特許第6890933号(P6890933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6890933-カードリーダ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890933
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】カードリーダ
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/08 20060101AFI20210607BHJP
   G06K 13/06 20060101ALI20210607BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20210607BHJP
【FI】
   G06K7/08 040
   G06K7/08 010
   G06K13/06 Z
   G07D11/00 341Z
   G07D11/00 391Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-112897(P2016-112897)
(22)【出願日】2016年6月6日
(65)【公開番号】特開2017-219971(P2017-219971A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2019年5月13日
【審判番号】不服2020-13989(P2020-13989/J1)
【審判請求日】2020年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】小澤 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】赤須 史也
(72)【発明者】
【氏名】桑木 博史
(72)【発明者】
【氏名】武田 浩重
【合議体】
【審判長】 田中 秀人
【審判官】 山崎 慎一
【審判官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−272922(JP,A)
【文献】 特開平5−342416(JP,A)
【文献】 特開2006−85361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K7/08
G06K13/06
G07D11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードの挿入口から挿入された前記カードが通過するカード通過路と、前記カード通過路を閉鎖するためのシャッタ部材と、前記シャッタ部材よりも奥側に配置され前記カードの磁気ストライプに記録された磁気データの読取および前記磁気ストライプへの磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッドと、前記シャッタ部材よりも奥側に配置される静電容量センサとを備えるとともに、
前記カード通過路を通過する前記カードの厚さ方向の一方を第1方向とし、第1方向の反対方向を第2方向とすると、前記カード通過路の第1方向側の面の少なくとも一部を構成し前記カード通過路を通過する前記カードが前記カードの厚さ方向において接触する第1ガイド部材と、前記カード通過路の第2方向側の面の少なくとも一部を構成し前記カード通過路を通過する前記カードが前記カードの厚さ方向で接触する第2ガイド部材とを備え、
前記第1ガイド部材は、絶縁性材料で形成され、
前記第2ガイド部材は、導電性材料で形成され、
前記静電容量センサは、前記カード通過路よりも第1方向側に配置され、前記第1ガイド部材に取り付けられていることを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
前記カードに形成されるICチップの外部接続端子に接触してデータの通信を行う複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックと、前記IC接点ブロックを移動させるブロック移動機構とを備え、
前記ブロック移動機構は、前記第2ガイド部材の第2方向側の面に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のカードリーダ。
【請求項3】
前記静電容量センサは、前記第1ガイド部材の第1方向側の面に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載のカードリーダ。
【請求項4】
前記カード通過路での前記カードの通過方向と前記カードの厚さ方向とに直交する方向を前記カードの幅方向とすると、
前記静電容量センサは、前記カードの幅方向において前記磁気ストライプが通過する位置に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカードリーダ。
【請求項5】
