【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、国立研究開発法人新エネルギ一・産業技術総合開発機構「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/省エネルギー技術開発事業の重要技術に係る周辺技術・関連課題の検討/プラント内配電利用のための低コスト型三相同軸超電導ケーブルシステム導入のためのケーススタディー」、産業技術力強化法第19条の規定の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
<端末構造体の構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係る常電導接続部材を有する端末構造体1の要部構成を示す模式的に示す図である。
図1では、常電導接続部材30以外を便宜上、断面図で示す側面図で説明の便宜上、超電導ケーブル10が導入される側を後端側(
図1では右側)、反対側を先端側(
図1では左側であり挿入方向側ともいう)として説明する。
【0020】
図1に示す端末構造体1は、超電導ケーブル10の端末部と、端末構造体1の外部機器である常温部とをリード部である常電導接続部材30を介して接続する。なお、本実施の形態1の端末構造体1は、複数の超電導導体層112を有した超電導ケーブル10を常温部にそれぞれ接続するため、複数の常電導接続部材30を有しているが、1つの常電導接続部材30を介して単層の超電導導体層を常温部に接続する構造でもあってもよい。超電導ケーブル10の端末部は、ここでは、断熱管12を段剥ぎしたケーブルコア部分とする。
図1に示す端末構造体1は、超電導ケーブル10の端末部と、常電導接続部材30と、冷媒槽21及び真空槽22を有する低温容器20と、支持脚部(支持部)28を有する。
【0021】
端末構造体1では、中央部に超電導ケーブル10が挿通された常電導接続部材30が所定間隔を空けて配置されている。常電導接続部材30間に、超電導ケーブル10を囲むように筒状の内側収容管部211が架設されることに冷媒槽21が形成される。また、冷媒槽21を囲むように、外側収容管部221が架設されることにより、真空槽22が形成されている。
【0022】
すなわち、低温容器20は、常電導接続部材30及び内側収容管部211を含む内側の冷媒槽21と、常電導接続部材30及び外側収容管部221を含む外側の真空槽22とからなる二重構造となっている。
【0023】
このように構成される低温容器20(詳細には冷媒槽21)に超電導ケーブル10の端末部が所定の状態で水平方向に延在するように収容された状態となっている。
【0024】
低温容器20から、常電導接続部材30(詳細には、
図3に示す常電導接続部材30の引出端子部301)を介して超電導ケーブル10の導体電流が、常温部としての外部電力機器等の実系統側に引き出される。
【0025】
なお、常電導接続部材30と同様に、シールド接続端子40を設けて、このシールド接続端子40に超電導ケーブル10のケーブルシールド層114(
図2参照)を接地してもよい。
【0026】
本実施の形態の超電導ケーブル10は、超電導線材からなる複層の超電導導体層を有し、端末構造体1において、略水平方向に配置した超電導ケーブル10から超電導導体層毎に、水平方向で所定間隔を空けて、常電導接続部材30を介して導体電流を引き出される。
【0027】
図2は、本発明の一実施の形態に係る端末構造体における超電導ケーブルの概略構成を示す断面図である。
【0028】
図1及び
図2に示すように、超電導ケーブル10は、断熱管12内に、電気絶縁層(導体絶縁層)113(113−1、113−2、113−3)を介して超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)を同心円状に複数備えるケーブルコア11が収容された超電導ケーブルである。
超電導ケーブル10は、各超電導導体層で位相の異なる電流を流す多相超電導ケーブルとしてもよい。また、超電導ケーブル10は、超電導導体層が2層以上の超電導導体層、あるいは、単層の超電導導体層を有する構成としてもよい。本実施の形態の超電導ケーブル10は、超電導導体層112を、中心から、U相、V相、W相の電流を流す導体として3層で同軸上に有した三相同軸超電導ケーブルとしている。
【0029】
ケーブルコア11は、例えば中心から順に、N
2冷却管として機能する中央冷却管111、第1超電導導体層112−1、第1電気絶縁層(導体絶縁層)113−1、第2超電導導体層112−2、第2電気絶縁層(導体絶縁層)113−2、第3超電導導体層112−3、第3電気絶縁層(導体絶縁層)113−3、ケーブルシールド層114、及び保護層115等を有する。
【0030】
各超電導導体層112及びケーブルシールド層114は、例えば、下層の外面に螺旋状に巻き付けた多数本の超電導テープ(テープ状の超電導線材)により構成される。超電導導体層を構成する各超電導テープは、互いに重ならずに配置されている。
