(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定手段は、前記ルート履歴を参照し、前記所定時点において前記ユーザ端末が位置するリンクから、当該リンクに接続する一以上の他のリンクの夫々に移動する確率を計算し、当該確率に基づいて次に通過する前記ノードを特定する、請求項9に記載の位置情報取得装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、各図面を参照しながら詳述する。
〔発明の概要〕
【0024】
図1は、本発明の概要を示す図である。
図1は、本発明に係る位置情報取得装置で用いられる地図情報に対応し、地図情報に含まれるリンク5A〜5Sと、リンク5A〜5S同士の交差点、その他道路網表現上の結節点等であるノード7A〜7Iを示す。また、点線で囲った領域、すなわちリンク5A〜5M及びノード7A〜7Fで構成される領域は、ノード間が密な領域を示し、点線で囲った領域以外の領域、すなわちリンク5N〜5S及びノード7G〜7Iで構成される領域は、ノード間が疎な領域を示す。また、黒丸は、ユーザ端末の位置を示す。
【0025】
点線で囲った領域においては、ノード間が密になっているため、位置情報取得装置が位置情報を取得する間隔が開いてしまうと、位置情報取得装置が、ユーザ端末の位置情報を取得した後、次に当該ユーザ端末の位置情報を取得するまでの間に、当該ユーザ端末が進行方向へ移動して次に通過するノードを経由して異なるリンク上に移動するまでの時間は短くなる。従って、充分なルートログを得るためには、点線で囲ったノード間が密な領域において、位置情報取得装置は、より短い間隔で位置情報を取得する必要が発生する。
【0026】
一方で、点線で囲った領域外では、ノード間が疎になっているため、位置情報取得装置が位置情報を取得する間隔が開いたとしても、位置情報取得装置が、ユーザ端末の位置情報を取得した後、次に当該ユーザ端末の位置情報を取得するまでの間に、当該ユーザ端末が進行方向へ移動して次に通過するノードを経由して異なるリンク上に移動するまでの時間は長くなる。従って、充分なルートログを得るためには、点線で囲ったノード間が密な領域外では、位置情報取得装置は、より長い間隔で位置情報を取得しても、問題がない。
【0027】
これに基づいて、ユーザ端末の位置から次のノードまでの距離に基づいて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを設定することにより、位置情報を取得するために必要となる電力を節約する技術的思想が、本発明の骨子である。具体的には、ユーザ端末が次のノードを過ぎるまでの時間を予測して、予測された時間まで、位置情報及び進行方向を示す情報を次に取得するタイミングを遅らせることにより、位置情報を取得するために必要となる電力消費を節約することが可能となる。なお、オプションで、リンクの種別、具体的にはリンクが高速道路か否か等に基づいて、次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングまでの時間を調整してもよい。あるいは、次に通過予定であるノードの種別、具体的には、次に通過するノードが交差点か否か等に基づいて、次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングまでの時間を調整してもよい。更に、位置情報取得装置が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングまでの時間に加えて、ユーザ端末から、位置情報及び進行方向を示す情報を利用するサーバに対して、位置情報及び進行方向を示す情報を送信する次のタイミングまでの時間を調整してもよい。
【0028】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、
図2〜
図4を参照しながら詳述する。
図2は、後述のように、本発明の第1実施形態に係る位置情報取得装置100を備えるユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
ユーザ端末10は、スマートフォン等の各種デバイスにより、適宜、構成されるものである。
【0029】
ユーザ端末10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、タッチ操作入力部16と、表示部17と、入力部18と、記憶部19と、GPS部20と、通信部21と、ドライブ22とを備えている。
【0030】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要な情報等も適宜記憶される。
【0031】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、タッチ操作入力部16と、表示部17と、入力部18と、記憶部19と、GPS部20と、通信部21と、ドライブ22が接続されている。
