特許第6890934号(P6890934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6890934電気集塵機の変圧器及び電気集塵機のためのパルス発生パターンを計算するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890934
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】電気集塵機の変圧器及び電気集塵機のためのパルス発生パターンを計算するための方法
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/68 20060101AFI20210607BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   B03C3/68 Z
   B03C3/40 A
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-122200(P2016-122200)
(22)【出願日】2016年6月21日
(65)【公開番号】特開2017-13050(P2017-13050A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2019年6月13日
(31)【優先権主張番号】1921/DEL/2015
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ナンダ・キショア・ダッシュ
(72)【発明者】
【氏名】インガー・エリザベス・オナービー・ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】カール・マーカス・ウィリアムソン
(72)【発明者】
【氏名】アンダース・ニルス・グスタウ・カールソン
【審査官】 田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−136454(JP,A)
【文献】 特開昭58−177161(JP,A)
【文献】 特開平01−194953(JP,A)
【文献】 特開平02−191558(JP,A)
【文献】 特開2007−152201(JP,A)
【文献】 特開平02−214552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/00−11/00
H02M 7/00− 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器(16)と、該変圧器(16)に接続された整流器(17)と、該整流器に接続された集塵極及び放電極(19)とを備える電気集塵機(9)の変圧器(16)に供給されるパルス電力のパルス発生パターンを計算するための方法であって、パルス電力の各パルスが入力電力の半波に対応し、パルス発生パターンが、パルスを発生させることを表す1個以上の第1成分とパルスを発生させないことを表す偶数個の第2成分との配列であって、最初に加えられる成分に対応する開始成分と最後に加えられる成分に対応する終了成分とによって規定される長さを有しており、当該方法が、
a)電気集塵機の集塵極及び放電極に供給される電力を表すターゲットパラメータを決定するステップと、
b)計算中のパルス発生パターンに1つのパルスが発生するものを追加した場合に集塵極及び放電極に供給される電力を表す第1のパラメータを計算するステップと、
c)計算中のパルス発生パターンに2つのパルスが連続して発生しないものを追加した場合に集塵極及び放電極に供給される電力を表す第2のパラメータを計算するステップと、
d)第1のパラメータ又は第2のパラメータに基づいて、パルス発生パターンの次の1つ又は2つのパターン成分として第1成分又は第2成分のいずれかを選択するステップと、
e)ステップb)、c)、d)及びe)を繰り返すステップと
を含む方法。
【請求項2】
少なくとも1つのパターン成分を選択するステップが、第1のパラメータ又は第2のパラメータからターゲットパラメータにより近いパラメータを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのパターン成分を選択するステップが、第1のパラメータ及び第2のパラメータがターゲットパラメータから等しく離れているときに所定のパターン成分を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップe)が、ステップa)を繰り返すことも含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
f)パルス発生パターンの長さを決定するステップ、及び
g)パルス発生パターンの長さに基づいて第1のパラメータ及び第2のパラメータを計算するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
パルス発生パターンの長さに基づいて第1のパラメータ及び第2のパラメータを計算するステップが、
