(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6890981
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】冷却コンプレッサ内のオイルポンプアセンブリの構成
(51)【国際特許分類】
F04B 39/02 20060101AFI20210607BHJP
【FI】
F04B39/02 M
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-6431(P2017-6431)
(22)【出願日】2017年1月18日
(65)【公開番号】特開2017-129142(P2017-129142A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2019年12月23日
(31)【優先権主張番号】201610254910.1
(32)【優先日】2016年1月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】506198746
【氏名又は名称】ワールプール・エシ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アディルソン・ルイス・マンケ
(72)【発明者】
【氏名】ディエゴ・サコモリ
【審査官】
嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−519589(JP,A)
【文献】
特表2011−501030(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0309119(US,A1)
【文献】
国際公開第2004/081383(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00−39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルポンプアセンブリであって、ハウジング(10)を備え、このハウジング(10)の内部に、互いから周方向に離間した複数のコイル(31)を保持するステータ(30)と、駆動シャフト(50)および、前記駆動シャフト(50)に対して内部かつ同心に配置されたピン(51)に関連付けられたロータ(40)と、を含む電気エンジン(20)が配置されており、
駆動シャフト(50)が、駆動シャフト(50)とピン(51)との間の相対回転に起因して潤滑オイルがポンプされた際に潤滑オイルの経路(60)を描く螺旋チャネル(52)を規定するように、ピン(51)と協同し、
締結ロッド(70)が、前記ピン(51)を電気エンジン(20)の固定部分(80)に係留することが可能であり、
前記締結ロッド(70)は、その中央部分で、ピン(51)に対して支持され、その各端部(71)で、電気エンジン(20)の固定部分(80)に規定されたそれぞれのクリブ(81)に支持され、
前記オイルポンプアセンブリは、
締結ロッド(70)が、隣接するコイル(31)間に規定されたギャップ(34)に対して長手方向に整列した、電気エンジン(20)の固定部分(80)に配置されたフリースペース(33)を通って延びることと、
締結ロッド(70)の端部(71)が、クリブ(81)の内側(82)に沿ってクリブ(81)内に収容されていることと、を特徴とする、オイルポンプアセンブリ。
【請求項2】
クリブ(81)が、互いに対して正反対に、電気エンジン(20)の保護カバー(90)の外側表面(91)から径方向外側に延びる凸部(92)によって規定されていることを特徴とする、請求項1に記載のオイルポンプアセンブリ。
【請求項3】
締結ロッド(70)は全体が、保護カバー(90)およびその凸部(92)によって規定された外周内に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のオイルポンプアセンブリ。
【請求項4】
保護カバー(90)が重合体であり、射出成型によって製造されていることを特徴とする、請求項2に記載のオイルポンプアセンブリ。
【請求項5】
凸部(92)が少なくとも2つの、隣接する両側の半円で形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のオイルポンプアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、冷却コンプレッサのためのオイルポンプアセンブリの構成に関する。そのような発明は、コンプレッサの小型化を可能にするために、コンプレッサのハウジングによって画定された内部空間をよりよく使用する前記コンプレッサを提供することを目的としている。
【背景技術】
【0002】
