(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、前端部を凹状に湾曲させた場合にも、照明部から照射される光の照度の均一性を向上させた浴槽用吐水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために構成された本発明によれば、前後方向において凹状に湾曲した内壁面を有する浴槽の内壁面側の上部に設けられ、前後方向において凹状に湾曲した前端部を有する浴槽用吐水装置であって、前端部に設けられた吐水口を有し、吐水口から左右方向に延びた幅広状の湯水を吐出可能な吐水部と、前端部に設けられた光出射口と、左右方向に直線状に設けられ光出射口に向かって前方に横長状の照射光を照射する複数の発光素子と、を有する照明部と、を備え、発光素子同士の左右方向の間隔は、左右方向における端部側が左右方向における中央部側より密となるように配置されたことを特徴としている。
【0010】
この浴槽用吐水装置によれば、発光素子同士の間隔は左右方向における端部側が中央部側より密となるように配置されているため、発光素子から光出射口までの距離が長い端部では照射される光が強くなり、左右端部近傍が暗くなってしまうことを抑制することができる。
したがって、前端部が前後方向に向かって凹状に湾曲した浴槽用吐水装置であっても、吐水装置から照射される光のむらを抑制することができ、吐水される湯水を左右均一に照らすことができ、例えば、左右端部側から吐出される湯水が見え難くなり、左右端部側において、吐水開始時に流速の高い湯水が誤って入浴者の目など入浴者の意図していない身体部位にかかってしまうことで、入浴者に不快感を与えてしまう可能性などを低減することができる。
また、中央部側と端部側とで光のむらを出さないようにするために、例えば減光フィルターなどの追加構成が不要であり、装置をコンパクトにすることができるとともに簡単な構成で実現可能でありコストが安い。
加えて、前後方向において照明部の領域が少ないスペースしか確保できない場合であっても、対応することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、さらに、発光素子同士の間隔は、中央部側から端部側に向けて徐々に密となるように配置されている。
【0012】
この浴槽用吐水装置によれば、発光素子同士の間隔は中央部側から端部側に向けて徐々に密となるように配置されているため、前端部の曲率が大きい光出射口までの距離が、中央部側より長い端部側では、光出射口へ向けて照射する光量を強くすることができる。
したがって、中央部側から端部側へ向かって曲線状に変化していく発光素子から光出射口までの前後方向における直線状の距離に対応するように、照射光は発光素子から光出射口へ届くため、中央部側と端部側とに光の強さに差が出ず、光のむらを抑制できる。
【0013】
本発明において、好ましくは、さらに、照明部は、複数の発光素子の前方に設けられた導光板をさらに有し、導光板は、照射光の光入射面となる後端と、照射光の光出射面となる前端と、を有し、導光板の前端は、前後方向において凹状に湾曲しており、中央部側の発光素子は、中央部側の発光素子により直接照らすことができない導光板内の領域である非照射領域が導光板の中央部側の前端まで到達しないような間隔にて配置されている。
【0014】
この浴槽用吐水装置によれば、発光素子同士の間隔を中央部側より端部側が密となるように発光素子を配置させただけでなく、導光板を設け、照射光の光出射面となる導光板の前端を凹状に湾曲させることで、発光素子から照射された横長状の照射光のうち端部側から進行した光を、より確実に光出射面の端部側に導くことができ、端部側が中央部よりも暗くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
それに加え、中央部側の発光素子は、中央部側の発光素子により直接照らすことができない導光板内の領域である非照射領域が導光板の中央部側の前端まで到達しないような間隔にて配置されているため、発光素子から光出射口までの前後方向における直線状の距離が短い中央部側でも、導光板により光を拡散させることができる。
したがって、中央部側の発光素子から照射される光が光出射口から見た際に粒状に見えてしまうことを抑制でき、光のむらを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の態様によれば、前端部を凹状に湾曲させた場合にも、照明部から照射される光の照度の均一性を向上させた浴槽用吐水装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴槽及び浴槽用吐水装置を模式的に表す斜視図である。