最初の1つの成分を取り除いて、1つの第1成分を追加した上記長さのパルス発生パターンを用いて、電気集塵機に供給される電力を表す第1のパラメータを計算すること、並びに
最初の2つの成分を取り除いて、2つの第2成分を追加した上記長さのパルス発生パターンを用いて、電気集塵機に供給される電力を表す第2のパラメータを計算すること
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の方法を実施する命令を含むコンピュータ可読メモリ媒体。
【請求項8】
電気集塵機(9)であって、当該電気集塵機(9)が、
電力入力(11)に接続されたフィルタ(10)であって、パルス発生パターンに応じて入力電力をフィルタリングして、パルス電力を生成するためのフィルタ(10)と、
フィルタに接続された制御ユニット(13)と、
フィルタに接続された変圧器(16)であって、パルス電力を変圧されたパルス電力に変圧するための変圧器(16)と、
変圧器に接続された整流器(17)であって、変圧されたパルス電力を整流して、整流されたパルス電力を生成するための整流器(17)と、
整流されたパルス電力を受けるために整流器に接続された集塵極及び放電極(19)と
を備え、
制御ユニットが、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成されている電気集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵機の変圧器及び電気集塵機のためのパルス発生パターンを計算するための方法に関する。
【0002】
例えば、電気集塵機は、発電プラント又は産業用途に使用される種類のものである。とはいえ、より小さい電気集塵機を有する他の用途も可能である。
【背景技術】
【0003】
変圧器に接続されるフィルタを備える電気集塵機であって、さらに変圧器が、整流器に接続される電気集塵機が知られている。一般的に、変圧器及び整流器は、1つの単一ユニットに組み込まれる。フィルタは、電源(配電網など)に接続され、さらに整流器は、集塵極及び放電極に接続される。
【0004】
動作中、フィルタは、配電網から電力(例えば、この電力は、正弦波形電圧及び電流を有し得る)を受け、パルス発生パターンに応じて電力(例えば、電圧又は電流)の半波の一部を省き、これにより、変圧器に供給されるパルス電力を生成する。
【0005】
パルス発生パターンは、パルスが発生されることを表す第1成分及びパルスが発生されないことを表す第2成分の列である。パルス発生パターンは、1つの第1成分及び偶数の第2成分を有するパルス周期又はパルス発生パターンの長さとして規定される。したがって、パルス周期は、奇数の成分を有する。
【0006】
変圧器に、同じ極性(すなわち、正極性又は負極性)の2つ以上の連続パルスを有するパルス電力が供給される場合、このことは、変圧器の飽和のリスクを発生させ得る。このため、従来から使用されているパルス発生パターンは、1つの第1成分及び偶数の第2成分を有する。
【0007】
加えて、従来、パルス電力の供給は、集塵極及び放電極に送られる電力を燃焼排ガスの特性(例えば、抵抗率に関する)に適合させるように行われるに過ぎなかった。一方、エネルギー管理(集塵極及び放電極に送られる電力を調整する)は、パルスの振幅を調整することによって行われた。
【0008】
それにもかかわらず、パルス発生パターンを用いるとき、配電網からの電力のすべてではなく一部のみが、集塵極及び放電極に供給されることから、パルス発生パターンは、集塵極及び放電極に供給される電力を制限する。
【0009】
図1図2a、図2b、図3a、図3bは、変圧器に供給される電圧又は電流を示している。
【0010】
図1は、パルス発生パターンが適用されず、配電網からの電力のすべてが変圧器に供給される場合を示している。具体的には、参照符号1は、配電網からフィルタに供給される電圧又は電流を示しており、参照符号2は、フィルタから変圧器に供給される電圧又は電流を示している。この場合、配電網からの電力の100%が、変圧器に、したがって、集塵極及び放電極に供給される。
【0011】
図2aは、図2bのパルス発生パターンがフィルタに適用され、配電網からの電力の1/3のみが変圧器に送られる一方で、配電網からの電力の2/3がフィルタで阻止され、変圧器に供給されない場合を示している。この場合もまた、参照符号1は、配電網からフィルタに供給される電圧又は電流を示しており、参照符号2は、フィルタから変圧器に供給される電圧又は電流を示している。波括弧3は、パルス周期又はパルス発生パターンの長さを示している。この場合、配電網からの電力の33%が、変圧器に、したがって、集塵極及び放電極に供給される。
【0012】
図3aは、図3bのパルス発生パターンが適用され、配電網からの電力の1/5が変圧器に送られ、配電網からの電力の4/5がフィルタで阻止され、変圧器に供給されない場合を示している。この場合も同様に、参照符号1は、配電網からフィルタに供給される電圧又は電流を示し、参照符号2は、フィルタから変圧器に供給される電圧又は電流を示し、波括弧3は、パルス周期又はパルス発生パターンの長さを示している。この場合、配電網からの電力の20%が、変圧器に、したがって、集塵極及び放電極に供給される。