当該技術の現状で利用可能な一般的知識によれば、冷却コンプレッサの多くは、基本的にピストン/シリンダのセットで形成され、電気エンジンのロータとともに回転する駆動シャフトによって規定されるとともにそこから延びる偏心シャフトに接続された接続ロッドによってピストンが移動する圧縮機構、および、前記ロータおよびステータによって基本的に規定された電気エンジン自体などの、いくつかの機能構成要素をパッケージングする外側ハウジングを備えている。
【0003】
これらコンプレッサの適切な動作のための必須の要素は、移動部品(ピストン、接続ロッド、偏心シャフトなど)および/または、これら移動部品と協同する表面との潤滑からなることが知られている。この潤滑は一般的に、ハウジング内に、ハウジングの下方部分に画定されたオイルリザーバ(クランクケース)に提供された潤滑オイルをポンプすることによって与えられる。このオイルは、適切な構成要素を達成するためにポンプされ、次いで、重力によってクランクケースに戻る。
【0004】
これらオイルポンプ(遠心または螺旋型)が、オイルポンプの下方端部において、コンプレッサのそれ自体の駆動シャフトで形成されるか、駆動シャフトに結合されており、リザーバ内に含まれる潤滑オイルに部分的に浸されていることは、やはり当該技術の現状の知識内にある。さらに、駆動シャフトがその外側表面に、コンプレッサの他の移動構成要素にオイルをポンプすることを補助することが可能である溝を備えていることは、極めて一般的である。
【0005】
より具体的には、いくつかの現行の冷却コンプレッサのモデルのオイルポンプは、固定ピンと、コンプレッサ電気エンジンの前記駆動シャフトと一体であるか結合した中空下方部分との間の、同心かつわずかに遊離した電気エンジンのアセンブリによって与えられた相互作用によって形成された螺旋型ポンプを備えており、それらオイルポンプの少なくとも1つでは、螺旋溝が提供されている。この構造の極めて教訓的な例が、ブラジル国出願公開特許第9201761号明細書、国際公開第2005/047699号、米国特許第6450785号明細書、および国際公開第96/29516号の文献に強調されている。
【0006】
このタイプのポンプにより、たとえコンプレッサが低回転数で動作している場合であっても、大量のオイルを汲み上げることが可能であり、このことは、主に冷却コンプレッサが可変速タイプである場合に望ましい。
【0007】
ピンを支持するために、前記ピンをその一方の端部で超えるとともに、それらを、前記ステータに底部で取り付けられたステータまたは保護カバーなどの、シリンダブロックまたは電気エンジンの固定部分にともに係留するほぼ「U」状のフォーマットによる、締結ロッドを使用するいくつかの既知の構成が存在する。
【0008】
そのような締結ロッドは、米国特許第6450785号明細書、特開2005−5337158号公報、およびブラジル国特許出願公開第0804302号明細書、ならびに、国際公開第2005/047699号明細書および国際公開第96/29516号明細書の各文献で容易に確認されている。
【0009】
しかし、これら文献はすべて、共通の欠点、すなわち、締結ロッドの前記「U」状のフォーマットを有している。この幾何学的構成に起因して、そのような締結ロッドは、ハウジング内のかなり大きい空間を占める傾向にある。
【0010】
特に、ブラジル国特許出願公開第0804302号明細書の文献に開示された締結ロッドは、このロッドが、エンジンの保護カバーおよび/または、エンジンの電気コイルのヘッドをバイパスするように構成されており、ロータスピンシャフトに垂直かつ同一平面にある幾何学ピボットシャフトを規定するために、ロッドの端部はほぼ水平なクリブ内に収容されている。
【0011】
従来技術の構成のこれらタイプ(「U」状のフォーマットのロッド)の不都合な結果として、特に、搬送の間、または、コンプレッサの起動(パワーアップ)および停止(パワーダウン)の間に、固定ロッドがコンプレッサのハウジングに衝突する可能性が言及されている。これら衝突の発生率は、この締結ロッドとハウジングとの間の距離が低減される場合はさらに大きい。この距離の低減は、絶えず続く近年の冷却コンプレッサの小型化に起因して生じる傾向にある。
【0012】
さらにより重大な状況では、コンプレッサの様々なモデルを考慮すると、そのような距離があまりに小さいために、これらタイプの解決策を妨げさえする可能性がある。
【0013】
さらに、ロッドが湾曲している場合、そのような締結ロッドの「露出」により、キットの前記ハウジング内への挿入の機械的プロセスの間、前記締結ロッドの、アセンブリデバイスまたは、コンプレッサの他の内部の構成要素に対する可能性のある衝撃から生じる組立ての誤りの生じる可能性が増大することに繋がり得る。そのような問題は、ブラジル国出願公開特許第0804302号明細書の文献に記載の構成の場合に、さらにより重大であるように思われる。この理由は、ロッドの輪郭が、エンジンの保護カバーおよび/またはコイルのヘッド周りにあるためである。
【0014】
