(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(イ) タフテッド機本体(10)に水平に支持された水平シャフト(11)に軸支されてタフテッド機の機幅方向にニードル選択装置を担持して摺動可能な縦長スライダー(12)に担持される後方ガイドバー(22)の後方ガイド溝(25)と、縦長スライダー(12)に接合されて一体化した前方ガイドバー(20・21)の前方ガイド溝(26)の間に挟まれて、基布(46)に直交する垂直方向に昇降可能に保持される多数のニードルホルダー(23)の各下端部に、基布(46)に向けて突設されて隣り合う各ニードル間のゲージを一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のニードル(41)と、
(ロ) 各隣り合うルーパー間のゲージをニードル間のゲージに合わせて一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のルーパー(42)と、
(ハ) 機幅方向に摺動可能にプッシュロッド(36)の下端に担持されて各ステッチサイクル毎に基布(46)に直交する垂直方向に昇降駆動されるニードルバー(18)に装着されたエアーシリンダー(24)に駆動されてニードルホルダー(23)に向けて出没するヘッド(39)と、ニードルホルダー(23)に穿設されて出没するヘッド(39)が嵌合する切欠(40)とによって構成されるニードル選択装置と、
(ニ) エアーシリンダーに操作されてカットパイルとループパイルを択一的に形成するカットループ選択装置と、
(ホ) 基布(46)にニードル(41)を差し込む差込指示信号(51)をニードル選択装置に発信し、カットパイルとループパイルを択一的に形成する選択指示信号(54)をカットループ選択装置に発信するパターン制御装置を具備し、
(ヘ) 各ニードル(41)へとパイル糸(P)を導くそれぞれ一個のヤーンガイド(63)が多数のニードルホルダー(23)の各下端部に装着されており、
(ト) 数ステッチサイクルに亙って基布(46)を搬送しない停止状態に保ち、その停止状態に続くワンステッチサイクル内に基布(46)を基布(46)の長さ方向に送り出して、基布(46)を間欠的に送り出す巻取ロール(16)と送出ロール(17)を駆動する基布間欠搬送装置と、
(チ) 水平シャフト(11)に軸支される縦長スライダー(12)を機幅方向に移動し、ニードルと基布を機幅方向において相対的に移動させるシフト装置と、
(リ) 基布(46)を間欠的に搬送する搬送指示信号(52)を基布間欠搬送装置に発信し、タフテッド機幅方向においてニードルと基布を相対的に移動させるシフト指示信号(53)をシフト装置に発信するパターン制御装置を具備するタフテッド機において、
(1)
ニードル(41)にパイル糸(P)をワンステッチサイクル毎に間欠的に送り出す少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置(61)を具備し
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間に遊嵌してニードルに向かう送出方向にもその逆方向の引戻方向にも走行可能なフリー遊嵌昇降ヤーンガイド(63a)と、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持昇降ヤーンガイド(63b)と、
(c) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持昇降ヤーンガイド(63c)、
との何れかの昇降ヤーンガイド(63)が、各ニードルを個別に担持する各ニードルホルダー(23)の下端に装着されており、
(3)
(a) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持固定ヤーンガイド(62a)と、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にもその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持固定ヤーンガイド(62b)、
との何れかの固定ヤーンガイド(62)が、タフテッド機本体の高所からニードルホルダー(23)の下端のニードル(41)に到るパイル糸供給経路において、前方ガイドバー(20・21)の支持フレーム(101)に搭載されているタフテッド機。
(イ) タフテッド機本体(10)に水平に支持された水平シャフト(11)に軸支されてタフテッド機の機幅方向にニードル選択装置を担持して摺動可能な縦長スライダー(12)に担持される後方ガイドバー(22)の後方ガイド溝(25)と、縦長スライダー(12)に接合されて一体化した前方ガイドバー(20・21)の前方ガイド溝(26)の間に挟まれて、基布(46)に直交する垂直方向に昇降可能に保持される多数のニードルホルダー(23)の各下端部に、基布(46)に向けて突設されて隣り合う各ニードル間のゲージを一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のニードル(41)と、
(ロ) 各隣り合うルーパー間のゲージをニードル間のゲージに合わせて一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のルーパー(42)と、
(ハ) 機幅方向に摺動可能にプッシュロッド(36)の下端に担持されて各ステッチサイクル毎に基布(46)に直交する垂直方向に昇降駆動されるニードルバー(18)に装着されたエアーシリンダー(24)に駆動されてニードルホルダー(23)に向けて出没するヘッド(39)と、ニードルホルダー(23)に穿設されて出没するヘッド(39)が嵌合する切欠(40)とによって構成されるニードル選択装置と、
(ニ) エアーシリンダーに操作されてカットパイルとループパイルを択一的に形成するカットループ選択装置と、
(ホ) 基布(46)にニードル(41)を差し込む差込指示信号(51)をニードル選択装置に発信し、カットパイルとループパイルを択一的に形成する選択指示信号(54)をカットループ選択装置に発信するパターン制御装置を具備し、
(ヘ) 各ニードル(41)へとパイル糸(P)を導くそれぞれ一個のヤーンガイド(63)が多数のニードルホルダー(23)の各下端部に装着されており、
(ト) 数ステッチサイクルに亙って基布(46)を搬送しない停止状態に保ち、その停止状態に続くワンステッチサイクル内に基布(46)を基布(46)の長さ方向に送り出して、基布(46)を間欠的に送り出す巻取ロール(16)と送出ロール(17)を駆動する基布間欠搬送装置と、
(チ) 水平シャフト(11)に軸支される縦長スライダー(12)を機幅方向に移動し、ニードルと基布を機幅方向において相対的に移動させるシフト装置と、
(リ) 基布(46)を間欠的に搬送する搬送指示信号(52)を基布間欠搬送装置に発信し、タフテッド機幅方向においてニードルと基布を相対的に移動させるシフト指示信号(53)をシフト装置に発信するパターン制御装置を具備するタフテッド機において、
(1)
ニードル(41)にパイル糸(P)をワンステッチサイクル毎に間欠的に送り出す少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置(61)を具備し、
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間に遊嵌してニードルに向かう送出方向にもその逆方向の引戻方向にも走行可能なフリー遊嵌昇降ヤーンガイド(63a)と、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持昇降ヤーンガイド(63b)と、
(c) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持昇降ヤーンガイド(63c)、
との何れかの昇降ヤーンガイド(63)が、各ニードルを個別に担持する各ニードルホルダー(23)の下端に装着されているタフテッド機。
(イ) タフテッド機本体(10)に水平に支持された水平シャフト(11)に軸支されてタフテッド機の機幅方向にニードル選択装置を担持して摺動可能な縦長スライダー(12)に担持される後方ガイドバー(22)の後方ガイド溝(25)と、縦長スライダー(12)に接合されて一体化した前方ガイドバー(20・21)の前方ガイド溝(26)の間に挟まれて、基布(46)に直交する垂直方向に昇降可能に保持される多数のニードルホルダー(23)の各下端部に、基布(46)に向けて突設されて隣り合う各ニードル間のゲージを一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のニードル(41)と、
(ロ) 各隣り合うルーパー間のゲージをニードル間のゲージに合わせて一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のルーパー(42)と、
(ハ) 機幅方向に摺動可能にプッシュロッド(36)の下端に担持されて各ステッチサイクル毎に基布(46)に直交する垂直方向に昇降駆動されるニードルバー(18)に装着されたエアーシリンダー(24)に駆動されてニードルホルダー(23)に向けて出没するヘッド(39)と、ニードルホルダー(23)に穿設されて出没するヘッド(39)が嵌合する切欠(40)とによって構成されるニードル選択装置と、
(ニ) エアーシリンダーに操作されてカットパイルとループパイルを択一的に形成するカットループ選択装置と、
(ホ) 基布(46)にニードル(41)を差し込む差込指示信号(51)をニードル選択装置に発信し、カットパイルとループパイルを択一的に形成する選択指示信号(54)をカットループ選択装置に発信するパターン制御装置を具備し、
