特許第6891303号(P6891303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6891303通信装置、方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6891303
(24)【登録日】2021年5月28日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】通信装置、方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/36 20180101AFI20210607BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210607BHJP
   H04W 80/06 20090101ALI20210607BHJP
【FI】
   H04W76/36
   H04W72/04 111
   H04W80/06
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-569972(P2019-569972)
(86)(22)【出願日】2017年6月16日
(65)【公表番号】特表2020-523949(P2020-523949A)
(43)【公表日】2020年8月6日
(86)【国際出願番号】CN2017088801
(87)【国際公開番号】WO2018227625
(87)【国際公開日】20181220
【審査請求日】2020年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】トゥルティネン サムリ
(72)【発明者】
【氏名】セビール ベノア
(72)【発明者】
【氏名】ウー チュンリ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥー レイ
(72)【発明者】
【氏名】マルカマキ エサ
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−501649(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/115268(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/018538(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/021822(WO,A1)
【文献】 Qualcomm Incorporated,On RLF and RLM requirements for the special Scell[online],3GPP TSG-RAN WG2♯85bis R2-141672,2014年 4月 4日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85bis/Docs/R2-141672.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、
無線ベアラのパケットデータ層収束プロトコル(PDCP)重複がデアクチベートされていると判定することであって、PDCP重複のために構成された無線ベアラが、無線リンク制御(RLC)と重複RLCとに関連することと、
前記無線ベアラのPDCP重複のデアクチベーションに応答して、前記重複RLCに関連するバッファ内のデータが前記無線ベアラの重複RLCに関連する論理チャネル上で前記無線ベアラのオリジナルRLCに関連する少なくとも1つのアクティブセルに送信されるように、前記論理チャネルを前記少なくとも1つのアクティブセルにマッピングすることと、
を前記装置に少なくとも行わせるように構成される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記PDCP重複のデアクチベーション後に前記バッファが送信すべきデータを有しているかどうかを判定することを前記装置に行わせるように構成される、
請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアクティブセルは、プライマリセル及びセカンダリセルの少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータコードは、前記少なくとも1つのプロセッサと共に、前記重複RLCに関連する前記バッファ内の前記データを、該データが全て送信されるまで、又は前記PDCP重複が再アクチベートされるまで送信することを前記装置に行わせるように構成される、
請求項からのいずれかに記載の装置。
【請求項5】
無線ベアラのPDCP重複がデアクチベートされたとの判定は、重複RLCに関連する複数のアクティブセルが全てデアクチベートされたことに応答する、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれかに記載の装置を備える、
ことを特徴とするユーザ装置(UE)。
【請求項7】
無線ベアラのパケットデータ層収束プロトコル(PDCP)重複がデアクチベートされていると判定するステップであって、PDCP重複のために構成された無線ベアラが、無線リンク制御(RLC)と重複RLCとに関連するステップと、
前記無線ベアラのPDCP重複のデアクチベーションに応答して、前記重複RLCに関連するバッファ内のデータが前記無線ベアラの重複RLCに関連する論理チャネル上で前記無線ベアラのオリジナルRLCに関連する少なくとも1つのアクティブセルに送信されるように、前記論理チャネルを前記少なくとも1つのアクティブセルにマッピングするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記PDCP重複のデアクチベーション後に、前記バッファが送信すべきデータを有しているかどうかを判定するステップを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記重複RLCに関連する前記バッファ内の前記データが、該データが全て送信されるまで、又は前記PDCP重複が再アクチベートされるまで送信されるようにするステップを含む、
