【実施例1】
【0026】
最初に、
図1〜
図6を参照して、本発明の実施例1のカバー体C
1 について説明する。カバー体C
1 は、ボルトBの突出端部Ba及び当該突出端部Baに螺着されたナットNとの双方を覆う天壁部を有する筒状の部材であって、円筒状の周壁部1の筒軸方向Qに沿った一方の開口が天壁部2で閉塞された形状である。カバー体C
1 は、筒軸方向Qに沿って半割りされた一対の分割カバー体C
11,C
12がヒンジ連結された構成である。分割カバー体C
11,C
12は、互いに密着する一方の各第1開口端面3,4の部分には、互いにヒンジ連結される一対のヒンジピン5及び一対のピン嵌合溝6がそれぞれ形成されていると共に、他方の各第2開口端面7,8の部分には、それぞれ方形平板状をした一対の被係止片9及び一対の係止突起11が形成されている。一対の被係止片9は、分割カバー体C
11の第2開口端面7から、円筒状の周壁部1の接線方向に突出する形態で形成されていると共に、一対の係止突起11は、分割カバー体C
12の第2開口端面8に臨む形態で形成されている。分割カバー体C
11の第1開口端面3の外側には、筒軸方向Qに沿って所定間隔をおいて短円柱状のピン形成体部12が筒軸方向Qに沿って対向して形成され、各ピン形成体部12の内側の対向面に、それぞれ前記ヒンジピン5が対向して筒軸方向Qに沿って形成されている。なお、筒軸方向Qとは、正確には筒軸心方向を意味する。
【0027】
分割カバー体C
12の第1開口端面4の外側には、所定間隔をおいて配置された前記一対のピン形成体部12の内側に隙間のない状態で配置される同じく短円柱状の一対のピン嵌合溝形成体部13が所定間隔をおいて筒軸方向Qに沿って対向して形成され、各ピン嵌合溝形成体部13には、当該分割カバー体C
12の第1開口端面4の部分の接線方向に沿い、しかも当該分割カバー体C
12におけるボルトBの突出端部Ba及び当該突出端部Baに螺着されたナットNを収容する収容開口10の側が閉塞されて、反対の側が開口されたピン嵌合溝6〔
図1(b)参照〕が形成されている。このため、
図1(a)に示されるように、一対の分割カバー体C
11,C
12の各開口面が同一平面上に配置されるように配置した状態において、一方の分割カバー体C
11の各ヒンジピン5を、他方の分割カバー体C
12のピン嵌合溝6の前記接線方向に沿った開口から内部に挿入・嵌合させた後に〔この状態が、
図2(a)に示されている〕、前記一対のヒンジピン5を中心にして、各収容開口10が互いに近接する方向に、各分割カバー体C
11,C
12を相対的に回動させると、各分割カバー体C
11,C
12の第1開口端面3,4どうしが、組付け途中では互いに近接すると共に、組付状態では互いに当接することで、
図2(b)に示されるように、各ピン嵌合溝6からヒンジピン5は、抜け出なくなって、各分割カバー体C
11,C
12は、ヒンジ連結状態を維持して互いに回動可能に連結される。
【0028】
分割カバー体C
12の一対の係止突起11が形成されている部分は、別の分割カバー体C
11の方形平板状の一対の被係止片9が密着状態で配置可能とするために、平面状の密着平面14となっている。分割カバー体C
11に設けられた方形平板状の一対の被係止片9の中央部には、別の分割カバー体C
12に設けられた一対の係止突起11と係止される方形状の被係止孔15が形成されている。
【0029】
上記のように、一対の分割カバー体C
11,C
12は、一対のヒンジピン5を中心にしてヒンジ連結され、この状態で、一対の分割カバー体C
11,C
12を相対的に回動させて、各分割周壁部1a,1bの第1開口端面3,4どうし及び第2開口端面7,8どうしを当接させると、分割カバー体C
11の一対の被係止片9は、別の分割カバー体C
12の各密着平面14の外側に配置されて、当該密着平面14に密着され、この状態で、当該各被係止片9が外側に僅かに弾性変形された後に原形状に復元して、当該各被係止片9に形成された各被係止孔15と、分割カバー体C
12に形成された各係止突起11とが係止されることで、一対の分割カバー体C
11,C
12は、一体に組み付けられる。また、一対の分割カバー体C
11,C
12の組付け状態では、当然に、各分割天壁部2a,2bの各第3開口端面16,17も互いに当接する。なお、