(ヘ) 各ニードル(41)へとパイル糸(P)を導くそれぞれ一個のヤーンガイド(63)が多数のニードルホルダー(23)の各下端部に装着されており、
(ト) 数ステッチサイクルに亙って基布(46)を搬送しない停止状態に保ち、その停止状態に続くワンステッチサイクル内に基布(46)を基布(46)の長さ方向に送り出して、基布(46)を間欠的に送り出す巻取ロール(16)と送出ロール(17)を駆動する基布間欠搬送装置と、
(チ) 水平シャフト(11)に軸支される縦長スライダー(12)を機幅方向に移動し、ニードルと基布を機幅方向において相対的に移動させるシフト装置と、
(リ) 基布(46)を間欠的に搬送する搬送指示信号(52)を基布間欠搬送装置に発信し、タフテッド機幅方向においてニードルと基布を相対的に移動させるシフト指示信号(53)をシフト装置に発信するパターン制御装置を具備するタフテッド機において、
(1)
ニードル(41)にパイル糸(P)をワンステッチサイクル毎に間欠的に送り出す少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置(61)を具備し、
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持固定ヤーンガイド(62a)と、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にもその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持固定ヤーンガイド(62b)、
との何れかの固定ヤーンガイド(62)が、タフテッド機本体の高所からニードルホルダー(23)の下端のニードル(41)に到るパイル糸供給経路において、前方ガイドバー(20・21)の支持フレーム(101)に搭載されているタフテッド機。
(イ) タフテッド機本体(10)に水平に支持された水平シャフト(11)に軸支されてタフテッド機の機幅方向にニードル選択装置を担持して摺動可能な縦長スライダー(12)に担持される後方ガイドバー(22)の後方ガイド溝(25)と、縦長スライダー(12)に接合されて一体化した前方ガイドバー(20・21)の前方ガイド溝(26)の間に挟まれて、基布(46)に直交する垂直方向に昇降可能に保持される多数のニードルホルダー(23)の各下端部に、基布(46)に向けて突設されて隣り合う各ニードル間のゲージを一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のニードル(41)と、
(ロ) 各隣り合うルーパー間のゲージをニードル間のゲージに合わせて一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のルーパー(42)と、
(ハ) 機幅方向に摺動可能にプッシュロッド(36)の下端に担持されて各ステッチサイクル毎に基布(46)に直交する垂直方向に昇降駆動されるニードルバー(18)に装着されたエアーシリンダー(24)に駆動されてニードルホルダー(23)に向けて出没するヘッド(39)と、ニードルホルダー(23)に穿設されて出没するヘッド(39)が嵌合する切欠(40)とによって構成されるニードル選択装置と、
(ニ) エアーシリンダーに操作されてカットパイルとループパイルを択一的に形成するカットループ選択装置と、
(ホ) 基布(46)にニードル(41)を差し込む差込指示信号(51)をニードル選択装置に発信し、カットパイルとループパイルを択一的に形成する選択指示信号(54)をカットループ選択装置に発信するパターン制御装置を具備し、
(ヘ) 各ニードル(41)へとパイル糸(P)を導くそれぞれ一個のヤーンガイド(63)が多数のニードルホルダー(23)の各下端部に装着されており、
(ト) 数ステッチサイクルに亙って基布(46)を搬送しない停止状態に保ち、その停止状態に続くワンステッチサイクル内に基布(46)を基布(46)の長さ方向に送り出して、基布(46)を間欠的に送り出す巻取ロール(16)と送出ロール(17)を駆動する基布間欠搬送装置と、
(チ) 水平シャフト(11)に軸支される縦長スライダー(12)を機幅方向に移動し、ニードルと基布を機幅方向において相対的に移動させるシフト装置と、
(リ) 基布(46)を間欠的に搬送する搬送指示信号(52)を基布間欠搬送装置に発信し、タフテッド機幅方向においてニードルと基布を相対的に移動させるシフト指示信号(53)をシフト装置に発信するパターン制御装置を具備するタフテッド機において、
(1)
(a) パイル糸が二つの部材間に遊嵌してニードルに向かう送出方向にもその逆方向の引戻方向にも走行可能なフリー遊嵌昇降ヤーンガイド(63a)と、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持昇降ヤーンガイド(63b)と、
(c) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持昇降ヤーンガイド(63c)、
との何れかの昇降ヤーンガイド(63)が、各ニードルを個別に担持する各ニードルホルダー(23)の下端に装着されており、
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持固定ヤーンガイド(62a)と、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にもその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持固定ヤーンガイド(62b)、
との何れかの固定ヤーンガイド(62)が、タフテッド機本体の高所からニードルホルダー(23)の下端のニードル(41)に到るパイル糸供給経路において、前方ガイドバー(20・21)の支持フレーム(101)に搭載されているタフテッド機。
(a) 逆止把持固定ヤーンガイド(62a)が、上下前後が囲まれてタフテッド機幅方向に窪んだ空洞(27)を有する形枠(28)の空洞内に軸桿(29)をタフテッド機幅方向に向けて突設し、その軸桿(29)に揺動体(30)を揺動可能に軸支し、その揺動体(30)を空洞(27)の内側壁(31)に向けて弾性付勢するバネ(32)を軸桿(29)に巻き付け、そのバネ(32)の一端が軸桿(29)に係止し他端を揺動体(30)に係止し、空洞(27)を通って形枠(28)の上側と下側を貫通する貫通口(33a・33b)を穿設して構成され、
(b) その上下の貫通口(33a・33b)を結ぶ直線上にパイル糸(P)が走行する走行経路34が構成されており、
(c) バネ(32)に弾性付勢されて揺動体(30)の下端部(35)が走行経路(34)を横断し、その走行経路(34)においてパイル糸(P)がニードル(41)に向かって走行するパイル糸(P)の走行方向に揺動体(30)の下端部(35)を向けて、空洞(27の内側壁(31)に揺動体(30)の下端部(35)が圧接している請求項1と3と4の何れかに記載のタフテッド機。
逆止把持固定ヤーンガイド(62a)が、上下前後が囲まれてタフテッド機幅方向に窪んだ空洞(27)を有する形枠(28)の空洞内の向き合う一方の内側壁31bから他方の内側壁31aに向けて少なくとも一枚の板バネ(98)を片持ち梁状に突設して圧接し、その圧接する他方の内側壁31aの交わる形枠(28)の天板(121)と底板(122)にパイル糸Pが挿通可能な貫通口(123a)・(123b)を穿設してパイル糸の走行経路34を形成して構成された請求項1と3と4の何れかに記載のタフテッド機。
上下前後が囲まれてタフテッド機幅方向に窪んだ空洞(27)を有する形枠(28)の空洞内に軸桿(29)をタフテッド機幅方向に向けて突設し、その軸桿(29)に揺動体(30)を揺動可能に軸支し、その揺動体(30)を空洞(27)の内側壁(31)に向けて弾性付勢するバネ(32)を軸桿(29)に巻き付け、そのバネ(32)の一端が軸桿(29)に係止し他端を揺動体(30)に係止し、空洞(27)を通って形枠(28)の上側と下側を貫通する貫通口(33a・33b)を穿設して構成され、
その上下の貫通口(33a・33b)を結ぶ直線上にパイル糸(P)が走行する走行経路(34)が構成されており、
バネ(32)に弾性付勢されて揺動体(30)の下端部(35)が走行経路(34)を横断し、その走行経路(34)においてパイル糸(P)がニードル(41)に向かって走行するパイル糸(P)の走行方向に揺動体(30)の下端部(35)を向けて、空洞(27)の内側壁(31)に揺動体(30)の下端部(35)が圧接しており、
その揺動体(30)のパイル糸に触れる端縁が刃先角度(α)が90度以下の刃先(93a)を形成している昇降ヤーンガイド(63)がニードル(41)を担持するニードルホルダー(23)の下端に装着されており、
刃先(93a)を表面が平滑な滑板(95a)で被覆して構成されているカラーテック・タフテッド機用ニードルホルダー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カットループ選択装置を備えたタフテッド機において、カットパイル86とループパイル87の何れを形成する場合も、パイル糸Pの供給量が常に一定で、ルーパー先端85がニードル差込位置84を越えた時点において、板バネ83がニードル差込位置84を越えていれば(
図15a)、パイル糸ループ81は、板バネ83に阻止されてルーパー先端85から外れることはなく、ナイフ43とルーパー42との協働位置82へと移動し、ナイフ43とルーパー42に剪断されてカットパイル86を形成する。
しかし、ルーパー先端85がニードル差込位置84を超えた時点において、板バネ83がニードル差込位置84に達していなければ(
