(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6891182
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】組立製品用のパネルのセット
(51)【国際特許分類】
F16B 5/06 20060101AFI20210607BHJP
F16B 5/00 20060101ALI20210607BHJP
F16B 5/07 20060101ALI20210607BHJP
F16B 12/02 20060101ALI20210607BHJP
F16B 12/12 20060101ALI20210607BHJP
A47B 47/04 20060101ALI20210607BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
F16B5/06 G
F16B5/00 F
F16B5/07 C
F16B12/02 B
F16B12/12 C
A47B47/04 B
A47B96/20 B
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-539068(P2018-539068)
(86)(22)【出願日】2017年2月2日
(65)【公表番号】特表2019-510170(P2019-510170A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】SE2017050086
(87)【国際公開番号】WO2017135874
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2019年11月22日
(31)【優先権主張番号】1650135-5
(32)【優先日】2016年2月4日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス、フリードルンド
【審査官】
児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−511986(JP,A)
【文献】
独国実用新案第29820031(DE,U1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0294498(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 1/00− 1/04
F16B 5/00− 5/12
F16B 12/00−12/60
F16B 13/00−13/14
A47B 43/00−45/00
A47B 47/00−47/06
A47B 91/00−97/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主平面を持つ第1パネル(4)と、第2主平面を持つ第2パネル(2)とを含み、前記第1パネルの第1縁部は、前記第2パネルの第2縁部に係止するように形成されており、前記第1主平面は前記第2主平面に対して本質的に垂直であり、前記第1縁部及び前記第2縁部は、前記第1主平面に対して垂直な第1方向(D1)及び前記第2主平面に対して垂直な第2方向(D2)で係止され、前記第1縁部は、前記第1縁部に沿って長手方向に延びる縁部タング(22)を含み、該縁部タング(22)は、底縁部(45)と、第1面(43)と、第1面(43)と反対側の第2面(41)とを含み、前記第2縁部は、前記第2縁部に沿って長手方向に延びる縁部溝(21)を含み、前記縁部溝(21)は、底部(44)と、第1面(42)と、第1面(42)と反対側の第2面(40)とを含み、前記縁部タング(22)は、前記第1縁部及び前記第2縁部を前記第1方向(D1)で互いに係止するため、前記縁部溝(21)と協働するように形成されている、パネルのセットにおいて、
前記縁部タング(22)の前記第1面(43)は、前記第1方向(D1)での前記係止のため、前記第1縁部及び前記第2縁部の長手方向中央部分のところで前記縁部溝(21)の前記第1面(42)と協働するように形成されており、
前記第1パネル(4)は、前記第1縁部と隣接した第3縁部(65)を含み、前記第2パネル(2)は、前記第2縁部と隣接した第4縁部(64)を含み、
前記縁部溝(21)は前記第4縁部(64)まで延びており、
