特許第6890770号(P6890770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890770
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】単相3線式分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20210607BHJP
   H02H 3/24 20060101ALI20210607BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20210607BHJP
   G01R 31/50 20200101ALI20210607BHJP
【FI】
   H02B1/40 A
   H02H3/24 D
   H02H3/08 R
   G01R31/50
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-179663(P2017-179663)
(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公開番号】特開2019-57965(P2019-57965A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2020年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107467
【弁理士】
【氏名又は名称】員見 正文
(72)【発明者】
【氏名】弘中 健一
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−264295(JP,A)
【文献】 特開2017−123705(JP,A)
【文献】 特開2007−129874(JP,A)
【文献】 特開平07−298477(JP,A)
【文献】 特開平06−335150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/40 − 1/44
G01R 31/50 − 31/74
H02H 3/08 − 3/253
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置された電力計(110)と接続されたアンペアブレーカー(121)、該アンペアブレーカーに接続された欠相保護付漏電ブレーカー(122)および該欠相保護付漏電ブレーカーと接続された複数の配線用ブレーカー(123)を備えた単相3線式分電盤(10)であって、
停電原因が屋外か過負荷か漏電か中性線欠相かを判別するための原因判別部(30)および該原因判別部における判別結果に応じた表示内容を表示するための表示部(22)を備えた停電原因判別表示装置(20)を具備し、
前記原因判別部が、
前記アンペアブレーカーの入力線間電圧値(Va)および出力電流値(Ia)に基づいて前記停電原因が屋外か過負荷かを判別するための屋外/過負荷判別部(31)と、
前記欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用線間電圧値(Vb)および漏電/欠相判別用電流値(Ib)に基づいて前記停電原因が漏電か中性線欠相かを判別するための漏電/欠相判別部(32)と、
前記屋外/過負荷判別部および前記漏電/欠相判別部における判別結果に基づいて前記表示内容を決定するための表示制御部(33)とを備える、
ことを特徴とする、単相3線式分電盤。
【請求項2】
前記入力線間電圧値を測定するための第1の電圧計(VM1)が、前記電力計と前記アンペアブレーカーとを接続する第1の電圧線(L1)、第1の中性線(NL1)および第2の電圧線(L2)のうちの該第1または第2の電圧線と該第1の中性線との間に取り付けられており、
前記出力電流値を測定するための第1の電流計(CM1)が、前記アンペアブレーカーと前記欠相保護付漏電ブレーカーとを接続する第3または第4の電圧線(L3,L4)に取り付けられており、
前記漏電/欠相判別用線間電圧値を測定するための第2の電圧計(VM2)が、前記欠相保護付漏電ブレーカーと前記複数の配線用ブレーカーとを接続する第5の電圧線(L5)、第2の中性線(NL2)および第6の電圧線(L6)のうちの該第5または第6の電圧線と該第2の中性線との間に取り付けられており、
前記漏電/欠相判別用電流値を測定するための第2の電流計(CM2)が、前記第5または第6の電圧線に取り付けられている、
ことを特徴とする、請求項1記載の単相3線式分電盤。
【請求項3】
前記入力線間電圧値が0Vになると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を屋外と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」と決定し、
前記入力線間電圧値が商用電源電圧値であるにもかかわらず前記出力電流値が0Aになると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を過負荷と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「電気の使いすぎ。電力会社に連絡」と決定する、
ことを特徴とする、請求項2記載の単相3線式分電盤。
【請求項4】
屋外に設置された電力計(110)と接続されるとともに過負荷時遮断機能を有する欠相保護付漏電ブレーカー(132)および該欠相保護付漏電ブレーカーと接続された複数の配線用ブレーカー(123)を備えた単相3線式分電盤(50)であって、
