(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シェードを有するロールシェードと、前記シェードの前端部に設けられるロッドと、前記シェードを案内する2つのガイドレールと、前記ロッドの両端に取り付けられて前記ガイドレールに案内されるスライダを有する2つの第1摺動部材と、シェード角部を支持しかつ前記ガイドレールに案内されるシェード支持部を有する2つの第2摺動部材とを備え、
前記第1摺動部材のスライダと前記第2摺動部材のシェード支持部とは、前記シェードの進退方向に交差する方向に並べられ、かつ前記第1摺動部材のスライダの少なくとも一部及び前記第2摺動部材のシェード支持部の少なくとも一部は、前記ロッドに沿う横方向における前記ロッドの横側に配置されるサンシェード装置であって、
前記第1摺動部材は、前記ロッドの端部に接続されるコネクタと、前記スライダとを備え、
前記スライダは、前記コネクタから前記横方向に延びる第1アームと、前記第1アームから前記横方向及び前記進退方向に交差する縦方向に延びる第2アームとを備え、
前記シェード支持部は、前記スライダの前記第2アームに対して横方向に並べられており、
前記第1摺動部材の前記コネクタは、前記進退方向に延びる挿通溝を有し、
前記第2摺動部材は、前記挿通溝に挿通する挿通部を有し、
前記第1摺動部材の前記コネクタの前記挿通溝は、溝空間内の通路の一部を遮る突起を有し、
前記第2摺動部材の前記挿通部は、挿入方向と反対方向に向かって傾斜する傾斜部を備え、前記傾斜部の端部は、前記挿通部が前記挿通溝に挿入した状態において、前記突起よりも挿入方向の奥側に配置される
サンシェード装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、サンシェード装置においては、シェードが巻き取られた状態における開口面積が大きいことが望ましい。
この点で、従来のサンシェード装置には改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決するサンシェード装置は、シェードを有するロールシェードと、前記シェードの前端部に設けられるロッドと、前記シェードを案内する2つのガイドレールと、前記ロッドの両端に取り付けられて前記ガイドレールに案内されるスライダを有する2つの第1摺動部材と、シェード角部を支持しかつ前記ガイドレールに案内されるシェード支持部を有する2つの第2摺動部材とを備え、前記第1摺動部材のスライダと前記第2摺動部材のシェード支持部とは、前記シェードの進退方向に交差する方向に並べられ、かつ前記第1摺動部材のスライダの少なくとも一部及び前記第2摺動部材のシェード支持部の少なくとも一部は、前記ロッドに沿う横方向における前記ロッドの横側に配置される
サンシェード装置であって、前記第1摺動部材は、前記ロッドの端部に接続されるコネクタと、前記スライダとを備え、前記スライダは、前記コネクタから前記横方向に延びる第1アームと、前記第1アームから前記横方向及び前記進退方向に交差する縦方向に延びる第2アームとを備え、前記シェード支持部は、前記スライダの前記第2アームに対して横方向に並べられており、前記第1摺動部材の前記コネクタは、前記進退方向に延びる挿通溝を有し、前記第2摺動部材は、前記挿通溝に挿通する挿通部を有し、前記第1摺動部材の前記コネクタの前記挿通溝は、溝空間内の通路の一部を遮る突起を有し、前記第2摺動部材の前記挿通部は、挿入方向と反対方向に向かって傾斜する傾斜部を備え、前記傾斜部の端部は、前記挿通部が前記挿通溝に挿入した状態において、前記突起よりも挿入方向の奥側に配置される。
【0006】
