(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、田面から作業装置までの高さを検出する構成を備えた場合、接地体を下降側に付勢するバネを備えることにより、田面の凹凸の影響を抑えて、接地体が田面に安定して接地追従するよう構成することがある。
【0007】
前述のようなバネを備える場合、特許文献1では、コイルバネが検出アームの後部に接続されて上側に延出され、コイルバネの上端部が固定部に接続されており、コイルバネによって、検出アーム及び接地体が下降側に常時付勢された状態となっている。
特許文献1では、バネが検出アームから大きく上側に延出されているので、バネの支持構造のコンパクト化という面で改善の余地がある。
【0008】
本発明は、作業装置を田面から設定高さに維持する機能を備えた水田作業機において、田面から作業装置までの高さを検出する接地体及び高さセンサー等を備えた場合、接地体を下降側に付勢するバネをコンパクトに配置することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の水田作業機は、
機体に昇降自在に支持された作業装置と、機体に対して前記作業装置を昇降させる昇降機構とが備えられ、
前記作業装置に
左右方向に沿って配置された支持フレームに、接地体支持部により昇降自在に支持されて、田面に接地追従する接地体と、
前記作業装置に設けられた高さセンサーと、
前記高さセンサーの検出軸に取り付けられて、前記検出軸の回転により上下に揺動自在な検出アームと、
前記検出軸に外嵌されて、前記検出アームを前記接地体の下降側に付勢するバネと、
前記検出アーム及び前記接地体に亘って接続さ
れ、前記検出アームを田面から基準高さに維持する連係部材とが備えられて、
前記接地体に対する前記作業装置の昇降により、前記連係部材を介して、前記検出アームが前記高さセンサーに対して揺動操作され、
前記高さセンサーの検出に基づいて、前記昇降機構を作動させることにより、前記作業装置を田面から設定高さに維持する制御装置が備えら
れ、
前記作業装置に対する前記接地体支持部の位置を上下に変更することにより、前記設定高さを変更する設定高さ変更部と、
前記高さセンサーを支持し、前記検出軸の軸芯と平行な支持軸を支持とする揺動により、前記高さセンサーの位置を上下に変更する高さセンサー支持部と、
前記設定高さ変更部による前記設定高さの変更に伴い、前記検出アームを田面から前記基準高さに維持するように、前記高さセンサー支持部を操作する変更操作部とが備えられ、
前記支持軸が、側面視で前記支持フレームの上面部よりも上側の位置に配置されている。
【0010】
本発明によると、高さセンサーの検出軸に検出アームが取り付けられて、高さセンサーの検出軸の回転により検出アームが上下に揺動自在となっており、バネを高さセンサーの検出軸に外嵌することにより、バネによって検出アームを接地体の下降側に付勢し、検出アーム及び連係部材を介して接地体を下降側に付勢している。
【0011】
これによって、バネが検出アームから上側に延出されるような状態とはならず、バネが高さセンサーの検出軸の周囲に配置される状態となって、コンパクトに配置されるのであり、作業装置の全体のコンパクト化を図ることができる。
本発明において、
左右方向に沿って配置された駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられた整地体とを有し、前記駆動軸及び前記整地体が回転駆動されることにより田面を整地する整地装置が備えられ、
前記整地装置が、前記接地体の前方で前記高さセンサー支持部の下方に配置されていると好適である。
【0012】
本発明において、
前記高さセンサーと前記検出アームとが、前記検出軸により前記検出軸の軸芯方向に沿って間隔を空けて配置されて、
前記高さセンサーと前記検出アームとの間において、前記検出軸に外嵌されたボス部が設けられ、
前記バネが前記ボス部に外嵌されていると好適である。
【0013】
本発明によると、高さセンサーと検出アームとが、高さセンサーの検出軸により間隔を空けて配置されているので、バネを高さセンサーの検出軸に無理なく外嵌することができる。
【0014】
この場合、高さセンサーと検出アームとの間において、高さセンサーの検出軸にボス部が外嵌され、て、バネがボス部に外嵌されることにより、バネが高さセンサーの検出軸に外嵌された状態となっている。
これにより、バネが高さセンサーの検出軸に接触することはないので、バネとの接触によって、高さセンサーの検出軸が損耗するというような状態を避けることができる。