前記静電容量センサの色は、前記第1ガイド部材の色と同じであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカードリーダ。
【請求項6】
前記カード通過路での前記カードの通過方向と前記カードの厚さ方向とに直交する方向を前記カードの幅方向とすると、
前記静電容量センサは、長方形状の薄板状に形成される検知部を備え、
前記検知部は、一対の電極を備えるとともに、前記検知部の厚さ方向と前記カードの厚さ方向とが一致し、かつ、前記検知部の長辺の方向と前記カードの通過方向とが一致するように配置され、
一対の前記電極は、前記カードの幅方向において所定の間隔をあけた状態で配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のカードリーダ。
【請求項7】
前記電極は、前記カードの幅方向の一方側へ突出するとともに前記カードの通過方向において一定のピッチで配置される複数の凸部と、前記凸部の間に形成される複数の凹部とを備える櫛歯状に形成され、
一対の前記電極のうちの一方の前記電極の前記凹部の中に他方の前記電極の前記凸部が入り込むとともに、他方の前記電極の前記凹部の中に一方の前記電極の前記凸部が入り込んでいることを特徴とする請求項6記載のカードリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードに記録された磁気データの読取やカードへの磁気データの記録を行うカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードに記録された磁気データの読取やカードへの磁気データの記録を行うカードリーダが広く利用されている。カードリーダが利用される金融機関等の業界では、従来、犯罪者がカードリーダのカード挿入部に磁気ヘッドを取り付けて、この磁気ヘッドでカードの磁気データを不正に取得するいわゆるスキミングが大きな問題となっている。そこで、カード挿入部の前面側にスキミング用の磁気ヘッド(以下、「スキミング用磁気ヘッド」とする。)が取り付けられたことを検知するための金属センサを備えるカードリーダが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のカードリーダでは、金属センサは、中空状に形成されるカード挿入部の内部に配置されている。また、金属センサは、磁性材料で形成されるコアと、コアに巻回される一対の励磁用コイルおよび検出用コイルとを備えている。このカードリーダでは、金属センサによって金属材料を含む異物が検知されると、所定の異常処理が実行されており、カード挿入部の前面側に取り付けられたスキミング用磁気ヘッドによる磁気データの読取を阻止することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−37555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
犯罪者によるスキミングの手口は年々巧妙化しており、従来取り付けられることのなかったカードリーダの内部に、カードの磁気データを読み取るためのスキミング用磁気ヘッド等のスキミング用の装置(以下、「スキミング用装置」とする。)が取り付けられるといった事態が生じている。特許文献1に記載のカードリーダでは、カード挿入部の前面側に取り付けられたスキミング用装置を金属センサによって検知することは可能であるが、カードリーダの内部に取り付けられたスキミング用装置を金属センサによって検知することはできない。そのため、このカードリーダでは、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられると、スキミング用装置による磁気データの読取を阻止することはできない。
【0006】
そこで、本発明の課題は、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能なカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードの挿入口から挿入されたカードが通過するカード通過路と、カード通過路を閉鎖するためのシャッタ部材と、シャッタ部材よりも奥側に配置されカードの磁気ストライプに記録された磁気データの読取および磁気ストライプへの磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッドと、シャッタ部材よりも奥側に配置される静電容量センサとを備えるとともに、カード通過路を通過するカードの厚さ方向の一方を第1方向とし、第1方向の反対方向を第2方向とすると、カード通過路の第1方向側の面の少なくとも一部を構成しカード通過路を通過するカードがカードの厚さ方向において接触する第1ガイド部材と、カード通過路の第2方向側の面の少なくとも一部を構成しカード通過路を通過するカードがカードの厚さ方向で接触する第2ガイド部材とを備え、第1ガイド部材は、絶縁性材料で形成され、第2ガイド部材は、導電性材料で形成され、静電容量センサは、カード通過路よりも第1方向側に配置され、第1ガイド部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明のカードリーダでは、静電容量センサが、シャッタ部材よりも奥側に配置されている。そのため、本発明では、シャッタ部材よりも奥側に配置される静電容量センサでの検知結果に基づいて、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。したがって、本発明では、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことが検知されたときに、所定の異常処理を実行することで、スキミング用装置による磁気データの読取を阻止することが可能になる。