請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
実行時に請求項からのいずれかに記載の方法が実行されるようにするコンピュータ実行可能コードを含む、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法及び装置に関し、具体的には、キャリアアグリゲーション及びリンクの重複を有する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、通信装置間で情報を伝達する通信チャネルを提供することによってユーザ端末、機械様端末、基地局及び/又はその他のノードなどの2又は3以上の装置間の通信を可能にする設備であると考えることができる。通信システムは、例えば通信ネットワークと、1又は2以上の互換通信装置とによって実現することができる。通信は、例えば音声通信、電子メール(eメール)通信、テキストメッセージ通信、マルチメディア通信及び/又はコンテンツデータ通信のためのデータを運ぶデータ通信を含むことができる。提供されるサービスの非限定的な例としては、双方向又は多方向通話、データ通信又はマルチメディアサービス、及びインターネットなどのデータネットワークシステムへのアクセスが挙げられる。
【0003】
無線システムでは、通信の少なくとも一部が無線インターフェイスを介して行われる。無線システムの例としては、公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)、衛星通信システム、及び、例えば無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)などの様々な無線ローカルネットワークが挙げられる。装置をデータネットワークに接続可能にするローカルエリア無線ネットワーキング技術は、Wi−Fi(又はWi−Fi)という商標名で知られている。Wi−Fiは、しばしばWLANと同義的に使用される。無線システムはセルに分割することができ、従ってしばしばセルラーシステムと呼ばれる。少なくとも1つのセルは基地局によって提供される。
【0004】
ユーザは、基地局と通信できる適切な通信装置又は端末を使用して通信システムにアクセスすることができる。従って、基地局のようなノードは、しばしばアクセスポイントと呼ばれる。ユーザの通信装置は、しばしばユーザ装置(UE)と呼ばれる。通信装置は、例えば基地局との通信及び/又は他のユーザ装置との直接通信などの通信を可能にする適切な信号送受信装置を備える。通信装置は、適切なチャネル上で通信し、例えばセルの基地局などの局が送信を行うチャネルをリスンすることができる。
【0005】
通常、通信システム及び関連する装置は、システムに関連する様々なエンティティが何をすることができるか、及びいかにしてそれを行うべきかを示す所与の標準又は仕様に従って動作する。通常は、接続に使用すべき通信プロトコル及び/又はパラメータも定められる。標準化された無線アクセス技術の例としては、GSM(登録商標)(グローバル・システム・フォー・モバイル)、EDGE(Enhanced Data for GSM Evolution)、無線アクセスネットワーク(GERAN)、ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)、及び進化型UTRAN(E−UTRAN)が挙げられる。通信システムアーキテクチャの例には、ユニバーサル移動体電気通信システム(UMTS)無線アクセス技術のロングターム・エボリューション(LTE)がある。LTEは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって標準化されている。LTEは、進化型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)アクセス、及びそのさらなる発展形であるLTE Advanced(LTE−A)としても知られているものを採用する。
【0006】
第4世代(4G)サービスの導入以来、次の、すなわち第5世代(5G)の標準にますます多くの関心が向けられてきた。5Gは、NRネットワークと呼ばれることもある。3GPPでは、5G又はNRネットワークの標準化が進行中である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサと共に、重複リンクに関連する複数のアクティブセルが全てデアクチベートされたことに応答して前記重複リンクをデアクチベートすることを装置に少なくとも行わせるように構成された、装置が提供される。
【0008】
少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記重複リンクのデアクチベーションに応答して、前記デアクチベートされた重複リンクに関連するバッファ内のデータをユーザ装置からアクセスポイントに送信することを装置に行わせるように構成することができる。
【0009】
少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記重複リンクの前記デアクチベーション後に、前記バッファが送信すべきデータを有しているかどうかを判定することを装置に行わせるように構成することができる。
【0010】
バッファは、前記デアクチベートされた重複リンクに関連する無線リンク制御エンティティに関連することができる。
【0011】
前記重複リンクには論理チャネルが関連することができ、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記データが前記論理チャネル上で前記アクセスポイントの前記少なくとも1つのアクティブセルに送信されるように、元々のリンクに関連する少なくとも1つのアクティブセルに前記論理チャネルをマッピングすることを装置に行わせるように構成することができる。
【0012】
少なくとも1つのアクティブセルは、プライマリセル及びセカンダリセルの少なくとも一方を含むことができる。
【0013】
