特許第6891486号(P6891486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6891486
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】ハイブリッド車両の駆動制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/19 20160101AFI20210607BHJP
   B60K 6/485 20071001ALI20210607BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20210607BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20210607BHJP
   F02D 41/12 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   B60W20/19ZHV
   B60K6/485
   B60W10/06 900
   B60L50/16
   F02D41/12
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-251354(P2016-251354)
(22)【出願日】2016年12月26日
(65)【公開番号】特開2018-103744(P2018-103744A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年11月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中畑 裕太
(72)【発明者】
【氏名】千速 健太
【審査官】 佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−164049(JP,A)
【文献】 特開2015−093547(JP,A)
【文献】 特開2000−038939(JP,A)
【文献】 特開2004−251221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00−20/50
B60K 6/20− 6/547
B60L 1/00−58/40
F02D 41/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、モータと、前記内燃機関と前記モータの駆動力を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、車両速度が所定値より低くなると車両減速中に前記内燃機関の燃料噴射を停止する減速中のアイドルストップを行なうとともに、前記減速中のアイドルストップ状態で所定のモータ駆動条件が成立したとき前記モータの駆動を開始した後、前記モータの駆動力のみにより車両を駆動させるEV走行を行なうハイブリッド車両の駆動制御装置であって、
前記制御部は、前記減速中のアイドルストップ状態から前記モータ駆動条件が成立して前記モータの駆動を開始させた後、所定時間が経過するまで前記内燃機関に燃料噴射を行なわせ、前記所定時間が経過した後、アクセルがオフにされている間前記EV走行を行なわせるハイブリッド車両の駆動制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両の駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エンジンの動力と、エンジンとベルトを介して接続されたモータの動力を用いるハイブリッド車両があることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−251221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のもののように、モータを搭載した車両であって、車両が走行中でエンジン停止時において、ドライバーからの発進意思(車両を停止させる行為を解除する意思も含む)に対応する場合には、モータの駆動力を用いるときがある。このような場合、モータの出力性能が低いと、速やかにドライバーの要求を満たすことができずにもたつき感を与えるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、ドライバーからの発進意思に対してモータの駆動力のみで要求を満たそうとする場合において、車両のもたつき感を抑制させることができるハイブリッド車両の駆動制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、内燃機関と、モータと、前記内燃機関と前記モータの駆動力を制御する制御部とを備え、前記制御部は、車両速度が所定値より低くなると車両減速中に前記内燃機関の燃料噴射を停止する減速中のアイドルストップを行なうとともに、前記減速中のアイドルストップ状態で所定のモータ駆動条件が成立したとき前記モータの駆動を開始した後、前記モータの駆動力のみにより車両を駆動させるEV走行を行なうハイブリッド車両の駆動制御装置であって、前記制御部は、前記減速中のアイドルストップ状態から前記モータ駆動条件が成立して前記モータの駆動を開始させた後、所定時間が経過するまで前記内燃機関に燃料噴射を行なわせ、前記所定時間が経過した後、アクセルがオフにされている間前記EV走行を行なわせるものである。
