(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記同期制御部は、前記通信部を介して前記外部装置から当該外部装置の時間情報を取得し、取得した時間情報と前記時間管理部により管理される時間情報とに差がある場合に、当該時間情報の差分を当該外部装置に通知して、同期させることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
予め定められた条件に基づく前記外部装置との通信が正常に行われなかった場合に、当該外部装置が正常に動作していないと判断する判断部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
前記判断部は、予め定められた回数の連続する前記予め定められた時間帯において、前記外部装置との通信が行われない場合に、当該外部装置が正常に動作していないと判断することを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
前記同期制御部による同期制御が行われる前記外部装置との接続において、当該外部装置との通信が正常に行われなかった場合に、当該外部装置が正常に動作していないと判断する判断部をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端末装置と管理装置との間の通信において、管理装置から端末装置に問い合わせを行って情報を収集する方式(いわゆるプル型)では、端末装置の通信機能が、管理装置からの要求の有無に関わらず、要求を受け付けられる状態となっている必要があった。一方、端末装置の主体的な動作により端末装置から管理装置へ情報が送られる方式(いわゆるプッシュ型)では、管理装置は、複数の端末装置から非同期に情報を受信するため、端末装置からの情報を常時受け付けられる状態となっている必要があった。
【0005】
本発明は、端末装置及び端末管理装置の双方における電力の消費効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、
予め定められた時間に通信可能となる外部装置との間で通信を行う通信部と、
前記外部装置が通信可能な時間として設定された時間を含む予め定められた時間帯において前記通信部を制御して当該外部装置と接続し、通信を行う通信制御部と、
を備えることを特徴とする、情報処理装置である。
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、
前記通信制御部は、前記外部装置に通信可能となる前記時間を設定させるための命令を当該外部装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
本発明の
請求項3に係る情報処理装置は、
時間情報を管理する時間管理部と、
前記通信制御部により、予め定められた条件を満足して前記外部装置と接続した際に、前記時間管理部が管理する時間と前記外部装置における時間とを同期させる同期制御部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
本発明の
請求項4に係る情報処理装置は、
前記同期制御部は、前記通信部を介して前記外部装置から当該外部装置の時間情報を取得し、取得した時間情報と前記時間管理部により管理される時間情報とに差がある場合に、当該時間情報の差分を当該外部装置に通知して、同期させることを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理装置である。
本発明の
請求項5に係る情報処理装置は、
予め定められた条件に基づく前記外部装置との通信が正常に行われなかった場合に、当該外部装置が正常に動作していないと判断する判断部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
本発明の
請求項6に係る情報処理装置は、
前記判断部は、予め定められた回数の連続する前記予め定められた時間帯において、前記外部装置との通信が行われない場合に、当該外部装置が正常に動作していないと判断することを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理装置である。
本発明の
請求項7に係る情報処理装置は、
前記同期制御部による同期制御が行われる前記外部装置との接続において、当該外部装置との通信が正常に行われなかった場合に、当該外部装置が正常に動作していないと判断する判断部をさらに備えることを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理装置である。
本発明の
請求項8に係る情報処理装置は、
予め定められた時間に通信可能となる外部装置との間で通信を行う通信部と、
動作モードとして前記通信部の制御を実行する通常モードと当該通信部の制御を実行しない待機モードとを有し、少なくとも前記外部装置が通信可能な時間として設定された時間を含む予め定められた時間帯では通常モードで動作し、当該外部装置と通信を行う通信制御部と、
を備えることを特徴とする、情報処理装置である。
本発明の
請求項9に係る通信システムは、
通信機能を備え、予め定められた
時間に通信可能となる第1の機器と、
前記第1の機器と通信する通信機能を備え、当該第1の機器が通信可能となる時間を含む予め定められた時間帯において通信可能となり、当該第1の機器と通信を行う第2の機器と、
を備えることを特徴とする、通信システムである。
本発明の請求項10に係る通信システムは、
前記第2の機器の前記通信機能は、前記第1の機器に通信可能となる前記時間を設定させるための命令を当該第1の機器に送信することを特徴とする、請求項9に記載の通信システムである。
本発明の
請求項11に係る通信システムは、
前記第1の機器は、予め定められた時間調整条件を満足すると、当該第1の機器における時間情報を前記第2の機器に送信し、
前記第2の機器は、前記第1の機器から取得した当該第1の機器における時間情報と、当該第2の機器における時間情報とに基づき、当該第1の機器における時間情報を同期させることを特徴とする、
請求項9に記載の通信システムである。
本発明の