これに関して、欧州特許出願公開第1605163号明細書の文献により、すでに、螺旋型ポンプピンの締結ロッドのアセンブリの構成であって、ポンプピンの右側および左側の各々において、前記ロッドが2つの連続した「S」状の湾曲に類似のフォーマットを備え(この文献の
図1および/または
図3参照)、ステータの外周から突出(垂直凸部)しないように取り付けられている、アセンブリの構成が提供されている。上述のこの文献の締結ロッドのいくつかは、そのフォーマットに関わらず、ステータの外周から外にも突出していないことに留意されたい。
【0015】
したがって、冷却コンプレッサのいくつかの螺旋状オイルポンプアセンブリの構成によって、ある意味では、この日には機能的であることが示されたにも関わらず、それらすべては、コンプレッサハウジング内の締結ロッドによって占められる空間を最適化することができ、このセットの適切な組立ておよび電気エンジンの保護動作を確実にし、同時に、容易で安価な製造の解決策を成し、締結ロッドが、ピボット幾何学シャフトに関し、ロータスピンの幾何学シャフトに垂直かつ同一面にあるシリンダブロックおよびステータの部分の1つに結合された部分を有する、ブラジル国特許出願公開第0804302号明細書の文献に規定されたコンセプトを維持もする、単純な構造的解決策がないことが見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】ブラジル国特許出願公開第9201761号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/047699号
【特許文献3】米国特許第6450785号明細書
【特許文献4】国際公開第96/29516号
【特許文献5】ブラジル国特許出願公開第0804302号明細書
【特許文献6】国際公開第96/29516号
【特許文献7】欧州特許出願公開第1605163号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、上述のすべての観点から、本出願の主な目的は、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成であって、コンプレッサの小型化を可能にするために、コンプレッサのハウジングによって画定された内部空間のよりよい使用をコンプレッサに提供することが可能である、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成を開示することである。
【0018】
アセンブリの構築の良好な精度、容易かつ信頼性のある組立て、および、容易かつ安価な製造を可能にし、低回転速度においてさえも、コンプレッサの各部分の適切な潤滑を確実にする、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成も、本出願の目的である。
【0019】
さらに、アセンブリの係留において、ロータスピンの幾何学シャフトに対して垂直かつ同一平面にあるピボット幾何学シャフトを正確に規定する冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成は、本出願の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、上記で伝えられた目的および技術的効果を達成するために、本出願は、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成であって、周方向に離間した複数のコイルを保持するステータと、駆動シャフトおよび、前記駆動シャフトに対して同心に配置された内側ピンに接続されたロータとを含む電気エンジンが内部に配置されたハウジングを備え、アセンブリが前記駆動シャフトとピンとの間の相対回転に起因してポンプされる際に、潤滑オイルの経路を描く螺旋チャネルを規定するように、駆動シャフトがピンと協同する、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成に関する。前記ピンを電気エンジンの固定部分に係留することが可能である締結ロッドも提供される。
【0021】
本発明によれば、前記締結ロッドは、その中央部分で、ピンに対して支持され、その各端部で、電気エンジンの固定部分に規定されたそれぞれのクリブに支持されており、前記締結ロッドは、隣接するコイル間に規定されたギャップに対して長手方向に整列したフリースペースを通して延びている。締結ロッドの端部は、その内側によってクリブ内に収容されている。
【0022】
好ましくは、クリブは、互いに対して正反対に、電気エンジンの保護カバーの外側表面から径方向外側に延びる凸部によって規定されている。保護カバーは重合体であり、射出成型によって製造され、凸部は、少なくとも2つが隣接するとともに両側の半円で形成されている。
【0023】
