(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したモータやポンプが小型化すると、ポンプ性能を維持するため、モータに対する電流値が増加する。モータの電流値の増加に伴い、モータに生じる電磁波のノイズが増加する場合がある。かかる場合、ノイズが例えばトイレ室に配置される他の電気製品に対して影響を及ぼすことがあった。
【0005】
そこで、例えばラインフィルタやローカットコアなどを用いて上記したノイズを低減させることができるが、部品の追加を伴うため、モータ等の大型化を招くおそれがあった。このように、従来技術にあっては、モータ等の大型化を招くことなく、ノイズによる影響を抑制するという点で改善の余地があった。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、モータ等の大型化を招くことなく、モータで生じた電磁波のノイズによる影響を抑制することができる便器洗浄装置および水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る便器洗浄装置は、タンクに貯留された水を便器本体へ供給するポンプと、前記ポンプを駆動させるモータと、前記モータのコイルを覆う金属製のモータカバーと、前記モータを制御する回路を含む制御基板とを備え、前記制御基板は、グランド線が前記モータカバーに接続されることを特徴とする。
【0008】
これにより、モータで生じたノイズは、グランド線を介してモータカバーへ流れることとなる。そして、モータカバー側へ流れたノイズは、モータカバーから大気中へ放出される。これにより、例えばモータから電源側へ流れるノイズを減少させることができ、よってモータ等の大型化を招くことなく、ノイズによる影響を抑制することができる。
【0009】
さらに、コイルを覆うカバーは金属製であることから、例えばコイルの熱を効率よくモータカバーの外へ放出させることができる。これにより、コイルが過度に高温となることを抑制することができる。
【0010】
また、前記グランド線に介在されるコンデンサを備えることを特徴とする。これにより、ノイズは、電源側よりもコンデンサが介在されたグランド線を介してカバー側へ流れやすくなる。そのため、モータから電源側へ流れるノイズをより一層減少させることができ、ノイズによる影響をより効果的に抑制することができる。
【0011】
また、前記制御基板は、前記モータカバー外に配置される第1制御基板と、前記第1制御基板と電気的に接続されるとともに、前記モータカバー内に配置される第2制御基板とを含み、前記コンデンサは、前記第1制御基板の回路に実装されることを特徴とする。これにより、コンデンサをグランド線に容易に介在させることができる。
【0012】
また、前記制御基板は、前記モータカバー外に配置される第1制御基板と、前記第1制御基板と電気的に接続されるとともに、前記モータカバー内に配置される第2制御基板とを含み、前記コンデンサは、前記第1制御基板と前記モータカバーとの間の前記グランド線に介在されることを特徴とする。これにより、第1制御基板に対して大きな設計変更をせずに、コンデンサをグランド線に介在させることができる。
【0013】
また、前記グランド線は、前記モータカバーを固定する金属製のカバー用固定部、または、前記モータカバーに配線を固定する金属製の配線用固定部に接続されることを特徴とする。
【0014】
このように、グランド線の接続場所を、カバー用固定部または配線用固定部とすることで、新たな部材を追加することなく、グランド線を簡易にモータカバーに接続することができる。
【0015】
また、前記制御基板は、前記モータカバー外に配置される第1制御基板と、前記第1制御基板と電気的に接続されるとともに、前記モータカバー内に配置される第2制御基板とを含み、前記コンデンサは、前記第2制御基板の回路に実装されることを特徴とする。これにより、コンデンサを第2制御基板に容易に実装させることができるとともに、モータカバー内で保護することもできる。
【0016】
また、前記制御基板は、前記モータカバー内に配置されるとともに、前記グランド線は、前記モータカバー内の前記制御基板から前記モータカバーへ接続される経路を含むことを特徴とする。このように、モータカバー内で接続が行われることで、例えばモータカバー外の配線に対する取り回しの自由度を向上させることができる。
【0017】
また、前記経路は、バネ状の接触端子を含むことを特徴とする。これより、制御基板とモータカバーとを、簡易な構成で電気的に接続することができる。