【0032】
タッチ操作入力部16は、例えば表示部17に積層される静電容量式又は抵抗膜式(感圧式)の位置入力センサにより構成され、タッチ操作がなされた位置の座標を検出する。
このように、表示部17とタッチ操作入力部16とにより、タッチパネルが構成されている。
入力部18は、キーボードやマウス等各種ハードウェアで構成され、各種情報を入力する。
記憶部19は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種情報を記憶する。
GPS部20は、GPS情報に基づいて位置情報を取得する。
通信部21は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
ドライブ22は、必要に応じて設けられる。ドライブ22には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなり、リムーバブルメディア23が適宜装着される。ドライブ22によってリムーバブルメディア23から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア23は、記憶部19に記憶されている各種情報も、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0033】
このように構成されたユーザ端末10の各種ハードウェアと各種ソフトウェアの協働により、ユーザ端末10側で位置情報取得処理等の実行が可能となる。
【0034】
図3は、本発明の第1実施形態に係る位置情報取得装置100、及び、該位置情報取得装置100を備えるユーザ端末10の機能ブロック、及び、ユーザ端末10とサーバ30とを含む位置情報取得システム1の全体構成を示す図である。
位置情報取得システム1は、ユーザ端末10と、ネットワーク25と、ネットワーク25を介してユーザ端末10が接続するサーバ30とを備える。
ユーザ端末10は、位置情報取得装置100と、通信装置200と、記憶装置300とを備える。また、位置情報取得装置100は、取得部110と、決定部120と、推定部130とを備える。ここで、位置情報取得装置100は、
図2のCPU11が、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行することにより実現される。また、通信装置200は、
図2の通信部21に対応し、記憶装置300は、
図2の記憶部19、及び/又は、ドライブ22とリムーバブルメディア23との組み合わせに対応する。
【0035】
取得部110は、GPS部20等を用いることにより、ユーザ端末10が、どのリンクのどの位置に存在するかを示す位置情報と、ユーザ端末10の進行方向を示す情報とを取得する。ここで、進行方向を示す情報は加速度センサや速度センサ等により取得しても良いし、前回取得した位置情報と今回取得した位置情報とを対比して進行方向を決定しても良い。
【0036】
また、取得部110は、例えば、図示しない交通情報センタから配信される、各リンク5における渋滞情報及び/又は天候情報を取得してもよい。
【0037】
決定部120は、後述の記憶装置300が記憶する地図情報310を参照し、上記の位置情報が示すリンク5上の位置から、ユーザ端末10が該リンク5上を進行方向へ移動して、次に通過するノード7までの距離に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定する。より具体的には、決定部120は、この距離に基づいて、次のノードを過ぎるまでの時間を予測し、予測された時間まで位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを遅らせる。
【0038】
また、決定部120は、ユーザ端末10が存在するリンク5の種別、及び/又は、ユーザ端末10が次に通過するノード7の種別に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
具体的には、ユーザ端末10が存在するリンク5が、高速道路か否か、あるいは、幹線道路か否か等に応じて、決定部120は上記のタイミングを決定してもよい。例えば、リンク5が高速道路や幹線道路である場合には、通常道路である場合に比較して、ユーザ端末10が移動する速度が速く、ノード7を通過後も同種(高速道路や幹線道路)のリンク5に移動する頻度が高いことが推定されることから、決定部120は、この推定に基づいて当該ノード7を無視して、上記のタイミングを決定してもよい。
また、ユーザ端末10が存在するリンク5の法定速度に応じて、決定部120は上記のタイミングを決定してもよい。例えば、リンク5の法定速度が比較的高い場合には、ユーザ端末が移動する速度が速いことが推定されることから、決定部120は、この推定に基づいて、上記のタイミングを比較的短めに決定してもよい。
