(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出部は、前記接触部に接触している前記指の基節、中節及び末節の少なくとも1つの指節に対応する位置に配置され、当該指節の押圧状態を検出する指節検出部を有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の動き検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のグローブでは、例えば指の動きを検出するために曲がるタイプのセンサが用いられるが、このようなセンサは破損しやすく、また検出精度が低いという問題点がある。また、操作者は、内部のセンサ等が破損しないようにグローブを装着する必要があるため、グローブを装着し難いという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、多関節ロボットを動作させるための操作者の手の動きを高精度に検出できると共に、耐久性及び装着の簡便性に優れた動き検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様においては、多関節ロボットを遠隔操作させるための操作者の指の動きを検出する動き検出装置であって、前記指が添えられるように設置された装置本体と、前記装置本体において前記指の形状に倣って形成されており、前記指が接触する接触部と、前記接触部に対する前記指の押圧状態に基づいて前記指の動きを検出する検出部と、を備える、動き検出装置を提供する。
【0007】
また、前記接触部のうち、前記指の腹が接触する領域は、前記指側に向かって凸状に湾曲していることとしてもよい。
【0008】
また、前記接触部は、前記指の押圧に応じて軸部周りに回動する回動部を有し、前記検出部は、前記回動部に対する前記指の押圧状態に基づいて前記指の動きを検出することとしてもよい。
【0009】
また、前記接触部は、前記指による押圧状態に応じて弾性変形することとしてもよい。
また、前記接触部は、前記指の形状に倣って形成された溝部であることとしてもよい。
また、前記溝部は、前記装置本体の外周面に形成されていることとしてもよい。
【0010】
また、前記装置本体は、前記指が挿入可能な挿入穴部を有し、前記接触部は、前記挿入穴部に設けられていることとしてもよい。
【0011】
また、前記装置本体は、球形状または楕円体の一部または全部からなる球体部を有し、前記接触部は、前記球体部に設けられていることとしてもよい。
【0012】
また、前記検出部は、前記接触部に接触している前記指の基節、中節及び末節の少なくとも1つの指節に対応する位置に配置され、当該指節の押圧状態を検出する指節検出部を有することとしてもよい。
【0013】
また、前記接触部は、前記指の押圧に応じて軸部周りに回動する回動部を有し、前記検出部は、前記指の指先の位置を検出する位置検出部を更に有し、前記回動部の回動量と前記位置検出部が検出した前記指先の位置とに基づいて、前記指の動きを検出することとしてもよい。
【0014】
また、前記接触部は、前記指の押圧に応じて軸部周りに回動する回動部を有し、前記指節検出部及び前記位置検出部は、前記回動部に設けられていることとしてもよい。
【0015】
また、前記検出部は、前記溝部における前記指の側面が接触する領域に配置され、前記指の左右方向の少なくとも一方の動きを検出することとしてもよい。
【0016】
また、前記検出部は、前記挿入穴部における前記指の側面が接触する領域に配置され、前記指の左右方向の少なくとも一方の動きを検出することとしてもよい。
【0017】
また、前記動き検出装置は、前記多関節ロボットが物体に触れた際の前記物体からの反力に対応する力覚を発生させる力覚発生部を更に備えることとしてもよい。
【0018】