【0018】
また、実施形態の一態様に係る水洗大便器は、上記便器洗浄装置のいずれか一つを備えることを特徴とする。これにより、水洗大便器において、モータ等の大型化を招くことなく、モータで生じた電磁波のノイズによる影響を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
実施形態の一態様によれば、モータ等の大型化を招くことなく、モータで生じた電磁波のノイズによる影響を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する便器洗浄装置および水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
<1.便器洗浄装置を備える水洗大便器の構成>
先ず、便器洗浄装置を備える水洗大便器の構成について
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る便器洗浄装置を備える水洗大便器を示す全体構成図である。なお、
図1および
図2以降に示す図は、いずれも模式図である。
【0023】
図1に示すように、水洗大便器100は、例えばトイレ室の床面に載置される便器本体200と、便器本体200の後方に配置され、便器本体200に対して洗浄水を供給する便器洗浄装置1とを備える。
【0024】
便器本体200は、汚物を受けるボウル部210と、ボウル部210の底部から後方へ延びる排水トラップ管路220とを備える。ボウル部210には、リム吐水を行うリム吐水口212およびジェット吐水を行うジェット吐水口214が形成される。リム吐水口212は、ボウル部210の上部後方に形成され、ボウル部210の上縁に沿って洗浄水を吐出する。
【0025】
ジェット吐水口214は、ボウル部210の底部に形成され、排水トラップ管路220に向けて洗浄水を吐出する。かかるジェット吐水口214からの洗浄水の吐出によって、排水トラップ管路220内を洗浄水で急速に満たし、サイホン作用を早期に発生させることができる。排水トラップ管路220は、封水を形成するとともに、下水配管(図示せず)と連通している。
【0026】
便器洗浄装置1は、操作部300と、制御回路(図示せず)を含む制御基板400と、バルブユニット600と、バルブユニット600の下流に設けられ洗浄水を貯留するタンク800と、タンク800の下流に設けられ洗浄水を加圧するポンプユニット900とを備える。
【0027】
操作部300は、例えば便器洗浄を開始させるための洗浄スイッチなどを備える操作パネルである。操作部300は、例えばユーザによって洗浄スイッチが操作された場合、便器洗浄の開始を示す信号を制御基板400へ出力する。
【0028】
制御基板400は、主制御基板410と、モータ用制御基板440とを含む。なお、主制御基板410は第1制御基板の一例であり、モータ用制御基板440は第2制御基板の一例である。
【0029】
主制御基板410は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどを有するマイクロコンピュータ、各種の制御回路を含むコントローラである。主制御基板410の制御回路は、例えば操作部300から出力される便器洗浄の開始を示す信号に基づいて、バルブユニット600やポンプユニット900のモータ920(後述)などに対して制御信号を出力し、便器洗浄装置1全体を制御する。なお、主制御基板410の具体的な構成については、
図2を参照して後述する。
【0030】
モータ用制御基板440は、各種の制御回路を含み、主制御基板410から出力される制御信号に基づいて、ポンプユニット900のモータ920を制御する。このように、主制御基板410およびモータ用制御基板440を含む制御基板400は、モータ920を制御する回路を含んでいる。
【0031】
バルブユニット600の上流側には、図示しない給水源からの洗浄水を供給する給水路310が接続される。また、バルブユニット600の下流側には、リム吐水口212に洗浄水を供給するためのリム側給水路320とタンク800に洗浄水を供給するためのタンク側給水路330とが接続される。
【0032】
バルブユニット600は、定流量弁620と、定流量弁620の下流に設けられるダイヤフラム式の給水弁640と、給水弁640の下流に設けられるバキュームブレーカ680と、バキュームブレーカ680の下流に設けられる切替弁660とを備える。
【0033】
