資者の配分比率に応じて配分する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンテンツの売上を、効率的かつ的確に配分することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態のコンテンツ管理システムの説明図。
図2】実施形態のハードウェア構成の説明図。
図3】実施形態の管理情報記憶部に記録された作品関連データの説明図。
図4】実施形態の管理情報記憶部に記録された権利処理関連データの説明図。
図5】実施形態の管理情報記憶部に記録された契約関連データの説明図。
図6】実施形態の管理情報記憶部に記録された収支関連データの説明図。
図7】実施形態の処理手順の説明図。
図8】実施形態の処理手順の説明図。
図9】コンテンツビジネスの手順の説明図。
図10】コンテンツビジネスに関連する要素の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図8に従って、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理方法及びコンテンツ管理プログラムを具体化した実施形態を説明する。ここでは、コンテンツとしての映画作品を製作委員会で製作する場合を想定する。この映画作品は、映画館での上映、DVD・ビデオ展開(販売やレンタル)、テレビ放送での放映、ノベルティ・キャラクター商品化等の各種媒体で、ビジネスが展開される。
図1に示すように、本実施形態では、インターネットで相互に接続された関係者システム10、管理システム20を用いる。
【0013】
(ハードウェア構成)
図2を用いて、各システム(10,20)を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶部H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0014】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースカードや無線インタフェース等である。
【0015】
入力装置H12は、利用者等からの入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。
記憶部H14は、各システム(10,20)の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶部H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0016】
プロセッサH15は、記憶部H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、各システム(10,20)における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各サービスのための各種プロセスを実行する。
【0017】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、(1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、(2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは(3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0018】
(システム構成)
次に、図1を用いて、関係者システム10、管理システム20の機能を説明する。
関係者システム10は、コンテンツの関係者が用いるコンピュータシステムである。例えば、関係者システム10は、出資者、販売者、権利者等が用いるコンピュータ端末である。この関係者システム10には、販売者等の会計管理システムも含まれる。更に、関係者システム10は、伝票番号に関連付けて伝票画像等を保存する。
【0019】
管理システム20は、コンテンツに関する情報を管理するコンピュータシステムである。この管理システム20は、制御部21、管理情報記憶部22を備える。
制御部21は、コンテンツについて、販売に関する情報、著作権等の各種著作権料・許諾料や、出資者に対する配分金を管理するとともに、各種情報を関係者に提供する。以下では、各種著作権料、許諾料の少なくともいずれかを含むものを「各種権料」と呼ぶ。そして、制御部21は、後述する処理(分析、計算、サイト管理等を含む処理)を行なう。このためのコンテンツ管理プログラムを実行することにより、制御部21は、分析エンジン211、計算部212、サイト管理部213として機能する。
【0020】
分析エンジン211は、販売管理、BI(Business Intelligence)分析を行なう。販売管理では、販売者の関係者システム10から取得した販売報告書を管理情報記憶部22に蓄積する。そして、興行収入を算出するために、券種(発券・前売)別枚数及び券種別の販売金額等を管理する。BI分析では、管理情報記憶部22に蓄積された相互に関連付けられた情報の階層化、管理情報記憶部22に記録された各種情報を組み合わせた集計分析等を行なう。これらを用いたリレーショナルレポーティング、データマイニング等により、ビジネス展開に活用することができる。
【0021】