また、ユーザ端末10が存在するリンク5の車線数に応じて、決定部120は上記のタイミングを決定してもよい。例えば、ユーザ端末10が存在するリンク5の車線数が比較的多い場合には、ユーザ端末10が移動する速度が速く、ノード7を通過後も同種(車線数が多い)のリンク5に移動する頻度が高いことが推定されることから、決定部120は、この推定に基づいて当該ノード7を無視して、上記のタイミングを決定してもよい。
また、ユーザ端末10が次に通過するノード7が交差点か否かに応じて、決定部120は上記のタイミングを決定してもよい。例えば、ユーザ端末10が次に通過するノード7が交差点である場合には、ユーザ端末10が当該ノード7に接続する複数のリンク5のいずれかに移動する(進路が変わる)頻度が高くなることが推定されることから、決定部120は、この推定に基づいて当該ノード7に着目して、上記のタイミングを決定してもよい。
また、ユーザ端末10が次に通過するノード7が、一方通行道路と交差する交差点であるか否かに応じて、決定部120は上記のタイミングを決定してもよい。例えば、ユーザ端末10が次に通過するノード7が、当該ノード7向きの一方通行道路と交差する交差点である場合には、ユーザ端末10はノード7を通過後も従前と同種のリンク5に移動する頻度が高く、当該一方通行道路に移動する頻度が低いことが推定されることから、決定部120は、この推定に基づいて当該ノード7を無視して、上記のタイミングを決定してもよい。
また、ユーザ端末10が次に通過するノード7が、現在ユーザ端末10が走行中のリンク5と、該リンク5よりも幅が広いリンク5との交差点であるか否かに応じて、決定部120は上記のタイミングを決定してもよい。例えば、ユーザ端末10が次に通過するノード7が、現在ユーザ端末10が走行中のリンク5と、該リンク5よりも幅が広いリンク5との交差点である場合には、ユーザ端末10が当該ノード7に接続する複数のリンク5のいずれかに移動する(進路が変わる)頻度が高くなることが推定されることから、決定部120は、この推定に基づいて当該ノード7に着目して、上記のタイミングを決定してもよい。
【0039】
また、決定部120は、後述の記憶装置300が記憶するユーザ個別情報320を参照し、このユーザ個別情報320に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
より具体的には、例えば、決定部120は、位置情報取得装置100を利用中のユーザの運転傾向に応じて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
更に具体的には、後述の推定部130により推定されるユーザ端末10の移動速度の平均値を、後述の記憶装置300がユーザ毎に記憶し、位置情報取得装置100を利用中のユーザに対応する移動速度の平均値が、比較的高い値であった場合には、より詳細なルートログを取得するために、決定部120は、上記のタイミングを早めてもよい。
また、ユーザがリンク5の法定速度を守る傾向が高いか否かを、後述の記憶装置300がユーザ毎に記憶し、位置情報取得装置100を利用中のユーザが、リンク5の法定速度を守る傾向が比較的高い場合には、ユーザ端末10の移動速度が比較的低いことが推定されることから、決定部120は、上記のタイミングを遅らせてもよい。
【0040】
また、後述の記憶装置300が記憶する地図情報310が、リンク5の種別毎に複数の階層を有する場合に、決定部120はユーザ端末10の位置を含むリンク5の階層に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
例えば、リンク5が高速道路であるときは第1の階層に、リンク5が通常道路であるときは第2の階層に、夫々属している場合を考える。ユーザ端末10が現在走行中のリンク5が第1の階層に属している際には、ユーザ端末10は次のノード7通過後も同階層(高速道路)のリンク5に移動することが推定され、決定部120は、この推定に基づいて、当該ノード7が第2の階層(通常道路)のリンク5と接続する場合であってもこれを無視して、上記のタイミングを決定してもよい。
【0041】
また、取得部110が各リンク5における渋滞情報を取得する場合に、決定部120は、この渋滞情報に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
より具体的には、各リンク5が渋滞している場合には、ユーザ端末10の次のノードへの到着が遅れることが予想されることから、決定部120は、上記のタイミングを遅らせてもよい。
【0042】
また、決定部120は、後述の記憶装置300が記憶する、ユーザ端末10がこれまでに通過してきたルート履歴に係るルート履歴情報330を参照し、このルート履歴情報に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0043】