少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記デアクチベートされた重複リンクに関連する前記バッファ内の前記データを、このデータが全て送信されるまで、又は前記重複リンクが再アクチベートされるまで送信することを装置に行わせるように構成することができる。
【0014】
装置は、無線装置内に設けることができる。
【0015】
別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサと共に、重複に関連する複数のアクティブセルが全てデアクチベートされたことに応答して前記重複をデアクチベートすることを装置に少なくとも行わせるように構成された、装置が提供される。
【0016】
少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記重複のデアクチベーションに応答して、前記デアクチベートされた重複に関連するバッファ内のデータをユーザ装置からアクセスポイントに送信することを装置に行わせるように構成することができる。
【0017】
少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記重複の前記デアクチベーション後に、前記バッファが送信すべきデータを有しているかどうかを判定することを装置に行わせるように構成することができる。
【0018】
バッファは、前記デアクチベートされた重複に関連する無線リンク制御エンティティに関連することができる。
【0019】
前記重複には論理チャネルが関連することができ、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記データが前記論理チャネル上で前記アクセスポイントの前記少なくとも1つのアクティブセルに送信されるように、元々のリンクに関連する少なくとも1つのアクティブセルに前記論理チャネルをマッピングすることを装置に行わせるように構成することができる。
【0020】
少なくとも1つのアクティブセルは、プライマリセル及びセカンダリセルの少なくとも一方を含むことができる。
【0021】
少なくとも1つのメモリ及びコンピュータコードは、少なくとも1つのプロセッサと共に、前記デアクチベートされた重複に関連する前記バッファ内の前記データを、このデータが全て送信されるまで、又は前記重複が再アクチベートされるまで送信することを装置に行わせるように構成することができる。
【0022】
装置は、無線装置内に設けることができる。
【0023】
別の態様によれば、重複リンクに関連する複数のアクティブセルが全てデアクチベートされたことに応答して前記重複リンクをデアクチベートするステップを含む、方法が提供される。
【0024】
方法は、前記重複リンクのデアクチベーションに応答して、前記デアクチベートされた重複リンクに関連するバッファ内のデータがユーザ装置からアクセスポイントに送信されるようにするステップを含むことができる。
【0025】
方法は、前記重複リンクの前記デアクチベーション後に、前記バッファが送信すべきデータを有しているかどうかを判定するステップを含むことができる。
【0026】
バッファは、前記デアクチベートされた重複リンクに関連する無線リンク制御エンティティに関連することができる。
【0027】
前記重複リンクには論理チャネルが関連することができ、前記方法は、前記データが前記論理チャネル上で前記アクセスポイントの前記少なくとも1つのアクティブセルに送信されるように、元々のリンクに関連する少なくとも1つのアクティブセルに前記論理チャネルをマッピングするステップを含むことができる。
【0028】
アクティブセルは、プライマリセル及びセカンダリセルの一方とすることができる。
【0029】
方法は、前記デアクチベートされた重複リンクに関連する前記バッファ内の前記データが、このデータが全て送信されるまで、又は前記重複リンクが再アクチベートされるまで送信されるようにするステップを含むことができる。
【0030】
別の態様によれば、重複リンクに関連する複数のアクティブセルが全てデアクチベートされたことに応答して前記重複をデアクチベートするステップを含む、方法が提供される。
【0031】
方法は、前記重複のデアクチベーションに応答して、前記デアクチベートされた重複リンクに関連するバッファ内のデータがユーザ装置からアクセスポイントに送信されるようにするステップを含むことができる。
【0032】
方法は、前記重複の前記デアクチベーション後に、前記バッファが送信すべきデータを有しているかどうかを判定するステップを含むことができる。
【0033】
バッファは、前記デアクチベートされた重複リンクに関連する無線リンク制御エンティティに関連することができる。
【0034】
前記重複リンクには論理チャネルが関連することができ、前記方法は、前記データが前記論理チャネル上で前記アクセスポイントの前記少なくとも1つのアクティブセルに送信されるように、元々のリンクに関連する少なくとも1つのアクティブセルに前記論理チャネルをマッピングするステップを含むことができる。
【0035】
アクティブセルは、プライマリセル及びセカンダリセルの一方とすることができる。
【0036】
方法は、前記デアクチベートされた重複リンクに関連する前記バッファ内の前記データが、このデータが全て送信されるまで、又は前記重複が再アクチベートされるまで送信されるようにするステップを含むことができる。
【0037】
別の態様によれば、重複リンクがアクチベートされた時に、利用可能なセルの一部のみを論理チャネルが使用できるようにするステップと、前記重複リンクがデアクチベートされた時に、前記利用可能なセルの全てを論理チャネルが使用できるようにするステップと、を含む方法が提供される。
【0038】
別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサと共に、重複リンクがアクチベートされた時に、利用可能なセルの一部のみを論理チャネルが使用できるようにし、前記重複リンクがデアクチベートされた時に、前記利用可能なセルの全てを論理チャネルが使用できるようにすることを装置に少なくとも行わせるように構成された、装置が提供される。