計算部212は、著作権等の各種権料管理や配分金管理を行なう。各種権料管理においては、権利者等との契約に基づいて、媒体別に各種権料を算出し、各種権料計算書(例えば、著作権料計算書)を作成する。配分金管理においては、コンテンツ販売の収支(収益・支出)に基づいて配分金原資を計算して、配分金報告書を作成する。また、販売報告書に基づいて、興行収入から興行側の取り分を差し引いた配給収入(売上)を算出する。更に、関係者システム10の会計システムから、必要経費としてP&A費を取得する。次に、売上からP&A費や各種権料を差し引いて、配分原資を算出し、契約に基づいて配分金を算出する。そして、計算部212は、作成した各種権料計算書や配分金報告書等を、作品番号に関連付けて管理情報記憶部22に記録する。
【0022】
サイト管理部213は、関係者システム10に対して、各作品についてのコミュニティサイトを構築し、各種情報を提供する。このコミュニティサイトでは、例えば、出資者の関係者システム10に対して、作品概要、販売状況、収益状況、分析結果、生涯収支(媒体別)、各種書証、権利者等の情報を提供する。
作品概要情報においては、後述する作品情報D01、エピソード情報D02等に記録された情報を提供する。
販売状況情報、収益状況情報においては、後述する収支情報D12等に記録された作品の販売状況、収益(リクープ)状況を提供する。
分析結果情報においては、分析エンジン211によって行なわれた階層化表示、集計分析結果を提供する。
生涯収支(媒体別)情報においては、管理情報記憶部22に記録された作品の収益情報及び支出情報を取得し、媒体別に時系列の収支を総計した生涯収支を提供する。
各種書証情報においては、計算部212により生成され、管理情報記憶部22に記録された配分金報告書、著作権料計算書等や、後述する伝票情報D13に基づいて支払の証憑を提供する。
権利者情報においては、後述する作品別権利者情報D05、作品別権利者承継者情報D06に記録された作品の権利者(承継者を含む)に関する情報を提供する。
【0023】
次に、図3図6を用いて、管理情報記憶部22に記録されるデータを説明する。
図3に示すように、作品関連では、作品情報D01、エピソード情報D02、出資情報D03、取引先情報D04が関連付けられて記録されている。
【0024】
作品情報D01は、作品番号、タイトル、製作年、公開年、概略等に関するデータを含む。
作品番号データ領域には、各作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0025】
タイトルデータ領域には、この作品の名称に関するデータが記録される。
製作年、公開年の各データ領域には、この作品の製作年、公開年に関するデータが記録される。
概略データ領域には、この作品の出演者等のクレジットタイトル情報やあらすじ等に関するデータが記録される。
【0026】
エピソード情報D02は、作品番号、エピソード番号、タイトル、製作年、公開年、概略等に関するデータを含む。
作品番号データ領域には、各作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
エピソード番号データ領域には、この作品に含まれるエピソード(挿話)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0027】
タイトルデータ領域には、このエピソードの名称に関するデータが記録される。
製作年、公開年の各データ領域には、このエピソードの製作年、公開年、概略に関するデータが記録される。
概略データ領域には、このエピソードの出演者等のクレジットタイトル情報やあらすじ等に関するデータが記録される。
【0028】
出資情報D03は、作品番号、出資者コード、出資比率、配分比率、持分比率等に関するデータを含む。
作品番号データ領域には、各作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0029】
出資者コードデータ領域には、この作品の製作のための出資者を特定するための識別子(取引先コード)に関するデータが記録される。この出資者には、製作委員会の構成員が含まれる。
出資比率データ領域には、この出資者における全出資額に対する出資金の割合に関するデータが記録される。
【0030】
配分比率データ領域には、この出資者について、配分原資に対する配分金の割合に関するデータが記録される。
持分比率データ領域には、この出資者について、この作品に係る権利(著作権等)の持分の割合に関するデータが記録される。
【0031】
取引先情報D04は、取引先コード、名称、住所、連絡先、送金先等に関するデータを含む。
取引先コードデータ領域には、取引先を特定するための識別子に関するデータが記録される。取引先には、出資者、映画会社、テレビ局、ビデオ販売会社、出版社、広告代理店、玩具会社等が含まれる。
【0032】
名称、住所、連絡先の各データ領域には、この取引先の名称、住所、連絡先に関するデータが記録される。
送金先データ領域には、この取引先への送金時に用いる銀行口座番号等に関するデータが記録される。
【0033】
更に、図4に示すように、権利関連では、エピソード情報D02、作品別権利者情報D05、作品別権利者承継者情報D06、権利種別情報D07、処理単位別計算パターン情報D08、計算パターン明細情報D09が関連付けられて記録される。作品別権利者情報D05、作品別権利者承継者情報D06には、取引先情報D04(図示せず)が関連付けられている。
【0034】
エピソード情報D02は、作品番号、エピソード番号、タイトル、製作年等に関するデータを含む。
