特許第6890940号(P6890940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890940
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20210607BHJP
   H01G 4/35 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   H01G4/30 201E
   H01G4/30 513
   H01G4/35 331
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-181465(P2016-181465)
(22)【出願日】2016年9月16日
(65)【公開番号】特開2018-46229(P2018-46229A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年6月11日
【審判番号】不服2020-13476(P2020-13476/J1)
【審判請求日】2020年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 文昭
(72)【発明者】
【氏名】田村 健寿
(72)【発明者】
【氏名】服部 祐磨
(72)【発明者】
【氏名】尾上 通
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 大資
(72)【発明者】
【氏名】森田 健
(72)【発明者】
【氏名】岡本 拓人
【合議体】
【審判長】 清水 稔
【審判官】 井上 信一
【審判官】 須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−208112(JP,A)
【文献】 特開2011−139021(JP,A)
【文献】 特開2012−33621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向での長さ及び幅方向での長さに比して高さ方向での長さが小さい直方体形状を呈している素体と、
前記素体の前記長手方向での両端に配置されている一対の第一外部電極と、
前記素体の内部に配置されている複数の内部電極と、を備え、
前記素体は、前記高さ方向で互いに対向する一対の主面と、前記長手方向で互いに対向する一対の端面と、前記幅方向で互いに対向する一対の側面とを有し、
各前記第一外部電極は、一方の前記主面上に配置されている第一導体部と、前記端面上に配置されていると共に前記第一導体部と連結されている第二導体部と、を有しており、
前記第一導体部及び前記第二導体部のそれぞれは、複数の空隙を含む電極層と当該電極層上に形成されためっき層とを含み、
前記第一導体部の空隙率は、前記第二導体部の空隙率より小さく、
前記内部電極は、前記端面から露出しており、
前記端面は、前記内部電極が露出した第一面と、前記第一面よりも前記第一導体部側に位置する第二面とを含み、
前記第一導体部の空隙率は、前記第二導体部のうち前記第二面上に配置されている部分の空隙率よりも小さ
前記第一導体部と前記第二導体部との空隙率の比は、1.1以上である、電子部品。
【請求項2】
前記素体の外表面における前記一対の第一外部電極の間に配置されている第二外部電極を更に備え、
前記第二外部電極は、前記側面上に配置されている導体部を有しており、
前記第二外部電極が有する前記導体部の空隙率は、前記第二導体部の空隙率より小さい、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記素体の外表面における前記一対の第一外部電極の間に配置されている第二外部電極を更に備え、
前記第二外部電極は、前記一方の主面上に配置されている導体部を有しており、
前記第二外部電極が有する前記導体部の最大厚みは、前記第一導体部の最大厚みより小さい、請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第二外部電極は、前記側面上に配置されている導体部を更に有しており、
前記第二外部電極が有する前記導体部の空隙率は、前記第二導体部の空隙率より小さい、請求項3に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
長手方向での長さ及び幅方向での長さに比して高さ方向での長さが小さい直方体形状を呈している素体と、素体の長手方向での両端に配置されている一対の第一外部電極と、を備えている電子部品が知られている(たとえば、特許文献1)。特許文献1に記載の電子部品では、素体は、高さ方向で互いに対向する一対の主面と、長手方向で互いに対向する一対の端面と、幅方向で互いに対向する一対の側面と、を有している。各第一外部電極は、主面上に配置されている第一導体部と、端面上に配置されていると共に第一導体部と連結されている第二導体部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−237429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、素体におけるクラックの発生が抑制されている電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、調査研究の結果、以下のような事実を新たに見出した。