図2は、実施形態に係る浴槽及び浴槽用吐水装置を模式的に表す平面図である。
図1及び
図2に表したように、浴槽用吐水装置10(以下、吐水装置10と称す)は、浴槽100に取り付けて使用される。
【0018】
浴槽100は、浴槽本体102を備える。浴槽本体102は、内壁面104を有する。内壁面104は、入浴者の背中を支持する背もたれ面106を有する。背もたれ面106は、前後方向において凹状に湾曲している。従って、背もたれ面106に連なる上端106aも、同様に、前後方向において凹状に湾曲している。
【0019】
ここで、本願明細書においては、背もたれ面106に背中を当接させた入浴者からみて上方を「上方」とし、下方を「下方」とし、前方を「前方」とし、後方を「後方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0020】
吐水装置10は、浴槽本体102の背もたれ面106側の上部に設けられる。このため、吐水装置10は、前後方向において凹状に湾曲した前端部12を有する。前端部12の湾曲は、背もたれ面106の上端106aの湾曲に対応する。前端部12は、例えば、上端106aに沿って湾曲する。
【0021】
浴槽本体102は、背もたれ面106に設けられた一対の噴射口108を有する。各噴射口108は、背もたれ面106に背中を当接させた入浴者の腰などに向けて湯水を噴射する。各噴射口108は、例えば、入浴者の抗重力筋である脊柱起立筋の位置を狙って湯水を噴射する。これにより、入浴者の腰などに刺激を与え、入浴時のリラクゼーション効果をより高めることができる。この例において、浴槽本体102は、左右に並ぶ2つの噴射口108を有する。噴射口108の数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0022】
図3は、実施形態に係る浴槽用吐水装置を模式的に表す分解斜視図である。
図4は、実施形態に係る浴槽用吐水装置を模式的に表す断面図である。
図4は、
図2のA1−A2線断面を模式的に模式的に表す。
図3及び
図4に表したように、吐水装置10は、吐水部14と、照明部16と、を備える。吐水部14は、前端部12に設けられた吐水口14aを有する。吐水口14aは、左右方向に延びたスリット状の開口である。前端部12に設けられることにより、吐水口14aも、前後方向において凹状に湾曲している。
【0023】
吐水部14は、吐水口14aから左右方向に延びた幅広状(帯状)の湯水を吐出する。吐水部14は、浴槽本体102の内方に向けて湯水を吐出する。すなわち、吐水部14は、前方に向けて湯水を吐出する。吐水部14は、例えば、背もたれ面106に背中を当接させた入浴者の首や肩に向けて湯水を吐出する。これにより、例えば、入浴者の首や肩をより温めたり、入浴者の首や肩にマッサージ効果を付与したりすることができ、入浴時のリラクゼーション効果をより高めることができる。
【0024】
吐水口14aの左右方向の長さは、例えば、20cm以上である。吐水口14aの左右方向の長さは、例えば、人間の首の平均的な幅よりも長い。これにより、背もたれ面106に背中を当接させた入浴者の首や肩に適切に湯水を当てることができる。また、吐水口14aの左右方向の長さは、例えば、浴槽本体102の内部の空間の左右方向の幅よりも短い。これにより、浴槽本体102内に適切に湯水を吐出することができる。
【0025】
照明部16は、前端部12に設けられた光出射口16aを有する。光出射口16aは、左右方向に延びたスリット状の開口である。前端部12に設けられることにより、光出射口16aも、前後方向において凹状に湾曲している。照明部16は、光出射口16aから前方に向けて横長状の光を照射する。これにより、例えば、浴室全体を暗くした場合などにも、吐水部14から吐水される湯水を見易くすることができる。例えば、浴槽100の外観を向上させることができる。
【0026】
吐水部14は、例えば、下側ケース20と、上側ケース22と、を有する。下側ケース20は、板状のケース本体20aと、ケース本体20aから下方に向かって延びる配管部20bと、を有する。配管部20bは、例えば、円筒状である。配管部20bは、ケース本体20aを上下に貫通し、ケース本体20aの下方側と上方側とを連通させる。
【0027】
下側ケース20は、浴槽本体102の背もたれ面106側の上部に取り付けられる。配管部20bは、浴槽本体102の背もたれ面106側の上部に設けられた貫通孔106bに挿通され、浴槽本体102の背もたれ面106側の上部の下方の空間に連通する。配管部20bの外周面には、雄ネジが形成されている。配管部20bには、下方から円筒状のフランジ24が挿通される。フランジ24の内周面には、配管部20bの雄ネジに対応する雌ネジが設けられている。フランジ24は、内周面に設けられた雌ネジを配管部20bの雄ネジに螺合させ、下側ケース20のケース本体20aとともに浴槽本体102の一部を挟み込む。これにより、吐水部14が、浴槽本体102の背もたれ面106側の上部に取り付けられる。
