(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電気コネクタはUSBコネクタを含み、前記加湿ユニットの前記コネクタは前記USBコネクタに対応するUSBコネクタを含む、請求項1または2に記載のカートリッジ。
前記第1端にある単一のセンサが温度センサであり、前記第2端にある前記2つのセンサのうちの1つが温度センサであって他のセンサが流れセンサである、請求項1に記載のカートリッジ。
1つ以上のアームをさらに備え、当該アームは前記加湿チャンバの外側に沿って延在して、前記カートリッジを前記加湿チャンバとの連結のために位置決めするように適合されている、請求項2から12のうちのいずれか一項に記載のカートリッジ。
前記1つ以上のアームは、衝突または強打されたときにカートリッジが受ける荷重を吸収するかまたは受け止め、力が前記センサを伝わらずに前記アームを伝わるようにするように構成されている、請求項13に記載のカートリッジ。
前記1つ以上のアームはインターロック部分を含み、前記インターロック部分は前記加湿チャンバに設けられた相補的なインターロック部分と係合し、使用時に前記加湿チャンバと前記カートリッジとを連結する、請求項13に記載のカートリッジ。
前記第1端は、その中に前記単一のセンサが取り付けられる第1ソケットを画定する第1ウイングを含み、前記第2端は、その中に前記2つのセンサが取り付けられる第2ソケットを画定する第2ウイングを含む、請求項1から16のうちのいずれか一項に記載のカートリッジ。
前記センサは、前記第1端及び前記第2端に着脱可能に結合され、これにより前記センサの交換が可能となっている、請求項1から17のうちのいずれか一項に記載のカートリッジ。
前記センサは、前記加湿ユニットから前記カートリッジ及び前記加湿チャンバを繰り返し取り外し交換しても前記センサが前記ガス流路内に一貫して位置決めされるように、前記カートリッジに設けられている、請求項20に記載の加湿装置。
前記開口部は前記ポートの壁に固定されたバリアを有し、前記バリアは前記開口部を気密に封止し、前記センサの少なくとも一部は、前記バリアが前記センサを前記ガス流路から隔離するように、取り除き可能に前記バリア内に配置される、請求項21に記載の加湿装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本明細書には、加湿チャンバの液位及び流体の流れにおける流れ特性の検知を促進し得る一方で、廃棄物を低減し、且つ特定の構成部品の適度な再使用を促進する加湿装置が記載される。医療用管及び医療用管の製造方法もまた、本明細書において様々な実施形態に開示される。本発明の特定の特徴、態様及び利点は、上述の欠点を解消するいくらかの助けとなり、及び/又は少なくとも公衆に有用な選択肢を提供する。
【0007】
構成によっては、加湿装置は加圧ガス源を含む。加圧ガス源は出口を含む。加圧ガス源の出口は、加湿ユニットに至る入口に接続する。加湿ユニットは出口を含む。加湿ユニットの出口は送気部品に接続する。加圧ガス源と送気部品との間に流路が画定される。センサが、流路内の流れ特性を検知するように適合される。流路は開口部を含む。センサは開口部を通って流路の中まで延在する。センサは検知部分を含む。流路とセンサとの間にバリアが位置決めされる。バリアはセンサの検知部分に接触し、バリアは、検知部分と接触する領域において略一定の厚さを含む。
【0008】
構成によっては、加湿ユニットは加湿チャンバを含み、加湿チャンバはポートを含み、且つ開口部は、ポートの少なくとも一部分を画定する壁を貫通して延在する。
【0009】
構成によっては、センサは第1のサーミスタと第2のサーミスタとを含む。バリアは、第1のサーミスタを受け入れる第1のスリーブと、第2のサーミスタを受け入れる第2のスリーブとを含む。構成によっては、2つのサーミスタは単一のバリア内に位置決めされ得る。
【0010】
構成によっては、第1のサーミスタが被加熱型であり、且つ第2のサーミスタが非被加熱型である。
【0011】
構成によっては、バリアは、装着部分と、第1の厚さと、第1の厚さ未満である第2の厚さとを含む。第2の厚さはセンサの検知部分に隣接して位置する。第1の厚さを有する領域は、装着部分と第2の厚さを有する部分との間に位置決めされる。
【0012】
構成によっては、バリアは先端部分と装着部分とを含む。装着部分がバリアを開口部内に固定し、先端部分は厚さが減少している。
【0013】
構成によっては、バリアは、開口部を気密封止し、且つ検知部分が流路内に位置決めされ得るとともに装着部分が流路外に位置決めされるようにしてセンサの少なくとも一部分を受け入れる。
【0014】
構成によっては、センサはカートリッジによって支持される。加湿ユニットは加湿チャンバを含む。カートリッジと加湿チャンバとは着脱自在に取り付けられ、且つインターロックコネクタを含む。
【0015】
構成によっては、カートリッジは、カートリッジが加湿チャンバに装着され、且つ加湿チャンバが加湿ユニットに装着されると、加湿ユニットと電気的接続をなすように適合されたコネクタを含む。
【0016】
構成によっては、加湿チャンバからのカートリッジの取外し及び交換を繰り返してもセンサの検知部分が一貫して位置決めされるように、カートリッジは、加湿チャンバを通る流路の一部分に対して再現性のある形でセンサを支持する。
【0017】
構成によっては、バリアは略円筒形ベースと略釣鐘型ヘッドとを含む。
【0018】
構成によっては、略釣鐘型ヘッドは複数の撓曲可能なリブを含む。
【0019】
構成によっては、複数のリブは三角形であり、釣鐘型ヘッドの周囲に位置決めされる。
【0020】
構成によっては、複数のリブの1つ以上は、離間幅に対するリブ幅の比が約3.7である。
【0021】
構成によっては、加湿チャンバは、チャンバを画定する外側本体を含む。入口ポートが、チャンバに入る通路を画定する壁を含む。出口ポートが、チャンバから出る通路を画定する壁を含む。入口ポートの壁は第1の開口部を含む。第1の開口部は第1のシール部材を受け入れる。第1のシール部材は、入口ポートの壁を貫通して延在する第1の開口部を気密封止する。出口ポートの壁は第2の開口部を含む。第2の開口部は第2のシール部材を受け入れる。第2のシール部材は、出口ポートの壁を貫通して延在する第2の開口部を気密封止する。チャンバの外側本体にインターロック構造によってカートリッジを着脱自在に取付け可能である。カートリッジは、第1のシール内に受け入れ可能な、且つ第1の開口部を通って延在する第1のセンサを支持する。カートリッジは、第2のシール内に受け入れ可能な、且つ第2の開口部を通って延在する第2のセンサを支持する。
【0022】
構成によっては、第1のセンサは第1の検知部品と第2の検知部品とを含む。第1のシール部材が第1の検知部品を第2の検知部品と分離する。
【0023】
構成によっては、第1の検知部品は第1のサーミスタであり、第2の検知部品は第2のサーミスタである。
【0024】
構成によっては、第1のシール部材及び第2のシール部材は着脱自在である。
【0025】
構成によっては、第1のシール部材は、第1のセンサの検知部分と接触するように適合された接触部分を有し、この接触部分は厚さが減少している。
【0026】
構成によっては、第1のシール部材は、第1のセンサの検知部分と接触するように適合された接触部分を有し、この接触部分は略接触の厚さを有する。
【0027】
構成によっては、カートリッジは電気コネクタを含み、この電気コネクタは第1のセンサ及び第2のセンサに電気的に接続される。
【0028】
構成によっては、インターロック構造は、チャンバの外側本体に画定された凹部と、カートリッジに画定されたボスとを含む。
【0029】
一部の実施形態は、液位検知システムを有し、且つ導電性液体を保持するように適合されたチャンバを提供する。このチャンバは、内表面と外表面とを有する非導電性壁と、液体の保持に適合された容器を形成するよう非導電性壁に取着された導電性ベースとを含む本体を備える。チャンバは、非導電壁の外表面に位置決めされたセンサ電極を備える。チャンバは、導電性ベースと電気的に結合され、且つ導電性ベースの外表面に位置決めされたベース電極を備える。チャンバは、非導電壁の内表面に取り付けられた導電性ブリッジを備える。チャンバは、センサ電極と電気的に結合された電圧源及び検出システムを備える。導電性ブリッジとセンサ電極とは、チャンバにおいて互いに容量的に結合され、導電性液体がブリッジ及びベース電極の両方に接触すると、導電性ブリッジとベース電極とが互いに導電的に結合され得る。チャンバの液位を決定するため、電圧源がセンサ電極に可変電圧を供給するように構成され、且つ検出システムがセンサ電極のキャパシタンスを測定するように構成される。
【0030】
一部の実施形態は、液位検知システムを有し、且つ非導電性液体を保持するように適合されたチャンバを提供する。このチャンバは、内表面と外表面とを有する非導電性壁と、液体の保持に適合された容器を形成するよう非導電性壁に取着された導電性ベースとを含む本体を備える。チャンバは、非導電壁の外表面に位置決めされたセンサ電極を備える。チャンバは、導電性ベースと電気的に結合され、且つ導電性ベースの外表面に位置決めされたベース電極を備える。チャンバは、非導電壁の内表面に取り付けられた導電性ブリッジを備える。チャンバは、センサ電極と電気的に結合された電圧源及び検出システムを備える。導電性ブリッジとセンサ電極とは、チャンバにおいて互いに容量的に結合され、導電性ブリッジとベース電極とは互いに容量的に結合される。チャンバの液位を決定するため、電圧源がセンサ電極に可変電圧を供給するように構成され、且つ検出システムがセンサ電極のキャパシタンスを測定するように構成される。
【0031】
一部の実施形態は、液位検知システムを有し、且つ導電性液体を保持するように適合されたチャンバを提供する。このチャンバは、内表面と外表面とを有する非導電性壁と;非導電壁の内表面に取り付けられた吸上材であって、吸上材を介して導電性液体が非導電性壁を上動することを可能にするように構成された吸上材と;液体の保持に適合された容器を形成するよう非導電性壁に取着された導電性ベースとを含む本体を備える。チャンバは、非導電壁の外表面に位置決めされたセンサ電極を備える。チャンバは、センサ電極と電気的に結合された電圧源及び検出システムを備える。センサ電極と導電性液体とは互いに容量的に結合される。チャンバの液位を決定するため、電圧源がセンサ電極に可変電圧を供給するように構成され、且つ検出システムがセンサ電極のキャパシタンスを測定するように構成される。
【0032】
構成によっては、様々な医療用回路において使用可能な複合管が、螺旋状に巻回された長尺中空本体を含む第1の長尺部材と、螺旋状に巻回された中空本体の巻きの間に螺旋状に巻回された長尺構造部品を含む第2の長尺部材とを備える。第1の長尺部材は、長手方向断面において、ルーメンにある面が平らな複数のバブルを形成し得る。隣接するバブルは第2の長尺部材の上側の間隙によって分離されてもよく、又は互いに直接接続されていなくてもよい。バブルは穿孔を有してもよい。構成によっては、「ダブルバブル」管が、第2の長尺部材の巻付部の間に複数のバブル、例えば第1の長尺部材の2つの隣接する巻付部を含む。第2の長尺部材は、ルーメンに近い程幅が広く、ルーメンから径方向に離れると狭くなる長手方向断面を有し得る。具体的には、第2の長尺部材は、略三角形、略T字型、又は略Y字型の長手方向断面を有し得る。1つ以上の導電性フィラメントが第2の長尺部材に埋設又は封入され得る。1つ以上の導電性フィラメントは、加熱フィラメント(又はより具体的には抵抗加熱フィラメント)及び/又は検知フィラメントであってよい。管は、導電性フィラメントの対、例えば2つ又は4つの導電性フィラメントを含み得る。導電性フィラメントの対は、複合管の一端で接続ループとなるように形成され得る。1つ以上の導電性フィラメントはルーメン壁から離間され得る。少なくとも1つの実施形態において、第2の長尺部材が、略三角形、略T字型、又は略Y字型の長手方向断面を有してもよく、1つ以上の導電性フィラメントが、第2の長尺部材において三角形、T字型、又はY字型の対向する両側に埋設又は封入され得る。
【0033】
構成によっては、加湿装置は、出口を含む加圧ガス源を含む。加圧ガス源の出口は、加湿ユニットに至る入口に接続される。加湿ユニットは出口を含む。加湿ユニットの出口は送気部品に接続される。加圧ガス源と送気部品との間に流路が画定される。センサが、流路内の流れ特性を検知するように適合される。流路は開口部を含む。センサは開口部を通って流路の中まで延在する。センサは検知部分を含む。流路とセンサとの間にバリアが位置決めされる。バリアはセンサの検知部分に接触し、バリアは、検知部分と接触する領域において略一定の厚さを含む。
【0034】
構成によっては、加湿ユニットは加湿チャンバを含む。加湿チャンバはポートを含み、ポートの少なくとも一部分を画定する壁を貫通して開口部が延在する。
【0035】
構成によっては、センサは第1のサーミスタと第2のサーミスタとを含む。バリアは、第1のサーミスタを受け入れる第1のスリーブと、第2のサーミスタを受け入れる第2のスリーブとを含む。
【0036】
構成によっては、第1のサーミスタが被加熱型であり、且つ第2のサーミスタが非被加熱型である。
【0037】
構成によっては、バリアは、装着部分と、第1の厚さと、第1の厚さ未満である第2の厚さとを含む。第2の厚さはセンサの検知部分に隣接して位置し、第1の厚さを有する領域が、装着部分と第2の厚さを有する部分との間に位置決めされる。
【0038】
構成によっては、バリアは先端部分と装着部分とを含む。装着部分がバリアを開口部内に固定し、先端部分は減少した厚さを含む。
【0039】
構成によっては、バリアは開口部を気密封止し、検知部分が流路内に位置決めされ得るとともに装着部分が流路外に位置決めされ得るようにしてセンサの少なくとも一部分を受け入れる。
【0040】
構成によっては、センサはカートリッジによって支持される。加湿ユニットは加湿チャンバを含む。カートリッジと加湿チャンバとは着脱自在に取り付けることができ、インターロックコネクタを含み得る。
【0041】
構成によっては、カートリッジは、カートリッジが加湿チャンバに装着され、且つ加湿チャンバが加湿ユニットに装着されると、加湿ユニットと電気的接続をなすように適合されたコネクタを含む。
【0042】
構成によっては、加湿チャンバからのカートリッジの取外し及び交換を繰り返してもセンサの検知部分が一貫して位置決めされるように、カートリッジは、加湿チャンバを通る流路の一部分に対して再現性のある形でセンサを支持する。
【0043】
構成によっては、加湿チャンバは、チャンバを画定する外側本体を含む。入口ポートが、チャンバに入る通路を画定する壁を含む。出口ポートが、チャンバから出る通路を画定する壁を含む。入口ポートの壁は第1の開口部を含む。第1の開口部は第1のシール部材を受け入れる。第1のシール部材は、入口ポートの壁を貫通して延在する第1の開口部を気密封止する。出口ポートの壁は第2の開口部を含む。第2の開口部は第2のシール部材を受け入れる。第2のシール部材は、出口ポートの壁を貫通して延在する第2の開口部を気密封止する。チャンバの外側本体にインターロック構造によってカートリッジを着脱自在に取付け可能である。カートリッジは、第1のシール内に受け入れ可能な、且つ第1の開口部を通って延在する第1のセンサを支持する。カートリッジは、第2のシール内に受け入れ可能な、且つ第2の開口部を通って延在する第2のセンサを支持する。
【0044】
構成によっては、第1のセンサは第1の検知部品と第2の検知部品とを含む。第1のシール部材は第1の検知部品を第2の検知部品と分離する。
【0045】
構成によっては、第1の検知部品は第1のサーミスタであり、第2の検知部品は第2のサーミスタである。
【0046】
構成によっては、第1のシール部材及び第2のシール部材は着脱自在である。
【0047】
構成によっては、第1のシール部材は、第1のセンサの検知部分と接触するように適合された接触部分を有する。接触部分は厚さが減少している。
【0048】
構成によっては、第1のシール部材は、第1のセンサの検知部分と接触するように適合された接触部分を有する。接触部分は略接触の厚さを有する。
【0049】
構成によっては、カートリッジは電気コネクタを含む。電気コネクタは第1のセンサ及び第2のセンサと電気的に接続される。
【0050】
構成によっては、インターロック構造は、チャンバの外側本体に画定された凹部と、カートリッジに画定されたボスとを含む。
【0051】
構成によっては、チャンバは液位検知システムを有し、且つ導電性液体を保持するように適合される。チャンバは、内表面、外表面を有する非導電性壁と、液体の保持に適合された容器を形成するよう非導電性壁に取着された導電性ベースとを備える本体を含む。センサ電極が非導電壁の外表面に位置決めされ得る。ベース電極が導電性ベースに電気的に結合されてもよく、導電性ベースの外表面に位置決めされ得る。導電性ブリッジが非導電壁の内表面に取り付けられ得る。導電性ブリッジはセンサ電極と容量的に結合され得る。導電性液体がブリッジ及びベース電極の両方に接触すると、導電性ブリッジとベース電極とが導電的に結合され得る。電圧源をセンサ電極と電気的に結合してもよく、センサ電極に可変電圧を供給するように構成することができる。検出システムをセンサ電極と電気的に結合してもよく、センサ電極のキャパシタンスを測定するように構成することができる。
【0052】
構成によっては、センサ電極の少なくとも一部分が導電性ベースから離れる方向に導電性ブリッジを超えて延在するように、センサ電極が導電性ブリッジと比べて導電性ベースからさらに遠くに位置決めされる。
【0053】
構成によっては、検出システムは、導電液体の液位が導電ブリッジより高くなったときのセンサ電極のキャパシタンスの変化を検出するように構成される。
【0054】
構成によっては、検出システムは、導電液体の液位がセンサ電極を下回ったときのセンサ電極のキャパシタンスの変化を検出するように構成される。
【0055】
構成によっては、センサ電極は導電性ベースより大きい。
【0056】
構成によっては、ベース電極は電気グランドに電気的に結合される。
【0057】
構成によっては、導電性ベースは液位検知システムに仮想電気グランドを提供する。
【0058】
構成によっては、電圧源は交流電圧源を含む。
【0059】
構成によっては、センサ電極のキャパシタンスは、導電液体が導電ブリッジに接触すると離散的な量だけ増加する。
【0060】
構成によっては、加湿ユニットが、上記に考察したとおりのチャンバを組み込む。
【0061】
構成によっては、チャンバが液位検知システムを有し、且つ非導電性液体を保持するように適合される。チャンバは、内表面と外表面とを有する非導電性壁と、液体の保持に適合された容器を形成するよう非導電性壁に取着された導電性ベースとを含む本体を含む。センサ電極が非導電壁の外表面に位置決めされ得る。ベース電極が導電性ベースに電気的に結合されてもよく、導電性ベースの外表面に位置決めされ得る。導電性ブリッジが非導電壁の内表面に取り付けられ得る。電圧源がセンサ電極と電気的に結合され得る。検出システムがセンサ電極と電気的に結合され得る。導電性ブリッジ及びセンサ電極は容量的に結合され得る。導電性ブリッジとベース電極とは容量的に結合され得る。電圧源は、センサ電極に可変電圧を供給するように構成され得る。検出システムは、センサ電極のキャパシタンスを測定するように構成され得る。
【0062】
構成によっては、検出システムはさらに、センサ電極のキャパシタンスに対応する液位を決定するように構成される。
【0063】
構成によっては、検出システムは、液切れ状態又は満水状態のうちの少なくとも1つを判断するように構成される。
【0064】
構成によっては、検出システムはさらに、液位に対応する通知を提供するように構成される。
【0065】
構成によっては、センサ電極は非導電壁の外表面に着脱自在に取り付けられる。
【0066】
構成によっては、加湿ユニットが、上記に記載したとおりのチャンバを組み込む。
【0067】
構成によっては、チャンバが液位検知システムを有し、且つ導電性液体を保持するように適合される。チャンバは、内表面と外表面とを有する非導電性壁を含む本体を含む。非導電壁の内表面に吸上材が取り付けられ得る。吸上材は、吸上材を介して導電性液体が非導電性壁を上動することを可能にするように構成され得る。非導電性壁に導電性ベースが取着され、液体を保持するように適合された容器を形成する。センサ電極が非導電壁の外表面に位置決めされ得る。電圧源がセンサ電極と電気的に結合され得る。検出システムがセンサ電極と電気的に結合され得る。センサ電極と導電性液体とは容量的に結合され得る。電圧源は、センサ電極に可変電圧を供給するように構成され得る。検出システムは、センサ電極のキャパシタンスを測定するように構成され得る。
【0068】
構成によっては、検出システムは、チャンバに導電液体がないとき液切れ状態と判断するように構成される。
【0069】
構成によっては、検出システムは、液切れ状態と判断されたとき通知を提供するように構成される。
【0070】
構成によっては、加湿ユニットが、上記に記載したとおりのチャンバを組み込み得る。
【0071】
構成によっては、複合管が、螺旋状に巻回されることで長手方向軸を有する長尺管を少なくとも一部形成する中空本体を含む第1の長尺部材を含む。長手方向軸に沿ってルーメンが延在する。中空壁がルーメンを取り囲む。第2の長尺部材が螺旋状に巻回され、第1の長尺部材の隣接する巻きの間に接合される。第2の長尺部材は、長尺管のルーメンの少なくとも一部分を形成する。
【0072】
構成によっては、第1の長尺部材は管である。
【0073】
構成によっては、第1の長尺部材は、長手方向断面において、ルーメンにある面が平らな複数のバブルを形成する。
【0074】
構成によっては、隣接するバブルは、第2の長尺部材の上側の間隙によって分離される。
【0075】
構成によっては、隣接するバブルは互いに直接接続されない。
【0076】
構成によっては、バブルは穿孔を有する。
【0077】
構成によっては、第2の長尺部材は、ルーメンに近い程幅が広く、ルーメンから径方向に離れると狭くなる長手方向断面を有する。
【0078】
構成によっては、第2の長尺部材は、略三角形の長手方向断面を有する。
【0079】
構成によっては、第2の長尺部材は、略T字型又はY字型の長手方向断面を有する。
【0080】
構成によっては、1つ以上の導電性フィラメントが第2の長尺部材に埋設又は封入され得る。
【0081】
構成によっては、導電性フィラメントは加熱フィラメントである。
【0082】
構成によっては、導電性フィラメントは検知フィラメントである。
【0083】
構成によっては、2つの導電性フィラメントが第2の長尺部材に埋設又は封入され得る。
【0084】
構成によっては、4つの導電性フィラメントが第2の長尺部材に埋設又は封入され得る。
【0085】
構成によっては、導電性フィラメントの対は、複合管の一端で接続ループとなるように形成される。
【0086】
構成によっては、第2の長尺部材は、略三角形、略T字型、又は略Y字型の長手方向断面を有し、1つ以上の導電性フィラメントは、第2の長尺部材において三角形、T字型、又はY字型の対向する両側に埋設又は封入される。
【0087】
構成によっては、1つ以上のフィラメントはルーメン壁から離間される。
【0088】
構成によっては、医療用回路部品が、上記に記載される複合管を含む。
【0089】
構成によっては、吸気管が、上記に記載される複合管を含む。
【0090】