【0006】
電子部品が電子機器(たとえば、回路基板又は他の電子部品など)にはんだ実装されている場合、電子機器から電子部品に作用する外力が、はんだ実装の際に形成されたはんだフィレット及び外部電極を介して素体に作用することがある。たとえば、電子部品が回路基板にはんだ実装されている場合に回路基板に撓みが生じると、回路基板の撓みに起因する外力が、はんだフィレット及び外部電極を介して素体に作用する。素体に外力が作用すると、外力に抗する力として素体に応力が生じる。
【0007】
電子部品が電子機器にはんだ実装される場合、通常、一対の主面のうち一の主面が、電子機器と対向する実装面とされる。電子部品に作用する外力は、実装面である主面上に位置する第一導体部の端縁から素体に作用する傾向がある。このため、素体における第一導体部の端縁と接している部分が起点となって、素体にクラックが発生するおそれがある。したがって、実装面である主面上に位置する第一導体部の端縁から素体に作用する力を小さくすることが可能であれば、素体のクラックの発生には至り難い。
【0008】
そこで、本発明者らは、電子部品に外力が作用する場合でも、第一導体部の端縁から素体に作用する力を小さくし得る構成について鋭意研究を行った。
【0009】
この結果、本発明者らは、第一導体部の空隙率が第二導体部の空隙率より小さい構成を見出すに至った。この構成では、第一導体部と第二導体部とが互いに異なる空隙率を有するので、外部電極は、第一導体部と第二導体部とが連結されている位置に、構造的に不連続な部位を有する。このため、外力が外部電極に作用する場合、第一導体部と第二導体部との境界にクラックが生じ易い。電子部品にはんだフィレットを介して外力が作用することにより、第一導体部と第二導体部との境界にクラックが発生すると、第一導体部の端縁から素体に作用する力が小さくなる。
【0010】
電子部品では、通常、はんだとの相性を考慮して、外部電極(導体部)の最外層にはめっき層が採用される。空隙率が高い導体部は、空隙率が低い導体部よりも、めっき付き性が低いために最外層のめっき層が剥がれ易い傾向にある。このため、空隙率が高い導体部は、空隙率が低い導体部よりも、当該導体部と電子機器とのはんだによる接合強度が低くなるおそれがある。
【0011】
電子部品が電子機器にはんだ実装される場合、上記主面が電子機器と対向するため、接合強度に対する寄与度は、主面上に配置されている第一導体部の方が端面上に配置されている第二導体部よりも大きい。したがって、第一導体部の空隙率が第二導体部の空隙率より小さい場合、第一導体部の空隙率が第二導体部の空隙率より大きい場合に比べて、第一外部電極と電子機器とのはんだによる接合強度が高い。
【0012】
すなわち、第一導体部の空隙率が第二導体部の空隙率より小さい構成が採用されることで、第一外部電極と電子機器との接合強度の低下が抑制されると共に、素体におけるクラックの発生が抑制される。
【0013】
本発明に係る電子部品は、長手方向での長さ及び幅方向での長さに比して高さ方向での長さが小さい直方体形状を呈している素体と、素体の長手方向での両端に配置されている一対の第一外部電極と、を備え、素体は、高さ方向で互いに対向する一対の主面と、長手方向で互いに対向する一対の端面と、幅方向で互いに対向する一対の側面とを有し、各第一外部電極は、一方の主面上に配置されている第一導体部と、端面上に配置されていると共に第一導体部と連結されている第二導体部と、を有しており、第一導体部の空隙率は、第二導体部の空隙率より小さい。
【0014】
本発明に係る電子部品では、第一導体部の空隙率が第二導体部の空隙率より小さいので、当該電子部品が実装される電子機器と第一外部電極との接合強度の低下が抑制されると共に、素体におけるクラックの発生が抑制される。
【0015】
素体の外表面における一対の第一外部電極の間に配置されている第二外部電極を更に備え、第二外部電極は、側面上に配置されている導体部を有しており、第二外部電極が有する導体部の空隙率は、第二導体部の空隙率より小さくてもよい。この場合、電子機器と第二外部電極との接合強度の低下が抑制される。
【0016】
素体の外表面における一対の第一外部電極の間に配置されている第二外部電極を更に備え、第二外部電極は、一方の主面上に配置されている導体部を有しており、第二外部電極が有する上記導体部の最大厚みは、第一導体部の最大厚みより小さくてもよい。この場合、電子部品が電子機器にはんだ実装される際に、電子部品の姿勢が安定する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、素体におけるクラックの発生が抑制されている電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る積層貫通コンデンサを示す概略斜視図である。