【0028】
上側ケース22は、下側ケース20の上に取り付けられ、下側ケース20とともに吐水口14aを形成するとともに、配管部20bから吐水口14aへと到る内部流路14bを形成する。これにより、配管部20bから湯水を供給することにより、吐水口14aから湯水が吐水される。
【0029】
照明部16は、例えば、光源モジュール30と、導光板32と、カバー34と、を有する。光源モジュール30は、光出射口16aに向けて光を照射する。導光板32は、光源モジュール30の前方に設けられ、光源モジュール30から照射された光を光出射口16aに導く。
【0030】
カバー34は、吐水部14、光源モジュール30、及び導光板32の上に設けられる。カバー34は、例えば、吐水部14の上に取り付けられ、光源モジュール30及び導光板32の上方、両側方、及び後方を覆う。カバー34は、吐水部14の上側ケース22とともに光出射口16aを形成する。これにより、カバー34は、光源モジュール30から出射された光が、光出射口16a以外の部分から外部に漏れ出ることを抑制する。これにより、浴槽100の外観をさらに向上させることができる。
【0031】
この例では、照明部16が、吐水部14の上に設けられている。上記とは反対に、照明部16の上に吐水部14を設けてもよい。この場合、カバー34は、省略してもよい。カバー34は、必要に応じて設けられ、省略可能である。また、この例では、下側ケース20と上側ケース22とカバー34とによって、吐水装置10の前端部12が形成されている。前端部12の構成は、上記に限ることなく、吐水装置10の前端部分を形成する任意の構成でよい。
【0032】
図5は、実施形態に係る浴槽用吐水装置の光源モジュールを模式的に表す分解斜視図である。
図4及び
図5に表したように、光源モジュール30は、光源部40と、放熱板44と、収納ケース46と、を有する。
【0033】
光源部40は、1枚の基板41と、基板41に取り付けられた複数の発光素子42と、から構成されている。
基板41は、矩形状であり、左右方向において直線状に配置されている。換言すると、光出射口16aに向かって、真っすぐ照射光が照射されるように配置されている。
なお、光源部40は、例えば、配線などを介して電気的に接続された複数枚の基板41を有してもよい。
【0034】
発光素子42は、電力の供給に応じて光を照射する光源である。各発光素子42は、基板の表面(前面)41aに並べて取り付けられている。これにより、光源部40は、左右方向に延びた直線状の発光面LSを形成する。この例において、発光面LSは、換言すれば、基板41の表面41aである。発光面LSは、平面状であるため、各発光素子42は、浴槽本体102の内方に向けて横長状の光を照射することができる。
【0035】
各発光素子42には、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)などが用いられる。各発光素子42の種類は、上記に限ることなく、任意の素子でよい。
【0036】
放熱板44は、基板41を支持する。放熱板44は、基板41及び各発光素子42と熱的に結合し、各発光素子42の点灯にともなって発生する熱を放熱する。放熱板44には、例えば、アルミニウムや銅などの熱伝導率の高い金属材料などが用いられる。
【0037】
収納ケース46は、中空状であり、内部の空間に基板41、各発光素子42、及び放熱板44を収納する。収納ケース46は、例えば、内部の空間を密閉することにより、基板41及び各発光素子42の被水を抑制する。
【0038】
収納ケース46は、各発光素子42から照射された光を透過させる光透過窓46aを有する。光透過窓46aは、収納ケース46の前端部分に発光面LSの少なくとも一部と対向するように設けられている。光透過窓46aは、例えば、各発光素子42から照射された光に対して光透過性を有する板状の部材である。光透過窓46aには、例えば、透明な樹脂材料などが用いられる。これにより、収納ケース46の内部の空間を密閉しつつ、収納ケース46の内部に設けられた各発光素子42から照射された光を収納ケース46の外部に出射させることができる。収納ケース46の光透過窓46a以外の部分は、各発光素子42から照射された光に対して光反射性でもよいし、光透過性でもよい。
【0039】