【0015】
本発明において、
前記バネは、
前記高さセンサーに対して事前に設定された基準姿勢から上側の領域において、前記検出アームを下降側に付勢する付勢力を発生させ、前記基準姿勢から下側の領域において、前記付勢力を発生させないと好適である。
【0016】
本発明によると、バネにより検出アーム(接地体)を下降側に常時付勢しているのではなく、基準姿勢から上側の領域において、バネが検出アーム(接地体)を下降側に付勢するように構成されている。
【0017】
これにより、例えば接地体が田面の凸部に乗り上げて、接地体が作業装置に対して上昇した場合、バネにより検出アーム(接地体)を下降側に付勢する状態となり、接地体により田面の凸部を押し潰すような状態を得ることができる。
逆に、例えば接地体が田面の凹部に落ち込んで、接地体が作業装置に対して下降した場合、バネにより検出アーム(接地体)は下降側に付勢されず、接地体の自重によって田面の凹部に入り込む状態となり、接地体が田面の凹部を深く掘るような状態を避けることができる。
【0018】
以上のように、接地体により、田面の凹部を深く掘るような状態を避けながら、田面の凸部を押し潰すような状態を得ることができるようになって、作業装置の作業性能の向上を図ることができる。
【0019】
本発明において、
前記制御装置は、
前記高さセンサーの検出に基づいて、前記検出アームが前記高さセンサーに対して前記基準姿勢に維持されるように、前記昇降機構を作動させることにより、前記作業装置を田面から前記設定高さに維持すると好適である。
【0020】
高さセンサーの検出に基づいて作業装置を田面から設定高さに維持するように制御する場合、本発明によると、設定高さと基準姿勢とが一致することになるのであり、検出アームが基準姿勢に維持されるように、昇降機構により作業装置が昇降されることによって、作業装置が田面から設定高さに維持される。
【0021】
これにより、前述のように、基準姿勢(設定高さ)から上側の領域において、バネにより検出アーム(接地体)が下降側に付勢され、基準姿勢(設定高さ)から下側の領域において、バネにより検出アーム(接地体)が下降側に付勢されない状態となる。
従って、接地体により田面の凹部を深く掘るような状態を避けながら田面の凸部を押し潰すような状態を得る機能と、作業装置を田面から設定高さに維持する機能とを、適切に両立させることができる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
本発明において、
前記高さセンサー支持部に、
前記検出アームに当たることによって、前記検出アームを前記高さセンサーに対する上限位置で止める上ストッパーと、
前記検出アームに当たることによって、前記検出アームを前記高さセンサーに対する下限位置で止める下ストッパーとが設けられていると好適である。
【0027】
本発明によると、検出アームが上側に大きく揺動した場合、検出アームは上ストッパーに当たって上限位置で止められるのであり、検出アームが下側に大きく揺動した場合、検出アームは下ストッパーに当たって下限位置で止められる。
【0028】
これにより、検出アームの揺動範囲に上限位置と下限位置とを設定することにより、検出アームが必要以上に上側及び下側に揺動することによる高さセンサーや検出アームの破損を防止することができる。
この場合、高さセンサーを支持する高さセンサー支持部に、上ストッパー及び下ストッパーが設けられているので、構造の簡素化の面で有利なものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態において、水田作業機の一例である乗用型田植機が示されている。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。機体11の走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
【0031】
(乗用型田植機の全体構成)
図1に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体11の後部に、リンク機構3(昇降機構に相当)、及びリンク機構3を昇降操作する油圧シリンダ4(昇降機構に相当)が備えられ、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されている。
【0032】