【0009】
また、本発明では、静電容量センサが取り付けられる第1ガイド部材が絶縁性材料で形成されているため、静電容量センサと第1ガイド部材との電気的な結合を防止して、第1ガイド部材の全体が静電容量型のセンサとして機能するのを防止することが可能になる。したがって、本発明では、静電容量センサでの検知結果に基づいて、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを適切に検知することが可能になる。
【0010】
さらに、本発明では、カードが、第1ガイド部材や第2ガイド部材と接触しながらカード通過路を通過するため、カードリーダの内部が帯電状態となるおそれがあるが、第2ガイド部材が導電性材料で形成されているため、カードがカード通過路を通過する際に第1ガイド部材や第2ガイド部材が帯びる電気を、第2ガイド部材を介して逃がすことが可能になる。したがって、本発明では、カードリーダの内部での静電気の発生を防止することが可能になる。
【0011】
本発明において、カードリーダは、たとえば、カードに形成されるICチップの外部接続端子に接触してデータの通信を行う複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックと、IC接点ブロックを移動させるブロック移動機構とを備え、ブロック移動機構は、第2ガイド部材の第2方向側の面に取り付けられている。この場合には、ブロック移動機構が動作したときに静電容量センサがブロック移動機構の動作を検知するのを、導電性材料で形成された第2ガイド部材によって防止することが可能になる。したがって、IC接点ブロックを移動させるブロック移動機構をカードリーダが備えていても、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを適切に検知することが可能になる。
【0012】
本発明において、静電容量センサは、第1ガイド部材の第1方向側の面に取り付けられていることが好ましい。このように構成すると、カード通過路を通過するカードと静電容量センサとの接触を防止することが可能になる。
【0013】
本発明において、カード通過路でのカードの通過方向とカードの厚さ方向とに直交する方向をカードの幅方向とすると、静電容量センサは、カードの幅方向において磁気ストライプが通過する位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことをより適切に検知することが可能になる。
【0014】
本発明において、静電容量センサの色は、第1ガイド部材の色と同じであることが好ましい。このように構成すると、万が一、犯罪者によってカードリーダが分解されたとしても、第1ガイド部材に静電容量センサが取り付けられていることに犯罪者は気付きにくくなる。
【0015】
本発明において、カード通過路でのカードの通過方向とカードの厚さ方向とに直交する方向をカードの幅方向とすると、静電容量センサは、長方形状の薄板状に形成される検知部を備え、検知部は、一対の電極を備えるとともに、検知部の厚さ方向とカードの厚さ方向とが一致し、かつ、検知部の長辺の方向とカードの通過方向とが一致するように配置され、一対の電極は、カードの幅方向において所定の間隔をあけた状態で配置されていることが好ましい。このように構成すると、カードの通過方向の比較的広い範囲において、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。
【0016】
また、この場合には、電極は、カードの幅方向の一方側へ突出するとともにカードの通過方向において一定のピッチで配置される複数の凸部と、凸部の間に形成される複数の凹部とを備える櫛歯状に形成され、一対の電極のうちの一方の電極の凹部の中に他方の電極の凸部が入り込むとともに、他方の電極の凹部の中に一方の電極の凸部が入り込んでいることがより好ましい。このように構成すると、カードの通過方向の比較的広い範囲において、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になるとともに、カードの幅方向の比較的広い範囲において、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明のカードリーダでは、カードリーダの内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態にかかるカードリーダの概略構成を説明するための図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