更に、決定部120は、ルート履歴情報330を参照し、ルート履歴において同じノード7及び/又はリンク5が一定頻度以上選択されている場合には、このノード7及び/又はリンク5を無視して、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。すなわち、決定部120は、ルート履歴情報330を参照し、所定時点においてユーザ端末10が位置するリンク5から、当該リンク5に接続する一以上の他のリンク5の夫々に移動する確率を計算し、当該確率に基づいて次に通過するノード7を特定してもよい。
例えば、
図1において、ユーザ端末10が、リンク5H上を移動してノード7Dを通過する際、ノード7Dの通過後に移動するリンクとして、リンク5Nを選択する確率を、決定部120がルート履歴情報330から算出する。この確率が所定値以上である場合には、決定部120は、リンク5Hを移動中のユーザ端末10が次に通過するノードを、リンク5Nが接続するノード7Hと特定した上で、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0044】
また、後述の記憶装置300が、ルート履歴を、取得部110が取得した渋滞情報及び/又は天候情報と関連付けて記憶する場合には、決定部120は、取得部110が取得した渋滞情報及び/又は天候情報に基づいて、次に通過する前記ノード7を特定した上で、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
具体的には、決定部120は、ルート履歴情報330から、渋滞情報及び/又は天候情報が示す各事象が発生した条件の下で、特定のリンク5やノード7を選択する「条件付き確率」を求め、この「条件付き確率」を用いて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
例えば、
図1において、通常時は、「リンク5H→ノード7D→リンク5N」というルートを移動する確率が所定値以上である一方で、渋滞している場合には、「リンク5H→ノード7D→リンク5K」というルートを移動する確率が所定値以上であることが、ルート履歴情報330から算出されたとする。この場合、ユーザ端末10がリンク5H上に存在すると共に、取得部110が取得した渋滞情報から、リンク5H付近が渋滞していることが判断される際には、決定部120は、次に通過するノードを、リンク5Kが接続するノード7Fと特定した上で、位置情報及び進行情報を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0045】
推定部130は、ユーザ端末10の移動速度を推定する。より具体的には、例えば、推定部130は、取得部110に、あるノード7を通過してから、所定の時間間隔で2回位置情報を取得させ、これらの位置情報を用いて移動速度を算出してもよい。あるいは、推定部130は、位置情報と、図示しない加速度センサとを組み合わせて移動速度を推定してもよい。
あるいは、推定部130は、リンク5の法定速度情報に基づいて、移動速度を推定してもよい。例えば、ユーザ端末10が移動中のリンク5の法定速度が比較的高い場合には、移動速度を高めに推定してもよい。
あるいは、上記のように、取得部110が各リンク5における渋滞情報を取得する場合に、推定部130は、各リンク5の渋滞情報に基づいて、移動速度を推定してもよい。例えば、ユーザ端末10が移動中のリンク5付近が渋滞している場合には、移動速度を低めに推定してもよい。
【0046】
推定部130が推定する移動速度に基づいて、決定部120は、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0047】
とりわけ、移動速度が所定値以下である場合に、決定部120は、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを所定の一定時間間隔以上としてもよい。
具体的には、例えば、ユーザがレストランやパーキングエリアで休憩中であるために、ユーザ端末10の移動速度が所定値以下(例えば、歩行速度以下)である場合、ユーザ端末10の加速度センサ等によって、ユーザ端末10を所有するユーザが、車のシートに座らず車外で歩いていることが検知された場合、ユーザ端末10が示す位置情報が、パーキングエリア等のユーザが休憩中である蓋然性が高い場所を示す場合等においては、次に通過するノードの特定を中止し、例えば15分間隔等の所定の一定時間間隔以上で位置情報及び進行方向を示す情報を取得しても良い。
【0048】
更に、決定部120は、後述の記憶装置300が記憶する、リンク5毎に対応する法定速度情報340を参照し、推定部130が推定する移動速度が法定速度を超える場合に、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを所定の一定時間間隔以下としてもよい。
具体的には、例えば、ユーザが急ぎの用件がある場合等、ユーザ端末10の移動速度が法定速度を超える(例えば、法定速度が時速60KMであるリンクにおいてユーザ端末10の移動速度が時速80KMである)場合等においては、次に通過するノードの特定を中止し、例えば10秒間隔等の所定の一定時間間隔以下で位置情報及び進行方向を示す情報を取得しても良い。