構成によっては、呼気管が、上記に記載される複合管を含む。
【0091】
構成によっては、PAP部品が、上記に記載される複合管を含む。
【0092】
構成によっては、吹送回路部品が、上記に記載される複合管を含む。
【0093】
構成によっては、診査用部品が、上記に記載される複合管を含む。
【0094】
構成によっては、手術用部品が、上記に記載される複合管を含む。
【0095】
構成によっては、複合管の製造方法が、中空本体を含む第1の長尺部材、及び第1の長尺部材の構造的支持を提供するように構成された第2の長尺部材を提供する工程;第2の長尺部材の対向する側縁部分を隣接し合う巻付部に関して離間させながら第2の長尺部材をマンドレルの周りに螺旋状に巻き付ける工程であって、それにより第2の長尺部材螺旋体を形成する工程;及び第1の長尺部材の一部が第2の長尺部材螺旋体の隣接する巻付部に重なり、且つ第1の長尺部材の一部分が第2の長尺部材螺旋体の巻付部の間にあるスペースにおいてマンドレルに隣接して配設されるようにして、第2の長尺部材螺旋体の周りに第1の長尺部材を螺旋状に巻き付ける工程であって、それにより第1の長尺部材螺旋体を形成する工程を含む。
【0096】
構成によっては、本方法は、第1の長尺部材の端部に大気圧より大きい圧力の空気を供給する工程をさらに含む。
【0097】
構成によっては、本方法は、第2の長尺部材螺旋体及び第1の長尺部材螺旋体を冷却する工程であって、それにより長手方向軸に沿って延在するルーメンと、ルーメンを取り囲む中空の空間とを有する複合管を形成する工程をさらに含む。
【0098】
構成によっては、本方法は、第2の長尺部材を形成する工程をさらに含む。
【0099】
構成によっては、本方法は、第2の長尺部材を形成する工程が、第2の長尺部材を第2の押出機で押し出す工程を含むことをさらに含む。
【0100】
構成によっては、本方法は、第2の押出機が、1つ以上の導電性フィラメントを第2の長尺部材に封入するように構成されることをさらに含む。
【0101】
構成によっては、本方法は、第2の長尺部材を形成する工程が、導電性フィラメントを第2の長尺部材に埋設する工程を含むことをさらに含む。
【0102】
構成によっては、本方法は、導電性フィラメントが第2の長尺部材との反応性を有しないことをさらに含む。
【0103】
構成によっては、本方法は、導電性フィラメントがアルミニウム又は銅を含むことをさらに含む。
【0104】
構成によっては、本方法は、導電性フィラメントの対を複合管の一端で接続ループとなるように形成する工程をさらに含む。
【0105】
構成によっては、本方法は、第1の長尺部材を形成する工程をさらに含む。
【0106】
構成によっては、本方法は、第1の長尺部材を形成する工程が、第1の長尺部材を第1の押出機で押し出す工程を含むことをさらに含む。
【0107】
構成によっては、本方法は、第1の押出機が第2の押出機と異なることをさらに含む。
【0108】
構成によっては、医療用管が、螺旋状に巻回されることで長手方向軸を有する長尺管を形成する長尺中空本体を含む。長手方向軸に沿ってルーメンが延在する。中空壁がルーメンを取り囲む。長尺中空本体は、横方向断面において、中空本体の少なくとも一部分を画定する壁を有する。補強部分が長尺中空本体の長さに沿って延在し、長尺中空本体の隣接する巻きの間に螺旋状に位置決めされる。補強部分は長尺管のルーメンの一部を形成する。補強部分は長尺中空本体の壁と比べて比較的厚いか又は硬い。
【0109】
構成によっては、補強部分は、長尺中空本体と同じ材料ピースから形成される。
【0110】
構成によっては、長尺中空本体は横方向断面において、長尺中空本体の対向する両側に2つの補強部分を含み、ここで長尺中空本体の螺旋巻回部は、補強部分の対向する縁部が長尺中空本体の隣接する巻きに接触するようにして、隣接する補強部分を互いに接合する。
【0111】
構成によっては、補強部分の対向する側縁部は、長尺中空本体の隣接する巻きの上に重なる。
【0112】
構成によっては、補強部分は、長尺中空本体と別の材料ピースで作製される。
【0113】
構成によっては、中空本体は、長手方向断面において、ルーメンにある面が平らな複数のバブルを形成する。
【0114】
構成によっては、バブルは穿孔を有する。
【0115】
構成によっては、補強部分の内部に埋設又は封入される1つ以上の導電性フィラメント。
【0116】
構成によっては、導電性フィラメントは加熱フィラメントである。
【0117】
構成によっては、導電性フィラメントは検知フィラメントである。
【0118】
構成によっては、2つの導電性フィラメントが含まれ、ここでは補強部分の各々に1つの導電性フィラメントが埋設又は封入される。
【0119】
構成によっては、2つの導電性フィラメントが長尺中空本体の片側のみに位置決めされる。
【0120】
構成によっては、導電性フィラメントの対が、長尺管の一端で接続ループとなるように形成される。
【0121】
構成によっては、1つ以上のフィラメントはルーメン壁から離間される。
【0122】
構成によっては、医療用回路部品が、上記に記載される医療用管を含む。
【0123】
構成によっては、吸気管が、上記に記載される医療用管を含む。
【0124】
構成によっては、呼気管が、上記に記載される医療用管を含む。
【0125】
構成によっては、PAP部品が、上記に記載される医療用管を含む。
【0126】
構成によっては、吹送回路部品が、上記に記載される医療用管を含む。
【0127】
構成によっては、診査用部品が、上記に記載される医療用管を含む。
【0128】
構成によっては、手術用部品が、上記に記載される医療用管を含む。
【0129】
構成によっては、医療用管の製造方法が、長尺中空本体をマンドレルの周りに螺旋状に巻き付ける工程であって、それにより長手方向軸を有する長尺管が形成され、長手方向軸に沿ってルーメンが延在し、且つ中空壁がルーメンを取り囲み、ここで長尺中空本体は、横方向断面において、中空本体の少なくとも一部分を画定する壁を有し、且つ長尺本体の対向する両側にある2つの補強部分がルーメンの壁の一部を形成し、2つの補強部分は、中空本体の少なくとも一部分を画定する壁と比べて比較的厚いか又は硬い、工程;及び補強部分の対向する縁部が長尺中空本体の隣接する巻きと接触するようにして、隣接する補強部分を互いに接合する工程を含む。
【0130】
構成によっては、本方法は、隣接する補強部分を互いに接合する工程により補強部分の縁部に重なりが生じることをさらに含む。
【0131】
構成によっては、本方法は、長尺中空本体の端部に大気圧より大きい圧力の空気を供給する工程をさらに含む。
【0132】
構成によっては、本方法は、長尺中空本体を冷却する工程であって、それにより隣接する補強部分を互いに接合する工程をさらに含む。
【0133】
構成によっては、本方法は、長尺中空本体を押し出す工程をさらに含む。
【0134】
構成によっては、本方法は、導電性フィラメントを補強部分に埋設する工程をさらに含む。
【0135】
構成によっては、本方法は、導電性フィラメントの対を、長尺管の一端で接続ループとなるように形成する工程をさらに含む。
【0136】
本発明を要約するため、本発明の特定の態様、利点及び新規特徴を本明細書に記載した。本発明の任意の特定の実施形態において必ずしもかかる利点の全てが実現され得るわけでないことが理解されるべきである。従って本発明は、本明細書に教示又は示唆され得るとおりの他の利点を必ずしも実現することなしに本明細書に教示されるとおりの一つの利点又は一群の利点を実現又は最適化する形で具体化又は実施されてもよい。
【0137】
以下の図面を参照して、本発明の以上の及び他の特徴、態様及び利点を説明する。図面は例示であり、本発明を限定するものであってはならない。
【発明を実施するための形態】
【0139】
本明細書には、加湿システム及び/又は液位検知システムの特定の実施形態及び例が記載される。当業者は、本開示が、具体的に開示される実施形態及び/又は使用並びにそれらの自明の変形例及び均等物を超えるまでに及ぶことを理解するであろう。従って、本明細書に開示される開示の範囲は、本明細書に記載されるいかなる特定の実施形態によっても限定されてはならないことが意図される。
【0140】
加湿システム
図1及び
図1Aは、検知装置22、液位検知システム222、複合管、及び/又は本開示の特定の特徴、態様及び利点に従い配置及び構成された他の特徴を含み得る呼吸加湿システム20を示す。検知装置22、検知システム222、複合管、及び他の特徴は、本明細書では、呼吸加湿システム20と関連して例示及び説明されるが、限定はされないが腹腔鏡検査、換気等を含めた、使用者又は患者への加熱加湿ガス流の供給が関わる他の用途に適用性が見出され得る。
【0141】
例示される呼吸加湿システム20は、加圧ガス源30を含む。適用によっては、加圧ガス源30は、ファン、ブロワなどを含む。適用によっては、加圧ガス源30は、ベンチレータ又は他の陽圧発生装置を含む。加圧ガス源30は入口32と出口34とを含む。
【0142】
加圧ガス源30は、流体(例えば、酸素、麻酔ガス、空気など)の流れを加湿ユニット40に提供する。流体の流れは加圧ガス源30の出口34から加湿ユニット40の入口42へと通過する。例示される構成では、加湿ユニット40は加圧ガス源30とは別にして示され、加湿ユニット40の入口42は導管44によって加圧ガス源30の出口34に接続されている。適用によっては、加圧ガス源30と加湿ユニット40とが単一のハウジングに組み込まれ得る。
【0143】
本発明の特定の特徴、態様及び利点を伴い他のタイプの加湿ユニットを使用し得るが、例示される加湿ユニット40は、加湿チャンバ46を含むパスオーバー型加湿器であり、加湿ユニット40に至る入口42が、加湿チャンバ46に至る入口を含む。構成によっては、加湿チャンバ46はプラスチック成形本体50を含み、それを熱伝導性ベース52が密閉している。加湿チャンバ46内に隔室が画定され得る。この隔室は、ベース52から伝導される熱によって加熱され得る所定量の水を保持するように適合される。適用によっては、ベース52は加熱板54と接触するように適合される。加熱板54は、制御器56又は他の好適な構成部品によって制御することができ、従って水に伝達される熱を変化させることができる。
【0144】
図2に関連して、例示される構成では、加湿チャンバ46の本体50は、入口42を画定するポート60を含み、本体50はまた、加湿チャンバ46の出口64を画定するポート62も含む。構成によっては、ポート60、62の1つ以上は導管の端部に形成されるか、又はコネクタとして形成されてもよい。構成によっては、ポート60、62は、チャンバの開口内に受け入れられる部分を有し得る。加湿チャンバ46の中に入っている水が加熱されると、入口ポート60を通って加湿チャンバ46内に取り込まれるガスと水蒸気が混合される。ガスと水蒸気との混合物は、出口ポート62を通って加湿チャンバ46を出る。
【0145】
再び
図1を参照すると、加湿ユニット40の出口ポート62を画定する出口64に、吸気導管70又は他の好適なガス搬送経路が接続され得る。導管70は、加湿チャンバ46を出るガスと水蒸気との混合物を使用者に向けて運ぶ。導管70の少なくとも一部分に沿って結露低減部品が位置決めされてもよい。例示される構成では、結露低減部品は、導管70の少なくとも一部分に沿って位置決めされる加熱素子72を含む。加熱素子72は、導管70によって運ばれているガスと水蒸気との混合物の温度を上昇させるか又は維持することができる。構成によっては、加熱素子72は、抵抗加熱ヒータを画定するワイヤであってもよい。他の構成が可能である。ガスと水蒸気との混合物の温度を増加させるか又は維持することにより、混合物中の水蒸気が凝結しにくくなる。
【0146】
送気部品、例えば限定なしにインターフェース74などが、導管70を使用者と接続するために提供されてもよい。例示される構成では、インターフェース74はマスクを含む。さらに、例示される構成においてインターフェース74は、使用者の口及び鼻を覆って延在するマスクを含む。任意の好適なインターフェース74を使用することができる。適用によっては、本発明の特定の特徴、態様及び利点を、挿管部品、腹腔鏡検査部品、インサフレータなどで用いることができる。ベンチレータで使用される適用など、適用によっては、使用者と導管70との間に好適な継手(例えば、Yピース75)を位置決めすることができ、それにより、例えば限定なしに、使用者とベンチレータの入口との間に呼気導管71を接続することができる。
【0147】
上記に考察したとおり、検知装置22、管、及び本明細書に例示及び説明される他の特徴を、最小侵襲手術又は鍵穴手術とも称される腹腔鏡手術に関連して使用することができる。吹送を伴う腹腔鏡手術では、吹送ガス(一般にはCO
2)は、腹腔内に送り込む前に加湿することが望ましいとされ得る。これは、患者の内臓器官が「乾き切る」可能性を低減又は解消するのに役立ち得るとともに、術後の回復に必要な時間を短縮し得る。
図1Bは、吹送システム701の例示的実施形態を示し、この吹送システム701は、患者705の腹腔又は腹膜腔に送気される大気圧を上回る圧力の吹送ガスの流れを生じさせるインサフレータ703を含む。ガスは、加熱器ベース709と加湿器チャンバ711とを備える加湿ユニット707に入り、このチャンバ711は使用中、加熱器ベース709と接触しているため、加熱器ベース709がチャンバ711に熱を供給できる。加湿器707において、吹送ガスはチャンバ711を通過し、それにより適切な水分レベルに加湿された状態となる。システム701は、加湿された吹送ガスを加湿器チャンバ711から患者705の腹膜腔又は手術部位に送る送気導管713を備える。患者705の体腔から外につながる煙排出システム715が、吐出又は排気リム717、吐出アセンブリ719、及びフィルタ721を含む。
【0148】
構成によっては、送気導管713はまた、煙排出システムを使用するよりむしろ(又はそれに加えて)煙を維持してもよい。例えば、構成によっては、排出システムによって患者の体腔から煙を排出するよりむしろ、導管713の経路に煙を吸引し、引き込み、又は案内し、そこを通して(すなわち管の外壁に入れ、そこを通して)戻してもよい。経路203は、煙を受け入れるフィルタ/吸収媒体を備え得る。導管は概して術後に使い捨てるものであってよく、そのため後に清浄にする必要がない。体腔と経路203との間には、術後/術中に煙を経路へと案内するための弁又は他の種類の吐出アセンブリ(例えば、吐出アセンブリ719)が、組み込まれ得る。
【0149】
検知及び制御システム
加湿ユニット40の制御器56は、呼吸加湿システム20の様々な構成部品の動作を制御することができる。例示される構成は単一の制御器56で示されるが、他の構成では複数の制御器が用いられ得る。複数の制御器は交信してもよく、又は別個の機能が提供され、従って制御器は交信する必要がない。構成によっては、制御器56は、コンピュータプログラム用のソフトウェアコードを含む関連するメモリ又はストレージを有するマイクロプロセッサ、プロセッサ又は論理回路を含み得る。このような構成では、制御器56は、コンピュータプログラム内に含まれるなどする命令に従い、また外部入力に応答して、加湿システム20の動作を制御することができる。
【0150】
構成によっては、制御器56は、加熱板センサ80から入力を受け取ることができる。加熱板センサ80は制御器56に、加熱板54の温度及び/又はパワー使用量に関する情報を提供し得る。構成によっては、制御器56に対する別の入力は、ユーザ入力部品82であってもよい。ユーザ入力部品82には、スイッチ、ダイアル、ノブ、又は限定はされないがタッチスクリーン等を含む他の好適な制御入力装置が含まれ得る。ユーザ入力部品82は、使用者に送られるガスの所望の温度、送られるガスの所望の湿度レベル又は両方を設定するため、使用者、医療従事者又は他の人によって操作され得る。構成によっては、ユーザ入力部品82は、加湿システム20の他の動作特性を制御するために操作されてもよい。例えば、ユーザ入力部品82は、加熱素子72によってもたらされる加熱又は空気流の任意の所望の特性(例えば、圧力、流量等)を制御することができる。
【0151】
液位検知システム
制御器56はまた、液位検知システム222からも入力を受け取る。液位検知システム222は、チャンバ46又はベース52に、又はその近傍に位置決めされた1つ以上のセンサを含み得る。液位検知システム222は、本明細書に記載されるとおりチャンバ46の液位を決定するための電圧源及び検出システムを含み得る。制御器56は液位検知システム222から液位情報を受け取り、その液位情報に応答して制御特性を調節することができる。一部の実施形態では、制御器56は、液位状態に関してユーザインターフェース部品82を用いて使用者に通知することができる。
【0152】
図2は、一部の実施形態に係る液位検知システム222を有する例示的な加湿チャンバ46を示す。液位検知システム222は1つ以上のセンサ200を含み得る。センサ200は、それらが互いに及び/又はグランドに容量的及び/又は導電的に結合されるように位置決めされ得る。液位の変化に応じてセンサ200の1つ以上のキャパシタンスが変化し得る。液位検知システム222はこれらの変化を検出し、1つ以上のセンサ200のキャパシタンスの変化に少なくとも一部基づき、流体レベル又は流体レベル状態(例えば、水切れ、チャンバ満水等)を決定することができる。
【0153】
加湿チャンバ46は、少なくとも1つの非導電性壁53を有する本体50を含み得る。非導電性壁53は、絶縁材料などの、電気を有効に伝導しない任意の好適な材料で作製され得る。加湿チャンバ46は、本体50を密閉するベース52を含む。ベース52は、任意の好適な導電性材料、任意の好適な非導電性材料、又は導電性材料と非導電性材料との組み合わせで作製され得る。例えば、ベース52は、非導電性材料に覆われた導電性材料を含んでもよい。一部の実施形態では、ベース電極206が存在する場合、ベース52は非導電性材料で作製される。
【0154】
液体検知システム222は、非導電性壁53の外表面上又はその近傍に位置決めされたセンサ電極202を含む。センサ電極202は金属などの導電材料で作製され得る。センサ電極202は、任意の従来手段を用いて非導電壁53に取り付けることができる。一部の実施形態では、センサ電極202の位置を変えることができるように、又はセンサ電極202を異なる加湿チャンバ46と共に使用することができるように、センサ電極202は非導電壁53に着脱自在に取り付けられる。
【0155】
液体検知システム222は、非導電壁53の内表面に取り付けられたブリッジ204を備え得る。ブリッジ204は導電材料で作製され、非導電壁53の内表面上又はその近傍に位置決めされる。一部の実施形態では、ブリッジ204は任意の従来手段を用いて非導電壁53の内表面に取着され、チャンバ46における液位の変化を受けてもブリッジ204が実質的に動かないようにされる。ブリッジ204は、非導電壁53の外表面にあるセンサ電極202の位置の比較的近くに位置決めされ得る。センサ電極202とブリッジ204との相対位置は、液体がブリッジ204と接触したときに、センサ電極202のキャパシタンスに離散的且つ計測可能な増加が生じるように構成され得る。計測可能な変化とは、本明細書にさらに詳しく説明されるとおり、流体レベル検知システム222が検出する任意のキャパシタンス変化であってよい。チャンバ46にブリッジ204を置くことにより、液体がブリッジ204と接触したとき、キャパシタンスの離散的な急上昇を観察することができる。ブリッジ204は、物理的接続又は有線手段によってセンサ電極202と電気的に結合されることはないが、各々の電気的性質及び/又はそれらの物理的近接に少なくとも一部基づき、センサ電極202と容量的に結合していることは理解されなければならない。さらにブリッジ204は、液位検知システム222のいかなる他の構成部品とも有線手段によって電気的に結合されることはない。代わりに、ブリッジ204はベース電極206と容量的に結合されてもよく、この場合チャンバ46は非導電性液体を含み、又はブリッジ204は、ベース電極206と導電的に結合されてもよく、この場合チャンバ46は、ブリッジ204とベース52との間に導電性経路を提供する導電性液体を含む。従って、チャンバの内側に置かれたセンサを有する他のシステムのような、チャンバ46の外側からチャンバ46の内側に通るワイヤ又はケーブルがない。これにより、加湿チャンバ46の構造がチャンバ46の外部から内部に通るケーブル又はワイヤ用の経路を含まないままであっても(この経路があると、経路を通じて流体が失われることを防ぐための封止が必要となり得る)、本明細書に記載される液位検知システム222を使用することが可能となる。
【0156】
液位検知システム222は、加湿チャンバ46のベース52に位置決めされたベース電極206を含み得る。一部の実施形態では、ベース52は、流体レベル検知システム222の仮想電気グランドとして働き、すなわち電気グランドに電気的に結合されないが、システム222に仮想電気グランドを提供する。一部の実施形態では、ベース電極206は電気グランドにベース52を介して(例えば、ベース52が仮想グランドを提供し得るか、又はそれがグランドに電気的に結合され得る)、電気回路を介して、又は他の何らかの手段を介して結合される。
【0157】
一部の実施形態では、センサ電極202は、
図2に示すようにブリッジ204の反対側に位置決めされない。センサ電極202は他の位置に位置決めされるか、及び/又はブリッジ204に対して動かされ、それでもなお、本明細書に記載されるとおりキャパシタンスの離散的且つ計測可能な変化を受け得る。これは、少なくとも一部には、液体がブリッジ204に接触したときのセンサ電極202のキャパシタンスの変化に起因する。これにより、センサ電極202を自在に位置決めすることが可能となる。センサ電極202は、本体50の種々の設計に対応して位置決めされてもよい。例えば、加湿チャンバによっては、機械的な制約によりブリッジ204の反対側の外表面上にセンサ電極202を置くことが妨げられる形状であり得る。センサ電極202を、ブリッジ204の位置と比較してベース52からより遠くに離すことが望ましいとされ得る。これにより、グランド(例えばベース52)とセンサ電極202との間の距離が増加して、グランドに対するキャパシタンスの変化が増加し得る。これら2つの互いに対する位置が変わっても、液体がブリッジ204に接触すればセンサ電極202のキャパシタンスが変化するため、センサ電極202をブリッジ204から垂直に(例えば、ブリッジ204と比べてベース52からさらに遠くに)動かすことができる。これにより、液位検知システム222は電極センサ202の位置より下にある液位を検出することが可能となる。さらに、センサ電極202はブリッジ204より大きくてもよい。これにより満水の検出が可能となり、この場合、液位がブリッジ204に達したときの第1の離散的キャパシタンス変化、及び液位がセンサ電極202に達したときの第2の離散的キャパシタンス変化がある。従って、センサ電極202のサイズ及び位置を、液位がチャンバの最上部に接近したときに第2の離散的キャパシタンス変化が起こるように決めることにより、液位検知システム222を、満水状態を検出するように構成することができる。センサ電極202は、液位が任意の所望の高さに達したときに第2の離散的キャパシタンス変化が起こるようなサイズ及び位置とすることができる。
【0158】