【0039】
別の態様によれば、無線ベアラの重複のデアクチベーションに応答して、アクティブなサービングセルのうちのいずれか1つ又は2つ以上にデフォルト論理チャネルがマッピングされるようにするステップを含む方法が提供される。
【0040】
別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサと共に、無線ベアラの重複のデアクチベーションに応答して、アクティブなサービングセルのうちのいずれか1つ又は2つ以上にデフォルト論理チャネルをマッピングすることを装置に少なくとも行わせるように構成された、装置が提供される。
【0041】
別の態様によれば、関連する無線ベアラの重複がアクチベートされた時に、利用可能なサービングセルの一部のみを論理チャネルが使用できるようにするステップと、関連する無線ベアラの前記重複がデアクチベートされた時に、前記利用可能なサービングセルの全てを論理チャネルが使用できるようにするステップと、を含む方法が提供される。
【0042】
別の態様によれば、重複がアクチベートされた時に、利用可能なサービングセルの一部のみを論理チャネルが使用できるようにするステップと、前記重複がデアクチベートされた時に、前記利用可能なサービングセルの全てを論理チャネルが使用できるようにするステップと、を含む方法が提供される。
【0043】
別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサと共に、関連する無線ベアラの重複がアクチベートされた時に、利用可能なサービングセルの一部のみを論理チャネルが使用できるようにし、関連する無線ベアラの前記重複がデアクチベートされた時に、前記利用可能なサービングセルの全てを論理チャネルが使用できるようにすることを装置に少なくとも行わせるように構成された、装置が提供される。
【0044】
別の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えた装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードが、少なくとも1つのプロセッサと共に、重複がアクチベートされた時に、利用可能なサービングセルの一部のみを論理チャネルが使用できるようにし、前記重複がデアクチベートされた時に、前記利用可能なサービングセルの全てを論理チャネルが使用できるようにすることを装置に少なくとも行わせる構成された、装置が提供される。
【0045】
別の態様によれば、アクセスノードにおいて、重複リンクに関連する複数のセルのうちの少なくとも1つのデアクチベーションによって前記重複リンクをデアクチベートするステップを含む方法が提供される。
【0046】
別の態様によれば、コンピュータのためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ上でプログラムが実行された時に上記の態様のうちのいずれかのステップを実行するためのソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0047】
これらの方法を実行するように適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムを提供することもできる。
【0048】
上記では、多くの異なる実施形態について説明した。上述した実施形態のうちのいずれか2つ又は3つ以上を組み合わせることによってさらなる実施形態を提供することもできると理解されたい。
【0049】
以下、実施例及び添付図面を参照しながら、いくつかの実施形態をほんの一例としてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】無線通信システムの概要例を示す図である。
図2】通信装置の例を示す図である。
図3】ユーザ装置における論理チャネルマッピングの例を示す図である。
図4】ある実施形態の方法フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
実施例を詳細に説明する前に、説明する実施例の基礎となる技術を理解する上で役立つように、図1図2を参照しながら無線通信システム及びモバイル通信装置のいくつかの一般的原理について簡単に説明する。
【0052】
図1に示すような無線通信システム100では、例えばユーザ装置(UE)又はMTC装置102、104、105などの無線通信装置に、少なくとも1つの基地局又は同様の無線送信及び/又は受信無線インフラノード又はポイントを介して無線アクセスが提供される。このようなノードは、例えば基地局又はeNodeB(eNB)、又は5Gシステムの次世代NodeB(gNB)、或いはその他の無線インフラノードとすることができる。これらのノードは、一般に基地局と呼ばれる。通常、基地局は、少なくとも1つの適切なコントローラ装置によって、基地局の動作、及び基地局と通信するモバイル通信装置の管理を可能にするように制御される。コントローラ装置は、無線アクセスネットワーク(例えば、無線通信システム100)内、又はコアネットワーク(CN)(図示せず)内に位置し、1つの中央装置として実装することも、或いはその機能を複数の装置に分散させることもできる。コントローラ装置は、基地局の一部とすることも、及び/又は制御ユニット(CU)などの独立エンティティによって提供することもできる。図1には、それぞれのマクロレベル基地局106及び107を制御する制御装置108及び109を示す。これに加えて、又はこれとは別に、システムによっては、制御装置をCU内に設けることもできる。他の無線アクセスシステムの例としては、5G又は新無線(new radio)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、及び/又はWimax(ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス)などの技術に基づくシステムの基地局によって提供されるものが挙げられる。基地局は、セル又は同様の無線サービスエリア全体のカバレッジを提供することができる。