【0049】
通信装置200は、取得部110が取得した位置情報及び進行方向を示す情報を、当該位置情報及び進行方向を示す情報を利用するサーバ30に送信する。
【0050】
記憶装置300は、地図情報310と、ユーザ個別情報320と、ルート履歴情報330と、法定速度情報340とを記憶する。
【0051】
地図情報310は、少なくとも、
図1で示すような、複数のリンク5に係る情報と、リンク5同士の交点である複数のノード7に係る情報とを含む。この地図情報310は、表示部17により、ユーザ端末10のユーザに向けて表示される。更に、地図情報310は、上記のように、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定するにあたり、ユーザ端末10が次に通過するノードを、決定部120が特定するために参照される。
【0052】
ユーザ個別情報320は、ユーザ端末10のユーザを識別するための情報である。とりわけユーザ端末10のユーザが複数存在する場合には、ユーザ個別情報320は、ユーザ端末10を使用中のユーザを特定するために必要となる情報である。この情報を用いて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定することにより、例えば、ユーザによる車両の運転傾向の違いを、位置情報及び進行方向を示す情報の取得のタイミングに反映することが可能となる。
【0053】
ルート履歴情報330は、ユーザ端末10が、これまでに移動してきたルートの履歴に係る情報である。
【0054】
法定速度情報340は、地図情報310に含まれるリンク5毎に定められた、法定速度に係る情報である。
【0055】
図4は、位置情報取得装置100を備えるユーザ端末10の動作を示すフローチャートである。
【0056】
ステップS11において、決定部120は、地図情報310を参照し、ユーザ端末10の位置情報と、ユーザ端末10の進行方向を示す情報とに基づいて、ユーザ端末10が次に通過するノード7を特定する。
【0057】
ステップS12において、決定部120は、ユーザ端末10が、位置情報が示す位置から、この位置を含むリンクを進行方向に移動して、次に通過するノード7までの距離に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定する。より具体的には、決定部120は、この距離に基づいて、次のノードを過ぎるまでの時間を予測し、予測された時間に基づいて、上記のタイミングを決定する。
【0058】
ステップS13において、取得部110は、ステップS12において決定されたタイミングでユーザ端末10の位置情報及びユーザ端末10の進行方向を示す情報を取得する。
【0059】
ステップS14において、通信装置200は、ステップS13において取得された位置情報及び進行方向を示す情報を、当該位置情報を利用するサーバに送信する。その後、処理はステップS11に戻る(リターン)。
【0060】
なお、上記のステップS11において、決定部120は、ユーザ端末10の位置を含むリンクの階層に基づいて、次に通過するノードを特定してもよい。
【0061】
また、上記のステップS11において、決定部120は、ルート履歴情報330を参照し、所定時点においてユーザ端末10が位置するリンク5から、当該リンク5に接続する一以上の他のリンク5の夫々に移動する確率を計算し、当該確率に基づいて次に通過するノード7を特定してもよい。
【0062】
更に、上記のステップS11において、決定部120は、取得部110が取得した渋滞情報に基づいて、次に通過するノード7を特定してもよい。
【0063】
また、上記のステップS12において、決定部120は、ユーザ端末10が存在するリンク5の種別に基づいて、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0064】
また、上記のステップS12において、決定部120は、ユーザ端末10が次に通過するノード7の種別に基づいて、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0065】
また、上記のステップS12において、決定部120は、ユーザ個別情報320に基づいて、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0066】
また、上記のステップS12において、決定部120は、取得部110が取得した渋滞情報及び/又は天候情報に基づいて、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0067】
また、上記のステップS12において、決定部120は、ルート履歴情報330に基づいて、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0068】