苗植付装置5は、苗植付装置5の下部に左右方向に沿って配置された支持フレーム12(
図3参照)、左右方向に所定間隔を置いて支持フレーム12に連結されて後向きに延出された植付伝動ケース6、植付伝動ケース6の後部の右側部及び左側部に回転自在に支持された回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、フロート9(接地体に相当)及び苗のせ台10等を備えている。
【0033】
機体11に、運転座席13、及び前輪1を操向操作する操縦ハンドル14が備えられている。機体11の前部の右部及び左部に右及び左の支持フレーム15が備えられており、支持フレーム15に予備苗のせ台16が支持されている。
【0034】
(前輪及び後輪への走行伝動系の構成)
図1に示すように、機体11の前部に、ミッションケース17が支持されており、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18に、エンジン19が支持されている。
【0035】
ミッションケース17の左の横側部に、静油圧型式の無段変速装置20が連結されており、エンジン19の動力が伝動ベルト21を介して無段変速装置20に伝達される。無段変速装置20は、中立位置、前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成されており、操縦ハンドル14の左の横側に備えられた変速レバー22により無段変速装置20を操作する。
【0036】
無段変速装置20の動力が、ミッションケース17の内部の副変速装置(図示せず)及び前輪デフ装置(図示せず)を介して右及び左の前輪1に伝達される。
右及び左の後輪2を支持する後車軸ケース23が、機体11の後部に支持されており、前輪デフ装置の直前から分岐した動力が、伝動軸24を介して後車軸ケース23に伝達され、後車軸ケース23の内部の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の後輪2に伝達される。
【0037】
(苗植付装置への作業伝動系の構成)
図1に示すように、ミッションケース17の内部に、株間変速装置(図示せず)及び植付クラッチ(図示せず)が備えられている。
【0038】
ミッションケース17において、無段変速装置20と副変速装置との間から分岐した動力が、株間変速装置及び植付クラッチを介して伝動軸25に伝達され、伝動軸25から苗植付装置5に伝達される。
【0039】
植付クラッチを伝動状態に操作すると、苗植付装置5に動力が伝達されて、苗植付装置5が作動する。苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が回転駆動され、2組の植付アーム8が、苗のせ台10の下部から交互に苗を取り出して田面G(
図3参照)に植え付ける。
植付クラッチを遮断状態に操作すると、苗植付装置5への動力が遮断されて、苗植付装置5が停止し、苗のせ台10及び回転ケース7が停止する。
【0040】
(整地装置の構成)
図1及び
図2に示すように、苗植付装置5において、支持フレーム12に整地装置26が支持されており、整地装置26が、側面視で苗植付装置5と後輪2との間に配置された状態となっている。
【0041】
支持フレーム12の前面部に、ブラケット27が連結されて前向きに延出されている。丸パイプ状の支持軸28が、左右方向の軸芯P1周りに回転自在にブラケット27に支持されており、支持軸28に支持アーム28aが連結されて前向きに延出されている。
【0042】
支持軸28の支持アーム28aに軸支持部29が支持され、軸支持部29の左右方向の軸芯P2周りに、駆動軸30が回転駆動自在に支持されており、駆動軸30に多数の整地体31が取り付けられている。これにより、整地装置26は、軸支持部29、駆動軸30及び整地体31等を備えている。
【0043】
支持フレーム12に昇降ギヤ32が上下に揺動自在に支持されて、昇降ギヤ32の前端部が軸支持部29に揺動自在に接続されている。支持フレーム12に、ギヤケース33及び電動モータ34が支持されており、ギヤケース33のピニオンギヤ33aが昇降ギヤ32に咬合している。
【0044】
電動モータ34によりギヤケース33のピニオンギヤ33aが回転駆動されることによって、昇降ギヤ32が上下に揺動駆動され、支持軸28(支持アーム28a)を介して、整地装置26の位置を上下に変更することができる。
【0045】
後車軸ケース23の後部に斜め後の下向きの出力軸35が備えられ、軸支持部29に斜め前の上向きの入力軸36が備えられて、出力軸35と入力軸36とに亘って伝動軸37が接続されている。