図15b)、パイル糸ループ81は、板バネ83に阻止されることなく、従って、ルーパー先端85から外れ、その結果、ループパイル87を形成することになる。
【0006】
このようにして、カットパイル86とループパイル87のパイル長が揃う。
そして、カットパイル86に続くバックステッチ88もループパイル87に続くバックステッチ89も基布46の裏面に密着する。
その結果、パイル面が平坦に揃ったレベルカットアンドループタフテッドパイル布帛が得られる(
図16)。
このことは、カットループ選択装置に加えてニードル選択装置を備えたカラーテック・タフテッド機においても同様に思われた。
【0007】
ところが、カットループ選択装置に加えてニードル選択装置をも備えたタフテッド機において、パイル糸Pの供給量を一定にセットし、ニードル選択装置を操作して得られるタフテッドパイル布帛は、恰もハイローパターン描出装置を備えたタフテッド機によって得られるタフテッドパイル布帛かのように、ループパイル87のパイル長がカットパイル86のパイル長に比して短くなる。
しかし、カラーテック・タフテッド機の開発当初、既にハイローパターン描出装置を備えたタフテッド機によって得られるループパイル87のパイル長がカットパイル86のパイル長に比して短いハイローパターン・タフテッドパイル布帛が市販されている。
従って、カラーテック・タフテッド機によって得られるタフテッドパイル布帛のループパイル87のパイル長がカットパイル86のパイル長に比して短くなっても、格別不自然な印象を与えない。
しかし、カットループ選択装置を備えたカラーテック・タフテッド機によって得られるタフテッドパイル布帛には、パイル目付けのバラツキが多く、加えて、裏布90を貼り合わせる裏打仕上工程において、裏布90が貼り合わせ難く剥離し易い、塗布する裏打用接着剤の塗布量が多くなる、塗布した裏打用接着剤が乾燥し難い、等の不具合が生じている。
【0008】
特に、カラーテック・タフテッド機によって得られるタフテッドパイル布帛では、それが彩色豊かな図柄が描出されており、その彩色豊かな図柄に隠れて目立たないものの、そのパイル目付けが部分的に大きく異なっており、そのパイル目付けは測定日の温度や湿度に左右されて大きく変動しており、そのパイル目付けのバラツキは、恰も工程管理の不行き届きを意味しているかのような印象さえも与える結果にもなっている。
【0009】
そこで調べた結果、タフテッドパイル布帛の外観品質特性に関しては、次の事実が判明した。
(1) カットループ選択装置とニードル選択装置を備えたカラーテック・タフテッド機によって得られるタフテッドパイル布帛のバックステッチ面では、カットパイル86に続くバックステッチ88とループパイル87に続くバックステッチ89の間には段差91が感じ取られる。
(2) カットパイル86に続くバックステッチ88に比してループパイル87に続くバックステッチ89が脹らみ出る。
(3) カットパイル86に続くバックステッチ88に比して、ループパイル87に続くバックステッチ89に裏打用接着剤が塗着し易くなる。
(4) カットパイル86に続くバックステッチ88に比して、貼り合わせた裏布90はループパイル87に続くバックステッチ89に接着し易くなる。
(5) カットパイル86に続くバックステッチ88に比して、カットパイル86に続くバックステッチ88と裏布90の間には空隙92が発生し易くなる(
図17)。
【0010】
また、パイル目付け管理に関しては、パイル糸クリル棚68から引き出してタフテッド機本体10へと導入するパイル糸Pの収縮率と総繊度をコーン64からの引出口65とニードル41への導入口とで測定してみると、ニードル41への導入口での収縮率はコーン64からの引出口65での収縮率よりも大きく、ニードル41への導入口での総繊度はコーン64からの引出口65での総繊度よりも細く、コーン64からの引出口65からニードル41への導入口に至る過程でパイル糸Pが引き伸ばされて総繊度が細くなり収縮し易い状態になることが判明した。
【0011】
そこで鋭意研究するに、従来技術に係るニードル選択装置を備えたタフテッド機では、各ステッチサイクル毎に基布46に差し込むニードルが選択されており、複数本の各ニードルが形成するパイルの数が異なる。
従って、複数本のニードルに供給されるパイル糸Pの供給量は、それぞれ複数本の各ニードルによって異なる。
それ故、パイル糸Pを貯蔵しているパイル糸クリル棚68からタフテッド機本体へと引き出してニードルへと続くパイル糸供給経路にパイル糸を積極的に送り出すフイードロールを配置することは出来ない。
そして、パイル糸Pをニードルに消極的に送り出す手段として、パイル糸を撮み出す逆止弁60を具備する逆止弁付き把持昇降ヤーンガイド63cが各ニードルホルダー23の下端に付設すべきことになる(
図3)。
【0012】
このパイル糸をパイル糸クリル棚68からタフテッド機本体へと引き出してニードルへと撮み出す逆止弁付き把持昇降ヤーンガイド63cは、
図3に図示するように、上下前後が囲まれてタフテッド機幅方向に窪んだ空洞27を有する形枠28の空洞内に軸桿29をタフテッド機幅方向に向けて突設し、その軸桿29に揺動体30を揺動可能に軸支し、その揺動体30を空洞27の内側壁31に向けて弾性付勢するバネ32を軸桿29に巻き付け、そのバネ32の一端が軸桿29に係止し他端を揺動体30に係止し、空洞27を通って形枠28の上側と下側を貫通する貫通口33a・33bを穿設して構成され、その上下の貫通口33a・33bを結ぶ直線上にパイル糸Pが走行する走行経路34が構成されており、バネ32に弾性付勢されて揺動体30の下端部35が走行経路34を横断し、その走行経路34においてパイル糸Pがニードル41に向かって走行するパイル糸Pの走行方向に揺動体30の下端部35を向けて、空洞27の内側壁31に揺動体30の下端部35が圧接している。
逆止弁60の揺動体30を下端部35には刃先角度αが90°以下の鋭利な刃先93aが付けられており、パイル糸Pを送出方向に引っ張るとき、刃先93aはパイル糸Pの走行の妨げにならないが、その逆方向に引っ張って上側の貫通口33aから引き戻そうとするときは、刃先93aが引っ掛かってパイル糸Pを逆方向に引っ張り出せない構造になっている。
【0013】
従って、この逆止弁付き把持昇降ヤーンガイド63cは、ニードルの係止するパイル糸の端末がニードルの糸通孔59から抜け外れないように係止する役目をはたすパイル糸保持手段になる。
しかし、選択されたニードルが連続してループパイルを形成する場合、パイル糸Pはカットされないので糸通孔59から抜け外れることはなく、ループパイルがカットパイルよりも短くなったり、裏打した裏布90とバックステッチ面との間に空隙92が発生する等の不具合がループパイルを形成する場合にだけ起きることからして、ループパイルを形成する場合には、パイル糸保持手段としては逆止弁60は不要と言うことになる。
つまり、パイル糸保持手段としての逆止弁付き把持昇降ヤーンガイド63cは、連続してカットパイルを形成する場合にだけ必要になると言うことになる。
このように、カットループ選択装置とニードル選択装置を備えたタフテッド機において、ループパイル87がカットパイル86よりも短くなったり、裏打した裏布90とバックステッチ面との間に空隙92が発生する等の不具合は、ニードル選択装置特有の逆止弁付き把持昇降ヤーンガイド63cに起因するものと考えられる。
その理由は次の通りである。
【0014】
即ち、ループパイル87かカットパイル86を形成してニードル41が上昇する過程で糸通孔59を通過して引き出されるべきパイル糸Pの追加分は、逆止弁60に妨げられることなく糸通孔59を通過しつつニードル41は最上昇位置に到着する(
図18a)。
次に新たなループパイルを形成するためにニードルが基布46に向けて降下し始めると、ニードルが降下した距離に応じて糸通孔を通過して糸通孔59から最後に植設された末尾パイル96に到る糸通孔通過パイル糸97に弛み94が発生し(
図18b)、又、ニードルと共に降下する逆止弁60が降下した距離に応じたパイル糸を引き出すので、その弛みは、ニードル41が基布46に差し込められる直前で最大となる(
図18c)。
ニードル41は、その弛み94が最大となった時点で基布46に差し込まれるので、その弛み分(94)だけ脹れ上がったバックステッチ89が発生し(
図18d)、その弛み分(94)だけ脹れ上がったバックステッチ89のバラツキの要因にもなる。
【0015】
ニードル41が最降下位置に達して上昇し始めるとニードル41が形成したパイル糸ループ81が輪奈状に脹らみ、その輪奈状隙間に進入して来たルーパーの先端85に一旦引っ掛けられることになるが、そのパイル糸ループ81は、板バネ83に阻まれてルーパー42とナイフ43との協働位置82に達することはなく、直ちにルーパー先端85から抜け外れて新たなループパイル(96)を形成することになる。
かくして、ループパイル87に続いて脹らみ上がったバックステッチ89がパイル目付け管理の不安定要因になる(
図18d)。
【0016】
この点、カットパイル86が形成される場合、板バネ83がニードル差込位置84を越えてルーパー先端85まで突き出されており、パイル糸ループ81は、板バネ83に阻まれてルーパー先端85から外れることなく、ナイフ43とルーパー42との協働位置82まで移動してカットパイル86を形成する(
図15a)。
このようにカットは86が形成される場合、ニードル41からルーパー42に引き渡されたパイル糸ループ81は、ルーパー42から外れることなく、ルーパー42に引っ掛けられたまま移動してカットパイル86を形成している。