また、上記のステップS12において、決定部120は、推定部130が推定した移動速度に基づいて、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定してもよい。
【0069】
また、上記のステップS12において、決定部120は、推定部130が推定した移動速度が所定値以下である場合に、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを所定の一定時間間隔以上としてもよい。
【0070】
また、上記のステップS12において、決定部120は、推定部130が推定した移動速度が法定速度を超える場合に、取得部110が位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを所定の一定時間間隔以下としてもよい。
【0071】
〔第1実施形態の効果〕
このように、本実施形態の位置情報取得装置100によれば、以下のような効果がある。
(1)所定の移動距離毎に、あるいは、所定の時間間隔で位置情報を取得するのではなく、ユーザ端末の位置から次にユーザ端末が通過するノードまでの距離に応じて、次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングが決定されるので、位置情報及び進行方向を示す情報の取得のために消費する電力を節約することができる。
【0072】
(2)リンクやノードの種別に応じて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングが決定されるため、ユーザ端末が存在する状況や環境に応じて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを制御できる。
【0073】
(3)ユーザの個別情報に応じて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングが決定されるため、ユーザ端末を利用中のユーザの運転の傾向に合わせて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを制御できる。
【0074】
(4)リンク5の階層に応じて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングが決定されるため、ユーザ端末が存在するリンク5の大きさや広さに応じて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを制御できる。
【0075】
(5)渋滞情報に応じて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングが決定されるため、道路の混雑状況を踏まえて、臨機応変に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを制御できる。
【0076】
(6)ユーザ端末がこれまで移動してきたルート履歴に基づいて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングが決定される。とりわけ、ルート履歴に一定以上の頻度で同じリンク5やノード7が選択されている場合に、このリンク5やノード7を無視することができる。そのため、ユーザ端末が、これまでの移動時に選択してきたリンク5やノード7の傾向を踏まえて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを制御できる。
【0077】
(7)更に、上記のルート履歴と渋滞情報及び/又は天候情報とを関連付けて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを制御できる。
【0078】
(8)ユーザ端末の移動速度に基づいて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを制御できる。とりわけ、休憩等により移動速度が所定値以下である場合、ユーザ端末を所有するユーザが、車のシートに座らず車外で歩いていることが検知された場合、ユーザが休憩中である蓋然性が高い場所に、ユーザ端末が存在する場合等に、所定の一定時間間隔以上で位置情報及び進行方向を示す情報を取得したり、移動速度が法定速度を超えた場合に、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを所定の一定時間間隔以下としたりすることが可能となる。
【0079】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について、
図5〜
図7を参照しながら詳述する。
図5は、後述のように、本発明の第2実施形態に係る位置情報取得装置100Aを備えるサーバ10Aのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