一部の実施形態では、加湿チャンバ46は、本体50内に、液体が壁53に接触しないようにして液体を保持するための容器を含む。かかる容器には、例えば、管又は加湿チャンバ46の本体50内の他のかかる構造が含まれ得る。液位検知システム222は、ブリッジ204を容器内に位置決めすることにより、かかる加湿チャンバの液位を決定するように構成することができる。センサ電極202は、前述同様に本体50の外部に位置決めすることができる。従って、液体がブリッジ204に達すると、システムのキャパシタンスに同様の計測可能な変化があり、それを液位検知システム222により検出することができる。
【0159】
図2Aは、加湿ユニット40の制御器56と組み合わせた液位検知システム222のブロック図を示す。液位検知システム222は、電圧源302と検出システム304と液位センサ200とを備え、液切れ状態又はチャンバ満水状態などの液位状態に対応する液位検知システム222のキャパシタンス変化を検出するように構成され得る。制御器56は電圧源302を制御し、且つ検出システム304から信号を受け取って液位状態を決定することができる。制御器56はユーザインターフェース部品を使用して液位状態の決定を制御し、又は使用者に液位状態を通知し得る。
【0160】
制御器56は、加湿ユニット40の制御に使用されるハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア部品を含み得る。制御器56は、電圧源302を制御し、検出システム304から情報を受け取り、ユーザインターフェース部品82からユーザ入力を受け取り、チャンバ46における液位を決定し、及び液位状態を決定するように構成され得る。制御器56は、取り付けられた構成部品を制御し、且つ受け取った情報を分析するように構成されたモジュールを含み得る。制御器56は、受け取った情報、制御パラメータ、実行可能プログラム、及び他のかかる情報を記憶するためのデータストレージを含み得る。
【0161】
液位検知システム222は、液位センサ200、詳細には
図2、
図2B、及び
図2Cに関連して記載される電極センサ202に結合された電圧源302を備える。電圧源302は、交流電流(「AC」)及び可変電圧の供給源であってもよい。電圧源302はセンサ電極202に電気的に結合され得る。
【0162】
液位検知システム222は、液位検知センサ200に結合された検出システム304を備える。検出システム304は、液位センサ200のキャパシタンス変化を計測するように構成され得る。例えば、検出システム304は、センサ電極202を通じる電圧(これは電圧源302からの供給電圧とは異なり得る)を生じさせるように構成された電子回路を備え得る。供給電圧とセンサ電極202を通じる電圧との差は、システム222のキャパシタンスと関係付けることができる。検出システム304は、計測された電圧、キャパシタンス、抵抗、又はこれらの何らかの組み合わせに対応する信号を生成するように構成されたデータ収集ハードウェアを備え得る。検出システム304は、キャパシタンス、電圧、抵抗などに対応する値を取得及び/又は表示するように構成された計測ツールを備え得る。
【0163】
液位検知システム222は、制御器56に情報を送り、且つ制御器56からコマンドを受け取ることができるように制御器56と結合され得る。例えば、液位検知システム222は制御器56からコマンドを受け取り、電圧源302がセンサ電極202に供給する電圧を変化させることができる。一部の実施形態では、電圧源302は、制御器56からの入力なしに、定義された、既知の、又はプログラムされた電圧を生じる。液位検知システム222は、検出システム304から制御器に情報を送ることができる。制御器56はこの情報を受け取り、それを分析して、液位状態を決定することができる。例えば、制御器56は、チャンバが液切れしている又は間もなく液切れしそうであることを指示する情報を受け取り得る。このとき制御器56は、液切れの警告、通知、又は信号を生成し得る。同様に、制御器は、チャンバに過剰な液体があることを指示する情報を受け取り得る。このとき制御器56は、満水の警告、通知、又は信号を発し得る。一部の実施形態では、検出システム304が液位センサ200からの情報を分析して液位状態を決定する。一部の実施形態では、制御器56が検出システム304から情報を受け取り、この情報を分析することにより液位状態を決定し得る。一部の実施形態では、液位検知システム222及び/又は制御器56は、チャンバが液切れしているかどうか、又はチャンバにある液体が過剰かどうかを決定することに加え、又はその代わりに、加湿チャンバ46に存在する液体の量を決定するように構成されてもよい。一部の実施形態では、制御器56は液位情報を、加熱板54などの他のシステムを制御する際のフィードバックとして使用し得る。
【0164】
情報を表示し及び/又は使用者から入力を受け取るため、制御器56にユーザインターフェース部品82が結合され得る。ユーザインターフェース部品82は、例えば、液位状態、電圧源302により供給される電圧、検出システム304により取得された計測値、制御器56による分析結果、又はこれらの任意の組み合わせに関する情報を表示し得る。ユーザインターフェース部品82を使用して、センサ電極202に供給する電圧、供給電圧の特性(例えば、周波数、振幅、波形等)、検出システム304により取られる計測の頻度、液切れ又は満水状態の決定に使用される検出システム304からの計測値に関連する閾値、又はこれらの任意の組み合わせなどの制御パラメータを入力することができる。
【0165】
制御器56は、加湿ユニット40のモジュール、データストレージ、及び外部システムと対話するように構成される。制御器56は1つ以上の物理プロセッサを備えることができ、且つ情報処理のため、検出システム304など他の構成部品のいずれかによって使用され得る。制御器56はデータストレージを備える。データストレージは、デジタル情報を記憶するように構成された物理メモリを含むことができ、且つ加湿ユニット40の他の構成部品、例えば液位検知システム及びユーザインターフェース部品82と結合することができる。
【0166】
図2Bは、加湿チャンバ46における例示的な液位検知システム222を、付随する電圧源302及び検出システム304と共に示す。加湿チャンバ46は非導電壁53を備えることができ、そこには壁53の外部側にセンサ電極202が取り付けられ、且つ壁53の内部側に導電ブリッジ204が取り付けられる。加湿チャンバは、非導電壁53を密閉するベース52を備える。ベース52にベース電極206が取り付けられてもよく、ベース52がベース電極206の仮想グランドとして働き得るか、又はベース電極206は他の何らかの手段によってグランドに結合され得る。電圧源302はセンサ電極202に、電流、電圧、又は両方が異なる電圧を供給することができる。検出システム304をセンサ電極202及びベース電極に結合して、キャパシタンスの変化を計測することができる。検出システムは、キャパシタンスの変化を決定することにより、加湿チャンバ46の液位状態を決定することができる。
【0167】
加湿チャンバ46中の導電性液体がブリッジ204に達すると、ブリッジ204はベース電極206と導電的に結合される。これにより、ブリッジ204から液体を通ってグランドに至る、グランドとの仮想短絡が生じる。ブリッジ204はまた、センサ電極202とも容量的に結合されている。ブリッジ204からベース電極206までの仮想短絡が生じると、システムのキャパシタンスが変化することができ、これが、グランドに対するセンサ電極202のキャパシタンスの離散的な増加として計測され得る。本明細書にさらに詳しく説明されるとおり、液位検知システム222はキャパシタンスのこの離散的な増加を検出して、対応する液位状態を決定することができる。
【0168】
加湿チャンバ46中の非導電性液体がブリッジ204に達すると、非導電性液体は容量性システムの誘電体として働き得る。このシナリオにおいてブリッジ204は、センサ電極202及びベース電極206の両方に容量的に結合されている。ブリッジ204に非導電性液体が存在すると、システムのキャパシタンスに離散的な変化が生じ、グランドに対するセンサ電極202のキャパシタンスを計測することにより、それを検出することができる。本明細書にさらに詳しく説明されるとおり、液位検知システム222はこのキャパシタンス変化を検出して、対応する液位状態を決定することができる。
【0169】
図2Bに示すとおり、センサ電極202はブリッジ204に対して垂直にずらすことができる。結果として、液位検知システム222は2つの離散的なキャパシタンス変化を受け得ることになる。液体がブリッジ204に達すると第1の変化が起こる。液体がセンサ電極202に達すると第2の変化が起こる。検出システムは、これらの2つの離散的変化を検出して、対応する液位状態を決定するように構成され得る。例えば、第2の離散的変化は、過剰な液体を有するチャンバ46、すなわち満水状態に対応し得る。
【0170】
一部の実施形態では、センサ電極202はブリッジ204より大きくてもよい。キャパシタンスは概して物体の物理的サイズと相関するため、サイズが増加するとキャパシタンスは増加し得る。キャパシタンスのこの増加が、液位の変化に対するシステムの感度の増加となり得る。一部の実施形態では、センサ電極202のサイズの増加は、液位がブリッジ204より上に上昇したときのキャパシタンスの変化に少なくとも一部起因した満水状態の検出に用いることができる。例えば、センサ電極202とブリッジ204とを互いに対向させて位置決めすることができる。センサ電極202はブリッジ204より大きいため、垂直にブリッジ204を超えて延在することができる。結果として、液位がブリッジ204に達すると第1の離散的キャパシタンス変化があり、液位がブリッジ204の最上部を超えると、液位がセンサ電極202の最上部と同じ高さであるときの第2の離散的キャパシタンス変化があることになる。これらのキャパシタンス変化を使用して、液切れ状態又は満水状態を含む様々な液位状態を検出することができる。
【0171】
一部の実施形態では、検出システム304は、液位検知システム222におけるキャパシタンスの任意の変化を検出するように構成される。検出システム304は、これらの変化をチャンバ46内の液体の量と関係付けるように構成され得る。例えば、液位の増加に伴い、センサ電極202のキャパシタンスが液位変化に関連して変化し得る。検出システム304は、キャパシタンスの値に対応する近似的な液位値を決定することができる。このようにして、液位検知システム222は加湿チャンバ46の水位を推定することができる。
【0172】
図2Cは、非導電壁53の内面に沿って吸上材502を有する加湿チャンバ46における例示的な液位検知システム222を示す。吸上材502は、チャンバ46に液体があるとき、液体が毛管作用によって材料を上動する手段を提供するように構成される。これにより、液位検知システム222はチャンバ46における液体の存在を検出することが可能となる。
【0173】
チャンバ46がいくらかの導電性液体を受け取ると、導電性液体は毛管作用によって吸上材中を上り得る。導電性液体がセンサ電極202と同じ高さに達すると、ベース52との導電性接続に少なくとも一部起因して導電性液体が接地されるため、センサ電極202のキャパシタンスが変化する。検出システム304はこのキャパシタンス変化を検出して、チャンバ46における液体の存在を信号で伝えることができる。これを用いて、チャンバ46に液体があるかどうか、又は液切れ状態かどうかを決定することができる。
【0174】
図2Dは、センサ電極202のキャパシタンスの変化を決定することに少なくとも一部基づき加湿チャンバ46の液位を検出する例示的方法600のフローチャートを示す。本明細書に記載されるとおりの例示的方法600は、いくつかの有利な特徴を提供する。かかる特徴の一つは、例示的方法600を、この方法の働き方を変えることなしに、加湿チャンバ46が導電性液体又は非導電性液体を含むシステムで使用し得ることである。例えば、センサ電極202とグランドとの間のキャパシタンスの変化に少なくとも一部基づき液位を決定することは、本明細書に記載されるとおり、チャンバ46が導電液体又は非導電液体のいずれを含む場合にも機能する。説明を容易にするため、この方法は液位検知システム222により実施されるものとして記載するが、任意の個々の工程又は工程の組み合わせを、液位検知システム222の任意の構成部品又は加湿ユニット40の制御器56によって実施することができる。
【0175】
ブロック605では、液位検知システム222が、加湿チャンバ46の本体50の非導電壁53の外表面に取り付けられたセンサ電極202に結合される電圧源302を使用して可変電気出力を生成する。電圧源302は、電流、電圧、又は両方が異なる電気信号を生成することができる。例えば、電圧源302はAC電圧源であってもよい。一部の実施形態では、電圧源302は制御器56により制御される。一部の実施形態では、電圧源302は独立して制御されるか、又は選択された、既知の、定義された、若しくは所定の電気出力を生成する。
【0176】
ブロック610では、液位検知システム222はグランドに対するセンサ電極のキャパシタンス202を決定する。検出システム304は、例えば、キャパシタンス、抵抗、電圧、又はこれらの任意の組み合わせなどの、液位検知システム222のパラメータを計測することができる。検出システム304はこの情報を使用してシステム222のキャパシタンス変化を検出することができる。
【0177】
検出システム304は、センサ電極202のキャパシタンスの変化に応答して、パラメータの計測可能な差を生成するように構成された回路を備え得る。例えば、検出システム304は、センサ電極202と直列の抵抗器を有する分圧器を有する回路を含み得る。電圧源302は、回路にAC電圧を提供し得る。検出システム304は、抵抗器及びセンサ電極202を通じた電圧を計測することができる。センサ電極202のキャパシタンスは、この計測された電圧の値に少なくとも一部基づき計算することができる。別の例として、検出システム304は、センサ電極202と直列の既知のコンデンサを有する回路を備え得る。電圧源は回路にAC電圧を提供し得る。検出システム304は、既知のコンデンサ及びセンサ電極202を通じた電圧を計測し、センサ電極202のキャパシタンスを計算することができる。キャパシタンスを測定する他の公知の方法が、検出システム304によって用いられ得る。
【0178】
一部の実施形態では、チャンバ46は導電性液体を保持するように構成され得る。センサ電極202はブリッジ204に容量的に結合されることができ、ブリッジ204はベース電極206に導電的に結合されることができ、ベース電極206は接地されている。導電性液体によってブリッジ204がグランドになり、それによりブリッジ204を介してセンサ電極202とグランドとの間にキャパシタンスが生じる。一部の実施形態では、チャンバ46は非導電性液体を保持するように構成され得る。センサ電極202はブリッジ204に容量的に結合されることができ、ブリッジ204はベース電極206に容量的に結合されることができ、ベース電極206は接地されている。このシステムは、センサ電極202とブリッジ204との間、及びブリッジ204と接地されているベース電極206との間のキャパシタンスに影響を及ぼす誘電体を有する容量性システムを作り出す。一部の実施形態では、チャンバ46は非導電壁53の内表面に吸上材を備える。チャンバ46は導電性液体を保持するように構成され、導電性液体がチャンバ46内に置かれると、導電性液体は吸上材を上動する。導電性材料がセンサ電極202に達すると、導電液体がセンサ電極202のキャパシタンスを変化させる働きをし、ここでセンサ電極202は、接地されている吸上材中の導電液体に容量的に結合される。
【0179】
ブロック615では、液位検知システム222が、ブロック610で決定されたキャパシタンスに少なくとも一部基づき液位を決定する。本明細書に記載されるいくつかの実施形態によれば、液位検知システム222はチャンバ内部の液体の量を決定することができ、及び/又はそれは、液切れ状態又は満水状態などの液位状態を決定することができる。
【0180】
ブロック620では、液位検知システム222は、ブロック615で決定された液位に関する通知を生成することができる。例えば、液切れ状態が決定された場合、液位検知システム222は、使用者に対する音声による若しくは視覚的な警告を作成することができ、又は加湿ユニット40の制御器56に信号を送ることができる。制御器56は、加熱板54の通電停止など、受け取った液位に関する通知に少なくとも一部基づき制御パラメータを変更することができる。液位検知システム222は独自の通知システムを含んでもよく、又はユーザインターフェース部品82を使用して操作者若しくは使用者に液位状態を通知してもよい。
【0181】
液位検知システム並びに関連する構成部品及び方法の例を、図を参照して記載した。これらの図は、様々なシステム及びモジュール並びにそれらの間の関係を示す。様々なモジュール及びシステムは様々な構成で組み合わせることができ、様々なモジュール及びシステムの間の関係は、物理的又は論理的関連性を表し得る。図中の表現は、容量性及び導電性の技術を用いた液位の検知に関する原理を明瞭に例示するため提供されており、モジュール又はシステムの区分に関する詳細は、別個の物理的実施形態を記述しようと試みるものでなく、むしろ記載を容易にするために提供されている。例及び図は例示することを意図しており、本明細書に記載される本発明の範囲を限定することは意図されない。例えば、本明細書における原理は、呼吸加湿器にも、並びに手術用加湿器を含む他の種類の加湿システムにも適用され得る。本明細書における原理は、呼吸に関する用途にも、並びに液位の検知が望ましい他のシナリオにも適用され得る。
【0182】
本明細書で使用されるとき、用語「プロセッサ」は、任意の好適な装置、論理ブロック、モジュール、回路、又は命令を実行するための要素の組み合わせを広義に指す。例えば、制御器56は、Pentium(登録商標)プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、Power PC(登録商標)プロセッサ、AMD(登録商標)プロセッサ、又はALPHA(登録商標)プロセッサなどの、任意の従来の汎用シングルチップ又はマルチチップマイクロプロセッサを含み得る。加えて、制御器56は、デジタルシグナルプロセッサなどの任意の従来の専用マイクロプロセッサを含み得る。本明細書に開示される実施形態との関連で記載される種々の例示的論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブル論理素子、個別ゲート又はトランジスタ論理、個別ハードウェア部品、又は本明細書に記載される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせによって実装又は実行することができる。制御器56は、計算装置の組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のかかる構成の組み合わせとして実装することができる。
【0183】
データストレージは、情報、典型的にはコンピュータ又はデジタルデータの格納及び検索を可能にする電子回路を指し得る。データストレージは、外部装置又はシステム、例えばディスクドライブ又はソリッドステートドライブを指し得る。データストレージはまた、高速半導体記憶装置(チップ)、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は様々な形式の読出し専用メモリ(ROM)も指すことができ、これらはコミュニケーションバス又は制御器56に直接接続される。他の種類のメモリとしては、バブルメモリ及びコアメモリが挙げられる。データストレージは、非一時的媒体に情報を格納するように構成された物理ハードウェアであってもよい。
【0184】
流れ及び温度検知システム
図1に関連して、制御器56はまた、流れセンサ84及び少なくとも1つの温度センサ86からも入力を受け取る。任意の好適な流れセンサ84を使用することができ、任意の好適な温度センサ86を使用することができる。構成によっては、流れセンサ84が温度センサ86を含み得る。
【0185】
好ましくは、流れセンサ84は周囲空気と加湿チャンバ46との間に位置決めされる。より好ましくは、流れセンサ84は加圧ガス源30と加湿チャンバ46との間に位置決めされる。例示される構成では、流れセンサ84は加湿チャンバ46の入口ポート60に位置決めされる。構成によっては、センサ84は、導管を入口ポート60に結合するために使用されるコネクタに位置決めされてもよい。センサ84はまた、任意の好適な位置に位置決めされ得る。
【0186】
好ましくは、温度センサ86は加湿チャンバ46と使用者との間に位置決めされる。より好ましくは、温度センサ86は加湿チャンバ46とインターフェース74との間に位置決めされる。例示される構成では、温度センサ86は加湿チャンバ46の出口ポート62に位置決めされる。構成によっては、センサ86は、導管を出口ポート62に結合するために使用されるコネクタに位置決めされてもよい。センサ86はまた、任意の好適な位置に位置決めされ得る。
【0187】
センサ84、86の1つ以上の少なくとも一部は、加湿システム20を通って画定される流路の外側に装着され得る。構成によっては、センサ84、86の1つ以上は、加湿システム20を通る流路に直接アクセスすることなしに流路から取り外せるように構成される。好ましくは、1つ以上のセンサ84、86は、加湿システムを通る流路の一部分を通る流れの1つ以上の特性を、流路から気密封止されたままで検知するように構成される。
【0188】
図2に関連して、例示される構成では、入口ポート60は開口部90を含む。開口部90は入口ポート60の壁を貫通して延在し、入口ポートの壁60を通じた連通路を提供する。同様に、例示される構成では、出口ポート62が開口部92を含む。開口部92は出口ポート62の壁を貫通して延在し、出口ポート62の壁を通じた連通路を提供する。構成によっては、開口部90及び開口部92は、各々、軸を有する円筒の周りに画定され、それらの軸は互いに略平行に延在する。他の構成が可能である。加えて、例示される構成は開口部90、92を加湿チャンバ46の一部分の範囲内に位置決めするが、開口部の1つ以上を加湿システム20の他の位置に位置決めしてもよい。
【0189】
ここで
図3に関連して、第1のシール100が入口ポート60の開口部90内に位置決めされ、且つ第2のシール102が出口ポート62の開口部92内に位置決めされた加湿チャンバ46が示される。第1のシール100は、好ましくは開口部90を気密封止し、第2のシール102は、好ましくは開口部92を気密封止し、これにより加湿システム20のそれぞれの部分の中に画定されるガス経路が、シール100、102によって周囲から隔離される。換言すれば、シール100、102は実質的に開口部90、92を閉鎖する。従って、例示される構成では、シール100、102は、流体又はガスが開口部90、92を通り抜ける可能性を低減するバリアを画定する。適用によっては、シール100、102の少なくとも一方、好ましくはシール100、102の両方が、水蒸気の通り抜けに対しても抵抗性を有する。
【0190】
第1のシール100及び第2のシール102は任意の好適な材料で形成され得る。適用によっては、第1のシール100及び第2のシール102は弾性又は可撓性材料で形成される。好ましくは、シール100、102の少なくとも一方は、全体に弾性又は可撓性材料で形成される。適用によっては、シール100、102の少なくとも一方の少なくとも一部分が、全体に弾性又は可撓性材料で形成される。適用によっては、シール100、102の1つ以上が、ショアA硬さが約20〜約60、より好ましくは約30〜約40の材料で形成されてもよい。適用によっては、シール100、102の1つ以上が、シリコーン、ポリエチレン、又は熱可塑性ポリウレタンで形成されてもよい。
