特許第6891712号(P6891712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6891712
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】路面清掃車
(51)【国際特許分類】
   E01H 1/04 20060101AFI20210607BHJP
【FI】
   E01H1/04
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-150937(P2017-150937)
(22)【出願日】2017年8月3日
(65)【公開番号】特開2019-27244(P2019-27244A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241588
【氏名又は名称】豊和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】平野 裕貴
【審査官】 小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−011823(JP,U)
【文献】 実開昭61−056302(JP,U)
【文献】 実開昭49−046579(JP,U)
【文献】 特公昭32−006162(JP,B1)
【文献】 実開昭54−051709(JP,U)
【文献】 米国特許第05816766(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシ上に、塵埃等を収集するホッパを備え、前記ホッパの後部に、塵埃等の排出口と、前記排出口を開閉可能な排出ドアと、伸縮動作により前記排出ドアを開閉動作させるアクチュエータとが設けられる一方、前記排出ドアに、前記排出口の閉状態で前記ホッパに設けた被係止部に係止して開動作をロックするラッチを備えた路面清掃車であって、
前記排出ドアに、前記アクチュエータの動作端が連結され、前記アクチュエータの伸縮動作に伴い前記排出ドアを開閉動作させる第1の係止位置と、前記排出口の閉状態で前記第1の係止位置から前記アクチュエータを伸長動作させた第2の係止位置との間を前記動作端が移動可能なガイド部が設けられると共に、前記動作端を前記第1の係止位置へ付勢する付勢手段が設けられ、
前記動作端と前記ラッチとの間に、前記動作端の前記第1の係止位置で前記ラッチを前記被係止部に係止しないロック解除位置に移動させ、前記動作端の前記第2の係止位置で前記ラッチを前記被係止部に係止するロック位置に移動させる連係機構が設けられて、
前記排出ドアによる前記排出口の閉状態で、前記動作端が前記第2の係止位置にあり、前記ラッチが前記ロック位置にある状態から前記アクチュエータを収縮動作させると、前記動作端が前記第1の係止位置に移動することで、前記ラッチは前記連係機構を介して前記ロック解除位置に移動し、前記第1の係止位置からの前記アクチュエータの収縮動作で前記排出ドアが開動作する一方、
前記排出ドアによる前記排出口の開状態で、前記動作端が前記第1の係止位置にあり、前記ラッチが前記ロック解除位置にある状態から前記アクチュエータを伸長動作させると、前記動作端が前記排出ドアを閉動作させた後、前記付勢手段の付勢に抗して前記第2の係止位置に移動することで、前記ラッチは前記連係機構を介して前記ロック位置に移動することを特徴とする路面清掃車。
【請求項2】
前記付勢手段は、コイルバネであることを特徴とする請求項1に記載の路面清掃車。
【請求項3】
前記連係機構は、前記動作端の移動方向と直交方向に延びる連係バーと、前記連係バーと前記動作端とを連結し、前記動作端の移動につれて前記連係バーを回転させる連係部材とを含み、前記連係バーに前記ラッチが連結されて、前記動作端の移動に伴う前記連係バーの回転により、前記ラッチは前記ロック解除位置と前記ロック位置とに回転移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の路面清掃車。
【請求項4】
前記連係部材は、前記動作端側と前記連係バー側とに両端が螺合することで連結され、前記動作端側と前記連係バー側とに対する前記連係部材のねじ込み量の調整により前記連係バーの回転角度を変更することで、前記ラッチの角度が調整可能であることを特徴とする請求項3に記載の路面清掃車。
【請求項5】
前記被係止部は、ローラを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の路面清掃車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミを収集するホッパを備え、ホッパに収集したゴミの排出を、ホッパの前側をリフトさせてホッパの後部に設けた排出ドアを開放して行う路面清掃車に関する。