定流量弁620は、給水路310から定流量弁620に流れ込んで下流側へ向かう洗浄水の流量を一定にする。給水弁640は、例えばダイヤフラムを含んで構成され、その開閉により、リム吐水口212およびジェット吐水口214における洗浄水の吐水と止水とを切替える。
【0034】
バキュームブレーカ680は、給水路310内が負圧になることで生じる洗浄水の逆流を防止する。なお、バキュームブレーカ680から溢れ出た洗浄水は、水受け部684によって捕集された後、水受け部684の底面に接続された排水路360によってタンク800に排出される。
【0035】
切替弁660は、給水源からの洗浄水の供給先を例えば便器本体200のリム吐水口212とタンク800とに切り替える。すなわち、切替弁660は、リム側給水路320またはタンク側給水路330へ向けて洗浄水を供給する。
【0036】
タンク800は、便器本体200のジェット吐水口214へ供給される洗浄水を貯留する。タンク800の下部には、ポンプ側給水路340が接続されており、ポンプ側給水路340の下流端には、上記したポンプユニット900が接続される。
【0037】
ポンプユニット900は、ポンプ910と、モータ920と、上記したモータ用制御基板440とを備える。ポンプ910としては、例えば渦巻きポンプやディフューザポンプ、カスケードポンプなど種々のポンプを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0038】
モータ920は、例えばブラシレスモータやブラシモータ等を用いることができるが、これに限られない。モータ用制御基板440は、モータ920に電気的に接続されてモータ920を制御する。
【0039】
そして、ポンプ910は、ジェット側給水路350によりジェット吐水口214と接続されており、タンク800に貯水された洗浄水を加圧してジェット側給水路350を介してジェット吐水口214へ供給する。なお、ポンプユニット900の具体的な構成については、
図3〜
図5を参照して後述する。
【0040】
ところで、上記したポンプ910やモータ920を小型化すると、ポンプ性能を維持するため、モータ920に対する電流値が増加する。これにより、モータ920に生じる電磁波のノイズも増加し、かかるノイズは、例えばコンセントなどの電源経路を通じてトイレ室に配置される他の電気製品に対して影響を及ぼすことがあった。
【0041】
上記したノイズの低減を目的として、例えばラインフィルタなどを用いた場合、部品の追加を伴うため、モータ920等の大型化を招くおそれがあった。そこで、本実施形態にあっては、モータ920等の大型化を招くことなく、ノイズの影響を抑制することができる構成とした。以下、その構成について
図2以降を参照して説明する。
【0042】
<2.主制御基板とポンプユニットとの接続関係>
図2は、主制御基板410とポンプユニット900との接続関係を説明する図である。なお、
図2では、本実施形態の説明に必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0043】
図2に示すように、主制御基板410は、商用の交流電源411に接続され、交流電源411の交流電圧を直流電圧に整流してモータ920へ供給する。具体的には、主制御基板410は、ブリッジダイオード412と、平滑用コンデンサ413と、降圧回路414とを備える。
【0044】
ブリッジダイオード412は、交流電源411の交流電圧を全波整流する。平滑用コンデンサ413は、全波整流された交流電圧を直流電圧に整流する。したがって、接続点P1側はプラスの電圧、接続点P2側は0V、すなわちグランド側となる。
【0045】
接続点P1には、電源線421が接続され、かかる電源線421は、主制御基板410の接続端子422を介してモータ920のモータ用制御基板440の電源パターン(図示せず)に接続される。
【0046】
また、接続点P2には、第1グランド線423が接続され、かかる第1グランド線423は、主制御基板410の接続端子424を介してモータ用制御基板440のグランドパターン(図示せず)に接続される。このように、主制御基板410とモータ用制御基板440とは、電気的に接続される。
【0047】
ポンプユニット900において、モータ920は、固定子として機能するコイル931を備え、かかるコイル931は、例えばアルミなどの金属製のモータカバー921によって覆われている。なお、コイル931やモータカバー921の詳しい構成については、後述する。
【0048】
コイル931には、上記したモータ用制御基板440の電源パターンおよびグランドパターンが接続される。そして、モータ用制御基板440は、制御信号に基づいて、コイル931に対する通電(ON)および非通電(OFF)を制御することで、モータ920の制御を行っている。
