特許第6891175号(P6891175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6891175
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20210607BHJP
   B65D 41/17 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   B65D41/04 300
   B65D41/17
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-530514(P2018-530514)
(86)(22)【出願日】2016年12月19日
(65)【公表番号】特表2018-538208(P2018-538208A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2016081755
(87)【国際公開番号】WO2017108697
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年10月18日
(31)【優先権主張番号】15202602.7
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590003065
【氏名又は名称】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】チェザーレ,スラビカ
(72)【発明者】
【氏名】ラリエル,グレゴリー
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0288787(US,A1)
【文献】 実開昭59−043348(JP,U)
【文献】 実開昭56−081049(JP,U)
【文献】 米国特許第05690242(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 41/04
B65D 41/17
B65D 41/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.開口(36)を形作る上壁(25)と、
b.前記上壁(25)から垂下し、かつ底端(43)まで軸方向に延在する円筒状スナップ式パイプ(30)とを備える蓋(22)であって、
c.前記円筒状スナップ式パイプ(30)が、その前記底端に少なくとも1つの抵抗凹部(42)を含み、
d.前記円筒状スナップ式パイプ(30)が、その内壁に少なくとも1つのねじ山(34)をさらに含み、
e.前記円筒状スナップ式パイプ(30)が、前記抵抗凹部の互いに対向する第1の壁(46)および第2の壁(44)を形作り、
f.前記第1の抵抗凹部壁(46)および前記第2の抵抗凹部壁(44)が傾きを有し、前記第1の抵抗凹部壁および前記第2の抵抗凹部壁のうちの一方の前記傾きが、少なくとも1点で、前記第1の凹部側面および前記第2の凹部側面のうちの他方の、同じ軸方向高さに位置する点の前記傾きよりも小さく、より高い傾きを有する前記抵抗凹部壁が、付勢要素に接触し、一方向(開くのとは反対の方向/ねじを締めて閉じる方向/蓋を固定する方向)への前記蓋の回転に抵抗するためのものであり、より緩やかな傾きを有する反対側の前記抵抗凹部壁が、前記蓋が反対方向、すなわち開く方向/ねじ緩め方向/蓋を取り外す方向に回されると、より緩やかな傾きの前記抵抗凹部の前記反対側の壁と前記付勢要素(50)とが接触して前記蓋がボトル首部(32)に対して上方に押し上げられようになっており、
g.前記円筒状スナップ式パイプの前記底端(43)が、ボトル首部に対して前記円筒状スナップ式パイプねじ山を下げるための案内凹部(70)を含むように成形されており、前記案内凹部(70)が、前記蓋を開く方向に、上向きの傾きを有する第1の壁(72)および下向きの傾きを有する第2の壁(74)を含み、これにより、前記蓋のねじを緩める回転の方向において、前記第1の案内壁(72)とボトル(20)の付勢要素(50)とが接触すると、前記蓋の前記円筒状スナップ式パイプ(30)が前記ボトルに対して下げられ、前記第2の案内壁(74)と前記付勢要素(50)とを接触させると、前記蓋の前記円筒状スナップ式パイプ(30)が前記ボトル(20)に対して持ち上げられ、前記蓋(22)が前記閉じる方向に回転されるとき、付勢要素(50)は、前記案内凹部(