図2図2は、図1に示す静電容量センサの構成を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(カードリーダの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の概略構成を説明するための図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。図2は、図1に示す静電容量センサ12の構成を説明するための平面図である。
【0021】
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取およびカード2への磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行うための装置であり、たとえば、ATM(Automated Teller Machine)等の上位装置に搭載されて使用される。カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2の裏面には、磁気データが記録される磁気ストライプ2aが形成されている。また、カード2には、ICチップが内蔵されており、カード2のおもて面には、ICチップの外部接続端子2bが形成されている。
【0022】
カードリーダ1は、カード2が挿入される挿入口3が形成されるカード挿入部4と、カード挿入部4が固定される本体部5とを備えている。カードリーダ1の内部には、挿入口3から挿入されたカード2が通過するカード通過路6が形成されている。また、カードリーダ1の内部には、カード2を搬送するための駆動ローラ(図示省略)およびパッドローラ(図示省略)が配置されており、カード通過路6では、挿入口3から挿入されたカード2が搬送される。
【0023】
本形態では、図1等に示すX方向でカード2が搬送されて通過する。すなわち、X方向は、カード通過路6でのカード2の通過方向である。具体的には、X1方向にカード2が挿入され、X2方向にカード2が排出される。また、X方向に直交する図1等のZ方向は、カード通過路6を通過するカード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに直交する図1等のY方向は、カード通過路6を通過するカード2の幅方向(短手幅方向)である。
【0024】
以下の説明では、X方向を前後方向とし、Y方向を左右方向とし、Z方向を上下方向とする。また、前後方向のうちのX1方向側を「奥(後ろ)」側とし、その反対側であるX2方向側を「前」側とし、上下方向のうちのZ1方向側を「上」側とし、その反対側であるZ2方向側を「下」側とする。カード挿入部4は、本体部5の前端面に取り付けられている。本形態では、Z2方向(下方向)は、カード2の厚さ方向の一方である第1方向となっており、Z1方向(上方向)は、第1方向の反対方向である第2方向となっている。
【0025】
また、カードリーダ1は、磁気ストライプ2aに記録された磁気データの読取および磁気ストライプ2aへの磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッド7と、外部接続端子2bに接触してデータの通信を行う複数のIC接点バネ8を有するIC接点ブロック9と、IC接点ブロック9を移動させるブロック移動機構10と、カード通過路6を閉鎖するためのシャッタ部材11と、カード通過路6に異物が取り付けられたことを検知するための静電容量センサ12とを備えている。なお、図1(A)では、IC接点ブロック9およびブロック移動機構10の図示を省略している。
【0026】
さらに、カードリーダ1は、本体部5においてカード通過路6の下側の面(下面)を構成する第1ガイド部材としてのガイド部材15と、本体部5においてカード通過路6の上側の面(上面)を構成する第2ガイド部材としてのガイド部材16とを備えており、上下方向におけるガイド部材15とガイド部材16との間にカード通過路6が形成されている。
【0027】
ガイド部材15は、絶縁性材料(非導電性材料)で形成されている。具体的には、ガイド部材15は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。ガイド部材15の色は黒色である。ガイド部材15は、カード通過路6の下面の全体を構成する上面部15aを備えている。上面部15aは、前後方向に細長い略長方形の平板状に形成されている。また、ガイド部材15は、上面部15aの前後左右の端面から下側に向かって立ち上がる側壁部15bを備えている。なお、上面部15aは、カード通過路6の下面の一部を構成していても良い。
【0028】