【0031】
超電導テープは、ここでは、REBa
yCu
3O
z系(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd及びHoから選択された1種以上の元素を示し、y≦2及びz=6.2〜7である。)の高温超電導薄膜を備える酸化物超電導材である。この超電導テープは、テープ状の金属基板上に成膜された中間層上に、テープ状の超電導薄膜である酸化物超電導層(以下、「超電導層」と称する)、安定化層が順に積層されることによって作製される。なお、超電導テープの金属基板としては、ニッケル(Ni)、ニッケル合金又はステンレス鋼である。また、中間層は、例えば、金属基板上に、酸化アルミニウム(Al
2O
3)層、ガリウムドープ酸化亜鉛層(Gd
2Zr
2O
7:GZO)、或いはイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)等による第1層、Y
2O
3又は酸化ランタンマンガン(LaMnO
3)等の層である第2層、酸化マグネシウム(MgO)等から成る第3層、LaMnO
3等の層である第4層、酸化セリウム(CeO
2)層である第5層を、順に積層することによって構成される。なお、超電導層は、有機金属酸塩あるいは有機金属化合物を原料とし、真空プロセスを使用せずに、MOD法(Metal Organic Deposition Processes:有機酸塩堆積法)により中間層上に成膜される。MOD法は、金属基板上に中間層を設けた複合基板上の金属有機酸塩を加熱して熱分解することによって複合基板上に超電導層である薄膜を形成する。安定化層は、超電導層上に銀(Ag)等を成膜することにより形成される。
【0032】
このように構成される超電導テープを、複合基板上において、下層の中央冷却管111、電気絶縁層113(113−1、113−2)の外周に、超電導層(超電導薄膜)が外周側、複合基板(基板)が内周側となるように、螺旋状に巻回することによって、各超電導導体層112は構成される。
【0033】
電気絶縁層113は、それぞれ下層の超電導導体層112の外周に、例えば、半合成絶縁紙を巻回して構成される。保護層115は、例えば、ケーブルシールド層114の外周にクラフト紙等を巻回して構成される。
【0034】
超電導ケーブル10の端末部においては、
図1に示すように、ケーブルコア11に段剥ぎ加工が施され、先端側から順に各層が露出する。各超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)には、各超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)に電気的に接続される常電導接続部材30(30−1、30−2、30−3)が接続されている。
【0035】
ここでは、常電導接続部材30は、超電導導体層112の外周に配置され、且つ、外側収容管部221及び内側収容管部211のそれぞれに、冷媒槽21及び真空槽22を形成するように接続される。ケーブルシールド層114の外周には、ケーブルシールド層114に電気的に接続されるシールド接続端子が配置されてもよい。また、本実施の形態では、超電導導体層112(112−1、112−2、112−3)の外周に配置される電気絶縁層113(113−1、113−2、113−3)の外周には、ストレスコーン等の電界緩和部15が配置されている。
【0036】
断熱管12は、内側の断熱内管121と外側の断熱外管122とからなり、断熱内管121及び断熱外管122は、コルゲート状を有することが好ましい。本実施の形態の断熱内管121及び断熱外管122は、例えば、ステンレス鋼(SUS)製のコルゲート管(波付き管)によりそれぞれ構成される。超電導ケーブル10は、フォーマの外周側に、超電導導体層112と、波付き管である断熱内管121と断熱外管122とによる二重構造を採る断熱管12とを順に有する構成となっている。
【0037】
断熱内管121は、低温容器20の基端側において、シールド接続端子40の内周部に、内部接続部52を介して気密的に固定されている。内部接続部52が固定されたシールド接続端子40の内周部を介して、断熱内管121は、冷媒槽21内部(主に内側収容管211内部)を気密的に連通する。
【0038】
断熱外管122は、低温容器20の基端側において、真空槽22の基端面として機能するシールド接続端子40の外周部に、外部接続部54を介して気密的に固定されている。外部接続部54が固定されたシールド接続端子40の外周部を介して、断熱外管122と断熱内管121の間の空間は、断熱層を形成する真空槽22内部(主に外側収容管部221内部)と気密的に連通する。
【0039】
シールド接続端子40は、内周部の中央部で超電導ケーブル10を挿通し、超電導ケーブル10のシールド層を接地するために外部に引き出す端子であり、ここでは、常電導接続部材30と同様に形成される。よって、シールド接続端子40については、常電導接続部材の説明とともに後述する。
【0040】