その移動する過程において、カットパイル86を形成する直前まで、ルーパー42と基布46の間は、縫合するかのようにカットパイル86に続くパイル糸ループ81によって連結されており、パイル糸ループ81を介してカットパイル86に続くバックステッチ88はルーパー42に引き寄せられて基布46に密着状態に保たれる(
図15a)。
【0017】
このようにカットパイル86に続くバックステッチ88が基布46に密着する一方、ループパイル87に続くバックステッチ89が基布46から脹らみ出ることになる。
その関係上、そのバックステッチ89が脹らみ出た分だけ、ループパイル87はバックステッチ89に引き込まれ、カットパイル86に比して短くなり、カットパイル86とループパイル87の間に段差91が発生し、パイル目付けが不安定になる。
【0018】
そして、ループパイル87に続くバックステッチ89には、それが脹らみ出ている分だけ裏打用接着剤が塗着し易く裏布90に接着し易くなる。
一方、バックステッチ面においてカットパイルに続くバックステッチ88が相対的に窪んで裏打用接着剤が塗布し難く、そのバックステッチ89と裏布90の間に空隙92が発生して裏布90が剥離し易くなる。
そして、カットパイルに続くバックステッチ88と裏布90の間の空隙92を充填するに裏打用接着剤の塗布量を増やす関係で乾燥に手間取り、過剰な裏打用接着剤が脹らみ出たループパイルに続くバックステッチ89に吸収されることでタフテッドパイル布帛が粗硬に仕上がる。
【0019】
パイル目付け管理に関しては、前記の通り、ニードル41への導入口でのパイル糸Pの総繊度はコーン64からの引出口65でのパイル糸Pの総繊度よりも細く、ニードル41への導入口でのパイル糸Pはコーン64からの引出口65でのパイル糸Pよりも収縮し易いことが確認されているが、更に調べてみると、ニードル糸通孔59から引き出されるパイル糸Pの総繊度Dは、ニードル糸通孔59からクリル棚68のコーン64に到る距離が最も短いコーン64aから順次コーン64b、コーン64c、コーン64d………コーン64nとタフテッド機本体10から離れて長くなるにつれて、コーン64bに到るパイル糸Pの総繊度Dbはコーン64aに到るパイル糸Pの総繊度Daよりも細く、コーン64cに到るパイル糸Pの総繊度Dcはコーン64bに到るパイル糸Pの総繊度Dbよりも細く、コーン64dに到るパイル糸Pの総繊度Ddはコーン64cに到るパイル糸Pの総繊度Dcよりも細く、………と順次細くなり、タフテッド機本体10から最も離れたコーン64nに到るパイル糸Pの総繊度Dnが最も細くなることが判明した。
【0020】
そのように、タフテッド機本体10から離れるにつれてパイル糸Pの総繊度Dが漸次細くなる理由については、次のように考えられる。
即ち、ニードルホルダー23と、それに刻設された切欠40と、その切欠40に嵌合するヘッド39と、そのヘッド49を駆動するエァーシリンダー24と、そのヘッド39を支持するニードルバー18と、そのヘッド39と共にニードルバー18を昇降駆動するブッシュロッド36とから成るニードル選択装置によってニードルホルダー23と共に選択されて基布46に向けて降下する逆止弁付き把持昇降ヤーンガイド63cの逆止弁60は、ワンステッチサイクルにおける降下距離に相当する長さのパイル糸Pをクリル棚68から引き出すことになる。
【0021】
しかし、クリル棚68の各コーン(64a,64b,64c,64d………64n)とタフテッド機本体10の間はパイル糸Pが潜り抜けるアルミニウム製チューブ66で繋がれており、そのチューブ66を潜り抜ける過程で擦れ合うチューブ66からの摩擦抗力が作用してパイル糸Pが伸長する結果、ワンステッチサイクル内に降下してパイル糸Pを引き出す逆止弁60から作用する引張応力がワンステッチサイクル内に各コーン64に伝わらず、その逆止弁60からの引張応力が伸長応力となってタフテッド機本体10から各コーン64に続く長いパイル糸内(P)に蓄積される。
クリル棚68には、逆止弁60から各コーン64に引張応力が平均化されて伝わるようにするための張力調節器67が取り付けられている。
この張力調節器67は、無地調タフテッドパイル布帛用タフテッド機には有効でも、個々のパイル糸Pがワンステッチサイクル毎に選択的に差し込まれるカラーテック・タフテッド機では各コーン64に伝わる引張応力がワンステッチサイクル毎に個別に変化するので用をなさない。
その結果、前記の通り、ニードル41への導入口でのパイル糸Pの総繊度がコーン64からの引出口65でのパイル糸Pの総繊度よりも細く、ニードル41への導入口でのパイル糸Pがコーン64からの引出口65でのパイル糸Pよりも収縮し易くなり、それ故に、パイル目付けに部分的バラツキが発生するとの知見を得た。
【0022】
従って、本発明は、ニードル41にパイル糸Pをワンステッチサイクル毎に送出量を変えて間欠的に送り出す少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置61を逆止弁60から各コーン64に到る間に設け、引張応力が逆止弁60から各コーン64までの渡過期間を短縮し、パイル糸Pの伸長と総繊度の減少を軽減し、パイル目付けの部分的バラツキを解消することを第一の目的とする。
【0023】
本発明の第二の目的は、ループパイル87に続くバックステッチ89をカットパイル86に続くバックステッチ88と同様に基布46に密着させ、糸通孔通過パイル糸97の弛み分94に相応するバックステッチ89の脹れ上がりに起因するパイル目付けのバラツキを解消することにある。
【0024】
本発明の第三の目的は、(1) カットループ選択装置とニードル選択装置を備えたタフテッド機において、ループパイル87に続くバックステッチ89をカットパイル86に続くバックステッチ88と同様に基布46に密着させること、(2) ループパイル87に続くバックステッチ89をカットパイル86に続くバックステッチ88と同様に基布46に密着させることによって、カットパイルに続くバックステッチ88と裏布90の間の空隙92を抑え、カットパイルに続くバックステッチ88と裏布90を密着し、その間での裏布90の剥離を回避すること、(3) そのようにカットパイルに続くバックステッチ88と裏布90を密着させることによって、バックステッチ面において裏打用ループパイルに続くバックステッチ89に塗着する裏打用接着剤の塗着量を、カットパイルに続くバックステッチ88に塗着する裏打用接着剤の塗着量と同程度に抑えること、(4) そのように裏打用接着剤の塗着量を抑えることによって、塗布した裏打用接着剤の乾燥工程をスピードアップすること、又、(5) 裏打用接着剤の塗着量を抑えることによって、タフテッドパイル布帛を可撓に仕上げ、そして又、(6) 裏打用接着剤の塗着量を抑えることによって、タフテッドパイル布帛の製造原価の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係るタフテッド機は、
図1に図示するように、カラーテック・タフテッド機、即ち、(イ) タフテッド機本体10に水平に支持された水平シャフト11に軸支されてタフテッド機の機幅方向にニードル選択装置を担持して摺動可能な縦長スライダー12に担持される後方ガイドバー22の後方ガイド溝25と、縦長スライダー12に接合されて一体化した前方ガイドバー20・21の前方ガイド溝26の間に挟まれて、基布46に直交する垂直方向に昇降可能に保持される多数のニードルホルダー23の各下端部に、基布46に向けて突設されて隣り合う各ニードル間のゲージを一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のニードル41と、
(ロ) 各隣り合うルーパー間のゲージをニードル間のゲージに合わせて一定に揃えて機幅方向に配列された複数本のルーパー42と、
(ハ) 機幅方向に摺動可能にプッシュロッド36の下端に担持されて各ステッチサイクル毎に基布46に直交する垂直方向に昇降駆動されるニードルバー18に装着されたエアーシリンダー24に駆動されてニードルホルダー23に向けて出没するヘッド39と、ニードルホルダー23に穿設されて出没するヘッド39が嵌合する切欠40とによって構成されるニードル選択装置と、
(ニ) エアーシリンダーに操作されてカットパイルとループパイルを択一的に形成するカットループ選択装置と、
(ホ) 基布46にニードル41を差し込む差込指示信号(51)をニードル選択装置に発信し、カットパイルとループパイルを択一的に形成する選択指示信号(54)をカットループ選択装置に発信するパターン制御装置を具備し、
(ヘ) 各ニードル41へとパイル糸Pを導くそれぞれ一個の昇降ヤーンガイド63が多数のニードルホルダー23の各下端部に装着されており、
(ト) 数ステッチサイクルに亙って基布46を搬送しない停止状態に保ち、その停止状態に続く
ワンステッチサイクル内に基布46を基布46の長さ方向に送り出して、基布46を間欠的に送り出す巻取ロール16と送出ロール17を駆動する基布間欠搬送装置と、
(チ) 水平シャフト11に軸支される縦長スライダー12を機幅方向に移動し、ニードル41と基布46を機幅方向において相対的に移動させるシフト装置と、
(リ) 基布46を間欠的に搬送する搬送指示信号52を基布間欠搬送装置に発信し、タフテッド機幅方向においてニードルと基布を相対的に移動させるシフト指示信号53をシフト装置に発信するパターン制御装置を具備するタフテッド機において(
図1)、
(1)
ニードル41にパイル糸Pをワンステッチサイクル毎に送出量を変えて間欠的に送り出す少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置61を具備し、