【0191】
適用によっては、
図17に示されるように、シール100、102の少なくとも一方の少なくとも一部分が硬質材料で形成され得る。例えば、限定されないが、シール100、102の少なくとも一方の少なくとも一部分を金属で形成することができる。シール100、102の少なくとも一方が全体に硬質材料で形成される場合、シールは好ましくは、シール100、102により形成されるバリアと関連するセンサとの間に再現性のある接触及び熱伝導を提供するように構成される。一部の実施形態では、シール100、102はチャンバ46と同じ材料で形成されてもよく、異なる(好ましくはより高い)熱伝導性を有する異なる材料でされてもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。組み合わせが使用される場合、シールの好ましくは先端101の少なくとも一部分、又は少なくともポート内の流れに曝露される部分、及び構成によっては、先端101の最末端部が、より高い熱伝導性を有する材料(例えば、アルミニウム、銅)で形成される。構成によっては、先端101は、シール100、102がポートの軸中心まで延在するように位置決めされる。構成によっては、先端101は、シール100、102がポート60、62の横方向寸法の少なくとも半分を横断するように位置決めされる。シール100、102はチャンバ46と一体形成されてもよく、又は例えば、限定されないが、チャンバ46と共にオーバーモールド、プレス嵌め及び接着、コモールド、又は溶接されてもよい。
【0192】
一部の実施形態では、シール100、102の少なくとも一方は、関連するセンサ130、132の端部又は検知部分を受け入れるように配置された第1の熱伝導性が高い部分と、第2の熱伝導性が低い又は非熱伝導性の部分とから形成され得る。第2の部分は好ましくは、センサ130、132の検知素子又は先端から装置の周囲部分に入る熱の伝導又は他の伝達が低下又は消失するように配置される。例えば、関連するセンサ130、132がサーミスタを含む場合、第2の部分は好ましくは、サーミスタを概して又は実質的に熱的に隔離する。換言すれば、サーミスタの先端は、熱伝導性が高い第1の部分に配置されてもよく、この部分は、サーミスタが計測しているガスの流れの中に位置決めされ得る。構成によっては、熱伝導性が低い又は非熱伝導性の部分は、熱伝導性が高い部分と異なる材料を含み得る。構成によっては、向上した断熱の提供に多孔質材料又は発泡材料を使用することができる。このような配置では、第1の部分から第2の部分を通って周囲環境に伝導される熱が少ない。この伝導の低下により、第1の部分とサーミスタの先端との間の伝熱が最大化され又は増加するため、サーミスタが提供するガスの読取り精度を高めることができる。
【0193】
一部の実施形態では、関連するセンサとシールの先端部分との間の接触の信頼性を増加させる手段が提供されてもよい。例えば、
図17の配置では、センサ130、132とセンサ130、132を担持し又は他の方法で支持するカートリッジ160との間に、ばね、又は任意の他の好適な付勢若しくは緩衝部材を間置し得る。このような配置では、部材103(例えば、ばね、付勢部材又は緩衝部材)が圧縮されることにより、センサ130、132の端部と、例えば限定されないが先端101との間に比較的再現性のある力が提供される。適用によっては、可撓性又は弾性の膜が先端101をチャンバ46に接続し得る。このような構成では、先端101は、チャンバ46の少なくともある部分(ポート60、62を含む)に対して移動可能なものとなり得る。換言すれば、可撓性又は弾性の膜は、センサ130、132が挿入されると、センサ130、132が先端101と接触することに起因して伸張することができ、先端101に略接触する熱質量を提供する一方で、センサ130、132の端部と先端101との間に略再現性のある力を提供し得る。
【0194】
配置によっては、シール100、102の少なくとも一方、好ましくは両方が、シール100、102をそれぞれ開口部90、92内で所定位置に保持するための特徴を含む。
図4に関連して、例示される第1のシール100は、外側フランジ104と内側フランジ106とを含む。
図5に示すとおり、外側フランジ104と内側フランジ106との間にチャネル108が画定される。チャネル108は好ましくは、入口ポート60の壁110に適合するサイズである。より好ましくは、チャネル108は、開口部90を取り囲む壁110と流体密及び/又は気密シールを形成するサイズである。
図3〜
図9に示される構成では、チャネル108の底面が少なくとも部分的に湾曲又は傾斜した表面を有することで、シール100と開口部90を画定する壁との間の封止の向上が図られる。構成によっては、
図18A〜
図18Gに示されるように、底面は、少なくとも部分的に湾曲又は傾斜しているのではなく、実質的に平らであってもよい。
【0195】
配置によっては、シール100、102の少なくとも一方は、開口部90、92に永久的に又は少なくとも半永久的に取り付けられ得る。配置によっては、シール100、102の少なくとも一方は、着脱自在且つ交換可能であってもよい。シール100、102は、他の構成部品の1つと同様の使用可能寿命を有するように構成され得る。例えば、シール100、102は、好ましくはチャンバ46と同様の使用可能寿命を含み、従ってチャンバ46とシール100、102とを同時に廃棄することになり得る。構成によっては、特にシール100、102がチャンバ46に永久的に取り付けられる場合、シール100、102は好ましくはチャンバ46より長い寿命を有し、従ってシール100、102はチャンバ46の寿命に関して制約となる構成部品とはならない。
【0196】
例示される構成では、内側フランジ106は外側フランジ104より小さい外周を有する。内側フランジ106の外周の方が小さいことにより、開口部90へのシール100の挿入が容易となる。第1のシール100の内側フランジ106は、開口部90への第1のシール100の嵌装をさらに補助する傾斜面112を含み得る。嵌装を容易にするため外側フランジ104の表面を傾斜させるか又はテーパ状にすることが可能であるが、例示される第1のシール100は入口ポート60の外側から開口部90に押し込まれるように設計されるため、傾斜面又はテーパ面112は、好ましくは内側フランジ106に位置決めされる。
【0197】
図10に関連して、第1のシール100と同様の、例示される第2のシール102は、外側フランジ114と内側フランジ116とを含む。
図12に最も分かり易く示されるとおり、外側フランジ114と内側フランジ116との間にチャネル118が画定される。
図10に示すとおり、チャネル118は好ましくは、出口ポート62の壁120に適合するサイズである。より好ましくは、チャネル118は、壁120のうち開口部を略取り囲む部分と流体密及び/又は気密シールを形成するサイズである。シール100と同様に、チャネル118の底面が少なくとも部分的に湾曲又は傾斜した表面を有することで、シール102と開口部92を画定する壁との間の封止の向上が図られる。構成によっては、底面は実質的に平らであってもよい(例えば
図18A〜
図18Gを参照のこと)。
【0198】
内側フランジ116は、外側フランジ104より小さい外周を有する。内側フランジ116の外周の方が小さいことにより、開口部92へのシール102の挿入が容易となる。第2のシール102の内側フランジ116は、開口部92への第2のシール102の嵌装を補助する曲面122を含み得る。第1のシール100と同様に、挿入を容易にするため外側フランジ114の表面を傾斜させるか又はテーパ状にすることが可能であるが、例示される第2のシールは出口ポート62の外側から開口部92に押し込まれるように設計されるため、傾斜面又はテーパ面は、好ましくは内側フランジ116に位置決めされる。
【0199】
図16に関連して、第1のセンサ130を第1のシール100に挿入可能であり、第2のセンサ132を第2のシール102に挿入可能である。構成によっては、シール100、102が開口部内に位置決めされなければ、センサ130、132は開口部を封止しない。第1のシール100及び第2のシール102は、ガス流路と、それぞれ第1のセンサ130及び第2のセンサ132との間に位置決めされるバリアを画定する。第1のシール100及び第2のシール102がバリアを画定することで、センサ130、132は常に流路の外部にある。第1のセンサ130及び第2のセンサ132が常に流路の外部にあるため、センサ130、132を再使用することができ、次に再使用する前に清浄にする必要がない。しかしながら、センサ130、132が常に流路の外部にあっても、センサ130、132は流れ特性の計測値を提供することが可能である。例えば、第1のセンサ130を使用して流量を検出することができ、一方第2のセンサを使用して温度を検出することができる。
【0200】
任意の好適な構成部品をセンサとして使用することができる。例えば、熱電対、抵抗温度検出器、固定抵抗器などを、センサ130、132として使用することができる。例示される配置では、センサ130、132はサーミスタを含む。第2のセンサ132は、本体136に据え付けられた単一のサーミスタ134を使用する。センサ132を使用して流路中の流れの温度を検知することができる。例示される配置に示すとおり、温度センサ132は、サーミスタ134が出口ポート62の流路内まで延在するように位置決めすることができる。構成によっては、温度センサは加湿システム20の他の領域に(例えば導管44、導管70などに)位置決めされてもよい。
【0201】
例示される第1のセンサ130は好ましくは、単一の本体144に据え付けられた第1のサーミスタ140と第2のサーミスタ142とを含む。構成によっては、第1のサーミスタ140と第2のサーミスタ142とは、別個の本体に据え付けられてもよい;しかしながら、第1のサーミスタ140と第2のサーミスタ142とを単一の本体144に据え付けると、第1のサーミスタ140と第2のサーミスタ142との互いの位置決めにおける精度が向上する。例示される配置に示すとおり、第1のセンサ130は、2つのサーミスタ140、142が入口ポート60の流路内まで延在するように位置決めすることができる。第1のセンサ130を入口に位置決めすることは、このセンサが流量を検出するものであるため望ましく、第1のセンサ130を比較的乾燥した流れの領域に位置決めすることが望ましい。構成によっては、流れセンサ130は加湿システム20の他の領域に(例えば導管44、導管70などに)位置決めされてもよい。
【0202】
第1のサーミスタ140及び第2のサーミスタ142を使用することにより、定温流れ計測手法を用いることができる。この手法では、第1のサーミスタ140が、検知位置における流れ温度を計測する基準センサとして機能し、被加熱型のサーミスタであり得る第2のサーミスタ142が、流れ温度を予め設定した温度差だけ上回る温度に加熱される。適用によっては、被加熱型サーミスタを使用する代わりに、抵抗器を使用して第2のサーミスタ142を加熱してもよい。構成によっては、サーミスタは全て被加熱型及び非被加熱型の両方のサーミスタであってよい。計測した流れ温度、被加熱型の第2のサーミスタ142の既知の伝熱特性及び2つのサーミスタ140、142の間の温度差を維持するための消費電力を使用して、流速を決定することができる。換言すれば、第2のサーミスタ142を高い温度に維持するのに必要な電力を処理することにより流量が決定される。従って、第1のセンサ130及び第2のセンサ132は、好ましくは実際の点の速度の約50%以内の流速及び約0.3℃以内の温度を計測する。他の技法もまた使用することができる。例えば、限定されないが、サーミスタに定電力を供給し、近傍のサーミスタに伝導された熱を使用して流量を決定してもよい。
【0203】
図16に示すとおり、第1のセンサ130は第1のシール100に挿入することができ、第2のセンサ132は第2のシール102に挿入することができる。シール100、102がセンサ130、132を流れから隔離するため、センサ130、132は流れによる汚染から保護されている。従って、センサ130、132を清浄にする必要がなく、清浄処理なしに再使用することができる。
【0204】
図4及び
図10に関連して、シール100、102の1つ以上は、それぞれの遠位端124、126に向かって厚さが減少し得る。
図4を詳細に参照すると、シール100は、シール100の遠位端124に存在する厚さt2より大きい第1の厚さt1を有する。好ましくは、シール100のうち第1のセンサ130の検知部分と接触するように適合された部分が減少した厚さt2を有し、感度の向上が図られる一方、より厚い部分によってロバスト性の向上が図られる。構成によっては、シール100のうち第1のセンサの検知部分と接触するように適合された部分は略一定の厚さを有し、性能の向上が図られる。
図10に関連して、シール102はシール100と同様の構造であり、第1の厚さt3が第2の厚さt4より大きい。他の好適な構成が可能である。構成によっては、センサ103、132はシール100、102の中に、シール100、102の先端が挿入によって伸張されるような深さまで挿入される。構成によっては、シール100、102の先端はシール100、102の他の領域より先に伸張する。先端が伸張することにより、センサ130、132が挿入されていないシール100、102と比較したとき、シール100、102の厚さが遠位端に向かって減少し得る。先端が伸張することによりまた、センサ130、132の先端とシール100、102の先端との間に気泡(この気泡はシール100、102とセンサ130、132との間の熱伝導を低下させ得る)が発生する可能性も低下する。
【0205】
引き続き
図4及び
図10を参照すると、例示されるシール100、102の遠位端124、126は減少した直径を有する。例示される構成では、遠位端124、126は他方の端部と比べて窄まっている。構成によっては、滑らかなテーパ又は他の好適な構成が用いられ得る。
【0206】
例示される構成では、第1のセンサ130は、単一の本体144にある第1のサーミスタ140と第2のサーミスタ142とを含む。第1のセンサ130は第1のシール100の中に受け入れられる。望ましくは、第1のサーミスタ140(すなわち、基準温度)と第2のサーミスタ142(すなわち、流れ計測用の加熱サーミスタ)との間の熱伝導は最小限に抑えられる。単一のバリア内におけるサーミスタ140、142の間の熱伝導が見出されている。この熱伝導は循環参照をもたらし得る:流れ温度が非被加熱型の第1のサーミスタ140を使用して計測される一方で、被加熱型の第2のサーミスタ142に一定の温度オフセット(例えば、約60℃)が加えられ、この温度オフセットを達成するのに必要な電力が計測される;被加熱型の第2のサーミスタ142が非被加熱型の第1のサーミスタ140を加熱した場合、目標温度が上昇し、この循環が繰り返される。従って、例示される第1のシール100は、2つのサーミスタ140、142用の2つの別個のスリーブ146、148を含む。第1のサーミスタ140を第1のスリーブ146に位置決めし、且つ第2のサーミスタ142を第2のスリーブ148に位置決めすることにより、第1のサーミスタ140と第2のサーミスタ142とが実質的に隔離され、シール100が各サーミスタ140、142に独立したバリア層を提供する。構成によっては、第1のサーミスタ140及び第2のサーミスタ142は、例えば限定されないが、サーミスタ140、142の間にバッフルを使用するか、異なる向きのサーミスタ140、142を提供するか、及び/又は流れセンサを使用することにより、実質的に隔離されてもよい。
【0207】
代替的なシール構成を
図19A〜
図19Cに示す。例示される実施形態において、シール102は略円筒形ベース115を含む。シール102はまた略釣鐘型ヘッド117も含む。例示される釣鐘型ヘッド117は、その周囲にわたり複数の三角形リブ119を含む。一部の実施形態では、ベース115とヘッド117との間にチャネル118が画定され、これは出口ポート62の壁120に適合するサイズであってよい。リブ119は撓むことができ、開口部92へのシール102の挿入と、次に拡張した状態に戻ることによる開口部92内での所定位置におけるシール102の保持の促進を可能にする。リブ119は押圧されるに従い、リブ119の間のスペース121に広がる。一部の実施形態では、リブ119の幅とリブ119間のスペース121の幅との比は約1:1である。一部の実施形態では、この比は約3:7である。比が大き過ぎると(すなわち、リブ119間のスペース121がリブ119と比較して小さいと)、リブ119が十分に押圧されず、シール102を開口部92内に嵌装することが大幅に困難となり得る。比が小さ過ぎると(すなわち、スペース121がリブ119と比較して大きいと)、保持力の低下が起こり、そのためシール102がそれ程しっかりとは開口部92に保持されないこともある。例示される実施形態において、シールは8つのリブ119を含むが、それより多い又は少ないリブ119もまた可能である。しかしながら、含まれるリブ119が多過ぎる場合、リブ119が薄くなって脆弱になり得る。或いは、含まれるリブ119が少な過ぎれば、リブ119を大きくすることが要求され、広がるための残りのスペースが小さくなる。
【0208】
図19A〜
図19Cのシール102にセンサ132が挿入されると、シール102の先端123は伸張してセンサ132の形状に適合し得る。センサ132に合わせて伸張する量が増加するに従い、シール材料は薄くなる。これにより、有利にはセンサの反応性及び精度が向上し、シールが伸張してセンサの形状に一致することに伴う封止としてセンサの間の接触面積が増加し、且つシールが開口部92にさらにしっかりと保持され得る。しかしながら、シールの先端123が平坦過ぎ、センサに適合するのに過度の伸張が必要である場合、シールにおけるセンサの挿入が一層困難となることもあり、シール材料が劣化又は破損し得る。例示される実施形態において、シールは、長さが約7.50mm、ベース115の直径が約7mm、リブ119の最大幅の部分で計測した直径が約6.50mm、及び先端123の厚さが約0.020mmである。リブ119を有するシールの代替的な構成を
図20A〜
図20Cに示す。
図20A及び
図20Bのシールは、いずれも、長さが約6mm、ベース115の直径が約8mm、リブ119の最大幅の部分で計測した直径が約7.50mm、及び先端厚さが約0.20mmであってよい。しかしながら、
図20Aのシールは、リブ間のスペース121が約1.4mmであるようなサイズのリブ119を有し得る一方、
図20Bのシールは、スペース121が約1.1mmであるようなサイズのリブ119を有し得る。
図20Cのシールは、長さが約4.50mm、ベース直径が約8mm、リブ119の最大幅の部分で計測した直径が約7.50mm、及び先端厚さが約0.20mmであってよい。
図20Cのシールのリブ119は、やや丸い又は湾曲した端部を有し得る。
【0209】
再び
図16に関連して、センサ130、132は着脱自在且つ交換可能であるため、それらは好ましくは再現性のある先端熱質量を有する。配置によっては、流路の内側に曝露される熱質量を再現可能である場合、センサ130、132の精度が向上し得る。このため、それぞれの流れに対するセンサ130、132の挿入深さは、好ましくは略再現可能である。
【0210】
センサ130、132の再現性のある挿入深さを提供するため、及びセンサ130、132の装着を簡略化するため、例示される構成はカートリッジ160を含む。
図3及び
図21に関連して、カートリッジ160及び例示される加湿チャンバ46の上部が連結構成を含む。例示される構成では、加湿チャンバ46の上部が凹部構造162を含む一方、カートリッジ160が対応するボス構造164を含む。構成によっては、加湿チャンバの上部がボス構造の少なくとも一部分を含み得る一方、カートリッジ160の底部が対応する凹部構造の少なくとも一部分を含む。別の構成を
図36に示し、ここでは上方に突出する部材165がチャンバ46の上部に位置決めされ、対応する凹部167がカートリッジ160に形成される。
図36に示される構成では、突出部材165と凹部167との協働により、カートリッジ160とチャンバ46との間の接続が案内され得る。任意の他の好適な構成を使用してもよい。
【0211】
センサ130、132は、偶発的又は不注意な接触、例えば限定されないが衝突又は強打することにより引き起こされ得る破損から、センサ130、132の少なくとも先端又は検知部品を保護するように構成されたシールドを含み得る。構成によっては、シールドは、センサ130、132の先端又は検知素子の周囲に配置された1つ以上のフィンガ131を含み得る。構成によっては、フィンガの1つ以上が湾曲していて、それによりフィンガの一部分が実質的にセンサ130、132の先端又は検知素子の上側に位置し、フィンガの別の一部分が実質的にセンサ130、132の先端又は検知素子と並んで位置してもよい。
【0212】
図3に示される例示される構成では、リッジ166が凹部構造162の少なくとも一部分を画定する。リッジ166は上面170から上方に延在する。リッジは、止め部172と、一対のスナップ凹部174とを画定する。
図21に示すとおり、一対の突出部180が例示されるカートリッジ160の下面182から下方に延在する。突出部180の各々は係止タブ184を含む。各係止タブ184は、例示される構成ではそれぞれのアーム186の端部にある。カートリッジ160をチャンバ46の所定位置に摺動させている間、係止タブ184を内側に撓ませることができる。係止タブ184は、リッジ166に形成されたスナップ凹部174内の所定位置にスナップ嵌めされる。係止タブ184がスナップ凹部174内の所定位置にスナップ嵌めされると、カートリッジ160が摺動方向において所定位置に固定される。加えて、カートリッジ160の止め部190がリッジ162の止め部172と近接又は接触した状態になる。センサ130、132はポート60、62内の所定位置に摺動されるため、カートリッジ160はまた、概して摺動方向において動きが固定される。
【0213】
図36に示されるように、構成によっては、カートリッジ160は1つ以上のアーム191を含む。アーム191は、チャンバ46のポート60、62の外側に沿って延在するように適合され得る。アームは、カートリッジ160がチャンバ46に対して正しく置かれるよう補助し得る。加えて、嵌装されたカートリッジ160が衝突又は強打した場合、その衝突又は強打による力は1つ以上のアーム191に伝わり、より脆弱なセンサ130、132から遠ざけることができる。
【0214】
例示される構成では、アーム191がインターロック部分195を含む一方、チャンバ46がインターロック部分197を含む。構成によっては、チャンバのインターロック部分197はポート60、62の横方向外側に位置決めされる。この横方向の変位が、安定な接続を提供する。インターロック部分197はボス199などの上に位置決めされ得る。構成によっては、チャンバ46の外表面内に又は外表面に沿って把持部分193が画定されてもよい。一つの構成では、把持部分193はインターロック部分197又はボス199の片側に画定されてもよく、一方でカートリッジ160の大部分が、インターロック部分197の別の側に位置決めされ得る。
【0215】