さらに好ましくは、締結ロッドの長さは全体が、保護カバーおよびその凸部によって規定された外周内に配置されている。
【0024】
本出願の特徴、利点、および技術的効果は、上で概説したように、本発明の好ましい実施形態の、限定ではなく単なる例として作成された以下の詳細な説明から、および、添付の概略図を参照することにより、当業者によって最適に理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来技術による、冷却コンプレッサの概略正面断面図である。
【
図2】本発明の好ましい実施形態による、冷却コンプレッサの概略正面断面図である。
【
図3】締結ロッドに取り付けられたオイルポンプピンの詳細を示す図である。
【
図4】本発明による、電気エンジンのステータに近位の冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成を示す底面図である。
【
図5】本発明の好ましい実施形態による、保護カバー内の冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成を示す正面図である。
【
図6】本発明のアセンブリの構成の好ましい実施形態による、オイルポンプピンの締結ロッド端部のハウジングを規定するクリブの詳細拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上述の概略図によれば、本発明の目的である、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成の可能性のある実施形態のいくつかの例は、以下により詳細に記載されるが、単に説明的ものであり、限定ではない。この理由は、本発明が、様々な詳細および、技術的、構築的、構造的、および寸法的要素を、それによって本件の保護の範囲に影響することなく含み得るためである。
【0027】
したがって、図示のように、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成は、好ましくは、可変速コンプレッサおよび、低減されたサイズのものに適用され、このタイプのコンプレッサはハウジング10を備え、このハウジング10の内部に、互いから周方向に離間した複数のコイル31を支持するステータ30と、駆動シャフト50および、前記駆動シャフト50に対して内部かつ同心に配置されたピン51に関連付けられたロータ40とを含む電気エンジン20が配置されている。
【0028】
駆動シャフト50は、駆動シャフト50とピン51との間の相対回転に起因して潤滑オイルがポンプされた際に潤滑オイルの経路を描く螺旋チャネル52を規定するように、ピン51と協同する。
【0029】
そのような螺旋チャネル52は、駆動シャフト50の下方部分の内側表面またはピン51の外側表面に配置される溝を設けることに起因して規定される。
【0030】
前記ピン51を電気エンジン20の固定部分80内に係留するために、締結ロッド70が設けられ、ここで、前記締結ロッド70は、その中央部分で、ピン51に隣接して設けられた穴53内に支持され、その各端部71で、電気エンジン20の固定部分80に規定されたそれぞれのクリブ81に支持され、前記端部71は、前記クリブ81によって規定された幾何学シャフトに対して整列している。
【0031】
そのような穴53は、ピン51自体に対する貫通穴とすることができ、または、好ましくは、ピン51の端部から延びるハンドル54によって規定され得る。
【0032】
主題の当業者の一般的知識内にあるように、コイル31は、ステータコア30に合致する金属フレーム内に規定された、互いから周方向に離間した適合部分32内で巻くことができることに留意されたい。
【0033】
したがって、相互に隣接するコイル31間に、
図4に示すように、フリースペース33が長手方向に整列したギャップ34が規定されていることは、言及する価値がある。
【0034】
ここで、長手方向が、駆動シャフト50の主方向に関連すること、および、やはり、コイル31のサイズに応じて、フリースペース33がそれ自体のギャップ34に含まれ得ることは、言及する価値がある。
【0035】
特に、本発明によれば、ピン51の締結ロッド70は、コイル31を通って延び、締結ロッド70の端部71が、この端部71をクリブ81の内側82を通して挿入することにより、クリブ81内に収容されることを可能にするために、フリースペース33上を通過する。換言すると、締結ロッド70の端部71は、径方向内側に延び、クリブ81内の収容部に向かって突出する。
【0036】
締結ロッド70の構成に関するこれら2つの特徴、すなわち、フリースペース33を通る締結ロッド70の長さと、クリブ81の内側に沿って挿入された締結ロッド70の端部71を有することとにより、締結ロッド70が当該技術の現状とは異なることを示しており、また、技術的利点を有している。この理由は、締結ロッド70が保護カバー90の下方端部をバイパスすることを必要としないことから、これら2つの特徴により、コンプレッサハウジングに対する内側構成要素の空間的配置を最適化することが可能になり、規則によって要求される最小電気的距離を保証するためである。