なお、サーバ10Aの内部のハードウェア構成は、タッチパネルとGPS部を有さず、出力部17Aを有する点を除き、ユーザ端末10の構成と基本的に同様とすることができるので、ここでは、ユーザ端末10の構成と異なる点のみ説明する。
【0080】
出力部17Aは、液晶ディスプレイやスピーカ等の各種ハードウェアで構成され、各種情報を出力する。
【0081】
このように構成されたサーバ10Aの各種ハードウェアと各種ソフトウェアの協働により、サーバ10A側で位置情報取得処理等の実行が可能となる。
【0082】
図6は、本発明の第2実施形態に係る位置情報取得装置100A、及び、該位置情報取得装置100Aを備えるサーバ10Aの機能ブロック、及び、サーバ10Aとユーザ端末50A及び50Bとを含む位置情報取得システム1Aの全体構成を示す図である。なお、第1実施形態に係るユーザ端末10と同一の機能ブロックは、同一の符号を用いて示し、その機能の説明を省略する。
位置情報取得システム1Aは、サーバ10Aと、ネットワーク40と、ネットワーク40を介してサーバ10Aに接続するユーザ端末50A及び50Bとを備える。なお、
図4では、ユーザ端末50の台数を2台としているが、これには限定されない。また、ここでは、ユーザ端末50Aとユーザ端末50Bとを、「ユーザ端末50」と総称することもある。
また、サーバ10Aは、位置情報取得装置100Aと、通信装置200Aと、記憶装置300Aとを備える。また、位置情報取得装置100Aは、取得部110Aと、決定部120Aと、推定部130Aとを備える。ここで、位置情報取得装置100Aは、
図5のCPU11Aが、ROM12Aに記録されているプログラム、又は、記憶部19AからRAM13Aにロードされたプログラムに従って各種の処理を実行することにより実現される。また、通信装置200Aは、
図5の通信部21Aに対応し、記憶装置300Aは、
図2の記憶部19A、及び/又は、ドライブ22Aとリムーバブルメディア23Aとの組み合わせに対応する。
【0083】
取得部110Aは、後述の通信装置200Aを介して、サーバ10Aに接続するユーザ端末50から、該ユーザ端末50の位置情報及び進行方向を示す情報を取得する。この際、ユーザ端末50は、自身が備えるGPS機器等を用いることにより、ユーザ端末50がどのリンクのどの位置に存在するかを示す位置情報と、ユーザ端末50の進行方向を示す情報とを、自身が備える通信装置(不図示)を用いてサーバ10Aに送信し、サーバ10Aの取得部110Aは、通信装置200Aを介して、これらの情報を取得する。
【0084】
また、取得部110Aは、更に、第1実施形態における取得部110と同様の機能を有してもよい。
【0085】
決定部120Aは、後述の記憶装置300Aが記憶する地図情報310Aを参照し、上記の位置情報が示す上記のリンク5上の位置から、ユーザ端末50が該リンク5上を進行方向へ移動して次に通過するノード7までの距離に基づいて、取得部110Aが次にユーザ端末50から位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定する。更に、決定部120Aは、このタイミングに基づいて、ユーザ端末50自身が、次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得し、サーバ10Aに位置情報と進行方向を示す情報とを送信するタイミングを決定する。
【0086】
また、決定部120Aは、第1実施形態における決定部120と同様の機能を有してもよい。
【0087】
推定部130Aは、サーバ10Aに接続するユーザ端末50の移動速度を推定する。より具体的には、例えば、推定部130Aは、通信装置200Aを介して、ユーザ端末50に、所定の時間間隔で2回位置情報を取得させると共に、これらの位置情報をサーバ10Aに送信させる指示を出し、これらの位置情報を用いて移動速度を算出してもよく、あるいは、位置情報とユーザ端末50に備わる加速度センサの測定データとを組み合わせて、移動速度を決定してもよい。
【0088】
また、推定部130Aは、第1実施形態における推定部130と同様の機能を有してもよい。
【0089】
通信装置200Aは、サーバ10Aが、ユーザ端末50から上記の位置情報及び進行方向に係る情報を受信するために用いられる。また、決定部120Aがユーザ端末50に対し、ユーザ端末50自身が、位置情報と進行方向を示す情報を取得し、これらの情報をサーバ10Aに送信するタイミングを送信するために、通信装置200Aは用いられる。
【0090】
記憶装置300Aは、地図情報310Aと、ユーザ個別情報320Aと、ルート履歴情報330Aと、法定速度情報340Aとを記憶する。
【0091】
地図情報310Aは、少なくとも、
図1で示すような、複数のリンク5に係る情報と、リンク5同士の交点である複数のノード7に係る情報とを含む。地図情報310Aは、上記のように、取得部110Aが位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定するにあたり、ユーザ端末50が次に通過するノードを、決定部120Aが特定するために参照される。