【0049】
降圧回路414は、接続点P1,P2に接続され、平滑用コンデンサ413で整流された直流電圧を降圧して、例えばモータ用制御基板440などの駆動用電源を生成する。降圧回路414で生成された駆動用電源は、各種の電源線(図示せず)を介してモータ用制御基板440へ供給される。なお、図示は省略するが、主制御基板410とモータ用制御基板440との間には、例えばモータ920の制御に用いられる信号線なども配線されてもよい。
【0050】
そして、本実施形態に係る主制御基板410は、第2グランド線431を備え、第2グランド線431がモータカバー921(以下、単に「カバー921」と記載する場合がある)に接続されることで、ノイズの影響を抑制することができる。なお、第2グランド線431は、グランド線の一例である。
【0051】
具体的に説明すると、主制御基板410においてグランド側である接続点P2には、第1グランド線423に加え、第2グランド線431が接続される。第2グランド線431は、主制御基板410の接続端子432を介してカバー921に接続される。
【0052】
ここで、モータ920のノイズは、例えばモータ用制御基板440でコイル931に対するON/OFF制御が行われる際に生じやすい。モータ920で生じたノイズは、矢印Aで示すように、電源線421や第1グランド線423を通り、交流電源411側へ流れることから、他の電気製品に対して影響を及ぼすおそれがある。
【0053】
本実施形態では、第2グランド線431を備えるようにしたことから、ノイズは、矢印Bで示すように、カバー921へも流れることとなる。そして、カバー921側へ流れたノイズは、カバー921から大気中へ放出される。
【0054】
これにより、モータ920から交流電源411側へ流れるノイズを減少させることができ、よってモータ920等の大型化を招くことなく、ノイズによる影響を抑制することができる。
【0055】
また、第2グランド線431には、ノイズ用コンデンサ434が介在される。ノイズ用コンデンサ434は、ノイズの高周波に対するインピーダンスを低下させるため、ノイズは、交流電源411側(矢印A参照)よりもノイズ用コンデンサ434側、言い換えると、カバー921側(矢印B参照)へ流れやすくなる。これにより、モータ920から交流電源411側へ流れるノイズをより一層減少させることができ、ノイズによる影響をより効果的に抑制することができる。
【0056】
また、ノイズ用コンデンサ434は、主制御基板410の回路に実装されるようにした。これにより、ノイズ用コンデンサ434を第2グランド線431に容易に介在させることができる。
【0057】
<3.ポンプユニットの構成>
次に、具体的に第2グランド線431が接続されるカバー921の位置について、
図3以降を参照して説明する。
図3は、ポンプユニット900の正面図であり、
図4は、
図3のIV−IV線断面図である。
【0058】
図4に示すように、ポンプユニット900は、ポンプ910と、モータ920とを備える。ポンプ910は、ケーシング911と、羽根部912と、吸込口913と、吐出口914とを備える。
【0059】
ケーシング911は、内部空間911aを有する箱状に形成される。なお、ケーシング911は、樹脂製とされるが、これに限定されるものではなく、例えばアルミなどの金属製であってもよい。
【0060】
ケーシング911の内部空間911aには、羽根部912が回転可能に配置される。また、ケーシング911において羽根部912の付近には、羽根部912の回転軸方向に沿って延びる吸込口913と、羽根部912の回転軸方向に対して垂直方向に沿って延びる吐出口914とが形成される。なお、吸込口913にはポンプ側給水路340(
図1参照)が接続される一方、吐出口914にはジェット側給水路350(
図1参照)が接続される。
【0061】
モータ920は、上記したカバー921と、固定子たるコイル931と、回転子932と、回転軸933と、軸受部934と、モータ用制御基板440とを備える。
【0062】
カバー921は、内部空間921aを有する箱状に形成される。カバー921の内部空間921aには、コイル931、回転子932、回転軸933、軸受部934およびモータ用制御基板440が配置される。言い換えると、カバー921は、コイル931やモータ用制御基板440などを覆うように形成される。
【0063】