また、前記接触部は、前記指の押圧に応じて軸部周りに第1方向に回動する回動部を有し、前記力覚発生部は、前記第1方向の逆方向である第2方向に前記回動部を回動させる駆動部を有し、当該駆動部によって前記回動部を前記第2方向へ回転させることで前記力覚を発生させることとしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、多関節ロボットを動作させるための操作者の手の動きを高精度に検出できると共に、耐久性及び装着の簡便性に優れた動き検出装置を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<ロボットの遠隔操作システムの構成>
本発明の一の実施形態に係るロボットの遠隔操作システムの構成について、
図1を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、一の実施形態に係るロボットの遠隔操作システムSの構成を説明するためのブロック図である。遠隔操作システムSは、
図1に示すように、多指ロボット10と、動き検出装置30と、制御装置70とを有する。遠隔操作システムSは、遠隔操作する操作者の手(具体的には指)の動きを動き検出装置30によって検出し、検出した手の動きに連動して多指ロボット10を動作させる。
【0023】
図2は、多指ロボット10の構成の一例を説明するための模式図である。多指ロボット10は、操作者によって遠隔操作される多関節ロボットである。多指ロボット10は、ここでは
図2に示すように、人間の手に倣って形成された人型のロボットハンドである。多指ロボット10は、物体に触れたり、物体を掴んだりする。
図2には、多指ロボット10として、人間の右手に倣ったロボットハンドのみが示されているが、人間の左手に倣ったロボットハンドも同様な構成である。多指ロボット10は、
図1に示すように、指機構12と、駆動源14を有する。
【0024】
指機構12は、
図2に示すように、人間の手の5本指(親指、人差し指、中指、薬指、小指)に対応して5つ設けられている。5つの指機構12の各々は、駆動源14によって駆動される関節機構である。
【0025】
駆動源14は、モータ等のアクチュエータである。駆動源14は、例えばワイヤ駆動によって指機構12を動作させる。多指ロボット10は、制御装置70から動作の指令を受けて、遠隔操作の操作者の手の5本指の動きに連動して対応する指機構12をそれぞれ動作させる。
【0026】
動き検出装置30は、多指ロボット10を遠隔操作させるための操作者の手(具体的には指)の動きを検出する検出装置である。動き検出装置30は、ここでは、操作者の左手の指の動きを検出する左手用検出装置と、操作者の右手の指の動きを検出する右手用検出装置とを含む。左手用検出装置と右手用検出装置の構成は、同様である。
【0027】
動き検出装置30は、
図1に示すように、装置本体32と、検出部50と、力覚発生部60とを有する。
装置本体32は、ここでは操作者が手を添えやすいように設置されている。例えば、装置本体32は、座った姿勢又は立った姿勢の操作者が手を添えやすい位置に設置されている。操作者は、装置本体32に手を添えた状態で、指を動かす。例えば、操作者は、装置本体32に添えた指を曲げたり、伸ばしたりする。また、操作者は、2本の指の間隔を広げたり、縮めたりする。
【0028】
装置本体32は、操作者の左手が添えられる左手用本体と、右手が添えられる右手用本体とを含む。操作者は、左手用本体に添えて左手の指を動かし、右手用本体に添えて右手の指を動かす。なお、左手用本体と右手用本体は、同一の構成であるので、以下では、右手用本体を例に挙げて装置本体32について説明する。
【0029】
図3は、装置本体32に操作者の右手Hが添えられた状態の一例を示す模式図である。
図4は、操作者が右手Hの指を曲げた状態の一例を示す模式図である。
図3及び
図4に示すように、操作者は、手の掌側を装置本体32に添えている。装置本体32には、
図3に示すように、操作者の右手Hの5本指(親指F1、人差し指F2、中指F3、薬指F4、小指F5)の各々が接触する接触部40が設けられている。接触部40は、ここでは装置本体32の外周面32aとほぼ同じ位置に位置しており、外部に露出している。なお、接触部40の詳細構成については、後述する。
【0030】