【背景技術】
【0002】
路面清掃車は、例えば特許文献1に例示されるように、シャシ上に箱状のホッパを備え、ブラシ及びピックアップヘッドで回収された路面上のゴミをホッパに収集するようになっている。ホッパの後部には、油圧シリンダで開閉作動する排出ドアと、排出ドアをロックする掛金(ラッチ)と、ラッチを作動させる油圧シリンダとを備え、ホッパに収集したゴミを排出する際には、ラッチによるロックを解除した後、排出ドアを開き、ホッパの前側をリフトさせれば、開放したホッパの後部からゴミを排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平5−35138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の路面清掃車においては、排出ドアの作動とラッチの作動とにそれぞれ別個の油圧シリンダを設け、油圧回路では切換弁も用いて各油圧シリンダを制御しているため、排出ドアの開閉に係る構造が複雑化し、コストアップに繋がってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、ラッチを有するホッパの排出ドアの開閉に係る構造を簡略化でき、低コストとなる路面清掃車を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シャシ上に、塵埃等を収集するホッパを備え、ホッパの後部に、塵埃等の排出口と、排出口を開閉可能な排出ドアと、伸縮動作により排出ドアを開閉動作させるアクチュエータとが設けられる一方、排出ドアに、排出口の閉状態でホッパに設けた被係止部に係止して開動作をロックするラッチを備えた路面清掃車であって、
排出ドアに、アクチュエータの動作端が連結され、アクチュエータの伸縮動作に伴い排出ドアを開閉動作させる第1の係止位置と、排出口の閉状態で第1の係止位置からアクチュエータを伸長動作させた第2の係止位置との間を動作端が移動可能なガイド部が設けられると共に、動作端を第1の係止位置へ付勢する付勢手段が設けられ、動作端とラッチとの間に、動作端の第1の係止位置でラッチを被係止部に係止しないロック解除位置に移動させ、動作端の第2の係止位置でラッチを被係止部に係止するロック位置に移動させる連係機構が設けられて、
排出ドアによる排出口の閉状態で、動作端が第2の係止位置にあり、ラッチがロック位置にある状態からアクチュエータを収縮動作させると、動作端が第1の係止位置に移動することで、ラッチは連係機構を介してロック解除位置に移動し、第1の係止位置からのアクチュエータの収縮動作で排出ドアが開動作する一方、排出ドアによる排出口の開状態で、動作端が第1の係止位置にあり、ラッチがロック解除位置にある状態からアクチュエータを伸長動作させると、動作端が排出ドアを閉動作させた後、付勢手段の付勢に抗して第2の係止位置に移動することで、ラッチは連係機構を介してロック位置に移動することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、付勢手段は、コイルバネであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、連係機構は、動作端の移動方向と直交方向に延びる連係バーと、連係バーと動作端とを連結し、動作端の移動につれて連係バーを回転させる連係部材とを含み、連係バーにラッチが連結されて、動作端の移動に伴う連係バーの回転により、ラッチはロック解除位置とロック位置とに回転移動することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、連係部材は、動作端側と連係バー側とに両端が螺合することで連結され、動作端側と連係バー側とに対する連係部材のねじ込み量の調整により連係バーの回転角度を変更することで、ラッチの角度が調整可能であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、被係止部は、ローラを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、1つのアクチュエータで排出ドアの開閉動作とラッチの係脱動作とをタイミングをずらせて順番に行うことができる。よって、ラッチを有するホッパの排出ドアの開閉に係る構造を簡略化でき、低コストとなる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、付勢手段としてコイルバネを採用したことで、動作端を簡単且つ確実に第1の係止位置に付勢することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、連係バーと連係部材とを含む連係機構の採用により、アクチュエータの伸縮動作に連係してラッチを回転させて被係止部へ簡単に係脱させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、連係部材のねじ込み量の調整によってラッチの角度が調整できるため、被係止部に対するラッチの係脱を確実に行わせることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、被係止部がローラを備えることで、ラッチの係脱がスムーズに行われる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】路面清掃車の側面図である。