【0046】
後車軸ケース23において、後輪2に伝達される動力が分岐して出力軸35に伝達されて、出力軸35の動力が、伝動軸37及び入力軸36を介して整地装置26に伝達されており、駆動軸30及び整地体31が
図1及び
図2において反時計方向に回転駆動される。
【0047】
(苗植付装置の昇降制御の概要)
この乗用型田植機では、苗植付装置5が田面Gから設定高さHに維持されるように、油圧シリンダ4によりリンク機構3を昇降操作し、苗植付装置5を昇降操作して、植付アーム8による苗の植付深さを設定深さに維持する昇降制御機能を備えている。
【0048】
図1及び
図2に示すように、油圧シリンダ4は単動型式であり、油圧シリンダ4に作業油を供給して収縮作動させると、リンク機構3が上昇操作され、油圧シリンダ4から作動油を排出して伸長作動させると、リンク機構3が下降操作される。
機体11に制御装置38が備えられ、油圧シリンダ4に作動油を給排操作する制御弁39が備えられており、制御装置38により制御弁39が操作される。
【0049】
図2及び
図3に示すように、植付伝動ケース6の下部に、支持軸40(接地体支持部に相当)が左右方向の軸芯P3周りに回転自在に支持されており、支持軸40に連結された支持アーム40a(接地体支持部に相当)が後側に延出されて、フロート9の後部が支持アーム40aの後部の左右方向の軸芯P4周りに上下に揺動自在に支持されている。
【0050】
ポテンショメータ型式の高さセンサー41が支持フレーム12に支持されており、高さセンサー41の検出値が制御装置38に入力されている。高さセンサー41の検出軸41a,49に、検出アーム42が連結されて後側に延出されており、中央のフロート9の前部のブラケット9aと、検出アーム42の端部42aとに亘って、連係部材43が接続されている。
【0051】
以上の構成により、田面Gに接地追従するフロート9に対して、苗植付装置5(高さセンサー41)が昇降すると、連係部材43により、検出アーム42の端部42aが田面Gから基準高さH2(連係部材43の長さに相当する高さ)に位置した状態で、苗植付装置5(高さセンサー41)が昇降する状態となる。
【0052】
これにより、連係部材43を介して、高さセンサー41の検出軸41a,49の左右方向の軸芯P5周りに、検出アーム42が上下に揺動操作されるのであり、高さセンサー41の検出値が制御装置38に入力されている。
【0053】
高さセンサー41の検出値に基づいて、制御装置38により制御弁39が操作され、油圧シリンダ4に作動油が給排操作されて、油圧シリンダ4が伸縮作動して、苗植付装置5が田面Gから設定高さH1に維持されるように、苗植付装置5(高さセンサー41)が昇降操作される。これにより、植付アーム8による苗の植付深さが、設定高さH1に対応する設定深さに維持される。
【0054】
(苗植付装置の昇降制御の詳細)
前述の(苗植付装置の昇降制御の概要)の苗植付装置5が田面Gから設定高さH1に維持される状態について、さらに詳細に説明すると、以下の説明のような操作が行われる。
【0055】
図2及び
図3に示すように、高さセンサー41に対して基準姿勢A1が事前に設定されている。
図2及び
図3に示す状態は、検出アーム42が基準姿勢A1に位置した状態であり、苗植付装置5が田面Gから設定高さH1に維持されて、油圧シリンダ4が停止している状態である。
【0056】
図2及び
図3に示す状態から苗植付装置5(高さセンサー41)が下降すると、高さセンサー41と一緒に基準姿勢A1が下降する(苗植付装置5が設定高さH1から下降する)。
【0057】
この場合、検出アーム42の端部42aは、連係部材43により田面Gから基準高さH2に維持されるので、苗植付装置5(高さセンサー41)が下降すると、高さセンサー41に対して、検出アーム42が上側に揺動する状態となり、基準姿勢A1に対して検出アーム42が上側に位置する状態となる。
【0058】
これにより、高さセンサー41の検出値(検出アーム42)が基準姿勢A1から上側に離れた状態となるので、制御装置38により制御弁39が操作され、油圧シリンダ4が収縮作動して、苗植付装置5(高さセンサー41)が上昇操作される。
【0059】
苗植付装置5(高さセンサー41)の上昇により、高さセンサー41と一緒に基準姿勢A1が上昇して、
図2及び
図3に示すように、検出アーム42が基準姿勢A1に位置する状態に戻ると(苗植付装置5が設定高さH1に戻ると)、制御装置38により制御弁39が操作されて、油圧シリンダ4が停止する。