70)の上向きに延在する前記第2の壁(74)に達し、前記第2の壁(74)は、前記円筒状スナップ式パイプを前記ボトル首部(32)に向けて軸方向に下げ、前記付勢要素(50)の前壁および/または上壁が前記案内凹部の前記第1の壁(72)に達したとき、前記円筒状スナップ式パイプは、前記ボトル首部に対して持ち上げられ、次に、前記付勢要素(50)の頂部は縁の部分(56)に接触し、さらに回転させると、前記付勢要素(50)は、前記抵抗凹部壁の一方に到達し、前記円筒状スナップ式パイプ(30)は、前記付勢要素(50)が前記抵抗凹部内に収容されるにつれて下方に移動し、前記付勢要素(50)が前記抵抗凹部の急峻壁に達すると、前記蓋(22)はそれ以上回転させることができない蓋。
【請求項2】
前記開口を閉じるための閉鎖カバーをさらに含み、前記閉鎖カバーが、前記蓋の蓋基部にヒンジで取り付けられている、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記付勢要素が前記第1の案内凹部壁に接触すると、前記円筒状スナップ式パイプねじ山と前記ボトルのねじ山とが係合する、請求項1に記載の蓋。
【請求項4】
前記第2の抵抗凹部壁が、前記第1の抵抗凹部壁の、同じ軸方向高さに位置する点の傾きよりも小さい傾きを有し
前記第2の抵抗凹部壁の前記小さい傾きが、前記蓋のねじを緩める最中に前記第2の抵抗凹部壁に対向する、前記ボトルの前記付勢要素の側壁の傾きの±10度の範囲内であり、
前記第2の抵抗凹部壁の前記小さい傾きおよび前記第2の抵抗凹部壁に対向する前記付勢要素の前記側壁の傾きが30〜85度である、請求項1に記載の蓋。
【請求項5】
蓋およびボトルの組み合わせを備える容器であって、
請求項1に記載の蓋と、ボトル首部および少なくとも1つの付勢要素を有するボトルとを含み、
前記ボトル首部が雄ねじを有し、
前記少なくとも1つのボトル付勢要素が、前記蓋の前記円筒状スナップ式パイプの前記抵抗凹部内に少なくとも部分的に受け入れられるようになっている容器。
【請求項6】
前記付勢要素が前記第1の案内凹部壁に接触すると、前記円筒状スナップ式パイプねじ山と前記ボトルのねじ山とが係合する、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記ねじ緩め方向における、前記抵抗凹部と前記案内凹部との間の距離が少なくとも2mmである、請求項1に記載の蓋。
【請求項8】
前記ねじ緩め方向における、前記抵抗凹部と前記案内凹部との間の距離が2mm〜5mmである、請求項7に記載の蓋。
【請求項9】
前記ねじ緩め方向における、前記抵抗凹部と前記案内凹部との間の距離が2mm〜4mmである、請求項8に記載の蓋。
【請求項10】
前記第1の案内凹部壁の傾きが90〜135度である、請求項1に記載の蓋。
【請求項11】
前記第2の案内凹部壁の傾きが0〜10度である、請求項1に記載の蓋。
【請求項12】
前記第2の抵抗凹部壁が、前記第1の抵抗凹部壁の、同じ軸方向高さに位置する点の傾きよりも小さい傾きを有し
前記第2の抵抗凹部壁の前記小さい傾きが、前記蓋のねじを緩める最中に前記第2の抵抗凹部壁に対向する、前記ボトルの前記付勢要素の前記側壁の傾きの±10度の範囲内であり、
前記第2の抵抗凹部壁の前記小さい傾きおよび前記第2の抵抗凹部壁に対向する前記付勢要素の前記側壁の傾きが30〜85度である、請求項5に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
数多くのパーソナルケア製品がプラスチックボトルで販売されている。このような製品の例は、ボディーウォッシュおよびシャンプーである。ボトルからのボディーウォッシュまたはヘアケア製品の分配は消費者にとって好適であるが、プラスチックボトルは、一般に一回使用されたら捨てられ、場合によっては、望ましくないがごみ埋め立て地行きとなる。プラスチックボトルは場合によってはリサイクルされるが、リサイクル施設への輸送およびリサイクル自体の両方にエネルギーが使用される。したがって、一回使用した後に廃棄する代わりにパッケージを再使用することが好ましい。
【0002】
一部の現在市販されているボトルは、理論的には消費者によって再使用され得るが、一般に、容易にそうするには、要求されるべきものが残されている。例えば、消費者にとって、ボトルの本体へのアクセスを容易にするために蓋を十分に取り外すことが困難であり得る。これは、プラスチックの使用および処分の最小化という目標に対してかなりの障害をもたらす。したがって、消費者によって容易に取り外され得る蓋を有するボトルが必要とされている。さらに、消費者が、容器に補充した後に蓋をボトルに再び固定することができることが重要である。