検出部50は、操作者の指の動きを検出する。検出部50は、接触部40に対する操作者の指の押圧状態に基づいて、指の動きを検出する。例えば、検出部50は、操作者が指を曲げることで接触部40を押圧する際に、接触部40に対する指の押圧状態に基づいて指の曲がっている姿勢を検出する。指の押圧状態とは、指が接触部40を押圧する位置と、押圧する強さの両方を含む概念である。指による押圧の強さは、例えば、指による接触部40の押し下げ量に基づき検出することができるが、他の方法(例えば、指の押圧位置における静電容量の変化)により押圧の強さを検出してもよい。
【0031】
また、検出部50は、5本指の各々の動き(姿勢も含む)を検出することで、手全体の動きを推定しうる。例えば、検出部50は、操作者が5本指を
図3の状態から
図4に状態へ曲げたことを、検出する。検出部50は、指の動きを高精度に検出するために、指節検出部52、位置検出部54及び左右動き検出部56を有するが、これらの検出部の詳細については、後述する。
【0032】
力覚発生部60は、多指ロボット10が物体に触れた際の物体からの反力に対応する力覚を発生さる。また、力覚発生部60は、多指ロボット10が他動的に動かされた場合、操作者の指が対応する指姿勢になるよう接触部40を駆動させてもよい。力覚発生部60は、詳細は後述するが、駆動部62を介して接触部40(具体的には、
図5に示す回動部材45a〜45f)を動作させて、接触部40に接触している操作者の指に力覚を伝達させる。力覚とは、人間が有する五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のうち、触覚に関連する感覚であり、主に物体と接触した際に人間が感じる力感覚を意味する。
【0033】
例えば、力覚発生部60は、指機構12を曲げて物体を掴んでいる多指ロボット10が指機構12を更に曲げられない場合に、力覚を発生させる。これにより、操作者は、発生した力覚を指が受けることで、遠隔操作している多指ロボット10を更に曲げられないことや掴んでいる物体のやわらかさなどを認識できる。
【0034】
制御装置70は、動き検出装置30が検出した操作者の手の動きに基づいて、多指ロボット10の動作を制御する。すなわち、制御装置70は、操作者の各指の動きに連動して、対応する指機構12の各々を動作させる。なお、制御装置70は、動き検出装置30と共に1つの装置であってもよい。
【0035】
制御装置70は、例えば検出した指の姿勢に合わせるように、指機構12を動作させる。例えば、制御装置70は、操作者が
図3に示すように右手の指を曲げたことが動き検出装置30によって検出された場合には、多指ロボット10(具体的には、右手に倣ったロボットハンド)を曲げさせる。また、制御装置70は、操作者が指で押圧している押圧の大きさに合わせるように指機構12の関節の角速度を調整して、指機構12を動作させてもよい。さらに、制御装置70は、指の動き(例えば曲げ量)の所定の倍率で、多指ロボット10を動作させてもよい。
【0036】
<装置本体32の詳細構成>
動き検出装置30の装置本体32の詳細構成について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
【0037】
図5は、装置本体32の構成の一例を説明するための模式図である。
図6は、
図5に示す装置本体32を後ろ側から見た模式図である。なお、
図5では、説明の便宜上、指節検出部52及び左右動き検出部56の位置が、丸(○)で示されている。
【0038】
装置本体32は、
図5に示すように球体部35を有する。球体部35は、操作者が手を添えて指を動かす部分である。球体部35は、ここでは球形状である。ただし、これに限定されず、球体部35は、楕円体の一部含む形状から成っていてもよく、また楕円体の全部から成っていてもよい。このような球体部35の形状にすることで、操作者は手を添えて動かしやすい。なお、
図5及び
図6には示されていないが、球体部35を設置するために支持する支持部が球体部35に連結されていてもよい。
【0039】
球体部35は、
図5に示すように、外周面に形成された溝部37を有する。溝部37は、操作者の手の形状に倣って形成されており、操作者は、溝部37上に手の掌側を添える(