断熱内管121は、ケーブルコア11を収容し、冷媒槽21に接続される。断熱内管121は、運転時には冷媒(例えば液体窒素)が充填される。これにより、超電導導体層112は、超電導状態に維持される。断熱内管121と断熱外管122の間は、断熱のために、運転時に真空状態に保持される。
内側収容管部211は、筒状であり、エポキシ樹脂や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等の絶縁材料により構成される絶縁管である。すなわち、超電導ケーブル10の端末部は、冷媒槽21である絶縁管に収容された状態となる。
【0041】
筒状の内側収容管部211の軸方向(ここでは、超電導ケーブル10の延在方向にも相当する)で常電導接続部材30を介して接続される内側収容管部211同士は、常電導接続部材30に、超電導ケーブル10の延在方向(「軸方向」ともいう)に貫通して形成された貫通孔322(
図3参照)を介して連通した状態となっている。
なお、冷媒槽21は、例えば真空槽22内に配置された架台(図示略)に載置してもよい。冷媒槽21には、運転時に冷媒循環装置(図示略)により冷媒が循環供給される。冷媒槽21に連通する断熱内管121の内部も冷媒で充填される。
【0042】
外側収容管部221は、外周にがい管部23を有する筒状であり、冷媒槽21を収容するように常電導接続部材30間に設けられる。外側収容管部221は、例えばエポキシ樹脂やFRP等の絶縁材料で構成され、常電導接続部材30に気密的に固定される。
【0043】
外側収容管部221の内側は、常電導接続部材30に、超電導ケーブル10の延在方向に貫通して形成され、真空断熱層となる空隙310(
図3参照)を介して連通した状態となっている。
【0044】
がい管部23は、例えば、ポリマーがい管または磁器がい管により構成される。ここでは、がい管部23をポリマーがい管で構成したものとして説明する。がい管部23は、例えば、絶縁筒の外周面に一体的にポリマー被覆体を一体的に設けて形成される。絶縁筒は、機械的強度の高いFRP(繊維強化プラスチック)で構成される。絶縁筒は、冷媒槽21内の超電導ケーブル10の外面に電界緩和部15を取り付けた場合、この電界緩和層の周囲で電界緩和部を囲む位置に配置される。ポリマー被覆体は、電気絶縁性能に優れる材料、例えばシリコーンポリマー(シリコーンゴム)などの高分子材料で構成され、外周面に、複数個の傘状の襞部が長手方向に離間して形成される。がい管部23の内部、つまり、真空槽22の内部は、運転時には真空引きされて真空状態となる。
【0045】
カバー、外部接続部54、常電導接続部材30及び外側収容管部221により構成される真空槽22は、運転時に真空ポンプ(図示略)により真空引きされ、真空状態に保持される。真空槽22に連通する断熱内管121と断熱外管122の間の空間が真空状態に保持される。
【0046】
<常電導接続部材30の構成>
図3は、端末構造体における常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す正面図であり、
図4は、端末構造体における常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す側面である。また、
図5は、
図3のA−A線断面図である。
【0047】
図3〜
図5に示す常電導接続部材30は、端末構造体1において、内側収容管部211と外側収容管部221とに軸方向で接続される。
常電導接続部材30は、内側収容管部211(冷媒槽21)の内側の超電導ケーブル10の外周面に位置する超電導導体層112の端末に電気的に接続される。
【0048】
常電導接続部材30は、内側リード部31に接続される超電導ケーブル10を、外側リード部34の引出端子部301を介して常温側の機器に電気的に接続する。
【0049】
常電導接続部材30は、内側リード部31と、外側リード部34と、リッツ線36と、支持部材38と、被覆断熱部39とを有する。
内側リード部31は、超電導ケーブル10の外周に配置され、超電導ケーブル10に電気的に接続される。
【0050】
内側リード部31は、超電導ケーブル10の外周に接触して固定される電極部32と、電極部32の外周に電気的に接続されつつ、電極部32に対し相対的に周方向に回動自在に配置される内管リング33とを有する。なお、本実施の形態では、電極部32と内管リング33は、外側リード部34とともに、銅等の導電材料により形成され、超電導ケーブル10と同一軸心上となるように配置されている。
電極部32は、銅等の導電材料により形成される。電極部32は、筒状に形成され、超電導ケーブル10に外嵌して、その内周面で超電導ケーブル10の外周面を構成する超電導導体層112の表面に電気的に接触して固定される。
【0051】
本実施の形態では、
図3〜
図5に示すように、電極部32は、外側リード部34及び内管リング33の軸方向の長さよりも長く、その外周面の中央部分に内管リング33が外挿された状態で配置されている。
【0052】