請求項12に係る通信システムは、
前記第1の機器は、電源の電圧が予め定められた閾値よりも低下した場合に
、通信可能条件に基づく通信を抑制し、複数回の当該通信可能条件の成立に対して1回の通信を実行することを特徴とする、
請求項9に記載の通信システムである。
本発明の
請求項13に係る通信システムは、
通信機能を備え、
予め定められた時間に通信可能となる第1の機器と、
動作モードとして情報処理を行う通常モードと情報処理を行わない待機モードとを有し、前記第1の機器と通信する通信機能を備え、少なくとも当該第1の機器が通信可能となる時間を含む予め定められた時間帯では通常モードで動作し、当該第1の機器と通信を行う第2の機器と、
を備えることを特徴とする、通信システムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、常時通信可能とする構成と比較して、特定の時間帯以外は通信に関する機能への電源供給を抑制することができるため、
外部装置及び情報処理装置の双方における電力消費量の削減を図ることができる。
請求項2の発明によれば、情報処理装置が通信時間を管理しない構成と比較して、複数の外部装置と接続しても通信時間の管理を容易にすることができる。
請求項3の発明によれば、同期制御を行わない構成と比較して、通信対象の外部装置との間で計測時間がずれた場合でも、修正することができる。
請求項4の発明によれば、同期制御において自装置の時間情報を変更する構成と比較して、複数の外部装置と接続する場合であっても、容易に同期制御を行うことができる。
請求項5の発明によれば、通信に基づいて通信対象の外部装置が正常に動作しているか否かを判断しない構成と比較して、正常に動作していないことを報知する手段を有しない外部装置が正常に動作していないことを検知することができる。
請求項6の発明によれば、連続して複数回の通信が行われなかった場合に通信対象の外部装置が正常に動作していないと判断することにより、偶発的な通信の失敗に基づく判断の誤りを回避することができる。
請求項7の発明によれば、同期制御が行われる通信が正常に行われなかった場合に通信対象の外部装置が正常に動作していないと判断することにより、同期制御が行われないために他の通信も正常に行われなくなる事態の発生を回避することができる。
請求項8の発明によれば、常時通信可能とする構成と比較して、特定の時間帯以外は通信に関する機能への電源供給を抑制することができるため、
外部装置及び情報処理装置の双方における電力消費量の削減を図ることができる。
請求項9の発明によれば、常時通信可能とする構成と比較して、特定の時間帯以外は通信に関する機能への電源供給を抑制することができるため、第1の機器および第2の機器の双方において電力消費量の削減を図ることができる。
請求項10の発明によれば、第2の機器が通信時間を管理しない構成と比較して、複数の第1の機器と接続しても通信時間の管理を容易にすることができる。
請求項11の発明によれば、同期制御を行わない構成と比較して、第1の機器における時間情報と第2の機器における時間情報とがずれた場合でも、修正することができる。
請求項12の発明によれば、電源電圧の低下に関わらず通信を継続する構成と比較して、第1の機器の電力の消費を削減して電源を持たせることができるとともに、第1の機器において電源電圧が低下していることを第2の機器が認識することができる。
請求項13の発明によれば、常時通信可能とする構成と比較して、特定の時間帯以外は通信に関する機能への電源供給を抑制することができるため、第1の機器および第2の機器の双方において電力消費量の削減を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<本実施形態が適用されるシステム>
図1は、本実施形態の端末管理システムの全体構成を示す図である。
図1に示す端末管理システム10は、管理サーバ100と、管理対象である端末装置200とを備え、管理サーバ100と端末装置200との間の通信システムを含む。管理サーバ100と端末装置200とは、ネットワーク300を介して接続されている。また、
図1では省略しているが、管理サーバ100自体もネットワーク300を介して他のサーバ(外部サーバ)に接続するようにしてもよい。この場合、管理サーバ100は、ネットワーク上の他のサーバも含む情報システムにおける、いわゆるエッジサーバとして機能する。
【0010】
管理サーバ100は、端末装置200を管理する端末管理装置の一例であり、例えば、パーソナルコンピュータやサーバマシンの他、通信機能を備えた種々の情報処理装置により実現される。例えば、複写機能、画像読み取り機能、印刷機能、FAX通信機能などを有するとともに、ネットワーク300によるデータ通信を行うための通信機能を備えた複合機である画像処理装置を管理サーバ100として用いてもよい。
【0011】
管理サーバ100は、端末装置200を管理し、端末装置200から情報を受信したり、端末装置200へ制御命令を送信したりする。管理サーバ100は、複数の種類のネットワーク回線に接続するために複数のネットワーク・インターフェイスを備えるように構成してもよい。例えば、有線通信によりLAN(Local Area Network)に接続するためのネットワークアダプタと、無線通信によりLANに接続するための無線通信モジュールとを備える構成としてもよい。無線通信モジュールとしては、例えば、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等を用いた無線通信によりLANに接続するための各通信方式に対応した無線通信モジュールをそれぞれ備える構成としてもよい。さらに、ネットワーク・インターフェイスとして、LTE(Long Term Evolution)や3G(3rd Generation)等の回線で接続するための通信モジュールやFAX通信回線(電話回線)で接続するための通信モジュールを設けてもよい。
【0012】