【0037】
さらに好ましくは、電気エンジン20の固定部分80が特に保護カバー90に関し、ここで、クリブ81は、互いに対して正反対に、この保護カバー90の外側表面91から径方向外側に延びる凸部92によって規定されている。
【0038】
したがって、締結ロッド70の長さが全体として、締結ロッド70の「露出」を低減するように、保護カバー90およびその凸部92によって規定された外周(または輪郭の垂直凸部)内に配置されて置かれていることが際だっている。
【0039】
より詳細には、締結ロッド70の端部71が、これら端部71の、コンプレッサのハウジング10または、アセンブリプロセスの際の他のいずれかの要素との最終的な接触を避けるように、凸部92を越えて延びないようになっていることが強く望まれている。前記接触は、締結ロッド70を径方向内側に「押し」て、クリブ81からのこれら端部71の結合解除/係合解除を生じる場合がある。
【0040】
したがって、締結ロッド70は曲線からなる幾何学形状を有し、ここで、締結ロッド70の半体の各々は、「S」の字に類似している。したがって、コンプレッサのハウジング10に向かう締結ロッド70の下方凸部/コンプレッサのハウジング10に関する締結ロッド70の「露出」により、電気エンジン20をハウジング10に対して近接させることを可能にすることが明確に示されている。
【0041】
この特定の構成では、ブラジル国特許出願公開第0804302号明細書の文献の目的などの、締結ロッド70の端部71がクリブの外側による、端部71の収容から、クリブ81内に収容されている従来技術の解決策で生じるものとは異なり、たとえピン51が、コンプレッサの動作中か組立中において、コンプレッサのハウジング10の底部と最終的に接触/衝突する場合であっても、締結ロッド70の端部71は、径方向に内側から外側に向かって押し出され、それにより、締結ロッド70の端部71がさらに多くクリブ81内に挿入されるようになり、係合解除のあらゆるリスクを最小化する。
【0042】
やはり当業者には広く知られている保護カバー90は重合体であり、射出成型によって製造されるが、これは、寸法精度および費用に関する、このプロセスに固有の利点に起因する。
【0043】
任意選択的に、これらクリブ81に特有のブラケットは、上述と同じ機能を伴って、電気エンジン20のステータ30に結合され得る。
【0044】
前記保護カバー90の製造に関する重合体の射出プロセスを考慮する場合、クリブ81が、本発明によって提案されるように凸部92によって規定されるように、射出成型には可動ドロワの使用が通常は必要である。
【0045】
これらドロワの使用が製品の最終的な価格を実質的に上昇させることを考慮すると、この問題を除去するために、凸部92が、その窪みに関連して、少なくとも2つの隣接し、両側にある半円で形成されていることが好ましい。
【0046】
この半円のセットにより、クリブ81に対する、連続した筒状穴の1つと等しい直径を有する長手方向の幾何学シャフトを正確に規定することが可能になる。
【0047】
したがって、本発明の目的の1つによれば、依然として、締結ロッド70に対する、ロータスピンのシャフトに対して垂直かつ同一平面にある、良好に規定されたピボット幾何学シャフトの存在を保証する、製造が容易であり、かつコストが低い固定部分80(保護カバー90)が達成される。
【0048】
上述の観点から、ここで提案された本発明により、ハウジングの小型化、ならびに、容易かつ信頼性のある組立ておよび容易かつ安価な製造を可能にし、コンプレッサが低回転数で動作している場合であっても、コンプレッサの移動構成要素の適切な潤滑をさらに確実にするために、コンプレッサのハウジングによって画定された内部空間のよりよい使用を提供する解決策が開示されていることに留意されたい。
【0049】
最後に、本開示は、本発明による、冷却コンプレッサのオイルポンプアセンブリの構成の例示的一実施形態を記載する唯一の目的のためのものであることを強調することが重要である。したがって、ほぼ同じ方式で同じ機能を発揮するいくつかの構造的な修正、変更、および各要素の組合せが、同じ結果を得ることが可能であり、これらは、添付の特許請求の範囲によって規定される保護の範囲内にあることは、当業者には明らかであるものとする。
【符号の説明】
【0050】
10 ハウジング
20 電気エンジン
30 ステータコア
31 コイル
32 適合部分
33 フリースペース
34 ギャップ
40 ロータ
50 駆動シャフト
51 ピン
52 螺旋チャネル
53 穴
54 ハンドル
70 締結ロッド
71 端部
80 固定部分
81 クリブ
82 内側
90 保護カバー
91 外側表面
92 凸部