電極部32は、超電導ケーブル10とともに冷媒槽21内に配置される。電極部32には、超電導ケーブル10の延在方向、つまり、電極部32の軸方向に沿って延在する複数の貫通孔322が形成されている。複数の貫通孔322は、超電導ケーブル10の外側で、超電導ケーブル10を囲むように配置され、電極部32の厚み方向、つまり、軸方向で冷媒を通して、軸方向での冷媒の流通を可能としている。
【0053】
内管リング33は、銅等からなる導電材料により内部に円形の開口を有する環状に形成される。ここでは内管リング33は、円環板状に形成され、表裏面の少なくとも一方の面に内側収容管部211の開口端部が密着して固定される。表裏面の少なくとも一方の面には、内側収容管部211を固定する冷媒層用の固定穴332が形成されている。本実施の形態では、固定穴332は、内管リング33の表裏面を貫通して設けられている。なお、内管リング33は、常電導接続部材30の他にシールド接続端子40にも備えられ、この内管リング33が、内側収容管部211、先端蓋部、及び内部接続部52とともに、冷媒槽21を構成している。
【0054】
内管リング33の内周面には、接触子であるマルチコンタクト35が取り付けられ、このマルチコンタクト35を介して、当該内管リング33の開口内を挿通する電極部32が電気的に接続されている。なお、マルチコンタクト35は、内管リング33を電極部32の外周面において、電極部32に電気的に接続させつつ、周方向及び軸方向に摺動自在に外嵌させる。これにより、内管リング33と電極部32は、マルチコンタクト35により超電導ケーブル10の軸心を中心に相対的に周方向に回動可能であり、且つ、相対的に軸方向に移動可能となっている。
【0055】
外側リード部34は、内側リード部31の外周側に離間して配置され、外部の常温部の機器に接続される。
外側リード部34は、環状に形成され、内側リード部32を囲むように配置される環状の外管リング340と、引出端子部301とを有する。外管リング340の外周の一部から引出端子部301が軸方向と直交する方向に突出されている。外側リード部34は、本実施の形態では板状をなし、円環板状の外管リング340から板状の引出端子部301が突出して設けられている。
【0056】
外管リング340は、銅等の導電材料により形成された導電円環板である。外管リング340の表裏面の少なくとも一面には、周縁部に外側収容管部221(
図1参照)が気密的に固定される固定穴342が設けられている。
図1に示す常電導接続部材30―1の表面(ここでは、先端側の面)には、真空槽22の先端面となるカバーが気密的に固定され、裏面(ここでは、後端側の面には外側収容管部221の先端側開口部が気密的に密着して固定される。なお、外管リング340は、常電導接続部材30の他にシールド接続端子40にも備えられ、この外管リング340が、外側収容管部221、カバー、及び外部接続部54とともに、真空槽22を構成する。
なお、本実施の形態では、外管リング340及び引出端子部301つまり、外部リード部34の厚み(軸方向の長さ)は、電極部32の軸方向の長さよりも短く、内管リング33の軸方向の長さよりも短い。外部リード部34の厚さを薄くすることにより、交流通電時において引出端子部301の表皮効果による非通電領域の割合を減少させることができる。
【0057】
支持部材38は、内側リード部31と外側リード部34とを所定間隔開けた状態で保持する。支持部材38は、絶縁材料により形成される。支持部材38は、本実施の形態では、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック:Glass Fiber Reinforced Plastics)により成形されている。支持部材38は、内側リード部31の内管リング33と、外側リード部34の外管リング340との間に介設され、内管リング33を外管リング340に支持させている。
【0058】
本実施の形態では、支持部材38は、内管リング33の下面と、外管リング340との間に配設される円弧板状に成形されたGFRP製の台座である。支持部材38は、外管リング340の内周面上に固定され、上側の円弧面に内管リング33が載置され、内管リング33が摺動可能となっている。これにより、冷媒槽21が真空槽22に対して軸方向に移動可能となっている。
【0059】
また、被覆断熱部39は、外側リード34の外周を覆い外周側から内周側への熱の侵入を防止する。被覆断熱部39は、例えば中空で内部を真空にした真空断熱材により形成される。また、被覆断熱部39は、グラスウール等により形成してもよい。これにより、外側リード部34に外部からの熱侵入をより防止できる。
【0060】
リッツ線36は、内側リード部31と外側リード部34とを電気的に接続する。
リッツ線36は、可撓性を有し、内側リード部31と外側リード部34との間に介設され、断熱層としての真空断熱層に配置される。
リッツ線36は、素線を絶縁被覆膜で被覆したエナメル線を撚り合わせて束ねて形成される。本実施の形態のリッツ線36は、直径0.5〜1.5mmの素線を絶縁被覆で被覆したエナメル線を撚り合わせて束ね帯状に形成している。
