特許第6891034号(P6891034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6891034
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20210607BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210607BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20210607BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   H02J3/32
   H02J7/00 302C
   H02J3/46
   H02J3/38 130
   H02J3/38 160
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-88232(P2017-88232)
(22)【出願日】2017年4月27日
(65)【公開番号】特開2018-186676(P2018-186676A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】原田 真宏
(72)【発明者】
【氏名】西田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】門脇 昌作
(72)【発明者】
【氏名】村上 伸太郎
【審査官】 辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−192327(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/043172(WO,A1)
【文献】 特開2017−034951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を充放電可能であって負荷へと電力を出力可能な複数の蓄電装置と、
前記蓄電装置の動作を制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
複数の前記蓄電装置それぞれに優先順位を設定し、前記優先順位の高い前記蓄電装置から優先的に放電指示を行い、
2以上の前記蓄電装置に放電指示を行い、且つ、前記放電指示を受けた前記蓄電装置のうち一の蓄電装置の出力が当該一の蓄電装置の最大出力でない場合は、前記一の蓄電装置よりも前記優先順位の低い前記蓄電装置の出力を抑制する出力抑制を行い、
前記出力抑制を行った後に前記一の蓄電装置の出力が前記最大出力でなくなった場合には、前記出力抑制を解除する、
電力供給システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記出力抑制を解除後に前記優先順位を変更する、
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記出力抑制が行われる前記蓄電装置は、
前記放電指示を受けた前記蓄電装置のうち前記優先順位の最も低い前記蓄電装置である、
請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記蓄電装置の積算放電量に基づいて前記優先順位を設定する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を充放電可能な複数の蓄電装置を具備する電力供給システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力を充放電可能な複数の蓄電装置を具備する電力供給システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、複数の蓄電装置を具備し、当該蓄電装置の電力を各住宅に放電可能な電力供給システムが記載されている。特許文献1に記載の電力供給システムにおいては、各蓄電装置が上流側から下流側に順番に配置されており、各住宅間で各蓄電装置の電力を融通し合うことができる。
【0004】
しかしながら、このような電力供給システムにおいては、下流側に位置する蓄電装置の方が、上流側に位置する蓄電装置よりも放電され易くなる。このため、所定の条件に基づいて蓄電装置を放電する優先順位を設定したとしても、複数の蓄電装置を放電させる場合には、設定した優先順位にかかわらず、放電させる蓄電装置のうち下流側に位置する蓄電装置の出力(放電量)の方が、上流側に位置する蓄電装置の出力よりも大きくなり易い。このように、設定した優先順位に基づいて複数の蓄電装置を放電させる場合に、放電させる蓄電装置の間で優先順位の高い蓄電装置の出力が、優先順位の低い蓄電装置の出力よりも小さくなることがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−22919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、設定した優先順位に基づいて複数の蓄電装置を放電させる場合に、放電させる蓄電装置の間で優先順位の高い蓄電装置の出力の増大を図ることができる電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、電力を充放電可能であって負荷へと電力を出力可能な複数の蓄電装置と、前記蓄電装置の動作を制御する制御部と、を具備し、前記制御部は、複数の前記蓄電装置それぞれに優先順位を設定し、前記優先順位の高い前記蓄電装置から優先的に放電指示を行い、2以上の前記蓄電装置に放電指示を行い、且つ、前記放電指示を受けた前記蓄電装置のうち一の蓄電装置の出力が当該一の蓄電装置の最大出力でない場合は、前記一の蓄電装置よりも前記優先順位の低い前記蓄電装置の出力を抑制する出力抑制を行い、前記出力抑制を行った後に前記一の蓄電装置の出力が前記最大出力でなくなった場合には、前記出力抑制を解除するものである。
【0009】
請求項2においては、前記制御部は、前記出力抑制を解除後に前記優先順位を変更するものである。
【0010】
請求項3においては、前記出力抑制が行われる前記蓄電装置は、前記放電指示を受けた前記蓄電装置のうち前記優先順位の最も低い前記蓄電装置であるものである。
【0011】
請求項4においては、前記制御部は、前記蓄電装置の積算放電量に基づいて前記優先順位を設定するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、設定した優先順位に基づいて複数の蓄電装置を放電させる場合に、放電させる蓄電装置の間で優先順位の高い蓄電装置の出力の増大を図ることができる。また、負荷の消費電力が比較的少なくなった場合に、出力抑制を解除することができる。
【0015】
請求項2においては、優先順位をより適したものとすることができる
【0016】
請求項3においては、優先順位の最も低い蓄電装置の出力の抑制分を、出力が最大出力でなかった他の蓄電装置(一の蓄電装置)の出力に充てることができる
【0017】
請求項4においては、蓄電装置の放電量の偏りを低減することができる
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システムの構成を示したブロック図。