【発明の効果】
【0007】
このように、本発明によれば、ドライバーからの発進意思に対してモータの駆動力のみで要求を満たそうとする場合において、車両のもたつき感を抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の概略ブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置の制御系のブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置のEV走行制御処理の手順を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置のEV走行制御処理によるトルクの変化を示すタイムチャートである。
図5図5は、従来のEV走行制御処理によるトルクの変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の駆動制御装置は、内燃機関と、モータと、内燃機関とモータの駆動力を制御する制御部とを備えたハイブリッド車両の駆動制御装置であって、制御部は、内燃機関の燃料噴射を停止している状態からモータを駆動することでハイブリッド車両を走行させるとき、モータを駆動させた後、所定時間が経過するまで内燃機関に燃料噴射を行なわせるよう構成されている。
【0010】
これにより、ドライバーからの発進意思に対してモータの駆動力のみで要求を満たそうとする場合において、車両のもたつき感を抑制させることができる。
【実施例】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置について詳細に説明する。
【0012】
図1において、本発明の一実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置を搭載した車両1は、内燃機関としてのエンジン2と、電源システム3と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit)4とを含んで構成されている。また、本実施例に係る車両1は、後述するようにアイドルストップ機能を備えた車両である。
【0013】
エンジン2は、不図示のピストン、シリンダ、コネクティングロッド等を備え、ピストンがシリンダ内を2往復する間に吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行なう4サイクルのエンジンによって構成されている。
【0014】
シリンダに収納されたピストンは、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに連結されている。コネクティングロッドは、ピストンの往復動をクランクシャフトの回転運動に変換するようになっている。
【0015】
エンジン2には、変速機23が接続されている。変速機23は、エンジン2のクランクシャフトの回転を所定の変速比で変速して不図示のディファレンシャルギア等を介してドライブシャフト25に伝達し、左右の車輪26を回転させるようになっている。なお、図1では、2つの車輪26のみ図示しており、残りの2つの車輪については図示を省略している。
【0016】
電源システム3は、第1バッテリとしてのメインバッテリ31と、第2バッテリとしてのサブバッテリ32と、モータ33と、スイッチ(SW)回路34とを含んで構成されている。
【0017】
メインバッテリ31は、例えば鉛蓄電池で構成されている。このメインバッテリ31は、スイッチ回路34を介してモータ33と電気的に接続されている。メインバッテリ31には、バッテリ状態センサ31aが設けられている。バッテリ状態センサ31aは、メインバッテリ31の充放電電流、電圧及びバッテリ温度を検出する。バッテリ状態センサ31aは、ECU4に接続されている。ECU4は、バッテリ状態センサ31aの出力によりメインバッテリ31の充電状態を検知できるようになっている。
【0018】
サブバッテリ32は、例えばリチウムイオン蓄電池で構成されている。このサブバッテリ32は、スイッチ回路34を介してモータ33と電気的に接続されている。サブバッテリ32には、バッテリ状態センサ32aが設けられている。バッテリ状態センサ32aは、サブバッテリ32の充放電電流、電圧及びバッテリ温度を検出する。バッテリ状態センサ32aは、ECU4に接続されている。ECU4は、バッテリ状態センサ32aの出力によりサブバッテリ32の充電状態を検知できるようになっている。
【0019】
スイッチ回路34は、モータ33に電力を供給する電源として、メインバッテリ31及びサブバッテリ32の少なくともいずれか一方を選択して接続するようになっている。スイッチ回路34は、ECU4の制御によりモータ33とメインバッテリ31及びサブバッテリ32との接続を行なうようになっている。
【0020】
モータ33は、エンジン2を始動するスタータとしての機能に加え、エンジン2の駆動により発電するオルタネータとしての機能を有するモータである。モータ33は、少なくともメインバッテリ31及びサブバッテリ32のいずれか一方から供給される電力によって駆動される。モータ33は、ECU4の出力するトルク指令信号に従って出力トルクを制御するようになっている。
【0021】