作品別権利者情報D05は、作品番号、エピソード番号、権利種別、権利者コード、配分比率、配分分子、配分分母等に関するデータを含む。
【0035】
作品番号データ領域には、各作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
エピソード番号データ領域には、この作品に含まれるエピソード(挿話)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0036】
権利種別データ領域には、このエピソードに関連して存在する権利の種類に関するデータが記録される。例えば、出資による配分金を受ける権利、著作権、窓口権(放送権、興行権、出版権、商品化権等)等である。
【0037】
権利者コードデータ領域には、この権利種別の権利を有する取引先を特定するための識別子(取引先コード)に関するデータが記録される。
配分比率データ領域には、この権利種別について、権利者の配分金を決める比率に関するデータが記録される。
【0038】
配分分子データ領域、配分分母データ領域には、配分比率を決める分子、分母に関するデータが記録される。
【0039】
作品別権利者承継者情報D06は、作品番号、エピソード番号、権利者コード、承継者コード等に関するデータを含む。
作品番号データ領域には、各作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
エピソード番号データ領域には、この作品に含まれるエピソード(挿話)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0040】
権利者コードデータ領域には、この権利種別の権利を有する取引先を特定するための識別子(取引先コード)に関するデータが記録される。
承継者コードデータ領域には、この権利者の承継者を特定するための識別子(取引先コード)に関するデータが記録される。
【0041】
取引先情報D04は、取引先コード、名称、住所、連絡先、送金先等に関するデータを含む。
【0042】
権利種別情報D07は、権利種別、権利期間等に関するデータを含む。
権利種別データ領域には、作品に係る権利の種類に関するデータが記録される。
権利期間データ領域には、この権利の存続期間に関するデータが記録される。
【0043】
処理単位別計算パターン情報D08は、作品番号、エピソード番号、権利種別、権利者コード、処理単位コード、MG金額等に関するデータを含む。
作品番号データ領域には、各作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
エピソード番号データ領域には、この作品に含まれるエピソード(挿話)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0044】
権利種別データ領域には、このエピソードに関連して存在する権利の種類に関するデータが記録される。
権利者コードデータ領域には、この権利種別の権利を有する取引先を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0045】
処理単位コードデータ領域には、この権利の各種権料についての支払パターンを特定するための識別子に関するデータが記録される。
MG金額データ領域には、商品化によるロイヤリティ収入を先払いで版元が受け取る最低保証額に関するデータが記録される。
【0046】
計算パターン明細情報D09は、作品番号、エピソード番号、権利種別、権利者コード、処理単位コード、計算方法等に関するデータを含む。
作品番号データ領域には、各作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
エピソード番号データ領域には、この作品に含まれるエピソード(挿話)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0047】
権利種別データ領域には、このエピソードに関連して存在する権利の種類に関するデータが記録される。
権利者コードデータ領域には、この権利種別の権利を有する取引先を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0048】
処理単位コードデータ領域には、この権利の各種権料についての支払パターンを特定するための識別子に関するデータが記録される。
計算方法データ領域には、各種権料を算出するための計算方法に関するデータが記録される。
【0049】
図5に示すように、契約関連では、契約情報D10、販売作品情報D11が関連付けられて記録される。
契約情報D10は、販売契約番号、明細番号、契約日、契約先コード等に関するデータを含む。
販売契約番号データ領域には、コンテンツの各販売契約を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0050】
明細番号データ領域には、この販売契約の明細を特定するための識別子に関するデータが記録される。
契約日データ領域には、この販売契約の契約日に関するデータが記録される。
契約先コードデータ領域には、この販売契約の取引先を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0051】
販売作品情報D11は、販売契約番号、明細番号、作品番号、エピソード番号、販売条件等に関するデータを含む。