図2】同じく、通常モードが実行された場合における電力の供給態様の一例を示したブロック図。
図3】同じく、均等モードが実行された場合におけるEMSによる事前設定の処理を示したフローチャート。
図4】同じく、設定された放電優先順位の一例を示した図。
図5】同じく、均等モードが実行された場合におけるEMSによる第一実施形態に係る蓄電池システム動作の処理を示したフローチャート。
図6】同じく、均等モードが実行された場合における電力の供給態様の一例を示したブロック図。
図7】同じく、均等モードが実行され、複数の住宅用蓄電池システムが放電モードに設定された場合における電力の供給態様の一例を示したブロック図。
図8】同じく、均等モードが実行された場合におけるEMSによる出力抑制処理を示したフローチャート。
図9】同じく、均等モードが実行され、2台の住宅用蓄電池システムが放電モードに設定された場合における出力抑制処理の一例を示したブロック図。
図10】同じく、均等モードが実行され、3台の住宅用蓄電池システムが放電モードに設定された場合における出力抑制処理の一例を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
【0021】
電力供給システム1は、複数の戸建住宅(住宅H)からなる住宅街区T(住宅Hの集合体)に適用することを想定している。具体的には、住宅街区Tには、複数の(戸建)住宅Hとして、第一住宅H1、第二住宅H2、・・、第N住宅HNが設けられる。住宅街区Tにおいては、電力小売事業者が電力会社(系統電源S)から電力を一括購入し、当該購入した電力が各住宅Hに適宜供給(売却)される。
【0022】
電力供給システム1は、電力小売事業者が電力会社から一括購入した電力を、複数の住宅H(第一住宅H1、第二住宅H2、・・、第N住宅HN)間で適宜供給(融通)するためのシステムである。電力供給システム1は、主としてセンサ部10、複数の住宅用蓄電池システム20(第一住宅用蓄電池システム21、第二住宅用蓄電池システム22、・・、第N住宅用蓄電池システム2N)、共用蓄電池システム30及びEMS40を具備する。
【0023】
複数の住宅H(第一住宅H1、第二住宅H2、・・、第N住宅HN)は、人が居住する建物である。各住宅Hには適宜の電気製品が設けられ、電力が消費される。
【0024】
また、各住宅Hは、系統電源Sと接続される。具体的には、各住宅Hは、上流側端部が系統電源Sと接続されると共に下流側端部が分岐して各住宅Hと接続された配電線Lを介して、当該系統電源Sと接続される。
【0025】
センサ部10は、配電線Lを流通する電力を検出するものである。センサ部10は、共用センサ10T、第一センサ11、第二センサ12、・・、第Nセンサ1Nを具備する。
【0026】
共用センサ10T、第一センサ11、第二センサ12、・・、第Nセンサ1Nは、それぞれ配置箇所を流通する電力を検出するものである。共用センサ10T、第一センサ11、第二センサ12、・・、第Nセンサ1Nは、それぞれ検出結果に関する信号を出力可能に構成される。共用センサ10T、第一センサ11、第二センサ12、・・、第Nセンサ1Nは、それぞれ所定の蓄電池システムと対応するように設けられ、当該対応する住宅用蓄電池システムと電気的に接続される。
【0027】
具体的には、共用センサ10Tは、後述する共用蓄電池システム30と電気的に接続される。また、第一センサ11は、後述する第一住宅用蓄電池システム21と電気的に接続される。また、第二センサ12は、後述する第二住宅用蓄電池システム22と電気的に接続される。また、第Nセンサ1Nは、後述する第N住宅用蓄電池システム2Nと電気的に接続される。
【0028】
また、共用センサ10T、第一センサ11、第二センサ12、・・、第Nセンサ1Nは、それぞれ配電線Lにおいて、前記対応する蓄電池システムが接続された連結点の直ぐ上流側に配置される。具体的には、共用センサ10T、第一センサ11、第二センサ12、・・、第Nセンサ1Nは、それぞれ配電線Lにおいて、後述する共用連結点PT、第一連結点P1、第二連結点P2、・・、第N連結点PNの直ぐ上流側に配置される。
【0029】
複数の住宅用蓄電池システム20(第一住宅用蓄電池システム21、第二住宅用蓄電池システム22、・・、第N住宅用蓄電池システム2N)は、系統電源Sからの電力を適宜充放電するためのシステムである。各住宅用蓄電池システム20は、充放電可能な蓄電池や当該蓄電池の充放電を制御するパワーコンディショナ等を具備する。各住宅用蓄電池システム20は、所定の住宅Hに対応するように設けられる(1つの住宅Hに対して、1つの住宅用蓄電池システム20が設けられる)。各住宅用蓄電池システム20は、前記所定の住宅H(住宅Hの住人)に所有されている。
【0030】
また、各住宅用蓄電池システム20は、配電線Lの中途部に接続される。具体的には、第一住宅用蓄電池システム21、第二住宅用蓄電池システム22、・・、第N住宅用蓄電池システム2Nは、それぞれ配電線Lの第一連結点P1、第二連結点P2、・・、第N連結点PNに接続される。なお、第一連結点P1、第二連結点P2、・・、第N連結点PNは、配電線Lにおいて下流側(前記複数の住宅側)から上流側(系統電源S側)へ向けて順番に配置されている。
【0031】
また、各住宅用蓄電池システム20は、所定の充電時間帯(例えば、23時から7時までの間)に、系統電源Sからの電力が充電されるように構成される。こうして、深夜料金が適用された比較的安価な電力を各住宅用蓄電池システム20に充電させ、当該充電させた電力を(深夜料金が適用されない)昼間の時間帯に放電させることにより、比較的高価な電力の購入量を減少させることができる。なお、各住宅用蓄電池システム20に充電させた電力は、電力小売事業者が電力会社から一括購入した後の電力が分配されたものである。すなわち、各住宅用蓄電池システム20に充電された電力の料金は、当該各住宅用蓄電池システム20を所有する住人から電力小売事業者へと支払われる。
【0032】
また、各住宅用蓄電池システム20は、上述の如く、対応するセンサ部10のセンサ(第一センサ11、第二センサ12、・・、第Nセンサ1N)と電気的に接続される。各住宅用蓄電池システム20は、対応するセンサ部10のセンサから出力された信号が入力され、当該入力された信号に基づいて当該センサの検出結果を取得可能に構成される。各住宅用蓄電池システム20は、対応するセンサ部10のセンサの検出結果に基づいて、放電(出力)する電力量を調整する負荷追従運転を行うことができる。
【0033】
また、各住宅用蓄電池システム20は、動作に関するモードとして、複数のモードを有している。前記複数のモードには、「放電モード」及び「停止モード」が含まれる。放電モードとは、各住宅Hの消費電力に応じて、各住宅用蓄電池システム20が動作的に(放電可能な程度に蓄電池残量が残っているか否かを問わず)放電可能な状態となるモードである。また、停止モードとは、各住宅用蓄電池システム20が動作的に放電不可能な状態となるモードである。
【0034】
また、各住宅用蓄電池システム20は、所定の期間(本実施形態においては、直近の24時間)の間に放電した電力量の総和である積算放電量を算出可能に構成される。なお、前記所定の期間は、直近の24時間に限るものではなく、任意に設定可能である。
【0035】