モータ33は、モータ33の回転子軸に連結された不図示のモータ用プーリを備えている。モータ用プーリは、エンジン2のクランクシャフトに連結された不図示のクランク軸プーリとベルト27を介して動力伝達可能に接続されている。
【0022】
ECU4は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0023】
ECU4のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU4として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、ECU4として機能する。
【0024】
ECU4の入力ポートには、上述のバッテリ状態センサ31a、バッテリ状態センサ32aに加え、エンジン回転数センサ51、車速センサ52、アクセル開度センサ53、ブレーキスイッチ54等の各種センサ類が接続されている。
【0025】
エンジン回転数センサ51は、エンジン2の機関回転数を検出する。車速センサ52は、車輪26の回転速度などから車両1の速度を検出する。
【0026】
アクセル開度センサ53は、例えば加速要求時等に運転者によって操作される図示しないアクセルペダルの開度であるアクセル開度を検出する。
【0027】
ブレーキスイッチ54は、図示しないブレーキペダルが踏まれているか否かを検知する。ブレーキスイッチ54は、ブレーキペダルが踏まれているとオン信号を出力し、ブレーキペダルが踏まれていないとオフ信号を出力する。
【0028】
一方、ECU4の出力ポートには、エンジン2、モータ33、スイッチ回路34等の各種制御対象類が接続されている。
【0029】
ECU4は、所定の自動停止条件が成立するとエンジン2を自動停止させ、所定の再始動条件が成立するとエンジン2を再始動させるアイドルストップ制御を実行可能である。所定の自動停止条件としては、例えば車両速度が所定値より小さいこと、ブレーキが踏まれていること、メインバッテリ31及びサブバッテリ32のSOC(State Of Charge)が所定値より大きいこと等が含まれる。また、所定の再始動条件としては、例えばアクセル操作がなされたこと、ブレーキが踏まれなくなったこと等が含まれる。
【0030】
また、ECU4は、前述の所定の再始動条件が成立した場合、エンジン2を再始動させる。ECU4は、メインバッテリ31からモータ33に電力を供給させてエンジン回転数を上昇させ、エンジン回転数を所定の目標回転数に到達させて、エンジン2を再始動させる。ここで、所定の目標回転数は、例えばエンジン2のアイドル回転数である。ECU4は、エンジン回転数が所定の目標回転数に到達したときに、エンジン2の再始動が完了したと判定する。なお、目標回転数は、エンジン2が完爆したときのエンジン回転数とするとよい。
【0031】
ECU4は、前述の自動停止条件が成立すると、車両速度が所定値より小さい状態でエンジン2を自動停止させ、コースト走行を行なう。ECU4は、コースト走行中に車両速度が所定値以上であるとき、所定の条件が成立するとモータ33のみにより車両1を駆動させるEV走行を行なわせる。
【0032】
このため、ECU4は、図2に示すように、バッテリ状態センサ31a、バッテリ状態センサ32a、エンジン回転数センサ51、車速センサ52、アクセル開度センサ53、ブレーキスイッチ54の各センサの出力に基づいてエンジン2及びモータ33を制御する。
【0033】
ECU4は、コースト走行中に、車両速度が所定値以上であるとき、モータ駆動条件が成立するとモータ33を駆動させる。ECU4は、モータ駆動条件が成立してモータ33を駆動開始させた後に、エンジン2へ燃料を所定時間だけ噴射させる。
【0034】
モータ駆動条件は、例えば、エンジン回転数が「0」であること、ブレーキがオフであること等が含まれる。
【0035】
ECU4は、モータ33を駆動開始させてエンジン2に所定時間だけ燃料噴射させた後、EV条件が成立するとEV走行を行なわせる。
【0036】
EV条件は、例えば、メインバッテリ31及びサブバッテリのSOCが所定値より大きいこと、アクセル開度が「0」であること等が含まれる。
【0037】
以上のように構成された本実施例に係るハイブリッド車両の駆動制御装置によるEV走行制御処理について、図3を参照して説明する。なお、以下に説明するEV走行制御処理は、ECU4が処理を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
【0038】
ステップS1において、ECU4は、以下の1)から3)の条件の全てが成立したか否かにより自動停止条件が成立したか否かを判定する。自動停止条件が成立していないと判定した場合、ECU4は、処理を終了する。
1)車両速度が所定値より小さいこと。
2)ブレーキが踏まれていること。
3)メインバッテリ31及びサブバッテリ32のSOCが所定値より大きいこと。
【0039】
自動停止条件が成立したと判定した場合、ステップS2において、ECU4は、以下の4)と5)の条件の全てが成立したか否かによりモータ駆動条件が成立したか否かを判定する。モータ駆動条件が成立していないと判定した場合、ECU4は、処理を終了する。
4)エンジン回転数がアイドル回転数以下であること。
5)ブレーキがオンからオフにされたこと。
【0040】
モータ駆動条件が成立したと判定した場合、ステップS3において、ECU4は、モータ33を駆動し、エンジン回転数を上昇させる。この場合、車両1は、ブレーキがオフにされ運転者のチェンジオブマインド(COM)により車両1の走行を継続しなければならない状態にあり、ECU4は、走行を継続させるためにモータ33を駆動させる。