上記したコイル931は作動時に発熱するが、コイル931を覆うカバー921は金属製であることから、例えばコイル931の熱を効率よくカバー921の外へ放出させることができる。これにより、コイル931が過度に高温となることを抑制することができる。
【0064】
また、モータ用制御基板440も金属製のカバー921で覆われるため、モータ用制御基板440から発する電波がポンプユニット900の外部へ放出されることを抑制することができる。
【0065】
なお、
図3に示す例では、モータ用制御基板440はカバー921内に配置されるが、これに限られず、例えばカバー921外に配置されてもよい。また、主制御基板410(
図2参照)は、カバー921外に配置されるが、これに限定されるものではなく、例えばカバー921内に配置されてもよい。
【0066】
コイル931は、カバー921の内周付近に固定される。回転子932は、図示しない永久磁石を備え、コイル931と対応する位置に配置される。回転子932には、回転軸933が取り付けられる。かかる回転軸933は、カバー921に固定された軸受部934によって回転可能に軸支される。回転軸933には、ポンプ910の羽根部912が接続される。
【0067】
上記のように構成されたポンプユニット900にあっては、モータ用制御基板440によってコイル931への電流を制御することで、回転子932、回転軸933および羽根部912が回転する。羽根部912が回転すると、洗浄水は、吸込口913から吸い込まれて加圧された後、吐出口914から吐出される。
【0068】
カバー921の説明を続けると、
図3に示すように、カバー921は、配線用固定部923を備える。配線用固定部923は、例えばワイヤハーネス426などの配線を固定する。
【0069】
ここで、ワイヤハーネス426は、例えば上記した電源線421(
図2参照)、第1グランド線423(
図2参照)、各種の電源線および信号線などをまとめて束にしたものである。そして、ワイヤハーネス426は、結束バンドなどの結束部材428を介して配線用固定部923に固定される。詳しくは、結束部材428には、図示しないネジ挿通孔が開口され、かかるネジ挿通孔にネジ923aを挿通させて締結することで、ワイヤハーネス426が配線用固定部923に固定される。
【0070】
なお、ワイヤハーネス426の端部は、カバー921に形成された挿通孔924に挿通された後、カバー921内のモータ用制御基板440に接続される(
図4参照)。
【0071】
また、配線用固定部923は、カバー921と同じく、アルミなどの金属製とされる。そして、第2グランド線431は、配線用固定部923に接続される。
図5は、配線用固定部923付近の拡大平面図であり、具体的には
図3の一点鎖線で囲まれた部分の拡大平面図である。
【0072】
図5に示すように、第2グランド線431の先端には、例えば丸端子431aが取り付けられる。かかる丸端子431aに、配線用固定部923のネジ923aを挿通させて締結することで、第2グランド線431は、配線用固定部923に接続される。
【0073】
このように、第2グランド線431の接続場所を、配線用固定部923とすることで、新たな部材を追加することなく、第2グランド線431を簡易にカバー921に接続することができる。
【0074】
なお、カバー921において、第2グランド線431が接続される位置は、上記した配線用固定部923に限定されるものではない。すなわち、カバー921は、
図3に示すように、カバー用固定部925を備える。カバー用固定部925は、例えば図示しない支持部にカバー921を固定するための部位である。また、カバー用固定部925は、カバー921と同じく、アルミなどの金属製とされる。
【0075】
そして、図示は省略するが、第2グランド線431は、カバー用固定部925に接続されるようにしてもよい。このように、第2グランド線431の接続場所を、カバー用固定部925とすることで、新たな部材を追加することなく、第2グランド線431を簡易にカバー921に接続することができる。
【0076】
上述してきたように、実施形態に係る便器洗浄装置1は、ポンプ910と、モータ920と、モータカバー921、制御基板400とを備える。ポンプ910は、タンク800に貯留された水を便器本体200へ供給する。モータ920は、ポンプ910を駆動させる。モータカバー921は、金属製とされ、モータ920のコイル931を覆う。制御基板400は、モータ920を制御する回路を含む。また、制御基板400は、第2グランド線431がモータカバー921に接続される。
【0077】