図4及び
図10に示されるように、上記した第1、第2及び第3の各開口端面3,4,7,8,16,17は、密封性、即ち、気密性及び水密性の双方を高めるために、段差部を有する二重壁構造になっている。
【0030】
また、カバー体C
1 は、ボルトBの突出端部Ba及び当該突出端部Baに螺着されたナットNを覆うのみならず、覆った状態で、当該カバー体C
1 の内部の一部を、前記ボルトBの突出端部Baのねじ山に係止させることで、ボルトBの突出端部Baを覆っているカバー体C
1 の配置位置を保持すると共に、極端な場合には、当該突出端部Baに対してカバー体C
1 が抜けない構造にしてある。このことを実現するために、ボルトBの突出端部Baのねじ山の間に部分的に挿入される第1及び第2の各部分雌ねじ部F
1 ,F
2 を有する後述のブロック状の一対の雌ねじ駒体Eを使用しており、各分割カバー体C
11,C
12の内周面には、前記雌ねじ駒体Eを組付け可能とする嵌入組付け溝23a,23bが対向してそれぞれ形成されている。また、一対の分割カバー体C
11,C
12を円筒状に組み付けた状態では、天壁部2と対向する部分に下端開口18〔
図3(b)及び
図10参照〕が形成され、
図4(b)において、21,22は、カバー体C
1 の使用時において、ボルトBが突出する基板面91aに当接する各分割カバー体C
11,C
12の各下端面を示す。
【0031】
上記した雌ねじ駒体Eは、ヒンジ連結された各分割カバー体C
11,C
12の内側に対向状態で組み付けられて使用される。即ち、雌ねじ駒体Eは、
図5及び
図6に示されるように、直方体ブロック状の駒体本体31の互いに背中合わせとなる各平面32,33a(33b)には、外径の異なる複数種類のボルトBに対応して、大きさの異なる断面半円状の各凹部34,35が、分割カバー体C
11,C
12に組込んだ状態で、筒軸方向Qに沿うように形成され、各凹部34,35の内周面に、外径の異なる複数種類のボルトBに対応する中心角がほぼ180°の第1及び第2の各部分雌ねじ部F
1 ,F
2 が、それぞれ形成されている。雌ねじ駒体Eは、ボルトBの突出端部Baに部分的に螺着されて、当該突出端部Baをカバー体C
1 で覆っている状態で、当該カバー体C
1 が当該突出端部Baから抜けるのを防止できれば十分であるため、駒体本体31の各凹部34,35に形成される各部分雌ねじ部F
1 ,F
2 は、ボルトBの突出端部Baの全てのねじ山に螺着される必要はないので、部分雌ねじとしてある。また、後述のように、雌ねじ駒体Eは、上下反転させて使用することがあるため、前記各凹部34,35における筒軸方向Qに沿った両端部に、それぞれ第1及び第2の各部分雌ねじ部F
1 ,F
2 が形成されて、いずれか一方がボルトBの突出端部Baに部分係止状態で螺着される。なお、
図6(b)において、F
1a, F
2aは、それぞれ第1及び第2の各部分雌ねじ部F
1 ,F
2 のねじ山部を示す。
【0032】
駒体本体31の前記各凹部34,35が形成された平面32,33a(33b)に対して直交して背中合わせとなる各平面36,37には、前記各分割カバー体C
11,C
12の内面に対向して形成された各嵌入組付け溝23a,23bに嵌入されて、当該駒体本体31を前記各分割カバー体C
11,C
12の内部に一体に組み付けるための複数の嵌入突部38が、当該各分割カバー体C
11,C
12に対する駒体本体31の嵌入方向Rと直交する方向に沿って一定ピッチSeをおいて当該嵌入方向Rに沿って形成されている。各嵌入突部38の嵌入方向Rに沿った上下面は、当該嵌入方向Rに沿った両端から中央に向けて僅かに漸次厚肉となるように形成されることで、分割カバー体C
11,C
12に対して圧入状態で嵌入され、背中合わせとなった各平面36,37にそれぞれ形成されている複数(実施例では3個)の嵌入突部38の前記筒軸方向Qに沿った配置位置は、同一である。なお、前記嵌入突部38の嵌入方向Rに沿って両端の肉厚Teは、相上下する嵌入突部38の間に形成される嵌入溝39の嵌入方向に沿った基端の内幅Weに等しく、各嵌入溝39のピッチ(間隔)は、嵌入突部38及び嵌入溝39のピッチSeの半分と同一である。この結果、(Te=We=Se/2)の関係が成立する。なお、駒体本体31の残りの背中合わせに対向する2面は、一対の雌ねじ駒体Eの対面保持姿勢の変更に、いずれか一方が上面となって、他方が下面となるので、2面を上下面41と総称する。