停電原因が屋外か過負荷か漏電か中性線欠相かを判別するための原因判別部(70)および該原因判別部における判別結果に応じた表示内容を表示するための表示部(62)を備えた停電原因判別表示装置(60)を具備し、
前記原因判別部が、
前記欠相保護付漏電ブレーカーの入力線間電圧値(Va’)、該欠相保護付漏電ブレーカーの出力電流値(Ia’)および該欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用電流値(Ib’)に基づいて前記停電原因が屋外か過負荷かを判別するための屋外/過負荷判別部(71)と、
前記欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用線間電圧値(Vb’)および前記漏電/欠相判別用電流値に基づいて前記停電原因が漏電か中性線欠相かを判別するための漏電/欠相判別部(72)と、
前記屋外/過負荷判別部および前記漏電/欠相判別部における判別結果に基づいて前記表示内容を決定するための表示制御部(73)とを備える、
ことを特徴とする、単相3線式分電盤。
【請求項5】
前記入力線間電圧値を測定するための第1の電圧計(VM1’)が、前記電力計と前記欠相保護付漏電ブレーカーとを接続する第1の電圧線(L1’)、第1の中性線(NL1’)および第2の電圧線(L2’)のうちの該第1または第2の電圧線と該第1の中性線との間に取り付けられており、
前記漏電/欠相判別用線間電圧値を測定するための第2の電圧計(VM2’)が、前記欠相保護付漏電ブレーカーと前記複数の配線用ブレーカーとを接続する第3の電圧線(L3’)、第2の中性線(NL2’)および第4の電圧線(L4’)のうちの該第3または第4の電圧線と該第2の中性線との間に取り付けられており、
前記出力電流値を測定するための第1の電流計(CM1’)が、前記第3または第4の電圧線に取り付けられており、
前記漏電/欠相判別用電流値を測定するための第2の電流計(CM2’)が、前記第3および第4の電圧線のうちの前記第1の電流計が取り付けられていない方に取り付けられている、
ことを特徴とする、請求項4記載の単相3線式分電盤。
【請求項6】
前記入力線間電圧値が0Vになると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を屋外と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」と決定し、
前記入力線間電圧値が商用電源電圧値であるにもかかわらず前記出力電流値が0Aになるとともに該出力電流値が0Aになった直前の該出力電流値と前記漏電/欠相判別用電流値との合計電流値が所定の過負荷用閾値(Ith)以上であると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を過負荷と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「電気の使いすぎ。電力会社に連絡」と決定する、
ことを特徴とする、請求項5記載の単相3線式分電盤。
【請求項7】
前記原因判別部(30,70)が、前記表示制御部(33,73)によって起動およびリセットされるタイマ(34,74)をさらに備え、
前記漏電/欠相判別用電流値が0Aになると、前記漏電/欠相判別部(32,72)が、該漏電/欠相判別用電流値が0Aになった直前の前記漏電/欠相判別用線間電圧値と前記商用電源電圧値との差電圧の絶対値である差電圧絶対値(ΔVb)が所定の漏電/欠相判別用閾値(Vth)未満か否かを調べ、
前記差電圧絶対値が該漏電/欠相判別用閾値未満であると、前記漏電/欠相判別部が前記停電原因を漏電と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「漏電発生。漏電対処法を実施。」と決定したのち、前記タイマを起動させて経過時間(t)が所定の待機時間(Ta)を超えないか監視し、
前記差電圧絶対値が前記漏電/欠相判別用閾値以上であると、前記漏電/欠相判別部が前記停電原因を中性線欠相と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「中性線の断線による停電発生。電力会社に連絡」と決定する、
ことを特徴とする、請求項3または6記載の単相3線式分電盤。
【請求項8】
前記表示制御部が、前記待機時間内に前記漏電/欠相判別部が前記停電原因を漏電と再び判別しないと、前記表示内容を「漏電発生。電力会社または電気工事店に連絡」と決定することを特徴とする、請求項7記載の単相3線式分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅に設置するのに好適な単相3線式分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社(電気事業者)から電力の供給を受ける一般住宅(一般需要家)では、図5(a)に示すように、配電線から分岐された低圧引込線1に接続された電力計110が屋外に設置されているとともに、電力計110に接続された単相3線式分電盤120(以下、「分電盤120」と称する。)が屋内に設置されている。
【0003】
分電盤120は、図5(a),(b)に示すように、電力計110に接続されたアンペアブレーカー121(契約ブレーカーまたはサービスブレーカーとも呼ばれる。)と、アンペアブレーカー121に接続された欠相保護付漏電ブレーカー122と、欠相保護付漏電ブレーカー122に接続された複数の配線用ブレーカー(MCCB)123(安全ブレーカーとも呼ばれる。)とを備えている。
【0004】
ここで、アンペアブレーカー121は、通常は操作レバー121aが上げられており、電気使用量が契約アンペア数を超過すると作動して操作レバー121aが下がってすべての電気を遮断するためのものである。