この構成によれば、第1摺動部材のスライダと第2摺動部材のシェード支持部とは、進退方向に交差する方向に並べられ、かつ、第1摺動部材のスライダの少なくとも一部及び第2摺動部材のシェード支持部の少なくとも一部が、ロッドの横側に配置される。このため、第1摺動部材のスライダと第2摺動部材のシェード支持部とがロッドの後方(シェードの軸心に向かう方向)に配置される場合に比べて、スライダとシェード支持部とを含む構造体においてロッドよりも後方に突出する部分が占めるスペースを小さくできる。これにより、従来構造に比べて、シェードを更に軸心側に移動させることが可能になり、開口面積を拡大できる。
【0008】
この構成によれば、スライダの第2アームとシェード支持部とが、縦方向に並べられる場合に比べて、スライダとシェード支持部とを含む構造体の縦方向の厚幅を小さくできる。これにより、サンシェード装置を薄型化できる。
【0009】
この構成によれば、第1摺動部材のコネクタの挿通溝に第2摺動部材の挿通部を挿入することにより第1摺動部材と第2摺動部材とが結合される。このように、第1摺動部材に第2摺動部材を組み付ける組み付け作業が簡単である。
【0011】
この構成によれば、第1摺動部材の挿通溝に第2摺動部材の挿通部が挿入されると、第1摺動部材の挿通溝の突起に第2摺動部材の挿通部の傾斜部の端部が引っ掛かり、第1摺動部材から第2摺動部材が離脱し難くなる。
【0012】
(
2)
上記課題を解決するサンシェード装置
は、
シェードを有するロールシェードと、前記シェードの前端部に設けられるロッドと、前記シェードを案内する2つのガイドレールと、前記ロッドの両端に取り付けられて前記ガイドレールに案内されるスライダを有する2つの第1摺動部材と、シェード角部を支持しかつ前記ガイドレールに案内されるシェード支持部を有する2つの第2摺動部材とを備え、前記第1摺動部材のスライダと前記第2摺動部材のシェード支持部とは、前記シェードの進退方向に交差する方向に並べられ、かつ前記第1摺動部材のスライダの少なくとも一部及び前記第2摺動部材のシェード支持部の少なくとも一部は、前記ロッドに沿う横方向における前記ロッドの横側に配置されるサンシェード装置であって、前記第1摺動部材は、前記ロッドの端部に接続されるコネクタと、前記スライダとを備え、前記スライダは、前記コネクタから前記横方向に延びる第1アームと、前記第1アームから前記横方向及び前記進退方向に交差する縦方向に延びる第2アームとを備え、前記シェード支持部は、前記スライダの前記第2アームに対して横方向に並べられており、前記第1摺動部材の前記コネクタは、前記進退方向に延びる挿通溝を有し、前記第2摺動部材は、前記挿通溝に挿通する挿通部を有し、前記第2摺動部材は、前記挿通部から延びて前記コネクタの外側に配置される押込部を備える。
この構成によれば、第1摺動部材のスライダと第2摺動部材のシェード支持部とは、進退方向に交差する方向に並べられ、かつ、第1摺動部材のスライダの少なくとも一部及び第2摺動部材のシェード支持部の少なくとも一部が、ロッドの横側に配置される。このため、第1摺動部材のスライダと第2摺動部材のシェード支持部とがロッドの後方(シェードの軸心に向かう方向)に配置される場合に比べて、スライダとシェード支持部とを含む構造体においてロッドよりも後方に突出する部分が占めるスペースを小さくできる。これにより、従来構造に比べて、シェードを更に軸心側に移動させることが可能になり、開口面積を拡大できる。
この構成によれば、スライダの第2アームとシェード支持部とが、縦方向に並べられる場合に比べて、スライダとシェード支持部とを含む構造体の縦方向の厚幅を小さくできる。これにより、サンシェード装置を薄型化できる。
この構成によれば、第1摺動部材のコネクタの挿通溝に第2摺動部材の挿通部を挿入することにより第1摺動部材と第2摺動部材とが結合される。このように、第1摺動部材に第2摺動部材を組み付ける組み付け作業が簡単である。
この構成によれば、押込部を押すことにより第1摺動部材の挿通溝に第2摺動部材の挿通部を奥まで簡単に挿入できる。
(3)サンシェード装置において、前記第1摺動部材の前記コネクタの前記挿通溝は、溝空間内の通路の一部を遮る突起を有し、前記第2摺動部材の前記挿通部は、挿入方向と反対方向に向かって傾斜する傾斜部を備え、前記傾斜部の端部は、前記挿通部が前記挿通溝に挿入した状態において、前記突起よりも挿入方向の奥側に配置される。