【0003】
消費者がボトルの内部に容易にアクセスすることは確かに望ましいが、蓋がボトルから非常に容易に分離されるようにボトルを設計することはできない。さもなければ、輸送中などに折悪く製品が容器から漏れ出てしまう。また、容易に分離可能な蓋という目標は、競合する目標、すなわち、製造中に蓋をボトルに配置する容易さおよび製造コストの関連する最小化とのバランスをとらなければならない。
【0004】
Jackelの米国特許第8,365,933号は、2つの相互作用要素がそれらの可撓性に起因して互いによってまたは互いの上にシフトされる、スパウトに押し付けられ得るスナップ式の蓋を含む蓋システムを開示している。蓋は、一定の力を加えることによって軸方向/垂直方向に苦労してようやく取り外すことができる一方で、軸方向の取り外し動作よりもはるかに容易に行われる回転動作によって取り外すことができる。蓋は、容器の肩部上の付勢要素と係合する円筒状スナップ式パイプに凹部を含む。凹部の側面は、一方の側のある点の傾きが他方の側の同じ点の傾きよりも小さくなるように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,365,933号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の蓋の一部の不利益を被らない改善されたスナップ式の/捻って外す蓋に関する。特に、それは、業界標準の落下試験で確認され得るように非常に耐久性がある。本発明は、蓋を備えるパッケージ、例えば蓋と組み合わされるボトルにも関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蓋の基部は、開口を形作る上壁と、上壁から垂下してパイプ底端まで垂直に/軸方向に延在する円筒状スナップ式パイプとを含む。円筒状スナップ式パイプは、ボトルの首部の雄ねじと噛合するように設計される、内壁のねじ山を含む。蓋基部は、ボトル首部上にスナップ嵌めされ、これにより円筒状スナップ式パイプのねじ山は、容器首部のねじ山を通り過ぎ、容器首部のねじ山の下に一時的にロックされる。
【0008】
蓋の円筒状スナップ式パイプは、その底端に、少なくとも1つの抵抗凹部および少なくとも1つの案内凹部を含む。抵抗凹部および案内凹部は、蓋のねじを緩める際に役割を果たし、これにより蓋は、補充のために容易に取り外すことができる。抵抗凹部は、円筒状スナップ式パイプによって形作られた互いに対向する第1の壁および第2の壁を含み、一方の壁の傾きは、少なくとも1点で、他方の壁の、同じ軸方向/垂直方向の高さに位置する点の傾きよりも小さい。
【0009】
蓋が閉じられると、容器の付勢要素は、抵抗凹部内に少なくとも部分的に収容される。より高い傾きを有する抵抗凹部壁は、付勢要素に接触し、一方向(開くのとは反対の方向/ねじを締めて閉じる方向/蓋を固定する方向)(通常は時計方向)への蓋の回転に抵抗する。蓋が反対方向、すなわち開く方向/ねじ緩め方向/蓋を取り外す方向に回されると、抵抗凹部のより緩やかな傾きの反対側の壁と付勢要素とが接触して蓋は上方に押し上げられる。蓋の材料の可撓的性質および/またはパイプの凹部の存在に起因するスナップ式パイプの可撓性は、蓋が容器首部に対して軸方向上方に移動するときに円筒状スナップ式パイプの雌ねじが容器首部の雄ねじを通り過ぎることを可能にする。
【0010】
反時計方向またはねじ緩め方向/開く方向に蓋をさらに回すと、付勢要素は、抵抗凹部の後端に達し、続いてスナップ式パイプの底縁に達し、次に案内凹部に達する。ねじ緩め方向/開く方向に蓋を回転させる間に、容器首部に対して円筒状スナップ式パイプを下げるのを助けるように、案内凹部は、最初は底端から上向きに延在し、これにより蓋の円筒状スナップ式パイプおよび容器首部の噛合するねじ山が互いに接触する。その後、円筒状スナップ式パイプおよび首部のねじ山が係合した状態で、ねじ緩め方向/開く方向/蓋を取り外す方向に蓋をさらに回転させるため、案内凹部は、円筒状スナップ式パイプの底端に向かって緩やかに下向きの傾きを含む。
【0011】