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間に遊嵌してニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能なフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aと、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持昇降ヤーンガイド63bと(
図4,
図5)、
(c) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持昇降ヤーンガイド63c(
図3)、
との何れかの昇降ヤーンガイド63が、各ニードル41を個別に担持する各ニードルホルダー23の下端に装着されている点にある(
図2)。
(3)
(a) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止把持固定ヤーンガイド62aと、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持固定ヤーンガイド62bとの何れかの固定ヤーンガイド62が、
タフテッド機本体の高所からニードルホルダー23の下端のヤーンガイド63の低所のニードル41に到るパイル糸供給経路において、前方ガイドバー20・21の支持フレーム101の下端に搭載されていることを第1の特徴とする(
図1)。
【0026】
本発明は、カラーテック・タフテッド機において、
(1)
ニードル41にパイル糸Pをワンステッチサイクル毎に送出量を変えて間欠的に送り出す少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置61を具備し、
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間に遊嵌してニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能なフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aと、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持昇降ヤーンガイド63bと(
図4,
図5)、
(c) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持昇降ヤーンガイド63c(
図3)、
との何れかの昇降ヤーンガイド63が、各ニードル41を個別に担持する各ニードルホルダー23の下端に装着されていることを第2の特徴とする。
【0027】
本発明は、カラーテック・タフテッド機において、
(1)
ニードル41にパイル糸Pをワンステッチサイクル毎に送出量を変えて間欠的に送り出す少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置61を具備し、
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止把持固定ヤーンガイド62aと、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持固定ヤーンガイド62b、
との何れかの固定ヤーンガイド62が、タフテッド機本体の高所からニードルホルダー23の下端のヤーンガイド63の低所のニードル41に到るパイル糸供給経路において、前方ガイドバー20・21の支持フレーム101の下端に搭載されていることを第3の特徴とする。
【0028】
本発明は、カラーテック・タフテッド機において、
(1)
(a) パイル糸が二つの部材間に遊嵌してニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能なフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aと、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持昇降ヤーンガイド63bと(
図4,
図5)、
(c) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止弁付き逆止把持昇降ヤーンガイド63c(
図3)、
との何れかの昇降ヤーンガイド63が、各ニードル41を個別に担持する各ニードルホルダー23の下端に装着されている点にある(
図2)。
(2)
(a) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向にのみ走行可能な逆止把持固定ヤーンガイド62aと、
(b) パイル糸が二つの部材間で把持されてニードルに向かう送出方向とその逆方向の引戻方向にも走行可能な可逆送把持固定ヤーンガイド62b、
との何れかの固定ヤーンガイド62が、タフテッド機本体の高所からニードルホルダー23の下端のヤーンガイド63の低所のニードル41に到るパイル糸供給経路において、前方ガイドバー20・21の支持フレーム101の下端に搭載されていることを第4の特徴とする。
【0029】
本発明に係るタフテッド機の第5の特徴は、上記第3と第4との何れかの特徴に加えて、
(a)
図3に図示する従来の逆止弁50と同様に、逆止把持固定ヤーンガイド62aが、上下前後が囲まれてタフテッド機幅方向に窪んだ空洞27を有する形枠28の空洞内に軸桿29をタフテッド機幅方向に向けて突設し、その軸桿29に揺動体30を揺動可能に軸支し、その揺動体30を空洞27の内側壁31に向けて弾性付勢するバネ32を軸桿29に巻き付け、そのバネ32の一端が軸桿29に係止し他端を揺動体30に係止し、空洞27を通って形枠28の上側と下側を貫通する貫通口33a・33bを穿設して構成され、
(b) その上下の貫通口33a・33bを結ぶ直線上にはパイル糸Pが走行する走行経路34が構成され、
(c) バネ32に弾性付勢されて揺動体30の下端部35が走行経路34を横断し、その走行経路34においてパイル糸Pがニードル41に向かって走行するパイル糸Pの走行方向に揺動体30の下端部35を向けて、空洞27の内側壁31に揺動体30の下端部35が圧接している点にある。
【0030】
この逆止弁式逆止把持固定ヤーンガイド62aの揺動体30の下端部35の端縁には、刃先角度αが90度以下の刃先93aを付けられる。
そのように、逆止弁式逆止把持固定ヤーンガイド62aの揺動体30の下端部35の端縁に刃先角度90度以下の刃先93aを付けておくと、ニードルに向かう送出方向の逆方向に引っ張ってパイル糸を引き抜こうとするとき、刃先角度90度以下の刃先93aがパイル糸に食い込むので、逆止把持固定ヤーンガイドとしての逆止機能が強まる。
【0031】
刃先角度10度以下の刃先付き逆止弁式逆止把持固定ヤーンガイドは、その刃先93aを変形して可逆送把持固定ヤーンガイド62bや可逆送把持昇降ヤーンガイド63bに転用し得る点でも好都合である。
その転用する変形方法は、第1に、刃先93aを表面が平坦な滑板95aで被覆する方法であり(
図4)、第2には、滑板95aで円筒形リング95bを作製して刃先93aの周囲を円筒形リング95bの内側に囲む方法であり(
図5)、第3には、その刃先93aを削り落として揺動体30の端縁を曲面93bにする方法である(
図6)。
【0032】
本発明に係るタフテッド機の第6の特徴は、上記第3と第4との何れかの特徴に加えて、
図7に図示するように、逆止把持固定ヤーンガイド62aが、上下前後が囲まれてタフテッド機幅方向に窪んだ空洞27を有する形枠28の上側と下側を貫通する貫通口123a・123bを結ぶ直線上にパイル糸Pが走行する走行経路を形成し、形枠28の空洞内で向き合う一方の内側壁31bから他方の内側壁31aに向けて少なくとも一枚の板バネ98を片持ち梁状に突設し、その板バネ98の先端を他方の内側壁31aに突き当てて下側の貫通口123bに向けて弯曲させて構成されている点にある。
【0033】
この片持ち梁状板バネ98に成る片持ち梁式逆止把持固定ヤーンガイド62aは、在来のカラーテック・タフテッド機の逆止弁60と同様にパイル糸1本毎に個々に分離した物であってもよいが、多数のパイル糸挿通孔を連設したヤーンガイド板のように多数の逆止把持固定ヤーンガイドを連設することが出来るメリットがある。
図8は、多数の逆止把持固定ヤーンガイドを連設した連設式逆止把持固定ヤーンガイド62の部材と組立手順を図示する。
その部材は、多数の逆止把持固定ヤーンガイドを仕切る多数の仕切り舌片124と、その多数の仕切り舌片124を所定の間隔で保持する一対の配列盤125a・125b、その配列盤125a・125bに配列された多数の仕切り舌片124を固定する固定盤126、多数の板バネ98がタフトゲージと同じ間隔で連続形成された鋼板127、鋼板127を配列盤126にセットする押圧盤128から構成される。
鋼板127で隣り合う板バネ98と板バネ98の間には、仕切り舌片124に嵌合する仕切溝133が削設されている。
配列盤125には仕切り舌片124を嵌め込むための多数の仕切溝129がタフトゲージと同じ間隔で削設されている。
仕切り舌片124と配列盤125には仕切溝129に嵌め込んだ仕切り舌片124と配列盤125の位置合せをするための切込み130と嵌込溝131が削設されており、固定盤126にはそれらの切込み130と嵌込溝131に嵌合する嵌込畝132が突設されている。
【0034】
仕切り舌片124を配列盤125の仕切溝129に嵌め込んで切込み130と嵌込溝131の位置合せをすると、配列盤125に被せた固定盤126の嵌込畝132が切込み130と嵌込溝131に嵌合し、仕切り舌片124を介して一対の配列盤125a・125bが接合され、隣り合う仕切り舌片124と仕切り舌片124の間に板バネ98を差し込む貫通口33が発生する。