この構成によれば、第1摺動部材の挿通溝に第2摺動部材の挿通部が挿入されると、第1摺動部材の挿通溝の突起に第2摺動部材の挿通部の傾斜部の端部が引っ掛かり、第1摺動部材から第2摺動部材が離脱し難くなる。
【0013】
(6)サンシェード装置において、前記第2摺動部材は、金属板または金属板を含む複合基板で構成される。
この構成によれば、第2摺動部材を樹脂で形成する場合に比べて、第2摺動部材の各部位を薄くできる。これにより、第1摺動部材と第2摺動部材との組立体であるガイドアッセンブリをコンパクトにできる。
【発明の効果】
【0014】
上記サンシェード装置によれば、従来のサンシェード装置に比べ開口面積を大きくできる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜
図10を参照して、サンシェード装置を説明する。
以下の説明で、車両における「車両上下方向」とは、車両が平地に配置されたとき鉛直方向に沿う方向を示す。サンシェード装置において「車両上下方向DZ」とは、サンシェード装置が車両に搭載されたときの姿勢を基準姿勢として、その基準姿勢で車両の車両上下方向に沿う方向である。
【0017】
サンシェード装置において「車両前後方向DY」とは、サンシェード装置が基準姿勢であるときの車両の車両前後方向に沿う方向である。
サンシェード装置において「車両幅方向DX」とは、サンシェード装置が基準姿勢であるときの車両の車両幅方向に沿う方向である。
【0018】
サンシェード装置1は、車両ルーフ開口部の下に取り付けられる。主として、車両のサンルーフ装置の下に取り付けられる。サンシェード装置1は、シェード11を移動させて、遮光面積を拡大及び縮小する。
【0019】
図2に示されるユニットは、2つのサンシェード装置1を有する。2つのサンシェード装置1は、車両前後方向DYに並べられる。前方のサンシェード装置1は、シェード11を前方に展開する。後方のサンシェード装置1は、シェード11を後方に展開する。
【0020】
以下の説明では、シェード11のロッド12(後述参照)が移動する方向を「進退方向DA」という。シェード11が広がるように展開されるときのロッド12の移動方向を「前方」といい、前方の反対方向を後方という。また、ロッド12の長手方向に沿う方向を「横方向DB」という。進退方向DAと横方向DBとに交差する方向を「縦方向DC」という。本実施形態では、「上」は、縦方向DCにおいて車両ルーフ側を意味し、「下」は、縦方向DCにおいて車両床側を意味する。サンシェード装置1において横方向DBの中間点を通り進退方向DAに延びる線を「中間線LM」という。本実施形態では、横方向DB、縦方向DC、及び進退方向DAは、互いに直交する。また、横方向DBにおいて、中間線LMに向かう方向を「内方」といい、「内方」の反対方向を「外方」という。本実施形態では、サンシェード装置1の基準姿勢において、「進退方向DA」と「車両前後方向DY」とが一致し、「横方向DB」と「車両幅方向DX」とが一致し、「縦方向DC」と「車両上下方向DZ」とが一致する。なお、車両における前方と、進退方向DAの前方とは一致しない場合がある。具体的には、
図1における後部に配置されるサンシェード装置1では、前方は、車両における後方と一致する。本実施形態では、「前方」及び「後方」は、サンシェード装置1の進退方向DAにおける「前方」及び「後方」を意味する。
【0021】
サンシェード装置1は、ロールシェード10と、2つの第1摺動部材40と、2つの第2摺動部材50と、第1摺動部材40及び第2摺動部材50を案内する2つのガイドレール20と、を備える。本実施形態では、サンシェード装置1は、さらに、シェード11を引き出す駆動装置3を備える。
【0022】
ロールシェード10は、シェード11と、シェード11を巻く軸心13とを有する。シェード11は、軸心13内に設けられるリトラクタ(図示省略)により、軸心13に巻かれる方向に付勢されている。以下、リトラクタによる付勢力を「巻取付勢力」という。