案内凹部の下向きの傾き、ならびに容器首部およびスカートの対応するねじ山の傾きと一致する、蓋の結果的な比較的上向きの運動により、案内が行われ、ねじ緩め方向/開く方向に蓋を回す抵抗が最小になる。消費者は、最小の抵抗で蓋を回し続け、これにより最終的に蓋を取り外すことができる。案内凹部の存在は、消費者がボトルに補充した後に閉じる方向、通常は時計方向に蓋を回転させる逆のプロセスも容易にする。
【0012】
蓋は、蓋の開口を密閉するために蓋基部の上壁に接触するおよび/またはこれを覆う閉鎖要素を含むことができ、これは製品を分配するために開口から取り外すことができる。閉鎖要素は、製品を分配するために取り外されたときに、例えばヒンジまたは他のアタッチメントの結果として蓋基部に結合されたままであることが好ましい。
【0013】
抵抗凹部と案内凹部との間に延在するスナップ式パイプの底縁の長さは、少なくとも2mm〜5mmであり、特に2〜4mmであることが好ましく、これにより、長期間の使用にわたってボトル上への蓋の良好な適度に堅い装着が助長されることを含めて、蓋の耐久性が最大化される。
【0014】
本発明の蓋は、製造中にボトル首部上に蓋を固定して配置することを可能にし、さらには、消費者がボトルから蓋を容易に取り外すことおよび消費者がボトルに蓋を容易に再取り付けすることを可能にし、これにより容器に補充するために蓋を取り外すことを促進する。蓋は、耐久性があり、例えば耐摩耗性および耐引裂性がある。
【0015】
ねじを締める方向/ねじ緩め方向およびねじの位置などの変更が抵抗凹部および案内凹部の位置および形状の調整を必要とし得ることは明らかであろう。
【0016】
本発明の上記および他の特徴および利点のより完全な理解のためには、好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明および添付の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のボトルおよび蓋の側面図であり、蓋は断面が示されている。
図2】首部の一部が切欠図で示されている、本発明のボトルの正面図であり、その上方に、閉鎖カバーが取り除かれた状態の蓋基部の断面が示されている。
図3】開位置にある、本発明による蓋の、上方からの斜視図である。
図4図3の蓋の底面図である。
図5】本発明のパッケージの側面図であり、蓋はねじ緩め方向/開く方向/蓋取り外し方向に部分的に回転され、円筒状スナップ式パイプを示すために蓋の一部が破断されている。
図6】蓋の一部が破断され、蓋が完全な閉位置にある状態の容器の上部の側面図である。
図7】一部が破断された状態の蓋の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
蓋22はボトル20に載置される(図5および図6)。蓋22は、ヒンジ28によって閉鎖カバー26に連結された蓋基部24を含むが、他の可能な構成も当業者には明らかであろう。蓋基部24は、上壁25から下方に垂下する、図1および図2に最もよく見られるほぼ円筒状のスナップ式パイプ30を含む。円筒状スナップ式パイプ30は、ボトル20の首部32に係合するように配置されている。円筒状スナップ式パイプ30の内壁は、内向きに突出する1つ以上の雌ねじ34を含む。
【0019】
蓋基部24は、上壁25内の中央に配置された分配開口36を含む。開口36は、中央に配置されるものとして図示され説明されているが、所望に応じて中央からずらされてもよい。開口36の上方および/または下方には、注出または密閉を助けるために、リング38などの構造を設けてもよい。蓋基部24がボトル20上に配置されると、開口36は、スナップ式パイプ30の内部および蓋基部外壁23を介してボトル20の内部と連通する。閉鎖カバー26は、ボトルの密閉を助ける栓40を含む。
【0020】
ボトル20の首部32は、雄ねじ付き突出部60を含む。
【0021】
図5図7に最もよく見られるように、円筒状スナップ式パイプ30は、底端または底縁43から上向きに延在する抵抗凹部42を含む。縁43は、典型的には、パイプの、下方に延びる軸線に対して垂直に延在する。第2の抵抗凹部42aは、図1に見られるように、抵抗凹部42から180°離れて存在してもよい。抵抗凹部42は、円筒状スナップ式パイプ30内に形成された2つの壁44、46を含む。壁44、46の形状は、蓋を取り外すことができるようにボトルから蓋を解放するために蓋を望ましく回転させる方向に依存する。
【0022】