前記第1縁部及び前記第2縁部の係止位置において、前記第3縁部(65)および前記第4縁部(64)に隣接する前記第1縁部と前記第2縁部の縁部部分(62)での前記底縁部(45)と前記底部(44)との間の第2距離(56)は、前記長手方向中央部分(61)での前記底縁部と前記底部との間の第1距離(50)よりも大きくなっており、この前記第1縁部と前記第2縁部の縁部部分(62)において、前記縁部タング(22)は前記縁部溝(21)側へ突出し、
前記縁部溝(21)及び/又は前記縁部タング(22)は、荷重(58)が前記第1パネル及び前記第2パネル(4、2)に加わったとき、前記第3縁部(65)および前記第4縁部(64)に隣接する前記第1縁部と前記第2縁部の縁部部分(62)によって吸収されるよりも大きな力が前記長手方向中央部分(61)によって吸収されるように形成されている、パネルのセット。
【請求項2】
請求項1に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部溝(21)は、前記縁部部分(62)のところに第1溝形状を有し、前記長手方向中央部分(61)のところに第2溝形状を有し、前記第1溝形状は、前記第2溝形状と異なる、パネルのセット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部タング(22)は、前記縁部部分(62)のところに第1タング形状を有し、前記長手方向中央部分(61)のところに第2タング形状を有し、前記第1タング形状は前記第2タング形状と異なる、パネルのセット。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部部分(62)の長手方向長さは、前記縁部溝の前記長手方向で5mm乃至50mmの範囲内にある、パネルのセット。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部タングの第3面(71)は、前記第1縁部及び前記第2縁部が係止位置にある場合、前記縁部部分のところで、前記縁部溝の第3面(72)から距離(55)だけ離間するように形成されており、前記距離は、0.2mm乃至2mmの範囲内にあり、前記縁部タングの前記第3面(71)は、前記第2方向(D2)で前記縁部タング(22)の前記第1面(43)と同じ位置にあり、かつ前記縁部タング(22)の前記第1面(43)と同じ側にあり、前記縁部溝(21)の前記第3面(72)は、前記第2方向(D2)で前記縁部溝(21)の前記第1面(42)と同じ位置にあり、かつ前記縁部溝(21)の前記第1面(42)と同じ側にある、パネルのセット。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記長手方向中央部分での及び前記縁部タング(22)の前記第1面(43)での前記縁部タング(22)の第1厚さ(52)は、前記縁部部分での及び前記第2方向(D2)での前記第1厚さ(52)と同じ位置での前記縁部タング(22)の第2厚さ(54)よりも大きく、前記第1厚さと前記第2厚さとの差は、0.2mm乃至2mmの範囲内にある、パネルのセット。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部部分(62)での前記縁部溝(21)の第1幅(53)は、前記長手方向中央部分(61)での前記縁部溝(21)の第2幅(51)よりも大きく、前記第2幅(51)は、前記縁部溝(21)の前記第1面(42)のところにあり、前記第1幅(53)は、前記第2方向(D2)で前記第2幅(51)と同じ位置のところであり、前記第1幅(53)と前記第2幅(51)との差は、0.2mm乃至2mmの範囲内にある、パネルのセット。
【請求項8】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部タング(22)は、前記長手方向中央部分(61)に亘って延びており、前記縁部部分(62)の手前で終端する、パネルのセット。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部タング(22)の前記第1面(43)及び前記縁部溝の前記第1面(42)は、前記第1縁部及び前記第2縁部の係止位置で、前記第1縁部及び前記第2縁部の外隅部(63)に対し、前記縁部タング(22)の前記第2面(41)及び前記縁部溝(21)の前記第2面(40)よりも近い、パネルのセット。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部タング(22)はタング溝(10)を含み、前記縁部溝(21)はタング(30)を収納し、前記タングは、前記第1縁部及び前記第2縁部を前記第2方向(D2)で互いに係止するため、前記タング溝(10)と協働するように形成されている、パネルのセット。