【0023】
図3及び
図4に示されるように、シェード11の前端部11aには、ロッド12が取り付けられている。具体的には、シェード11の前端部11aがロッド12に巻き付けられている。シェード11の横幅(横方向DBにおける幅長)は、ロッド12の横幅よりも長い。すなわち、シェード11は、ロッド12と同じ幅長の中間部11mと、中間部11mよりも横方向DBの外方の部分である側部11sとを有する。シェード11の横方向の端部は、折り返されている。この折り返し部分(以下、「折返部11d」)は、側部11sに含まれる。シェード11の側部11sの一部分は、ガイドレール20の第2ガイド溝25に収容される(
図10参照)。シェード11の側部11sにおいてロッド12の横側に配置される部分(以下、「シェード角部11g」)は、後述の第2摺動部材50によって支持されて、第2摺動部材50ともに第2ガイド溝25に案内される。シェード角部11gには、2つの袋11eが設けられている。袋11eには、第2摺動部材50のシェード支持部52(後述参照)が挿通する。2つの袋11eは、シェード11の折返部11dに設けられている。具体的には、袋11eは、横方向DBの内方に開口する。また、袋11eは、進退方向に隣接する部分とは、ステッチ11cにより仕切られている。
【0024】
図5に示されるように、横方向DBにおいてロッド12の両端には、第1摺動部材40が取り付けられる。また、横方向DBにおけるロッド12の両端には、第2摺動部材50が取り付けられる。第1摺動部材40及び第2摺動部材50については、後述する。
【0025】
2つのガイドレール20は、車両のルーフに取り付けられる。2つのガイドレール20は、横方向DBにおいてシェード11を挟むように配置される。2つのガイドレール20は、車両前後方向DY(シェード11の進退方向DA)に延びる。また、2つのガイドレール20は、シェード11の軸心13よりも前(進退方向DAにおける前側)に配置される。ガイドレール20の後側の端部(進退方向DAにおける後側)には、シェード11のロッド12を止めるストッパ28が設けられている。ストッパ28は、ロッド12が所定位置(以下「制限位置」)よりも軸心13側に移動することを阻止する。
【0026】
2つのガイドレール20は、進退方向DAにおいて一方側でハウジング30により繋がれ、他方側でフレーム31により繋がれる。フレーム31には、ロールシェード10が配置される。
【0027】
図10に示されるように、ガイドレール20は、スライダ44(後述参照)を案内する第1ガイド溝21と、シェード支持部52を案内する第2ガイド溝25と、動力伝達部材2を案内する2つの第3ガイド溝26とを有する。第1ガイド溝21、第2ガイド溝25、及び第3ガイド溝26は、車両前後方向DY(シェード11の進退方向DA)に延びる。
【0028】
第1ガイド溝21は、第1アームガイド22と、第2アームガイド23とを備える。ガイドレール20の背面視(
図10参照)において、第1アームガイド22は、横方向DBに延び、内方に開口する。第2アームガイド23は、第1アームガイド22に連通し、第1アームガイド22の外端から下方に延びる。第3ガイド溝26は、第2アームガイド23の下部から横方向DBの両側に配置され、かつ第2アームガイド23に連通する。
【0029】
第2ガイド溝25は、第1アームガイド22の下方、かつ、第2アームガイド23に対して横方向DBの内方に配置されている。
第2ガイド溝25は、背面視において、横方向DBに延び、内方に開口する。第2ガイド溝25の開口部には、下方に延びる凸部25aが設けられている。凸部25aは、シェード支持部52の凹部52aに接触し得る。
また、ガイドレール20において進退方向DAの後側の端部には、ストッパ固定部27が設けられる。ストッパ固定部27には、上述のストッパ28が固定される。
【0030】