端末装置200は、各種の情報を取得するための情報取得手段と、ネットワーク300を介して通信を行う通信機能とを備えた電子機器である。情報取得手段は、様々な環境情報を温度、湿度、照度、加速度などの物理量として取得する手段であり、例えば、これらの物理量を得る各種のセンサが用いられる。すなわち、端末装置200は、いわゆるセンサ・デバイスである。個々の端末装置200には、端末装置200の種類に応じて、特定のセンサが設けられる。端末装置200は、センサにより得られた情報を、通信機能を用い、ネットワーク300を介して管理サーバ100に送信する。また、各端末装置200の情報取得手段は同じ種類のものに限定されず、端末装置200ごとに種々の情報取得手段や動作手段を有していてよい。さらに、一つの端末装置200は、複数の種類の情報取得手段を有していてもよい。また、本実施形態において、端末装置200は、取得しようとする情報に応じて種々の場所に設置される。そのため、管理サーバ100と端末装置200との物理的な位置関係も様々であり、端末装置200の種類(機種)や設置場所に応じて、管理サーバ100と端末装置200とを接続するための適当な通信回線が選択されるように構成してもよい。
【0013】
ネットワーク300は、管理サーバ100と端末装置200との間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等としてよい。データ通信に用いられる通信回線は、上述したように、有線と無線とを問わず、種々の回線を対象としてよい。また、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続するように構成してもよい。
【0014】
<管理サーバの構成>
図2は、管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
図2に示す管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)102と、RTC(Real-Time Clock)103とを備える。また、管理サーバ100は、記憶手段として、ROM(Read Only Memory)104と、データの書き換えが可能な不揮発性メモリ105と、RAM(Random Access Memory)106とを備える。ROM104にはCPU101が実行するプログラムが格納されており、CPU101は、ROM104からプログラムを読み込んで実行することにより、各種の処理および制御を実行する。さらに、管理サーバ100は、ネットワーク300に接続するためのネットワーク・インターフェイスとして、ネットワークアダプタ107と、無線通信モジュール108とを備える。
【0015】
CPU101は、制御手段として、ネットワーク300への接続や管理サーバ100の各種の機能を制御する。また、CPU101は、処理手段として、ネットワーク300を介して取得されるデータの処理および管理サーバ100の機能に基づく各種の処理を実行する。ASIC102は、予め特定された処理や制御を実行するプロセッサである。ASIC102により実行される処理や制御の具体的な内容は、管理サーバ100の機能や仕様等により特定されるが、例えば、図示しないユーザ・インターフェイスの制御等に用いられる。
【0016】
RTC103は、時間情報である時刻データ(例えば、年、月、日、時、分、秒など)を提示する時計であり、時間情報を管理する時間管理部の一例である。このRTC103は、固有の電源(バッテリ)によりバックアップされている。そのため、RTC103は、管理サーバ100の電源がOFFとなっても時刻データを更新し続ける。
【0017】
ROM104は、上述したように、CPU101が実行するプログラムを格納している。また、ROM104は、CPU101の処理に要するパラメータ等を格納している。不揮発性メモリ105は、例えば、CPU101の処理結果として生成されたデータを保持する。RAM106は、例えば、CPU101の作業メモリとして用いられる。また、RAM106は、例えば、CPU101の処理結果として生成されたデータを一時的に保持するためにも用いられる。
【0018】
ネットワークアダプタ107は、有線通信によりネットワーク300に接続するための接続手段であり、NIC(Network Interface Card)等により実現される。無線通信モジュール108は、無線通信によりネットワーク300に接続するための接続手段である。Wi−FiやBluetooth等、使用する通信方式に応じて複数の無線通信モジュールを設けてもよい。これらの接続手段は、管理サーバ100に対する外部装置である端末装置200や外部サーバ(図示せず)との間で通信を行うための通信部の一例である。
【0019】
なお、
図2に示す構成例は、管理サーバ100のハードウェア構成を例示するものに過ぎず、本実施形態の管理サーバ100の構成は、
図2に示す構成例に限定されるものではない。例えば、本実施形態の管理サーバ100は、ASIC102を備えず、すべての制御や処理をCPU101が担う構成としても良い。また、本実施形態の管理サーバ100は、メモリ構成も
図2に示す構成には限定されない。さらに、本実施形態の管理サーバ100は、CPU101による処理結果を出力するための表示機構およびディスプレイや音声出力機構、操作者(管理者)が命令や情報を入力するための入力デバイス等を備える構成としても良い。
【0020】
図3は、管理サーバ100の機能構成を示す図である。
図3に示すように、管理サーバ100は、時刻情報出力部11と、同期制御部12と、端末設定部13と、センサ・データ取得部14と、通信制御部15と、報知部16とを備える。
【0021】
時刻情報出力部11は、例えば、
図2に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。この時刻情報出力部11は、RTC103から時刻データを取得し、同期命令とともに端末装置200へ送信する。端末装置200が管理サーバ100から送られた時刻データに基づいて自装置の時刻設定を行うことにより、管理サーバ100と端末装置200とが有する時刻情報の同期が図られる。時刻データの送信は、例えば、管理サーバ100と端末装置200との間で、ネットワーク300上で互いを認識するための認証設定(ペアリング)が行われる際に行われる。また、数日ごとや数週間ごとのように、定期的に行っても良い。
【0022】
同期制御部12は、例えば、