その貫通口33に板バネ98を差し込み、鋼板127を押し曲げて配列盤125bを押し曲げると、板バネ98の先端が向き合う配列盤125aに当たって弯曲し、その押し曲げられた板バネ98が配列盤125bに被さり、押圧盤128を板バネ98に被せてセットすると連設式逆止把持固定ヤーンガイド62が出来上がる(
図9)。
【0035】
連設式逆止把持固定ヤーンガイド62では、個々の板バネ98の先端が刃先93を構成することになる。
そして、貫通口33には複数枚の板バネ98を重ねて差し込むことが出来、各貫通口33に複数個の刃先93a・93b・93c………が重なり合って逆止機能を高めることが出来る(
図9)。
連設式逆止把持固定ヤーンガイドでは、板バネ98の先端に向き合う固定盤126bを 板バネ98に向けて突き出せば、固定盤126bの突出端に刃先93を構成することも出来る(
図10)。
従って、その固定盤126bの突出端の刃先93を滑板で覆うことによって、その連設式逆止把持固定ヤーンガイドを連設式可逆送把持固定ヤーンガイドとして使用することも出来る。
【0036】
本発明に係るカラーテック・タフテッド機用ニードルホルダーは、
図12に図示するように、ニードル41を担持するニードルホルダー23の下端に、在来の逆止弁60と構成を同じくする逆止把持昇降ヤーンガイド63が搭載されており、その揺動体30のパイル糸に触れる端縁に刃先角度αが90度以下の刃先93が付設されており、その刃先93を表面が平滑な滑板95で被覆して構成されていることを特徴とする。
即ち、ニードルホルダー23の下端に搭載されている逆止把持昇降ヤーンガイド63それ自体は、在来の逆止弁60と構成を同じくするので、
(a) 上下前後が囲まれてタフテッド機幅方向に窪んだ空洞27を有する形枠28の空洞内に軸桿29がタフテッド機幅方向に向けて突設されており、その軸桿29に揺動体30が揺動可能に軸支されており、その揺動体を空洞27の内側壁31に向けて弾性付勢するバネ32が軸桿29に巻き付けられており、そのバネ32の一端が軸桿29に係止され他端が揺動体30に係止され、空洞27を通って形枠28の上側と下側を貫通する貫通口33a・33bが穿設され、
(b) その上下の貫通口33a・33bを結ぶ直線上にパイル糸Pが走行する走行経路34が構成されており、
(c) バネ32に弾性付勢されて揺動体30の下端部35が走行経路34を横断し、その走行経路34においてパイル糸Pがニードルに向かって走行するパイル糸Pの走行方向に揺動体30の下端部35を向けて、空洞27の内側壁31に揺動体30の下端部35が圧接して構成される。
【発明の効果】
【0037】
本発明のカラーテック・タフテッド機には、クリル棚68からパイル糸Pを引き出すパイル糸送出装置61が付設されており、そのパイル糸送出装置61が引き出すパイル糸Pをニードル41が受けて基布46に差し込むことになる。
つまり、パイル糸送出装置61がクリル棚68からニードル41へと続くパイル糸供給経路の中継基地となることからパイル糸Pをクリル棚68から引き出す負荷がニードル41にかからず、ニードル41とパイル糸送出装置61の間でパイル糸Pが伸長されず、従ってニードル41とパイル糸送出装置61の間でパイル糸Pの総繊度が変化せず、基布46に植設されたパイルが収縮することもなく、パイル目付けが安定する。
【0038】
従って、在来のニードルホルダーの下端に搭載されている逆止弁60は、ニードルホルダーと共に降下する際にパイル糸を摘んで必要量を引き出す引出手段、および、数ステッチサイクルに亙って選択されず静止状態におかれるニードルの保持するパイル糸の裁断端末を糸通孔59から抜け外れないように静止状態に保つ保持手段にもなる。
しかし、本発明では、逆止弁60がパイル糸を摘んで引き出す引出手段としての機能を発揮する必要はなくなり、数ステッチサイクルに亙って選択されず静止状態におかれるニードルの保持するパイル糸の裁断端末を糸通孔59から抜け外れないように静止状態に保つ保持手段が確保される限り、逆止弁60に代えてフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aや可逆送把持昇降ヤーンガイド63bの使用が可能となり、また、逆止弁60を固定ヤーンガイド62として支持フレーム101に移し替えることも可能となる。
そのようにニードルホルダーの下端から移し替えたら固定ヤーンガイド62を搭載する支持フレーム101は、数ステッチサイクルに亙って選択されず静止状態におかれるニードルホルダーの下端に極接近した部位にあり、昇降移動することのない支持フレーム101であるから、裁断端末に続くパイル糸は、実質的には選択されることなく静止状態におかれるニードルホルダーの下端の逆止弁60に保持されているのと同じことになる。
従って、本発明において、パイル糸の裁断端末を糸通孔59から抜け外れないように静止状態に保つ保持機能は担保される。
【0039】
一方、本発明では、ニードル41を担持して昇降駆動されるニードルホルダー23の下端に、パイル糸Pを撮み出す逆止弁60の代わりにパイル糸Pが遊嵌して自由に通過し得る昇降ヤーンガイド63をニードルホルダー23の下端に付設することも可能となる。
その場合、最末尾のカットパイルから切り離されてフリーになった糸通孔通過パイル糸97の裁断端末が糸通孔59から抜け外れることが危惧されるとしても、その糸通孔通過パイル糸97から続くパイル糸が、仮に後続の数ステッチサイクルに亙ってパイルを形成しない静止状態になるとしても、その静止状態においてはそのパイル糸を担持しているニードル乃至ニードルホルダー23も昇降駆動されない静止状態にある。
又、その静止状態にあるニードルから続く糸通孔未通過パイル糸100の後端が仮に逆止把持固定ヤーンガイド62aではなく可逆送把持固定ヤーンガイド62bに把持されているとしても、糸通孔未通過パイル糸100の後端は把持されている限り固定ヤーンガイド62から引き抜き難くなっているので、仮にパイル糸送出装置61を具備しない場合でも、その可逆送把持固定ヤーンガイド62bから引き抜かれることはなく、糸通孔未通過パイル糸100から続く糸通孔通過パイル糸97の切断端末が糸通孔59から抜け外れる危険はなくなる。
従って本発明においては、カットパイルを形成して発生する糸通孔通過パイル糸97の端末を糸通孔59から外れないように保持するための逆止弁60をニードルホルダー23の下端部に付設する必要はなく、それを付設しない分だけカラーテック・タフテッド機を経済的に提供することが出来る。
【0040】
本発明によると、在来のニードルホルダーの下端に搭載されていた逆止弁60は、それを逆止把持固定ヤーンガイド62aとして利用することが出来る。
又、その在来の逆止弁60の刃先93aを表面が平坦な滑板95aで被覆し(
図4)、或いは、円筒形リング95bを作製して円筒形リング95bの内側に在来の逆止弁60の刃先93aを囲い込み(
図5)、或いは又、その刃先93aを削り落として在来の逆止弁60の端縁を曲面93bにする等して(
図6)、在来のニードルホルダーの下端に搭載されていた逆止弁60を可逆送把持固定ヤーンガイド62bや可逆送把持昇降ヤーンガイド63bに利用することが出来、その利用した分だけカラーテック・タフテッド機を経済的に提供することが出来る。
【0041】
特に、下端に逆止弁60が装着されている在来のニードルホルダーは、その在来の逆止弁60の揺動体30(
図3)の刃先93a(
図4)を、その貫通口33に滑板95aを差し込んで被覆すれば(
図12)、そのまま冒頭に記載の特許文献1と2と3に記載されている在来のカラーテック・タフテッド機に装着して、その在来のカラーテック・タフテッド機を本発明のカラーテック・タフテッド機として使用することが出来、本発明を経済的に実施することが出来る。
【0042】
そのように下端に逆止弁60が装着されている在来のニードルホルダーを使用せずに新たにカラーテック・タフテッド機本体を作製する場合には、
図8〜
図10に図示するタフテッド機のニードル本数に応じた多数枚の仕切り舌片124で配列盤125a・125bを接合して構成される貫通口33に板バネ98を差し込んだ連設式逆止把持固定ヤーンガイドを使用する場合は、そのタフテッド機のニードル本数に応じた多数の逆止弁60を作製する手間が省け、又、その多数の逆止弁60を個々にタフテッド機本体に搭載する手間も省け、本発明を効率的に実施することが出来る。
【0043】
そして本発明では、逆止把持ヤーンガイド62aではなく、パイル糸Pがニードルに向かう方向の逆方向の引戻方向にも走行可能となるフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aか可逆送把持昇降ヤーンガイド63bがニードルホルダー23の下端に付設されており、ニードルホルダー23と一体になって降下するとき、そのニードルホルダー23の降下距離に相当する長さのパイル糸を引き出すとは限らず、その引き出す長さとパイル糸送出装置の送出量に限らないので、必要以上のパイル糸が引き出されて末尾パイル96に到る糸通孔通過パイル糸97に大きな弛み94が発生し(
図18b)、バックステッチ89が大きく脹らみ上がることもなくなる(
図18d)。
【0044】
在来のニードルホルダーの下端に搭載されている逆止弁60は、ニードルホルダーと共に降下する際にパイル糸を摘んで必要量を引き出す手段となるものであり、その意味ではニードルホルダーの下端に少なくともパイル糸が遊嵌してフリーとなるフリー遊嵌昇降ヤーンガイドを搭載すべきことになる。
しかし、ニードルホルダーの下端に搭載されたフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aは、