欠相保護付漏電ブレーカー122は、通常は操作レバー122aが上げられており、負荷の絶縁不良による漏電(地絡電流)や中性線欠相(中性線の断線による欠相)を検出すると作動して操作レバー122aが下がってすべての電気を遮断するためのものである。
複数の配線用ブレーカー123は、屋内配線(各負荷の経路)ごとに配置され、通常は操作レバーが上げられており、配線用ブレーカー123に接続されている屋内配線で使用されている電気量が許容電流値(例えば、10〜20A)を超過すると作動して操作レバーが下がって当該屋内配線を流れる電気を遮断するためのものである。
【0005】
停電が発生すると、利用者は、地域全体が停電しているのか自宅のみが停電しているのかを確かめて、自宅のみが停電していることが分かると、分電盤120の設置場所に行って、アンペアブレーカー121の操作レバー121a、欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aおよび複数の配線用ブレーカー123の操作レバーが下がっていないかを確かめる。
【0006】
このとき、利用者は、アンペアブレーカー121の操作レバー121aが下がっていると、契約アンペア数を超えた電気の使いすぎが停電原因であることが分かるため、一度に使用する電気機器(負荷)の数を減らすか、契約アンペア数を増やすように電力会社と契約し直すことになる。
【0007】
また、複数の配線用ブレーカー123のうちの一つの操作レバーが下がっていると、利用者は、当該配線用ブレーカー123に接続された屋内配線で使用されている電気量が許容電流値を超過したことが停電原因であることが分かるため、不要な電気機器のスイッチを切ったのち、当該配線用ブレーカー123の操作レバーを上げることにより、簡単に対処することができる。
【0008】
しかし、欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aが下がっていると、利用者は、欠相保護付漏電ブレーカー122に取り付けられた漏電・欠相表示ボタン122b(漏電電流が零相変流器で検出されたり中性線欠相による異常電圧が検出されたりすると突出する。)が突出しているかを確かめることにより、漏電または中性線欠相によって欠相保護付漏電ブレーカー122が作動したことによる停電であることは分かるが、停電原因が漏電か中性線欠相かは分からない。
【0009】
そのため、漏電対処法を知っている利用者は、以下の手順に従って、漏電している電気機器が接続された屋内配線を特定しようと試みる。
(手順1)欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aを下げたままにして、複数の配線用ブレーカー123の操作レバーをすべて下げる。
(手順2)欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aを上げたのち、複数の配線用ブレーカー123の操作レバーを一つずつ上げていく。
(手順3)配線用ブレーカー123の操作レバーを上げたときに欠相保護付漏電ブレーカー122が作動すると、当該配線用ブレーカー123に接続されたいずれかの電気機器が漏電していると考えられるため、当該配線用ブレーカー123の操作レバーを下げる。
(手順4)当該配線用ブレーカー123に接続されたすべての電気機器の差込プラグをコンセントから抜き、欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aを上げたのち、当該配線用ブレーカー123の操作レバーを上げて、欠相保護付漏電ブレーカー122が作動しないかをチェックする。
(手順5)手順4で欠相保護付漏電ブレーカー122が作動しないと、当該配線用ブレーカー123に接続された電気機器の差込プラグを一つずつコンセントに差し込んでいって、欠相保護付漏電ブレーカー122が作動しないかをチェックしていく。
このとき、ある電気機器の差込プラグをコンセントに差し込んだ際に欠相保護付漏電ブレーカー122が作動すると、当該電気機器が漏電していることが分かる。
(手順6)残りの配線用ブレーカー123について手順2からの作業を行う。
【0010】
しかし、停電原因が中性線欠相であったときには、利用者は上記の手順1〜6を行っても停電原因が中性線欠相であることは分からない。
【0011】
このような問題を解決する手法として、下記の特許文献1に開示された漏電警報機能付き配線用遮断器のように、漏洩電流を零相変流器で検出すると漏電表示ボタンを突出させて漏電を表示するとともに、中性線欠相による異常電圧を異常電圧検出回路で検出すると欠相表示ボタンを突出させて中性線欠相を表示する手法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−133996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の漏電表示ボタンを突出させて漏電を表示するとともに欠相表示ボタンを突出させて中性線欠相を表示する手法では、漏電表示ボタンおよび欠相表示ボタンを突出させるための2つの機械的機構を欠相保護付漏電ブレーカー122に組み込む必要があるという問題がある。
【0014】
また、利用者としては、停電が発生した際には、その原因を早急に確かめて容易に対処したいという要望がある。特に、漏電対処法を知らない利用者としては、漏電が原因による停電発生時においても早急かつ容易に対処したいという要望がある。
【0015】