放熱板44は、収納ケース46の内底面に取り付けられる第1板部44aと、第1板部44aの後端から上方に向かって延び、基板41を支持する第2板部44bと、を有する。第2板部44bの上端は、前方側に傾斜している。第2板部44bは、基板41の上端を前方側に傾斜させた状態で、基板41を支持する。これにより、例えば、複数の発光素子42を2列に並べて設けた場合などにも、光源モジュール30の厚さ(上下方向の長さ)を抑えることができる。例えば、光源部40から照射される光の強さ(明るさ)を高めつつ、光源モジュール30の厚さを抑えることができる。
【0040】
第1板部44aは、基板41の表面41aと直交する方向において、基板41の表面41aと対向する。換言すれば、第1板部44aは、発光面LSと対向する。前述のように、放熱板44には、金属材料が用いられる。放熱板44は、各発光素子42から照射された光に対して光反射性である。第1板部44aは、各発光素子42から斜め下方に向けて照射された光を反射させ、前方に向かわせる。これにより、基板41を傾斜させて配置した場合にも、各発光素子42から照射された光を適切に前方に向かわせることができる。
【0041】
放熱板44及び収納ケース46は、光源モジュール30に必要に応じて設けられ、省略可能である。光源モジュール30は、少なくとも光源部40を有していればよい。
【0042】
図6は、実施形態に係る浴槽及び浴槽用吐水装置を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、浴槽100は、例えば、電動ポンプ110と、切替弁112と、ジェットポンプユニット114と、制御部116と、操作部118と、をさらに備える。また、浴槽本体102は、浴槽本体102内に溜められた湯水を吸い込むための吸込み口120を有する。
【0043】
電動ポンプ110は、配管122を介して吸込み口120と接続されている。電動ポンプ110は、吸込み口120から浴槽本体102内の湯水を吸引し、下流側に供給する。電動ポンプ110は、例えば、吸引した湯水に圧力をかけて圧送する機能を有する。電動ポンプ110は、例えば、電気的に駆動される電動モータ(図示せず)に直結されたインペラ(図示せず)の回転により、浴槽本体102内の湯水を吸引し、吸引した湯水を下流側に圧送する。
【0044】
切替弁112は、配管124を介して電動ポンプ110に接続されている。切替弁112は、電動ポンプ110から供給された湯水を吐水装置10の吐水部14側に送る経路と、各噴射口108側に送る経路と、に切り替える。
【0045】
各噴射口108は、配管126を介して切替弁112と接続されている。配管126は、例えば、途中で二股に分岐し、各噴射口108のそれぞれと接続される。これにより、浴槽100では、電動ポンプ110を駆動し、切替弁112を各噴射口108側に切り替えることにより、各噴射口108から湯水が噴射される。
【0046】
ジェットポンプユニット114は、吐水装置10の吐水部14と切替弁112との間の経路上に設けられる。ジェットポンプユニット114は、例えば、吐水部14の直下に設けられる。
【0047】
ジェットポンプユニット114は、貯水部130と、ノズル部132と、を有する。貯水部130は、容器状であり、内部の空間に湯水を貯水可能とする。貯水部130は、配管134を介して吸込み口120と接続されている。これにより、貯水部130には、吸込み口120を介して浴槽本体102から湯水が供給される。すなわち、浴槽本体102に湯水を溜めることにより、貯水部130にも湯水が溜められる。貯水部130は、吸込み口120及び配管134を介して浴槽本体102から供給された湯水を内部に貯水する。貯水部130への湯水の供給は、電動ポンプ110の吸込み口120とは別の吸込み口から供給してもよい。また、貯水部130に供給される湯水は、浴槽本体102内に溜められた湯水に限ることなく、別の給水源から供給された湯水でもよい。
【0048】
また、貯水部130は、配管136を介して切替弁112と接続されるとともに、配管138を介して吐水部14と接続されている。配管136は、例えば、貯水部130の下部に接続される。配管138は、例えば、配管136と対向して貯水部130の上部に接続される。配管136は、貯水部130から上方に向かって延び、吐水部14の配管部20bと接続される。
【0049】
ノズル部132は、貯水部130と配管136との接続部に設けられる。ノズル部132は、切替弁112及び配管136を介して電動ポンプ110から供給された湯水を配管138内に向けて噴射する。これにより、電動ポンプ110から供給された湯水が吐水部14に供給されるとともに、貯水部130内に貯水された湯水が、ジェットポンプ作用によって配管138内に引き込まれ、貯水部130内に貯水された湯水も吐水部14に供給される。これにより、電動ポンプ110を比較的小型にした場合にも大流量の湯水を吐水部14に供給することができる。例えば、電動ポンプ110の最大流量以上の流量の湯水を吐水部14に供給することができる。