共用蓄電池システム30は、系統電源Sからの電力を適宜充放電するためのシステムである。共用蓄電池システム30は、充放電可能な蓄電池や当該蓄電池の充放電を制御するパワーコンディショナ等を具備する。共用蓄電池システム30は、複数の住宅Hに共用されるように設けられる(複数の住宅Hに対して、1つの共用蓄電池システム30が設けられる)。共用蓄電池システム30は、電力小売事業者に所有されている。
【0036】
また、共用蓄電池システム30は、配電線Lの中途部に接続される。具体的には、共用蓄電池システム30は、配電線Lの共用連結点PTに接続される。なお、共用連結点PTは、配電線Lにおいて第N連結点PNよりも上流側(系統電源S側)に配置される。
【0037】
また、共用蓄電池システム30は、対応するセンサ部10のセンサ(共用センサ10T)と電気的に接続される。共用蓄電池システム30は、共用センサ10Tから出力された信号が入力され、当該入力された信号に基づいて当該共用センサ10Tの検出結果を取得可能に構成される。共用蓄電池システム30は、共用センサ10Tの検出結果に基づいて、放電(出力)する電力量を調整する負荷追従運転を行うことができる。
【0038】
EMS40は、電力供給システム1の動作を管理するエネルギーマネジメントシステム(Energy Management System)である。EMS40は、RAMやROM等の記憶部や、CPU等の演算処理部、I/O等の入出力部等を具備する。EMS40は、所定の演算処理や記憶処理等を行うことができる。EMS40には、電力供給システム1の動作を制御する際に用いられる種々の情報やプログラム等が予め記憶される。
【0039】
また、EMS40は、共用蓄電池システム30及び各住宅用蓄電池システム20と電気的に接続される。EMS40は、所定の信号を共用蓄電池システム30及び各住宅用蓄電池システム20に出力し、当該共用蓄電池システム30及び各住宅用蓄電池システム20の動作を制御することができる。また、EMS40は、共用蓄電池システム30及び各住宅用蓄電池システム20から所定の信号が入力可能に構成される。
【0040】
こうして、EMS40は、共用蓄電池システム30及び各住宅用蓄電池システム20の動作に関する情報を取得することができる。具体的には、EMS40は、各住宅用蓄電池システム20の積算放電量を取得することができる。また、EMS40は、共用蓄電池システム30及び住宅用蓄電池システム20が放電している(放電待機である)か否かの情報を取得することができる。また、EMS40は、共用蓄電池システム30及び各住宅用蓄電池システム20において系統電源Sから購入している電力量(買電量)を取得することができる。また、EMS40は、各住宅用蓄電池システム20の蓄電池残量を取得することができる。
【0041】
また、EMS40は、電力供給システム1の動作に関するモードとして、複数のモードを実行可能に構成される。前記複数のモードには、「通常モード」及び「均等モード」が含まれる。通常モードとは、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量の偏りを許容するモードである。均等モードとは、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量の偏りを抑制する(放電量の均等化を図る)モードである。なお、通常モード及び均等モードの何れを実行するかは、例えば電力小売事業者によって適宜選択される。
【0042】
以下では、通常モードが実行された場合における電力の供給(融通)態様について説明する。
【0043】
系統電源Sからの電力は、各住宅Hの消費電力に応じて、配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、複数の蓄電池システム(共用蓄電池システム30及び複数の住宅用蓄電池システム20)のうち最も下流側に配置された第一住宅用蓄電池システム21は、第一センサ11の検出結果に基づいて負荷追従運転を行って、所定の電力量の電力を放電する。こうして、第一住宅用蓄電池システム21から放電された電力は、各住宅Hへと供給される。なお、第一住宅用蓄電池システム21から電力が放電されると、系統電源Sからの電力量が減少する。
【0044】
また、各住宅Hの消費電力を第一住宅用蓄電池システム21からの電力だけで賄えない場合には、不足する分の電力が系統電源Sから各住宅Hに供給される。すなわち、系統電源Sからの電力(不足する分の電力)が、配電線Lを介して各住宅Hに供給される。この場合、複数の蓄電池システム(共用蓄電池システム30及び複数の住宅用蓄電池システム20)のうち、第一住宅用蓄電池システム21よりも一つ上流側に配置された第二住宅用蓄電池システム22は、第二センサ12の検出結果に基づいて負荷追従運転を行って、所定の電力量の電力を放電する。こうして、第二住宅用蓄電池システム22から放電された電力は、各住宅Hへと供給される。なお、第二住宅用蓄電池システム22から電力が放電されると、系統電源Sからの電力量がさらに減少する。
【0045】
このように、通常モードが実行された場合においては、各住宅Hの消費電力が賄えない場合に、(放電が開始された)住宅用蓄電池システム20よりも一つ上流側に配置された住宅用蓄電池システム20からの放電が開始されるという動作が、繰り返し行われる。このように、各住宅Hの消費電力に対して、複数の蓄電池システムのうち、下流側に配置された蓄電池システムから上流側に配置された蓄電池システムへと順次放電が開始されていく。
【0046】
なお、第N住宅用蓄電池システム2Nから電力が放電されても各住宅Hの消費電力が賄えない場合には、共用蓄電池システム30からの電力が放電される。そして、共用蓄電池システム30から電力が放電されても各住宅Hの消費電力が賄えない場合には、系統電源Sから不足する分の電力が購入される(系統電源Sから購入された電力が、各住宅Hへと供給される)。
【0047】
こうして、電力供給システム1においては、通常モードを実行した場合に、各住宅用蓄電池システム20から放電された電力を、当該各住宅用蓄電池システム20を所有する住人(住宅H)だけでなく、その他の住人(住宅H)へも供給することとなる。すなわち、電力小売事業者が電力会社から一括購入して、各住宅用蓄電池システム20に充電させた電力(それぞれの住宅Hの住人が料金を支払った後の電力)を、複数の住宅H間で適宜融通することができる。
【0048】
なお、上述の如く各住宅用蓄電池システム20から放電された電力は、当該各住宅用蓄電池システム20を所有する住人が電力小売事業者から購入したものである。このような構成においては、一の住宅用蓄電池システム20に充電させた電力(当該一の住宅用蓄電池システム20を所有する住人が電力小売事業者から購入した電力)を、他の住宅用蓄電池システム20を所有する住宅H(住人)へと融通した場合、当該融通した電力量分の料金が、最終的に当該他の住宅Hの住人から一の住宅Hの住人へと支払われる。
【0049】
ここで、通常モードが実行された場合においては、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量に偏りが生じるため、問題が生じることがある。
【0050】