インターロック部分195、197には、任意の好適な形状を使用することができる。例示される構成では、チャンバ46のインターロック部分197が上方に延在するバンプを含む一方、チャンバのインターロック部分195が、インターロック部分197のバンプに対応する凹部を含む。好ましくは、チャンバ46とカートリッジ160とを完全に嵌合したとき、2つのインターロック部分195、197は、チャンバ46をカートリッジ160と分離する際に克服すべき力が少なくとも僅かにある程度でチャンバ46とカートリッジ160とを一体に保持する。
【0216】
カートリッジ160は、センサ130、132及び他の所望の電気部品を担持するシャーシを画定する。例示される構成では、
図21に示されるとおりカートリッジはソケットを画定するウィング192を含み、センサ130、132はソケットに差し込まれる。構成によっては、センサ130、132は、同じカートリッジ160で取り外して交換するように設計される。構成によっては、カートリッジ160は限られた時間だけ使用するように設計され、センサ130、132を取り外して交換することはできず廃棄することになる。構成によっては、カートリッジ160のうちセンサ130、132を担持する部分が、カートリッジ160の中心部分(ここは概して電子機器などを格納する)と分離可能である。かかる構成により、カートリッジ160のうち格納された電子機器の主要部分を含む部分を交換することなしに、センサ130、132を交換することが可能となる。
【0217】
図22に関連して、カートリッジは、陥凹した電気コネクタ161を含む。電気コネクタ161は、任意の好適な方法でセンサ130、132に電気的に接続される。好ましくは、電気コネクタ161は雌型USBコネクタである。加えて、電気コネクタ161は、制御器56又は任意の他の好適な構成部品との電気的接続を提供するように適合される。好ましくは、カートリッジ160が加湿チャンバ46に装着されているとき、加湿チャンバ46が加湿ユニット40に設置されると、加湿ユニット40上の対応するコネクタ(好ましくは、雄型USBコネクタなど)がコネクタ161との電気的接続をなす。このようにして、センサと制御器56の接続が大幅に簡略化され、不適切な電気的接続がなされる可能性が大幅に低減される。
【0218】
例示されるシャーシのウィング192は、センサ130、132用の取付け構造を提供するとともに、センサ130、132の検知部分が流路中で再現性のある挿入深さとなるようセンサ130、132の位置決めもする。有利には、センサ130、132がカートリッジ160に装着され、且つカートリッジ160がチャンバ46の所定位置にスナップ嵌めされると、センサ130、132の検知部分が流路内の所望の位置に位置決めされる。
【0219】
複合管
上記に記載したとおり、呼吸加湿システム20は、ガス源30を加湿ユニット40、吸気導管70、及び/又は呼気導管と接続する導管44を含み得る。一部の実施形態では、これらの導管のいずれか又は全ての一部又は全体が複合管であってもよく、複合管は、2つ以上の部分又は構成部品を有する管であり得る。本明細書に記載されるとおりの複合管はまた、他の用途、例えば限定されないが腹腔鏡手術にも用いられ得る。例えば、
図1Bに示される例示的な吹送システム701において導管713として複合管を使用することにより、熱損失を最小限に抑えた患者705の手術部位への加湿ガスの送気が促進され得る。これは、熱損失を補償するのに必要な熱入力が少なくなるため、吹送システムにおける全エネルギー消費を有利に低減し得る。
【0220】
図37Aに関連して、例示的な複合管は、第1の長尺部材203と第2の長尺部材205とを含む。例示される実施形態において、第1の長尺部材203と第2の長尺部材205とは異なる構成部品である;しかしながら、他の実施形態では、第1及び第2の長尺部材は、単一の材料から形成された管の領域であってもよい。従って、第1の長尺部材203が管の中空部分に相当し、一方、第2の長尺部材205が、中空部分に構造的支持を加える管の構造的支持部分又は補強部分に相当し得る。中空部分及び構造的支持部分は、本明細書に記載されるとおり螺旋状の構成を有し得る。複合管201を使用して、上記に記載したとおりの吸気導管70及び/又は呼気導管、同軸管、又は任意の他の医療用管を形成し得る。
【0221】
この例では、第1の長尺部材203は、螺旋状に巻回されることで、長手方向軸LA−LAを有する長尺管を少なくとも一部形成する中空本体と、長手方向軸LA−LAに沿って延在するルーメン207とを含む。少なくとも1つの実施形態において、第1の長尺部材203は管である。好ましくは、第1の長尺部材203は可撓性である。さらに、第1の長尺部材203は好ましくは透明であるか、又は少なくとも半透明若しくは半濁色である。一定の光透過性があることにより、介護者又は使用者がルーメン207の閉塞又は汚染を点検し、水分の存在を確認することが可能となる。第1の長尺部材203の本体には、医療級プラスチックを含めた種々のプラスチックが好適である。好適な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマー、EPDM−ポリプロピレン混合物、及び熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
【0222】
少なくとも1つの実施形態において、第1の長尺部材203の形成に使用される押出物は、ブロッキング防止添加剤をさらに含む。ブロッキング防止添加剤は、2つの隣接する薄膜層の付着を低減し得る。ブロッキング防止添加剤としては、焼成カオリン(CaK)、含水カオリン(HyK)、炭酸カルシウム(CaC)、タルク(TaC)、天然シリカ(NSi1)、天然シリカ(NSi2)、珪藻土(DiE)及び合成シリカ(SSi)を挙げることができる。構成によっては、ブロッキング防止添加剤は食用として安全である。一部の実施形態では、ブロッキング防止添加剤はタルクである。プラスチック押出物にタルクを添加すると、有利には、得られる第1の長尺部材203の粘着性が低下する。押出物にタルクを添加するとまた、第1の長尺部材203が物体、例えば机又はベッドサイドテーブルの縁部上を引きずられるときに生じる騒音も低下する。加えて、タルクを添加すると、屈曲部の周りに一纏まりになる(及びばらける)ときに隣接するバブルが互いに付着する(及び剥がれる)程度が低下することにより、管を動かす、曲げるなどしたときに生じる騒音が低下する。特定の実施形態において、タルクは全押出物の1.5〜10(又は約1.5〜約10)重量パーセントの範囲である。特定の実施形態において、タルクは全押出物の1.5〜5(又は約1.5〜約5)重量パーセントの範囲である。特定の実施形態において、タルクは全押出物の10(又は約10)重量パーセント又はそれ以下の範囲である。特定の実施形態において、タルクは全押出物の5(又は約5)重量パーセント又はそれ以下の範囲である。特定の実施形態において、タルクは全押出物の1.5(又は約1.5)重量パーセント又はそれ以上の範囲である。望ましくは、タルクの量は、管が適度に透き通っていて管の内側の点検を可能とするのに十分な少なさである。
【0223】
第1の長尺部材203の中空本体構造は、複合管201に対する断熱特性に寄与する。上記に説明したとおり熱損失が防止されるため、断熱管201が望ましい。これにより、管201が最小限のエネルギー消費でガスの調整された状態を維持しながら、加熱・加湿器から患者にガスを送気することが可能となり得る。
【0224】
少なくとも1つの実施形態において、第1の長尺部材203の中空部分にはガスが充填される。ガスは空気であってよく、空気は、その低い熱伝導性(300Kで2.62×10
−2W/m・K)及び極めて低いコストから望ましい。空気より高い粘度のガスもまた、高粘度は対流熱伝達を低減するため、有利に使用することができる。従って、アルゴン(300Kで17.72×10
−3W/m・K)、クリプトン(300Kで9.43×10
−3W/m・K)、及びキセノン(300Kで5.65×10
−3W/m・K)などのガスは、断熱性能を高め得る。これらのガスの各々は非毒性で化学的に不活性であり、鎮火性があり、且つ市販されている。第1の長尺部材203の中空部分は、管の両端を封止して、中のガスを実質的に停留させてもよい。或いは、中空部分は、管の患者端から制御器に圧力フィードバックを伝える圧力サンプルラインなど、二次的な空気接続であってもよい。第1の長尺部材203は場合により有孔であってもよい。例えば、第1の長尺部材203の表面は、ルーメン207の反対側の、外側に向く表面が有孔であってもよい。別の実施形態において、第1の長尺部材203の中空部分には液体が充填される。液体の例としては、水又は高熱容量の他の生体適合性液体を挙げることができる。例えば、ナノ流体を使用することができる。好適な熱容量の例示的ナノ流体は、水及びアルミニウムなどの物質のナノ粒子を含む。
【0225】
第1の長尺部材203は所定量の流体(空気など)を含有してもよく、その所定量の流体が漏れることを防ぐため実質的に封止され得る。使用中、流体は、管201、第1の長尺部材203、第2の長尺部材205、及び/又は管201に沿って移動するガスの1つ以上の特性の計測に使用されるように構成され得る。少なくとも1つの実施形態において、管に沿って流れるガスの圧力が計測され得る。ガスが循環し始める前に流体の圧力の基準計測が行われる。ガスが管201を通って流れ始めると、ガスの圧力は、第1の長尺部材203内の流体の圧力に比例した上昇を生じる傾向がある。基準計測で使用中に取った計測値を比較することにより、管201内のガスの圧力を決定することができる。別の実施形態において、管201内のガスの動作熱範囲に基づき1つ以上の特性を変化させる流体が選択される。このように、流体の特性を計測することにより、ガスの温度を決定することができる。例えば、温度に伴い膨張する流体を使用してもよい。使用中、流体の温度はガス流の温度に近付く傾向がある。次に流体の圧力を計測することにより、流体の温度を決定することができる。これは、ガス流の温度を直接計測することが困難であるか又は望ましくない場合に、特に利益があり得る。
【0226】
一部の実施形態では、第1の長尺部材203の少なくとも一部分は、蒸気が通り抜けることが可能な材料、例えば、NAFIONなどの極めて高い親水性特性を有する活性全フッ素化ポリマー材料、又はSYMPATEXなどの親水性ポリエステルブロック共重合体で形成される。好ましくは、第1の長尺部材203のうち管201のルーメンを形成する部分がこの材料で形成される。使用中、所定量の加湿流体(水など)が、第1の長尺部材によって形成される空間を通過する。加湿流体は(例えば、第2の長尺部材205に配設された加熱フィラメント215により)加熱されるため、加湿流体の一部は蒸発する傾向がある。次にこれが通気性部分を通ってガス流に入り込み、これによりガス流が加湿される。かかる実施形態において、管201はガス流に十分な加湿を提供し得るため、システムに独立型の加湿器を含めなくてもよい。
【0227】
一部の実施形態では、ガス流は第1の長尺部材203の内側の空間に沿って送られ得る。例えば、呼息された呼吸ガスが運ばれ得る。一部の実施形態では、第1の長尺部材又は第1の長尺部材の少なくとも一部分(好ましくは外側を向く側面)は、水蒸気が通り抜けることが可能な材料、例えば、NAFIONなどの極めて高い親水性特性を有する活性全フッ素化ポリマー材料、又はSYMPATEXなどの親水性ポリエステルブロック共重合体で作製され得る。このように、呼息されたガスは第1の長尺部材の長さに沿って移動するに従い、患者端における約100%相対湿度から反対側の端部における低下した湿度レベルへと乾燥する傾向がある。
【0228】
第2の長尺部材205もまた、第1の長尺部材203の隣接する巻きの間において螺旋状に巻回され、第1の長尺部材203と接合される。第2の長尺部材205は長尺管のルーメン207の少なくとも一部分を形成する。第2の長尺部材205は第1の長尺部材203の構造的支持として働く。
【0229】
少なくとも1つの実施形態において、第2の長尺部材205は基部(ルーメン207に近接した方)の幅が広く、上部の幅が狭い。例えば、第2の長尺部材は略三角形、略T字型、又は略Y字型であってもよい。しかしながら、対応する第1の長尺部材203の輪郭に一致する任意の形状が好適である。
【0230】
好ましくは、第2の長尺部材205は可撓性であり、管の屈曲を促進する。望ましくは;第2の長尺部材205は第1の長尺部材203より可撓性が低い。これにより、第2の長尺部材205が第1の長尺部材203を構造的に支持する能力が向上する。例えば、第2の長尺部材205の弾性率は好ましくは30〜50MPa(又は約30〜50MPa)である。第1の長尺部材203の弾性率は第2の長尺部材205の弾性率より低い。第2の長尺部材205は固体であるか、又はほぼ固体であってよい。加えて、第2の長尺部材205は、フィラメント、特に加熱フィラメント又はセンサ(図示せず)などの導電性材料を封入し又は囲い込んでもよい。加熱フィラメントは、水分を多く含む空気から凝縮物が発生し得る冷温面を最小限に抑え得る。加熱フィラメントはまた、複合管201のルーメン207中にあるガスの温度プロファイルを変更するためにも使用することができる。様々なポリマー及び医療級プラスチックを含めたプラスチックが、第2の長尺部材205の本体に好適である。好適な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリエステルエラストマー、EPDM−ポリプロピレン混合物及び熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。特定の実施形態において、第1の長尺部材203及び第2の長尺部材205は同じ材料から作製されてもよい。第2の長尺部材205はまた、第1の長尺部材203と異なる色の材料で作製されてもよく、透明、半透明又は不透明であってもよい。例えば、一実施形態において、第1の長尺部材203が透明なプラスチックから作製されてもよく、且つ第2の長尺部材205が不透明な青色(又は他の色)のプラスチックから作製されてもよい。
【0231】
一部の実施形態では、第2の長尺部材205は、水を吸い上げる材料で作製され得る。例えば、吸収性スポンジ状材料が用いられ得る。好ましくは、第2の長尺部材205はウォーターバッグなどの水供給源に接続される。使用中、水は第2の長尺部材205の長さの少なくとも一部分(好ましくは実質的に全長)に沿って運ばれる。ガスが第2の長尺部材205に沿って流れるに従い、ガスに水蒸気が取り込まれる傾向があり、これによりガス流が加湿される。一部の実施形態では、第2の長尺部材205に埋設された1つ以上のヒータフィラメントを制御して蒸発率を変更し、それによりガス流に付与される加湿のレベルを変えることができる。
【0232】
可撓性の中空本体及び一体化した支持体を含むこの螺旋状に巻回された構造は、圧潰抵抗性を提供しながらも、キンク、閉塞又は凹みなしに小さい曲げ半径を可能にするのに十分な可撓性は管壁に残すことができる。好ましくは、管は、ISO 5367:2000(E)に従う屈曲による流れ抵抗の増加に関する試験に定義されるとおり、キンク、閉塞、又は凹みなしに25mm直径金属円筒を折り曲げることができる。この構造はまた、滑らかなルーメン207の表面(管穴)も提供することができ、これは管を沈着物がないよう保つのに役立ち、ガスの流れが向上する。この中空本体は、管の断熱特性を向上させながらも、管を軽量にとどめることが可能であることが見出された。
【0233】
上記に説明したとおり、複合管201は、呼吸回路における、又は呼吸回路の一部分における呼気管及び/又は吸気管として使用することができる。好ましくは、複合管201は少なくとも吸気管として使用される。
【0234】
図37Bは、
図37Aの例示的な複合管201の上部分の長手方向断面を示す。
図37Bは、
図37Aと同じ向きである。この例は、第1の長尺部材203の中空本体形状をさらに示す。この例で分かるとおり、第1の長尺部材203は、長手方向断面において、複数の中空バブルを形成する。第1の長尺部材203の部分209は第2の長尺部材205の隣接する巻付部と重なる。第1の長尺部材203の部分211はルーメンの壁(管穴)を形成する。
【0235】
第1の長尺部材203の隣接する巻きの間、すなわち隣接するバブルの間に間隙213があると、予想外にも、複合管201の全体的な断熱特性が向上することが分かった。従って、特定の実施形態において、隣接するバブルは間隙213によって分離される。さらに、特定の実施形態は、隣接するバブルの間に間隙213を提供すると熱伝導抵抗(R値)が増加し、それに伴い複合管201の熱伝導率が低下するという認識を含む。この間隙構成はまた、小さい曲げ半径を可能にするため、複合管201の可撓性を向上させることも見出された。
図37Bに示されるとおりのT字型の第2の長尺部材205が、隣接するバブル間の間隙213の維持に役立ち得る。それでもなお、特定の実施形態では、隣接するバブルは接触している。例えば、隣接するバブルが互いに結合されてもよい。
【0236】
第2の長尺部材205には、ガス流を加熱又は検知するための1つ以上の導電性材料が配設され得る。この例では、2つの加熱フィラメント215が第2の長尺部材205に封入されており、「T」字の縦画部分の各側に1つずつある。加熱フィラメント215は、アルミニウム(Al)及び/又は銅(Cu)の合金などの導電性材料、又は導電性ポリマーを含む。好ましくは、第2の長尺部材205を形成する材料は、加熱フィラメント215がその動作温度に達したときに、加熱フィラメント215中の金属と反応性を有しないように選択される。フィラメントがルーメン207に露出しないように、フィラメント215はルーメン207から離間されてもよい。フィラメントの対は、複合管の一端で接続ループとなるように形成され得る。
【0237】
少なくとも1つの実施形態において、第2の長尺部材205には複数のフィラメントが配設される。これらのフィラメントは電気的に一体に接続され、コモンレールを共有する。例えば、第1のフィラメント、例えば加熱フィラメントが、第2の長尺部材205の第1の側に配設され得る。第2のフィラメント、例えば検知フィラメントが、第2の長尺部材205の第2の側に配設され得る。第3のフィラメント、例えば接地フィラメントが、第1のフィラメントと第2のフィラメントとの間に配設され得る。第1、第2、及び/又は第3のフィラメントは、第2の長尺部材205の一端で一体に接続され得る。
【0238】
図37Cは、
図37Bのバブルの長手方向断面を示す。図示されるとおり、第1の長尺部材203のうち第2の長尺部材205の隣接する巻付部と重なる部分209は、結合領域217の程度によって特徴付けられる。結合領域が大きい程、第1の長尺部材と第2の長尺部材との接合面における管の剥離抵抗性が向上する。それに加えて又は代えて、ビード及び/又はバブルの形状を、結合領域217が増加するように適合させることができる。例えば、
図37Dは、左側に比較的小さい結合範囲を示す。本明細書でさらに詳細に考察される
図48Bもまた、より小さい結合領域を示す。対照的に、
図37Eは、ビードのサイズ及び形状により、
図37Dに示されるものと比べてかなり大きい結合領域を有する。本明細書でさらに詳細に考察される
図48A及び
図48Cもまた、より大きい結合領域を示す。特定の実施形態において
図37E、
図48A、及び
図48Cの構成が好ましいこともあるが、他の実施形態では、所望に応じて、
図37D、
図48Bの構成を含めた他の構成、及び他の変形例を利用し得ることは理解されなければならない。
【0239】
図37Dは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図37Dは、
図37Bと同じ向きである。この例は、第1の長尺部材203の中空本体形状をさらに示し、第1の長尺部材203が長手方向断面においてどのように複数の中空バブルを形成しているかを示す。この例では、バブルは間隙213によって互いに完全に離間されている。略三角形の第2の長尺部材205が第1の長尺部材203を支持する。
【0240】
図37Eは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図37Eは、
図37Bと同じ向きである。
図37Eの例では、加熱フィラメント215が、
図37Bのフィラメント215と比べて互いにさらに離間されている。加熱フィラメント間のスペースを増加させると加熱効率が向上し得ることが分かっており、特定の実施形態はこの認識を含む。加熱効率は、管への熱入力量と管からのエネルギー出力量又は回収可能量との比を指す。一般的に言えば、管から放散するエネルギー(又は熱)が大きい程、加熱効率は低下する。加熱性能を向上させるため、加熱フィラメント215は管の穴に沿って等間隔に(又はほぼ等間隔に)離間させ得る。或いは、フィラメント215は第2の長尺部材205の端に位置決めしてもよく、これにより製造の単純化がもたらされ得る。
【0241】
図37Fでは、第1の長尺部材203は長手方向断面において複数の中空バブルを形成する。この例では、第2の長尺部材205の巻付部の間に第1の長尺部材203の複数のバブル、より具体的には2つの隣接する巻付部がある。この構成は、
図37Gにさらに詳細に示される。本開示の他の部分に説明及び図示されるとおり、特定の構成は、第2の長尺部材205の巻付部の間に第1の長尺部材203の2つより多い、例えば3つの巻付部を実施し得る。
【0242】
第2の長尺部材205の巻付部の間に第1の長尺部材203の複数の隣接する巻付部を含む実施形態は、管の全体的な可撓性が向上するため有利であり得る。実質的に中実の第2の長尺部材205は、中空の第1の長尺部材203と比べて概して可撓性が低い。従って、特定の実施形態は、第2の長尺部材205の巻付部の間にある第1の長尺部材203のバブルの数を増やすことにより、管の全体的な可撓性を向上させ得るという認識を含む。
【0243】
第2の長尺部材205の巻付部の間に2つのバブルを含む管の第1の300mm長さのサンプル、及び第2の長尺部材205の巻付部の間に1つのバブルを含む管の第2の300mm長さのサンプルを、各々、可撓性試験ジグにおいて試験した。可撓性試験ジグの正面断面概略図が
図38Aに示される。ジグ1201は、120gの固定質量を有するロッド1203を使用して各管201に力を加え、管201は2つのローラ1205及び1207の間に位置決めした。ロッド1203により付与される力は約1.2N(0.12kg×9.81m/s
2)であった。ローラ1205及び1207の詳細な正面断面概略図が
図38Bに示される。ローラ1205及び1207は両方とも同じ寸法を有した。
図38C〜
図38Fの写真に示した、可撓性試験ジグの垂直支持体1209に対する固定重りの位置を使用して、垂直方向の撓みを計測した。
【0244】
図38Cは、ジグ1201における第2の供試サンプルの正面斜視図を示す。
図38Dは、ジグ1201における第2の供試サンプルの背面斜視図を示す。
図38Eは、ジグ1201における第1の供試サンプルの正面斜視図を示す。
図38Fは、ジグ1201における第1の供試サンプルの背面斜視図を示す。
図38C〜
図38Fに示されるとおり、
図38E及び
図38Fに示す第2のサンプルは、
図38C及び
図38Dに示す第1のサンプルと比べて垂直方向の撓みが実質的に大きかった。具体的には、第2のサンプルの垂直方向の撓みが3mmであったのに対し、第1のサンプルは可撓性が大幅に高く、垂直方向の撓みは42mmであった。
【0245】