典型的には、蓋は、反時計回りに回すことによって、ねじが緩められ/開けられ/取り外されるので、本説明の目的のために、反時計回りにねじを緩める/開けると想定する。しかしながら、所望に応じて異なる方向を使用することができ、これに応じて壁44、46の形状および案内凹部70の位置が調整されることは明らかであろう。
【0023】
図6に最もよく見られるように、蓋が閉鎖位置にあるとき、抵抗凹部42は、ボトル肩部80に恒久的に結合された突出部である付勢要素50の少なくとも一部を受け入れる。
【0024】
図7に44で示されている、ねじを緩める回転/開く回転時の抵抗凹部後壁は、その下端45に、反対側の凹部(前)壁46よりも緩やかな傾きを含み、抵抗凹部壁46の下端の傾きはより急であるまたはより急峻である。付勢要素50も、傾きの異なる2つの側壁54、52を含む。
【0025】
図6に示す最初の閉鎖位置から開始して、消費者が蓋を回すときに蓋が時計方向に回転される場合、付勢要素側壁52の急峻な傾きが、抵抗凹部壁46の急峻な傾きに対向し、回転を防止する。一方、最初の閉鎖位置から反時計方向に蓋を回転させるとき、より緩やかな傾きを有する付勢要素の側壁54が、基部の近くの下半部(例えば45)により緩やかな傾きを有する抵抗凹部壁44に対向する。傾きがより緩やかな壁同士のこの接触の効果は、より急峻な傾きで生じる回転の防止の代わりに、付勢要素50が、抵抗凹部の壁および垂下する円筒状スナップ式パイプ30を上方に押し上げることである。
【0026】
抵抗凹部壁44の、45におけるより小さい、より緩やかな傾き(図7)は、ねじを緩める/開く最中に抵抗凹部壁44に対向する、容器の付勢要素の側壁54の傾きと同様または同一である。部分45における44の壁の傾きは、壁54の傾きの±10度の範囲内である。したがって、壁54が45度である場合、部分45における壁44は、35度〜55度の範囲内である。壁44および54の各々は、30〜85度の範囲内である。部分45における壁44の傾きは、縁部分56を通って引かれる水平線に対して測定される。壁54の傾きは、回転時に壁54が最初に壁44に接触する点で測定され、壁44との接触点を横切る水平線に対して測定される。なお、この水平線は、底縁部分56と平行であるか、またはこれと一致する。
【0027】
蓋の取り外し時に蓋22が消費者によってさらに反時計回りに回転されると、付勢要素50は抵抗凹部壁44を通り過ぎ、付勢要素の頂部58が、円筒状スナップ式パイプの底縁43の部分56に接触する。蓋22の、反時計回りの、ねじを緩める回転/開く回転をさらに行うと、付勢要素50の頂部58は、例えば図7に見られる案内凹部70に達する。案内凹部70は、底縁の部分56を通って引かれる水平線に対して90〜135度の範囲内の傾きで上向きに延在する壁72と、その後に、壁74とパイプ底部43との交点75を通って引かれる水平線に対して0度〜10度の範囲内のそれほど急でない傾きで下向きに延在する壁74とを含む。
【0028】
抵抗凹部42と案内凹部70との間の距離は、底縁部分56に沿って、壁44がスナップ式パイプの底端または底縁43と同化する点から、案内凹部壁70が壁72の始点で上り始める点まで測定される。抵抗凹部と案内凹部との間の、ねじ緩め方向/開く方向の距離は、少なくとも3mmであることが好ましい。この距離は、典型的には、2mm〜5mm、特に2mm〜4mmである。
【0029】
抵抗凹部に加えて案内凹部が存在することも、ほぼ時計回りである、反対の閉じる方向に蓋を回転させることを容易にする。蓋を時計回りの閉じる方向に回転させると、付勢要素50は、点75(図5)で案内凹部70の緩やかに上向きに傾斜した壁74に達し、次により急峻な下向きの傾斜の壁72に達し、次に部分56の縁43に達し、最後に抵抗凹部壁44および急峻壁46に達する。
【0030】
パッケージの製造中の工程中に、蓋22は、蓋22を軸方向下向きに押し付けることによって(もしくはボトル20を軸方向上向きに押し付けることによってまたはこれら両方によって)ボトル20の首部32(例えば図2)上にスナップ嵌めされる。ボトル本体および蓋が可撓性材料で作られていることから、および/またはパイプに1つ以上の凹部が存在することにより、円筒状スナップ式パイプ30が半径方向に弾性的に広がることができることから、円筒状スナップ式パイプの雌ねじ34は、容器首部の雄ねじ60上を通り過ぎ、蓋は首部上にスナップ嵌めされる。したがって、蓋は容器にしっかりと取り付けられ、垂直方向または上向きの運動を用いてこれらを分離するには、消費者の相当な労力または他の外力が必要とされる。あるいは、最初に蓋22は、ねじ山を螺合させるために容器20上で回転させることによって容器20上に取り付けられてもよい。