図3参照)。溝部37には、前述した接触部40として、操作者の5本指の各々が接触する指接触部41a〜41fが設けられている。
【0040】
指接触部41a〜41fは、操作者の指(具体的には、指の腹)が接触する部分である。ここでは、指接触部41aには操作者の親指が接触し、指接触部41bには人差し指が接触し、指接触部41cには中指が接触し、指接触部41dには薬指が接触し、指接触部41eには小指が接触する。また、指接触部41a〜41fは、操作者の5本指の形状に倣って形成されている。具体的には、指接触部41a〜41fの大きさは、対応する指の大きさに比例している。これにより、操作者は、5本指を対応する指接触部41a〜41fにそれぞれ接触させやすい。
【0041】
指接触部41a〜41fのうち指の腹が接触する領域は、指側に向かって凸状に湾曲(
図6参照)している。別言すれば、指接触部41a〜41fは、それぞれ対応する指の形状に沿うように凸状に湾曲している。なお、指接触部41a〜41fは、複数の面が繋がって凸状に湾曲してもよい。これにより、操作者は、5本指を違和感なく指接触部41a〜41fに添えた状態で、動かしやすくなる。
【0042】
指接触部41a〜41fは、
図5に示すように、指の動きに応じて回動可能な回動部材45a〜45fを有する。回動部材45a〜45fは、操作者の指に押圧されることで、軸部46a〜46f周りに回動する。例えば、操作者が指を曲げて回動部材45a〜45fを押圧すると(
図4参照)、回動部材45a〜45fが軸部46a〜46fを中心に装置本体32の内側へ向かって回動する。一方へ、操作者が曲げた指を伸ばすと、回動部材45a〜45fは、回動前の状態へ戻る(
図3参照)。回動部材45a〜45fの表面は、例えば所定曲率の曲面となっている。
【0043】
上記では、接触部40は、指の動きに応じて回動する回動部材45を有することとしたが、これに限定されない。例えば、接触部40は、指による押圧状態に応じて弾性変形する弾性部材(例えばゴム部材)を有してもよい。この場合には、回動部材45を回動させる機構が不要となる。
【0044】
指接触部41a〜41fには、それぞれ前述した検出部50が設けられている。検出部50は、指接触部41a〜41fに添えられた各指の押圧状態に基づいて、各指の動きを検出する。すなわち、検出部50は、操作者が指接触部41a〜41fの回動部材45a〜45fを押圧する際に、回動部材45a〜45fに対する指の押圧状態に基づいて指の動きを検出する。例えば、検出部50は、操作者が回動部材45a〜45fに添えられた指を曲げたり伸ばしたりする際に、指の動きを検出する。
【0045】
検出部50は、回動部材45a〜45fの回動量を検出する。また、検出部50は、
図1に示すように、指節検出部52と、位置検出部54と、左右動き検出部56とを含む。このように複数の検出部を設けることで、操作者が多指ロボット10を遠隔操作するために指を様々に動かしても、指の動きを高精度に検出できる。
【0046】
指節検出部52は、指の節(基節、中節及び末節の少なくとも1つの節)に対応する位置に配置されており、当該節の状態を検出する。指節検出部52は、例えば、節が接した際に検出する接触式のセンサや、離れた位置から検出する非接触式のセンサである。
【0047】
指節検出部52は、回動部材45a〜45fにそれぞれ配置されている。ここでは、指節検出部52は、各指の基節に対応する位置に配置されている。(
図5参照)例えば、回動部材45bに設けられた指節検出部52は、操作者の人差し指の基節に対応する位置に配置されている。
【0048】
位置検出部54は、指の指先の位置を検出する。例えば、操作者が指を曲げた際に、位置検出部54は、曲げた指の指先の位置を検出する。位置検出部54も、回動部材45a〜45fに設けられている。位置検出部54は、例えば回動部材45a〜45fの表面に設けられたタッチセンサ(例えば静電容量式)を含み、タッチセンサに接触した指先の位置を検出する。
【0049】
図7は、指先の位置の検出を説明するための模式図である。