図2に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。この同期制御部12は、時間条件設定部の一例であり、管理サーバ100が予め定められた条件を満足して端末装置200と接続した際に、端末装置200に対する同期制御を行う。予め定められた条件としては、例えば、予め定められた時期的条件が考えられる。この場合、同期制御は、例えば、1日に1回、特定の時刻に行っても良いし、数時間ごとに行っても良い。同期制御部12は、同期制御を行うタイミングになると(時期的条件を満足すると)、端末装置200から時刻情報を受信する。この時刻情報は、時刻情報出力部11が送信した時刻データに基づいて同期した端末装置200において計時された時刻を示す情報である。次に、同期制御部12は、端末装置200から受信した時刻情報とRTC103から取得した時刻データとを比較し、差が生じているか否かを判断する。そして、差が生じている場合は、+n秒(n秒早い)、−n秒(n秒遅い)等のような差分の情報を端末装置200へ送信する。端末装置200は、この差分の情報を受け取ると、受け取った情報に基づいて時刻情報を補正する。
【0023】
端末設定部13は、例えば、
図2に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。この端末設定部13は、同期制御を行うタイミング(時期的条件)と、端末装置200が各種のセンサにより取得したデータ(以下、センサ・データ)を管理サーバ100へ送信するタイミングとを設定するための命令を、端末装置200へ送信する。これにより、端末装置200は、この設定命令にしたがって特定されるタイミングで、上記の同期制御に用いられる時刻情報を送信し、また、センサ・データを管理サーバ100へ送信するように設定される。端末装置200がセンサ・データを送信するタイミングは、端末装置200の種類や端末装置200に搭載されるセンサの種類、端末装置200のセンサが環境情報を検知しようとする対象の種類等に応じて設定し得る。例えば、数分ごと、数時間ごと、一日のうちの特定の時刻などのように定め得る。設定命令の送信は、例えば、管理サーバ100と端末装置200との間で認証設定が行われる際に行う。また、時刻情報出力部11により時刻データが端末装置200へ送信される際に、時刻データと共に設定命令を送信してもよい。また、端末装置200によるセンサ・データの送信タイミングの設定変更を行う場合は、例えば、同期制御部12やセンサ・データ取得部14等の動作において管理サーバ100と端末装置200との間の通信が可能なときに、設定命令を送信してもよい。
【0024】
センサ・データ取得部14は、例えば、
図2に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。このセンサ・データ取得部14は、端末設定部13の設定に基づいて端末装置200からセンサ・データが送信されるタイミングに対応する時間帯で、データを受信可能な状態(以下、受信可能状態)となり、この時間帯で端末装置200から送信されたセンサ・データを受け付ける。取得したセンサ・データは、例えば、
図2に示した不揮発性メモリ105やRAM106等の記憶手段に格納される。ここで、センサ・データ取得部14は、端末設定部13により設定された端末装置200からセンサ・データが送信されるタイミングを含む一定の時間幅で、受信可能状態となる。受信可能状態として設定される時間幅は、例えば、管理サーバ100の仕様や端末装置200を含むシステム全体の仕様等に応じて定められる。
【0025】
図4は、センサ・データ取得部14が受信可能状態となる時間帯と、端末装置200がセンサ・データを送信する時間帯(タイミング)との関係を示す図である。
図4に示すように、センサ・データ取得部14が一定の時間幅で受信可能状態となっているときに、端末装置200から管理サーバ100へセンサ・データが送信される。これにより、端末装置200において計測される時刻が管理サーバ100のRTC103により示される時刻に対してずれた場合であっても、ある程度のずれ幅の範囲であれば、端末装置200から送信されたセンサ・データはセンサ・データ取得部14により取得される。
【0026】
通信制御部15は、例えば、
図2に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。この通信制御部15は、ネットワークアダプタ107や無線通信モジュール108を制御し、ネットワーク300を介して端末装置200や外部サーバ(図示せず)との間で通信を行う。すなわち、時刻情報出力部11、同期制御部12、端末設定部13が出力するデータや命令は、通信制御部15の制御により端末装置200へ送信される。また、受信したセンサ・データや時刻情報は、通信制御部15の制御により、センサ・データ取得部14、同期制御部12に送られる。さらに、端末装置200から取得したセンサ・データを処理する外部サーバが存在する場合、通信制御部15は、ネットワーク300を介して外部サーバと接続し、処理対象となるセンサ・データを送信する。
【0027】
報知部16は、例えば、
図2に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。この報知部16は、正常に動作していない端末装置200を検知し、検知した端末装置200の情報を管理サーバ100の操作者(管理者)に報知する。ここで、報知部16は、端末装置200との間における予め定められた条件に基づく通信が正常に行われなかった場合に、この端末装置200が正常に動作していないと判断する。すなわち、報知部16は、端末装置200が正常に動作しているか否かを判断する判断部の一例としても機能する。例えば、センサ・データ取得部14が特定の端末装置200のセンサ・データを受信可能な状態となる時間帯において、予め定められた回数にわたってセンサ・データを受信しなかった場合に、この端末装置200が正常に動作していないと判断するようにしてもよい。また、同期制御部による同期制御が行われる際に、端末装置200から時刻情報を受信しなかった場合に、この端末装置200が正常に動作していないと判断するようにしてもよい。
【0028】