図2】積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図3】積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図4】積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図5】積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図6】積層貫通コンデンサの平面図である。
図7】積層貫通コンデンサの側面図である。
図8】積層貫通コンデンサの側面図である。
図9】本実施形態の変形例に係る積層貫通コンデンサの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0020】
まず、図1図3を参照して、本実施形態に係る積層貫通コンデンサ1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る積層貫通コンデンサを示す概略斜視図である。図2及び図3は、積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。本実施形態では、電子部品として積層貫通コンデンサ1を例に説明する。
【0021】
積層貫通コンデンサ1は、図1〜3に示されているように、素体2と、素体2の外表面に配置された一対の外部電極5と、外表面に配置された一対の外部電極9と、素体2の内部に配置された複数の内部電極11と、素体2の内部に配置された複数の内部電極13と、を備えている。本実施形態において積層貫通コンデンサ1は、図2及び図3に示されているように、電子機器(たとえば、回路基板又は他の電子部品など)20にはんだ実装される。外部電極5及び外部電極9と電子機器20のパッド電極(不図示)との間には、はんだフィレット22が形成されている。
【0022】
素体2は、長手方向D1での長さに比して幅方向D2の長さが小さく、かつ、幅方向D2の長さに比して高さ方向D3の長さが小さい直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。本実施形態では、素体2の長手方向D1の長さは1.0mmであり、幅方向D2の長さは0.5mmであり、高さ方向D3の長さは0.2mmである。
【0023】
素体2は、その外表面として、一対の主面2aと、一対の端面2cと、一対の側面2eと、を有している。一対の主面2aは、高さ方向D3で互いに対向している。一対の端面2cは、長手方向D1で互いに対向している。一対の側面2eは、幅方向D2で互いに対向している。積層貫通コンデンサ1では、一方の主面2aが、電子機器20に対向する実装面である。
【0024】
素体2は、一対の主面2aが対向している高さ方向D3に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体2では、複数の誘電体層の積層方向が、高さ方向D3と一致する。各誘電体層は、たとえば誘電体材料(BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系などの誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体2では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0025】
一対の外部電極5は、図1に示されているように、素体2の長手方向での両端に配置されている。一対の外部電極5は、互いに離間しており、長手方向D1で対向している。各外部電極5は、主面2a上に配置されている一対の導体部5aと、端面2c上に配置されている導体部5bと、側面2e上に配置されている一対の導体部5cとを有している。各外部電極5において、導体部5a,5b,5cはそれぞれ互いに連結されている。一対の外部電極5は、たとえば、信号用端子電極として機能する。
【0026】
一対の外部電極9は、図1に示されているように、一対の外部電極5から離間し、素体2の外表面における一対の外部電極5の間に配置されている。一対の外部電極9は、素体2の長手方向D1での中央部分に配置されている。一対の外部電極9は、互いに離間し、幅方向D2で対向している。各外部電極9は、主面2a上に配置されている一対の導体部9aと、側面2e上に配置されている導体部9bとを有している。各外部電極9において、導体部9a,9bは互いに連結されている。一対の外部電極9は、たとえば、接地用端子電極として機能する。
【0027】