リッツ線36は、通電条件(材料、周波数、温度等であり特に温度)に応じて、長さ/断面積比が最適値となるように設定される。
【0061】
ここで、熱侵入について説明する。
超電導ケーブル10に接続される部位、本実施の形態では内側リード部31と、常温部に接続される部位、本実施の形態では外側リード部34とを接続する導体部分の構造では、超電導ケーブル10側への常温部からの熱侵入(熱侵入量=ジュール発熱+伝導熱)を極力小さくすることが望まれる。通電時において、導体部分の断面積の増加に応じて導体抵抗が小さくなりジュール発熱は減少するものの、外部からの伝導熱が伝わり易くなる。
一方、導体部分の長さの延長に応じて導体抵抗が大きくなりジュール発熱は大きくなるものの、外部からの伝導熱は伝わりにくくなる。このように導体部分の断面積とその長さとはトレードオフの関係となり、この関係を踏まえて熱侵入量を設定する。
また、常電導接続部材30では、交流通電の際に表皮効果により導体断面の中心において電流密度が低くなり導体抵抗が増大することが知られている。このとき、導体抵抗が増大しても熱伝導率は変化しないため、結果として常電導接続部材30において、導体部分を介した熱侵入量が増大する問題点があった。この表皮効果による影響を低減するために、導体断面寸法を表皮厚さ以下にする方法が考えられる。表皮深さとは表皮効果が現れる部位を示す導体表面からの所定の深さである。この方法では、導体の材料の温度が下がると表皮深さは小さくなる。例えば、常電導接続部材30に用いられる導電材料としての銅においては、周波数60Hz(商用周波数)、温度300K(室温)での表皮深さは8.5mmであるが、温度70K(超電導ケーブルの冷却温度)での表皮深さは2.8mmと小さくなる。よって、例えば、電流リードの断面寸法は、室温側では直径17mm以下、低温側では直径5.6mm以下となる導体を、通電電流に必要な断面積となるように集合化させる必要がある。しかし、導体の断面積はその温度勾配に合わせて変化させる必要があり、上述したように、導体の断面積を変えると温度勾配も変化するため、最適な形状を求めるのは困難である。
【0062】
本実施の形態では、導体として絶縁被覆した素線を集合化したリッツ線36を用いて、リッツ線36の導体断面積寸法を常電導接続部材30において一番温度の低い箇所の表皮深さ以下とすることにより、表皮効果による影響を受けず、かつ、温度勾配を考慮する必要ない構成としている。
【0063】
リッツ線36は、両端部が接続される部位としてのリッツ線内側取付部336と、リッツ線36が接続する外側リード部34の部位としてのリッツ線外側取付部346とから軸方向と平行に延出して、中央部分が撓むように配置されている。
リッツ線内側取付部336とリッツ線外側取付部346とは、接続されるリッツ線36を所定方向、ここでは軸方向に沿って延在するように好適に保持する。
リッツ線36は、本実施の形態では、一端部が、外管リング340の内周面に設けられたリッツ線外側取付部346に電気的に接続され、他端部に向かって軸方向に延出するように取り付けられる。また、リッツ線36の中央部分は湾曲され、リッツ線36の他端部側が、一端部側に対向させた状態で、内管リング32の外周面に取り付けられたリッツ線内側取付部336に電気的に接続されている。
【0064】
リッツ線36が接続する内側リード部31の部位としてのリッツ線内側取付部336と、リッツ線36が接続する外側リード部34の部位としてのリッツ線外側取付部346との間におけるリッツ線36の長さD2は、リッツ線内側取付部336とリッツ線外側取付部346との間の最短の長さD1の等倍以上である。好ましくは、長さD2は、最短の長さD1の1.5倍以上であり、最短の長さの5倍以下であることが好ましい。ここでは長さD2は、長さD1の3倍の長さとしている。これにより、内側リード部31と外側リード部34とが軸方向に相対移動する場合でも、常にリッツ線36に負荷が掛かることなく、リッツ線36は、内側リード部31と外側リード部34との導通状態を確保できる。
すなわち、リッツ線36とすることにより、導体部分の断面を複数の断面により形成することにより、交流通電時において引出端子部301の表皮効果による非通電領域の割合を減少させる、すなわち、同じ断面積でも通電領域を増加させることが可能となり、常電導接続部材一つ当たりのジュール発熱を低減し、熱侵入量を低減できる。ここで、熱侵入量は、常電導接続部材30の室温あるいは高温部から低温部に伝わる伝導熱と、通電時のジュール発熱の和で表される。
なお、均流化のためにリッツ線36を複数本に分ける場合は、それぞれの「長さ/断面積比」を最適値とし、断面積を増やす場合には、素線径を変えずに撚り線数を変えることによって表皮効果の影響を受けることは無い。この一例を実施の形態2として説明する。
【0065】
(実施の形態2)
<常電導接続部材30Aの構成>
図6は、本発明の実施の形態2に係る常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す正面図であり、