販売契約番号データ領域には、コンテンツの各販売契約を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0052】
明細番号データ領域には、この契約の明細を特定するための識別子に関するデータが記録される。
作品番号データ領域には、この契約の対象となる作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0053】
エピソード番号データ領域には、この作品に含まれるエピソードの中で契約対象となるエピソード(挿話)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
販売条件データ領域には、このエピソードの販売金額や、販売期間等の販売時の条件に関するデータが記録される。
【0054】
図6に示すように、収支関連では、作品情報D01、収支情報D12、伝票情報D13が関連付けられて記録される。
作品情報D01は、作品番号、タイトル、製作年等に関するデータを含む。
収支情報D12は、組織コード、処理対象月、作品番号、収入金額、伝票番号、販売手数料等に関するデータを含む。
【0055】
組織コードデータ領域には、収支の取引先を特定するための識別子に関するデータが記録される。
処理対象月データ領域には、この収支を行なった年月に関するデータが記録される。
作品番号データ領域には、この組織で、処理対象月に取り扱った作品を特定するための識別子に関するデータが記録される。
伝票番号データ領域には、収入金額や販売手数料の伝票を特定するための識別子に関するデータが記録される。この伝票番号を用いることにより、各関係者システム10に保存されている伝票画像等の各支払の証憑を取得することができる。
収入金額データ領域には、この作品による収入額に関するデータが記録される。
販売手数料データ領域には、収入額を得るために要した経費(支出)に関するデータが記録される。
【0056】
伝票情報D13は、伝票番号、伝票日付、金額、摘要等に関するデータを含む。
伝票番号データ領域には、収入金額や販売手数料の伝票を特定するための識別子に関するデータが記録される。
伝票日付データ領域には、この伝票の発行年月日に関するデータが記録される。
金額データ領域には、伝票の表示額に関するデータが記録される。
摘要データ領域には、この金額の使途等の概要に関するデータが記録される。
【0057】
(情報登録処理)
図7を用いて、情報登録処理を説明する。
まず、管理システム20の制御部21は、販売報告書の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の分析エンジン211は、契約情報D10の契約先の関係者システム10から販売報告書データを取得する。そして、分析エンジン211は、販売報告書データに含まれるキーワードを用いて、契約情報D10に関連付けられた販売作品情報D11に対応した作品番号、エピソード番号、販売金額を販売報告書データから抽出する。
【0058】
次に、管理システム20の制御部21は、各会計システムから経費の取得処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の分析エンジン211は、契約情報D10の契約先の関係者システム10から、経費についての伝票情報を取得する。この伝票情報には、伝票番号、伝票日付、金額に関する情報が含まれる。
【0059】
次に、管理システム20の制御部21は、必要経費の選択処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の分析エンジン211は、取得した伝票情報を表示装置H13に出力する。管理者は、入力装置H12を用いて、伝票情報の中で、作品販売に係る経費(販売手数料)を特定する。この場合、分析エンジン211は、伝票情報D13を生成し、管理情報記憶部22に記録する。なお、分析エンジン211が、伝票情報に含まれるキーワードを用いて、伝票に係る作品や販売に係る経費を特定するようにしてもよい。
【0060】
次に、管理システム20の制御部21は、収支情報の記録処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の分析エンジン211は、販売作品情報D11の作品番号とともに、収入金額、販売手数料を記録した収支情報D12を生成し、管理情報記憶部22に記録する。
【0061】
(配分管理処理)
図8を用いて、配分管理処理を説明する。この配分管理処理は、作品毎に行なわれる。
ここでは、管理システム20の制御部21は、媒体毎、権利者毎に以下の処理を繰り返す。
【0062】
まず、管理システム20の制御部21は、売上の算出処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の計算部212は、管理情報記憶部22から、処理対象の作品、媒体についての収支情報D12を抽出し、収入金額から販売手数料を差し引いた売上額を算出する。
【0063】
次に、管理システム20の制御部21は、各種権料の算出処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の計算部212は、管理情報記憶部22から、処理対象の作品、エピソード、媒体、権利者についての処理単位別計算パターン情報D08を特定し、処理単位コードを特定する。そして、計算部212は、管理情報記憶部22から、作品番号、エピソード番号、権利種別、権利者コード、処理単位コードが記録された計算パターン明細情報D09を取得する。そして、計算パターン明細情報D09に記録された計算方法により、売上額を用いて、各種権料(許諾料を含む)を計算するためのベース金額を算出する。この場合、処理対象の権利者の作品別権利者情報D05から取得した配分比率を用いる。なお、処理単位別計算パターン情報D08にMG金額が設定されている場合には、MG金額以上のベース金額を算出する。そして、計算部212は、ベース金額に、作品別権利者情報D05の配分比率を乗算して、処理対象の作品、媒体、権利者についての各種権料を算出する。