【0033】
また、
図21の表に、複数のメートルねじ及びウイットねじのピッチ、外径、有効径及び谷径が示されている。第1部分雌ねじ部F
1 は、M10(外径10mmメートルねじ)のボルトB
1 と、M12(外径12mmメートルねじ)のボルトB
2 と、W3/8 (1インチに16のねじ山を有するウイットねじ)のボルトB
4 と、W1/2 (1インチに12のねじ山を有するウイットねじ)のボルトB
5 とに適用され、第2部分雌ねじ部F
2 は、M16(外径16mmメートルねじ)のボルトB
3 と、W5/8 (1インチに11のねじ山を有するウイットねじ)のボルトB
6 に適用される。なお、第1及び第2の各部分雌ねじ部F
1 ,F
2 の螺着の対象として、一般使用されるメートルねじのみならず、ウイットねじも含めたのは、ウイットねじは、JISのねじ規格では廃止されているが、特に建築業界で使用され続け、その建築物又は建造物が現在でも使用されている結果、ウイットねじが残存していることによる。
【0034】
このように、第1部分雌ねじ部F
1 は、第2部分雌ねじ部F
2 に比較して、部分螺着対象のボルトの外径差が大きい。換言すると、一種類の第1部分雌ねじ部F
1 により、外径差の大きな複数種類のボルトに対して部分螺着させる必要がある。これを解決するために、第1部分雌ねじ部F
1 が対向配置される一対の雌ねじ駒体Eの対向間隔を広くすることで、M12のボルトB
2 とW1/2 のボルトB
5 に部分螺着可能となり、その実現手段として、駒体本体31の上下面41を反転させた状態において、各駒体本体31の対向方向に沿って配置位置を変更可能な構成を採用した。具体的には、第2部分雌ねじ部F
2 が形成されることで、その幅方向の両端部に残存する各平面33a,33bを、前記嵌入方向Rに沿って段差43を設けることで、当該嵌入方向Rに沿って突出した平面33bの部分に、前記各分割カバー体C
11,C
12にぞれぞれ形成された嵌合溝24a,24bに嵌合される嵌合突部44を設けることで、一対の雌ねじ駒体Eの対向方向に沿った間隔を広くできるようにしてある。
【0035】
カバー体C
1 を構成する各分割カバー体C
11,C
12に、上記した一対の雌ねじ駒体Eを、第1及び第2の各部分雌ねじ部F
1 ,F
2 のいずれか一方を対向状態で組付け可能とするために、各分割カバー体C
11,C
12の内周面には、筒軸方向Qに沿って前記駒体本体31の背中合わせの各平面36,37にそれぞれ形成された各嵌入突部38を嵌入するための複数の嵌入組付け溝23a,23bが、当該嵌入突部38の形成ピッチSeと同一のピッチScをおいて、分割カバー体C
11,C
12の直径方向に対向してそれぞれ形成されている。即ち、
図1〜
図3、特に、
図3に詳細に図示されているように、複数の嵌入組付け溝23a,23bを形成するために、複数の側板体25a,25bが前記ピッチScでもって、各分割カバー体C
11,C
12の内周面に対向して配置され、相上下する各側板体25a,25bの間に前記嵌入組付け溝23a,23bが形成される。各分割カバー体C
11,C
12に形成される各嵌入組付け溝23a,23bの内幅Wcは、各側板体25a,25bの肉厚(板厚)Tcと同一であって、前記ピッチScの半分である。よって、(Tc=Wc=Sc/2)の関係が成立し、雌ねじ駒体Eとの関係では、(Tc=Te,Wc=We,Sc=Se)となる。
【0036】
また、筒軸方向Qに沿って同一位置に、当該筒軸方向Qと直交する方向に沿って対向配置された前記側板体25a,25bと同一高さ位置に、前記駒体本体31における第2部分雌ねじ部F
2 が形成された側の二つの平面33a,33bのいずれか一方を前端面26a
1,26b
1に当接させる奥板体26a,26bが配置され、当該各奥板体26a,26bにおける前記各側板体25a,25bの対向方向に沿った一端部には、駒体本体31の平面33bの部分に形成された嵌合突部44を部分嵌合させる嵌合溝24a,24bがそれぞれ形成されている。
【0037】
また、各分割カバー体C
11,C
12の直径方向から、当該各分割カバー体C