内部電極11と内部電極13とは、素体2の高さ方向において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、内部電極11と内部電極13とは、素体2内において、高さ方向D3に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極11は、たとえば、信号用内部電極として機能し、内部電極13は、たとえば、接地用内部電極として機能する。
【0028】
各内部電極11は、長手方向D1が長辺方向であると共に幅方向D2が短辺方向である矩形形状を呈している。各内部電極11は、一対の端面2cに露出し、一対の主面2a、及び、一対の側面2eには露出していない。各内部電極11は、一対の端面2cにおいて、一対の外部電極5に接続されている。
【0029】
各内部電極13は、高さ方向D3で素体2の一部(誘電体層)を介して、内部電極11と対向している。各内部電極13は、長手方向D1が長辺方向であると共に幅方向D2が短辺方向である矩形形状を呈している主電極部と、当該主電極部の長辺から延びて側面2eに露出している一対の接続部とを含んでいる。主電極部と各接続部とは、一体的に形成されている。各内部電極13は、一対の側面2eに露出し、一対の主面2a、及び、一対の端面2cには露出していない。各内部電極13は、一対の側面2eにおいて、一対の外部電極9に接続されている。
【0030】
内部電極11及び内部電極13は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(たとえば、Ni又はCuなど)からなる。内部電極11及び内部電極13は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
【0031】
次に、図4図8を参照して、外部電極5及び外部電極9の詳細な構成について説明する。図4及び図5は、積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。図6は、積層貫通コンデンサの平面図である。図7及び図8は、積層貫通コンデンサの側面図である。図4は、たとえば、一対の側面2eに平行であり、かつ、一対の側面2eから等距離に位置している平面で積層貫通コンデンサ1を切断した断面図である。図5は、たとえば、一対の端面2cに平行であり、かつ、一対の端面2cから等距離に位置している平面で積層貫通コンデンサ1を切断した断面図である。
【0032】
外部電極5及び外部電極9は、図4及び図5に示されているように、電極層23と、第一めっき層25と、第二めっき層27とを有している。具体的には、外部電極5及び外部電極9では、めっき処理(たとえば、電気めっき処理など)により、電極層23上に第一めっき層25が形成され、第一めっき層25上に第二めっき層27が形成されている。導体部5a,5b,9a,9bは、電極層23と、第一めっき層25と、第二めっき層27とを含んでいる。
【0033】
電極層23は、導電性ペーストを素体2の表面に付与して焼き付けることにより形成されている。電極層23は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粉末)が焼結して形成された焼結金属層である。本実施形態では、電極層23は、Cuからなる焼結金属層である。電極層23は、Niからなる焼結金属層であってもよい。導電性ペーストには、Cu又はNiからなる粉末に、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を混合したものが用いられている。
【0034】
本実施形態では、第一めっき層25は、Niめっきにより形成されたNiめっき層である。第一めっき層25は、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層であってもよい。第二めっき層27は、Snめっきにより形成されたSnめっき層である。第二めっき層27は、Cuめっき層又はAuめっき層であってもよい。
【0035】
一対の外部電極5の各導体部5bは、対応する端面2cの全体を覆っている。端面2cの全体とは、素体2の外表面のうち一対の主面2a及び一対の側面2eにより挟まれた全ての領域をいう。導体部5a及び導体部5cは、素体2の両端において、図4に示されるように、各端面2cから長手方向D1に長さN1の部分の全ての領域を覆っている。本実施形態では、導体部5a及び導体部5cの長手方向D1での長さN1は0.15mmである。
【0036】
一対の外部電極9の導体部9bは、図8に示されるように、長手方向D1における側面2eの中央部分において、長手方向D1で長さN2の幅を有し、かつ、一対の主面2aに挟まれた領域の全体を覆っている。各導体部9aは、長手方向D1で長さN2の幅を有する端部で導体部9bに連結され、図5に示されるように、側面2eから幅方向D2に長さN3の位置まで延在している。本実施形態では、導体部9bの長手方向D1での長さN2は0.30mmであり、導体部9aの幅方向D2での長さN3は0.10mmである。
【0037】