図7は、本発明の実施の形態2に係る常電導接続部材において超電導ケーブルの接続部分を示す側面である。また、
図8は、
図6のB−B線断面図である。
【0066】
図6〜
図8に示す常電導接続部材30Aは、実施の形態1の端末構造体1において、常電導接続部材30に換えて、内側収容管部211と外側収容管部221とに軸方向で接続される。
常電導接続部材30Aは、内側収容管部211(冷媒槽21)の内側の超電導ケーブル10の外周面に位置する超電導導体層112の端末に電気的に接続される。
【0067】
常電導接続部材30Aは、内側リード部31Aに接続される超電導ケーブル10を、外側リード部34Aの引出端子部301を介して常温側の機器に電気的に接続する。
常電導接続部材30Aは、常電導接続部材30と同様の機能を有し、リッツ線36Aを介した外側リード部34Aと、内側リード部31Aとの接続構造のみが異なる。以下では、異なる構成要素を詳細に説明し、同様の構成要素については同符号を付して説明は省略する。
【0068】
常電導接続部材30Aは、内側リード部31Aと、外側リード部34Aと、リッツ線36Aと、支持部材38Aと、被覆断熱部39とを有する。
内側リード部31Aは、超電導ケーブル10の外周に配置され、超電導ケーブル10に電気的に接続される。
【0069】
内側リード部31Aは、超電導ケーブル10の外周に接触して固定される電極部32と、電極部32の外周に電気的に接続されつつ、電極部32に対し相対的に周方向に回動自在に配置される内管リング33Aとを有する。なお、本実施の形態では、電極部32と内管リング33Aは、外側リード部34Aとともに、銅等の導電材料により形成され、超電導ケーブル10と同一軸心上となるように配置されている。
電極部32は、銅等の導電材料により筒状に形成され、超電導ケーブル10に外嵌して、内周面で超電導ケーブル10の外周面を構成する超電導導体層112の表面に電気的に接触して固定される。
本実施の形態では、
図6〜
図8に示すように、電極部32は、実施の形態1と同様に、外側リード部34A及び内管リング33Aの軸方向の長さよりも長く、その外周面の中央部分に内管リング33Aが外挿された状態で配置されている。
【0070】
内管リング33Aは、銅等からなる導電材料により内部に円形の開口を有する環状に形成される。ここでは内管リング33Aは、円環板状に形成され、表裏面の少なくとも一方の面に内側収容管部211の開口端部が密着して固定される。表裏面の少なくとも一方の面には、内側収容管部211を固定する冷媒層用の固定穴332が形成されている。本実施の形態では、固定穴332は、内管リング33Aの表裏面を貫通して設けられている。なお、内管リング33Aは、常電導接続部材30Aの他にシールド接続端子40にも備えられ、この内管リング33Aが、内側収容管部211、先端蓋部、及び内部接続部52とともに、冷媒槽21を構成している。
【0071】
内管リング33Aの内周面には、内管リング33と同様に、接触子であるマルチコンタクト35が取り付けられ、このマルチコンタクト35を介して、当該内管リング33Aの開口内を挿通する電極部32が電気的に接続されている。内管リング33Aと電極部32は、マルチコンタクト35により超電導ケーブル10の軸心を中心に相対的に周方向に回動可能であり、且つ、相対的に軸方向に移動可能である。
【0072】
外側リード部34Aは、内側リード部31Aの外周側に離間して配置され、外部の常温部の機器に接続される。
外側リード部34Aは、環状に形成され、内側リード部31Aを囲むように配置される環状の外管リング340Aを有する。外管リング340Aの外周の一部から引出端子部301が軸方向と直交する方向に突出されている。外側リード部34Aは、本実施の形態では板状をなし、円環板状の外管リング340Aから板状の引出端子部301が突出して設けられている。
【0073】
外管リング340Aは、銅等の導電材料により形成された導電円環板である。外管リング340Aの表裏面の少なくとも一面には、周縁部に外側収容管部221(
図1参照)が気密的に固定される固定穴342が設けられている。常電導接続部材30Aが、
図1に示す常電導接続部材30―1に用いられる場合、その表面(ここでは、先端側の面)に、真空槽22の先端面となるカバーが気密的に固定され、裏面(ここでは、後端側の面には外側収容管部221の先端側開口部が気密的に固定される。なお、外管リング340Aは、常電導接続部材30Aの他にシールド接続端子40にも備えられる。この外管リング340Aが、外側収容管部221、カバー、及び外部接続部54とともに、真空槽22を構成する。
なお、外管リング340A及び引出端子部301つまり、外部リード部34Aの厚み(軸方向の長さ)は、実施の形態1のものと同様に、電極部32の軸方向の長さよりも短く、内管リング33Aの軸方向の長さよりも短い。外部リード部34Aの厚さを薄くすることにより、交流通電時において引出端子部301の表皮効果による非通電領域の割合を減少させることができる。
【0074】