11,C
12の嵌入組付け溝23a,23bに、雌ねじ駒体Eの嵌入突部38を嵌入することで、相対的に、雌ねじ駒体Eの嵌入溝39に、各分割カバー体C
11,C
12の側板体25a,25bが嵌入されて、駒体本体31の背中合わせに対向している計3面の各平面32,33a,33bのいずれか一つの面が、各分割カバー体C
11,C
12の奥板体26a,26bの前端面26a
1, 26b
1に当接することで、各分割カバー体C
11,C
12の内部に、それぞれ同一形状の雌ねじ駒体Eが、筒軸方向Qに沿ってほぼ同一位置に配置された後に、各分割カバー体C
11,C
12を閉じると、上面が天壁部2で閉塞された筒状のカバー体C
1 となる。これにより、一対の雌ねじ駒体Eが対向配置されて、内周面に部分雌ねじ部F
1 (F
2 )が形成された状態において、各雌ねじ駒体Eに形成されている部分雌ねじ部F
1 (F
2 )は、筒軸方向Qに沿ってボルトBのねじ山のピッチPの半分(P/2)だけずらす必要がある。ここで、「ボルトBのねじ山のピッチP」とは、当該部分雌ねじ部F
1 (F
2 )が螺着の対象としている複数種類のボルトBのピッチの「平均ピッチ」を指す。
【0038】
また、
図1、
図2及び
図4において、一方の分割カバー体C
12の分割周壁部1bの下端の側板体25bと下端開口18との中間部に充填開口27が形成されており、当該充填開口27は、ビスの頭部の外観を有する閉塞板部28で閉塞されている。そして、ボルトBの突出端部Ba及びナットNと、これらを覆うカバー体C
1 との間に形成される空間部のうち当該ナットNが配置されている内部空間29に充填材92を充填して、前記ボルトBの突出端部Ba及びナットNの腐食を確実に防止する場合には、前記閉塞板部28を取り外して形成された充填開口27から前記内部空間29に充填材92を充填すればよく、充填の必要がない場合は、充填開口27は,閉塞板部28で閉塞されたまま使用すればよい。
【0039】
そして、上記したカバー体C
1 と一対一組の雌ねじ駒体Eを使用して、ボルトBの突出端部Baを、当該突出端部Baに対してカバー体C
1 が軸方向にずれない状態で覆うには、以下のようにして行う。なお、
図10は、一対の雌ねじ駒体Eの保持姿勢を模式的に説明するための図であるため、各分割カバー体C
11,C
12の側板体25a,25b及び奥板体26a,26bは、簡略表示してある。一対一組の雌ねじ駒体Eは、配置により、ボルトBの大きさに応じた計3種類の対向保持姿勢を選択できる。即ち、
図10(a)のように、各駒体本体31の第1部分雌ねじ部F
1 を対向させ、しかも背面側の平面33bの部分に形成された嵌合突部44が、各分割カバー体C
11,C
12の嵌合溝24a,24bに嵌合されるように配置すると、外径12mmのメートルねじのボルトB
2 (M12)及び1インチに12のねじ山を有するウイットねじのボルトB
5 (W1/2 )の双方に対して部分螺着可能となる。また、上記した第1姿勢から、第1部分雌ねじ部F
1 が対面した状態を維持して、各雌ねじ駒体Eの上下面41を反転させると、
図10(b)に示されるように、駒体本体31の背面側の平面33bが、分割カバー体C
11,C
12の奥板体26a,26bの前端面26a
1,26b
1に当接して、前記第1姿勢に対して各駒体本体31が近接することで、外径10mmのメートルねじのボルトB
1 (M10)及び1インチに16のねじ山を有するウイットねじのボルトB
4 (W3/8 )の双方に対して部分螺着可能な第2姿勢となる。更に、第1及び第2の各姿勢から、各駒体本体31の対面を反転させると、
図10(c)に示されるように、駒体本体31の平面32が、各分割カバー体C
11,C
12の奥板体26a,26bの前端面26a
1,26b
1に当接することで、各第2部分雌ねじ部F
2 が対面して、外径16mmのメートルねじのボルトB
3 (M16)及び1インチに11のねじ山を有するウイットねじのボルトB
6 (W5/8 )の双方に対して部分螺着可能な第3姿勢となる。
【0040】
このため、カバー体C
1 で覆う対象のボルトBの大きさ及び当該ボルトBの突出端部Baの突出長に対応して、上記した第1〜第3の保持姿勢のいずれかを選択して、一対一組の各雌ねじ駒体Eを各分割カバー体C