図7では、操作者が、人差し指を曲げて、人差し指の指先側を回動部材45bに接している。この際、位置検出部54は、曲げている状態の人差し指の指先の位置または人差し指の回転部材45b上での滑り距離(移動距離)を検出する。
【0050】
検出部50は、位置検出部54が検出した指先の位置と、回動部材45a〜45fの回動量とに基づいて、指の動きを検出する。例えば、
図7に示すように人差し指を曲げた場合には、検出部50は、回動部材45bの回動量を検出すると共に、位置検出部54によって人差し指の指先の位置を検出することで、人差し指の曲げ状態(姿勢)を推定しうる。このように検出する場合には、人差し指の3つの節に対してそれぞれ指節検出部52を設けなくても、人差し指の動きを適切に検出できる。
【0051】
左右動き検出部56は、指の左右方向の少なくとも一方の動きを検出する。左右動き検出部56は、例えば、溝部37における指の側面が接触する領域に配置されている。具体的には、左右動き検出部56は、溝部37において回動部材45a〜45fの各々の両側の側壁にそれぞれ配置されている。左右動き検出部56は、指の側面が接触することで検出する接触式のセンサや、指の側面が接触しなくても検出する非接触式のセンサ(例えば測距センサ)である。なお、回動部材45a〜45fの表面にタッチセンサが設けられている場合には、当該タッチセンサによって指の左右方向の動きを検出してもよい。
【0052】
図8は、指の左右方向の動きを説明するための模式図である。
図8では、人差し指及び中指が互いに離れる方向(左右方向)に広げた状態が示されている。
図8に示すように人差し指及び中指が左右方向に移動している際に、指接触部41bに配置された左右動き検出部56は、人差し指の左右方向における位置を検出し、指接触部41cに配置された左右動き検出部56は、中指の左右方向における位置を検出する。これにより、人差し指及び中指の左右方向における動きを適切に検出できる。
【0053】
上記では、指節検出部52は、操作者の指の基節に対応する位置に配置されていることとしたが、これに限定されない。例えば、指節検出部52は、
図9に示すように配置されてもよい。
【0054】
図9は、指節検出部52の配置状態の一例を説明するための模式図である。指の基節、中節及び末節のそれぞれの節に対応する位置に、指節検出部52が配置されていてもよい。これにより、3つの指節検出部52によって、指の各指節の状態を検出できるので、指の動きを精度良く検出できる。また、3つの指節検出部52を設ける場合には、上述した位置検出部54を設けなくてもよい。
【0055】
また、指の基節、中節及び末節のうちの2つの節に対応する位置に、指節検出部52が配置されてもよい。例えば、指の基節及び末節に対応する位置に指節検出部52が配置されてもよい。
【0056】
指接触部41a〜41fには、前述した指に伝達する力覚を発生するために、駆動部62(
図1)が設けられている。駆動部62は、多指ロボット10が物体に触れた際に、回動部材45a〜45fを回転させて指に対して力覚を伝達させる。
【0057】
図10は、駆動部62の構成の一例を説明するための模式図である。
図10では、回動部材45aを回動させる駆動部62が示されているが、回動部材45b〜45fを回動させる駆動部62も同様な構成である。駆動部62は、ここでは回動部材45bの軸部46bに連結しているモータである。駆動部62は、人差し指F2が回動部材45bを押圧する押圧方向(第1方向)とは逆方向(第2方向)に、回動部材45bを回動させる。具体的には、駆動部62は、
図10に示すように、軸部46bを中心に回動部材45bを時計方向に回動させることで、回動部材45bから人差し指F2に力覚を伝達させる。
【0058】
なお、上記では、駆動部62が押圧方向とは逆方向に回動部材45bを回動させることとしたが、これに限定されない。例えば、駆動部62は、押圧方向とは逆方向に回動部材45bを回動させて一旦停止した後に、押圧方向と同じ方向に回動部材45bを更に回動させてもよい。一例として、多指ロボット10が指機構12を曲げて卵を握る際には、指機構12が卵に触れると駆動部62が力覚を発生させることで、操作者は指を停止させる。その後、操作者が指をさらに押圧方向に押圧すると、多指ロボット10が指機構12を駆動して卵が割ることになる。そして、卵が割れることに起因して指機構12が曲げる方向に更に移動するが、この移動後の位置を操作者にフィードバックするために、駆動部62は回動部材45bを押圧方向に回動させる。