【0060】
図2及び
図3に示す状態から苗植付装置5(高さセンサー41)が上昇すると、高さセンサー41と一緒に基準姿勢A1が上昇する(苗植付装置5が設定高さH1から上昇する)。
【0061】
この場合、検出アーム42の端部42aは、連係部材43により田面Gから基準高さH2に維持されるので、苗植付装置5(高さセンサー41)が上昇すると、高さセンサー41に対して、検出アーム42が下側に揺動する状態となり、基準姿勢A1に対して検出アーム42が下側に位置する状態となる。
【0062】
これにより、高さセンサー41の検出値(検出アーム42)が基準姿勢A1から下側に離れた状態となるので、制御装置38により制御弁39が操作されて、油圧シリンダ4が伸長作動して、苗植付装置5(高さセンサー41)が下降操作される。
【0063】
苗植付装置5(高さセンサー41)の下降により、高さセンサー41と一緒に基準姿勢A1が下降して、
図2及び
図3に示すように、検出アーム42が基準姿勢A1に位置する状態に戻ると(苗植付装置5が設定高さH1に戻ると)、制御装置38により制御弁39が操作されて、油圧シリンダ4が停止する。
【0064】
以上の構成により、高さセンサー41の検出に基づいて、検出アーム42が高さセンサー41に対して基準姿勢A1に維持されるように、制御装置38が制御弁39を操作して油圧シリンダ4(昇降機構)を作動させることにより、苗植付装置5(作業装置)を田面Gから設定高さH1に維持する状態となっている。
【0065】
(高さセンサーの支持構造)
図3,6,7に示すように、支持フレーム12に、2個のブラケット44が連結されて斜め前の上側に延出されており、ブラケット44の前端部に、支持軸44aが左右方向に向けて支持されている。
【0066】
高さセンサー支持部45が備えられて、高さセンサー支持部45に高さセンサー41が連結されている。高さセンサー支持部45のボス部45aが、ブラケット44の支持軸44aに外嵌されて、高さセンサー支持部45が、ブラケット44の支持軸44aの左右方向の軸芯P6周りに、上下に揺動自在に支持されている。
【0067】
図2及び
図3に示すように、植付深さレバー46(設定高さ変更部に相当)が、支持軸40に連結されて斜め前の上側に延出されており、支持フレーム12に連結されたレバーガイド47に、植付深さレバー46が挿入されている。
図2,3,6,7に示すように、高さセンサー支持部45のボス部45bと植付深さレバー46とに亘って、連係ロッド48(変更操作部に相当)が接続されている。
【0068】
植付深さレバー46をレバーガイド47に係合させて位置固定することにより、連係ロッド48を介して、高さセンサー支持部45(高さセンサー41)の姿勢が固定される。
この場合、高さセンサー支持部45(高さセンサー41)が、整地装置26の支持軸28の上側に位置して、高さセンサー支持部45(高さセンサー41)と、整地装置26の支持軸28とが、平面視で重複する状態となっている。
【0069】
高さセンサー41の検出軸41aに検出軸49が接続されて、検出軸49が左右方向に延出されている。高さセンサー支持部45に、左右方向に沿ったボス部45cが備えられている。高さセンサー41の検出軸41a,49が、高さセンサー支持部45のボス部45cに回転自在な状態で挿入されており、高さセンサー41の検出軸49の端部に、検出アーム42が連結されている。
【0070】
以上の構成により、高さセンサー41の検出軸41a,49の回転により、検出アーム42が上下に揺動するのであり、高さセンサー41の検出軸41a,49の左右方向の軸芯P5周りに、検出アーム42が上下に揺動操作される状態となっている。
高さセンサー41の検出軸41a,49の軸芯P5と、ブラケット44の支持軸44aの軸芯P6とが平行な状態となっている。
【0071】
高さセンサー41と検出アーム42とが、高さセンサー41の検出軸41a,49により、高さセンサー41の検出軸41a,49の軸芯P5方向に沿って間隔を空けて配置された状態となっている。
高さセンサー41と検出アーム42との間において、高さセンサー41の検出軸41a,49に外嵌された高さセンサー支持部45のボス部45cが設けられた状態となっている。
【0072】
(検出アームに作用するバネ、上ストッパー及び下ストッパーの構造)
図6及び
図7に示すように、つるまきバネ型式(コイルバネ型式)のバネ50が、高さセンサー支持部45のボス部45c(高さセンサー41の検出軸41a,49)に、回転自在に外嵌されている。