ガイド部材16は、導電性材料で形成されている。具体的には、ガイド部材16は、導電性フィラーが含有される導電性樹脂材料で形成されている。ガイド部材16の色は、ガイド部材15と同様に黒色である。ガイド部材16は、カード通過路6の上面の全体を構成する下面部16aを備えている。下面部16aは、前後方向に細長い略長方形の平板状に形成されている。また、ガイド部材16は、下面部16aの前後左右の端面から上側に向かって立ち上がる側壁部16bを備えている。ガイド部材16は、カードリーダ1の金属製のフレーム(図示省略)と電気的に結合しており、このフレームは接地されている。なお、下面部16aは、カード通過路6の上面の一部を構成していても良い。
【0029】
シャッタ部材11は、カード挿入部4の奥端側部分に配置されている。シャッタ部材11には、図示を省略するシャッタ駆動機構が連結されており、シャッタ部材11は、カード通過路6を閉鎖する閉鎖位置とカード通過路6から退避してカード通過路6を開放する開放位置との間で移動可能となっている。シャッタ駆動機構は、カード通過路6の上側に配置されている。また、開放位置にあるシャッタ部材11は、カード通過路6の上側に配置されている。なお、シャッタ部材11は、カード挿入部4と本体部5との境界部分に配置されても良い。
【0030】
磁気ヘッド7は、本体部5の内部に配置されており、シャッタ部材11よりも奥側に配置されている。この磁気ヘッド7は、磁気ヘッド7のギャップ部がカード通過路6に下側から臨むように、ガイド部材15に取り付けられている。ガイド部材15の上面部15aには、磁気ヘッド7の上端側部分が配置される開口部(図示省略)が上下方向で上面部15aを貫通するように形成されている。また、磁気ヘッド7は、左右方向において、挿入口3から挿入されたカード2の磁気ストライプ2aが通過する位置に配置されている。
【0031】
IC接点ブロック9およびブロック移動機構10は、本体部5の内部に配置されており、シャッタ部材11よりも奥側に配置されている。IC接点ブロック9は、ガイド部材16に取り付けられている。ブロック移動機構10も、ガイド部材16に取り付けられている。具体的には、ブロック移動機構10は、下面部16aの上面に取り付けられている。すなわち、ブロック移動機構10は、ガイド部材16の上側の面に取り付けられている。本形態では、IC接点ブロック9の前側にブロック移動機構10が配置されている。
【0032】
ブロック移動機構10は、たとえば、駆動源であるソレノイドと、ソレノイドの動力をIC接点ブロック9に伝達するリンク機構とを備えている。このブロック移動機構10は、IC接点バネ8の下端部がカード通過路6の中に配置されてIC接点バネ8がカード2の外部接続端子2bに接触可能になる位置と、IC接点バネ8がカード通過路6の上方へ退避する位置との間で、IC接点ブロック9を移動させる。ガイド部材16の下面部16aには、IC接点バネ8が通過する開口部(図示省略)が上下方向で下面部16aを貫通するように形成されている。
【0033】
静電容量センサ12は、薄膜状のセンサであり、静電容量の変化に基づいて異物を検知する。この静電容量センサ12は、本体部5の内部に配置されており、シャッタ部材11よりも奥側に配置されている。本形態では、静電容量センサ12は、前後方向において、磁気ヘッド7とシャッタ部材11との間に配置されている。
【0034】
静電容量センサ12は、たとえば、長方形状の薄板状(シート状)に形成されている。この静電容量センサ12は、ガイド部材15に取り付けられている。具体的には、静電容量センサ12は、静電容量センサ12の厚さ方向と上下方向とが一致し、かつ、静電容量センサ12の長辺の方向と前後方向とが一致するように上面部15aの下面に固定されている。すなわち、静電容量センサ12は、ガイド部材15の下側の面に取り付けられており、カード通過路6よりも下側に配置されている。また、静電容量センサ12は、左右方向において、挿入口3から挿入されたカード2の磁気ストライプ2aが通過する位置に配置されている。さらに、静電容量センサ12は、ブロック移動機構10の下方に配置されている。
【0035】
静電容量センサ12は、検知部18(図3参照)と、検知部18を覆う保護膜とを備えている。保護膜の色は黒色であり、静電容量センサ12の色は黒色となっている。すなわち、静電容量センサ12の色は、ガイド部材15の色と同じになっている。検知部18は、全体として、長方形状の薄板状に形成されており、検知部18の厚さ方向と上下方向とが一致し、かつ、検知部18の長辺の方向と前後方向とが一致するように配置されている。
【0036】
検知部18は、一対の電極20と電極20が実装される基板21とを備えている。電極20は、左右方向の一方側へ突出するとともに前後方向において一定のピッチで配置される複数の凸部20aと、凸部20aの間に形成される複数の凹部20bとを備えている。すなわち、電極20は櫛歯状に形成されている。一対の電極20は、左右方向において所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、一対の電極20のうちの一方の電極20の凹部20bの中に他方の電極20の凸部20aが入り込むとともに、他方の電極の凹部20bの中に一方の電極20の凸部20aが入り込んでいる。
【0037】