【0013】
したがって、パルス発生パターンの不使用(図1)とパルス発生パターンの使用(図2a、図2b)との間の、集塵極及び放電極への最大電力の供給を可能にする段階が、配電網から供給される電力の67%に対応することは明らかである。
【0014】
この大きい電力の段階は、最適な動作を可能にし得ない。なぜなら、処理されるガスの特徴が、配電網から供給される電力の33%のみが、集塵極及び放電極に供給されることを可能にする場合にしか、パルス発生パターンの使用が可能ではなく、配電網からの電力の33%の使用が、処理されるガスの特徴のゆえに不可能な場合は、パルス発生パターンを用いない動作が必要とされるからである。言い換えれば、ガスの特徴が、配電網からの電力の例えば50%に対応するパルス発生パターンの使用を必要とし得る場合、パルス発生パターンを用いる動作は不可能である。なぜなら、パルス発生パターンの使用は、配電網からの電力の33%が、集塵極及び放電極に供給されることしか可能にしないからである。したがって、パルス発生パターンを用いない動作が必要とされ得る。
【0015】
加えて、従来から行われているような、振幅減少(電圧及び/又は電流の)によって行われる電力調整は、放電極からのコロナ放電に影響を及ぼし、この結果、塵の帯電(コロナによって発生する)に、したがって、集塵極における集塵に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0016】
本発明の態様は、集塵極及び放電極に供給される電力の調整の改善を可能にする方法及び電気集塵機を提供することを含む。好適には、本発明によれば、微調整が達成され得る。
【0017】
上記その他の態様は、添付の特許請求の範囲に係る方法及び電気集塵機を提供することによって得られる。
【0018】
好適には、振幅調整(電圧及び/又は電流の)は、調整のために必要とされず、これにより、振幅調整が、コロナ放電に影響を及ぼさなくなるか、或いは、振幅調整は、コロナ放電に限られた範囲の影響しか及ぼさないように行われ得るようになる。
【0019】
追加の特性及び利点は、添付図面に非限定的な例として示されているパルス発生パターン及び電気集塵機の非排他的な好ましい実施形態の説明からより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】パルス発生パターンが使用されない場合の、フィルタに入り、これから出る電圧又は電流を示している(従来技術)。
図2a図2bに示されているパルス発生パターンが使用される場合の、フィルタに入り、これから出る電圧又は電流を示している(従来技術)。
図2b】パルス発生パターンを示している(従来技術)。
図3a図3bに示されているパルス発生パターンが使用される場合の、フィルタに入り、これから出る電圧又は電流を示している(従来技術)。
図3b】パルス発生パターンを示している(従来技術)。
図4】電気集塵機を示している。
図5】電気集塵機の異なる位置における電圧又は電流を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、最初に電気集塵機が説明される。
【0022】
電気集塵機9は、電力入力11に接続されたフィルタ10を備え、フィルタ10は、パルス発生パターンに応じて電力入力11からの入力電力をフィルタリングして、パルス電力を生成するために配置されている。
【0023】
制御ユニット13は、フィルタ10を駆動して、パルス発生パターンを実現するためにフィルタ10に接続されている。例えば、フィルタは、トランジスタ又は他の種類の電子スイッチ14を備えてもよい。
【0024】
変圧器16は、フィルタ10に接続されており、変圧器16は、フィルタ10からのパルス電力を変圧されたパルス電力に変圧するために配置されている。
【0025】
整流器17は、変圧器16に接続されており、整流器17は、変圧されたパルス電力を整流して、整流されたパルス電力を生成するために配置されている。
【0026】
集塵極及び放電極19は、整流されたパルス電力を受けるために整流器17に接続されている。集塵極及び放電極19は、浄化される燃焼排ガスが通過する通路に差し入れられる。
【0027】
制御ユニット10は、パルス発生パターンに応じて、電子スイッチ14を駆動して導電状態又は非導電状態にする。
【0028】
パルス発生パターンは、
パルスが発生されることを表す第1成分(これらの成分は、「1」として示される)、
パルスが発生されないことを表す第2成分(これらの成分は、「0」として示される)
を含む。
【0029】
図5は、電気集塵機9の異なる位置A、B、Cにおける電圧又は電力を示している。
【0030】
電力入力11(例えば、配電網)は、電力であって、その電圧又は電流が例えば正弦波形を有する電力を供給する(図の位置A)。フィルタ10では、パルス発生パターンの「1」に対応する半波のみが通過することを許される一方で、パルス発生パターンの「0」に対応する半波は阻止される。
【0031】
図5の位置Bは、フィルタ10の下流かつ変圧器16の上流の電圧又は電流を示している。