本発明の目的は、停電発生時に利用者に早急かつ容易に対処させることができる単相3線式分電盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の単相3線式分電盤は、屋外に設置された電力計(110)と接続されたアンペアブレーカー(121)、該アンペアブレーカーに接続された欠相保護付漏電ブレーカー(122)および該欠相保護付漏電ブレーカーと接続された複数の配線用ブレーカー(123)を備えた単相3線式分電盤(10)であって、停電原因が屋外か過負荷か漏電か中性線欠相かを判別するための原因判別部(30)および該原因判別部における判別結果に応じた表示内容を表示するための表示部(22)を備えた停電原因判別表示装置(20)を具備し、前記原因判別部が、前記アンペアブレーカーの入力線間電圧値(Va)および出力電流値(Ia)に基づいて前記停電原因が屋外か過負荷かを判別するための屋外/過負荷判別部(31)と、前記欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用線間電圧値(Vb)および漏電/欠相判別用電流値(Ib)に基づいて前記停電原因が漏電か中性線欠相かを判別するための漏電/欠相判別部(32)と、前記屋外/過負荷判別部および前記漏電/欠相判別部における判別結果に基づいて前記表示内容を決定するための表示制御部(33)とを備えることを特徴とする。
ここで、前記入力線間電圧値を測定するための第1の電圧計(VM1)が、前記電力計と前記アンペアブレーカーとを接続する第1の電圧線(L1)、第1の中性線(NL1)および第2の電圧線(L2)のうちの該第1または第2の電圧線と該第1の中性線との間に取り付けられており、前記出力電流値を測定するための第1の電流計(CM1)が、前記アンペアブレーカーと前記欠相保護付漏電ブレーカーとを接続する第3または第4の電圧線(L3,L4)に取り付けられており、前記漏電/欠相判別用線間電圧値を測定するための第2の電圧計(VM2)が、前記欠相保護付漏電ブレーカーと前記複数の配線用ブレーカーとを接続する第5の電圧線(L5)、第2の中性線(NL2)および第6の電圧線(L6)のうちの該第5または第6の電圧線と該第2の中性線との間に取り付けられており、前記漏電/欠相判別用電流値を測定するための第2の電流計(CM2)が、前記第5または第6の電圧線に取り付けられていてもよい。
前記入力線間電圧値が0Vになると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を屋外と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」と決定し、前記入力線間電圧値が商用電源電圧値であるにもかかわらず前記出力電流値が0Aになると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を過負荷と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「電気の使いすぎ。電力会社に連絡」と決定してもよい。
本発明の第2の単相3線式分電盤は、屋外に設置された電力計(110)と接続されるとともに過負荷時遮断機能を有する欠相保護付漏電ブレーカー(132)および該欠相保護付漏電ブレーカーと接続された複数の配線用ブレーカー(123)を備えた単相3線式分電盤(50)であって、停電原因が屋外か過負荷か漏電か中性線欠相かを判別するための原因判別部(70)および該原因判別部における判別結果に応じた表示内容を表示するための表示部(62)を備えた停電原因判別表示装置(60)を具備し、前記原因判別部が、前記欠相保護付漏電ブレーカーの入力線間電圧値(Va’)、該欠相保護付漏電ブレーカーの出力電流値(Ia’)および該欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用電流値(Ib’)に基づいて前記停電原因が屋外か過負荷かを判別するための屋外/過負荷判別部(71)と、前記欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用線間電圧値(Vb’)および前記漏電/欠相判別用電流値に基づいて前記停電原因が漏電か中性線欠相かを判別するための漏電/欠相判別部(72)と、前記屋外/過負荷判別部および前記漏電/欠相判別部における判別結果に基づいて前記表示内容を決定するための表示制御部(73)とを備えることを特徴とする。
ここで、前記入力線間電圧値を測定するための第1の電圧計(VM1’)が、前記電力計と前記欠相保護付漏電ブレーカーとを接続する第1の電圧線(L1’)、第1の中性線(NL1’)および第2の電圧線(L2’)のうちの該第1または第2の電圧線と該第1の中性線との間に取り付けられており、前記漏電/欠相判別用線間電圧値を測定するための第2の電圧計(VM2’)が、前記欠相保護付漏電ブレーカーと前記複数の配線用ブレーカーとを接続する第3の電圧線(L3’)、第2の中性線(NL2’)および第4の電圧線(L4’)のうちの該第3または第4の電圧線と該第2の中性線との間に取り付けられており、前記出力電流値を測定するための第1の電流計(CM1’)が、前記第3または第4の電圧線に取り付けられており、前記漏電/欠相判別用電流値を測定するための第2の電流計(CM2’)が、前記第3および第4の電圧線のうちの前記第1の電流計が取り付けられていない方に取り付けられていてもよい。
前記入力線間電圧値が0Vになると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を屋外と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」と決定し、前記入力線間電圧値が商用電源電圧値であるにもかかわらず前記出力電流値が0Aになるとともに該出力電流値が0Aになった直前の該出力電流値と前記漏電/欠相判別用電流値との合計電流値が所定の過負荷用閾値(Ith)以上であると、前記屋外/過負荷判別部が前記停電原因を過負荷と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「電気の使いすぎ。電力会社に連絡」と決定してもよい。