駆動装置3は、モータ4と、モータ4の回転動力で回転するギア5と、ギア5に噛合してかつ第1摺動部材40に接続される2つの動力伝達部材2とを備える。ギア5は、シェード11の展開領域を挟んで、軸心13の配置部分とは反対側の部材に配置される。具体的には、軸心13がフレーム31に支持されている場合、ギア5は、ハウジング30に取り付けられる。動力伝達部材2は、ベルトまたはケーブルである。一方の動力伝達部材2は、一方の第1摺動部材40に接続される。他方の動力伝達部材2は、他方の第1摺動部材40に接続される。2つの動力伝達部材2は、ギア5の回転により、ギア5の部分では反対方向に移動する。これによって、2つの動力伝達部材2は、ガイドレール20の部分では同じ方向に移動する。動力伝達部材2が前方に移動すると、第1摺動部材40がガイドレール20に沿って前方に移動し、シェード11が展開される。動力伝達部材2が後方に移動すると、第1摺動部材40がガイドレール20に沿って後方に移動し、シェード11が軸心13に巻き取られる。動力伝達部材2の後方の移動により、シェード11のロッド12が制限位置に到達すると、ロッド12の横側に配置されるガイドアッセンブリ39(後述参照)がストッパ28に当接する。このとき、サンシェード装置1の開口面積が最大になる。なお、開口面積とは、シェード11が最も引き出されたときのシェード11による遮光面積と、シェード11が所定量だけ巻き取られてロッド12が任意の位置で停止したときのシェード11による遮光面積との差を示す。
【0031】
図6〜
図8を参照して、第1摺動部材40について説明する。
第1摺動部材40は、ロッド12の端部に接続されるコネクタ41と、スライダ44とを備える。スライダ44は、動力伝達部材2の動力でガイドレール20の第1ガイド溝21に沿って摺動し、第1ガイド溝21により案内される。
【0032】
コネクタ41は、ロッド12の端部が挿入されるロッド挿入室42を有する。ロッド挿入室42は、底壁42aと、底壁42aの上に配置される上壁42bと、上壁42b及び底壁42aの後側(進退方向DAにおける後退側すなわち軸心13側)を繋ぐ縦壁42cと、上壁42b及び底壁42aの横方向DB外側に配置されて上壁42b及び底壁42aを繋ぐ横壁42dとにより区画される。上壁42bには、ロッド12の溝12aに係合する爪42xが設けられている。コネクタ41のロッド挿入室42にロッド12が挿入されてロッド12の溝12aと爪42xとが係合することにより、コネクタ41がロッド12に固定される。
【0033】
コネクタ41は、第2摺動部材50の挿通部51(後述参照)が入る挿通溝43を有する。具体的には、挿通溝43は、横壁42dに設けられる。挿通溝43は、横壁42dにおいて、後面(進退方向DAにおける後側の面)から前方に延びる。
【0034】
図8に示されるように、挿通溝43は、背面視で(後側の面を見る視点で)、縦方向DCに延びる第1溝部43aと、横方向DBに延びる第2溝部43bとを有する。第1溝部43aと第2溝部43bとは連通する。第1溝部43aは、第2摺動部材50の挿通部51の縦板部51y及び弾性部51bが挿通する。第2溝部43bは、第2摺動部材50の底板部51xが挿通する。挿通溝43の第1溝部43aには、突起43cが設けられている。突起43cは、溝空間内の通路の一部を遮る。突起43cは、第1溝部43aにおいて対向する一対の面の一方の面から他方の面に向かって突出する。他方の面と突起43cとの間には、挿通部51が挿通し得る隙間が設けられる。また、突起43cは、第1溝部43aにおいて進退方向DAの後側に配置される。
【0035】
図6に示されるように、第1摺動部材40のスライダ44は、コネクタ41から横方向DBの外方に延びる第1アーム45と、第1アーム45から下方に延びる第2アーム46とを備える。第1アーム45は、第1ガイド溝21の第1アームガイド22に案内される。第2アーム46は、第1ガイド溝21の第2アームガイド23に案内される。
【0036】