【0032】
変圧器を過ぎると、電力は、整流器17で整流される。図5の位置Cは、整流器17の下流の電圧又は電流を示している。
【0033】
本方法によれば、任意の所望の又は必要な電力は、パルス発生パターンを計算することによって得られ得るため、振幅調整による電力調整は必要ない。
【0034】
電気集塵機の変圧器のためのパルス発生パターンを計算するための方法は、
a)集塵極及び放電極19に供給される電力を表すターゲットパラメータを決定するステップと、
b)1つの追加のパルスが発生される場合に、計算されているパルス発生パターンを用いて集塵極及び放電極19に供給される電力を表す第1のパラメータを計算するステップと、
c)2つの追加の連続パルスが発生されない場合に、計算されているパルス発生パターンを用いて集塵極及び放電極19に供給される電力を表す第2のパラメータを計算するステップと、
d)第1のパラメータ又は第2のパラメータに基づいて1つの第1成分又は2つの第2成分からパターン成分を選択するステップと、
e)ステップb)、c)、d)、e)を繰り返すステップと
を含む。
【0035】
パターン成分の選択は、
第1のパラメータ又は第2のパラメータのどちらのパラメータがターゲットパラメータにより近いかに基づいて行われてもよく、或いは、これが不可能な場合(例えば、第1のパラメータ又は第2のパラメータのどちらもターゲットパラメータに他方よりも近くならない(例えば、第1のパラメータ及び第2のパラメータが、ターゲットパラメータから同じ距離を有する)ことに起因して)は、
所定のパターン成分が選択されてもよい(例えば、この場合、パターン成分「1」が選択されてもよい(或いは、パターン成分「0」を選択することも可能である))。
【0036】
ステップe)に関して、ステップe)は、ステップb)〜e)を繰り返すことに加えてステップa)を繰り返すことをさらに含むことも可能である。
【0037】
この実施形態では、ターゲットパラメータは、任意の時点で例えば制御ユニット13に供給され、これにより、電気集塵機におい実現されるパルス発生パターンが、集塵極及び放電極19への電力伝達が常にターゲットパラメータに向かうことを可能にしてもよい。
【0038】
連続的な繰り返しは、パターン周期又はパルス発生パターンの長さを決定し、パターン周期又はパルス発生パターンの長さに基づいて第1のパラメータ及び第2のパラメータを計算することによって実施されてもよい。
【0039】
例えば、開始成分及び終了成分が、パルス発生パターンにおいて決定されてもよい(開始成分は、パルス発生パターンに最初に加えられる成分に対応し、終了成分は、パルス発生パターンに最後に加えられる成分に対応する(すなわち、追加の成分が、パルス発生パターンの最後に加えられる)。
【0040】
したがって、パターン周期に基づいて第1のパラメータ及び第2のパラメータを計算することは、
パルス発生パターンであって、
決定されたパルス周期又はパルス発生パターンの長さ、及び
最後に1つの追加の第1成分を有し、かつ
最初の1つの成分が取り除かれた
パルス発生パターンを用いて、電気集塵機に供給される電力を表す第1のパラメータを計算することと、
パルス発生パターンであって、
決定されたパルス周期、及び
最後に2つの追加の第2成分を有し、かつ
最初の2つの成分が取り除かれた
パルス発生パターンを用いて、電気集塵機に供給される電力を表す第2のパラメータを計算することと
を含んでもよい。
【0041】
当然ながら、連続再計算(上記のステップe)によって実施される)は、ステップa)を繰り返すことなく実施されてもよい。
【0042】
以下では、本方法の実施の例が詳細に説明される。この例では、パターン周期又はパルス発生パターンの長さは5に等しいと想定される(これは単純化に過ぎず、実際の場合は、パターン周期は、千又は万のオーダー(例えば、10000以上) であってもよく、また、長いパターン周期又はパルス発生パターンの長さは、計算されているパルス発生パターンに関連する電力をターゲットパラメータに一致させる(例えば、最大で小数第2位の精度で又はこれを上回る精度で)のに役立つ)。以下の例では、ステップa) は繰り返されない。
【0043】
ステップa)
配電網から供給される電力の例えば50%(集塵極及び放電極19に供給される)というターゲットパラメータが決定される。
【0044】
ターゲットパラメータは、浄化されるガスの特徴に基づいて決定されてもよく、及び/又は手で入力されてもよい(例えば、ガスは、発電プラント又は産業プラントに由来する)。
【0045】
この段階において、パルス発生パターンは、第1成分「1」又は第2成分「0」のどちらも含まない。
【0046】
ステップb)
1つの追加のパルスが発生される(すなわち、パルス発生パターン「1」が実施されて、電力入力11からの電力のすべてが変圧器16に送られる)場合、電力入力11からの電力の100%が、電極19に供給される。
【0047】
ステップc)
2つの追加のパルスが発生されない(すなわち、パルス発生パターン「0、0」が実施される)場合、電力入力11からの電力の0%が、電極19に供給される。