一対の外部電極9の導体部9aは、図6で示されているように、主面2a上において、幅方向D2で対向している。主面2a上における一対の外部電極9の導体部9aの間の最短距離をW0とし、素体2の幅方向D2での長さをW1としたとき、1.18≦W1/W0≦5.0が満たされている。本実施形態では、W0は0.30mmであり、W1は0.48mmであり、W1/W0は1.6である。
【0038】
外部電極9が有する導体部9aの最大厚みT2は、外部電極5が有する導体部5aの最大厚みT1より小さい。最大厚みT1,T2は、主面2aから該主面2a上に配置された各導体部5a,9aの外表面までの高さ方向D3での距離のうち最大値である。本実施形態では、外部電極5の導体部5aの最大厚みT1は、0.015mmである。外部電極9の導体部9aの最大厚みT2は、0.01mmである。
【0039】
一対の外部電極5では、図7に示されているように、長手方向D1から見て、導体部5bの中央は素体2側(端面2c側)に窪んでいる。より詳細には、導体部5bは、図4に示されているように、導体部5bの端(導体部5bが導体部5a,5cと連結されている部分)から徐々に長手方向D1での厚みが大きくなり、厚みが最大となった後に導体部5bの中央にかけて徐々に厚みが小さくなる。導体部5bの厚みが極大である位置から導体部5bの中央にかけて窪んでいる部分が、窪み部6である。導体部5bにおける厚みが極大である位置が、窪み部6の外縁6aである。外縁6aは、端面2cと平行な仮想平面が導体部5bの表面と接する位置でもある。
【0040】
本実施形態における窪み部6の外縁6aは、図7に示されているように楕円形状である。楕円形状とは、長円形状も含む。窪み部6の外縁6aは、図9に示されているように、楕円形状の外縁6aに比べて、導体部5bの四隅(端面2cの四隅)に対応する部分が四隅に向かって延びた形状であってもよい。長手方向D1から見たとき、図9で示された窪み部6の面積は、図7で示された窪み部6の面積よりも大きい。図9は、本実施形態の変形例に係る積層貫通コンデンサの側面図である。
【0041】
本実施形態では、長手方向D1から見て、高さ方向D3における外部電極5の端から窪み部6の外縁6aまでの最短距離L1は、0.09mmである。長手方向D1から見て、幅方向D2における外部電極5の端から窪み部6の外縁6aまでの最短距離L2は、0.17mmである。導体部5bの最大厚みM1は、0.03mmである。導体部5bの中央付近において導体部5bの厚みが極小である位置での厚みM2は、0.02mmである。すなわち、窪み部6の深さは、0.01mmである。最大厚みM1は、端面2cから該端面2c上に配置された導体部5bの外表面までの長手方向D1での距離のうち最大値である。
【0042】
一対の外部電極9では、図8に示されているように、幅方向D2からみて、導体部9bの中央は素体2側(側面2e側)に窪んでいる。より詳細には、導体部9bは、図5に示されているように、導体部9bの端(導体部9bが導体部9aと連結されている部分)から徐々に幅方向D2での厚みが大きくなり、厚みが最大となった後に導体部9bの中央にかけて徐々に厚みが小さくなる。導体部9bの厚みが極大である位置から導体部9bの中央にかけて窪んでいる部分が、窪み部10である。導体部9bにおける厚みが極大である位置が、窪み部10の外縁10aである。外縁10aは、側面2eと平行な仮想平面が導体部9bの表面と接する位置でもある。本実施形態における窪み部10の外縁10aは、図8に示されているように楕円形状である。
【0043】
本実施形態では、幅方向D2から見て、高さ方向D3における外部電極9の端から窪み部10の外縁10aまでの最短距離L3は、0.09mmである。幅方向D2から見て、幅方向における外部電極9の端から窪み部10の外縁10aまでの最短距離L4は、0.08mmである。導体部9bの最大厚みM3は、0.02mmである。導体部9bの中央付近において導体部9bの厚みが極小である位置での厚みM4は、0.015mmである。すなわち、窪み部10の深さは、0.005mmである。最大厚みM3は、側面2eから該側面2e上に配置された導体部9bの外表面までの幅方向D2での距離のうち最大値である。
【0044】
各外部電極5の電極層23は、図4に示されたように、導電性部材の他に、導電性部材以外の物質(たとえば、ガラス及び空気など)からなる空隙30を含んでいる。すなわち、空隙30は、空気からなる領域だけでなく、ガラスからなる領域も含む。図4及び図5では、空隙30が、模式的に円で示されている。実際の空隙30の形状は、円(球)に限られない。
【0045】
各外部電極5において、導体部5aの空隙率は、導体部5bの空隙率より小さい。本実施形態では、導体部5cの空隙率も、導体部5bの空隙率より小さい。導体部5aの空隙率は、導体部5cの空隙率と同等である。導体部5aの空隙率は、導体部5cの空隙率とは異なっていてもよい。本実施形態では、導体部5a,5cの空隙率は1.5%であり、導体部5bの空隙率は2.5%である。空隙率とは、各導体部5a,5b,5cの電極層23における空隙率をいう。