図6及び
図7に示されるように、第1アーム45は、上方に湾曲する湾曲部45aを有する。湾曲部45aは、第1アーム45の前部から後部に架け渡される。湾曲部45aは、頂部で、第1アームガイド22に上面22aに接触する(
図10参照)。
【0037】
第2アーム46は、動力伝達部材2が接続される接続部47を有する。接続部47は、第2アーム46の横方向DBにおいて外側または内側に設けられる。具体的には、2つの第1摺動部材40のうち一方の第1摺動部材40においては、第2アーム46の横方向DBの外側に接続部47が設けられ、他方の第1摺動部材40では、第2アーム46の横方向DBの内側に接続部47が設けられる。接続部47は、動力伝達部材2とともに、ガイドレール20の第3ガイド溝26に案内される(
図10参照)。
【0038】
図9を参照して、第2摺動部材50について説明する。
第2摺動部材50は、好ましくは、弾性を有する金属板または金属板を含む複合基板で構成される。金属板として、例えば、鉄板、ステンレス板等が挙げられる。複合基板として、例えば、金属フレームと樹脂とのインサート成形品が挙げられる。
【0039】
第2摺動部材50は、コネクタ41の挿通溝43に挿通する挿通部51と、挿通部51から延びるシェード支持部52と、挿通部51から延びる押込部53とを有する。
挿通部51は、挿入方向(本実施形態では「前方」と一致する。)に延びるベース部51aと、弾性変形可能な弾性部51bとを有する。ベース部51aは、底板部51xと、底板部51xに直交して上方に延びる縦板部51yとを有する。弾性部51bは、ベース部51aの縦板部51yの前部から上に延びて、さらに挿入方向と反対方向(以下、「挿入反対方向」)に延びる。弾性部51bは片持ち支持されているため、変形し易くなっている。また、弾性部51bは傾斜部51dを有する。具体的には、弾性部51bは、挿入反対方向における中間部分で屈曲する。傾斜部51dは、屈曲部51cよりも後方の部分に相当する。傾斜部51dは、挿入反対方向に向かって内方(シェード11側)に傾斜する。傾斜部51dの端部は、挿通部51が挿通溝43に挿入した状態において、突起43cよりも挿入方向の奥側でかつ突起43cに接触可能なところに配置される。
【0040】
シェード支持部52は、ベース部51aの下部から突出する。具体的には、シェード支持部52は、ベース部51aの底板部51xから横方向DBの外方に延びる。2つのシェード支持部52は、進退方向DAに離間して、底板部51xから横方向DBの外方に延びる。シェード支持部52は、横方向DBにおいて下方に凹む凹部52aを有する。シェード支持部52は、シェード11の袋11eに挿通して、シェード角部11gを支持する。
【0041】
押込部53は、ベース部51aの後部に設けられる。具体的には、押込部53は、ベース部51aの下部からベース部51aに直交するように広がる。押込部53は、挿通部51がコネクタ41の挿通溝43に挿通した状態において、コネクタ41の外側に配置される。押込部53の面積は、指で押し込み易い大きさに設定されている。
【0042】
図3及び
図4を参照して、第1摺動部材40に第2摺動部材50を組み付ける方法について説明する。
第1手順において、シェード角部11gの袋11eに第2摺動部材50のシェード支持部52を挿通する(
図4参照)。第2手順において、第1摺動部材40と第2摺動部材50とを結合する。具体的には、ロッド12の端部を第1摺動部材40の前に配置してロッド12の端部をコネクタ41のロッド挿入室42に挿入する。また、第2摺動部材50の挿通部51を第1摺動部材40の後側に配置して挿通部51を第1摺動部材40の挿通溝43に挿入する。以下、このようにして組み立てられた部品をガイドアッセンブリ39という。
【0043】
図10を参照して、ガイドアッセンブリ39について説明する。