【請求項11】
請求項10に記載のパネルのセットにおいて、
前記タングは、挿入溝(20)に配置された可撓性タング(30)である、パネルのセット。
【請求項12】
請求項11に記載のパネルのセットにおいて、
前記挿入溝(20)は、本質的に前記縁部溝(21)の全長に沿って延びている、パネルのセット。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のパネルのセットにおいて、
前記可撓性タング(30)は、前記挿入溝(20)内で変位可能である、パネルのセット。
【請求項14】
請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記縁部溝(21)は、本質的に前記第2縁部の全長に沿って延びている、パネルのセット。
【請求項15】
請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載のパネルのセットにおいて、
前記第1パネル及び前記第2パネルのコア材料は、HDF、MDF、合板、無垢板、又はパーティクルボード等の木材繊維をベースとしたボード、又は強化プラスチックボード、又は木材繊維複合材料ボードでできている、パネルのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、互いに垂直に配置され、互いに係止されるように形成されたパネルに関する。これらのパネルは、互いに組み立て及び係止することにより、本棚、食器棚、洋服箪笥、箱、引き出し、又は家具部品等の家具製品を形成する。係止は、可撓性タングを含んでいてもよい。
【背景技術】
【0002】
従来の家具製品は、複数のエレメント又はパネルによって組み立てられている。パネルは、例えばWO2012/154113A1に開示されているように、機械式係止システム3を用いて組み立てられてもよい。製品は、第2パネルに垂直に連結された第1パネルを含む。係止は、第1パネルの縁部タング、第2パネルの縁部溝、及び挿入溝内の可撓性タングを含む機械式係止システムによって行われる。
【0003】
場合によっては、組み立て後に分解又は取り外しを行うのが望ましい場合がある。WO2015/038059には、挿入溝内の可撓性タングを含む機械式係止システムによって係止された複数のパネルによって組み立てられた製品が開示されている。機械式係止システムは、可撓性タングを挿入溝に押し込むことによりパネルの取り外しを容易にする取り外し工具によって係止解除されてもよい。
【0004】
パネルは、一般的には、多数のフライス工具を含む連続機械的製造プロセスで製造される。縁部溝は、製造上の理由により、好ましくは、第2パネルの前縁部から後縁部まで連続的に延びている。前縁部の縁部溝の開口部は、例えばストリップによって覆われていてもよい。縁部溝は、後縁部に開口部を備えていてもよく、取り外し工具がこの開口部を通して挿入されてもよい。後縁部の開口部は、更に、縁部タングを縁部溝に対して変位することによって第1及び第2のパネルの組み立て又は分解を行うことができるという利点を備えていてもよい。
【0005】
本発明の実施例は、特に縁部溝の開口部を含む後縁部で、強度が高い係止を行う必要を満たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2012/154113A1
【特許文献2】WO2015/038059
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の実施例は、好ましくは、互いに係止するように形成された一組のパネルを単独で又は何らかの組み合わせで提供し、第1及び/又は第2のパネルに荷重が加わった場合に中央部分が縁部部分よりも大きな力を吸収するようにすることによって、当該技術分野における上述の不備、欠点、又は問題点を低減し、軽減し、又はなくそうとするものである。
【0008】