支持部材38Aは、支持部材38と同様の機能を有し、内側リード部31Aと外側リード部34Aとを所定間隔開けた状態で保持する。支持部材38Aは、絶縁材料により形成され、本実施の形態では、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック:Glass Fiber Reinforced Plastics)により成形されている。支持部材38Aは、内側リード部31Aの内管リング33Aと、外側リード部34Aの外管リング340Aとの間に介設され、内管リング33Aを外管リング340Aに支持させている。
【0075】
リッツ線36Aは、内側リード部31Aと外側リード部34Aとを電気的に接続する。
リッツ線36Aは、可撓性を有し、内側リード部31Aと外側リード部34Aとの間に介設され、断熱層としての真空断熱層に配置される。
【0076】
リッツ線36Aは、リッツ線36と比較して、複数のリッツ線364、366、368を含む。本実施の形態では、リッツ線36Aは、第一リッツ線364と、第一リッツ線364よりも径が大きい第二リッツ線366と、第二リッツ線366よりも径が大きい第三リッツ線368を有する。リッツ線36Aは複数のリッツ線364、366、368により、引出端子部301と内側リード部31Aとを、内側リード部31A(内管リング33A)の外周に均等な間隔を空けて接続した状態にしている。
【0077】
これら第一リッツ線364は、第二リッツ線366よりも長さが短く、第二リッツ線366は、第三リッツ線368よりも長さが短い。
第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368は、それぞれ、リッツ線36Aと同様に、素線を絶縁被覆膜で被覆したエナメル線を撚り合わせて束ねて形成される。第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368は、直径0.5〜1.5mmの素線を絶縁被覆で被覆したエナメル線を撚り合わせて束ね、それぞれ外径が異なる線状に形成されている。
【0078】
第一リッツ線364における長さ/素線の総断面積比と第二リッツ線366の長さ/素線の総断面積比は1:0.8〜1.2の関係にある。また、第二リッツ線366における長さ/素線の総断面積比と第三リッツ線368の長さ/素線の総断面積比は1:0.8〜1.2の関係にある。また、第一リッツ線364における長さ/素線の総断面積比と第三リッツ線368の長さ/素線の総断面積比は1:0.8〜1.2の関係にある。なお、第二リッツ線366における長さ/素線の総断面積比と第三リッツ線368の長さ/素線の総断面積比は1:0.8〜1.2の関係にあってもよい。また、第一リッツ線364における長さ/素線の総断面積比、第二リッツ線366の長さ/素線の総断面積比、および、第三リッツ線368の長さ/素線の総断面積比は、互いに同じであることが好ましい。
第一リッツ線364における長さ/素線の総断面積比、第二リッツ線366の長さ/素線の総断面積比、および、第三リッツ線368の長さ/素線の総断面積比は、より効果的な同じ通電量を確保するため、熱侵入量が最も小さく、且つ、同じかまたは近似している値が好ましい。
また、各リッツ線364、366、368により、引出端子部301は、内側リング32Aの外周に等間隔を空けて全周に渡るように接続された状態となっている。これにより、第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368のそれぞれを流れる電流の均流化が図られている。
【0079】
第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368のそれぞれの長さ/素線の総断面積比は、実施の形態1のリッツ線36と同様に、熱侵入量(=ジュール発熱+伝導熱)が極力小さくなるように、通電条件(材料、周波数、温度等であり特に温度)に応じて最適値となるように設定される。
例えば、340Aの温度が300K、33Aの温度が70Kであるとき、第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368の長さと総断面積は、それぞれ100mm、180mm、250mmと公称断面積83mm
2、150mm
2、208mm
2である。
なお、本実施の形態では、リッツ線36Aを用いて、リッツ線36A(具体的には、第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368)のそれぞれの導体断面積寸法を常電導接続部材30Aの一番温度の低い箇所の表皮深さ以下とすることにより、表皮効果による影響を受けず、かつ、温度勾配を考慮する必要ない構成としている。
【0080】
リッツ線36Aは、第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368をそれぞれ、2本ずつ有する。