【0073】
バネ50の一方の端部50aが、検出アーム42の開口部42bに挿入されている。高さセンサー支持部45に円弧状の長孔51が開口されており、バネ50の他方の端部50bが長孔51に挿入されている。
【0074】
高さセンサー支持部45の上部に、検出アーム42の上側まで延出された上ストッパー52が設けられている。高さセンサー支持部45の下部に、検出アーム42の下側まで延出された下ストッパー53が設けられている。
【0075】
図3及び
図6に示す状態は、検出アーム42が基準姿勢A1に位置した状態であり(前項の(苗植付装置の昇降制御の詳細)を参照)、バネ50の端部50bが、長孔51の一方の端部51aに当たっている。
【0076】
前項の(苗植付装置の昇降制御の詳細)に記載のように、
図3及び
図6に示す状態から苗植付装置5(高さセンサー41)が下降し、基準姿勢A1に対して検出アーム42が上側に位置する状態となるのであり、検出アーム42が上ストッパー52に当たることにより、検出アーム42が高さセンサー41に対する上限位置B1で止められる。
【0077】
検出アーム42が基準姿勢A1と上限位置B1との間(基準姿勢A1の上側の領域)に位置する状態において、検出アーム42によりバネ50の端部5bが、長孔51の端部51aに押し付けられる状態となるのであり、検出アーム42を基準姿勢A1側(下降側)に付勢する付勢力が、バネ50に発生する。これにより、検出アーム42及び連係部材43を介して、中央のフロート9が下降側に付勢される。
【0078】
前項の(苗植付装置の昇降制御の詳細)に記載のように、
図3及び
図6に示す状態から苗植付装置5(高さセンサー41)が上昇し、基準姿勢A1に対して検出アーム42が下側に位置する状態となるのであり、検出アーム42が下ストッパー53に当たることにより、検出アーム42が高さセンサー41に対する下限位置B2で止められる。
【0079】
検出アーム42が基準姿勢A1と下限位置B2との間(基準姿勢A1の下側の領域)に位置する状態において、検出アーム42によりバネ50の端部50bが、長孔51の端部51aから離れて長孔51の中央側に位置する状態となるのであり、バネ50に検出アーム42(中央のフロート9)を下降側に付勢する付勢力は発生しない。
【0080】
(苗植付装置の設定高さを低側(植付アームによる植付深さを深側)に変更する状態)
図3,4,5に示すように、植付深さレバー46を上下に操作することにより、支持軸40(支持アーム40a)を軸芯P3周りに回転させて、軸芯P4の位置を上下に変更することができるのであり、植付深さレバー46をレバーガイド47に係合させて位置固定することによって、軸芯P4の位置が固定される。
これにより、設定高さH1が高低に変更されて、植付アーム8による植付深さが変更される。
【0081】
植付深さレバー46を操作することによって、
図2及び
図3に示す設定高さH1の状態から、
図4に示すように、設定高さH1を低くすると、植付アーム8による植付深さが深くなる。
【0082】
図4に示すように、植付深さレバー46により設定高さH1を低くすると(植付アーム8による植付深さを深くすると)、植付深さレバー46の操作が連係ロッド48を介して高さセンサー支持部45に伝達されて、高さセンサー支持部45が、軸芯P6(ブラケット44の支持軸44a)周りに、下側(
図3及び
図4の反時計方向)に姿勢変更される。
これにより、高さセンサー支持部45と一緒に高さセンサー41の姿勢が変更されて、基準姿勢A1が少し上向きに変更される。
【0083】
前述のように設定高さH1を低くするということは、高さセンサー41とフロート9とが接近するということなので、設定高さH1を低くした分だけ、高さセンサー41(高さセンサー支持部45)の姿勢が変更され、基準姿勢A1が少し上向きに変更されることにより、検出アーム42の端部42aが田面Gから基準高さH2(連係部材43の長さに相当する高さ)(
図2参照)に位置した状態に維持される。
【0084】
以上の状態が、植付深さレバー46(設定高さ変更部)による設定高さH1の変更に伴い、高さセンサー41の姿勢が変更され、基準姿勢A1が設定高さH1に対応する向きに変更される状態である。
【0085】
これにより、前項の(苗植付装置の昇降制御の詳細)に記載のように、検出アーム42が基準姿勢A1に位置した状態において、苗植付装置5が田面Gから設定高さH1に位置するのであり、苗植付装置5を田面Gから設定高さH1に維持する操作が行われる。