【0053】
図1には、基地局106及び107を、ゲートウェイ112を介してさらに広い通信ネットワーク113に接続されているように示す。さらなるゲートウェイ機能を提供して別のネットワークに接続することもできる。
【0054】
また、例えば独立したゲートウェイ機能によって、及び/又はマクロレベル基地局のコントローラを通じて、小型基地局116、118及び120をネットワーク113に接続することもできる。基地局116、118及び120は、ピコレベル基地局又はフェムトレベル基地局などとすることができる。この例では、基地局116と118がゲートウェイ111を介して接続され、基地局120がコントローラ装置108を介して接続している。いくつかの実施形態では、小型局を提供しないこともできる。
【0055】
次に、通信装置200の概略的部分断面図である図2を参照しながら、考えられる無線通信装置についてさらに詳細に説明する。このような通信装置は、しばしばユーザ装置(UE)又はユーザ端末と呼ばれる。適切なモバイル通信装置は、無線信号を送受信できるいずれかの装置によって提供することができる。非限定的な例として、携帯電話機又は「スマートホン」として知られているものなどの移動局(MS)又はモバイル装置、無線インターフェイスカード又はその他の無線インターフェイス機能(例えば、USBドングル)を有するコンピュータ、無線通信能力を有する携帯情報端末(PDA)又はタブレット、或いはこれらのいずれかの組み合わせなどが挙げられる。モバイル通信装置は、例えば、音声、電子メール(eメール)、テキストメッセージ及びマルチメディアなどの、通信を運ぶデータの通信を行うことができる。従って、ユーザの通信装置を介して数多くのサービスをユーザに提案し、提供することができる。これらのサービスの非限定的な例としては、双方向又は多方向通話、データ通信又はマルチメディアサービス、或いは単純にインターネットなどのデータ通信ネットワークシステムへのアクセスが挙げられる。ユーザにブロードキャストデータ又はマルチキャストデータを提供することもできる。これらのコンテンツの非限定的な例としては、ダウンロード、テレビ番組及びラジオ番組、ビデオ、広告、様々な警告及びその他の情報が挙げられる。
【0056】
無線通信装置は、例えばモバイル装置、すなわち特定の位置に固定されない装置とすることも、或いは固定装置とすることもできる。無線装置は、通信のために人間の相互作用を必要とすることも、或いは通信のために人間の相互作用を必要としないこともできる。本教示では、UE又は「ユーザ」という用語を、あらゆるタイプの無線通信装置を意味するために使用する。
【0057】
無線装置200は、受信に適した装置を通じてエアインターフェイス又は無線インターフェイス207を介して信号を受け取り、無線信号の送信に適した装置を通じて信号を送信することができる。図2には、トランシーバ装置をブロック206によって概略的に示す。トランシーバ装置206は、例えば無線部分と、関連するアンテナ配列とによって提供することができる。アンテナ配列は、無線装置の内部又は外部に配置することができる。
【0058】
通常、無線装置は、少なくとも1つのデータ処理エンティティ201と、少なくとも1つのメモリ202と、アクセスシステム及び他の通信装置へのアクセス、並びにこれらとの間の通信の制御を含む、ソフトウェア及びハードウェア支援による実行対象のタスクの実行において使用される他の可能なコンポーネント203とを有する。データ処理装置、記憶装置、及びその他の関連する制御装置は、適切な回路基板上及び/又はチップセット内に設けることができる。この特徴部を、参照符号204によって示す。ユーザは、キーパッド205、音声コマンド、タッチセンサ式スクリーン又はパッド、或いはこれらの組み合わせなどの好適なユーザインターフェイスを用いて無線装置の動作を制御することができる。ディスプレイ208、スピーカ及びマイクを設けることもできる。さらに、無線通信装置は、他の装置への、及び/又は他の装置にハンズフリー装置などの外部アクセサリを接続するための(有線又は無線を問わず)適切なコネクタを有することもできる。通信装置102、104、105は、様々なアクセス技術に基づいて通信システムにアクセスすることができる。
【0059】
無線通信システムの一例に、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって標準化されたアーキテクチャがある。最新の3GPPベースの開発は、しばしばユニバーサル移動体通信システム(UMTS)無線アクセス技術のロングタームエボリューション(LTE)と呼ばれる。3GPP LTE仕様の様々な開発段階はリリースと呼ばれる。LTEの最新の開発は、しばしばLTEアドバンスト(LTE−A)と呼ばれる。LTEは、進化型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)として知られているモバイルアーキテクチャを使用する。このようなシステムの基地局は、進化型又は強化型NodeB(eNB)として知られており、ユーザプレーンパケットデータ収束/無線リンク制御/媒体アクセス制御/物理層プロトコル(PDCP/RLC/MAC/PHY)終端、及び通信装置に向かう制御プレーン無線リソース制御(RRC)プロトコル終端などのE−UTRAN機能を提供する。無線アクセスシステムの他の例としては、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)及び/又はWiMax(ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス)などの技術に基づく、システムの基地局によって提供されるものが挙げられる。基地局は、セル全体又は同様の無線サービスエリアにカバレッジを提供することができる。
【0060】