静電容量センサ12は、回路基板25に実装されており、静電容量センサ12の端子は、回路基板25に直接、接続されている。回路基板25は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、ガイド部材15の下面側に固定されている。また、回路基板25は、静電容量センサ12の下側に配置されている。回路基板25には、静電容量センサ12の出力信号を処理するCPUが実装されており、回路基板25は、静電容量センサ12の出力信号に基づいてCPUで生成されたデジタル信号を出力する。なお、静電容量センサ12は、同軸ケーブルを介して回路基板25に接続されても良い。
【0038】
カードリーダ1にカード2が挿入される前のカードリーダ1の待機時における静電容量センサ12の出力信号のレベルを待機信号レベルとすると、カードリーダ1の制御部は、たとえば、待機信号レベルを記憶するとともに、待機信号レベルに対する静電容量センサ12の出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が所定時間以上続くと、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別する。たとえば、待機信号レベルに対する静電容量センサ12の出力信号のレベルの変化量が所定の閾値以上となる状態が、カードリーダ1でのカード2の処理時間(具体的には、カードリーダ1における正常なカード2の正常な処理時間)よりも長く続くと、カードリーダ1の制御部は、カード通過路6にスキミング用装置等の異物が取り付けられたと判別する。
【0039】
また、制御部は、カード通過路6に異物が取り付けられたと判別すると、上位装置に所定のアラームを通知する等の所定の異常処理を実行する。また、制御部は、カード通過路6に異物が取り付けられていないと判別しているときに、挿入口3にカード2が挿入されると、シャッタ駆動機構を駆動して、閉鎖位置にあるシャッタ部材11を開放位置へ移動させる。
【0040】
なお、挿入口3からカード2が挿入されてカード通過路6をカード2が通過すると、静電容量センサ12がカード2を検知して、静電容量センサ12の出力信号のレベルが変動する。この出力信号のレベルの変動量はほぼ一定であるため、待機信号レベルに対する静電容量センサ12の出力信号のレベルの変化量と比較される上記の閾値は、静電容量センサ12がカード2を検知したときの静電容量センサ12の出力信号のレベルの変動量に基づいて、かつ、カード通過路6に異物が取り付けられたことを誤検知することがないように設定されている。
【0041】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、静電容量センサ12が、シャッタ部材11よりも奥側に配置されるとともに、左右方向においてカード2の磁気ストライプ2aが通過する位置に配置されている。そのため、本形態では、シャッタ部材11よりも奥側に配置される静電容量センサ12での検知結果に基づいて、カードリーダ1の内部(具体的には、本体部5の内部)にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。また、本形態では、カードリーダ1の制御部は、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知すると、上位装置に所定のアラームを通知する等の所定の異常処理を実行する。したがって、本形態では、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられても、スキミング用装置による磁気データの読取を阻止することが可能になる。
【0042】
本形態では、静電容量センサ12が取り付けられるガイド部材15は、絶縁性材料で形成されている。そのため、本形態では、静電容量センサ12とガイド部材15との電気的な結合を防止して、ガイド部材15の全体が静電容量型のセンサとして機能するのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、静電容量センサ12での検知結果に基づいて、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられたことを適切に検知することが可能になる。
【0043】
本形態では、カード2が、ガイド部材15、16と接触しながらカード通過路6を通過するため、カードリーダ1の内部が帯電状態となるおそれがあるが、本形態では、ガイド部材16が導電性材料で形成されている。また、ガイド部材16は、カードリーダ1の金属製のフレームと電気的に結合しており、このフレームは接地されている。そのため、本形態では、カード2がカード通過路6を通過する際にガイド部材15、16が帯びる電気を、ガイド部材16を介して逃がすことが可能になる。したがって、本形態では、カードリーダ1の内部での静電気の発生を防止することが可能になる。
【0044】