【0086】
この場合、高さセンサー支持部45と一緒にバネ50の姿勢も変更されるので、バネ50、上ストッパー52及び下ストッパー53において、前項の(検出アームに作用するバネ、上ストッパー及び下ストッパーの構造)に記載と同様な状態が生じる。
【0087】
(苗植付装置の設定高さを高側(植付アームによる植付深さを浅側)に変更する状態)
植付深さレバー46を操作することによって、
図2及び
図3に示す設定高さH1の状態から、
図5に示すように、設定高さH1を高くすると、植付アーム8による植付深さが浅くなる。
【0088】
図5に示すように、植付深さレバー46により設定高さH1を高くすると(植付アーム8による植付深さを浅くすると)、植付深さレバー46の操作が連係ロッド48を介して高さセンサー支持部45に伝達されて、高さセンサー支持部45が、軸芯P6(ブラケット44の支持軸44a)周りに、上側(
図3及び
図5の時計方向)に姿勢変更される。これにより、高さセンサー支持部45と一緒に高さセンサー41の姿勢が変更されて、基準姿勢A1が少し下向きに変更される。
【0089】
前述のように設定高さH1を高くするということは、高さセンサー41とフロート9とが離間するということなので、設定高さH1を高くした分だけ、高さセンサー41(高さセンサー支持部45)の姿勢が変更され、基準姿勢A1が少し下向きに変更されることにより、検出アーム42の端部42aが田面Gから基準高さH2(連係部材43の長さに相当する高さ)(
図2参照)に位置した状態に維持される。
【0090】
以上の状態が、植付深さレバー46(設定高さ変更部)による設定高さH1の変更に伴い、高さセンサー41の姿勢が変更され、基準姿勢A1が設定高さH1に対応する向きに変更される状態である。
【0091】
これにより、前項の(苗植付装置の昇降制御の詳細)に記載のように、検出アーム42が基準姿勢A1に位置した状態において、苗植付装置5が田面Gから設定高さH1に位置するのであり、苗植付装置5を田面Gから設定高さH1に維持する操作が行われる。
【0092】
この場合、高さセンサー支持部45と一緒にバネ50の姿勢も変更されるので、バネ50、上ストッパー52及び下ストッパー53において、前項の(検出アームに作用するバネ、上ストッパー及び下ストッパーの構造)に記載と同様な状態が生じる。
【0093】
(苗植付装置の設定高さ(植付アームによる植付深さ)の変更に伴う整地装置の昇降)
整地装置26は苗植付装置5(支持フレーム12)に支持されているので、前述のように、植付深さレバー46により設定高さH1が変更されると(植付アーム8による植付深さが変更されると)、整地装置26の整地深さ(整地装置26が田面Gに入り込む深さ)が変化する。
【0094】
この場合、
図2に示すように、植付深さレバー46の操作位置を検出する操作位置センサー54が設けられており、操作位置センサー54の検出値が制御装置38に入力されている。
【0095】
植付深さレバー46により設定高さH1を低くすると(植付アーム8による植付深さを深くすると)、操作位置センサー54の検出値に基づいて、制御装置38により電動モータ34が作動操作されて、設定高さH1を低くした分だけ、整地装置26が苗植付装置5に対して上昇操作される。これにより、整地装置26の整地深さ(整地装置26が田面Gに入り込む深さ)が一定値に維持される。
【0096】
植付深さレバー46により設定高さH1を高くすると(植付アーム8による植付深さを浅くすると)、操作位置センサー54の検出値に基づいて、制御装置38により電動モータ34が作動操作されて、設定高さH1を高くした分だけ、整地装置26が苗植付装置5に対して下降操作される。これにより、整地装置26の整地深さ(整地装置26が田面Gに入り込む深さ)が一定値に維持される。
【0097】
(発明の実施の第1別形態)
図8に示すように、高さセンサー支持部45において、長孔51を高さセンサー支持部45の下部に設けるように構成してもよい。
【0098】
(発明の実施の第2別形態)
高さセンサー41の検出軸41a,49の軸芯P5と、ブラケット44の支持軸44aの軸芯P6とを同一に設定して、高さセンサー支持部45(高さセンサー41)が、連係ロッド48により、高さセンサー41の検出軸41a,49の軸芯P5周りに姿勢変更されるように構成してもよい。
フロート9に代えて、平板のソリ状やレーキ状の接地体を使用してもよい。
検出アーム42を、高さセンサー41の検出軸41a,49から後側ではなく、前側に延出するように構成してもよい。