【0048】
ステップd)
100%の電力に対応する成分「1」が、パルス発生パターンのために選択される。したがって、第1のサイクルの後、計算されているパルス発生パターンは、「1」となる。
【0049】
したがって、1つのパルスが、集塵極及び放電極19に送られ得る。
【0050】
ステップe)(ステップb)の1回目の繰り返し)
1つの追加のパルスが発生される(すなわち、パルス発生パターン「1、1」が実施される(この場合もまた、電力入力11からの電力のすべてが変圧器16に送られる))場合、電力入力11からの電力の100%が、電極19に供給される。
【0051】
ステップe)(ステップc)の1回目の繰り返し)
2つの追加のパルスが発生されない(すなわち、パルス発生パターン「1、0、0」が実施される)場合、電力入力11からの電力の33%が、電極19に供給される。
【0052】
ステップe)(ステップd)の1回目の繰り返し)
33%の電力に対応する成分「0、0」が、パルス発生パターンのために選択される。したがって、1回目のサイクルの後、計算されているパルス発生パターンは、「1、0、0」となる。したがって、2つのパルスは、集塵極及び放電極19に送られない。
【0053】
ステップe)(ステップb)の2回目の繰り返し)
1つの追加のパルスが発生される(すなわち、パルス発生パターン「1、0、0、1」が実施される)場合、電力入力11からの電力の50%が、電極19に供給される。
【0054】
ステップe)(ステップc)の2回目の繰り返し)
2つの追加のパルスが発生されない(すなわち、パルス発生パターン「1、0、0、0、0」が実施される)場合、電力入力11からの電力の20%が、電極19に供給される。
【0055】
ステップe)(ステップd)の2回目の繰り返し)
50%の電力に対応する成分「1」が、パルス発生パターンのために選択され、2回目のサイクルの後、パルス発生パターンは、「1、0、0、1」となる。 したがって、1つのパルスが、集塵極及び放電極19に送られ得る。
【0056】
ステップe)(ステップb)の3回目の繰り返し)
1つの追加のパルスが発生される(すなわち、パルス発生パターン「1、0、0、1、1」が実施される)場合、電力入力11からの電力の60%が、電極19に供給される。
【0057】
ステップe)(ステップc)の3回目の繰り返し)
2つの追加のパルスが発生されない(すなわち、パルス発生パターン「0、0、1、0、0」が実施される)場合、電力入力11からの電力の20%が、電極19に供給される。
【0058】
ステップe)(ステップd)の3回目の繰り返し)
60%の電力に対応する成分「1」が、パルス発生パターンのために選択され、したがって、3回目のサイクルの後、計算されているパルス発生パターンは、「1、0、0、1、1」となる。 したがって、1つのパルスが、集塵極及び放電極19に送られ得る。
【0059】
ステップe)(ステップb)の4回目の繰り返し)
1つの追加のパルスが発生される(すなわち、パルス発生パターン「0、0、1、1、1」が実施される)場合、電力入力11からの電力の60%が、電極19に供給される。
【0060】
ステップe)(ステップc)の4回目の繰り返し)
2つの追加のパルスが発生されない(すなわち、パルス発生パターン「0、1、1、0、0」が実施される)場合、電力入力11からの電力の40%が、電極19に供給される。
【0061】
ステップe)(ステップd)の4回目の繰り返し)
60%の電力に対応する所定の成分「1」が、パルス発生パターンのために選択され、4回目のサイクルの後、パルス発生パターンは、「0、0、1、1、1」となる。 したがって、1つのパルスが、集塵極及び放電極19に送られ得る。
【0062】
この後、ステップb)〜e)が連続的に実施される。
【0063】
したがって、パルス発生パターンは連続的に生成され得る。これにより、ターゲットパラメータに等しい又はターゲットパラメータに可能な限り近いパルス発生パターンに達することが可能となる。加えて、これにより、ターゲットパラメータを変更すること及びターゲットパラメータに一致する又はターゲットパラメータに近いパルス発生パターンを決定することが可能となる。
【0064】
上記の例のステップa)がさらに繰り返される場合、ターゲットパラメータが変更されるというわずかな違いはあるものの、上記の工程は同じままである。
【0065】
制御ユニット13は、本方法を実施し、好ましくは、本方法を実施する命令を含むコンピュータ可読メモリ媒体を有する。
【0066】
当然ながら、説明されている特徴は、互いに独立して提供されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 配電網からフィルタに供給される電圧又は電流
2 フィルタから変圧器に供給される電圧又は電流
3 パルス発生パターンの長さ
9 電気集塵機
10 フィルタ
11 電力入力
13 制御ユニット
14 電子スイッチ
16 変圧器
17 整流器
19 集塵極及び放電極
A、B、C 位置
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5