【0031】
通常の使用では、製品は、開口36からカバー26を取り外して分配される。その後、製品を使用しないときは、カバー26が閉じられて栓40が開口を密閉する。
【0032】
元々中に入っていたシャンプー、ボディーウォッシュ、ローション、または他の製品がなくなってボトルが実質的に空になったとき、消費者は、その補充および再使用を容易にするためにパッケージから蓋22を取り外す。蓋を取り外すために、消費者は、図6に示す位置から開始して典型的には反時計方向に蓋を回転させる。上で説明したように付勢要素50が閉じる回転時に蓋22を上方に押し上げるとき、円筒状スナップ式パイプねじ山34は、容器首部ねじ山60を通り過ぎる。円筒状スナップ式パイプが、凹部の存在のおかげでおよび/または円筒状スナップ式パイプが製造される材料の可撓的性質のおかげで半径方向に広がることができることから、ねじ山34は容器首部ねじ山60を通り過ぎることができる。
【0033】
付勢要素50は、次いで円筒状スナップ式パイプの底縁43の部分56に達し、次に案内凹部70の上向きに延在する壁72に達する。後者は、円筒状スナップ式パイプを容器首部に向けて軸方向に下げ、その結果として、円筒状スナップ式パイプねじ山34をねじ山60上に配置し、このとき消費者は、通常の回転を用い続けて、容器首部から蓋のねじを緩めて外すことができる。図5は、凹部70内の付勢要素50を示す。このねじを緩める回転は、案内凹部70の下向きに延在する壁74に接触する付勢要素頂部58によってさらに容易になっている。頂部58と下向きに延在する壁74との接触により、蓋の円筒状スナップ式パイプが持ち上げられて、蓋の通常のねじ緩め動作が支援され、これにより蓋は容易に取り外される。ねじ山のピッチは壁74の傾きと同様である。
【0034】
次に、蓋を外した状態で、消費者はシャンプーまたは他の製品をボトルに補充する。次に、消費者は、製造時に使用されるのと同様の軸方向においてボトル首部上に蓋を下向きにスナップ留めすることによってボトル上に蓋を再び取り付けるか、あるいは消費者は、ボトル首部上に蓋を再び螺着させる。消費者が後者を選択した場合、パイプ30の時計回りに動く縁43は、付勢要素50の頂部58に接触する。それが点75(図5)に到達すると、それは緩やかに上る壁74に達し、この接触により、蓋の通常の下方へのねじ留めと一致してパイプはボトル首部に対して下がる。
【0035】
付勢要素の前壁および/または上壁が案内凹部70の壁72に達すると、パイプ30はボトル首部32に対して持ち上げられ、付勢要素50の頂部58は縁43の部分56に接触する。さらに回転させると、付勢要素は抵抗凹部壁44に到達し、パイプ30は、付勢要素50が凹部42内に収容されるにつれて下方に移動する。消費者が蓋をさらに回転させ、パイプが下方に移動すると、パイプ30の雌ねじ34がボトル首部32の雄ねじ60を通り過ぎ、これにより蓋はボトル首部上にスナップ留めされる。付勢要素壁52が抵抗凹部42の急峻壁46に達すると、蓋はそれ以上回転させることができなくなる。
【0036】
蓋は、製造中にボトル上に垂直/軸方向に配置することによって無駄なく、容器首部上に固定して配置することができる一方で、消費者がボトルから/への蓋の取り外しおよび再取り付けのために蓋を容易に回転できるようにすることにより、容器の補充が円滑になる。蓋22はまた、製造中に回転させてねじ山を螺合させることによって容器上に取り付けられてもよい。
【0037】
本明細書での上向きまたは下向きの運動への言及は、容器20が蓋の反対側の端部で床(図示せず)上に載っていることを前提している。
【0038】
蓋はポリプロピレン製であってもよく、ボトルは高密度のポリエチレンまたはポリプロピレンから成形することができる。蓋は、耐久性があるように設計され、このため通常の摩耗に耐え、蓋の開閉によって、また落下によっても裂けない。
【0039】
言うまでもなく、本開示の明確な教示から逸脱することなく、その中で特定の変更を行うことができるので、本明細書に図示され説明されている本発明の特定の形態は代表的なものに過ぎないことを理解されたい。したがって、本発明の全範囲を決定する際には、以下の添付の特許請求の範囲を参照されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7