これにより、モータ920等の大型化を招くことなく、モータ920で生じた電磁波のノイズによる影響を抑制することができる。
【0078】
(第1変形例)
<4.第1変形例に係るコンデンサの構成>
次に、第1変形例について説明する。第1変形例では、
図2に破線で示すように、ノイズ用コンデンサ434aが、主制御基板410とカバー921との間の第2グランド線431に介在されるようにした。
【0079】
詳しくは、ノイズ用コンデンサ434aは、主制御基板410の接続端子432とカバー921との間の第2グランド線431において、例えば空中配線にて介在されるようにした。
【0080】
これにより、第1変形例にあっては、主制御基板410に対して大きな設計変更をせずに、ノイズ用コンデンサ434aを第2グランド線431に介在させることができる。なお、残余の構成および効果は、従前の実施形態と同じである。
【0081】
(第2変形例)
<5.第2変形例に係るコンデンサおよびグランド線の構成>
次に、第2変形例について説明する。第2変形例にあっては、実施形態および第1変形例に対し、カバー921に接続されるグランド線の経路を変更するようにした。
【0082】
具体的に説明すると、第2変形例にあっては、第2グランド線431が除去される。そして、
図4に破線で示すように、ノイズ用コンデンサ434bがモータ用制御基板440のグランドパターン(図示せず)上に実装される。
【0083】
さらに、グランドパターンには、バネ状の接続端子450(以下、「バネ端子450」と記載する場合がある)が実装される。なお、
図4に示す例では、バネ端子450が側面視Z字状とされるが、これに限られず、コイル状などその他の形状であってもよい。
【0084】
バネ端子450は、グランドパターンに接続される端部とは反対側の端部がカバー921に当接される。詳しくは、例えばバネ端子450をモータ用制御基板440に予め実装しておき、カバー921が組み付けられる際に、バネ端子450はカバー921によって弾性変形させられつつカバー921に当接される。これにより、モータ用制御基板440のグランドパターンとカバー921とが、バネ端子450を介して電気的に接続される。
【0085】
第2変形例にあっては、上記のように構成することで、モータ920で生じたノイズは、モータ用制御基板440のグランドパターンからノイズ用コンデンサ434b、バネ端子450およびカバー921を通って大気中へ放出されることとなる。これにより、実施形態および第1変形例と同様、ノイズによる影響を抑制することができる。
【0086】
このように、第2変形例では、カバー921に接続されるグランド線の経路に、カバー921内のモータ用制御基板440からカバー921へ接続される経路を含むようにした。すなわち、カバー921内で接続が行われることで、第2グランド線431を除去できるため、例えばカバー921外の配線(例えばワイヤハーネス426など)に対する取り回しの自由度を向上させることができる。
【0087】
また、カバー921へ接続される経路に、バネ端子450が含まれるようにした。これより、モータ用制御基板440とカバー921とを、簡易な構成で電気的に接続することができる。
【0088】
また、第2変形例では、ノイズ用コンデンサ434bは、モータ用制御基板440の回路(正確にはグランドパターン)に実装される。これにより、ノイズ用コンデンサ434bをモータ用制御基板440に容易に実装させることができるとともに、カバー921内で保護することもできる。
【0089】
なお、上記した実施形態、第1変形例および第2変形例では、それぞれノイズ用コンデンサ434,434a,434bの実装される位置が異なるように構成されるが、これに限られず、例えば実施形態、第1、第2変形例を適宜に組み合わせるようにしてもよい。すなわち、実施形態と第1変形例とを組み合わせ、2個のノイズ用コンデンサ434,434aを備えるようにしてもよい。
【0090】
また、上記では、タンク800内の洗浄水をポンプ910で加圧してジェット吐水口214から吐出させるように構成したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ポンプ910で加圧した洗浄水をリム吐水口212からも吐水させるようにしてもよい。
【0091】
また、上記では、バキュームブレーカ680が切替弁660の上流側に設けられるようにしたが、これに限られず、例えば切替弁660の下流側に設けられるようにしてもよい。
【0092】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。