図5は、報知部16が正常に動作していない端末装置200を検知する様子を示す図である。
図5に示す例において、管理サーバ100のセンサ・データ取得部14は、定期的に受信可能状態となる。また、端末装置200は、定期的にセンサ・データを管理サーバ100へ送信する。
図5に示す例では、センサ・データ取得部14は、受信可能状態S1、S2のときに、端末装置200からセンサ・データを受信しているが、受信可能状態S3以降の受信可能状態において端末装置200からセンサ・データを受信していない。そして、受信可能状態S5が終了し、連続する複数回(図示の例では3回)の受信可能状態においてセンサ・データが受信されなかったことが確定すると、報知部16は、この端末装置200が正常に動作していないと判断し、報知を行う。なお、
図5に示す動作例は例示に過ぎず、端末装置200が正常に動作していないと判断するための条件は、図示の例に限定されない。
【0029】
報知部16による正常に動作していない端末装置200の情報の報知は、例えば、管理サーバ100に設けられたディスプレイ(図示せず)等の表示手段に表示してもよいし、ネットワーク300を介して管理サーバ100の操作者(管理者)の操作端末へメッセージを送信して行ってもよい。一例としては、報知部16が、正常に動作していないと判断した端末装置200のリストを作成し、不揮発性メモリ105やRAM106等の記憶手段に保持させる。そして、管理サーバ100に設けられた操作手段(図示せず)の操作を受け付けて、記憶手段に保持しているリストを表示手段に表示する。
【0030】
以上のように、管理サーバ100において、時刻情報出力部11、同期制御部12、端末設定部13およびセンサ・データ取得部14は、いずれも予め定められた時間帯でのみ動作する。また、通信制御部15および報知部16は、各々の機能による制御や処理が実行される場面でのみ動作する。管理サーバ100において、これらの機能により通信部であるネットワークアダプタ107や無線通信モジュール108を制御し得る動作モードを通常モードとし、通信部であるネットワークアダプタ107や無線通信モジュール108の制御を実行しない動作モードを待機モードとする。また、これらの機能に基づく動作が行われていないとき(待機モードのとき)は、さらに、管理サーバ100の動作モードを、不要な機能への電源供給を止める省電力モードへ移行させてもよい。
【0031】
<端末装置の構成>
図6は、端末装置200のハードウェア構成を示す図である。
図6に示す端末装置200は、ASSP(Application Specific Standard Produce)201と、記憶手段としてのROM202およびRAM203とを備える。また、端末装置200は、情報取得手段として照度センサ204、加速度センサ205および温度センサ206を備え、計時手段として発振器207を備え、無線通信によりネットワーク300に接続するためのアンテナ208を備える。
【0032】
ASSP201は、予め特定された処理や制御を実行するプロセッサである。
図6に示す例では、ASSP201にはCPU201aが搭載されている。このため、プログラムによりASSP201の機能を追加したり変更したりすることができる。ROM202は、例えば、ASSP201のCPU201aが実行するプログラムや、ASSP201およびCPU201aの処理に要するパラメータ等を格納している。RAM203は、例えば、ASSP201およびCPU201aの作業メモリとして用いられる。また、RAM203は、例えば、ASSP201およびCPU201aの処理結果として生成されたデータを保持するためにも用いられる。
【0033】
照度センサ204は、端末装置200の周囲の明るさを検知するセンサである。
図6に示す例では、照度センサ204は、I2C(Inter-Integrated Circuit)によりASSP201に接続されている。照度センサ204としては、端末装置200が設置される場所の環境条件等に応じて既存の種々の照度センサを用いてよい。加速度センサ205は、端末装置200の移動や動作に伴って生じる加速度を検知するセンサである。
図6に示す例では、加速度センサ205は、SPI(Serial Peripheral Interface)によりASSP201に接続されている。加速度センサ205としては、端末装置200の動作や端末装置200が設置される場所の環境条件等に応じて既存の種々の加速度センサを用いてよい。温度センサ206は、端末装置200の周囲の温度を検知するセンサである。
図6に示す例では、温度センサ206は、SPI(Serial Peripheral Interface)によりASSP201に接続されている。温度センサ206としては、端末装置200が設置される場所の環境条件等に応じて既存の種々の温度センサを用いてよい。
【0034】
発振器207は、時間を測定するためのクロック信号を生成する。発振器207により生成されたクロック信号を数えることにより、ASSP201は、ある時点からの経過時間を認識する。したがって、ASSP201および発振器207は、時間の経過を計測する計時手段として機能する。
【0035】
アンテナ208は、ASSP201の制御に基づき、無線通信回線によりネットワーク300に接続するための電波の送受信を行う。したがって、ASSP201およびアンテナ208は、端末装置200の通信手段(無線通信モジュール)として機能する。
【0036】
なお、
図6に示す構成例は、端末装置200のハードウェア構成を例示するものに過ぎず、本実施形態の端末装置200の構成は、
図6に示す構成例に限定されるものではない。例えば、
図6に示す構成例では、端末装置200は、照度センサ204、加速度センサ205、温度センサ206の3種類のセンサを有する構成としたが、かかる構成に代えて、1種類または2種類のセンサを有する構成としてもよく、4種類以上のセンサを有する構成としてもよい。また、湿度センサ等の図示されていないセンサを有する構成としてもよい。さらに、各センサとASSP201とを接続するインターフェイス(パス)は、図示のI2CやSPIに限定されない。また、
図6に示す端末装置200は、無線通信回線によりネットワーク300に接続する構成としたが、ネットワークアダプタを設けて有線通信回線によりネットワーク300に接続する構成としてもよい。