具体的には、上述の如く、通常モードが実行された場合においては、各住宅Hの消費電力が賄えない場合に、下流側に配置された住宅用蓄電池システム20から上流側に配置された住宅用蓄電池システム20へと順次放電が開始されていくため、上流側よりも下流側に配置された住宅用蓄電池システム20の方が放電量が多くなる。そのため、複数の住宅H間で電力が融通されたことによる料金(他の住宅Hの住人から一の住宅Hの住人へと支払われる料金)は、上流側よりも下流側に配置された住宅用蓄電池システム20を所有する住人が多く得ることとなる。
【0051】
例えば、図2に示すように、最も下流側に配置された第一住宅用蓄電池システム21から放電された電力だけで各住宅Hの消費電力が賄えている場合には、その他の住宅用蓄電池システム20(第二住宅用蓄電池システム22や第N住宅用蓄電池システム2N等)から電力が放電されない。このような場合、複数の住宅H間で電力が融通されたことによる料金は、第一住宅用蓄電池システム21を所有する第一住宅H1の住人だけが得ることとなる。
【0052】
このように、通常モードが実行された場合においては、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量に偏りが生じるため、複数の住宅H(住人)間で得ることができる料金が不均等となり問題であった。また、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量に偏りが生じるため、複数の住宅用蓄電池システム20における寿命(耐用年数)が不均等となり問題であった。
【0053】
そこで、電力供給システム1においては、上述の如き問題を解決するため、均等モードを実行することができる。均等モードにおいては、通常モードにおける各住宅用蓄電池システム20の動作(負荷追従運転)をベースとして、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量の偏りを抑制するため補正(各住宅用蓄電池システム20の放電に所定の放電優先順位を設ける等の処理)が行われる。
【0054】
以下では、均等モードが実行された場合におけるEMS40の処理について説明する。
【0055】
均等モードが実行される場合、EMS40は、まず事前設定の処理を行い、その後に蓄電池システム動作の処理を行う。
【0056】
事前設定の処理においては、EMS40は、放電優先順位の設定や、各住宅用蓄電池システム20の動作に関するモードの設定を行う。また、蓄電池システム動作の処理においては、EMS40は、事前設定の処理で行われた設定に基づいて、各住宅用蓄電池システム20を具体的に動作させる。なお、放電優先順位とは、各住宅用蓄電池システム20のうち、どの住宅用蓄電池システム20を優先的に放電させるのかを決定する判断基準となるものである。
【0057】
まず以下では、図3を用いて、均等モードが実行された場合におけるEMS40による事前設定の処理について説明する。
【0058】
ステップS101において、EMS40は、各住宅用蓄電池システム20の積算放電量を取得する。これにより、EMS40は、各住宅用蓄電池システム20において直近の24時間の間に放電された電力量の総和を取得する。EMS40は、ステップS101の処理を実行した後、ステップS102の処理を実行する。
【0059】
ステップS102において、EMS40は、ステップS101で取得した積算放電量に基づいて、各住宅用蓄電池システム20の放電優先順位を設定する。具体的には、EMS40は、各住宅用蓄電池システム20に対して、積算放電量の少ない順番に高い放電優先順位(第1位、第2位、・・・、第N位)を設定する。EMS40は、ステップS102の処理を実行した後、ステップS103の処理を実行する。
【0060】
ここで、図4は、設定された放電優先順位の一例を示している。なお、図4においては、一例として、複数の住宅用蓄電池システム20のうち、下流側よりも上流側に配置された住宅用蓄電池システム20の方が、積算放電量が少なかった場合を示している。このような場合、EMS40は、積算放電量の少ない順番が1番目であった第N住宅用蓄電池システム2Nの放電優先順位を第1位に設定する。そして、EMS40は、同様に順次放電優先順位を設定していき、積算放電量の少ない順番がN−1番目であった第二住宅用蓄電池システム22の放電優先順位を第N−1位に設定し、積算放電量の少ない順番がN番目であった第一住宅用蓄電池システム21の放電優先順位を第N位に設定する。
【0061】
ステップS103において、EMS40は、ステップS102で設定した放電優先順位に基づいて、最上位(第1位)の住宅用蓄電池システム20を放電モードに設定し、その他(第2位、・・、第N−1位、第N位)の住宅用蓄電池システム20を停止モードに設定する。
【0062】
すなわち、図4に示した一例においては、複数の住宅用蓄電池システム20のうち、最上位(第1位)の第N住宅用蓄電池システム2Nを放電モードに設定し、その他の住宅用蓄電池システム20(第二住宅用蓄電池システム22や第一住宅用蓄電池システム21等)を停止モードに設定する。
【0063】
こうして、EMS40は、ステップS103の処理を実行した後、事前設定の処理を終了する。
【0064】
次に、図5を用いて、均等モードが実行された場合におけるEMS40による第一実施形態に係る蓄電池システム動作の処理について説明する。
【0065】
ステップS111において、EMS40は、共用蓄電池システム30が放電しているか否かを判断する。EMS40は、共用蓄電池システム30が放電していると判断すると(ステップS111でYes)、ステップS112の処理を実行する。なお、共用蓄電池システム30が放電している場合とは、放電モードに設定された(すなわち、動作的に放電可能な状態の)全ての住宅用蓄電池システム20から電力が放電されても各住宅Hの消費電力が賄えない場合を示している。
【0066】
ステップS112において、EMS40は、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定されているか否かを判断する。EMS40は、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定されていないと判断すると(ステップS112でNo)、ステップS113の処理を実行する。なお、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定されていない場合とは、停止モードに設定された住宅用蓄電池システム20が存在している場合を示している。
【0067】
ステップS113において、EMS40は、現在停止モードに設定されている住宅用蓄電池システム20のうち、最も放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20を放電モードに変更する。こうして、EMS40は、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20の数を増加させ、ひいては放電モードに設定された全ての住宅用蓄電池システム20からの電力量を増加させる。EMS40は、ステップS113の処理を実行した後、ステップS114の処理を実行する。
【0068】
このように、放電モードに設定された全ての住宅用蓄電池システム20から電力が放電されても各住宅Hの消費電力が賄えない場合(ステップS111でYes)であって、且つ停止モードに設定された住宅用蓄電池システム20が存在している場合(ステップS112でNo)には、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20の数を増加させることによって、放電モードに設定された全ての住宅用蓄電池システム20からの電力量を増加させることができる(ステップS113)。