第2の長尺部材205の巻付部の間に第1の長尺部材203の複数の隣接する巻付部を含む実施形態の別の利点は、圧潰からの回復性の向上である。圧潰後、第1の長尺部材203の巻付部の間に複数のバブルを有するサンプルは、第1の長尺部材203の巻付部の間に唯1つのバブルを有するサンプルと比べてその形状をより速く回復したことが観察された。
【0246】
第2の長尺部材205の巻付部の間に第1の長尺部材203の複数の隣接する巻付部を含む実施形態のさらに別の利点は、圧潰に対する抵抗性の向上である。圧潰抵抗性は、供用中の管の弾性回復力において重要な役割を果たす機械的特性である。病院環境は、患者の腕又は脚、ベッドの枠、及び他の設備により管が圧潰を受け得るため、苛酷であり得る。
【0247】
図39Aの写真に示すとおりセットアップしたInstron試験機を使用して、4つの管サンプルの圧潰抵抗試験を実施した。シリンダ1301を60mm/分の速度で管の上部から16mm押し下げた。Instron試験機は、伸びに対する構成部品にかかった力を正確に計測するロードセルを有する。
図39Bに示されるとおり、荷重対伸びをプロットした。
【0248】
図39Bのデータに最良適合線を当てはめ、その傾きを計算することにより、各サンプルの圧潰剛性を求めた。各サンプルについて計算した圧潰剛性を表1Aに示す。表1A(及び本開示の他の部分)において、表示名「ダブルバブル」は、サンプルを長手方向断面で見たとき第2の長尺部材205の巻付部の間に2つのバブルを含む管のサンプルを指す。表示名「シングルバブル」は、サンプルを長手方向断面で見たとき第2の長尺部材205の巻付部の間に単一のバブルを含む管のサンプルを指す。平均圧潰剛性(N/mm単位で計測される)は、圧潰を生じないなかで最も大きい単位幅当たりの力の平均を表す。
【0250】
上記の表に示すとおり、シングルバブル管の平均圧潰剛性が3.86N/mmであったのに対し、ダブルバブル管の平均圧潰剛性は3.21N/mmであった。換言すれば、ダブルバブル管はシングルバブル管と比べて圧潰に対する抵抗性が約16.8%低かった。それにも関わらず、ダブルバブル管の単位厚さ当たりの圧潰剛性は、以下の表1Bに示すとおり、シングルバブル管の値の約165%であることが観察された。
【0252】
別の言い方をすれば、外側バブル厚さを考慮すると、ダブルバブル管は圧潰に対する抵抗性がシングルバブル管型と比べて約65%高い。
図37F及び
図37Gに示されるとおり、ダブルバブル構成のバブルは、バブルが幅広の場合と比べて高さがあり、そのため垂直面の材料がより多くなる。従って、バブルの単位厚さ当たりの圧潰抵抗性におけるこの予想外の向上は、圧潰方向に働くビード間の追加的な垂直方向のウェブに起因し得ると考えられる。
【0253】
シングル及びダブルバブル管サンプルに関して引張試験もまた実施した。両方のサンプルとも230mmの長さであり、10mm/分の速度で15mm引き延ばした。サンプルを引き延ばすのに必要な力を計測した。結果を表1Cに示す。
【0255】
表1Cに示すとおり、軸方向(長手方向)の平面においてはダブルバブル管の伸張が顕著に大きかった。この長手方向の伸張の増加は、シングルバブル管が軸方向平面に働くビード間により多くの材料を有することに起因するものと考えられる。
【0256】
上記に記載する複数のバブル構成のさらに別の利点は、この構成によってさらなる流体を保持又は搬送する能力が付与されることである。上記に説明したとおり、第1の長尺部材203の中空部分にはガスが充填され得る。複数の個別のバブル又は中空部分には、複数の個別のガスを充填することができる。例えば、ある中空部分が第1のガスを保持又は搬送してもよく、且つ第2の中空部分が、管の患者端から制御器に圧力フィードバックを伝える圧力サンプルラインなど、二次的な空気接続として使用されてもよい。別の例として、複数の個別のバブル又は中空部分に、液体の組み合わせ、又は液体とガスとの組み合わせが充填されてもよい。例えば、第1のバブルがガスを保持又は搬送してもよく、且つ第2のバブルが液体を保持又は搬送してもよい。好適な液体及びガスは、上記に記載される。
【0257】
特定の実施形態において
図37F及び
図37Gの構成が好ましいこともあるが、他の実施形態では、所望に応じて他の構成を利用し得ることは理解されなければならない。
【0259】
特定の実施形態は、
図37H、
図37I、及び
図37Lに示す管が、伸張能力を高める形状を有する第2の長尺部材205を含むという認識を含む。例えば、
図37Hでは、第2の長尺部材205は、第1の長尺部材203と実質的に同じ高さの外形を有する略偏球である。
図37Vに示すとおり、これにより第2の長尺部材205は、静止時の第2の長尺部材205と比較して少なくとも2倍の幅まで外側に変形することが可能となる。
【0260】
図37I及び37Lでは、第2の長尺部材205は、蛇腹状の形を有するように付形される。従って伸張時、第2の長尺部材205は平らになることにより伸張増加分に対応することができる(それぞれ
図37W及び
図37Zに示されるとおり)。
【0261】
図37J及び
図37Kでは、第1の長尺部材203に、その外側への変形を可能にする形が付与され、これにより横方向伸張の増加が可能となる(それぞれ
図37X及び
図37Yに示されるとおり)。
【0262】
次に、第2の長尺部材205の例示的な構成を示す
図40〜
図40Hを参照する。
図40Aは、
図37Bに示されるT字型と同様の形状を有する第2の長尺部材205の断面を示す。この例示的実施形態では、第2の長尺部材205は加熱フィラメントを有しない。第2の長尺部材205には、以下に記載するとおりのT字型の変形例及び三角形を含めた他の形状もまた利用し得る。
【0263】
図40Bは、T字型断面を有する別の例示的な第2の長尺部材205を示す。この例では、加熱フィラメント215は、第2の長尺部材205において「T」字の縦画部分の両側にあるカット301に埋設される。一部の実施形態では、カット301は、第2の長尺部材205に押出し中に形成され得る。或いはカット301は、第2の長尺部材205に押出し後に形成されてもよい。例えば、切断工具により第2の長尺部材205にカットを形成してもよい。好ましくはカットは、加熱フィラメント215によって、押出し直後、第2の長尺部材205が比較的軟らかいうちに、加熱フィラメント215を第2の長尺部材205に押し込むか又は引き抜く(機械的に固定する)ことに伴い形成される。或いは、1つ以上の加熱フィラメントが長尺部材の基部に、管ルーメンにフィラメントが露出するようにして装着(例えば、接着、結合、又は部分的に埋設)され得る。かかる実施形態では、フィラメントを遮蔽材に入れ、管ルーメンを酸素などの可燃性ガスが通過した場合の火災リスクを低減することが望ましいとされ得る。
【0264】
図40Cは、さらに別の例示的な第2の長尺部材205を断面で示す。第2の長尺部材205は略三角形を有する。この例では、加熱フィラメント215は三角形の対向する両側に埋設される。
【0265】
図40Dは、さらに別の例示的な第2の長尺部材205を断面で示す。第2の長尺部材205が4つの溝303を含む。溝303は、断面プロファイルにおける陥入又はくびれ込みである。一部の実施形態では、溝303は、フィラメントを埋設するためのカット(図示せず)の形成を促進し得る(図示せず)。一部の実施形態では、溝303はフィラメント(図示せず)の位置決めを促進し、フィラメントは第2の長尺部材205に押し込まれるか又は引き抜かれることでそこに埋設される。この例では、4つの開始溝303により、最大4つのフィラメント、例えば4つの加熱フィラメント、4つの検知フィラメント、2つの加熱フィラメントと2つの検知フィラメント、3つの加熱フィラメントと1つの検知フィラメント、又は1つの加熱フィラメントと3つの検知フィラメントの配置が促進される。一部の実施形態では、加熱フィラメントが第2の長尺部材205の外側に位置し得る。検知フィラメントは内側に位置し得る。
【0266】
図40Eは、さらに別の例示的な第2の長尺部材205を断面で示す。第2の長尺部材205はT字型プロファイルと、加熱フィラメント配置用の複数の溝303とを有する。
【0267】
図40Fは、さらに別の例示的な第2の長尺部材205を断面で示す。第2の長尺部材205に4つのフィラメント215が封入され、「T」字の縦画部分の各側に2つずつある。以下にさらに詳細に説明するとおり、第2の長尺部材205をフィラメントの周りに押し出したため、フィラメントは第2の長尺部材205に封入されている。加熱フィラメント215を埋設するカットは形成されなかった。この例では、第2の長尺部材205は複数の溝303も含む。加熱フィラメント215は第2の長尺部材205に封入されるため、溝303は、加熱フィラメント埋設用のカットの形成を促進するために使用されるのではない。この例では、溝303は埋設された加熱フィラメントの分離を促進することができ、これにより、例えば加熱フィラメントの終端処理時における個々の心線の剥ぎ取りが容易となる。
【0268】
図40Gは、さらに別の例示的な第2の長尺部材205を断面で示す。第2の長尺部材205は略三角形を有する。この例では、第2の長尺部材205の形状は
図40Cと同様であるが、しかしながら4つのフィラメント215は第2の長尺部材205に封入されており、それらの全てが第2の長尺部材205の下3分の1の中心にあり、略水平軸に沿って配設されている。
【0269】
上記に説明したとおり、加熱効率を向上させるためフィラメント間の距離を増加させることが望ましいとされ得る。しかしながら一部の実施形態では、加熱フィラメント215を複合管201に組み込む際、フィラメント215は第2の長尺部材205の比較的中心に位置決めされ得る。中心に集まった位置は、一部には、複合管201を繰り返し屈曲させたときにフィラメントが破断する可能性が低下する位置であるため、再使用するための複合管材のロバスト性が促進される。フィラメント215を中心に集めるとまた、フィラメント215が遮断層に被覆されてガス経路から除かれるため、出火危険のリスクも低下し得る。
【0270】
上記に説明したとおり、これらの例のいくつかは、第2の長尺部材205におけるフィラメント215の好適な配置を示す。2つ以上のフィラメント215を含む前述の例では、フィラメント215は概して水平軸に沿って整列する。代替的な構成もまた好適である。例えば、2つのフィラメントを垂直軸に沿って、又は斜めの軸に沿って整列させてもよい。4つのフィラメントを垂直軸又は斜めの軸に沿って整列させてもよい。4つのフィラメントを十字形の構成で整列させて、1つのフィラメントを第2の長尺部材の上部に配設し、1つのフィラメントを第2の長尺部材の下部(管ルーメンの近傍)に配設し、且つ2つのフィラメントを「T」字、「Y」字、又は三角形底辺の両脇に配設してもよい。
【0271】
ここで
図40Hを参照すると、第2の長尺部材205の代替的実施形態が示される。第2の長尺部材205は、絶縁層1903、シールド層1904、及びシース層1905に取り囲まれた導体1902を有する1つ以上の同軸ケーブル1901を含む。特定の実施形態において、ケーブル1901の1つ以上は多軸ケーブルであってもよく、すなわち絶縁層1903内に配置された複数の導体1902を有してもよい。このように、第2の長尺部材205においては、複数のワイヤ(加熱ワイヤ及び/又は検知ワイヤを含む)を含む単一のアセンブリを使用することができ、それにより組立てを単純化し、且つRF干渉などからのいくらかの遮蔽(シールド層1904による)を提供することができる。
【0272】
一部の実施形態では、第2の長尺部材205に1つ以上のデータ伝送ケーブルを含めることができる。データ伝送ケーブルは光ファイバーケーブルを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、第2の長尺部材205に単一の光ファイバーケーブルが含まれ、受動モードで使用される。受動モードでは、ケーブルの第1の端部に光源及び光センサが提供される。第2の端部には反射板が提供される。使用時、光源が、特定の特性を備える所定量の光を反射板に向かって提供する。次に反射板が光を光センサに向かって反射し、光センサは反射した光を解析することにより、その光の特性を決定し得る。反射板は、システムの特性に応じて反射光の特性を変化させるように適合され得る。例えば、反射板を使用してインターフェース内の結露をモニタすることができる。反射板は、例えば、第2の端部における結露の存在に応じて色を変化させる材料を含み得る。反射板は、それに代えて又は加えて、第2の端部におけるガスの湿度水準(相対湿度又は絶対湿度)及び/又は温度に応じて色などを変化させる材料を含んでもよい。
【0273】
表2A及び表2Bは、本明細書に記載される医療用管のいくつかの例示的な寸法、並びにそれらの寸法のいくつかの範囲を示す。寸法とは、管の横方向断面を指す。これらの表において、ルーメン直径は、管の内径を表す。ピッチは、管に沿って軸方向に計測した2つの反復点の間の距離、すなわち第2の長尺部材の隣接する「T」字の縦画部分の先端間の距離を表す。バブル幅は、バブルの幅(最大外径)を表す。バブル高さは、管ルーメンからのバブルの高さを表す。ビード高さは、管ルーメンからの第2の長尺部材の最大の高さ(例えば、「T」字の縦画部分の高さ)を表す。ビード幅は、第2の長尺部材の最大幅(例えば、「T」字の横画部分の幅)を表す。バブル厚さは、バブル壁の厚さを表す。
【0276】
別の例示的実施形態において、医療用管は、表2Cに示す略寸法を有する。
【0278】
表2Cに示す寸法は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の適用に特に有利であり得る。呼吸管理に使用される導管と比較して、OSA適用で使用される導管は可撓性が高く、外径が小さく、軽量で、且つ静かで、触れたときのべたつきが少ないものであることが望ましい。
【0279】
可撓性を向上させるため、導管を、減少したピッチを有するように形成することができる。構成によっては、第1の長尺部材は、約2mm〜約8mmのピッチを有する導管となるように形成され得る。構成によっては、導管は約4.5mm〜約5.6mmのピッチを有し得る。構成によっては、導管は約5.1mmのピッチを有し得る。構成によっては、導管は、ヒータを組み込み、約17mmの内径を有し、且つ約72インチ(183cm)の長さを有する一方で、約5〜5.1mmのピッチを含んでもよい。かかる構成では、第1の長尺部材(及びヒータを含み、且つ第1の長尺部材と並んで位置決めされる第2の長尺部材)の長さの関数であるヒータの抵抗は、CPAP又はその他OSA分野内で使用するのに許容される抵抗レベルを有し得る。構成によっては、第1の長尺部材は導管となるように形成されてもよく、従って第1の長尺部材は、導管内にルーメンを画定する第1の厚さを有する部分と、導管の外表面の少なくとも一部分を画定する第2の厚さを有する第2の部分とを有する。一部のかかる構成では、第1の厚さは第2の厚さより小さい。意外にも、第1の厚さが第2の厚さより小さい場合、第1の長尺部材の全体にわたって厚さを単純に減少させるのと比較して、導管はより高い可撓性を呈する。一部のかかる構成では、第1の厚さは約0.16mmであり、第2の厚さは約0.22mmである。構成によっては、導管はヒータを組み込み、約17mmの内径を有し、且つ約72インチ(183cm)の長さを有する一方で、約85グラム〜約90グラムの重量を有する。
【0280】
表面に沿って動かされる又は引きずられるときの音がより静かな導管とするため、第1の長尺部材が減少した壁厚を有するように形成されてもよく、壁が軟質且つ変形可能であってもよい。構成によっては、第1の長尺部材は、約0.05mm〜約44mmの壁厚を有するように形成され得る。構成によっては、第1の長尺部材は、約0.13mm〜約0.44mmの壁厚を有するように形成され得る。構成によっては、第1の長尺部材は、約0.13mm〜約0.26mmの壁厚を有するように形成され得る。構成によっては、第1の長尺部材は、約0.16mm〜約0.24mmの壁厚を有するように形成され得る。構成によっては、第1の長尺部材は、約0.17mm〜約0.225mmの壁厚を有するように形成され得る。減少した厚さの長尺部材を形成することには、導管全体の重量を減少させる効果もある。
【0281】
導管のサイズを低下させるため直径を小さくし得るが、一方で、許容されない圧力降下が起こる可能性を低減するのに十分な直径は維持される。構成によっては、内径は約13mm〜約22mmであってよい。構成によっては、内径は約16mm〜約19mmであってよい。構成によっては、導管は約22.5mmの外径を有し得る。構成によっては、導管は約22.5mmの外径、約17.2mmの内径及び約72インチ(183cm)の長さを有し得る。かかる構成により、この長さの導管の好適な圧力降下が得られる一方、本来であれば標準的なコルゲート管材と比較したとき望ましくないサイズ増加が生じ得るところを、導管の外周を囲んで延在するバブル付き導管を有しながらも、導管に所望のサイズ縮小が得られる。
【0282】
所望の感触を提供するため、導管は、望ましくは改良された表面テクスチャを有する。意外にも、表面テクスチャの改良により、使用中により静かな導管も得られた。構成によっては、第1の長尺部材は、ブロッキング防止添加剤を含む押出物から形成され得る。ブロッキング防止添加剤は、上記に考察したとおり、導管の層間の付着を低減することができ、これは導管に関連する(例えば導管が家具の角の上を引きずられるときなどの)騒音レベルを低減するのに役立つことが分かっている。構成によっては、第1の長尺部材は、タルクを含む押出物から形成され得る。構成によっては、第1の長尺部材は、約1.5重量パーセント〜約10重量パーセントのタルクを含む押出物から形成され得る。構成によっては、第1の長尺部材は、約1.5重量パーセント〜約3重量パーセントのタルクを含む押出物から形成され得る。構成によっては、第1の長尺部材は、約1.5重量パーセントのタルクを含む押出物から形成され得る。
【0283】
表3A及び表3Bは、それぞれ表2A及び表2Bに記載する管に関する管特徴部の寸法間の例示的な比を提供する。
【0286】
以下の表は、本明細書に記載される、第2の長尺部材の内側に組み込まれた加熱フィラメントを有する複合管(表示名「A」)のいくつかの例示的な特性を示す。比較のため、管の穴の内側に螺旋状に巻回された加熱フィラメントを有するFisher & PaykelモデルRT100使い捨てコルゲート管(表示名「B」)の特性も提供する。
【0287】
ISO 5367:2000(E)の附属書Aに従い流れ抵抗(RTF)の計測を実施した。結果を表4に要約する。以下で分かるとおり、複合管のRTFはモデルRT100管のRTFより低い。
【0289】
管内の凝縮物又は「レインアウト」は、20L/分のガス流量及び18℃の室温で1日当たりに収集される凝縮物の重量を指す。加湿された空気をチャンバから連続的に管に流す。毎日試験前と試験後に管重量を記録する。3回連続して試験を行い、各試験の合間に管は乾燥させる。結果を以下の表5に示す。この結果から、モデルRT100管と比べて複合管ではレインアウトが著しく少ないことが示された。
【0291】
所要電力は、凝結試験中に消費された電力を指す。この試験では、周囲空気は18℃に保った。加湿チャンバ、例えば
図1における加湿チャンバ46は、MR850加熱器ベースを動力源とした。管中の加熱フィラメントは独立してDC電源を動力源とした。種々の流量を設定し、チャンバは、チャンバ出力が37℃に達した状態に置いた。次に、回路に対するDC電圧を変更することにより、回路出力に40℃の温度を生じさせた。この出力温度を維持するために必要な電圧を記録し、結果の電力を計算した。結果は表6に示す。この結果は、複合管Aが管Bと比べて著しく大きい電力を使用することを示している。これは、管Bが管穴にある螺旋状の加熱フィラメントを使用してガスを37℃から40℃に加熱するためである。複合管は、加熱フィラメントが管の壁にある(第2の長尺部材に埋設されている)ため、ガスを急速には加熱しない傾向にある。代わりに複合管は、ガス温度を維持し、且つ加湿ガスの露点を上回る温度に管穴を維持することによってレインアウトを防止するように設計されている。
【0293】
三点曲げ試験を用いることにより、管の可撓性を試験した。管を三点曲げ試験用ジグに置き、Instron 5560試験システム機と共に使用して荷重及び伸びを計測した。各管サンプルにつき3回試験した;加えた荷重に対する管の伸びを計測し、それぞれの平均剛性定数を求めた。管A及び管Bの平均剛性定数を表7に掲載する。
【0295】
製造方法
次に、複合管の例示的製造方法を示す
図41A〜
図41Fを参照する。
【0296】
初めに
図41Aを見ると、少なくとも1つの実施形態において、複合管の製造方法は、第2の長尺部材205を提供する工程と、第2の長尺部材205をマンドレル401の周りに螺旋状に巻き付ける工程であって、第2の長尺部材205の対向する側縁部分403を隣接し合う巻付部に関して離間させ、それにより第2の長尺部材螺旋体405を形成する工程とを含む。第2の長尺部材205は、特定の実施形態においてマンドレルの周りに直接巻き付けられ得る。他の実施形態では、マンドレルを覆って犠牲層が提供され得る。
【0297】
少なくとも1つの実施形態において、この方法は、第2の長尺部材205を形成する工程をさらに含む。第2の長尺部材205の形成には、押出しが好適な方法である。第2の押出機は、特定のビード高さを備えた第2の長尺部材205を押し出すように構成され得る。従って、少なくとも1つの実施形態において、この方法は第2の長尺部材205を押し出す工程を含む。
【0298】
図41Bに示すとおり、押出しは、第2の長尺部材205の形成時に、例えばクロスヘッド押出しダイを有する押出機を使用して、第2の長尺部材205に加熱フィラメント215を封入することを可能にし得るため、有利であり得る。従って、特定の実施形態において、この方法は、1つ以上の加熱フィラメント215を提供する工程及び加熱フィラメント215を封入して第2の長尺部材205を形成する工程を含む。この方法はまた、第2の長尺部材205に埋設又は封入された1つ以上の加熱フィラメント215を有する第2の長尺部材205を提供する工程も含む。
【0299】
少なくとも1つの実施形態において、この方法は、1つ以上のフィラメント215を第2の長尺部材205に埋設する工程を含む。例えば、
図41Cに示されるとおり、フィラメント215を第2の長尺部材205の中へと特定の深さに押し込む(引き抜く又は機械的に位置決めする)ことができる。或いは、第2の長尺部材205に特定の深さまでカットを設けてもよく、それらのカットにフィラメント215を置くことができる。好ましくは、押し込み又は切断は、第2の長尺部材205が押し出された直後、第2の長尺部材205が軟らかいうちに行われる。
【0300】
図41D及び
図41Eに示されるとおり、少なくとも1つの実施形態において、この方法は、第1の長尺部材203を提供する工程と、第2の長尺部材螺旋体405の周りに第1の長尺部材203を螺旋状に巻き付ける工程であって、これにより第1の長尺部材203の部分が第2の長尺部材螺旋体405の隣接する巻付部に重なり、且つ第1の長尺部材203が第2の長尺部材螺旋体405の巻付部の間のスペースにおいてマンドレル401に隣接して配設されることになり、それにより第1の長尺部材螺旋体407が形成される工程とを含む。
図41Dは、かかる例示的方法を示し、ここで加熱フィラメント215は、第2の長尺部材螺旋体を形成する工程より前に、第2の長尺部材205に封入される。