ガイドアッセンブリ39がロッド12に取り付けられた状態(以下、「ガイドアッセンブリ39の取付状態」)において、第1摺動部材40のスライダ44の少なくとも一部は、ロッド12の横側に配置される。例えば、スライダ44における進退方向DAにおける1/3以上の部分が、ロッド12の横側に配置され、残り部分がロッド12よりも後方に突出する。また、ガイドアッセンブリ39の取付状態において、第2摺動部材50のシェード支持部52は、ロッド12の横側に配置される。
【0044】
また、ガイドアッセンブリ39の取付状態において、第1摺動部材40のスライダ44と第2摺動部材50のシェード支持部52とは、シェード11の進退方向DAに交差する方向に並べられる。例えば、シェード支持部52は、スライダ44に対して、縦方向DCにおける上方もしくは下方、または横方向DBにおける外方もしくは内方に配置される。本実施形態では、シェード支持部52は、第1摺動部材40の第1アーム45の下方に配置される。すなわち、シェード支持部52と第1アーム45とは縦方向DCに並べられる。また、シェード支持部52は、第2アーム46に対して横方向DBの内方に並べられる。
【0045】
ガイドレール20との関係では、第1摺動部材40及び第2摺動部材50は次のように配置される。
第1摺動部材40の第1アーム45は、ガイドレール20の第1アームガイド22に挿通する。第2アーム46は、ガイドレール20の第2アームガイド23に挿通する。第2アーム46の接続部47は、第3ガイド溝26に挿通する。
第2摺動部材50のシェード支持部52及びシェード支持部52によって支持されるシェード角部11gは、第2ガイド溝25に挿通する。シェード支持部52の凹部52aは、第2ガイド溝25の凸部25aに接触する。
【0046】
次に、サンシェード装置1の作用について説明する。
図5に示されるように、シェード11が軸心13に巻き取られてロッド12が後退すると、ガイドアッセンブリ39が制限位置でストッパ28に当接し、シェード11が止められる。このとき、開口面積が最大になる。開口面積の大きさは、シェード11の前端部11aの停止位置により定まる。開口面積は、シェード11の前端部11aの停止位置が軸心13側に近いほど大きくなる。一方、シェード11の前端部11aの停止位置は、ガイドアッセンブリ39とストッパ28との当接により定まる。したがって、ガイドアッセンブリ39においてロッド12よりも後方に突出する部分の長さが大きくなる程、シェード11の停止位置は軸心13から遠ざかり、開口面積が小さくなる。
【0047】
本実施形態のサンシェード装置1によれば、第1摺動部材40のスライダ44と第2摺動部材50のシェード支持部52とは、シェード11の進退方向DAに交差する方向に並べられる。また、第1摺動部材40のスライダ44の少なくとも一部及び第2摺動部材50のシェード支持部52の少なくとも一部は、横方向(ロッドの長手方向)におけるロッド12の横側に配置される。
【0048】
このため、次の参考例に比べて、スライダ44とシェード支持部52とを含む構造体(本実施形態では、ガイドアッセンブリ39)においてロッド12よりも後方に突出する部分が占めるスペースSXを小さくできる。これにより、参考例に比べて、シェード11を更に軸心13側に移動させることが可能になり、開口面積を拡大できる。参考例とは、第1摺動部材40のスライダ44と第2摺動部材50のシェード支持部52とが、ロッド12の後方(シェード11の軸心13に向かう方向)に配置される構造体を示す。
【0049】
サンシェード装置1の効果を説明する。
(1)サンシェード装置1は、ガイドレール20に案内される第1摺動部材40及び第2摺動部材50を備える。第1摺動部材40は、ロッド12の両端に取り付けられてスライダ44を有する。第2摺動部材50は、シェード角部11gを支持するシェード支持部52を有する。第1摺動部材40のスライダ44と第2摺動部材50のシェード支持部52とは、シェード11の進退方向DAに交差する方向に並べられる。また、第1摺動部材40のスライダ44の少なくとも一部及び第2摺動部材50のシェード支持部52の少なくとも一部は、横方向(ロッド12の長手方向)におけるロッド12の横側に配置される。