また、本形態では、静電容量センサ12の上方にブロック移動機構10が配置されているが、ブロック移動機構10は、導電性材料で形成されるガイド部材16の上側の面に取り付けられている。そのため、本形態では、ブロック移動機構10が動作したときに静電容量センサ12がブロック移動機構10の動作を検知するのをガイド部材16によって防止することが可能になる。したがって、本形態では、静電容量センサ12の上方にブロック移動機構10が配置されていても、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられたことを適切に検知することが可能になる。
【0045】
本形態では、静電容量センサ12は、ガイド部材15の下面に取り付けられている。そのため、本形態では、カード通過路6を通過するカード2と静電容量センサ12との接触を防止することが可能になる。また、本形態では、静電容量センサ12の色がガイド部材15の色と同じになっているため、万が一、犯罪者によってカードリーダ1が分解されたとしても、ガイド部材15に静電容量センサ12が取り付けられていることに犯罪者は気付きにくくなる。
【0046】
本形態では、長方形状の薄板状に形成される検知部18が、検知部18の厚さ方向と上下方向とが一致し、かつ、検知部18の長辺の方向と前後方向とが一致するように配置されている。そのため、本形態では、前後方向の比較的広い範囲において、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。また、本形態では、電極20は、前後方向において一定のピッチで配置される複数の凸部20aと、凸部20aの間に形成される複数の凹部20bとを備えており、一対の電極20のうちの一方の電極20の凹部20bの中に他方の電極20の凸部20aが入り込むとともに、他方の電極の凹部20bの中に一方の電極20の凸部20aが入り込んでいるため、左右方向の比較的広い範囲において、本体部5の内部にスキミング用装置が取り付けられたことを検知することが可能になる。
【0047】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0048】
上述した形態では、静電容量センサ12は、磁気ヘッド7とシャッタ部材11との間に配置されているが、静電容量センサ12は、磁気ヘッド7より奥側に配置されても良い。また、上述した形態では、静電容量センサ12は、ガイド部材15の上面部15aの下面に取り付けられているが、カード通過路6でのカード2の移動に支障が生じないのであれば、静電容量センサ12は、上面部15aの上面に取り付けられても良い。また、上述した形態において、カード通過路6でのカード2の移動に支障が生じないのであれば、カード通過路6に静電容量センサ12が露出するように、上下方向に貫通する開口部が上面部15aに形成されても良い。
【0049】
上述した形態において、カード2にICチップが内蔵されていない場合には、カードリーダ1は、IC接点ブロック9およびブロック移動機構10を備えていなくても良い。この場合、静電容量センサ12は、ガイド部材16の下面部16aに取り付けられても良い。静電容量センサ12が下面部16aに取り付けられる場合には、ガイド部材16は、絶縁性材料で形成され、ガイド部材15は、導電性材料で形成される。この場合のガイド部材16は、第1ガイド部材であり、ガイド部材15は、第2ガイド部材である。
【0050】
上述した形態では、静電容量センサ12の色は黒色であるが、静電容量センサ12の色は黒色以外の色であっても良い。また、上述した形態では、電極20に、複数の凸部20aと凹部20bとが形成されているが、電極20に凸部20aと凹部20bとが形成されていなくても良い。すなわち、電極20は、前後方向に細長い長方形状に形成されていても良い。また、上述した形態では、カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードであるが、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0051】
上述した形態では、カードリーダ1は、駆動ローラおよびパッドローラを備えるカード搬送式のカードリーダであるが、本発明の構成が適用されるカードリーダは、ユーザが手動でカード2を移動させながら、磁気データの読取や記録を行う手動式のカードリーダであっても良い。たとえば、本発明の構成が適用されるカードリーダは、カードリーダ内へカード2を差し込む際、あるいは、カードリーダからカード2を引き抜く際に磁気データの読取や記録を行ういわゆるディップ式のカードリーダであっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1 カードリーダ
2 カード
2a 磁気ストライプ
2b 外部接続端子
3 挿入口
6 カード通過路
7 磁気ヘッド
8 IC接点バネ
9 IC接点ブロック
10 ブロック移動機構
11 シャッタ部材
12 静電容量センサ
15 ガイド部材(第1ガイド部材)
16 ガイド部材(第2ガイド部材)
18 検知部
20 電極
20a 凸部
20b 凹部
X カードの通過方向
Y カードの幅方向
Z カードの厚さ方向
Z1 第2方向
Z2 第1方向
図1
図2