図2に図示するように、固定ヤーンガイド62とニードル41の糸通孔59との間に介在し、ニードル41の降下時にニードル41と一体になって降下し、固定ヤーンガイド62から引き出されるパイル糸Pをニードル41の糸通孔59へと振れ動かないように保持するものであるが、ニードルホルダーの下端およびフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aと糸通孔59との距離はニードル41の長さに匹敵する4cm前後であり、而も、固定ヤーンガイド62から引き出されるパイル糸Pにはテンションが作用して少なからず緊張状態にあって殆ど振れ動かない。
そして、ニードルホルダーの下端付近に配置した固定ヤーンガイド62の効用を左右しない。それ故、ニードルホルダーの下端のフリー遊嵌昇降ヤーンガイド63aは割愛し得る。
【0045】
本発明のタフテッド機のニードル選択装置において、ニードル41を担持して昇降駆動されるニードルホルダー23の下端にはパイル糸Pを撮み出す逆止弁60は付設されておらず、代わりにパイル糸Pが遊嵌して自由に通過し得る昇降ヤーンガイド63が付設されている。
従って、在来のカラーテック・タフテッド機と同様に間欠パイル糸送出装置61を具備しない場合においても、カットパイルを形成する際には、従来技術を図示する
図18に対比して
図13に図示するように、タフテッド機と原理機構を同じくして縫い糸をボビンから引き出す逆止弁60を具備しない一般家庭用縫製ミシンのミシン針が縫い糸をボビンから引き出すのと同じ様に、基布46に差し込まれるニードル41が、プッシュロッド36に付勢されて基布46から受ける抗力に打ち勝ってパイル糸Pを基布46に差し込む差込応力によって、パイル糸クリル棚68から続くパイル糸Pをタフテッド機本体へと引き込むことになる。
【0046】
そのときパイル糸クリル棚側にパイル糸引込応力として作用する差込応力は、パイル糸クリル棚68からニードル先端のパイル糸通孔59に続く糸通孔未通過パイル糸100だけではなく、パイル糸通孔59を通過して先に形成された末尾パイル96に続く糸通孔通過パイル糸97をも基布に引き込む引込応力として作用し、その作用する引込応力によって弛み上がったバックステッチが基布に引き込まれて密着し、パイル目付けのバラツキが軽減する。
【0047】
そのように間欠パイル糸送出装置61を具備しない場合において、本発明のタフテッド機においてループパイルを形成する際には、タフテッド機本体10の高所から低所のニードル41に到るパイル糸供給経路において、パイル糸Pのニードル41への供給量を軽減することになる固定ヤーンガイド62が作用しているので、糸通孔59を通過して最後に植設された末尾パイル96に到る糸通孔通過パイル糸97に発生する弛み94(
図18)は、基布46から受ける抗力に打ち勝ってパイル糸Pを基布46に差し込むニードル41の差込応力によって、糸通孔59からパイル糸供給方向の逆方向Nに引き出され、バックステッチは一層強く基布に密着する。
【0048】
このように間欠パイル糸送出装置61を具備しない場合でも、本発明によると、カットループ選択装置とニードル選択装置を備えたタフテッド機において、ループパイル87に続くバックステッチ89をカットパイル86に続くバックステッチ88と同程度に基布46に密着し(
図14)、バックステッチ面においてループパイルに続くバックステッチ89に裏打用接着剤がカットパイルに続くバックステッチ88と同様に薄く塗着し易くなり、裏打仕上工程で裏布90がバックステッチ面に強固に接着し、そのバックステッチ面への塗布量を軽減することが出来、その塗布した裏打用接着剤の乾燥工程をスピードアップすることが出来、裏打した裏布90が剥離することなく、可撓性に優れた多彩なタフテッドパイル布帛を得ることが出来る。
【0049】
その場合、少なくとも一式の間欠パイル糸送出装置61がカラーテック・タフテッド機に搭載されていれば、パイル面をレベルループとする場合に、パイル糸送出装置61からのパイル糸の供給量が規制されてパイル長が一定になるので、ループパイル87のパイル長を綺麗に揃えることが出来る。
その場合、その一式のパイル糸送出装置61は、レベルループパイル87のパイル長を一定に揃えるために適用され、レベルカットパイル86のパイル長を一定に揃えるためには必ずしも適用するためには必要とされない。
何故なら、レベルカットパイル86のパイル長は、ルーパー42のパイル糸係止桿44とナイフ43との協働位置82と基布46との距離によって規制される。
その距離は一定に保たれているので、パイル糸送出装置61がレベルループパイル87のパイル長を一定に揃えるためにだけ適用され、レベルカットパイル86のパイル長を一定に揃えるために適用されないとしても不都合は生じない。
【0050】
とは言え、間欠パイル糸送出装置61の効用はレベルカットパイル86を形成する場合にも認められる。
そのレベルカットパイル86を形成する場合の間欠パイル糸送出装置61の効用は、レベルカットパイル86を形成する場合でも、間欠パイル糸送出装置61がカットパイルを形成するために必要とされる所要量のパイル糸Pをニードル41に供給する点にあり、又、パイル糸Pを撮み出す逆止弁60をニードルホルダー23の下端に装着する必要がなくなり、その結果、パイル糸ループ81が緊張してカットパイル86に続くバックステッチ88を基布46に強く密着する。
【0051】
カラーテック・タフテッド機に二式の間欠パイル糸送出装置61が搭載されていれば、その二式の中の一式の間欠パイル糸送出装置によって、ループパイル87を形成するときはルーパー42へのパイル糸の供給量を減らしてルーパー先端85からパイル糸ループ81を外れ易くし、カットパイル86を形成するときはルーパー42へのパイル糸の供給量を増やしてルーパー先端85からパイル糸ループ81を外れ難くすることが出来る。
従って、本発明によるとカットパイル86とループパイル87を正確に選択して図柄模様をパイル面に鮮明に描出することが可能となる。
【0052】
更に、カラーテック・タフテッド機に三式の間欠パイル糸送出装置61が搭載されていれば、その三式の中の一式の間欠パイル糸送出装置をよって、ループパイル87を形成する一部のルーパー42へのパイル糸の供給量を更に減らしてルーパー先端85からパイル糸ループ81を更に外れ易くして更に短いループパイルを形成することによってループパイル面に現れるループパイルの色彩を部分的に異色にし、或いは、ループパイル面に現れるループパイルのパイル長を部分的に変えることによって、ループパイル面に凹凸模様を描出することが出来る。
従って、本発明によるとパイル面に描出される図柄模様の美観を一層豊かにすることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明において、『パイル糸供給経路』とは、クリル棚68のコーン64から引き出されてニードルに到る間でパイル糸Pが移動する『パイル糸の移動経路』を意味する。
本発明において、特に『ヤーンガイドにおけるパイル糸供給経路』とは、ヤーンガイドにおいてパイル糸Pが遊嵌して移動し得る隙間を有する少なくとも二つの部材によって構成され、その一方の部材の隙間から他方の部材の隙間まで続くパイル糸の通過可能な経路を意味し、その部材には糸通孔を有するニードルやヤーンガイドが含まれる。
【0055】
本発明において、固定ヤーンガイドや昇降ヤーンガイドを構成するパイル糸が把持され或いは遊嵌する『二つの部材』とは、
図3と
図6に図示するヤーンガイドでは互いに向き合う揺動体30と内側壁31であり、
図4〜
図5に図示するヤーンガイドでは互いに向き合う滑板95と内側壁31であり、
図7に図示するヤーンガイドでは互いに向き合う板バネ958内側壁31であり、
図8〜
図10に図示するヤーンガイドでは互いに向き合う板バネ98と配列盤125である。
【0056】
これらのヤーンガイドの『二つの部材』では、その一方の部材が他方の部材に弾性付勢されて弾性的に圧着する構成になっている。
しかし、二つの部材が弾性的に圧着することはヤーンガイドの必須構成要件にはならず、二つの部材がパイル糸の見掛けの太さよりも若干狭い間隔を保って向き合う構成でもよい。
その理由は、嵩高なパイル糸は一種の弾性体であり、その狭い隙間に介在する嵩高なパイル糸は二つの部材に弾性的に触れ合っているからである。
又、向き合ってパイル糸を把持する二つの部材は、それぞれ弾性体であってもよい。
即ち、ヤーンガイドは、二枚の板バネと板バネとでパイル糸を把持するものであってもよい。
【0057】
又、二つの部材は、磁石と磁石、或いは、磁石と鉄板のように磁力によってパイル糸を把持するものであってもよい。
或いは又、二つの部材は、金属球体とバックアップ材、ガラス球体とバックアップ材、金属円柱とバックアップ材、ガラス円柱とバックアップ材、金属盤とバックアップ材、或いは、ガラス盤とバックアップ材のように重力によってパイル糸を把持するものであってもよい。
【0058】
このことは、パイル糸が二つの部材間に遊嵌するフリー遊嵌昇降ヤーンガイドにおける「遊嵌」の意味においても同様であり、その「遊嵌」とは嵩高なパイル糸が触れ合うことのない二つの部材間の広い隙間を意味せず、嵩高なパイル糸が弾性的に触れ合う隙間、即ち、パイル糸の見掛けの太さよりも若干狭い隙間を意味する。
【0059】
本発明のカラーテック・タフテッド機に付設されるニードル41にパイル糸Pをワンステッチサイクル毎に送出量を変えて間欠的に送り出す間欠パイル糸送出装置61には、この明細書の冒頭に示す特許文献4〜22に記載されている、(1) 回転速度の異なる複数本の原動ロールの何れかにガイドロールを選択的に押し出すマルチプル方式間欠パイル糸送出装置(例えば、特許文献17参照)、(2) 原動ロールを使用せず回転速度を変えるクラッチを個々のガイドロールに組み込んでガイドロール自体を直接駆動するクラッチイン方式間欠パイル糸送出装置(例えば、特許文献15参照)の他に、(3) 原動ロールを使用せずサーボモーターを個々のガイドロールに組み込んでガイドロール自体を直接駆動するモーターイン方式間欠パイル糸送出装置、カム機構やリンク機構によって各パイル糸の走行経路の長さを変える機構学方式間欠パイル糸送出装置等が公知であり、その何れの送出装置も本発明に適用することが出来る。