11,C
12の内部に組み付けて収容する。即ち、第1〜第3の保持姿勢からボルトBの突出端部Baに対応した保持姿勢を選択して、当該保持姿勢となるように、ヒンジ連結された各分割カバー体C
11,C
12の内部に一体に組み付ける。
図7〜
図12に示される例は、M12のメートルねじのボルトB
2 (M12)であって、当該ボルトB
2 の突出端部B
2aにナットNが二重に螺着され、雌ねじ駒体Eの下端が上段のナットNに最も近接するような位置に、各分割カバー体C
11,C
12に対して各雌ねじ駒体Eが組み付けられる。このため、各雌ねじ駒体Eの駒体本体31の両側面の各平面36,37に設けられた計3段(3個)の嵌入突部38のうち、上段から起算して2個の嵌入突部38が、各分割カバー体C
11,C
12に設けられた嵌入組付け溝23a,23bに嵌入されることで、各分割カバー体C
11,C
12の内部に、それぞれ雌ねじ駒体Eが組み付けられている。
【0041】
そして、基板面91aから突出したボルトBの突出端部Ba及び当該突出端部Baに螺着されたナットNをカバー体C
1 で覆うには、以下のようにして行う。即ち、
図11(a)に示されるように、基板面91aの上面において、ヒンジ連結された各分割カバー体C
11,C
12を最大に開いておき、この状態で、ヒンジ連結された各分割カバー体C
11,C
12の下端面21,22を基板面91aの上面を摺動させて、
図11(b)に示されるように、一方の分割カバー体C
12の収容開口10から内部に、前記ボルトBの突出端部Baが雌ねじ駒体Eの第1部分雌ねじ部F
1 が形成された凹部34に収容されるようにして、前記ボルトBの突出端部Ba及びナットNを、当該分割カバー体C
11の内部に収容させる。この状態で、
図11(c)に示されるように、ボルトBの突出端部Ba及びナットの軸方向に沿った半分を収容している一方の分割カバー体C
12に対して他方の分割カバー体C
11をヒンジ回動させると、分割カバー体C
12の分割周壁部1bにおける収容開口10に臨んだ部分に形成された上下一対の各係止突起11と、他方の分割カバー体C
11の各被係止孔15とが互いに係止されて、各分割カバー体C
11,C
12が一体に組み付けられる。この状態では、
図11(d)及び
図12に示されるように、各分割カバー体C
11,C
12の分割周壁部1a,1bの第1開口端面3,4どうし、第2開口端面7,8どうし、及び分割天壁部2a,2bの第3開口端面16,17どうしが、それぞれ互いに重合壁(二重壁)構造で密着することで、周壁部1及び天壁部2の各切割り開口状の部分がシール状態で密着される。なお、
図11(d)において、45,46は、それぞれカバー体C
1 の周壁部1及び天壁部2の切割り線を示す。なお、
図12において、91は、コンクリート基礎93の上面に配置された基板を示す。
【0042】
また、各駒体本体31の凹部34に形成された上下の各部分雌ねじ部F
1 のうち下方の部分雌ねじ部F
1 が、ボルトBの突出端部Baの雄ねじ部に部分螺着されるため、当該ボルトBの突出端部Baに対してカバー体C
1 が外れることはない。更に、分割カバー体C
12の分割周壁部1bに形成された閉塞板部28を除去して形成される充填開口27から、カバー体C
1 の下半部に形成される内部空間に充填材92を充填すると、ボルトBの突出端部Ba及び当該突出端部Baに螺着されたナットNの腐食を一層確実に防止できる。なお、充填材92の充填の必要がない場合には、充填開口27は,閉塞板部28で閉塞されたままにしておけばよい。
【0043】
このため、
図16及び
図17に示されるようなキュービクル94を構成する金属製ボックス95の下端部の周縁には、アンダーカット状空間96が形成され、コンクリート基礎93に埋設されたボルトBの上端部は、前記アンダーカット状空間96に突出するように施工される。しかし、本発明に係るカバー体C
1 によれば、前記ボルトBの突出端部Baは、その側方から分割カバー体C
11,C
12の内部に収容できるため、ボルトBの突出端部Baの直上に近い部分に、アンダーカット状空間96の天面が存在していて、当該ボルトBの突出端部Baの直上からは、カバー体を覆い被せることが不能な場合でも、当該突出端部Baを覆うことができる。