本発明の実施例の別の目的は、強度及び安定性が向上した家具製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下の説明から明らかになるであろうこれらの及び他の目的及び利点の少なくとも幾つかは、第1主平面を持つ第1パネルと、第2主平面を持つ第2パネルとを含む、パネルのセットによって達成される。第1パネルの第1縁部は、第2パネルの第2縁部に係止するように形成されており、第1主平面は第2主平面に対して本質的に垂直であり、第1及び第2の縁部は、第1主平面に対して垂直な第1方向及び第2主平面に対して垂直な第2方向で係止されている。第1縁部は、第1縁部に沿って長手方向に延びる縁部タングを含む。この縁部タングは、底縁部と、第1面と、第1面と反対側の第2面とを含む。第2縁部は、第2縁部に沿って長手方向に延びる縁部溝を含み、この縁部溝は、底部と、第1面と、第一面と反対側の第2面とを含む。縁部タングは、第1及び第2の縁部を第1方向で互いに係止するため、縁部溝と協働するように形成されている。縁部タングの第1面は、第1方向での前記係止のため、第1縁部及び第2縁部の長手方向中央部分のところで縁部溝の第1面と協働するように形成されている。第1パネルは、第1縁部と隣接した第3縁部を含み、第2パネルは、第2縁部と隣接した第4縁部を含む。縁部溝は第4縁部まで延びている。第4縁部の縁部溝に開口部があると、荷重が加わった場合に縁部溝の外下部分のところで第4縁部に亀裂が生じる場合がるという欠点がある。縁部溝及び/又は縁部タングは、荷重が第1及び第2のパネルに加わったとき、縁部部分の第1縁部及び第2縁部の第3縁部及び第4縁部によって吸収されるよりも大きな力が長手方向中央部分のところで吸収されるように形成されており、これにより亀裂の発生を阻止し、係止強度を向上する。
【0010】
縁部溝は、縁部部分に第1溝形状を有しており且つ、長手方向中央のところに第2溝形状を有していてもよい。
【0011】
縁部タングは、縁部部分のところに第1タング形状を有してもよく、長手方向中央部分のところに第2タング形状を有してもよい。
【0012】
縁部部分の長手方向長さは、縁部溝の長手方向で約5mm乃至約50mmの範囲内にあってもよく、好ましくは約20mmであってもよい
【0013】
縁部タングの第3面は、第1及び第2の縁部が係止位置にある場合、縁部部分のところで、縁部溝の第3面から所定距離だけ離間するように形成されていてもよい。距離は、好ましくは約0.2mm乃至約2mmの範囲内にあり、好ましくは約0.2mm乃至約0.5mmである。縁部タングの第3面は、第2方向で及び縁部タングの同じ側で、縁部タングの第1面と同じ位置にあってもよい。縁部溝の第3面は、第2方向で及び縁部溝(21)の同じ側で、縁部溝(21)の第1面(42)と同じ位置にあってもよい。
【0014】
長手方向中央部分で及び縁部タングの第1面で縁部タングの第1厚さは、縁部タングの第2厚さよりも大きくてもよい。第2厚さは、縁部部分での及び第2方向での第1厚さと同じ位置での縁部タングの第2厚さであってもよい。第1厚さと第2厚さとの差は、好ましくは約0.2mm乃至約2mmの範囲内にあり、好ましくは約0.2mm乃至約0.5mmである。
【0015】
縁部部分での縁部溝の第1幅は、長手方向中央部分での縁部溝の第2幅よりも大きくてもよい。第2幅は、縁部溝の第1面のところの幅であり、第1幅は、第2方向で第2幅と同じ位置のところの幅である。第1幅と第2幅との差は、好ましくは約0.2mm乃至約2mmの範囲内にあり、好ましくは約0.2mm乃至約0.5mmである。
【0016】
第1及び第2の縁部の係止位置において、縁部部分での底縁部と底部との間の第2距離は、長手方向中央部分での底縁部と底部との間の第1距離よりも大きくてもよい。
【0017】
縁部タングは、長手方向中央部分に亘って延びていてもよく、縁部部分の手前で終端してもよい。
【0018】
縁部タングの第1面及び縁部溝の第1面は、好ましくは、第1及び第2の縁部の係止位置で、第1及び第2の縁部の外隅部に対し、縁部タングの第2面及び縁部溝の第2面よりも近い。
【0019】
縁部タングはタング溝を含んでいてもよく、縁部溝はタングを収納していてもよい。前記タングは、第1及び第2の縁部を第2方向で互いに係止するため、前記タング溝と協働するように形成されていてもよい。
【0020】
タングは、挿入溝に配置された可撓性タングであってもよい。
【0021】
前記可撓性タングは、好ましくは、挿入溝内で変位可能である。
【0022】
挿入溝は、本質的に縁部溝の全長に沿って延びていてもよい。
【0023】
縁部溝は、本質的に第2縁部の全長に沿って延びていてもよい。
【0024】
第1及び第2のパネルのコア材料は、HDF、MDF、合板、無垢板、又はパーティクルボード等の木材繊維をベースとしたボード、又は強化プラスチックボード、又は木材繊維複合材料ボードでできていてもよい。
【0025】
コアには装飾層が設けられていてもよい。
【0026】
第3及び第4の縁部が、家具製品の後縁部等の後縁部であってもよい。