【0060】
図1と
図11は、本発明に適用される間欠パイル糸送出装置61を具体的に説明するために、構造が単純で最も理解し易いマルチプル方式間欠パイル糸送出装置を例示するものである。
即ち、
図1と
図11に図示するマルチプル間欠パイル糸送出装置61は、
(a) パイル糸供給経路を間に挟んで向き合うガイドロール76と高速回転原動ロール73、および、高速回転原動ロール73に向けてガイドロール76を押し出すエアーシリンダー79、並びに、その高速回転原動ロール73に向けてガイドロール76を押し出す指示信号57をエアーシリンダー79に発信するパターン制御装置とで構成される第一式間欠パイル糸送出装置と、
(b) パイル糸供給経路を間に挟んで向き合うガイドロール75と中速回転原動ロール72、および、中速回転原動ロール72に向けてガイドロール75を押し出すエアーシリンダー78、並びに、その中速回転原動ロール72に向けてガイドロール75を押し出す指示信号56をエアーシリンダー78に発信するパターン制御装置とで構成される第二式間欠パイル糸送出装置と、
(c) パイル糸供給経路を間に挟んで向き合うガイドロール74と低速回転原動ロール71、および、低速回転原動ロール71に向けてガイドロール74を押し出すエアーシリンダー77、並びに、その低速回転原動ロール71に向けてガイドロール74を押し出す指示信号55をエアーシリンダー77に発信するパターン制御装置とで構成される三式の間欠パイル糸送出装置とによって構成されている。
【0061】
レベルカットパイル86のパイル長を一定に揃えるためには適用されず、レベルループパイル87のパイル長を一定に揃えるために適用される間欠パイル糸送出装置には、パイル糸供給経路を間に挟んで向き合うパイガイドロール74と低速回転原動ロール71、および、ガイドロール74を押し出すエアーシリンダー77、並びに、ガイドロール74を押し出す指示信号55をエアーシリンダー77に発信するパターン制御装置とで構成される三式の間欠パイル糸送出装置が適用される。
【0062】
パイル糸の供給量を減らしてルーパー先端85からパイル糸ループ81を外れ易くし、パイル糸の供給量を増やしてルーパー先端85からパイル糸ループ81を外れ難くして
カットパイル86とループパイル87を部分的に形成し、或いは、長ループパイルと短ループパイルを部分的に形成するために適用される間欠パイル糸送出装置には、
(1)
(a) パイル糸ループ81を外れ易くする間欠パイル糸送出装置として、パイル糸供給経路を間に挟んで向き合うガイドロール74と低速回転原動ロール71、および、ガイドロール74を押し出すエアーシリンダー77、並びに、ガイドロール74を押し出す指示信号55をエアーシリンダー77に発信するパターン制御装置とで構成される第三式間欠パイル糸送出装置が適用され、
(b) パイル糸ループ81を外れ難くする間欠パイル糸送出装置として、ガイドロール75と中速回転原動ロール72、および、ガイドロール75を押し出すエアーシリンダー78、並びに、ガイドロール75を押し出す指示信号56をエアーシリンダー78に発信するパターン制御装置で構成される二式の間欠パイル糸送出装置が適用され、或いは、
(2)
(a) パイル糸ループ81を外れ易くする間欠パイル糸送出装置として、パイル糸供給経路を間に挟んで向き合うガイドロール74と低速回転原動ロール71、および、ガイドロール74を押し出すエアーシリンダー77、並びに、ガイドロール74を押し出す指示信号55をエアーシリンダー77に発信するパターン制御装置とで構成される三式の間欠パイル糸送出装置が適用され、
(b) パイル糸ループ81を外れ難くする間欠パイル糸送出装置として、ガイドロール76と高速回転原動ロール73、および、高速回転原動ロール73に向けてガイドロール76を押し出すエアーシリンダー79、並びに、ガイドロール76を押し出す指示信号57をエアーシリンダー79に発信するパターン制御装置とで構成される一式の間欠パイル糸送出装置が適用され、或いは又、
(3)
(a) パイル糸ループ81を外れ易くする間欠パイル糸送出装置として、ガイドロール75と中速回転原動ロール72、および、ガイドロール75を押し出すエアーシリンダー78、並びに、ガイドロール75を押し出す指示信号56をエアーシリンダー78に発信するパターン制御装置とで構成される第二式間欠パイル糸送出装置が適用され、
(b) パイル糸ループ81を外れ難くする間欠パイル糸送出装置として、ガイドロール76と高速回転原動ロール73、および、高速回転原動ロール73に向けてガイドロール76を押し出すエアーシリンダー79、並びに、その高速回転原動ロール73に向けてガイドロール76を押し出す指示信号57をエアーシリンダー79に発信するパターン制御装置とで構成される一式の間欠パイル糸送出装置が適用される。
【0063】
カットパイル86とループパイル87を部分的に形成すると共に、ループパイル部分に長ループパイルと短ループパイルを部分的に形成してループパイル面に凹凸模様を描出するために適用される間欠パイル糸送出装置には、
(1) カットパイル86を部分的に形成する間欠パイル糸送出装置として、
ガイドロール76と高速回転原動ロール73、および、高速回転原動ロール73に向けてガイドロール76を押し出すエアーシリンダー79、並びに、ガイドロール76を押し出す指示信号57をエアーシリンダー79に発信するパターン制御装置とで構成される一式の間欠パイル糸送出装置が適用され、
(2) 長ループパイルを部分的に形成する間欠パイル糸送出装置として、
ガイドロール75と中速回転原動ロール72、および、ガイドロール75を押し出すエアーシリンダー78、並びに、ガイドロール75を押し出す指示信号56をエアーシリンダー78に発信するパターン制御装置とで構成される二式の間欠パイル糸送出装置が適用され、
(3) 短ループパイルを部分的に形成する間欠パイル糸送出装置として、
ガイドロール74と低速回転原動ロール71、および、ガイドロール74を押し出すエアーシリンダー77、並びに、ガイドロール74を押し出す指示信号55をエアーシリンダー77に発信するパターン制御装置とで構成される三式の間欠パイル糸送出装置が適用される。
【0064】
ループパイル87を形成する一部のルーパー42へのパイル糸の供給量を更に減らしてパイル糸ループ81を更に外れ易くして更に短いループパイルを形成することによってループパイル面に現れるループパイルの色彩を部分的に異色にし、或いは、ループパイル面に現れるループパイルのパイル長を部分的に変えることによって、ループパイル面に凹凸模様を描出するために適用される間欠パイル糸送出装置には、
(1) パイル糸ループ81を外れ易くする間欠パイル糸送出装置として、ガイドロール75と中速回転原動ロール72、および、ガイドロール75を押し出すエアーシリンダー78、並びに、ガイドロール75を押し出す指示信号56をエアーシリンダー78に発信するパターン制御装置とで構成される二式の間欠パイル糸送出装置が適用され、
(2) パイル糸ループ81を更に外れ易くするために間欠パイル糸送出装置として、ガイドロール74と低速回転原動ロール71、および、ガイドロール74を押し出すエアーシリンダー77、並びに、ガイドロール74を押し出す指示信号55をエアーシリンダー77に発信するパターン制御装置とで構成される一式の間欠パイル糸送出装置が適用される。
【0065】
パイル糸は、数種類の色彩の異なる複数本のパイル糸を一組として数組に組分けし、その各組の複数本のパイル糸Pa,Pb,Pc,Pd,………は、パターン制御装置の低速回転原動ロール71と中速回転原動ロール72と高速回転原動ロール73との各原動ロール71,72,73の長さ方向に各組毎に繰り返し配置され、その複数本の各パイル糸Pa,Pb,Pc,Pd,………毎に、低速回転原動ロール71に対しては各組のパイル糸の本数に応じた複数個のガイドロール74によって、中速回転原動ロール72に対しては複数個のガイドロール75によって、高速回転原動ロール73に対しては複数個のガイドロール76によって個別に選択的に進退駆動され、各組のパイル糸の本数に応じた複数本のニードルへと供給される。
【0066】
従って、それらの数組に組分けされた各組の4本のパイル糸Pa,Pb,Pc,Pdは、パイル糸供給節減装置に続く多数の昇降ヤーンガイド63と多数のニードルの糸通孔59に繰り返し通してタフテッド機にセットされる。
【0067】
かくして、本発明によると、互いに色彩を異にする異色4種類の4本のパイル糸Pa,Pb,Pc,Pdを一組とし、その各組4本のパイル糸Pa,Pb,Pc,Pdをワンステッチサイクル毎に択一的に各組内で選択すると共にカットループ選択装置によって形成すべきパイルをカットパイルとループパイルの何れかに選定することによって、パイル糸Paのカットパイル86aとループパイル86a、パイル糸Pbのカットパイル86bとループパイル86b、パイル糸Pcのカットパイル86cとループパイル86c、および、パイル糸Pdのカットパイル86dとループパイル86dとの外観の異なる8種類のパイルに彩られ、パイル目付けが安定したタフテッドパイル布帛が得られることになる。
【0068】
その組分けされる異色のパイル糸の種類の数を増やせば、その異色数種類の数に従って多彩に彩られ、ループパイルのパイル長を変えることによって色彩が深みをおびて更に彩色豊かなタフテッドパイル布帛が得られることになる。