【0069】
ステップS114において、EMS40は、共用蓄電池システム30が放電待機であるか否かを判断する。EMS40は、共用蓄電池システム30が放電待機ではないと判断すると(ステップS114でNo)、再びステップS112の処理を実行する。なお、共用蓄電池システム30が放電待機ではない場合とは、放電モードに設定された全ての住宅用蓄電池システム20から電力が放電されても各住宅Hの消費電力が賄えない場合(共用蓄電池システム30も電力を放電している場合)を示している。
【0070】
このような場合、EMS40は、再びステップS112の処理を実行することによって、可能であれば(停止モードに設定された住宅用蓄電池システム20が存在していれば)、放電モードに設定された全ての住宅用蓄電池システム20からの電力量を増加させるように、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20の数を増加させる。
【0071】
また、ステップS114において、EMS40は、共用蓄電池システム30が放電待機であると判断すると(ステップS114でYes)、蓄電池システム動作の処理を終了する。なお、共用蓄電池システム30が放電待機である場合とは、放電モードに設定された各住宅用蓄電池システム20から放電された電力によって、各住宅Hの消費電力が賄えている場合(共用蓄電池システム30が放電する必要がない場合)を示している。
【0072】
また、ステップS112において、EMS40は、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定されていると判断すると(ステップS112でYes)、蓄電池システム動作の処理を終了する。なお、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定されている場合とは、停止モードに設定された住宅用蓄電池システム20が存在していない場合を示している。
【0073】
このような場合、EMS40は、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20の数を増加させることができないため、放電モードに設定された全ての住宅用蓄電池システム20からの電力量を増加させることもできない。こうして、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定されている場合には、系統電源Sから不足する分の電力が購入され、当該購入された電力が各住宅Hへと供給される。
【0074】
また、ステップS111において、EMS40は、共用蓄電池システム30が放電していないと判断すると(ステップS111でNo)、蓄電池システム動作の処理を終了する。なお、共用蓄電池システム30が放電していない場合とは、放電モードに設定された各住宅用蓄電池システム20から放電された電力によって、各住宅Hの消費電力が賄えている場合(共用蓄電池システム30が放電する必要がない場合)を示している。
【0075】
このように、第一実施形態に係る蓄電池システム動作の処理により、住宅用蓄電池システム20の動作(放電)を制御することによって、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量の偏り(積算放電量の偏り)の解消を図ることができる(特定の住宅用蓄電池システム20に放電や充電が偏るのを効果的に防止することができる)。こうして、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量に生じた偏りの解消を図ることによって、複数の住宅H(住人)間で得ることができる料金の均等化を図ることができる。以下において、図6を用いて具体的に説明する。
【0076】
ここで、図6は、図4に示した放電優先順位の一例において、均等モード(蓄電池システム動作の処理)が実行された場合の電力の供給態様を示している。図4に示す一例においては、放電モードに設定された蓄電池システムが第N住宅用蓄電池システム2Nだけであったため、各住宅Hの消費電力に対して、当該第N住宅用蓄電池システム2Nから放電された電力が供給されている。
【0077】
そして、もし第N住宅用蓄電池システム2Nから放電された電力だけでは、各住宅Hの消費電力が賄えない場合(ステップS111でYes)には、現在停止モードに設定されている住宅用蓄電池システム20のうち、最も放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20(本実施形態においては、図4に示す第N−1住宅用蓄電池システム)を放電モードに変更する(ステップS113)。こうして、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20の数を1つから2つに増加させ、ひいては放電モードに設定された全ての住宅用蓄電池システム20(当該第N住宅用蓄電池システム2N及び前記第N−1住宅用蓄電池システム)からの電力量を増加させる。
【0078】
このように、蓄電池システム動作の処理により各住宅用蓄電池システム20の放電に所定の放電優先順位を設けることによって、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量の偏り(積算放電量の偏り)の解消を図ることができる。こうして、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量に生じた偏りの解消を図ることによって、複数の住宅H(住人)間で得ることができる料金の均等化を図ることができる。
【0079】
また、複数の住宅用蓄電池システム20における放電量に生じた偏りの解消を図ることによって、当該複数の住宅用蓄電池システム20における充放電回数の偏りも解消することができる。こうして、複数の住宅用蓄電池システム20における充放電回数を均等化させることができるため、ひいては当該複数の住宅用蓄電池システム20における寿命(耐用年数)の均等化を図ることができる。
【0080】
ここで、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20が複数存在する場合、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20のうち、上流側に配置された住宅用蓄電池システム20の放電優先順位が、当該住宅用蓄電池システム20よりも下流側に配置された住宅用蓄電池システム20の放電優先順位よりも高いことがある。この場合、上流側の住宅用蓄電池システム20の放電優先順位の方が、下流側の住宅用蓄電池システム20の放電優先順位よりも高いにもかかわらず、下流側の住宅用蓄電池システム20の出力(放電量)の方が、上流側の住宅用蓄電池システム20の出力よりも大きくなるという問題がある。以下、図7を用いて具体的に説明する。
【0081】