以上の処理を権利者毎、媒体毎に繰り返す。
【0064】
次に、管理システム20の制御部21は、配分金原資の算出処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の計算部212は、媒体、権利者毎の各種権料を合計して、各種権料総額を算出する。そして、計算部212は、売上額から各種権料総額を差し引いて配分金原資を算出する。
【0065】
次に、管理システム20の制御部21は、媒体毎、権利者毎に、配分比率に応じて配分金の算出処理を繰り返して実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の計算部212は、出資情報D03から、この作品の出資者の配分比率を取得する。そして、計算部212は、配分金原資に配分比率を乗算して、配分金額を算出する。
【0066】
次に、管理システム20の制御部21は、送金処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の計算部212は、取引先情報D04から、権利者、出資者等の送金先を取得し、各権利者の配分金額の送金処理を実行する。なお、作品別権利者承継者情報D06が設定されている場合には、この承継者に対して送金処理を実行する。
【0067】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理情報記憶部22には、作品情報D01、エピソード情報D02、出資情報D03、取引先情報D04が関連付けられて記録される。これにより、製作委員会の出資者に関する情報を蓄積することができる。
【0068】
(2)本実施形態では、管理情報記憶部22には、エピソード情報D02、作品別権利者情報D05、作品別権利者承継者情報D06、権利種別情報D07、処理単位別計算パターン情報D08、計算パターン明細情報D09が関連付けられて記録される。これにより、各コンテンツについて権利者に対する著作権料や許諾料を算出することができる。
【0069】
(3)本実施形態では、管理情報記憶部22には、契約情報D10、販売作品情報D11が関連付けられて記録される。これにより、各コンテンツについての契約を管理することができる。
【0070】
(4)本実施形態では、管理情報記憶部22には、作品情報D01、収支情報D12、伝票情報D13が関連付けられて記録される。これにより、各コンテンツについての収支を算出することができる。
【0071】
(5)本実施形態では、管理システム20の制御部21は、販売報告書の取得処理(ステップS1−1)、各会計システムから経費の取得処理(ステップS1−2)を実行する。これにより、各コンテンツについての収益情報や支出情報を取得することができる。
【0072】
(6)本実施形態では、管理システム20の制御部21は、必要経費の選択処理を実行する(ステップS1−3)。これにより、各コンテンツに関する支出情報を取得することができる。
【0073】
(7)本実施形態では、管理システム20の制御部21は、各種権料の算出処理を実行する(ステップS2−2)。これにより、各コンテンツに関する著作権料や許諾料を算出することができる。
【0074】
(8)本実施形態では、管理システム20の制御部21は、配分金原資の算出処理(ステップS2−3)、配分比率に応じて配分金の算出処理(ステップS2−4)を実行する。これにより、各コンテンツに関して配分を算出することができる。
【0075】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、管理システム20の制御部21は、必要経費の選択処理を実行する(ステップS1−3)。ここでは、管理者が、伝票を選択する。これに代えて、管理システム20の制御部21が、伝票に記載された情報(キーワード)に基づいて、必要経費を選択するようにしてもよい。
【0076】
・上記実施形態では、管理情報記憶部22には、権利種別情報D07が記録される。管理システム20の制御部21が、この権利種別情報D07を用いて、権利の存続を確認するようにしてもよい。そして、存続期間を経過している場合には、制御部21が、表示装置H13に注意喚起を出力する。
・上記実施形態では、コンテンツとして映画作品を想定するが、コンテンツは映画に限定されるものではない。
・上記実施形態では、サイト管理部213は、関係者システム10に対して、各作品についてのコミュニティサイトを構築し、各種情報を提供する。このコミュニティサイトは、出資者の関係者システム10に対する情報提供に限定されない。例えば、コミュニティサイトを、作品の販売希望者等の第三者に対する情報提供に活用してもよい。
【符号の説明】
【0077】
10…関係者システム、20…管理システム、21…制御部、211…分析エンジン、212…計算部、213…サイト管理部、22…管理情報記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10