本発明の第1および第2の単相3線式分電盤は、前記原因判別部(30,70)が、前記表示制御部(33,73)によって起動およびリセットされるタイマ(34,74)をさらに備え、前記漏電/欠相判別用電流値が0Aになると、前記漏電/欠相判別部(32,72)が、該漏電/欠相判別用電流値が0Aになった直前の前記漏電/欠相判別用線間電圧値と前記商用電源電圧値との差電圧の絶対値である差電圧絶対値(ΔVb)が所定の漏電/欠相判別用閾値(Vth)未満か否かを調べ、前記差電圧絶対値が該漏電/欠相判別用閾値未満であると、前記漏電/欠相判別部が前記停電原因を漏電と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「漏電発生。漏電対処法を実施。」と決定したのち、前記タイマを起動させて経過時間(t)が所定の待機時間(Ta)を超えないか監視し、前記差電圧絶対値が前記漏電/欠相判別用閾値以上であると、前記漏電/欠相判別部が前記停電原因を中性線欠相と判別するとともに、前記表示制御部が前記表示内容を「中性線の断線による停電発生。電力会社に連絡」と決定してもよい。
前記表示制御部が、前記待機時間内に前記漏電/欠相判別部が前記停電原因を漏電と再び判別しないと、前記表示内容を「漏電発生。電力会社または電気工事店に連絡」と決定してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の単相3線式分電盤は、以下に示す効果を奏する。
(1)停電原因が屋外か過負荷か漏電か中性線欠相かを判別した結果に応じた表示内容を表示することにより、利用者は表示内容に従って対処すればよいため、停電発生時に利用者に早急かつ容易に対処させることができる。
(2)アンペアブレーカーの入力線間電圧値および出力電流値に基づいて停電原因が屋外か過負荷かを判別し、欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用線間電圧値および漏電/欠相判別用電流値に基づいて停電原因が漏電か中性線欠相かを判別することにより、従来のアンペアブレーカーおよび欠相保護付漏電ブレーカーを具備した単相3線式分電盤にも適用することができる。
(3)欠相保護付漏電ブレーカーの入力線間電圧値、欠相保護付漏電ブレーカーの出力電流値および欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用電流値に基づいて停電原因が屋外か過負荷かを判別し、欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用線間電圧値および漏電/欠相判別用電流値に基づいて停電原因が漏電か中性線欠相かを判別することにより、従来の過負荷時遮断機能を有する欠相保護付漏電ブレーカーを具備した単相3線式分電盤にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施例による単相3線式分電盤10について説明するための図であり、(a)はその構成を示す図であり、(b)はその表面を示す図である。
図2図1(a)に示した原因判別部30について説明するための図である。
図3図1(a)に示した原因判別部30の動作について説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の第2の実施例による単相3線式分電盤50について説明するための図であり、(a)はその構成を示す図であり、(b)は原因判別部70について説明するための図である。
図5】従来の分電盤120について説明するための図であり、(a)はその構成を示す図であり、(b)はその表面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記の目的を、アンペアブレーカーの入力線間電圧値および出力電流値に基づいて停電原因が屋外か過負荷かを判別し、欠相保護付漏電ブレーカーの出力側の漏電/欠相判別用線間電圧値および漏電/欠相判別用電流値に基づいて停電原因が漏電か中性線欠相かを判別して、判別結果に応じた表示内容を表示することによりに実現した。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の単相3線式分電盤の実施例について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、図2に示すように、電力計110とアンペアブレーカー121とを接続する2本の電圧線並びに中性線を「第1および第2の電圧線L1,L2」並びに「第1の中性線NL1」と称し、アンペアブレーカー121と欠相保護付漏電ブレーカー122とを接続する2本の電圧線並びに中性線を「第3および第4の電圧線L3,L4」並びに「第2の中性線NL2」と称し、欠相保護付漏電ブレーカー122と複数の配線用ブレーカー123とを接続する2本の電圧線並びに中性線を「第5および第6の電圧線L5,L6」並びに「第3の中性線NL3」と称する。
また、第1の電圧線L1、第1の中性線NL1および第2の電圧線L2は第3の電圧線L3、第2の中性線NL2および第4の電圧線L4とアンペアブレーカー121の操作レバー121aを介してそれぞれ接続されており、第3の電圧線L3、第2の中性線NL2および第4の電圧線L4は第5の電圧線L5、第3の中性線NL3および第6の電圧線L6と欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aを介してそれぞれ接続されているとする。
【0021】