【0046】
各導体部5a,5b,5cの空隙率は、たとえば、以下のようにして求めることができる。
【0047】
外部電極5の導体部5a,5b,5cの電極層23を含む断面図を取得する。断面図は、たとえば、一対の側面2eに平行であり、かつ、一対の側面2eから等距離に位置している平面で切断したときの導体部5a及び導体部5bの各電極層23の断面図、及び、一対の主面2aに平行であり、かつ、一対の主面2aから等距離に位置している平面で切断したときの導体部5c及び導体部5bの各電極層23の断面図である。取得した断面図上での、導体部5a,5b,5cの電極層23の各面積と、各導体部5a,5b,5cの電極層23における導電性部材が存在していない領域の各面積を算出する。
【0048】
導体部5aの電極層23における導電性部材が存在していない領域の面積を、導体部5aの電極層23の面積で除し、得られた商を百分率で表した値を導体部5aの空隙率とする。導体部5bの電極層23における導電性部材が存在していない領域の面積を、導体部5bの電極層23の面積で除し、得られた商を百分率で表した値を導体部5bの空隙率とする。導体部5cの電極層23における導電性部材が存在していない領域の面積を、導体部5cの電極層23の面積で除し、得られた商を百分率で表した値を導体部5cの空隙率とする。
【0049】
各外部電極9の電極層23も、外部電極5の電極層23と同様に、導電性部材の他に、導電性部材以外の物質(たとえば、ガラス及び空気など)からなる空隙30を含んでいる。各外部電極9において、導体部9aの空隙率は、導体部9bの空隙率より小さい。導体部9aの空隙率は、外部電極5の導体部5aの空隙率より小さい。導体部9bの空隙率は、外部電極5の導体部5bの空隙率より小さい。本実施形態では、導体部9aの空隙率は0.5%であり、導体部9bの空隙率は1.0%である。空隙率とは、各導体部9a,9bの電極層23における空隙率をいう。
【0050】
各導体部9a,9bの空隙率は、たとえば、以下のようにして求めることができる。
【0051】
外部電極9の導体部9a,9bの電極層23を含む断面図を取得する。断面図は、たとえば、一対の端面2cに平行であり、かつ、一対の端面2cから等距離に位置している平面で切断したときの導体部9a及び導体部9bの各電極層23の断面図である。取得した断面図上での、導体部9a,9bの電極層23の各面積と、各導体部9a,9bの電極層23における導電性部材が存在していない領域の各面積を算出する。
【0052】
導体部9aの電極層23における導電性部材が存在していない領域の面積を、導体部9aの電極層23の面積で除し、得られた商を百分率で表した値を導体部9aの空隙率とする。導体部9bの電極層23における導電性部材が存在していない領域の面積を、導体部9bの電極層23の面積で除し、得られた商を百分率で表した値を導体部9bの空隙率とする。
【0053】
以上説明したように、積層貫通コンデンサ1では、各外部電極5において、導体部5aの空隙率と導体部5bの空隙率が異なる。すなわち、外部電極5は、導体部5aと導体部5bとが連結されている位置に、構造的に不連続な部位を有する。このため、外力が外部電極5に作用する場合、各外部電極5では、導体部5aと導体部5bとの境界にクラックが生じ易い。はんだフィレット22を介して外力が積層貫通コンデンサ1に作用することにより、導体部5aと導体部5bとの境界にクラックが発生すると、導体部5aの端縁から素体2に作用する力が小さくなる。この結果、積層貫通コンデンサ1では、導体部5aの端縁から素体2に作用する力に起因して素体2の内部に生じる応力が小さく、素体2におけるクラックの発生が抑制されている。
【0054】
導体部5aと導体部5bとの境界にクラックが発生した場合でも、導体部5bとはんだフィレット22との物理的な接続は維持される。したがって、電子機器20の電極と内部電極11との電気的な接続が維持され、積層貫通コンデンサ1の機能が損なわれることはない。
【0055】
積層貫通コンデンサ1が電子機器20にはんだ実装される場合、一方の主面2aが電子機器20と対向する。このため、電子機器20と積層貫通コンデンサ1(外部電極5)とのはんだ接合による接合強度に対する寄与度は、主面2a上に配置されている導体部5aの方が端面2c上に配置されている導体部5bよりも大きい。導体部5aの空隙率は導体部5bの空隙率より小さいため、導体部5aの空隙率が導体部5bの空隙率より大きい場合に比べて、導体部5aにおけるめっき付き性が高く、外部電極5と電子機器20とのはんだ接合による接合強度が高い。
【0056】
したがって、積層貫通コンデンサ1では、導体部5aの空隙率が導体部5bの空隙率より小さいので、外部電極5と電子機器20との接合強度の低下が抑制されていると共に、素体2におけるクラックの発生が抑制されている。
【0057】