図7に示すように、電力小売事業者が電力会社から一括購入した電力を3つの住宅H(第一住宅H1、第二住宅H2及び第三住宅H3)間で適宜供給(融通)する電力供給システム1において、第三住宅用蓄電池システム23の放電優先順位が第1位に設定され、第二住宅用蓄電池システム22の放電優先順位が第2位に設定され、第一住宅用蓄電池システム21の放電優先順位が第3位に設定されているとする。また、第一住宅H1の消費電力が500W、第二住宅H2の消費電力が1300W、第三住宅H3の消費電力が1700Wであるものとする。また、各住宅用蓄電池システム20の最大出力(最大放電能力)が2000Wであるものとする。
【0082】
図5に示す蓄電池システム動作の処理によって、各住宅Hの消費電力の合計の電力(3500W)を賄うことができる台数の住宅用蓄電池システム20が、放電優先順位の高い順に放電モードに設定される。よって、図7に示す電力供給システム1においては、第二住宅用蓄電池システム22及び第三住宅用蓄電池システム23が放電モードに設定され、第一住宅用蓄電池システム21は停止モードに設定される。
【0083】
図7に示す電力供給システム1において、各住宅Hの消費電力の合計の電力(3500W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第二センサ12による検出結果は3500Wとなる。放電モードに設定された複数の(2台の)住宅用蓄電池システム20のうち最も下流側に配置された第二住宅用蓄電池システム22は、第二センサ12の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、最大出力(2000W)で電力を出力する。こうして、第二住宅用蓄電池システム22から出力された電力は、各住宅Hへと供給される。
【0084】
第二住宅用蓄電池システム22から電力(2000W)が放電されると、第二住宅用蓄電池システム22で賄えなかった分の電力(1500W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第三センサ13による検出結果は1500Wとなる。第三住宅用蓄電池システム23は、第三センサ13の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、1500Wで電力を出力する。
【0085】
このように、放電モードに設定された2台の住宅用蓄電池システム20のうち、上流側の第三住宅用蓄電池システム23の放電優先順位の方が、下流側の第二住宅用蓄電池システム22の放電優先順位よりも高いにもかかわらず、第二住宅用蓄電池システム22の出力の方が、第三住宅用蓄電池システム23の出力よりも大きくなってしまう。つまり、複数の住宅用蓄電池システムを放電モードに設定した場合、本来、その中でも放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20の出力を大きく(最大出力に)したいにもかかわらず、そうはなっていない。
【0086】
そこで、本実施形態に係る電力供給システム1においては、上述の如き問題を解決するため、均等モードが実行された場合において、出力抑制の処理を実行することができる。出力抑制の処理は、複数の住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定された場合に、当該放電モードに設定された複数の住宅用蓄電池システム20において、放電優先順位に応じた出力とするための制御が行われる。
【0087】
以下では、図8を用いて、均等モードが実行された場合におけるEMS40による出力抑制の処理について説明する。
【0088】
ステップS121において、EMS40は、複数の住宅用蓄電池システム20が放電しているか否かを判断する。すなわち、EMS40は、現在放電モードに設定している(放電指示を行っている)住宅用蓄電池システム20が複数台存在するか否かを判断する。EMS40は、複数の住宅用蓄電池システム20が放電していると判断すると(ステップS121でYes)、ステップS122の処理を実行する。
【0089】
なお、複数の住宅用蓄電池システム20が放電している場合(ステップS121でYes)とは、放電優先順位の最も高い住宅用蓄電池システム20のみから電力が放電されても各住宅Hの消費電力が賄えない場合を示している。
【0090】
ステップS122において、EMS40は、現在放電モードに設定している(放電指示を行っている)住宅用蓄電池システム20のうち、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20が、各住宅用蓄電池システム20の最大出力で出力しているか否かを判断する。具体的には、EMS40は、現在放電モードに設定している住宅用蓄電池システム20のうち、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20を除く全ての住宅用蓄電池システム20が最大出力で出力しているか否かを判断する。EMS40は、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20が最大出力で出力していない判断すると(ステップS122でNo)、ステップS123の処理を実行する。
【0091】
ステップS123において、EMS40は、現在放電モードに設定している(放電指示を行っている)住宅用蓄電池システム20のうち、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20に出力抑制指示を行う。本実施形態において出力抑制とは、目標値まで住宅用蓄電池システム20の出力値を(段階的に又は一気に)低下させることをいう。放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20の出力を低下させることで、その低下分が、最大出力で出力していなかった住宅用蓄電池システム20の出力に割り振られる。EMS40は、最大出力で出力していなかった住宅用蓄電池システム20の出力が最大出力となるまで、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20の出力を低下させる。EMS40は、ステップS123の処理を実行した後、ステップS124の処理を実行する。
【0092】
ステップS124において、EMS40は、現在放電モードに設定している(放電指示を行っている)住宅用蓄電池システム20のうち、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20(具体的には、ステップS122で最大出力で出力していないと判断された住宅用蓄電池システム20)が、当該住宅用蓄電池システム20の最大出力で出力しているか否かを判断する。EMS40は、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20が最大出力で出力していない判断すると(ステップS124でNo)、ステップS125の処理を実行する。一方、EMS40は、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20が最大出力で出力していると判断すると(ステップS124でYes)、再びステップS124の処理を実行する。なお、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20が最大出力で出力していない場合(ステップS124でNo)とは、各住宅Hの消費電力が低下したことにより、ステップS123で最大出力まで出力を上げた住宅用蓄電池システム20の出力が低下したことを示している。