本発明の第1の実施例による単相3線式分電盤10(以下、「分電盤10」と称する。)は、図1(a)に示すように、原因判別部30、バッテリー(BT)21および表示部22を備えた停電原因判別表示装置20を具備する点で、図5(a),(b)に示した従来の分電盤120と異なる。
【0022】
ここで、原因判別部30は、停電原因が屋外(低圧引込線1または電力計110の故障)か過負荷(アンペアブレーカー121の作動)か漏電か中性線欠相(中性線の断線による欠相)かを判別するためのものであり、図2に示すように屋外/過負荷判別部31、漏電/欠相判別部32、表示制御部33およびタイマ34を備える。
【0023】
屋外/過負荷判別部31は、アンペアブレーカー121の入力側の線間電圧値(以下、「入力線間電圧値Va」と称する。)およびアンペアブレーカー121の出力側の電流値(以下、「出力電流値Ia」と称する。)とに基づいて停電原因が屋外か過負荷かを判別し、判別結果を示す屋外/過負荷判別結果信号Saを表示制御部33に出力するためのものである。
【0024】
この例では、入力線間電圧値Vaを測定するための第1の電圧計VM1は第1の電圧線L1と第1の中性線NL1との間に取り付けられており、また、出力電流値Iaを測定するための第1の電流計CM1は第4の電圧線L4に取り付けられている。
なお、第1の電圧計VM1は第2の電圧線L2と第1の中性線NL1との間に取り付けられてもよく、また、第1の電流計CM1は第3の電圧線L3に取り付けられてもよい。
【0025】
漏電/欠相判別部32は、欠相保護付漏電ブレーカー122の出力側(複数の配線用ブレーカー123側)の線間電圧値(以下、「漏電/欠相判別用線間電圧値Vb」と称する。)および電流値(以下、「漏電/欠相判別用電流値Ib」と称する。)に基づいて停電原因が漏電か中性線欠相かを判別し、判別結果を示す漏電/欠相判別結果信号Sbを表示制御部33に出力するためのものである。
漏電/欠相判別部32は、最新の所定時間(例えば、1〜2秒間)の漏電/欠相判別用線間電圧値Vbを記憶するためのメモリを備えている。
【0026】
この例では、漏電/欠相判別用線間電圧値Vbを測定するための第2の電圧計VM2は第5の電圧線L5と第3の中性線NL3(好ましくは、第3の中性線NL3の末端部)との間に取り付けられており、また、漏電/欠相判別用電流値Ibを測定するための第2の電流計CM2は第6の電圧線L6に取り付けられている。
なお、第2の電圧計VM2を第6の電圧線L6に取り付けてもよく、第2の電流計CM2を第5の電圧線L5に取り付けてもよい。
【0027】
表示制御部33は、屋外/過負荷判別部31から入力される屋外/過負荷判別結果信号Saと漏電/欠相判別部32から入力される漏電/欠相判別結果信号Sbとに基づいて表示部22に表示させる表示内容を決定し、決定した表示内容を示す表示データDを表示部22に出力する。
【0028】
タイマ34は、表示制御部33に接続されており、表示制御部33によって起動およびリセットされる。
【0029】
表示部22は、表示制御部33から入力される表示データDに基づいて、原因判別部30における判別結果に応じた表示内容を表示するためのものである。
【0030】
バッテリー21は、原因判別部30および表示部22を常時駆動して、停電時でも原因判別部30および表示部22が動作できるようにするとともに、夜間でも表示部22に表示された表示内容を確認できるようにするためのものである。
【0031】
次に、原因判別部30の動作について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
屋外/過負荷判別部31は、第1の電圧計VM1から入力される入力線間電圧値Vaおよび第1の電流計CM1から入力される出力電流値Iaを監視しており(ステップS11,S12)、入力線間電圧値Vaが0Vになると、停電原因を屋外と判別して、その旨を示す屋外/過負荷判別結果信号Saを表示制御部34に出力する(ステップS13)。
【0032】
表示制御部34は、この屋外/過負荷判別結果信号Saが屋外/過負荷判別部31から入力されると、表示内容を「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」と決定し、決定した表示内容を示す表示データDを表示部22に出力する(ステップS14)。
これにより、表示部22に、「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」と表示される。
【0033】
その結果、利用者は、周辺の状況を確認するなどして地域全体の停電と分かれば、分電盤10の設置場所に行くことなく停電復帰を待てばよいため、表示部22の表示内容「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」を確認する必要がないので、表示部22にこのような表示がされても特に問題はない。電力会社も、利用者から連絡があっても地域全体の停電である旨を伝えればよいため、容易に対応することができる。
【0034】
また、利用者は、低圧引込線1の断線や電力計110の故障による停電の場合には、周辺の状況を確認するなどすれば地域全体の停電でないと分かるため、分電盤10の設置場所に行って表示部22の表示内容「引込線断線か電力計故障。電力会社に連絡」を見ることにより、電力会社に「引込線が断線しているか電力計が故障しているようです。」と連絡すればよいため、早急かつ容易に対処することができる。
【0035】
屋外/過負荷判別部31は、入力線間電圧値Vaが100V(商用電源電圧値)であるにもかかわらず出力電流値Iaが0Aになると、停電原因を過負荷と判別して、その旨を示す屋外/過負荷判別結果信号Saを表示制御部34に出力する(ステップS15)。
【0036】