【0027】
第1縁部及び第2縁部は、縁部部分とは反対側の第2縁部部分を含んでいてもよい。第2縁部部分は、長手方向中央部分と同じ溝形状を備えていてもよく、及び/又は同じタング形状を備えていてもよい。
【0028】
本発明の第2の態様は、第1の態様によるパネルの組を含む家具製品である。パネルの組は、家具製品のフレームの一部であってもよい。
【0029】
本発明の実施例が可能なこれらの及び他の態様、特徴、及び利点は、添付図面を参照してなされた本発明の実施例の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施例の長手方向中央部分の一実施例の断面図である。
【
図6A】
図6Aは、縁部部分の実施例を示す、本発明の一実施例の側面図である。
【
図6B】
図6Bは、縁部部分の実施例を示す、本発明の一実施例の側面図である。
【
図7A】
図7Aは、縁部部分の実施例を示す、本発明の一実施例の側面図である。
【
図7B】
図7Bは、縁部部分の実施例を示す、本発明の一実施例の側面図である。
【
図8A】
図8Aは、可撓性タングの一実施例を含む、本発明の一部を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、可撓性タングの一実施例を含む、本発明の一部を示す図である。
【
図8C】
図8Cは、可撓性タングの一実施例を含む、本発明の一部を示す図である。
【
図8D】
図8Dは、可撓性タングの一実施例を含む、本発明の一部を示す図である。
【
図8E】
図8Eは、可撓性タングの一実施例を含む、本発明の一部を示す図である。
【
図8F】
図8Fは、可撓性タングの一実施例を含む、本発明の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の特定の実施例を添付図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの様々な形態で実施されてもよく、本明細書中に記載された実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は、本開示が完璧であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるために提供されたものである。添付図面に示す実施例の詳細な説明で使用された用語は、本発明を限定しようとするのではない。添付図面では、同様の要素に同じ参照番号が付してある。
【0032】
第1及び第2のパネルの接合部に亀裂が発生する危険を低減する実施例を示す。
【0033】
図1A−
図7Bに示す本発明の実施例は、第1主平面を持つ第1主パネル及び第2主平面を持つ第2主パネルを含むパネルのセットを含む。第1パネルの第1縁部は、第2パネルの第2縁部に係止するように形成されている。第1主平面は第2主平面に対して本質的に垂直であり、第1及び第2の縁部は、第1主平面に対して垂直な第1方向D1及び第2主平面に対して垂直な第2方向D2で係止される。第1縁部は、第1縁部に沿って長手方向に延びる縁部タング22を含む。縁部タング22は、底縁部45と、第1面43と、反対側の第2面41を含む。第2縁部は、第2縁部に沿って長手方向に延びる縁部溝21を含む。縁部溝21は、底部44と、第1面42と、反対側の第2面40を含む。縁部タング22は、第1及び第2の縁部を第1方向D1で互いに係止するため、縁部溝21と協働するように形成されている。縁部タング22の第1面43は、第1方向D1での前記係止を行うため、長手方向中央部で縁部溝21の第1面42と協働するように形成されている。第1パネル4は、第1縁部と隣接した第3縁部65を含み、第2パネル2は、第2縁部と隣接した第4縁部64を含む。縁部溝21は、第4縁部64まで延びている。縁部溝21及び/又は縁部タング22は、第1パネル4及び/又は第2パネル2に荷重58が加わったとき、長手方向中央部61によって吸収される力が、第3及び第4の縁部63、64のところで縁部部分62によって吸収される力よりも大きいように形成されている。第3及び第4の縁部63、64は、家具製品の後縁部等の後縁部であってもよい。
【0034】
図1Aは、縁部部分62のところが第1溝形状を有し、長手方向中央部分61が第2溝形状を有する縁部溝の一実施例を示す。第1溝形状は、対応する位置で第2溝形状よりも広幅である。
【0035】
第1縁部及び第2縁部は、縁部部分62の反対側に第2縁部部分66を含んでいてもよい。第2縁部部分66は、長手方向中央部分61と同じ溝形状及び/又は同じ長手方向形状を備えていてもよい。