第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368は、それぞれ外管リング340Aの内周面と内管リング33Aの外周面との間に、引出端子部301の中心線を中心に左右対象に撓ませた状態で架設されている。なお、第一リッツ線364、第二リッツ線366及び第三リッツ線368のそれぞれの長さは、内管リング33Aの外周面と外管リング340Aの内周面との最短の長さD1の等倍以上の長さである。好ましくは、それぞれのリッツ線の長さは、最短の長さD1の1.5倍以上であり、最短の長さD1の5倍以下であることが好ましい。これにより、内側リード部31Aと外側リード部34Aとが軸方向に相対移動する場合でも、常にリッツ線36Aに負荷が掛かることなく、リッツ線36Aは、内側リード部31Aと外側リード部34Aとの導通状態を確保できる。
【0081】
具体的には、第一リッツ線364は、外管リング340Aにおいて引出端子部301の下面と鉛直下方で対向する内管リング33Aの上面との間に配置される。第二リッツ線366は、第一リッツ線364よりも中心鉛直線L1から離間する部位と内管リング33Aの両側部との間に架設されている。また、第三リッツ線368は、第二リッツ線366よりも更に中心鉛直線L1から離れた部位と、内管リング33Aの外周面の下面部分との間に架設されている。これにより、リッツ線36Aは、引出端子部301に対して、内管リング33Aを、その全周に渡って均一に電流が流れるように電気的に接続している。これにより、引出端子部301を介して超電導ケーブル10に常温部から通電される際に、超電導ケーブル10に均一に通電させることができ、熱侵入量も極力低減することができ、好適な通電状態を確保できる。
【0082】
また、交流通電時の場合、1枚のフランジを介して通電させる従来構成と比較して、各実施の形態の常電導接続部材30、30Aを用いれば、表皮効果により、通電領域が減少することがない。
【0083】
したがって、超電導ケーブル10と常電導部とを接続する際に、好適な通電容量を確保しつつ、超電導ケーブルへの外部からの熱侵入量を低減することができる。
【実施例】
【0084】
[
参考例1]
図3〜
図5に示す常電導接続部材30を、無酸素銅に銀メッキした材料を用いて製造した。内側リード部31と外側リード部34とを接続する導体であるリッツ線は、長さ/断面積比(例えば、1,200[m−1)を最適化した一本のリッツ線とした。この
参考例1の常電導接続部材30に実効値AC3000であり、周波数60Hzで通電した際の常電導接続部材30における熱侵入量を測定した。これを表1に示す。測定した際の常電導接続部材30における室温側温度、つまり外側リード部34の引出端子部301における温度は、700Kであり、内側リード部31における温度は70Kであった。
【0085】
[実施例2]
図6〜
図8に示す常電導接続部材30Aを、無酸素銅に銀メッキした材料を用いて製造した。内側リード部31Aと外側リード部34Aとを接続する導体であるリッツ線36Aを径の異なる3種類(外径12.3mm、16.5mm、19.4mm)×2本のリッツ線364、366、368とし、各リッツ線の「長さ/断面積比」を最適化(例えば、1,200[m−1)して用いた。この実施例2の常電導接続部材30Aに、
参考例1と同様の条件で通電して常電導接続部材における熱侵入量を測定した。これを表1に示す。
【0086】
[比較例1]
参考例1及び実施例2と同様の材料で、外側リード部と内側リード部とを接続する導体を、外側リード部と同様の無酸素銅に銀メッキした材料で「長さ/断面積比」を最適化した板状導体で形成した従来型の常電導部材を製造した。この比較例1の常電導接続部材に
参考例1と同様の条件で通電して、常電導接続部材における熱侵入量を測定した。これを表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
これら
参考例1、
実施例2及び比較例1のそれぞれについて、通電電流AC3000A(実効値)、周波数60Hzで通電して、熱侵入量を測定したところ、
参考例1は156Wであり、実施例2は147Wであり、比較例1は186Wであった。なお、熱侵入量は、カロリメトリック法にて測定した。
測定の結果、
参考例1では、比較例1に対して84%、実施例2は、比較例1に対して79%の熱侵入量となり、比較例1と比較して減少することが判った。
つまり、外側リード部34と内側リード部31とを接続する導電部分である導体にリッツ線を用いることにより、表皮効果による抵抗値の上昇、つまりジュール発熱の増大を防止できることがわかった。また、実施例2から、リッツ線を複数用いて、
図6に示すように、超電導ケーブル10の周りに均等配置となるように接続することにより、周方向の電流密度が均一となり、ジュール発熱が一層低減されていることがわかった。
【0089】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0090】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。