表示制御部34は、この屋外/過負荷判別結果信号Saが屋外/過負荷判別部31から入力されると、表示内容を「電気の使いすぎ。電力会社に連絡」と決定し、決定した表示内容を示す表示データDを表示部22に出力する(ステップS16)。
これにより、表示部22に、「電気の使いすぎ。電力会社に連絡」と表示される。
【0037】
その結果、利用者は、分電盤10の設置場所に行ってアンペアブレーカー121の操作レバー121aが下がっていることと表示部22の表示内容とを確認することにより、今後は電気の使用を抑えるようにする場合には電力会社に連絡しなくてもよく、一方、電気の使用を抑えるよりも契約アンペア数の変更をした方がよいと思った場合には電力会社に連絡して「契約アンペア数を変更したい」旨を伝えればよいため、早急かつ容易に対処することができる。
【0038】
漏電/欠相判別部32は、第2の電流計CM2および第2の電圧計VM2からそれぞれ入力される漏電/欠相判別用電流値Ibおよび漏電/欠相判別用線間電圧値Vbを監視しており、漏電/欠相判別用電流値Ibが0Aになると、欠相保護付漏電ブレーカー122が作動したと判定して、漏電/欠相判別用電流値Ibが0Aになった直前の漏電/欠相判別用線間電圧値Vbと100Vとの差電圧の絶対値(以下、「差電圧絶対値ΔVb」と称する。)が所定の漏電/欠相判別用閾値Vth(例えば、20V)未満か否かを調べる(ステップS17,S18)。
【0039】
その結果、屋外/過負荷判別部31は、漏電/欠相判別用電流値Ibが0Aになった直前の差電圧絶対値ΔVbが漏電/欠相判別用閾値Vth未満であると、停電原因を漏電と判別して、その旨を示す漏電/欠相判別結果信号Sbを表示制御部34に出力する(ステップS19)。
【0040】
表示制御部34は、この漏電/欠相判別結果信号Sbが漏電/欠相判別部32から入力されると、表示内容を「漏電発生。漏電対処法を実施。」と決定し、決定した表示内容を示す表示データDを表示部22に出力する(ステップS20)。
これにより、表示部22に、「漏電発生。漏電対処法を実施。」と表示される。
【0041】
表示制御部34は、表示データDを表示部22に出力すると、タイマ34を起動させて、経過時間tが所定の待機時間Ta(例えば、10分)を超えないか監視する(ステップS21)。
【0042】
このとき、漏電対処法を知らない利用者は、表示部22の表示内容を見て漏電が発生していることを確認しても漏電対処法を行えないため、欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aは下がったままとされる。
そのため、漏電により欠相保護付漏電ブレーカー122が作動した旨を示す漏電/欠相判別結果信号Sbが待機時間Ta内に再び入力されることはないため、表示制御部34は、利用者は漏電対処法を知らないと判定して、表示内容を「漏電発生。電力会社または電気工事店に連絡」と決定し、決定した表示内容を示す表示データDを表示部22に出力するとともに、タイマ35をリセットする(ステップS22,S23)。
これにより、表示部22に、「漏電発生。電力会社または電気工事店に連絡」と表示される。
【0043】
その結果、漏電対処法を知らない利用者は、表示部22の表示内容を確認することにより、電力会社または電気工事店に連絡して「漏電が発生したようなので調べて欲しい」旨を伝えればよいため、早急かつ容易に対処することができる。
【0044】
一方、漏電対処法(上記の手順1〜6)を知っている利用者は、分電盤10の設置場所に行って欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aが下がっていることと表示部22の表示内容「漏電発生。漏電対処法を実施」とを確認して、漏電対処法を行って漏電個所を調べようとする。
【0045】
そのため、漏電/欠相判別用電流値Ibは、利用者が上記の手順2において欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aを上げたのちに複数の配線用ブレーカー123の操作レバーを一つずつ上げていくと0Aよりも大きくなるが、上記の手順3において欠相保護付漏電ブレーカー122が再び作動すると0Aとなる。
【0046】
その後、漏電/欠相判別用電流値Ibは、利用者が上記の手順4において欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aおよび当該配線用ブレーカー123の操作レバーを上げると0Aよりも大きくなるが、利用者が上記の手順5において漏電していた電気機器の差込プラグをコンセントに差し込むと欠相保護付漏電ブレーカー122が再び作動して0Aとなる。
【0047】
このとき、差電圧絶対値ΔVbは漏電/欠相判別用閾値Vth未満のままであるため、漏電/欠相判別部32は、漏電/欠相判別用電流値Ibが0Aになるたびに、漏電によって欠相保護付漏電ブレーカー122が作動したと判別して、その旨を示す漏電/欠相判別結果信号Sbを表示制御部34に出力する。
【0048】
そのため、表示制御部34は、待機時間Ta内に漏電/欠相判別結果信号Sbが再び入力されると、利用者は漏電対処法を行っていると判定して、表示部22に表示内容を消させるとともに、タイマ35をリセットする(ステップS22,S24)。
【0049】
その結果、利用者は、自分で漏電対処法を行うことにより、早急かつ容易に対処することができる。
【0050】
なお、漏電対処法を知らない利用者が試しに欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aを1回だけ上げてしまうことを考慮すると、ステップS22において、待機時間Ta内に漏電/欠相判別結果信号Sbが1回しか入力されないとステプS23に進み、一方、待機時間Ta内に漏電/欠相判別結果信号Sbが2回入力されるとステップS23に進むようにしてもよい。