通信システムの別の例は5Gシステムである。5Gのネットワークアーキテクチャは、LTE−Advancedのものと極めて類似することができる。ネットワークアーキテクチャの変更は、様々な無線技術をサポートする必要性及び細かなQoSサポート、並びに、例えばユーザ視点のQoEをサポートするQoSレベルのためのいくつかのオンデマンド要件に依存することができる。また、ネットワークを意識したサービス及びアプリケーション、並びにサービス及びアプリケーションを意識したネットワークがアーキテクチャに変化をもたらすこともできる。これらは、情報指向ネットワーク(ICN)アプローチ、及びユーザ指向コンテンツ配信ネットワーク(UC−CDN)アプローチに関連する。5Gは、小型局と協働するマクロサイトを含み、場合によっては改善されたカバレッジ及びデータレート向上のための様々な無線技術も採用して、多入力多出力(MIMO)アンテナ、LTEよりも多くの基地局又はノード(いわゆるスモールセルコンセプト)を使用することができる。
【0061】
5Gの基地局は、gNBと呼ぶことができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、キャリアアグリゲーション及び/又はデュアルコネクティビティがリンクの重複と併用される。
【0063】
いくつかの実施形態は、PDCP(パケットデータ層収束プロトコル)重複機能に関連する。いくつかの実施形態は、重複に対するSCell(セカンダリセル)デアクチベーションの暗示に関連することができる。
【0064】
RRC(無線リソース制御)は、重複のためのPDCP及びUEの無線プロトコルに別個のRLC(無線リンク制御)エンティティ及び論理チャネルLCHを構成して重複を処理することができる(「レッグ」と呼ばれる)。
【0065】
PDCP重複のためには、1つの追加レッグのみを構成することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、元々のPDCP PDU(パケットデータユニット)と対応する重複とを同じトランスポートブロックTB上で送信しないことができる。
【0067】
CA(キャリアアグリゲーション)の場合、同じキャリア上でのPDCP重複が、これらが同じトランスポートブロック上で送信されるのを防ぐための制約付きでサポートされることもある。これらのPDCP重複は、異なるキャリア上で送信することができる。他の実施形態では、このような制約が存在しないこともある。
【0068】
CAのためのPDCP重複ソリューションは、1つのMACエンティティしか必要としない。
【0069】
1つのMACエンティティ(CA)内で重複を処理するために、論理チャネルマッピング制約を提供することができる。
【0070】
UL(アップリンク)PDCP重複はDRB(データ無線ベアラ)毎に構成することができ、NR−NR(新無線−新無線)DC(デュアルコネクティビティ)ではSRB(シグナリング無線ベアラ)毎に構成することができる。
【0071】
UL PDCP重複の初期状態(重複がアクティブであるか、それとも非アクティブであるか、アクティブでない場合にはどのレッグを使用するか)は、デフォルトとすることも、及び/又はRRCによってシグナリングすることもできる。
【0072】
RRC再構成と比べて迅速に及び/又は少ないシグナリングオーバーヘッドでPDCP重複を開始/停止するための機構を提供することができる。
【0073】
UL重複の制御には、MAC CE(媒体アクセス制御制御要素)アプローチを使用することができる。
【0074】
CAの場合の重複では、シングルキャリア上の重複をサポートしなくてもよいことが提案されている。異なるキャリアに対する2つのLCHのRRC構成マッピングをサポートすることができる。いくつかの実施形態では、1つのキャリアが両LCHからのマッピングを受けなくてもよい。重複したPDCP PDUは、2つの異なるRLCエンティティに提出することができる。
【0075】
NR CAでは、SCellのアクチベーション/デアクチベーションをサポートすべきであることが提案されている。LTEの場合と同様に、NR CAでは、明示的な指示及び非明示的な機構によってアクチベーション/デアクチベーションをCC(コンポーネントキャリア)毎に制御することができる。
【0076】
NR CAでは、非明示的なデアクチベーション機構の構成をCC毎とすることができる。
【0077】
以上のように、特定のLCH(もう一方の複製)は、UEのために構成された一連のキャリアのうちの特定の(単複の)キャリア上にマッピングされるように構成することができる。さらに、NR CAでは、LTEにおいてサポートされていたように明示的及び/又は非明示的な機構に基づいてSCellのデアクチベーションをサポートすることができる。
【0078】
いくつかの実施形態は、重複LCHがマッピングされていてLCHをマッピングすべき他のSCell/キャリアが存在しないSCellデアクチベーション時のUE挙動に対処することができる。
【0079】
1又は複数のSCellがデアクチベートされる場合について検討する。このデアクチベーションは、NWがMAC制御要素を使用して明示的に、CAデアクチベーションタイマの満了に起因して非明示的に、又は他のいずれかの方法で行うことができる。いくつかの実施形態では、重複が構成されアクチベートされた無線ベアラについて、重複のために構成された(単複の)LCHの考えられるデータマッピングのために構成されたPCell/SCellがいずれもアクティブでないという理由でこれらのLCHを全く送信できない場合、この無線ベアラの重複がデアクチベートされる。
【0080】
DCの場合には、(PCell及びSCellの両方を含む)SCGセル全体が全てデアクチベートされた時にのみ重複をデアクチベートすべきである。
【0081】
いくつかの実施形態では、重複が構成されアクチベートされた無線ベアラについて、重複のために構成された(単複の)LCHの考えられるデータマッピングのために構成されたSCellがいずれもアクティブでないという理由でこれらのLCHの一方を送信できない場合、この無線ベアラの重複がデアクチベートされる。重複のためには、1つのLCHのみが存在することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、ネットワーク又は他のいずれかの好適なエンティティが、無線ベアラのデフォルトLCH、すなわち重複のために構成されたものではない(単複の)LCHをアクティブセルに確実にマッピングできるようにすることができる。デフォルトLCHをどのSCellにもマッピングできない事象が発生した場合、UEがデフォルトLCHをPCellにマッピングできるようにすることができる。これには、この無線ベアラのLCHがいずれもPCellにマッピングされないようにすることが必要となり得る。他の実施形態では、両LCHを一時的に同じPCellにマッピングすることもできる。