図2】路面清掃車の背面図である。
図3】排出ドアの後面下部の拡大図である。
図4】排出ドアの側面下部でラッチ部分の拡大断面図である(ラッチはロック位置)。
図5】排出ドアの側面下部中央の拡大断面図である(ラッチはロック位置)。
図6】排出ドアの側面下部中央の拡大断面図である(ラッチはロック解除位置)。
図7】ホッパをリフトアップした路面清掃車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、路面清掃車の一例を示す側面図で、路面清掃車1は、シャシ2の上部後側(図1の右側を前方とする。)に、箱状のホッパ3を備える一方、シャシ2の前側下部に、ブラシ4を、後側下部にピックアップヘッド5をそれぞれ上下動可能に備える。6は前輪、7は後輪で、ブラシ4及びピックアップヘッド5を路面へ密着させた状態で、ブラシ4で掃き集められた塵埃等をピックアップヘッド5で吸引し、ダクト8を介してホッパ3に収集する。ホッパ3は、二点鎖線で示すように、図示しないリフト機構により、後端を支点として前側をリフトアップ可能となっている。
【0010】
また、ホッパ3の後板3aは、後方へ行くに従って下降する傾斜面となっており、この後板3aの下側に形成した排出口9が、排出ドア10によって開閉可能となっている。この排出ドア10は、図2にも示すように、上端の左右両側がヒンジ11,11によってホッパ3の後板3aへ回転可能に連結された横長の板状体で、排出ドア10の後面における左右方向の中央には、図3〜5に示すように、排出ドア10の後面と平行な長孔13をそれぞれ備えた左右一対のガイド部としてのガイド板12,12が、所定間隔をおいて上下方向に立設されている。一方、後板3aにおける左右方向の中央上側には、先端部が後方へ突出する左右一対の三角形の支点板14,14が、所定間隔をおいて立設されている。
【0011】
この支点板14,14の先端部間に、アクチュエータとしての油圧シリンダ15のシリンダ本体16の端部が、左右方向を軸にして回転可能に連結されている。そして、油圧シリンダ15のピストンロッド17の先端に設けた動作端18が、ガイド板12,12の間に配置されて、長孔13,13を貫通する左右方向の連結軸19により、長孔13,13に沿って移動可能に連結されている。
よって、油圧シリンダ15のピストンロッド17が収縮して動作端18と一体の連結軸19が長孔13,13の上端に係止すると、排出ドア10がヒンジ11,11を中心として後方へ持ち上げられ、そのままピストンロッド17の収縮につれて上方へ回転して排出口9を開放させることができる。
【0012】
連結軸19は、両端が左右のガイド板12,12の左右外側に突出する長さで形成されて、両端には、上方及び左右外側を開口させた上受け金20,20がそれぞれ連結されている。上受け金20,20の下方で排出ドア10の下部には、上方及び後方を開口させた下受け金21,21がそれぞれ連結されて、上受け金20と下受け金21との間には、付勢手段としてのコイルバネ22がそれぞれ圧縮状態で介在されている。また、上受け金20と下受け金21との間には、コイルバネ22を貫通するネジロッド23がそれぞれ設けられている。このネジロッド23は、上端が上受け金20の内側上面に固定され、下端は下受け金21を貫通しており、下受け金21の下方でネジロッド23には、抜け止め用のナット24が螺合されている。
【0013】
一方、排出ドア10には、排出口9を閉じた状態での排出ドア10の開動作をロック及びロック解除可能な左右の一対のラッチ26,26を、ピストンロッド17の動作端18と連係して動作させる連係機構25が設けられている。
この連係機構25は、排出ドア10の下側で左右方向に延びる連係バー27と、連係バー27と動作端18とを連結し、動作端18の移動につれて連係バー27を回転させる連係部材としての連係ロッド28とを含む。連係バー27は、排出ドア10の下端に下向きに固定された左右のブラケット29,29の先端間を貫通して回転可能に支持されて、連係バー27の両端で各ブラケット29,29の外側に、側面視がL字状のラッチ26の基端が一体に連結されている。この連係バー27の中央には、ラッチ26の基端方向と略直交して後向きに突出する連係片30が一体に設けられている。
【0014】