【0041】
ステップS4において、ECU4は、エンジン回転数が所定の目標回転数を超えたか否かを判定する。エンジン回転数が目標回転数を超えていないと判定した場合、ECU4は、ステップS4の処理を繰り返し、エンジン回転数が目標回転数を超えるのを待つ。
【0042】
エンジン回転数が目標回転数を超えたと判定した場合、ステップS5において、ECU4は、モータ33の駆動を停止する。
【0043】
ステップS6において、ECU4は、エンジン2へ燃料噴射させ、エンジントルクを出させる。
【0044】
ステップS7において、ECU4は、エンジン2への燃料噴射を開始してから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過していないと判定した場合、ECU4は、ステップS7の処理を繰り返し、所定時間経過するのを待つ。
【0045】
所定時間経過したと判定した場合、ステップS8において、ECU4は、エンジン2への燃料噴射を停止させる。このように、モータ33を駆動させた後に所定時間だけエンジン2を駆動しているため、エンジン2のトルクが出力され、出力の小さいモータ33によるトルクの不足を補い、車両1の引き込み感をなくすことができる。
【0046】
ステップS9において、ECU4は、以下の6)から8)の条件の全てが成立したか否かによりEV条件が成立したか否かを判定する。
6)メインバッテリ31のSOCが所定値より大きいこと。
7)サブバッテリ32のSOCが所定値より大きいこと。
8)アクセルがオフされている(アクセル開度が「0」である)こと。
【0047】
EV条件が成立したと判定した場合、ステップS10において、ECU4は、サブバッテリ32をモータ33と接続し、メインバッテリ31をモータ33以外の電気負荷と接続して、モータ33を駆動させてEV走行を行なわせ、処理を終了する。この場合、車両1は、アクセルは踏み込まれていないため加速の必要はなく、このままの状態で走行を継続しなければならない状態にあり、ECU4は、EV走行を開始して走行を継続させる。
【0048】
EV条件が成立していないと判定した場合、ステップS11において、ECU4は、モータ33を駆動せず、エンジン2へ燃料噴射させて、エンジン2により車両1を駆動させる。この場合、車両1は、アクセルが踏み込まれ、加速が必要な状態となっているため、ECU4は、エンジン2を再始動させ、通常走行を行なわせる。
【0049】
このようなEV走行制御処理による動作について図4及び図5を参照して説明する。なお、図4及び図5は、減速中のアイドルストップからEV走行に移行する場合を示している。図5は、従来のEV走行制御処理によるトルクの変化を示すタイムチャートである。
【0050】
図5に示すように、タイミングt11において、車両速度が所定値より低くなると減速中のアイドルストップが開始され、エンジン2は自動停止されてエンジン回転数が下がっていく。
【0051】
タイミングt12において、ブレーキがオンからオフにされると、上述のモータ駆動条件が判定され、モータ駆動条件が成立するとモータ33が駆動される。
【0052】
タイミングt13において、EV条件が成立すると、サブバッテリ32がモータ33に接続され、メインバッテリ31がモータ33以外の電気負荷と接続されてEV走行が開始される。このとき、モータ33の出力が小さいため、トルクが足らず、車両1の引き込み感が生じる。
【0053】
本実施例では、図4に示すように、タイミングt1において、車両速度が所定値より低くなると減速中のアイドルストップが開始され、エンジン2は自動停止されてエンジン回転数が下がっていく。
【0054】
タイミングt2において、ブレーキがオンからオフにされると、上述のモータ駆動条件が判定され、モータ駆動条件が成立するとモータ33が駆動される。その後、所定時間だけエンジン2に燃料噴射され、タイミングt3において、エンジン2のトルクが出力され、車両1の引き込み感をなくすことができる。
【0055】
その後、タイミングt4において、EV条件が成立すると、エンジン2は停止され、サブバッテリ32がモータ33に接続され、メインバッテリ31がモータ33以外の電気負荷と接続されてEV走行が開始される。
【0056】
このように、上述の実施例では、コースト走行中に、車両速度が所定値以上のとき、モータ駆動条件が成立するとモータ33を駆動させ、その後に、エンジン2へ燃料を所定時間だけ噴射させるECU4を備える。
これにより、車両1のもたつき感を抑制させることができる。
【0057】
ECU4は、モータ33を駆動開始させてエンジン2に所定時間だけ燃料噴射させた後、EV条件が成立するとEV走行を行なわせる。
【0058】
これにより、車両1のもたつき感を抑制しながら、モータ33の駆動力のみで車両1を走行させるEV走行に遷移できる。
【0059】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0060】
1 車両
2 エンジン(内燃機関)
4 ECU(制御部)
31 メインバッテリ
31a バッテリ状態センサ
32 サブバッテリ
32a バッテリ状態センサ
33 モータ
34 スイッチ回路
51 エンジン回転数センサ
52 車速センサ
53 アクセル開度センサ
54 ブレーキスイッチ
図1
図2
図3
図4
図5