【0093】
ステップS125において、EMS40は、出力抑制指示をした住宅用蓄電池システム20に出力抑制の解除指示を行う。このように、ステップS124において、ステップS123で最大出力まで出力を上げた住宅用蓄電池システム20の出力が低下したと判断された場合には、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20を再び最大出力で出力させるため、一旦、出力抑制を解除し、(後述するS126の処理後)再び出力抑制の処理を行う。EMS40は、ステップS125の処理を実行した後、ステップS126の処理を実行する。
【0094】
ステップS126において、EMS40は、必要に応じて放電優先順位を変更する。EMS40は、各住宅用蓄電池システム20の現在の蓄電池残量に基づいて積算放電量を算出し直し、積算放電量の少ない順番に変更がある場合には放電優先順位の変更を行う。EMS40は、ステップS126の処理を実行した後、出力抑制の処理を終了する。
【0095】
また、ステップS121において、EMS40は、複数の住宅用蓄電池システム20が放電していないと判断すると(ステップS121でNo)、出力抑制モードの処理を終了する。これは、住宅用蓄電池システム20が1台しか放電していない場合には、放電優先順位の最も高い住宅用蓄電池システム20しか放電しておらず、出力抑制を行う必要性がないからである。
【0096】
また、ステップS122において、EMS40は、現在放電モードに設定している住宅用蓄電池システム20のうち、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20(放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20を除く全ての住宅用蓄電池システム20)が最大出力で出力していると判断すると(ステップS122でYes)、出力抑制の処理を終了する。これは、放電優先順位の高い住宅用蓄電池システム20(放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20を除く全ての住宅用蓄電池システム20)が最大出力で出力している場合、出力を修正(抑制)する必要がないためである。
【0097】
このようにして、複数の住宅用蓄電池システムが放電モードに設定されている場合に、放電優先順位の1番低い住宅用蓄電池システム20を除く全ての住宅用蓄電池システム20の出力を最大出力とすることができる。
【0098】
以下、図9を用いて、出力抑制の処理について具体的な例を挙げて説明する。なお、図9に示す電力供給システム1において、各住宅Hの消費電力、各住宅用蓄電池システムの最大出力、放電優先順位の設定等の条件は、図7に示すものと同じとする。
【0099】
前述の如く、第二住宅用蓄電池システム22及び第三住宅用蓄電池システム23が放電モードに設定され、第一住宅用蓄電池システム21は停止モードに設定される。そして、第二住宅用蓄電池システム22及び第三住宅用蓄電池システム23がそれぞれ負荷追従運転を行うことで、第二住宅用蓄電池システム22は2000Wで電力を出力し、第一住宅用蓄電池システム21は1500Wで電力を出力する。
【0100】
この場合、2台の住宅用蓄電池システム20が放電しており(図8に示すステップS121でYes)、また、放電優先順位が第1位である第三住宅用蓄電池システム23が最大出力(2000W)で出力していないため(図8に示すステップS122でNo)、放電モードに設定された2台の住宅用蓄電池システム20のうち放電優先順位の1番低い第二住宅用蓄電池システム22に、出力抑制指示がなされる(図8に示すステップS123)。具体的には、放電モードに設定された2台の住宅用蓄電池システム20のうち放電優先順位の1番低い第二住宅用蓄電池システム22の出力(2000W)が、第三住宅用蓄電池システム23の出力が最大出力となるまで抑制される。つまり、第二住宅用蓄電池システム22の出力は、1500Wに抑制される。
【0101】
第二住宅用蓄電池システム22の出力が1500Wに抑制されると、第二住宅用蓄電池システム22で賄えなかった分の電力(2000W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第三センサ13による検出結果は2000Wとなる。第三住宅用蓄電池システム23は、第三センサ13の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、最大出力(2000W)で電力を出力する。
【0102】
このようにして、放電モードに設定された複数の(2台の)住宅用蓄電池システム20のうち、放電優先順位が第1位である第三住宅用蓄電池システム23が、放電優先順位が第2位である第二住宅用蓄電池システム22よりも上流側に配置されている場合であっても、放電優先順位が第1位である第三住宅用蓄電池システム23を最大出力で出力させることができる。
【0103】
次に、図10を用いて、3台の住宅用蓄電池システム20が放電モードに設定された場合における出力抑制について、例を挙げて説明する。
【0104】
図10に示すように、第二住宅用蓄電池システム22の放電優先順位が第1位に設定され、第三住宅用蓄電池システム23の放電優先順位が第2位に設定され、第一住宅用蓄電池システム21の放電優先順位が第3位に設定されているとする。また、第一住宅H1の消費電力が1500W、第二住宅H2の消費電力が1300W、第三住宅H3の消費電力が1700Wであるものとする。その他の条件は図7及び図9に示すものと同じとする。
【0105】
図5に示す蓄電池システム動作の処理によって、各住宅Hの消費電力の合計の電力(4500W)を賄うことができる台数の住宅用蓄電池システム20が、放電優先順位の高い順に放電モードに設定される。よって、図10に示す電力供給システム1においては、第一住宅用蓄電池システム21、第二住宅用蓄電池システム22及び第三住宅用蓄電池システム23が放電モードに設定される。
【0106】
図10に示す電力供給システム1において、各住宅Hの消費電力の合計の電力(4500W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第一センサ11による検出結果は4500Wとなる。放電モードに設定された複数の(3台の)住宅用蓄電池システム20のうち最も下流側に配置された第一住宅用蓄電池システム21は、第一センサ11の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、最大出力(2000W)で電力を出力する。こうして、第一住宅用蓄電池システム21から出力された電力は、各住宅Hへと供給される。
【0107】
第一住宅用蓄電池システム21から電力(2000W)が放電されると、第一住宅用蓄電池システム21で賄えなかった分の電力(2500W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第二センサ12による検出結果は2500Wとなる。第二住宅用蓄電池システム22は、第二センサ12の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、最大出力(2000W)で電力を出力する。こうして、第二住宅用蓄電池システム22から出力された電力は、各住宅Hへと供給される。