【0083】
論理チャネルに関して言えば、重複のデアクチベーション後にUE内のRLCエンティティが依然として送信すべきデータを(例えば、再送バッファ内に)有している場合、このバッファが空になるまで(単複の)LCHがMACエンティティのいずれかのアクティブなサービングセルにマッピングされるようにすることができる。いくつかの実施形態では、この場合(すなわち、重複がデアクチベートされた時に)、ULグラントの異なるnumerology/TTI(伝送時間間隔)長に起因するマッピング制約を適用することも又はしないこともできる。
【0084】
この理由は、重複もデアクチベートされているためバッファ内の残りのデータが有用でない恐れがあるからであり、従ってこのデータはピアRLCエンティティを同期させるために必ず送信すべきである。
【0085】
特定のnumerology/TTI長に対する論理チャネルマッピング制約は、NWによって構成することができる。例えば、LCHで運ばれるサービスが一定のレイテンシを必要とする場合には、これを短いTTI長に、又は大きなサブキャリア間隔を有するnumerologyにマッピングすることができる。
【0086】
1つの実施形態では、UEが、特定の無線ベアラの非明示的な重複デアクチベーションの事象をNWに示すことができ、又はUEをこのように構成することができる。この指示は、例えばMAC CE又はRRCプロトコルメッセージの形を取ることができる。
【0087】
これにより、例えば以前に重複をデアクチベートしようと試みたDL MAC CEが失われた結果としてUE内で発生した全てのことをNWが把握しているわけではないいくつかのエラーシナリオに対処することができる。
【0088】
図3に、UE内の重複ベアラのための論理チャネルマッピングのシナリオ例を示す。共通のPDCP700には、無線ベアラの「デフォルトLCH又はオリジナルLCH」を示すオリジナルRLC702が提供される。さらなるRLCは、重複のために構成されたLCHを示す。
【0089】
MAC層は、デフォルトLCH及び重複をスケジュールするように提供されたスケジューリング及び優先処理機能706を含む。MAC層は、一方がオリジナルRLCに関連して一方が重複RLCに関連する2つの多重化機能708も含む。或いは、MAC層は、オリジナルRLC及び重複RLCの両方に関連する1つの多重化機能708のみを含むこともできる。最後に、MAC層は、サービングセル毎に1つずつの4つのHARQ機能710を含む。これらのHARQ機能のうちの2つは多重化機能の一方に関連し、他の2つは多重化機能の他方に関連する。
【0090】
PCell712は、HARQ機能のうちの1つに関連する。PCell712は、第1のSCell714と共に、オリジナルRLCに関連する。第1のSCell714は、HARQ機能のうちのそれぞれ1つに関連する。
【0091】
第2及び第3のSCell716及び718は、それぞれHARQ機能に関連する。第2及び第3のSCell716及び718は、さらなるRLCに関連する。
【0092】
SCellデアクチベーション機能では、第2及び第3のSCell716及び718がデアクチベートされた場合、いくつかの実施形態によれば、さらなるRLCエンティティからのデータをどのSCellにもマッピングすることができず、重複がデアクチベートされる。
【0093】
いくつかの実施形態では、RLCバッファが空になるまで、或いは第2又は第3のSCellのいずれかが再びアクチベートされることによって再び重複がアクチベートされるまで、さらなるRLCエンティティが残りのデータ(例えば、再送バッファデータ)をPCell及び/又は第1のSCell714にマッピングできるようにすることができる。重複は、ネットワークエンティティがSCellアクチベーションとは別のDL MAC CEを用いてアクチベートすることができる。
【0094】
いくつかの実施形態は、重複のデアクチベーションがSCellのデアクチベーションに関連してオーバーヘッドを節約するとともに、重複は既にデアクチベートされたが対応するコマンドが失われた場合の考えられるエラーシナリオを克服するという利点を有することができる。
【0095】
重複がデアクチベートされる(例えば、さらなるリンクに関連する(単複の)LCHがデアクチベートされる)と、元々のリンクに関連するデフォルトLCHは、この例ではPCell712及びSCell714しか使用することができず、すなわちたとえ重複を使用しない場合であっても、デフォルトLCHにフルスケジューリングの柔軟性はない。
【0096】
いくつかの実施形態では、重複がデアクチベートされると、元々のリンクに関連するLCHがあらゆるサービングセルを使用することができる。重複がアクチベートされると、元々のリンクに関連するLCHを、このLCHを使用できるサービングセルに関して制限することができる。この制限は、重複がアクチベートされた時にのみ適用することができる。アクチベーション後の伝送期間中には、両LCHからのいくつかのPDCP PDUが同じサービングセルに行き着くこともあるが、これによって深刻な問題が生じることはないと考えられる。例えば、重複がアクチベートされると、元々のリンクに関連するデフォルトLCHはPCell712及びSCell1 714にマッピングされ、他方のLCHはSCell2 716及びSCell3 718にマッピングされる。重複がデアクチベートされてもはや他方のLCHを使用しない場合、デフォルトLCHは、あらゆるアクティブなサービングセル、すなわちPCell712、SCell1 714、SCell2 716、SCell3 718にマッピングされて、重複がデアクチベートされた時には常にデフォルトLCHにフルスケジューリングの柔軟性が可能になり、すなわち重複が全く構成されない場合と同じ柔軟性が存在するようにすることができる。