積層貫通コンデンサ1では、導体部9aの空隙率が導体部9bの空隙率より小さい。この構成により、外部電極9と電子機器20との接合強度の低下が抑制されていると共に、素体2におけるクラックの発生が抑制されている。
【0058】
外部電極9は、外部電極5に比べて表面積が小さい。このため、積層貫通コンデンサ1が電子機器20に実装される際に外部電極9に付着されるはんだ量は、外部電極5に付着されるはんだ量より少ない。したがって、導体部5bと導体部9bとにおけるめっき付き性が同等であれば、導体部9bと電子機器20との接合強度が、導体部5aと電子機器20との接合強度よりも低くなるおそれがある。
【0059】
導体部9bの空隙率は、導体部5bの空隙率より小さいため、導体部9bにおけるめっき付き性は、導体部5bにおけるめっき付き性よりも高い。したがって、導体部9bと電子機器20との接合強度が確保される。導体部9aの空隙率は、導体部5aの空隙率より小さいため、導体部9aにおけるめっき付き性は、導体部5aにおけるめっき付き性よりも高い。したがって、導体部9aと電子機器20との接合強度が確保される。
【0060】
外部電極9が有する導体部9aの最大厚みT2は、外部電極5が有する導体部5aの最大厚みT1より小さい。このため、積層貫通コンデンサ1が電子機器20にはんだ実装される際に、積層貫通コンデンサ1の姿勢が安定する。
【0061】
図2及び図3に示されているように、積層貫通コンデンサ1は、外部電極5及び外部電極9と電子機器20との間に形成されたはんだフィレット22によって、電子機器20に実装される。電子機器20が、たとえば、回路基板のように板状である場合、電子機器20に撓みが生じることがある。素体2の長手方向D1での両端に配置されている一対の外部電極5だけでなく、素体2の外表面における一対の外部電極5の間に配置されている外部電極9が電子機器20にはんだ接合されているので、積層貫通コンデンサ1が実装されている電子機器20に撓みが生じると、電子機器20の撓みに起因する応力が、素体2における外部電極9が設けられている領域及びその近傍に集中し易い。
【0062】
電子機器20の撓みに起因する上記応力は、外部電極9がはんだフィレット22を介して電子機器20から受ける拘束力に応じて大きくなる。したがって、はんだフィレット22による外部電極9と電子機器20との接合強度が過度に大きい場合、電子機器20の撓みに起因して素体2に発生する応力により、素体2にクラックが発生するおそれがある。
【0063】
積層貫通コンデンサ1では、導体部9bが素体2側に窪んでいるので、はんだは、導体部9bに形成されている窪み部10を越えて濡れ上がり難い。すなわち、導体部9bに窪み部10が形成されていない積層貫通コンデンサに比して、積層貫通コンデンサ1では、はんだが導体部9bを濡れ上がる高さが低い。このため、積層貫通コンデンサ1が実装される際に形成されるはんだフィレットが小さく、導体部9bがはんだフィレット22を介して電子機器20から受ける拘束力が低減される。したがって、電子機器20の撓みに起因して素体2に発生する応力も低減されるため、素体2におけるクラックの発生が抑制されている。
【0064】
幅方向D2から見て、導体部9bの中央が素体2側に窪んでいるので、幅方向D2から見て、はんだは、導体部9bの中央を越えて濡れ上がり難く、導体部9bの中央から外れた領域(たとえば、導体部9bの幅方向D2での両端)では濡れ上がり易い。このため、外部電極9と電子機器20との接合強度が確保されつつ、外部電極9がはんだフィレット22を介して電子機器20から受ける拘束力が抑制される。はんだが、導体部9bの幅方向D2での両端で濡れ上がる場合、積層貫通コンデンサ1の位置が安定する。
【0065】
積層貫通コンデンサ1では、主面2a上における一対の外部電極9の導体部9aの間の最短距離をW0とし、素体2の幅方向D2での長さをW1としたとき、1.18≦W1/W0≦5.0が満たされている。このため、主面2aと電子機器20とが対向した状態で積層貫通コンデンサ1が電子機器20に実装される場合に、外部電極9と電子機器20との接合強度がより確実に確保されつつ、素体2におけるクラックの発生がより一層抑制される。W1/W0が1.18より小さい場合、W1/W0が1.18以上である場合に比して、導体部9aと電子機器20との接合強度が低いため、積層貫通コンデンサ1の実装強度が低下するおそれがある。W1/W0が5.0より大きい場合、W1/W0が5.0以下である場合に比して、導体部9aと電子機器20との接合強度が高く、導体部9aの端縁から素体2に作用する力が強い。このため、素体2における導体部9aの端縁と接している部分が起点となって、素体2にクラックが発生するおそれがある。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0067】
たとえば、本実施形態では、外部電極5が各主面2a上に導体部5aを有しているが、外部電極5は、実装面となる一方の主面2a上のみに導体部5aを有していてもよい。同様に、本実施形態では、外部電極9が各主面2a上に導体部9aを有しているが、外部電極9は、実装面となる一方の主面2a上のみに導体部9aを有していてもよい。この場合、導体部5aと導体部9aとは、同じ主面2a上に配置される。