【0036】
図1Bは、
図1Aの丸で囲った領域の拡大図を示す。縁部溝は、第2縁部に沿ってフライス盤を変位し、及び比較的広幅の縁部部分のところでフライス盤を第1方向に変位することによって形成されてもよい。縁部タングは、縁部タングの長手方向で均等な形状を備えていてもよい。縁部部分の長手方向長さは、縁部溝の長手方向で、約5mm乃至約50mmの範囲内にあってもよく、好ましくは約20mmであってもよい。
【0037】
図2Aは、長手方向中央部分61に亘って延び、縁部部分62の手前で終端する縁部タングの一実施例を示す。
図2Bは、
図2Aの丸で囲った領域の拡大図を示す。
【0038】
縁部部分62とは反対側の第2縁部部分66は、長手方向中央部分61及び縁部部分62と異なる形状を備えていてもよい。例えば、第2縁部部分66のタング形状は、縁部部分62のタング形状と本質的に同じ形状であってもよい。しかしながら、第2縁部部分66の溝形状は、長手方向中央部分61及び縁部部分62のいずれの溝形状とも異なっていてもよい。例えば、第2縁部部分66の溝は、縁部の端部まで延びていなくてもよい。例えば、溝の端部は、第2縁部の端部から約5mm乃至約50mm、好ましくは約20mmのところにあってもよい。
【0039】
縁部タングは、フライス盤を第1縁部に沿って変位し、及びフライス盤を縁部部分のところで第1方向に変位することによって形成されてもよい。縁部部分の長手方向長さは、縁部タングの長手方向で約5mm乃至約50mmの範囲内にあってもよく、好ましくは約20mmであってもよい。
【0040】
図3Aは、縁部部分62が第1タング形状で長手方向中央部分61が第2タング形状の縁部タングの一実施例を示す。第1タング形状の厚さは、対応する位置で、第2タング形状の厚さよりも薄い。
【0041】
縁部部分62とは反対側の第2縁部部分66は、長手方向中央部分61と同じ溝形状及び/又はタング形状を備えていてもよい。
【0042】
図3Bは、
図3Aの丸で囲った領域の拡大図である。縁部タングは、フライス盤を第1縁部に沿って変位することによって形成されてもよく、フライス盤を比較的薄い縁部部分のところで第1方向に変位することによって形成されてもよい。縁部溝の溝形状は、縁部タングの長手方向で均等であってもよい。縁部部分の長手方向長さは、縁部タングの長手方向で、約5mm乃至約50mmの範囲内にあってもよく、好ましくは約20mmであってもよい。
【0043】
本発明の実施例は、特にコアの繊維が第2主平面と本質的に平行に配置された第2パネルの実施例について有利である。このような第2パネルは、亀裂が発生する危険が高い。
【0044】
図4Aは、第1パネル及び第2パネル2が係止位置にある長手方向中央部分61の一実施例の断面図である。
図4Bは、
図4Aの丸で囲った領域の拡大図である。縁部タング22の第1面43及び縁部溝の第1面42は、縁部タング22の第2面41及び縁部溝21の第2面40よりも第1及び第2の縁部の外隅部63に近い。底縁部45及び底部44は、互いから第1距離50のところに位置決めされている。
図4Bは、縁部タング22の第1面43が、第1方向D1での前記係止のため、縁部溝21の第1面42と協働していることを示す。第1方向D1で係止するため、縁部タング22の第2面41は、好ましくは、縁部溝21の第2面40と協働する。第1及び/又は第2のパネルに荷重58、58’、58’’が加わった場合の縁部溝の下部分67のところで亀裂の危険が最も大きい。亀裂は、第4縁部64のところで最も起こり易い。その後、亀裂は第2縁部に沿って伝播する。縁部溝の縁部部分及び縁部タングに加わる荷重を小さくすることによって、亀裂の発生を阻止してもよい。
【0045】
縁部タング22はタング溝10を含んでいてもよく、縁部溝21はタング30を含み、前記タングは、第1及び第2の縁部を第2方向D2で互いに係止するため、前記タング溝10と協働するように形成されている。
【0046】
タングは、好ましくは可撓性タング30であり、挿入溝20に配置されてもよい。
【0047】
挿入溝20は、本質的に縁部溝21の全長に沿って延びていてもよい。
【0048】
可撓性タング30は、好ましくは挿入溝20内で変位可能である。
【0049】
縁部溝21は、本質的に第2縁部の全長に沿って延びていてもよい。
【0050】
図5Aは、縁部タングがない状態での
図4Aの丸で囲った領域の拡大図である。この実施例は、縁部溝21の長手方向中央部分61が第2幅51であり、縁部溝21が第1面42を含む。