【0108】
第二住宅用蓄電池システム22から電力(2000W)が放電されると、第一住宅用蓄電池システム21及び第二住宅用蓄電池システム22で賄えなかった分の電力(500W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第三センサ13による検出結果は500Wとなる。第三住宅用蓄電池システム23は、第三センサ13の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、500Wで電力を出力する。こうして、第三住宅用蓄電池システム23から出力された電力は、各住宅Hへと供給される。
【0109】
この結果、放電優先順位が第3位である第一住宅用蓄電池システム21の出力が最大出力(2000W)であるのに対して、放電優先順位が第2位である第二住宅用蓄電池システム22の出力が500Wとなる。このため、放電モードに設定された3台の住宅用蓄電池システム20のうち放電優先順位の1番低い第一住宅用蓄電池システム21の出力(2000W)を、第三住宅用蓄電池システム23の出力が最大出力となるように抑制する。つまり、第一住宅用蓄電池システム21の出力は、500Wに抑制される。
【0110】
第一住宅用蓄電池システム21の出力が500Wに抑制されると、第一住宅用蓄電池システム21で賄えなかった分の電力(4000W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第二センサ12による検出結果も4000Wとなる。第二住宅用蓄電池システム22は、第二センサ12の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、最大出力(2000W)で電力を出力する。
【0111】
第二住宅用蓄電池システム22から電力(2000W)が放電されると、第一住宅用蓄電池システム21及び第二住宅用蓄電池システム22で賄えなかった分の電力(2000W)が、系統電源Sから配電線Lを介して当該各住宅Hに供給される。この場合、第三センサ13による検出結果も2000Wとなる。第三住宅用蓄電池システム23は、第三センサ13の検出結果に基づいて負荷追従運転を行うため、最大出力(2000W)で電力を出力する。こうして、第三住宅用蓄電池システム23から出力された電力は、各住宅Hへと供給される。
【0112】
このようにして、放電モードに設定された住宅用蓄電池システム20が3台以上あっても、放電優先順位の1番低い第一住宅用蓄電池システム21を除く全ての住宅用蓄電池システム20(第二住宅用蓄電池システム22及び第三住宅用蓄電池システム23)を最大出力で出力させることができる。
【0113】
以上の如く、本実施形態に係る電力供給システム1は、電力を充放電可能であって負荷へと電力を出力可能な複数の住宅用蓄電池システム20(蓄電装置)と、前記住宅用蓄電池システム20の動作を制御するEMS40(制御部)と、を具備し、前記EMS40は、複数の前記住宅用蓄電池システム20それぞれに優先順位を設定し、前記優先順位の高い前記住宅用蓄電池システム20から優先的に放電指示を行い、2以上の前記住宅用蓄電池システム20に放電指示を行い、且つ、前記放電指示を受けた前記住宅用蓄電池システム20のうち一の住宅用蓄電池システム20の出力が当該一の住宅用蓄電池システム20の最大出力でない場合は、前記一の住宅用蓄電池システム20よりも前記優先順位の低い前記住宅用蓄電池システム20の出力を抑制する出力抑制を行うものである。
このように構成されることにより、設定した優先順位に基づいて複数の住宅用蓄電池システム20を放電させる場合に、放電させる住宅用蓄電池システム20の間で優先順位が高い住宅用蓄電池システム20の出力の増大を図ることができる。
【0114】
また、前記出力抑制が行われる前記住宅用蓄電池システム20は、前記放電指示を受けた前記住宅用蓄電池システム20のうち前記優先順位の最も低い前記住宅用蓄電池システム20であるものである。
このように構成されることにより、優先順位の最も低い住宅用蓄電池システム20の出力の抑制分を、出力が最大出力でなかった他の住宅用蓄電池システム20の出力に充てることができる。
【0115】
また、前記EMS40は、前記出力抑制を行った後に前記一の住宅用蓄電池システム20の出力が前記最大出力でなくなった場合には、前記出力抑制を解除するものである。
このように構成されることにより、各住宅Hの消費電力が比較的少なくなった場合に、出力抑制を解除することができる。
【0116】
また、前記EMS40は、前記出力抑制を解除後に前記優先順位を変更するものである。
このように構成されることにより、放電優先順位をより適したものとすることができる。
【0117】
また、前記EMS40は、前記住宅用蓄電池システム20の積算放電量に基づいて前記優先順位を設定するものである。
このように構成されることにより、蓄電装置の放電量の偏りを低減することができる。
【0118】
なお、本実施形態に係る住宅用蓄電池システム20は、蓄電装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るEMS40は、制御部の実施の一形態である。
【0119】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0120】
例えば、本実施形態においては、放電指示を受けた住宅用蓄電池システム20のうち放電優先順位の1番低いものを出力抑制するものとしたが、出力抑制の対象はこれに限定されるものではなく、最大出力で出力していなかった住宅用蓄電池システム20よりも放電優先順位が低い任意の住宅用蓄電池システム20を出力抑制の対象とすることができる。
【0121】
また、本実施形態においては、出力抑制の対象となる住宅用蓄電池システム20の台数は1台であったが、これに限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0122】
また、本実施形態においては、出力抑制解除後に必要に応じて放電優先順位を変更するものとしたが(ステップS126)、この処理は省略してもよい。
【0123】
また、本実施形態においては、住宅用蓄電池システム20の積算放電量に基づいて放電優先順位を決定するものとしたが、放電優先順位を決定する基準はこれに限定されるものではなく、例えば住宅用蓄電池システム20の充電状態(電力を蓄積可能な定格容量に対して蓄積されている充電残量の割合)や充電回数に基づいて決定するものであってもよい。
【0124】
なお、本実施形態においては、各住宅用蓄電池システム20は、所定の充電時間帯に系統電源Sからの電力が充電されるように構成されたが、これに限定されない。例えば、各住宅用蓄電池システム20は、太陽光や風力等の自然エネルギーを利用して発電された電力が充電されるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 電力供給システム
20 住宅用蓄電池システム
40 EMS
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10