連係ロッド28は、上下端にネジ部を有し、上端がU字状のジョイント金具31を介して動作端18に、下端が一対のジョイント板32,32を介して連係片30の後端にそれぞれ連結されている。
ジョイント金具31は、動作端18の両側に位置する上端が連結軸19に貫通されることで、動作端18と一体に移動するもので、ジョイント金具31の下部中央には,貫通孔が形成されてその下面には上ナット33が固定されて、上ナット33に連係ロッド28の上端のネジ部が螺合している。
ジョイント板32,32は、下端が止めピン34によって連係片30の後端に連結され、上端は、互いに外向きに連結されてその間に下ナット35が保持されている。この下ナット35に、連係ロッド28の下端のネジ部が螺合している。
【0015】
こうしてジョイント金具31とジョイント板32,32とを介して連係ロッド28が動作端18と連係バー27の連係片30との間に架設され、上ナット33と下ナット35への連係ロッド28のねじ込み量の調整により、連係片30の角度が調整可能となり、連係バー27及びそれと一体のラッチ26の角度が調整できることになる。36,36は、上ナット33及び下ナット35にそれぞれ隣接して連係ロッド28に螺合されることで連係ロッド28の調整位置を固定する固定ナットである。
【0016】
そして、ホッパ3の後部下面には、排出ドア10のラッチ26,26に対応した被係止部40が設けられている。この被係止部40は、ホッパ3の下面からラッチ26,26をそれぞれ左右から挟む位置で下向きに形成される一対の支持板41,41と、支持板41,41の下端間に架設されるローラ42とからなる。
よって、ラッチ26が側面視で連係バー27を中心として左回転すると、図4,5に示すように、ラッチ26の先端26aがローラ42の下側に回り込んでローラ42と係止して排出ドア10の開放をロックする(ロック位置)。
一方、このロック位置からラッチ26が側面視で連係バー27を中心として右回転すると、図6に示すように、ラッチ26の先端26aがローラ42の下側から離れて排出ドア10のロックを解除する(ロック解除位置)。
【0017】
ここでは、排出ドア10が閉じた状態で、動作端18の連結軸19がガイド板12,12の長孔13,13の上端に係止する第1の係止位置では、連係ロッド28を介して連係片30が上側へ引き上げられるため、連係バー27が図4,5において右回転し、ラッチ26,26をロック解除位置に移動させる。
一方、動作端18の連結軸19がガイド板12,12の長孔13,13の下端に係止する第2の係止位置では、連係ロッド28を介して連係片30が下側へ押し下げられるため、連係バー27が図6において左回転し、ラッチ26,26をロック位置に移動させることになる。
【0018】
以上の如く構成された路面清掃車1においては、ブラシ4及びピックアップヘッド5で路面上の塵埃等を収集する際は、油圧シリンダ15のピストンロッド17は、動作端18が第2の係止位置となる伸長状態にあり、ラッチ26,26をローラ42,42に係合するロック位置に維持している。
ここからホッパ3に収集した塵埃等を排出口9から排出する際、ピストンロッド17を収縮させると、連係ロッド28を介して連係片30が引き上げられることで、前述のように連係バー27が右回転し、ラッチ26,26を右回転させる。そして、動作端18が第1の係止位置に達すると、ラッチ26,26はロック解除位置に移動する。この動作端18の移動の際、左右の上受け金20,20が左右のコイルバネ22,22によって上方へ押し上げられるため、動作端18は確実に上昇してラッチ26,26によるロックを解除させる。
【0019】
そのままピストンロッド17が収縮を続けると、ガイド板12,12の長孔13,13の上端に係止した連結軸19がガイド板12,12を介して排出ドア10を上側に持ち上げ、支点板14,14を中心に油圧シリンダ15も上方へ回転しながら排出ドア10をヒンジ11,11を中心に上方へ回転させる。よって、排出口9が開放される。
この状態でホッパ3がリフトアップすると、図7に示すように、ホッパ3内の塵埃等が排出口9から後方へ落下して排出される。
塵埃等の排出が終了すると、ホッパ3をリフトダウンさせると共に、ピストンロッド17を伸長させる。すると、排出ドア10がヒンジ11,11を中心に下方へ回転して排出口9を閉塞する。
このとき、動作端18は、コイルバネ22,22によって長孔13,13の第1の係止位置に付勢されているので、排出ドア10が閉動作する際、動作端18が偶発的に第2の係止位置側へ移動することはない。従って、ラッチ26,26のロック解除位置が維持される。
【0020】
こうして排出ドア10が閉じた後、ピストンロッド17が伸長を続けると、コイルバネ22,22の付勢に抗して動作端18及び上受け金20,20が下降し、連係ロッド28を介して連係片30を押し下げ、前述のように連係バー27を左回転させてラッチ26,26を左回転させる。