【0092】
ユーザ個別情報320Aは、ユーザ端末50のユーザを識別するための情報である。とりわけユーザ端末50のユーザが複数存在する場合には、ユーザ個別情報320Aは、ユーザ端末50を使用中のユーザを特定するために必要となる情報である。この情報を用いて、位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定することにより、例えば、ユーザによる車両の運転傾向の違いを、位置情報及び進行方向を示す情報の取得のタイミングに反映することが可能となる。
【0093】
ルート履歴情報330Aは、ユーザ端末50が、これまでに移動してきたルートの履歴に係る情報である。
【0094】
法定速度情報340Aは、地図情報310に含まれるリンク5毎に定められた、法定速度に係る情報である。
【0095】
図7は、位置情報取得装置100Aを備えるサーバ10Aの動作を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS21において、取得部110Aは、ユーザ端末50から、ユーザ端末50の位置情報と、ユーザ端末50の進行方向を示す情報とを取得する。
【0097】
ステップS22において、決定部120Aは、地図情報310Aを参照し、ユーザ端末50の位置情報と、ユーザ端末50の進行方向を示す情報とに基づいて、ユーザ端末50が次に通過するノードを特定する。
【0098】
ステップS23において、ユーザ端末50が、位置情報が示す位置から、この位置を含むリンク5を進行方向に移動して、次に通過するノード7までの距離に基づいて、取得部110Aが次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを、決定部120Aが決定する。
【0099】
ステップS24において、決定部120Aは、取得部110Aが次に位置情報を取得するタイミングに基づいて、ユーザ端末50自身が位置情報及び進行方向を示す情報を取得し、該位置情報及び進行方向を示す情報をサーバ10Aに送信するタイミングを決定する。
【0100】
ステップS25において、通信装置200Aは、ユーザ端末50自身が位置情報及び進行方向を示す情報を取得し、該位置情報及び進行方向を示す情報をサーバ10Aへ送信するタイミングを、ユーザ端末50に送信する。
【0101】
ステップS26において、通信装置200Aは、ユーザ端末50から、位置情報と、ユーザ端末50の進行方向を示す情報とを受信する。その後、処理はステップS21に戻る(リターン)。
【0102】
〔第2実施形態の効果〕
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。更に、第2実施形態においては、ユーザ端末50が、ユーザ端末50の位置情報及び進行方向に係る情報をサーバ10Aに送信するタイミングを制御することが可能となる。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0104】
〔変形形態〕
(1)上記の実施形態においては、ユーザ端末10が記憶装置300を備え、サーバ10Aが記憶装置300Aを備えるとしたが、これには限定されない。例えば、記憶装置300はユーザ端末10とは別体となっていてもよく、記憶装置300Aは、サーバ10Aとは別体となっていてもよい。また、ユーザ端末10は、ネットワークを介して、記憶装置300が記憶する情報を参照してもよく、サーバ10Aは、ネットワークを介して記憶装置300Aが記憶する情報を参照してもよい。また、ユーザ端末10は、クラウド上に存在する記憶装置300から、該記憶装置300が記憶する情報を参照してもよく、サーバ10Aは、クラウド上に存在する記憶装置300Aから、該記憶装置300Aが記憶する情報を参照してもよい。また、ユーザ端末10とサーバ10Aとで、共通の記憶装置300を用いてもよい。
【0105】
(2)上記の第1実施形態においては、ユーザ端末10がリンク上を進行方向に移動して次に通過するノードまでの距離に基づいて、取得部110が次に位置情報及び進行方向を示す情報を取得するタイミングを決定するとしたが、これには限定されない。例えば、これに加えて、ユーザ端末10がリンク上を進行方向に移動して次に通過するノードまでの距離に基づいて、取得部110が取得した位置情報と進行方向を示す情報を、通信装置200を用いてサーバに送信するタイミングを決定してもよい。
【0106】
位置情報取得装置100、100A、延いてはユーザ端末10、及びサーバ10Aによる制御方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。また、これらのプログラムは、リムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。更に、これらのプログラムは、ダウンロードされることなくネットワークを介したWebサービスとしてユーザのコンピュータに提供されてもよい。