図41Eは、かかる例示的方法を示し、ここで加熱フィラメント215は、第2の長尺部材螺旋体が形成されるに従い第2の長尺部材205に埋設される。フィラメント215を複合管に組み込む代替的方法は、1つ以上のフィラメント215を、第1の長尺部材203が第2の長尺部材205に重なる領域において第1の長尺部材203と第2の長尺部材205との間に封入する工程を含む。
【0301】
上記に考察したとおり、少なくとも1つの実施形態は、第2の長尺部材205の巻付部の間に第1の長尺部材203の複数の巻付部を有する管を含む。従って、特定の実施形態において、この方法は、第1の長尺部材203を提供する工程と、第1の長尺部材203の第1の側部部分が第2の長尺部材螺旋体405の巻付部に重なり、且つ第1の長尺部材203の第2の側部部分が第1の長尺部材203の隣接する側部部分に接触するようにして、第1の長尺部材203を第2の長尺部材螺旋体405の周りに螺旋状に巻き付ける工程とを含む。第1の長尺部材203の一部分は、第2の長尺部材螺旋体405の巻付部の間のスペースにマンドレル401に隣接して配設され、それにより第2の長尺部材205の巻付部の間に第1の長尺部材203の複数の巻付部を含む第1の長尺部材螺旋体407が形成される。
【0302】
少なくとも1つの実施形態において、第1の長尺部材203は、第2の長尺部材205の巻回部の間に複数回巻き付けられる。得られる長手方向断面の例示的な略図を
図41Gに示す。第1の長尺部材203の隣接する巻付部は、熱融着、接着、又は他の取付け機構などの任意の好適な技法を用いて融合させることができる。少なくとも1つの実施形態において、隣接する溶融又は軟化したバブルを熱いうちに互いに接触させ、それにより結合し、続いてエアジェットで冷却してもよい。第1の長尺部材203の隣接する巻付部はまた、それらを軟化した状態でマンドレル上に巻回して放冷することにより接合してもよい。
【0303】
少なくとも1つの実施形態において、第1の長尺部材203が第2の長尺部材205の巻回部の間に一回又は複数回巻き付けられ、第2の長尺部材205の巻回部の間にある1つ又は複数のバブルが、さらなる個別のバブルとなるように熱処理などの適切な技法を用いてさらに凹まされる。得られる長手方向断面の例示的な略図を
図41Hに示す。
図41Hに示すとおり、第1の長尺部材203の1つのバブルは、物体で機械的な力を加えたり、又は指向性のあるエアジェットで力を加えたりするなど、任意の好適な技法を用いて2つ又は3つ又はそれ以上の個別のバブルとなるように凹ませることができる。得られる長手方向断面の別の例示的な略図を
図41Iに示す。この例では、バブルの上面がバブルの底面と結合して、平底部分によって分離される2つの個別のバブルを形成するようにして、バブルの中央部分を凹ませている。次に、2つの個別のバブルの隣接する側部部分が結合され、3つの個別のバブルを含む構造を形成する。
【0304】
1つ以上の加熱フィラメント215を複合管に組み込むための上述の代替例は、加熱フィラメントをガス経路に有する代替例と比べて利点を有する。加熱フィラメント215をガス経路外に有することにより、フィラメントは最も結露が形成され易いところである管壁を加熱するため、性能が向上する。この構成は、加熱フィラメントをガス経路外に移すことにより、高酸素環境における出火リスクを低減する。この特徴はまた、管を通過するガスの加熱における加熱ワイヤの有効性を低下させるため、性能を低下させもする。それでもなお、特定の実施形態において、複合管201はガス経路内に置かれた1つ以上の加熱フィラメント215を含む。例えば、加熱フィラメントはルーメン壁上(管穴)に、例えば螺旋状の構成で据え付けられてもよい。1つ以上の加熱フィラメント215をルーメン壁上に配設するための例示的方法は、加熱フィラメントを、第2の長尺部材205の組み立てられるとルーメン壁となる表面上に結合、埋設、又は他の形で形成することを含む。従って、特定の実施形態において、この方法は、1つ以上の加熱フィラメント215をルーメン壁上に配設する工程を含む。
【0305】
加熱フィラメント215が第2の長尺部材205に埋設若しくは封入されるか、又は第2の長尺部材205上に配設されるか、又は他の方法で管内若しくは管上に置かれるかに関わらず、少なくとも1つの実施形態において、フィラメントの対が、複合管の一端で接続ループとなって回路を形成するように形成され得る。
【0306】
図41Fは、
図41Eに示すアセンブリの長手方向断面を、マンドレル401の上部分並びに第1の長尺部材螺旋体407及び第2の長尺部材螺旋体405の上部分に注目して示す。この例は、T字型の第2の長尺部材205を有する第2の長尺部材螺旋体405を示す。第2の長尺部材が形成されるに従い、第2の長尺部材205に加熱フィラメント215が埋設される。
図41Fの右側は、上記に記載したとおりの、第1の長尺部材螺旋体のバブル形状のプロファイルを示す。
【0307】
この方法はまた、第1の長尺部材203を形成する工程も含む。第1の長尺部材203の形成には、押出しが好適な方法である。従って、少なくとも1つの実施形態において、この方法は、第1の長尺部材203を押し出す工程を含む。第1の長尺部材203はまた、2つ以上の部分を押し出し、それらをつなぎ合わせて単一の部品を形成することにより製造されてもよい。別の代替例として、第1の長尺部材203はまた、螺旋管形成過程で隣接して形成又は結合されると中空形状を生じる形材を押し出すことにより製造されてもよい。
【0308】
この方法はまた、第1の長尺部材203の端部に大気圧より大きい圧力でガスを供給する工程も含む。ガスは、例えば空気であってよい。上記に説明したとおり、他のガスもまた使用することができる。第1の長尺部材203の端部にガスを供給すると、第1の長尺部材203がマンドレル401の周りに巻き付けられるときに、開放した中空の本体形状を維持することに役立ち得る。ガスは、第1の長尺部材203がマンドレル401の周りに巻き付けられる前に供給されても、第1の長尺部材203がマンドレル401の周りに巻き付けられている間に供給されても、又は第1の長尺部材203がマンドレル401の周りに巻き付けられた後に供給されてもよい。例えば、押出しダイヘッド/先端の組み合わせを備える押出機が、第1の長尺部材203が押し出されるに従い、第1の長尺部材203の中空の空洞に空気を供給又は送給し得る。従って、少なくとも1つの実施形態において、この方法は、第1の長尺部材203を押し出す工程と、押出し後に第1の長尺部材203の端部に大気圧より大きい圧力でガスを供給する工程とを含む。15〜30cmH
2O(又は約15〜30cmH
2O)の圧力が好適であることが分かっている。
【0309】
少なくとも1つの実施形態において、第1の長尺部材203及び第2の長尺部材205は、マンドレル401の周りに螺旋状に巻回される。例えば、第1の長尺部材203及び第2の長尺部材205は、200℃(又は約200℃)又はそれ以上の高温で押出しダイから出て、次に少し離れた後にマンドレルに適用され得る。好ましくは、マンドレルは、ウォータージャケット、冷却機、及び/又は他の好適な冷却法を用いて20℃(又は約20℃)又はそれ以下の温度、例えば0℃近く(又は約0℃)に冷却される。5回(又は約5回)螺旋状に巻き付けた後、第1の長尺部材203及び第2の長尺部材205は冷却流体(液体又は気体)によってさらに冷却される。一実施形態において、冷却流体はリングから放出される空気であり、ジェットがマンドレルを取り囲む。構成部品が冷却され、マンドレルから取り外されると、長手方向軸に沿って延在するルーメンと、ルーメンを取り囲む中空の空間とを有する複合管が形成される。かかる実施形態では、第1の長尺部材と第2の長尺部材とを連結するのに接着剤又は他の取付け機構は不要である。他の実施形態は、これらの2つの部材を結合又は他の形で連結するのに接着剤又は他の取付け機構を利用し得る。別の実施形態では、第2の長尺部材205は、押出し及び加熱フィラメント配置の後に、加熱フィラメントの位置が動かないようにするため冷却され得る。第2の長尺部材205は次に、マンドレルに適用されたときに、結合を向上させるため再び加熱され得る。再加熱の例示的方法としては、スポットヒーティング装置、ホットローラ等の使用が挙げられる。
【0310】
この方法はまた、複合管の一端で接続ループとなるように形成された加熱又は検知フィラメントの対も含む。例えば、2つの加熱又は検知フィラメントの末端部分を第2の長尺部材205から抜き出し、次に2つのフィラメントを共に、例えば結束、結合、接着、融着等することにより、接続ループとなるように形成してもよい。別の例として、製造過程では加熱フィラメントの末端部分を第2の長尺部材205から自由な状態のままとしておき、次に複合管の組み立て時に接続ループとなるように形成してもよい。
【0311】
ここで
図41J〜
図41Qに関連して、管201の代替的な形成方法は、一連の流路がそれに沿って延在する押出し工具2001を含む。押出し工具2001は、
図41P及び
図41Qに示す例示的な管のような管の形成に使用することができる。図示されるとおり、押出し工具2001を使用して作製される管は、管の長手方向軸に略沿って延在する複数の第1の長尺部材203を含み得る。一部の実施形態では、押出し工具2001は本体2010と中心拡張部2020とを備える。一部の実施形態では、本体2010及び拡張部2020は略円筒形である。本体2010は、溶融したプラスチック又は別の材料が入力端2014から本体2010を通って出力端又は押出し端2016に流れることを可能にする1つ以上の流路2012を備え得る。一部の実施形態では、この流路は実質的に円錐形の長手方向断面を有する(すなわち、溶融したプラスチックが入力2014に最初に入るところの方が幅が広く、押出し端2016に近い程狭くなる)。流路は、種々のプロファイルを有する管201を作製するため種々の構成を有し得る。例えば、
図41L及び
図41Mの出力端又は押出し端2016に示される流路構成は、
図41Jに示されるとおりの端面図プロファイルを有する管201を作製し得る。
図41Kは、隣接するバブル又は第1の長尺部材203の間に配置された第2の長尺部材205(これは加熱フィラメント215を含み得る)を含む
図41Jの管の端面図を示す。使用中、工具2001は、管201が螺旋状に形成されることを誘導するため、回転するように適合される。
図41Oに示すとおり、中心拡張部2020が押出し工具2001を押出機2030に連結し得る。中心拡張部2020と押出機2030との間に配設された軸受2022により、中心拡張部2020及び本体2010は押出機2030に対して回転することができる。工具2001の回転速度を調整することにより、第1の長尺部材203のピッチ角又はねじれ角を変化させることができる。例えば、回転速度を上げると、
図41Pに示されるとおり、より小さいねじれ角を設けることができる。回転速度を下げると、
図41Qに示されるとおり、より大きいねじれ角を設けることができる。
【0312】
単一の螺旋状に巻回された管を有する医療用管
図42A〜
図42Fは、第1の長尺部材又は部分203と第2の長尺部材又は部分205とを有する単一の管形状要素を含む管の例示的実施形態の横方向断面を示す。図示されるとおり、第2の長尺部分205は第1の長尺部分203と一体化され、この単一の管形状要素の全長に沿って延在する。例示される実施形態では、単一の管形状要素は長尺中空本体であり、横方向断面において、中空部分501を一部画定する比較的薄い壁を有し、その比較的薄い壁に隣接する長尺中空本体の対向する両側に、比較的厚い又は比較的硬い2つの補強部分205を備えている。これらの補強部分は、長尺中空本体が螺旋状に巻回された後、ルーメン207の内壁の一部をなし、従ってこれらの補強部分もまた、長尺中空体の隣接する巻きの間に螺旋状に位置決めされる。
【0313】
少なくとも1つの実施形態において、この方法は、第1の長尺部分203と補強部分205とを含む長尺中空本体を形成する工程を含む。この長尺中空本体の形成には、押出しが好適な方法である。管形状要素に好適な断面形状を
図42A〜
図42Fに示す。
【0314】
長尺中空本体は、上記に説明したとおり医療用管となるように形成することができ、この言及によって前述の考察が援用される。例えば、少なくとも1つの実施形態において、医療用管の製造方法は、長尺中空本体をマンドレルの周りに螺旋状に巻き付ける又は巻回する工程を含む。これは高温で行われてもよく、従って長尺中空本体は螺旋状に巻回された後冷却され、隣接する巻きが共に接合される。
図42Bに示すとおり、補強部分205の対向する側縁部分は、隣接する巻きと接触してもよい。他の実施形態では、第2の長尺部材205の対向する側縁部分は、
図42D及び
図42Eに示すとおり、隣接する巻きの上に重なってもよい。加熱フィラメント215が、上記に説明したとおり、且つ
図42A〜
図42Fに示すとおり、第2の長尺部材に組み込まれ得る。例えば、加熱フィラメントは、
図42A〜
図42Dに示されるように、長尺中空本体の対向する両側に提供されてもよい。或いは、加熱フィラメントは、
図42E〜
図42Fに示されるように、長尺中空本体の片側のみに提供されてもよい。これらの実施形態のいずれも、検知フィラメントの存在を組み込むことができる。
【0315】
電気的接続性を有するチャンバ端コネクタの配置
次に、使用中に加湿器に接続するように構成される管の端部にコネクタを取り付けるための例示的なフローチャートを示す
図43Aを参照する。例えば、上記に
図1に関連して記載したとおり、吸気導管70は入口42を介して加湿ユニット40に接続する。
図43Aの例示的なフローチャートは、吸気導管70を加湿ユニット40と物理的及び電気的に接続可能にすることができる。
【0316】
図43Aの例では、シールハウジング1501にシール1503が挿入される。シール挿入の動作は
図43Bにもさらに詳細に示される。シールハウジング1501は成形プラスチックで作製される。一方の開放端は、加湿器に接続するためのサイズ及び構成とされる。シール1503は、
図43Bに示されるとおりOリングであってもよい。Oリングに好適な構成は、薄いウェブにより接続された厚い同心トーラスを含む二重円環構成であり得る。この例では、Oリングは、ゴムなどの単一のエラストマー材料から成形される。シール1503はシールハウジング1501のコンプライアントなリッジに着座する。シール1503は、加湿器チャンバのポートの外表面を封止するように設計される。シール1503は、ポートの外表面に沿って延在するように撓むことができる。換言すれば、二重Oリング構成は、フランジによって接続された内側Oリングと外側Oリングとを含む。外側Oリングはコネクタ内に封止され、一方、内側Oリングはフランジ部分に沿って撓み、ポートの外表面を締め付けることができる。かかる位置では、内側Oリングの中心軸を通って延在する水平面は、外側Oリングの中心軸を通って延在する水平面と異なる平面にあり得る。
【0317】
再び
図43Aの例を見ると、シールハウジング1501のコンプライアントなドックにプリント回路基板(PCB)が挿入される。PCB挿入の動作は、
図43Cにさらに詳細に示される。
図43Cにおいて、PCBとPCBコネクタとを含むアセンブリ1505が、シールハウジング1501のコンプライアントなドックに挿入される。この例では、PCBコネクタは、Tyco Electronics Corp.(Berwyn,PA)が販売する既製のコネクタである。PCBは、管の第2の長尺部材に包み込まれた4つの導電性フィラメントを受け入れるのに好適な4つの端子を含む。しかしながら、第2の長尺部材が4つより多い又は少ない導電性フィラメントを含む場合、PCBは好適な数の導電性フィラメントを受け入れるように構成され得る。
【0318】
再び
図43Aの例を見ると、コンプライアントなリッジに着座したシール1503を有するシールハウジング1501の一方の開放端に、シールリテーナ1507がクリップ留めされる。シールリテーナ1507を所定位置にクリップ留めすると、シール1503が圧迫され、それによりシールハウジング1501とシールリテーナ1507との間に耐液体性及び耐ガス性接続が形成される。この例では、シールリテーナは成形プラスチックから作製され、PCBの周囲に適合するサイズ及び形状の突出部分を含む。この突出部分は、より可撓性が高く脆弱なPCBを支持及び保護する働きをする。シールハウジング1501と、シール1503と、PCB及びPCBコネクタアセンブリ1505と、シールリテーナ1507とを含む得られるアセンブリは、本明細書ではコネクタ管アセンブリ1515と称される。
【0319】
再び
図43Aの例を見ると、管がコネクタ管アセンブリ1515との接続用に調製される。
図43Aに示され、且つ
図43Eにさらに詳細に示されるとおり、工程1511において、管の一端の第2の長尺部材の一部分が第1の長尺部材から分離される。次に、工程1513において、分離された第2の長尺部材のある長さが剥ぎ取られ、4つ(又は第2の長尺部材に含まれる導電性フィラメントの数)の導電性フィラメントが露出する。工程1513は、
図43Fにさらに詳細に示される。
【0320】
図43Aに説明されるとおり、且つ
図43Gにさらに詳細に示されるとおり、第2の長尺部材の剥ぎ取られた長さを含む管の一部分が、コネクタ管アセンブリ1515に挿入される。
図43A及び
図43Hの工程1517に示されるとおり、4つの導電性フィラメントがPCBの4つの端子に挿入される。次に、
図43A及び
図43Iに示されるとおり、各フィラメント−端子接続の上にはんだ1519のビードを設けることによりフィラメントが端子に固定され、各フィラメントとその対応する端子との間の良好な電気的接続が確実となる。
【0321】
コネクタ管アセンブリ1515の全ての部品が互いにしっかりと固定されることを確実にするため、次にグルー層1521を塗布する。グルーは広義語であり、他の材料を接合し、固定し、又は取り付けるための材料を指す。グルーは、それが液体又は半固体状態のとき、粘着性があるか又は触れるとべたつくものであり得る。グルーが乾燥し又は他の形で硬化して固体状態になったとき、グルーは粘着性があることも、又は粘着性がない若しくは触れてもべたつかないこともある。グルーは樹脂、例えばエポキシ樹脂、又は熱可塑性エラストマー(TPE)であってもよい。TPE材料は略可撓性であり、破砕することなしに捩り、曲げ、又は圧力に対応することができるため、TPE材料の使用が有利であり得る。
【0322】
グルー1521の例示的塗布方法を
図43Jに示す。この方法では、2ブロックモールドが提供される。この例では、モールドはステンレス鋼であるが、しかしながら任意の好適な材料を使用することができる。例えば、モールドはTeflon(登録商標)PTFEブロック製であってもよい。一方のブロックは、コネクタ管アセンブリ1515の突出するPCB及びPCBコネクタアセンブリ1505並びに隣接する管を受け入れるように構成され、他方のブロックは、管及びコネクタ管アセンブリ1515の反対側の部分を受け入れるように構成される。管は、ブロックが上下に積み重なるようにしてコンプライアントなモールド部分に置く。液体グルーをモールドの入口穴に投入し、グルーを硬化させる。次に、モールドを取り外し、接着された管・コネクタアセンブリ1523を露出させ、このアセンブリ1523は、PCB及び管とコネクタ管アセンブリ1515との間の接合部を被覆する硬化したグルーの層1507を含む。このグルー層は、PCB及びPCB上のはんだ付け接続の全てを被覆し得る。このようにして、グルー層がPCB及び接続を腐食から保護し得る。換言すれば、グルーは3つの機能を果たす:コネクタ及び導管を封止すること、PCBを所定位置に保つこと、及びPCBを注封すること;グルー層は、気密シール、機械的結合及びPCB注封材を形成する。
【0323】
再び
図43Aに戻ると、管・コネクタアセンブリ1523は、次に最終組立てに向けた条件下にある。
図43Kにさらに詳細に示されるとおり、前部クラムシェル1525及び後部クラムシェル1527が、PCBコネクタの一部分を露出させたまま管・コネクタアセンブリ1523の周りに一体にスナップ嵌めされる。クラムシェル1525、1527部分は、成形プラスチック又は任意の他の好適な材料で作製することができる。クラムシェル1525、1527部分は、管・コネクタアセンブリ1523をさらに保護する働きをするとともに、使用時に凝縮物が加湿器ユニットに戻るのを促進する屈曲位置に管・コネクタアセンブリを保つ働きをする。
図43Lに示すとおり、この最終的なアセンブリは、接続ポートの近傍にコンプライアント電気コネクタを有する加湿器に容易にスナップ嵌めすることができる。
【0324】
前述の製造方法はフローチャートを参照して記載したが、このフローチャートは単に、使用中に加湿器に接続するように構成された管の端部にコネクタを取り付けるための例示的方法を提供するに過ぎない。本明細書に記載される方法は、決まった工程順序を含意するものではない。また、いずれか1つの工程が本方法の実施に必須であることを含意するものでもない。実施形態は、実行可能な任意の順序又は組み合わせで実施されてよい。
【0325】
電気的接続性を有する患者端コネクタの配置
次に、管201の一方の端部を患者インターフェース(図示せず)に接続する例示的なコネクタ1600を示す
図44A〜
図44Hを参照する。コネクタ1600のうち患者インターフェースと接続する部分が、参照符号1601によって示される。
図44Aはコネクタ1600の側面斜視図を示す。
図44B〜
図44Eに示すとおり、コネクタ1600は、管201、PCB1603、インサート1605(一体に組み付けられたとき、まとめて計算流体力学(CFD)アセンブリ1607と称される)、及びカバー1609を含む。
図44B〜
図44Eの各々は、
図44Aの図と略対応する側面斜視図を示す。
【0326】
インサート1605及びカバー1609は、好ましくは成形プラスチック部品である。インサート1605は、管に差込口を提供すること、ガス流路に好適な導管を提供すること、PCB用のハウジングを提供すること、及びサーミスタ用のハウジングを提供すること(以下で考察する)を含めた、数々の目的の1つ以上を果たし得る。カバー1609は比較的脆弱なPCBを保護及び被覆し、且つ管とインサートとの間の接続を保護する。
図44Aに示すとおり、管201に挿入されるインサート1605の端部は、好ましくは管201への挿入を補助するため角度が付けられている。加えて、
図44Dに示されるとおり、インサートは望ましくは止め部分1606を備え、これはインサート1605に対して管201が正しく置かれるよう促進し、またPCB1603を保護する働きもする。
【0327】
管201の第2の長尺部材の導電性フィラメントをPCB1603の端子に電気的に接続するために、
図43E〜
図43Iに関連して上記に図示及び記載したものと同様の手順を用いてもよい。
【0328】
図44Fはコネクタ1600の断面を示し、概して
図44Aと同じ側面斜視図に対応する。
図44HはCFDアセンブリ1607の断面を示し、概して
図44Dの側面斜視図に対応する。これらの図は、管201、CFDアセンブリ1607、及びカバー1609の相対的な配置に関してさらに詳細に示す。
【0329】
図44Hは、コネクタの患者インターフェース端1601から管(図示せず)の方を向いて見たときの、コネクタの幅に沿ったコネクタ1600の断面を示す。
図44Iは、PCB及びサーミスタ1611のさらなる詳細を示すCFDアセンブリ1607の側面断面(slide−plan cross section)を示す。
図44H及び