【0037】
図7は、端末装置200の機能構成を示す図である。
図7に示すように、端末装置200は、時刻情報設定部21と、計時部22と、情報取得部23と、情報保持部24と、情報送信部25とを備える。
【0038】
時刻情報設定部21は、例えば、
図6に示したASSP201(CPU201a)、RAM203およびアンテナ208により実現される。この時刻情報設定部21は、管理サーバ100の時刻情報出力部11により出力される時刻データを受信し、端末装置200における時刻の設定を行う。具体的には、ASSP201は、受信した時刻データをRAM203に格納する。RAM203に格納された時刻データは、ASSP201における時刻判断の基準となる。時刻データの受信は、例えば、端末装置200と管理サーバ100との間で、ネットワーク300上で互いを認識するための認証設定(ペアリング)が行われる際に行われる。また、数日ごとや数週間ごとのように、定期的に行っても良い。また、時刻情報設定部21は、時間調整条件としての特定の時期的条件に基づいて管理サーバ100の同期制御部12から送信された時刻の差分の情報を受信し、受信した差分の情報に基づき、RAM203に格納されている時刻データを更新する。
【0039】
計時部22は、例えば、
図6に示したASSP201(CPU201a)、RAM203および発振器207により実現される。この計時部22は、発振器207により生成されたクロック信号に基づき経過時間を測定する。また、計時部22は、測定した経過時間と時刻情報設定部21によりRAM203に格納された時刻データとに基づき、端末装置200における現在時刻(時間情報)を特定する。
【0040】
情報取得部23は、例えば、
図6に示した各センサ204、205、206およびASSP201(CPU201a)により実現される。この情報取得部23は、各センサ204、205、206により検知されるセンサ・データを取得する。情報取得部23は、端末装置200の仕様や各センサ204、205、206が環境情報を検知しようとする対象の種類等に応じて、各センサ204、205、206の検知結果を常時取得するようにしても良いし、特定の条件を満足する場合に取得するようにしても良い。
【0041】
情報保持部24は、例えば、
図6に示したASSP201(CPU201a)およびRAM203により実現される。この情報保持部24は、情報取得部23により取得されたセンサ・データを保持する。
【0042】
情報送信部25は、例えば、
図6に示したASSP201(CPU201a)、RAM203およびアンテナ208により実現される。この情報送信部25は、管理サーバ100から受信した設定命令によりそれぞれ特定されるタイミングで、情報保持部24に保持されているセンサ・データや、計時部22により特定された現在時刻の情報を管理サーバ100へ送信する。具体的には、情報送信部25は、設定命令により特定されるセンタ・データを送信するための時期的条件(通信可能条件)に基づき、センサ・データを送信する。通信可能条件としては、例えば、1時間ごと等のように定期的に条件を満足するような設定としてもよい。また、情報送信部25は、設定命令により特定される時刻情報(管理サーバ100の同期制御部12による同期制御で用いられる情報)を送信するための時期的条件(時間調整条件)に基づき、計時部22により特定された現在時刻の情報を送信する。時間調整条件としては、たとえば、1日のうちの特定の時間等のように定期的に条件を満足するような設定としてもよい。通信可能条件および時間調整条件は、管理サーバ100の端末設定部13から送信された設定命令から取得されて、例えば、RAM203に保持される。
【0043】
ここで、情報送信部25が、管理サーバ100へのセンサ・データの送信に失敗した場合を考える。例えば、端末装置200の計時部22が特定した現在時刻と管理サーバ100のRTC103が示す時刻とがずれたために管理サーバ100が受信可能状態でなかった場合、管理サーバ100の電源がOFFとなっていた場合、通信回線に不具合が生じた場合などが考えられる。この場合、送信対象であったセンサ・データを引き続き情報保持部24に保持しておき、次にセンサ・データを送信するタイミングで新たに取得されたセンサ・データと共に送信する制御と、送信対象であったセンサ・データを破棄し、次にセンサ・データを送信するタイミングでは新たに取得されたセンサ・データのみを送信する制御とが考えられる。どちらの制御を適用するかは、例えば、端末管理システム10の仕様、端末装置200の種類や端末装置200に搭載されるセンサの種類、端末装置200のセンサが環境情報を検知しようとする対象の種類等に応じて定められる。
【0044】
以上のように、端末装置200において、管理サーバ100との通信に関する時刻情報設定部21および情報送信部25の動作は、管理サーバ100から受信した設定命令に基づいて特定される時間帯でのみ動作する。したがって、常時、管理サーバ100との通信が可能な状態としておく構成と比較して、端末装置200における電力消費量が抑制される。情報取得部23が、常時センサ204、205、206の検知結果を取得するのではなく、予め定められた条件や規則に従って(例えば一定時間ごとに)情報を取得する構成である場合、情報を取得しないときは、端末装置200の動作モードを、不要な機能への電源供給を止める省電力モードへ移行させてもよい。
【0045】
<管理サーバの適用例>
本実施形態において、管理サーバ100は、ネットワーク300を介して端末装置200に接続し、管理する機能を有する情報処理装置であればよく、例えば、パーソナルコンピュータやサーバマシンの他、通信機能を備えた種々の情報処理装置により実現される。一例として、複写機能、画像読み取り機能、印刷機能、FAX通信機能などを有するとともに、ネットワーク300によるデータ通信を行うための通信機能を備えた複合機である画像処理装置を管理サーバ100として用いた場合の構成について説明する。
【0046】
図8は、管理サーバ100の一例としての複合機の機能構成を示す図である。