【0059】
図11は、駆動部62の構成の変形例を説明するための模式図である。
図11に示す変形例では、駆動部62は、回動部材45bの軸部46bに連結しておらず、回動部材45bの下方に配置されたロッド64を移動させる。ロッド64は、例えば
図11の矢印に示す方向(上方向)に移動することで、軸部46bを中心に回動部材45bが時計方向に回動する。このように、駆動部62は、ロッド64を上方向へ移動させて回動部材45bを回動させることで、回動部材45bから人差し指F2に力覚を伝達させる。
【0060】
上記では、接触部40の指接触部41a〜41fに、感覚フィードバックとして、力覚を操作者の指に伝達することとしたが、これに限定されない。例えば、接触部40は、指先に振動や電気刺激を与えて、ざらざら感やぬるぬる感を指に与えてもよい。また、接触部40は、温度によって指に感覚を伝達するデバイスを含んでもよい。
【0061】
なお、上記では、
図3に示すように操作者が手の掌側を装置本体32に添えて指を動かすように、装置本体32の外周面に回動部材45a〜45fが配置されることとしたが、これに限定されない。例えば、
図12に示すように、回動部材45a〜45fが装置本体32の内部に配置されてもよい。
【0062】
図12は、変形例に係る装置本体32の構成を説明するための模式図である。変形例に係る装置本体32は、操作者が指を挿入可能な挿入穴部38を有する。挿入穴部38は、ここでは手を挿入しやすい形状であればよく、例えば矩形状である。そして、回動部材45a〜45fは、それぞれ挿入穴部38に回動可能に配置されている。このため、変形例においては、操作者は、挿入穴部38から手を挿入して装置本体32内で回動部材45a〜45fに対して指を動かすことになる。
【0063】
図12に示す変形例においても、検出部50(
図1)が、装置本体32内の指の動き(指が回動部材45a〜45fを押圧する動き)を検出する。検出部50は、前述した指節検出部52、位置検出部54及び左右動き検出部56を含む。これにより、装置本体32内での指の動きを高精度に検出できる。
【0064】
上記では、指によって押圧される回動部材45a〜45fを用いることとしたが、これに限定されない。例えば、指が操作可能なポインティングスティックを用いてもよい。この場合、指のポインティングスティックへの押圧力を、対応する多指ロボット10(多関節ロボット)の関節の加速度、速度及び変位に割り当てる。
【0065】
また、上記では、多指ロボット10が、人間の手に倣って形成されたロボットハンドであることとしたが、これに限定されない。例えば、多指ロボット10は、人間の両脚に倣って形成されたロボットであってもよい。この際、制御装置70は、検出部50が手の人差し指の動きを検出した場合には、多指ロボット10の片方の脚(ここでは、左脚)を動作させ、検出部50が中指の動きを検出した場合には、多指ロボット10の他方の脚(右脚)を動作させてもよい。
【0066】
<本実施形態における効果>
上述した本実施形態の動き検出装置30は、操作者の指が添えられる装置本体32と、装置本体32に指の形状に倣って形成されており指が接触する接触部40と、接触部40に対する指の押圧状態に基づいて指の動きを検出する検出部50とを有する。
【0067】
上記の構成により、操作者は、装置本体32に添えた指を動かすことで、多指ロボット10を遠隔操作できる。このため、従来のグローブに手を装着する方式に比べて装着が簡便であり、かつ装置本体32の耐久性も優れたものとなる。また、検出部50が、指の形状に倣って形成された接触部40に対する指の押圧状態に基づいて指の動きを検出することで、指の細かな動き等を高精度に検出できる。この結果、多指ロボット10の細かな動作を実現できる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。