そして、動作端18が第2の係止位置に達すると、ラッチ26,26が再びロック位置に復帰して被係止部40,40のローラ42,42に係止し、排出ドア10をロックすることになる。
【0021】
このように、上記形態の路面清掃車1では、排出ドア10に、油圧シリンダ15の動作端18が連結され、油圧シリンダ15の伸縮動作に伴い排出ドア10を開閉動作させる第1の係止位置と、排出口9の閉状態で第1の係止位置から油圧シリンダ15を伸長動作させた第2の係止位置との間を動作端18が移動可能なガイド板12,12が設けられると共に、動作端18を第1の係止位置へ付勢するコイルバネ22,22が設けられ、動作端18とラッチ26,26との間に、動作端18の第1の係止位置でラッチ26,26を被係止部40に係止しないロック解除位置に移動させ、動作端18の第2の係止位置でラッチ26,26を被係止部40に係止するロック位置に移動させる連係機構25が設けられて、排出ドア10による排出口9の閉状態で、動作端18が第2の係止位置にあり、ラッチ26,26がロック位置にある状態から油圧シリンダ15を収縮動作させると、動作端18が第1の係止位置に移動することで、ラッチ26,26は連係機構25を介してロック解除位置に移動し、第1の係止位置からの油圧シリンダ15の収縮動作で排出ドア10が開動作する一方、排出ドア10による排出口9の開状態で、動作端18が第1の係止位置にあり、ラッチ26,26がロック解除位置にある状態から油圧シリンダ15を伸長動作させると、動作端18が排出ドア10を閉動作させた後、コイルバネ22,22の付勢に抗して第2の係止位置に移動することで、ラッチ26,26は連係機構25を介してロック位置に移動するようになっている。
この構成により、1つの油圧シリンダ15で排出ドア10の開閉動作とラッチ26,26の係脱動作とをタイミングをずらせて順番に行うことができる。よって、ラッチ26,26を有するホッパ3の排出ドア10の開閉に係る構造を簡略化でき、低コストとなる。
【0022】
特にここでは、付勢手段をコイルバネ22,22としているので、動作端18を簡単且つ確実に第1の係止位置に付勢することができる。
また、連係機構25を、動作端18の移動方向と直交方向に延びる連係バー27と、連係バー27と動作端18とを連結し、動作端18の移動につれて連係バー27を回転させる連係ロッド28とを含み、連係バー27にラッチ26,26が連結されて、動作端18の移動に伴う連係バー27の回転により、ラッチ26,26はロック解除位置とロック位置とに回転移動することで、油圧シリンダ15の伸縮動作に連係してラッチ26,26を回転させて被係止部40,40へ簡単に係脱させることができる。
さらに、連係ロッド28は、動作端18側の上ナット33と連係バー27側の下ナット35とに両端が螺合することで連結され、上ナット33と下ナット35とに対する連係ロッド28のねじ込み量の調整により連係バー27の回転角度を変更することで、ラッチ26の角度が調整可能であるため、被係止部40に対するラッチ26の係脱を確実に行わせることができる。
加えて、被係止部40がローラ42を備えることで、ラッチ26の係脱がスムーズに行われる。
【0023】
なお、上記形態では、動作端の左右両側にコイルバネを配置しているが、コイルバネは左右何れか一方でもよいし、1つのコイルバネを連係ロッドに外装させて動作端を第1の係止位置に付勢するようにしてもよい。また、付勢手段としてはコイルバネに限らず、ダンパーやガススプリング等も採用できる。
さらに、アクチュエータとしては油圧シリンダ以外に、空圧シリンダやボールねじ等も採用できる。連係機構も、ラッチの数の増減やラッチの形状は勿論、ギヤを用いた構造とする等、適宜変更可能である。
そして、上記形態では、上端をヒンジとした排出ドアを上下方向へ開閉可能に設けているが、左右端をヒンジとして左右方向へ開閉可能とした場合でも、本発明の適用は可能である。
その他、路面清掃車の他の構造も上記形態に限るものではなく、例えばピックアップヘッド以外の塵埃の収集機構を備えたものであっても本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1・・路面清掃車、2・・シャシ、3・・ホッパ、9・・排出口、10・・排出ドア、12・・ガイド板、13・・長孔、15・・油圧シリンダ、16・・シリンダ本体、17・・ピストンロッド、18・・動作端、19・・連結軸、20・・上受け金、21・・下受け金、22・・コイルバネ、25・・連係機構、26・・ラッチ、27・・連係バー、28・・連係ロッド、30・・連係片、31・・ジョイント金具、32・・ジョイント板、40・・被係止部、42・・ローラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7