図8に示す構成において、管理サーバ100である複合機800は、制御部60を構成するCPU802と、ROM803と、RAM804とを備える。また、複合機800は、記憶部805と、操作部806と、表示部807と、画像読み取り部808と、画像形成部809と、通信部810と、画像処理部811とを備える。これらの各機能部は、バス801に接続され、このバス801を介してデータの授受を行う。
【0047】
操作部806は、ユーザ(使用者)の操作を受け付ける。操作部806は、例えば、ハードウェアキーにより構成される。また、例えば、押圧された位置に応じた制御信号を出力するタッチセンサにより構成される。タッチセンサと後述の表示部807を構成する液晶ディスプレイとを組み合わせたタッチパネルとして構成しても良い。
【0048】
表示部807は、表示手段の一例であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。この表示部807は、CPU802の制御の下、複合機800に関する情報を表示する。また、表示部807は、ユーザが複合機800を操作する際にユーザが参照するメニュー画面を表示する。すなわち、上記の操作部806と表示部807とを組み合わせて、複合機800のユーザ・インターフェイス部として機能する。
【0049】
画像読み取り部808は、いわゆるスキャナ装置により構成され、セットされた原稿上の画像を光学的に読み取り、読み取り画像(画像データ)を生成する。画像の読み取り方式としては、例えば、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED(Light Emitting Diode)光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式が用いられる。
【0050】
画像形成部809は、画像形成手段の一例であり、記録材の一例である用紙に対して、画像形成材を用いて画像データに基づく画像を形成する。記録材に画像を形成する方式としては、例えば、感光体に付着させたトナーを記録材に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録材上に吐出して像を形成するインクジェット方式等が用いられる。
【0051】
通信部810は、ネットワーク300を介して端末装置200に接続するためのネットワーク・インターフェイスを有している。図示は省略しているが、
図2を参照して説明したように、ネットワーク・インターフェイスの例として、ここでは、ネットワークアダプタや無線通信モジュール等が設けられている。また、通信部810は、FAX通信等を行うための通信モジュールが設けられている。さらに、通信部810は、LTEや3Gによる通信を行うためのモジュールを有していてもよい。
【0052】
画像処理部811は、演算手段であるプロセッサと作業用メモリとを備え、画像データが表す画像に色補正や階調補正等の画像処理を施す。なお、プロセッサとして制御部60のCPU802を、作業用メモリとして制御部60のRAM804を、それぞれ兼用しても良い。
【0053】
記憶部805は、記憶手段の一例であり、例えば、ハードディスク装置などの記憶装置により構成される。記憶部805は、画像読み取り部808にて生成された読み取り画像等の画像データを記憶する。さらに、本実施形態の記憶部805は、複合機800と端末装置とを接続するための情報を記憶する。
【0054】
制御部60を構成するCPU802、ROM803およびRAM804において、ROM803は、CPU802により実行されるプログラムを記憶する。CPU802は、ROM803に記憶されているプログラムを読み出し、RAM804を作業エリアにして、プログラムを実行する。また、記憶部805に格納されたプログラムをRAM804に読み込んで、RAM804に読み込んだプログラムをCPU802が実行するようにしても良い。CPU802によりプログラムが実行されることで、上述した複合機800の各機能部を制御するとともに、以下の各機能を実現する。
【0055】
ここで、CPU802によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、管理サーバ100としての複合機800へ提供し得る。また、CPU802によって実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して管理サーバ100としての複合機800に提供するようにしてもよい。
【0056】
図8に示す複合機800を管理サーバ100として用いる場合、時刻情報出力部11、同期制御部12、端末設定部13、センサ・データ取得部14、通信制御部15および報知部16は、例えば、制御部60のCPU802が、ROM803に格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、センサ・データ取得部14が取得したセンサ・データを格納する記憶手段として、例えば、RAM804や記憶部805が用いられる。また、通信制御部15により制御される通信手段として、例えば、通信部810が用いられる。また、報知部16が正常に動作していない端末装置200の情報を報知する表示手段として、例えば、表示部807が用いられる。
【0057】
<管理サーバと端末装置との間の通信における動作例>
図9は、管理サーバ100と端末装置200との間の通信の一態様を示す図である。
図9に示す例では、管理サーバ100は、1時間ごとに一定時間(図示の例では、8時以外の各時間における50分から55分までの5分間)だけ受信可能状態となる。そして、1日のうち、特定の時間では、管理サーバ100は、他の受信可能状態よりも長い時間(図示の例では、8時45分から9時までの15分間)受信可能状態となる。また、端末装置200は、1時間おきに、各時間の50分から55分までの間で設定された時刻にセンサ・データを管理サーバ100へ送信する。そして、上記の特定の時間では、センサ・データの送受信だけでなく、管理サーバ100の同期制御部12による同期制御が行われる。
【0058】
ここで、
図5に示した例では、連続する複数回の受信可能状態においてセンサ・データが受信されなかった場合に、端末装置200が正常に動作していないと判断した。これに対し、