【0097】
ユーザ装置における方法を示す図4を参照する。
【0098】
ステップS1において、重複リンクがデアクチベートされたかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、この判定が、重複リンクに関連する全てのセルがデアクチベートされたかどうかを判定することによって行われる。これらのセルは、PCell又はSCellとすることができる。図3の例では、第2及び第3のSCellがいずれもデアクチベートされたと判定される場合、重複リンクがデアクチベートされたと判定することができる。
【0099】
ステップS2において、さらなるRLCバッファ、すなわちさらなるリンク又は重複リンクに関連するバッファに、gNBに送信すべきデータが残っているかどうかを判定する。
【0100】
残っていない場合、方法はステップS3において終了する。
【0101】
残っている場合、次のステップであるステップS4において、アクティブなリンクに関連するどのセルに重複リンクのLCHをマッピングすべきであるかを決定する。図3の例では、このセルがPCell又は第1のSCellの一方になる。図3に示す例では、さらなるRLCバッファからのデータがスケジューリング/優先処理部に供給され、ここからこのデータの少なくとも一部をオリジナルRLCリンク、すなわち非重複リンクに関連するマルチプレクサに転送する。
【0102】
ステップS5において、さらなるRLCバッファ内のデータをバッファ内にデータがなくなるまで送信する。いくつかの実施形態では、データの一部のみを送信することもできる。
【0103】
一般に、様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はこれらのいずれかの組み合わせで実装することができる。本発明のいくつかの態様をハードウェアで実装する一方で、他の態様をコントローラ、マイクロプロセッサ、又はその他のコンピュータ装置によって実行できるファームウェア又はソフトウェアで実装することもできるが、本発明はそのように限定されるものではない。本発明の様々な態様は、ブロック図、フロー図として図示し説明していることも、又は他の何らかの図形表示を用いて図示し説明していることもあるが、本明細書で説明したこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又はその他のコンピュータ装置、或いはこれらの何らかの組み合わせで実装することもできると十分に理解されたい。
【0104】
本発明の実施形態は、プロセッサエンティティなどのモバイル装置のデータプロセッサによって実行可能なコンピュータソフトウェアによって実装することも、又はハードウェアによって実装することも、或いはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実装することもできる。ソフトウェアルーチン、アプレット及び/又はマクロを含む、プログラム製品とも呼ばれるコンピュータソフトウェア又はプログラムは、いずれかの装置可読データ記憶媒体に記憶することができ、これらは特定のタスクを実行するためのプログラム命令を含む。コンピュータプログラム製品は、プログラムの実行時に実施形態を実行するように構成された1又は2以上のコンピュータ実行可能要素を含むことができる。1又は2以上のコンピュータ実行可能要素は、少なくとも1つのソフトウェアコード又はその一部とすることができる。
【0105】
さらに、この点に関し、図中のロジックフローのあらゆるブロックは、プログラムステップ、相互に接続された論理回路、ブロック及び機能、又はプログラムステップと論理回路、ブロック及び機能との組み合わせを表すことができる。ソフトウェアは、メモリチップ、又はプロセッサ内に実装されるメモリブロックなどの物理的媒体、ハードディスク又はフロッピーディスクなどの磁気媒体、並びに、例えばDVD及びそのデータ変種であるCDなどの光学媒体に記憶することができる。物理媒体は、非一時的媒体である。
【0106】
メモリは、ローカル技術環境に適したいずれのタイプのものであってもよく、半導体ベースの記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光記憶装置及びシステム、固定メモリ及び取り外し可能メモリなどのあらゆる好適なデータ記憶技術を用いて実装することができる。データプロセッサは、ローカル技術環境に適したいずれのタイプのものであってもよく、非限定的な例として、1又はそれ以上の汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGA、ゲートレベル回路、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサを挙げることができる。
【0107】
本発明の実施形態は、集積回路モジュールなどの様々なコンポーネントにおいて実施することができる。集積回路の設計は、概して高度に自動化されたプロセスである。論理レベルの設計を半導体基板上へのエッチング及び形成が可能な状態の半導体回路設計に変換する複雑かつ強力なソフトウェアツールが利用可能である。
【0108】
上記の説明では、本発明の例示的な実施形態の完全かつ有益な説明を非限定的な例として行った。しかしながら、上述の説明を添付図面及び添付の特許請求の範囲と併せて読めば、当業者には様々な修正及び適応が明らかになるであろう。しかしながら、添付の特許請求の範囲に定める本発明の範囲には、本発明の教示のこのような及び同様の全ての修正も含まれる。実際に、1又は2以上の実施形態を上述した他の実施形態のいずれかと組み合わせたものを含むさらなる実施形態も存在する。
【符号の説明】
【0109】
700 PDCP
702 オリジナルRLC
704 さらなるRLC
706 スケジューリング/優先処理
708 多重化
710 HARQ
712 PCell
714 SCell1
716 SCell2
718 SCell3
図1
図2
図3
図4