【0051】
ステップS18において差電圧絶対値ΔVbが漏電/欠相判別用閾値Vth以上であると、漏電/欠相判別部32は、停電原因を中性線欠相と判別して、その旨を示す漏電/欠相判別結果信号Sbを表示制御部34に出力する(ステップS25)。
【0052】
表示制御部34は、この漏電/欠相判別結果信号Sbが漏電/欠相判別部32から入力されると、表示内容を「中性線の断線による停電発生。電力会社に連絡」と決定し、決定した表示内容を示す表示データDを表示部22に出力する(ステップS26)。
これにより、表示部22に、「中性線の断線による停電発生。電力会社に連絡」と表示される。
【0053】
その結果、利用者は、分電盤10の設置場所に行って欠相保護付漏電ブレーカー122の操作レバー122aが下がっていることと表示部22の表示内容とを確認して、電力会社に連絡して「中性線が断線して停電したようなので調べて欲しい。」と伝えればよいため、早急かつ容易に対処することができる。
【実施例2】
【0054】
次に、本発明の第2の実施例による単相3線式分電盤50(以下、「分電盤50」と称する。)について、図4(a),(b)を参照して説明する。
なお、以下の説明では、電力計110と欠相保護付漏電ブレーカー132とを接続する2本の電圧線並びに中性線を「第1および第2の電圧線L1’,L2’」並びに「第1の中性線NL1’」と称し、欠相保護付漏電ブレーカー132と複数の配線用ブレーカー123とを接続する2本の電圧線並びに中性線を「第3および第4の電圧線L3’ L4’」並びに「第2の中性線NL2’」と称する。
また、第1の電圧線L1’、第1の中性線NL1’および第2の電圧線L2’は第3の電圧線L3’、第2の中性線NL2’および第4の電圧線L4’と欠相保護付漏電ブレーカー132の操作レバー132aを介してそれぞれ接続されているとする。
【0055】
本実施例による分電盤50は、図4(a)に示すように、図1(a)に示したアンペアブレーカー121を具備しておらず、その代わりに、電気使用量が所定の電気量を超過すると作動する機能(以下、「過負荷時遮断機能」と称する。)を欠相保護付漏電ブレーカー132が有する点で、上述した第1の実施例による分電盤10と相違する。
【0056】
分電盤50は、停電原因判別表示装置60が原因判別部70、バッテリー61および表示部62を備える点と、図4(b)に示すように原因判別部70が屋外/過負荷判別部71、漏電/欠相判別部72、表示制御部73およびタイマ74を備える点とでは、上述した第1の実施例による分電盤10と同様である。
【0057】
分電盤50は、欠相保護付漏電ブレーカー132の入力側の線間電圧値(以下、「入力線間電圧値Va’」と称する。)を測定するための第1の電圧計VM1’を第1の電圧線L1’と第1の中性線NL1’との間に取り付けるとともに、欠相保護付漏電ブレーカー132の出力側の電流値(以下、「出力電流値Ia’」と称する。)を測定するための第1の電流計CM1’を第3の電圧線L3’に取り付けて、原因判別部70の屋外/過負荷判別部71に以下のようにして停電原因が屋外(低圧引込線1または電力計110の故障)か過負荷(過負荷時遮断機能による欠相保護付漏電ブレーカー132の作動)かを判別させる点で、上述した第1の実施例による分電盤10と相違する。
【0058】
屋外/過負荷判別部71は、第1の電圧計VM1’から入力される入力線間電圧値Va’および第1の電流計CM1’から入力される出力電流値Ia’を監視し、入力線間電圧値Va’が0Vになると停電原因を屋外と判別する。
【0059】
また、屋外/過負荷判別部71は、入力線間電圧値Va’が100Vであるにもかかわらず出力電流値Ia’が0Aになると、出力電流値Ia’が0Aになった直前の出力電流値Ia’と第2の電流計CM2’から入力される漏電/欠相判別用線間電流値Ib’との合計電流値が所定の過負荷用閾値Ith以上であると過負荷停電と判別する。
屋外/過負荷判別部71は、最新の所定時間(例えば、1〜2秒間)の出力電流値Ia’および漏電/欠相判別用線間電流値Ib’を記憶するためのメモリを備えている。
【0060】
なお、第1の電圧計VM1’は第2の電圧線L2’と第1の中性線NL1’との間に取り付けられてもよく、また、第1の電流計CM1’は第4の電圧線L4’に取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 低圧引込線
10,50 分電盤
20,60 停電原因判別表示装置
21,61 バッテリー
22,62 表示部
30,70 原因判別部
31,71 屋外/過負荷判別部
32,72 漏電/欠相判別部
33,73 表示制御部
34,74 タイマ
110 電力計
120 分電盤
121 アンペアブレーカー
121a 操作レバー
122,132 欠相保護付漏電ブレーカー
122a,132a 操作レバー
122b 漏電・欠相表示ボタン
123 配線用ブレーカー
VM1,VM2;VM1’,VM2’ 第1および第2の電圧計
CM1,CM2;CM1’,CM2’ 第1および第2の電流計
L1〜L9 第1乃至第9の接続線
L1’〜L6’ 第1乃至第6の接続線
NL1〜NL3 第1乃至第3の中性線
NL1’,NL2’ 第1および第2の中性線
Va,Va’ 入力線間電圧値
Vb,Vb’ 漏電/欠相判別用線間電圧値
ΔVb 差電圧絶対値
Vth 漏電/欠相判別用閾値
Ia,Ia’ 出力電流値
Ib,Ib’ 漏電/欠相判別用電流値
Ith 過負荷用閾値
Sa 屋外/過負荷判別結果信号
Sb 漏電/欠相判別結果信号
D 表示データ
Ta 待機時間
S11〜S26 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5