図44Iに示されるとおり、サーミスタ1611は流路中に置かれる。サーミスタ1611が温度及びガス流情報を提供することにより、患者インターフェース近傍の熱的条件の評価が可能となり得る。
【0330】
螺旋型コネクタの配置
次に、PCBとの電気的接続性を有しないコネクタを示す
図45A〜
図45Eを参照する。しかしながら、構成によってはコネクタは、PCBと電気的接続性を有するように等しく適合され得る。このコネクタは患者インターフェース又は加湿器との接続に好適である。これは特に、閉塞性睡眠時無呼吸環境における患者端コネクタ及び/又は装置端コネクタとしての使用に適している。
【0331】
端部が螺旋状の成形インサート1701が提供される。インサート1701のこの螺旋状の端部と反対側の端部は、加湿器ポート、及び/又は患者インターフェースポート、及び/又は任意の他の所望の構成部品に対する挿入用又はそれとの取付け用に成形される。
【0332】
図45Cに示すとおり、インサート1701の螺旋状の端部は、管201のコンプライアントな巻きの上にねじ付けられる。この例では、インサート1701の螺旋状の巻きは、管201の第1の長尺部材203の巻きを覆ってその周りに適合するサイズ及び構成とされる。
【0333】
管がその中に1つ以上の通電されるワイヤを有する場合、インサート1701の少なくとも一部分に電気的接続が提供されてもよいことに留意しなければならない。インサート1701が設置されると、電気コネクタは好ましくはワイヤと整列し、それにより電気的接続を促進する。次にはんだなどを用いてその接続が固定され得る。
【0334】
インサート1701、及び場合により管201の少なくとも一部分の上に、軟質ゴム又はTPE部材1703を挿入又は成形し、インサート1701と管201との間の取付けを促進してもよい。ある場合には、インサート1701(又は少なくともインサート1701の螺旋状の端部)が十分な横方向の圧潰抵抗性を提供するため、高圧成形法を用いることが可能である(高圧成形法での圧力は、インサート1701がない管201の横方向の圧潰抵抗性を超え得る)。部材1703はまた、有利には、構成部品に管を挿入したり及び取外したりするときに把持するための軟質の表面も提供し得る。
【0335】
コネクタを螺旋巻回された管に取り付ける前述の方法は、例として提供される。本明細書に記載される方法は、決まった工程順序を含意するものではない。また、いずれか1つの工程が本方法の実施に必須であることを含意するものでもない。実施形態は、実行可能な任意の順序又は組み合わせで実施されてよい。
【0336】
代替的な装置端コネクタの配置
次に、電気ワイヤが中を通る医療用回路に使用することのできるコネクタを示す
図46A〜
図46Fを参照する。コネクタ1801はカットアウト1802を含み、これは特定の実施形態では30mm(又は約30mm)の横幅である。特定の実施形態において、カットアウト1802の一方の端部にL字型アーム1803があり、これは一部がコネクタ1801から外側に延在し、一部がコネクタ1801の長手方向軸と平行に延在する。
【0337】
アーム1803は、中に埋設された1つ以上の導電体1804を有し得る。導体1804は銅製若しくは真鍮製であるか、又は別の好適に導電性を有する材料で作製されてもよく、実質的にアーム1803の長さに沿って延在する平らなL字型部品として形成され得る。
【0338】
コネクタ1801は、管201の一部分の実質的に内側に着座するように適合された内側部分1805と、管201の一部分を実質的に取り囲むように適合された外側部分1806とをさらに含み得る。
【0339】
第2の長尺部材205の一部は剥ぎ取られ、中に埋設されている1つ以上のフィラメント215が露出される。好ましくは約5mmのフィラメント215が露出される。コネクタ1801は、次に、内側部分1805が管201の中に着座し、且つ外側部分1806が管201の周りに着座するようにして管215に取り付けられる。好ましくはコネクタ1801は、フィラメント215の露出した端部がカットアウト1802又はその近傍に位置するような向きとされる。
【0340】
次にフィラメント215の露出した端部が導体1804と電気的及び/又は物理的に接続される。これは、端部を導体1804とはんだ付けすることによるか、又は当該技術分野において公知の任意の他の方法により行われ得る。
【0341】
コネクタ1801、及び場合により管201の少なくとも一部分の上に、軟質ゴム又はTPE部材1807を挿入又は成形し、コネクタ1801と管201との間の取付けを促進してもよい。
【0342】
一部の実施形態では、略L字型エルボ1808がアセンブリに被せて置かれ得る。エルボ1808は、接続にいくらかの追加的な強度を提供することができ、管201の所定の曲がりを提供し得る(これによりコネクタ1701は、管201の本体と約90°の角度で着座する傾向を有することになり得る)。
【0343】
同軸管
同軸呼吸管もまた、上記に記載したとおりの複合管に含まれ得る。同軸呼吸管では、第1のガス空間が吸気リム又は呼気リムであり、第2のガス空間が吸気リム又は呼気リムの他方である。前記吸気リムの入口と前記吸気リムの出口との間に1つのガス通路が提供され、且つ前記呼気リムの入口と前記呼気リムの出口との間に1つのガス通路が提供される。一実施形態では、第1のガス空間が前記吸気リムであり、且つ第2のガス空間が前記呼気リムである。或いは、第1のガス空間が呼気リムであってもよく、且つ第2のガス空間が吸気リムであってもよい。
【0344】
次に、少なくとも1つの実施形態に係る同軸管801を示す
図47を参照する。この例では、同軸管801は患者とベンチレータ805との間に提供される。呼気及び吸気は、各々、内管807又は内管807と外管811との間の空間809の1つの中を流れる。外管811が内管807と厳密に整列しなくてもよいことは理解されるであろう。むしろ、「同軸」は、ある管が別の管の内側に位置することを指す。
【0345】
伝熱上の理由から、内管807がその中の空間813において吸気を運び得るのに対し、呼気は内管807と外管811との間の空間809において運ばれる。この空気の流れの構成は矢印で示される。しかしながら、逆の構成もまた可能であり、そこでは外管811が吸気を運び、内管807が呼気を運ぶ。
【0346】
少なくとも1つの実施形態において、内管807は、コルゲート管、例えばFisher & PaykelモデルRT100使い捨てチューブで形成される。外管811は、上記に記載したとおりの複合管で形成される。
【0347】
同軸管801により、ベンチレータ805が内管807の漏れを感知しないこともある。かかる漏れは患者を短絡し得る、つまり、患者に十分な酸素が供給されないことになり得る。かかる短絡は、同軸管801の患者端にセンサを置くことにより検出し得る。このセンサは患者端コネクタ815に位置してもよい。短絡がベンチレータ805により近いと、患者は患者に近い空気量を継続的に再呼吸することになり得る。これは患者に近い吸気流空間813における二酸化炭素濃度の上昇をもたらし、CO
2センサによってこれを直接検出することができる。かかるセンサは、現在市販されているとおりの数多くのかかるセンサのいずれか一つを含み得る。或いは、この再呼吸は、患者端コネクタ815のガス温度をモニタすることにより検出されてもよく、ここでは所定のレベルを上回る温度の上昇が、再呼吸が起きていることの指標となる。
【0348】
上記に加え、内管807或いは外管811の内部における結露の形成を低減又は解消するため、及び同軸管801を通るガスの流れにおいて実質的に均一な温度を維持するため、抵抗加熱フィラメントなどのヒータを内管807或いは外管811の内部に提供するか、ガス空間809又は813の内部に、或いは内管807又は外管811の壁それ自体の内部に配設してもよい。
【0349】
熱特性
加熱フィラメント215を組み込む複合管201の実施形態では、第1の長尺部材203の壁を通じて熱が失われ、加熱が不均一となり得る。上記に説明したとおり、この熱損失を補償する一つの方法は、第1の長尺部材203の壁に外部加熱源を適用することであり、これは温度の調節及び熱損失の相殺に役立つ。しかしながら、熱特性を最適化する他の方法が用いられてもよい。
【0350】
次に、熱特性を向上させるバブル高さ(すなわち、内側ルーメンに向く表面から最大外径をなす表面までを測った第1の長尺部材203の断面高さ)の例示的な構成を示す
図48A〜
図48Cを参照する。
【0351】
バブルの寸法は、複合管201からの熱損失を低減するように選択することができる。一般に、バブルの高さが増すと、バブル高さが高くなることにより第1の長尺部材203がより多くの断熱用空気を保持することが可能になるため、管201の有効熱抵抗が増加する。しかしながら、特定のバブル高さでは、空気密度の変化により管201の内部で対流が引き起こされ、それにより熱損失が増すことが分かった。また、特定のバブル高さでは表面積が大きくなり過ぎるため、表面を通じて失われる熱が、バブルの高さが増す利点を打ち消す。特定の実施形態はこれらの認識を含む。
【0352】
望ましいバブル高さの決定には、バブルの曲率半径及び曲率が有用であり得る。物体の曲率は、当該の物体の曲率半径の逆数として定義される。従って、物体が大きい曲率半径を有する程、その物体の湾曲は小さくなる。例えば、平らな面であれば∞の曲率半径を有し、従って曲率は0である。
【0353】
図48Aは、複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図48Aは、バブルの高さが高い複合管201の実施形態を示す。この例では、バブルは比較的小さい曲率半径、ひいては大きい曲率を有する。また、バブルは高さが第2の長尺部材205の高さの約3〜4倍大きい。
【0354】
図48Bは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図48Bは、バブルの上部が平らな複合管201の実施形態を示す。この例では、バブルは極めて大きい曲率半径、しかし小さい曲率を有する。また、バブルは第2の長尺部材205とほぼ同じ高さである。
【0355】
図48Cは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図48Cは、バブルの幅がバブルの高さより大きい複合管201の実施形態を示す。この例では、バブルの曲率半径は
図48Aと
図48Bとの間であり、バブルの上側部分の半径の中心が(
図48Aと比較して)バブルの外側にある。バブルの左側及び右側の変曲点はバブルの(高さ方向の)ほぼ中央にある(
図48Aのように、バブルの下部にあるのとは対照的である)。また、バブルの高さは第2の長尺部材205のほぼ2倍であり、
図48Aと
図48Bとの間のバブル高さとなっている。
【0356】
図48Aの構成が、管からの熱損失が最小となった。
図48Bの構成は、管からの熱損失が最大となった。
図48Cの構成は、
図48Aの構成と
図48Bの構成との中間の熱損失であった。しかしながら、
図48Aの構成では、大きい外表面積及び対流熱伝達により加熱が不十分となった。従って、
図48A〜
図48Cの3つのバブル構成のうち、
図48Cを、全体的な熱特性が最良であると決定した。3つの管に同じ熱エネルギーを入力したとき、
図48Cの構成が、管の長さに沿った最大の温度上昇を実現した。
図48Cのバブルは、断熱用空気量を増加させるには十分な大きさであるが、著しい対流熱損失を引き起こすには不十分な大きさである。
図48Cの構成を、熱特性が最も不良であると決定し、すなわち
図48Bの構成は、管の長さに沿って実現された温度上昇が最小であった。
図48Aの構成は中間の熱特性を有し、
図48Cの構成より小さい温度上昇を実現した。
【0357】
特定の実施形態では
図48Cの構成が好ましいこともあるが、他の実施形態では、所望に応じて
図48A、
図48Bの構成を含む他の構成、及び他の変形例を利用し得ることは理解されなければならない。
【0360】
表8Aは、
図50A〜
図50Cに示されるとおりのさらなる構成のバブルの高さ、外径、及び曲率半径を示す。
【0362】
一般に、曲率半径が小さい程、管をバブルの凹み又は「キンク」なしに折り曲げることが困難となり得ることに留意しなければならない。例えば、
図50Dは、その曲率半径を超えて曲げられ、それによりバブルの壁にキンクが生じている管を示す(具体的にはこれは、5.7mmの曲率半径の周りに曲げた
図50Aの管を示す)。キンクは、管の外観を損ない得るとともに管の熱特性を害し得るため、概して望ましくない。
【0363】
従って、適用によっては、曲げ特性が増加した構成(
図48A又は
図48Bに示す構成など)が、熱特性が低効率であっても望ましいとされ得る。適用によっては、25mm〜26mm(又は約25mm〜約25mm)の外径を有する管が、熱効率、可撓性、及び曲げ性能の間の良好なバランスを提供することが分かっている。特定の実施形態では
図48A及び
図48Bの構成が好ましいこともあるが、他の実施形態では、所望に応じて
図50A〜
図50Dの構成を含む他の構成、及び他の変形例を利用し得ることは理解されなければならない。
【0364】
次に、熱特性を向上させるための、同様のバブル形状での加熱素子215の例示的な位置決めを示す
図48C〜
図48Fを参照する。加熱素子215の位置により、複合管201内の熱特性が変化し得る。
【0365】
図48Cは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図48Cは、加熱素子215が第2の長尺部材205の中央に位置する複合管201の実施形態を示す。この例は、互いに対して近く、バブル壁には近くない加熱素子215を示す。
【0366】
図48Dは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図48Dは、
図48Cと比較して、第2の長尺部材205において加熱素子215がさらに離間されている複合管201の実施形態を示す。これらの加熱素子はバブル壁により近く、複合管201の内部のより良好な熱調節をもたらす。
【0367】
図48Eは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図48Eは、加熱素子215が第2の長尺部材205の垂直軸上に上下に離間されている複合管201の実施形態を示す。この例では、加熱素子215は各バブル壁まで等しい近さにある。
【0368】
図48Fは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図48Fは、加熱素子215が第2の長尺部材205の対向する両端に離間されている複合管201の実施形態を示す。加熱素子215は、特に
図48C〜
図48Eと比較して、バブル壁に近い。
【0369】
図48C〜
図48Fの4つのフィラメント構成のうち、
図48Fが最良の熱特性を有するものと決定された。これらのバブル形状は同様であるため、いずれの構成も同程度の管からの熱損失を受けた。しかしながら、管に同じ熱エネルギーを入力したとき、
図48Fのフィラメント構成は、管の長さに沿って最大の温度上昇を実現した。
図48Dの構成が次に良好な熱特性を有するものと決定され、管の長さに沿って実現された温度上昇が次に大きかった。
図48Cの構成が次に良好な性能を示した。
図48Eの構成は最も性能が低く、同量の熱を入力したとき、管の長さに沿って実現された温度上昇が最小であった。
【0370】
特定の実施形態では
図48Fの構成が好ましいこともあるが、他の実施形態では、所望に応じて
図48C、
図48D、
図48Eの構成を含む他の構成、及び他の変形例を利用し得ることは理解されなければならない。
【0371】
次に、第1の長尺部材203を積層する例示的な構成を示す
図49A〜
図49Cを参照する。特定の実施形態において、複数のバブルを積層することにより熱分布が向上し得ることが分かった。これらの実施形態は、内部加熱フィラメント215を使用する場合、より有益であり得る。
図49Aは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図49Aは、積層のない複合管201の断面を示す。
【0372】
図49Bは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図49Bは、積層されたバブルを有する別の例示的な複合管201を示す。この例では、2つのバブルが上下に積層されて第1の長尺部材203を形成している。
図49Aと比較すると、全体的なバブル高さは維持されており、但しバブルピッチが
図49Aの半分である。また、
図49Bの実施形態は、空気量の減少も僅かに過ぎない。バブルの積層は、バブル213間の間隙における自然対流及び伝熱を低減し、全体的な熱抵抗を低下させる。積層バブルでは熱の流路が増加し、熱が複合管201の全体にわたりより容易に分散することが可能となる。
【0373】
図49Cは、別の複合管の上部分の長手方向断面を示す。
図49Cは、積層されたバブルを有する複合管201の別の例を示す。この例では、3つのバブルが上下に積層されて第1の長尺部材203を形成している。
図49Aと比較すると、全体的なバブル高さは維持されており、但しバブルピッチが
図49Aの3分の1である。また、
図49Aの実施形態は、空気量の減少も僅かに過ぎない。バブルの積層は、バブル213間の間隙における自然対流及び伝熱を低減する。
【0374】
クリーニング
少なくとも1つの実施形態において、複合管の材料は、様々なクリーニング方法を取り扱えるように選択され得る。一部の実施形態では、高度消毒(約20分間のクリーニングサイクル)を使用して複合管201を清浄にし得る。高度消毒では、複合管201を約75℃で約30分間の低温殺菌に供する。次に、複合管201を2%グルタルアルデヒド浴で約20分間処理する。複合管201をグルタルアルデヒドから取り出し、6%過酸化水素に約30分間浸漬する。最後に、複合管201を過酸化水素から取り出し、0.55%オルトフタルアルデヒド(OPA)浴で約10分間処理する。
【0375】
他の実施形態では、滅菌(約20サイクル)を使用して複合管201を清浄にし得る。初めに、複合管201を約121℃のオートクレーブ蒸気の中に約30分間置く。次に、オートクレーブ蒸気の温度を約134℃に約3分間上げる。オートクレーブ処理後、複合管201を100%エチレンオキシド(ETO)ガスで取り囲む。最後に、複合管201をETOガスから取り出し、約2.5%グルタルアルデヒドに約10時間浸漬する。
【0376】
複合管201は、クリーニングプロセスの繰り返しに耐える材料で作製され得る。一部の実施形態では、複合管201の一部又は全てが、限定はされないが、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック熱可塑性エラストマー、例えばKraiburg TF6STEで作製されてもよい。他の実施形態では、複合管201は、限定はされないが、ハイトレル(hytrel)、ウレタン、又はシリコーンで作製されてもよい。
【0377】
特定の好ましい実施形態及び例が本明細書に開示されるが、発明の主題は、具体的に開示される実施形態を超えて他の代替的実施形態及び/又は使用、並びにその変形例及び均等物にまで及ぶ。従って、本明細書に添付される特許請求の範囲又は実施形態は、本明細書に記載される特定の実施形態のいずれによっても限定されることはない。例えば、本明細書に開示される任意の方法又はプロセスにおいて、その方法又はプロセスの動作又は操作は任意の好適な順序で実施することができ、必ずしも任意の特定の開示される順序に限定されるものではない。様々な操作が、特定の実施形態の理解に役立ち得るような形式で、複数の個別の操作として順次記載され得る;しかしながら、記載の順番を、それらの操作が順番に依存することを含意するものと解釈されてはならない。加えて、本明細書に記載される構造は、一体化した構成部品としても、又は別個の構成部品としても具体化することができる。様々な実施形態を比較するため、これらの実施形態の特定の態様及び利点が記載される。任意の特定の実施形態によってかかる態様又は利点の全てが達成されるわけではない。従って、例えば、様々な実施形態を、同様に本明細書に教示又は示唆され得るとおりの他の態様又は利点を必ずしも達成することなしに、本明細書に教示されるとおりの一つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する形で実施することができる。
【0378】
本明細書に記載される方法及びプロセスは、1つ以上の汎用及び/又は専用コンピュータが実行するソフトウェアコードモジュールに実装され、且つそれによって部分的又は完全に自動化されてもよい。語句「モジュール」は、ハードウェア及び/又はファームウェアに実装される論理、又はプログラミング言語、例えばC又はC++で記述された、場合によりエントリポイント及びイグジットポイントを有し得る一群のソフトウェア命令を指す。ソフトウェアモジュールは、実行可能プログラムにコンパイル及びリンクし、動的にリンクされたライブラリにインストールし、又は例えば、BASIC、Perl、若しくはPythonなどのインタプリタ型のプログラミング言語で記述してもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュールから、又はそれ自体から呼び出し可能であってよく、及び/又は検出されたイベント又は割込みに応答して起動されてもよいことは理解されるであろう。ソフトウェア命令は、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに組み込まれ得る。さらに、ハードウェアモジュールが、ゲート及びフリップフロップなどの結合された論理ユニットを含み得るか、及び/又はプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、及び/又はプロセッサなどのプログラム可能なユニットを含み得ることは理解されるであろう。本明細書に記載されるモジュールはソフトウェアモジュールとして実装され得るが、ハードウェア及び/又はファームウェアで表されてもまたよい。さらに、一部の実施形態ではモジュールは別個にコンパイルされ得るが、他の実施形態ではモジュールは、別個にコンパイルされたプログラムの命令のサブセットを表してもよく、他の論理プログラムユニットに利用可能なインターフェースを有しなくてもよい。
【0379】
特定の実施形態において、コードモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読媒体又は他のコンピュータ記憶装置に実装及び/又は格納され得る。システムによっては、システムに入力されるデータ(及び/又はメタデータ)、システムにより生成されるデータ、及び/又はシステムにより利用されるデータは、リレーショナルデータベース及び/又は単層ファイルシステムなどの任意の種類のコンピュータデータリポジトリに格納され得る。本明細書に記載される任意のシステム、方法、及びプロセスが、使用者、操作者、他のシステム、構成部品、プログラムなどとの対話を可能にするように構成されたインターフェースを含み得る。
【0380】
本明細書に記載される実施形態に多くの変形及び改良を加え得ることが強調されなければならず、その要素は、他の許容される例に含まれるものとして理解されるべきである。かかる改良及び変形は、本明細書において本開示の範囲内に包含され、且つ以下の特許請求の範囲により保護されることが意図される。さらに、前述の開示のいずれも、任意の特定の構成要素、特徴又は方法工程が必須である又は不可欠であることを含意するよう意図されるものではない。