【0068】
本実施形態では、積層貫通コンデンサ1が互いに離間した一対の外部電極9を備えているが、積層貫通コンデンサ1は、一方の側面2e側のみに配置された一つの外部電極9のみを備えていてもよい。一対の外部電極9は、素体2の外表面上で物理的に接続されていてもよい。
【0069】
本実施形態では、本実施形態では、導体部5a及び導体部5cの長さN1は0.15mmであるが、これに限定されない。たとえば、外部電極5の電子機器20に対する接合強度の確保、及び、原材料費の削減などの観点から、素体2の長手方向D1の長さに対する長さN1の割合は、1〜40%であってもよい。
【0070】
本実施形態では、導体部9bの長手方向D1での長さN2は0.30mmであり、導体部9aの幅方向D2での長さN3は0.10mmであるが、これらに限定されない。たとえば、外部電極9の電子機器20に対する接合強度の確保、及び、原材料費の削減などの観点から、素体2の長手方向D1の長さに対する長さN2の割合は、15〜50%であってもよく、素体2の幅方向D2の長さに対する長さN3の割合は、1〜50%であってもよい。
【0071】
本実施形態では、外部電極5の導体部5aの最大厚みT1は0.015mmであり、外部電極9の導体部9aの最大厚みT2は0.01mmであるが、これらに限定されない。たとえば、製造容易、及び、原材料費の削減などの観点から、最大厚みT1は0.01〜0.05mmであってもよく、最大厚みT2は0.005〜0.045mmであってもよい。
【0072】
本実施形態では、外部電極5における最短距離L1は0.09mmであるが、これに限定されない。外部電極5における最短距離L2は0.17mmであるが、これに限定されない。たとえば、外部電極5と電子機器20との接合強度をより適切に調整する観点から、最短距離L1は0.01〜0.095mmであってもよく、最短距離L2は0.01〜0.23mmであってもよい。
【0073】
本実施形態では、外部電極9における最短距離L3は0.09mmであるが、これに限定されない。外部電極9における最短距離L4は0.08mmであるが、これに限定されない。たとえば、外部電極9と電子機器20との接合強度をより適切に調整する観点から、最短距離L3は0.01〜0.095mmであってもよく、最短距離L4は0.01〜0.14mmであってもよい。
【0074】
本実施形態では、導体部5bの最大厚みM1は0.03mmであり、導体部5bの厚みM2は0.02mmであるとしたが、これらに限定されない。導体部9bの最大厚みM3は0.02mmであり、導体部9bの厚みM4は0.015mmであるとしたが、これらに限定されない。たとえば、製造容易、及び、原材料費の削減などの観点から、最大厚みM1は0.01〜0.1mmであってもよく、厚みM2は0.005〜0.095mmであってもよく、最大厚みM3は0.01〜0.1mmであってもよく、厚みM4は0.005〜0.095mmであってもよい。たとえば、はんだの這い上がりを抑制する効果の確保、及び、原材料費の削減などの観点から、窪み部6,10の深さは、0.001〜0.095mmであってもよい。
【0075】
本実施形態では、導体部5a,5cの空隙率は1.5%であり、導体部5bの空隙率は2.5%であり、導体部9aの空隙率は0.5%であり、導体部9bの空隙率は1.0%であるが、これらに限定されない。たとえば、導体部5a,5cの空隙率は0.1〜9.5%であってもよく、導体部5bの空隙率は0.2〜10%であってもよく、導体部9aの空隙率は0.1〜9.5%であってもよく、導体部9bの空隙率は0.2〜10%であってもよい。導体部5bの空隙率が10%より大きい場合、及び、導体部9bの空隙率が10%より大きい場合、いずれも、めっき付きが低下するおそれがある。
【0076】
たとえば、導体部5aと導体部5bとの境界にクラックを発生し易くする観点から、導体部5aと導体部5bとの空隙率の比は1.1以上であってもよい。たとえば、導体部9aと導体部9bとの境界にクラックを発生し易くする観点から、導体部9aと導体部9bとの空隙率の比は1.1以上であってもよい。
【0077】
本実施形態では、電子部品として積層貫通コンデンサを例に説明したが、本発明はこれに限られることなく、積層コンデンサ、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、もしくは積層複合部品などの積層電子部品、又は、積層電子部品以外の電子部品にも適用できる。
【符号の説明】
【0078】
1…積層貫通コンデンサ、2…素体、2a…主面、2c…端面、2e…側面、5,9…外部電極、5a,5b,9a,9b…導体部、30…空隙、D1…長手方向、D2…幅方向、D3…高さ方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9