【0051】
図5Bは、縁部溝がない状態での
図4Aの丸で囲った領域の拡大図である。この実施例は、縁部タング22の長手方向中央部分61が第1厚さ52であり、縁部タング22が第1面43を含む。
【0052】
縁部部分62の一実施例を
図6Aの断面図に示す。この実施例では、縁部タング22の縁部部分は第2厚さ54であり、同じ位置で第2方向D2は、第1厚さ52である(
図5B参照)。第1厚さは、第2厚さよりも大きい。第1厚さ52と第2厚さ54との間の差は、好ましくは約0.2mm乃至約2mmであり、好ましくは約0.2mm乃至約0.5mmである。
【0053】
縁部部分62の一実施例を
図6Bの断面図に示す。この実施例は、縁部溝21の縁部部分62は、第1幅53である。長手方向中央部分61の第1幅53は、縁部溝21の第2幅51よりも大きい(
図5A参照)。第1幅53は、第2方向D2で、第2幅51と同じ位置での幅である。第1幅53と第2幅51との間の差は、約0.2mm乃至約2mmの範囲内にあってもよく、好ましくは約0.2mm乃至約0.5mmである。
【0054】
図6A及び
図6Bに示す実施例は、縁部タングの第3面71を含む。縁部タングの第3面71は、前記第1及び第2の縁部が係止位置にある場合に、前記縁部部分のところで前記縁部溝の第3面72から距離55だけ離間するように形成されている。この距離は、好ましくは約0.2mm乃至約2mmの範囲内にあり、好ましくは約0.2mm乃至約0.5mmである。縁部タングの第3面71は、第2方向D2で前記縁部タング22の第1面43と同じ位置にあり、かつ縁部タング22の第1面43と同じ側にある。縁部溝21の第3面72は、第2方向D2で縁部溝21の第1面42と同じ位置にあり、且つ縁部溝21の第1面42と同じ側にある。
【0055】
縁部部分の62の一実施例を
図7Aの断面図に示す。底縁部45及び底部44は、互いから第2距離56のところに位置決めされている。第2距離56は、第1及び第2の縁部が係止位置にある場合、底縁部45と底部44との間の長手方向中央部分61のところでの第1距離50(
図4B参照)よりも大きい。
【0056】
縁部部分の62の一実施例を
図7Bの断面図に示す。この実施例では、好ましくはフライス加工等の機械的切除によって縁部タングがなくしてある。
【0057】
上文中に説明した第1及び第2のパネルの実施例のコア材料は、HDF、MDF、合板、無垢板、又はパーティクルボード等の木材繊維をベースとしたボード、又は強化プラスチックボード、又は木材繊維複合材料ボードでできていてもよい。コアには装飾層が設けられていてもよい。
【0058】
挿入溝20内で変位可能な可撓性タング30の一実施例を
図8A−
図8Dに示す。
図8A及び
図8Bは、係止位置の可撓性タング30を示し、
図8C及び
図8Dは、第1パネル4及び第2パネル2の組み立て中の可撓性タング30を示す。
図8Bは、
図8Aの可撓性タング30の断面を示す。
図8Dは、
図8Cの可撓性タング30の断面を示す。可撓性タング30は、曲げ可能突出部分24を含む。可撓性タング30と挿入溝20の底壁との間に空間23が設けられている。
図8Cは、第1パネル4と第2パネル2との組み立て中に可撓性タング30が挿入溝20の底壁に向かって挿入溝20に押し込まれていることを示す。可撓性タング30は、第1パネル4と第2パネル8が係止位置に達したときにばね作用でその初期位置に戻る。好ましくは、各曲げ可能突出部分に凹所25が配置されている。
【0059】
可撓性タング30は、第1変位面26及び反対側の第2変位面27を備えていてもよい。これらの変位面は、挿入溝20の第3変位面28及び第4変位面29の夫々に沿って変位するように形成されている。
【0060】
突出した曲げ可能部分24がない可撓性タング30の変形例を
図8E及び
図8Fに示す。
図8Fは、
図8Eに示す可撓性タング30の断面を示す。この変形例は、
図8A−
図8Dに示す実施例と同様の機能を果たすため、その長手方向で曲げ可能である。
【0061】
上文中に説明したパネルのセットは、家具製品のフレーム等の部品であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
2 第2パネル
4 第1パネル
21 縁部溝
22 縁部タング
40 第2面
41 第2面
42 第1面
43 第1面
44 底部
45 底縁部
58 荷重
61 長手方向中央部分
62 縁部部分
64 第4縁部
65 第3縁部
D1 第1方向
D2 第2方向