図9に示す動作例において、同期制御が行われる特定の時間(8時45分から9時まで)における受信可能状態で管理サーバ100と端末装置200との間の通信が失敗した場合、同期制御が行われないために他の時間帯での通信にも影響が及ぶ可能性があるため、1回の通信の失敗であっても端末装置200が正常に動作していないと判断するようにしてもよい。
【0059】
なお、
図9に示す動作例は、管理サーバ100と端末装置200との間の通信態様の一例を示すにすぎず、本実施形態の端末管理システム10における管理サーバ100と端末装置200との間の通信態様は、
図9に示す例に限定されない。例えば、
図9に示す例では、24時間にわたって1時間ごとに管理サーバ100と端末装置200との間の通信が行われているが、特定の時間(例えば、21時から翌日の8時まで)は管理サーバ100と端末装置200との間の通信を行わないという制御を行ってもよい。また、管理サーバ100と端末装置200との間の通信が行われる間隔や、管理サーバ100の受信可能状態の時間長は、
図9に示す例に限定されない。
【0060】
<変形例>
本実施形態では、一つの管理サーバ100に対して複数の端末装置200が対応付けられ、各端末装置200から管理サーバ100へセンサ・データ等の送信が行われる。そこで、複数の端末装置200から同時に管理サーバ100への送信が行われた際に送信データの衝突を回避する手段が必要である。一例として、無線LANの通信プロトコルの一つとして用いられるCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)を適用する。CSMA/CAでは、各端末装置200は、通信回線の使用状況を監視しており、通信回線が空いているとき(他の端末装置200による通信が行われていないとき)に自身の通信を行う。そして、通信回線が使用されているときは、各端末装置200は、通信回線が空いてから待ち時間が経過した後に、自身の通信を開始する。待ち時間の長さは、通常、CSMA/CAにおいてランダムに設定される。ただし、一定の待ち時間を固定的に設定してもよい。例えば、CSMA/CAにおいてランダムに設定される待ち時間が5mS(ミリ秒)、10mS、15mSのいずれかである場合、待ち時間を5mSに固定的に設定すれば、10mSや15mSといった待ち時間が割り当てられることはなく、送信待ち状態での電力消費を削減することができる。
【0061】
なお、複数の端末装置200から同時に管理サーバ100への送信が行われた際に送信データの衝突を回避するために適用可能な手段は、上記のCSMA/CAには限定されない。例えば、通信周波数を切り替えながら(周波数ホッピング)、通信可能な周波数によりデータ送信を行ってもよい。その他、通信(特に無線通信)において送信データの衝突を回避するために用いられる既存の種々の手法を用いてよい。
【0062】
上記の実施形態では、管理サーバ100と端末装置200との間で通信を行う時間を設定し、設定された時間に端末装置200からセンサ・データ等を送信する方式(プッシュ型)とした。ここで、外部サーバからの要求等に基づき、設定された時間以外の時間(非同期)に管理サーバ100から端末装置200にアクセスすること(プル型)を考える。この場合、端末装置200において、管理サーバ100から接続要求が行われていることを認識するための仕組みが必要となる。
【0063】
一例として、管理サーバ100から特定のパケット長のデータ送信が行われたことを条件として、端末装置200からセンサ・データ等を管理サーバ100へ送信するように構成してもよい。すなわち、このパケット長による条件は、上述した時期的条件とは別に適用される。この場合、端末装置200は、パケット長を認識する手段(パケット長認識手段)を備える。パケット長認識手段は、例えば、
図2に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。また、パケット長認識手段として、パケット長を認識するための固有の回路を設けてもよい。上記のCSMA/CAでも説明したように、端末装置200は、通信回線の使用状況を監視している。そして、パケット長認識手段が特定のパケット長の通信を検知したならば、時期的条件に関わらず、通信制御部15がセンサ・データ等の送信を実行する。
【0064】
ところで、端末装置200が電池を電源とする場合について考える。この場合、例えば、端末装置200の電池の電圧が一定以下(例えば、予め定められた閾値以下)に低下した(電池が切れそうになった)ことを条件として、通信制御部15が、電池の使用を抑制する特別モードに切り替わる。特別モードでは、通信制御部15は、例えば、設定命令により特定される通信可能条件に基づく送信タイミングを1回(または数回)飛ばしでセンサ・データを送信する。言い換えれば、複数回の通信可能条件に基づく送信タイミングごとに1回、送信を実行するように、センサ・データの送信を抑制する。このようにすることで、管理サーバ100は、特定の端末装置200から、設定したタイミングの1回(または数回)飛ばしでセンサ・データが送信されるようになったならば、その特定の端末装置200の電池が切れそうであることを認識することができる。なお、
図5を参照して説明したように、複数回連続してセンサ・データが受信されなかったことを条件として端末装置200が正常に動作していないと判断する場合は、特別モードでデータ送信を飛ばす回数を、正常に動作していないと判断される回数よりも少なくする。また、
図9を参照して説明したように、必ず通信を行う特定の時間が設定される場合は、この時間のデータ送信は飛ばさないように制御する。
【0065】
なお、本実施形態では、端末装置200の情報送信部25がセンサ・データを管理サーバ100に送信するタイミングを特定する通信可能条件や、情報送信部25が時間情報を管理サーバ100に送信するタイミングを特定する時間調整条件に関して、管理サーバ100の端末設定部13が端末装置200へ設定命令を送信することにより設定することとした。これに対し、これらの条件を別途、予め端末装置200に設定しておくように構成してもよい。具体的には、例えば、端末装置200の製造段階において、
図6に示したROM202に通信可能条件および時間調整条件を格納してもよい。