【0050】
この構成によれば、上記参考例に比べて、スライダ44とシェード支持部52とを含む構造体(本実施形態では、ガイドアッセンブリ39)においてロッド12よりも後方に突出する部分が占めるスペースSX(
図5参照)を小さくできる。これにより、従来構造に比べて、シェード11を更に軸心13側に移動させることが可能になり、開口面積を拡大できる。
【0051】
(2)第1摺動部材40は、ロッド12の端部に接続されるコネクタ41と、スライダ44とを備える。スライダ44は、コネクタ41から横方向DBに延びる第1アーム45と、第1アーム45から縦方向DCに延びる第2アーム46とを備える。シェード支持部52は、スライダ44の第2アーム46に対して横方向DBに並べられる。
【0052】
この構成によれば、スライダ44の第2アーム46とシェード支持部52とが、縦方向DCに並べられる場合に比べて、スライダ44とシェード支持部52とを含む構造体(本実施形態では、ガイドアッセンブリ39)の縦方向DCの厚幅を小さくできる。これにより、サンシェード装置1を薄型化できる。
【0053】
(3)第1摺動部材40のコネクタ41は、進退方向DAに延びる挿通溝43を有する。第2摺動部材50の挿通部51は、挿通溝43に挿通する。
この構成によれば、コネクタ41の挿通溝43に第2摺動部材50の挿通部51を挿入することにより第1摺動部材40と第2摺動部材50とが結合される。このように、第1摺動部材40に第2摺動部材50を組み付ける組み付け作業が簡単である。
【0054】
(4)サンシェード装置1において、第1摺動部材40のコネクタ41の挿通溝43は、溝空間内の通路の一部を遮る突起43cを有する。第2摺動部材50の挿通部51は、挿入方向と反対方向に向かって傾斜する傾斜部51dを備える。傾斜部51dの端部は、挿通部51が前記挿通溝43に挿入した状態において、突起43cよりも挿入方向の奥側に配置される。この構成によれば、第1摺動部材40の挿通溝43の突起43cに、第2摺動部材50の挿通部51の傾斜部51dの端部が引っ掛かり、第1摺動部材40から第2摺動部材50が離脱し難くなる。
【0055】
(5)サンシェード装置1において、第2摺動部材50は、挿通部51から延びてコネクタ41の外側に配置される押込部53を備える。
この構成によれば、押込部53を押すことにより第1摺動部材40の挿通溝43に第2摺動部材50の挿通部51を奥まで簡単に挿入できる。
【0056】
(6)サンシェード装置1において、第2摺動部材50は、金属板または金属板を含む複合基板で構成される。この構成によれば、第2摺動部材50を樹脂で形成する場合に比べて、第2摺動部材50の各部位を薄くできる。これにより、第1摺動部材40と第2摺動部材50との組立体であるガイドアッセンブリ39をコンパクトにできる。
【0057】
<その他の実施形態>
サンシェード装置1は、実施形態の例に限定されない。
・上記実施形態では、第2摺動部材50のシェード支持部52は、第1摺動部材40のスライダ44の第1アーム45の下に配置されているが、第2摺動部材50のシェード支持部52は、第1摺動部材40のスライダ44の第1アーム45の上に配置され得る。この場合でも、実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
・上記実施形態では、コネクタ41の挿通溝43は横壁42dに設けられているが、挿通溝43の構成はこれに限定されない。例えば、挿通溝43は、コネクタ41の底壁42aまたは上壁42bに設けられ得る。
【0059】
・上記実施形態では、スライダ44は、第1アーム45と第2アーム46とを有するが、スライダ44の構造はこれに限定されない。スライダ44は、横方向DBに延びるアームだけを備えてもよい。また、スライダ44は、第2アーム46に代わる、第1アーム45から上に延びる第3アームを備えてもよい。