【0050】
このように、浴槽100では、電動ポンプ110を駆動し、切替弁112を吐水部14側の経路に切り替えることによって、吐水部14から湯水が吐水される。また、浴槽100では、切替弁112によって吐水部14側及び各噴射口108側の双方を電動ポンプ110と連通させることにより、吐水部14からの湯水の吐水及び各噴射口108からの湯水の噴射を同時に行うことができる。
【0051】
制御部116は、電動ポンプ110、切替弁112、及び操作部118と接続されている。操作部118は、例えば、浴槽本体102や浴室の壁面などに取り付けて使用される。操作部118は、スイッチやセンサなどを有し、入浴者などの操作に応じて、制御部116に種々の操作指示を入力可能である。操作部118は、いわゆるリモコンである。制御部116と操作部118との間の電気的な通信は、有線でもよいし、無線を介して行ってもよい。
【0052】
制御部116は、操作部118から入力された操作指示に応じて、電動ポンプ110及び切替弁112の動作を制御する。制御部116は、各噴射口108からの湯水の噴射を操作部118から指示された場合、電動ポンプ110の駆動を開始し、切替弁112を各噴射口108側に切り替えることにより、各噴射口108から湯水を噴射させる。
【0053】
制御部116は、吐水部14からの湯水の吐水を操作部118から指示された場合、電動ポンプ110の駆動を開始し、切替弁112を吐水部14側に切り替えることにより、吐水部14から湯水を吐水させる。
【0054】
また、制御部116は、吐水部14及び各噴射口108からの同時吐水を操作部118から指示された場合、電動ポンプ110の駆動を開始し、吐水部14側及び各噴射口108側の双方を電動ポンプ110と連通させるように切替弁112を切り替えることにより、吐水部14から湯水を吐水させるとともに、各噴射口108から湯水を噴射させる。
【0055】
そして、制御部116は、吐水部14からの湯水の吐水の停止、又は各噴射口108からの湯水の噴射の停止を指示された場合に、電動ポンプ110の駆動を停止させる。
【0056】
また、制御部116は、吐水装置10の照明部16(光源部40)と接続されている。制御部116は、操作部118から入力された操作指示に応じて、照明部16の点灯及び消灯を切り替える。
【0057】
図7は、実施形態に係る浴槽用吐水装置を模式的に表す平面図である。
図7では、吐水装置10において、カバー34を取り外した状態を模式的に表している。
図7に表したように、導光板32は、光源部40から照射された照射光の光入射面となる後端32aと、照射光の光出射面となる前端32bと、を有する。導光板32の前端32bは、前後方向において凹状に湾曲している。
前端32bにおける湾曲は、前端部12に対応して湾曲する。換言すれば、前端32bは、光出射口16aに対応して湾曲する。前端32bの外形形状は、光出射口16aの外形形状と実質的に同じである。実質的に同じとは、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。光出射口16aは、導光板32の前端32bのみを露出させる。前端32bは、例えば、光出射口16aを塞ぎ、光出射口16aから内部への湯水の浸入を抑制する。
【0058】
後端32aは、例えば、微細な凹凸を有する。後端32aには、例えば、プリズムカットが施されている。これにより、後端32aにおける照射光の反射を抑制し、照射光を効率良く導光板32内に入射させることができる。前端32bは、例えば、微細な凹凸を有する。前端32bには、例えば、シボ加工が施されている。これにより、前端32bにおける照射光の反射を抑制し、照射光を効率良く導光板32から出射させることができる。
【0059】
基板41に取付けられた発光素子42は、左右方向において中央側から端部側に向かうにつれて、隣接する発光素子42までの距離が接近するように配置されている。換言すると、中央側から端部側に向かうにつれて、発光素子42同士の間隔が密になるように配置されている。
【0060】
具体的には、発光素子42は、左右方向において中央側から端部側に向かうにつれて、隣接する発光素子42に対して、左右方向における発光素子42同士の間隔がS1、S2、S3と変化していくように配置されている。
その際、隣接する発光素子42間の長さの関係は、S1>S2>S3となるように配置されている。
【0061】
また、発光素子42から光出射口16aまでの領域には、発光素子42から光出射口16aに向かって照射された照射光により照らされた照射領域Eと、発光素子42同士の間に位置し、発光素子42から光出射口16aに向かって照射された照射光により直接照らすことができない非照射領域Nと、が存在する。
【0062】
ここで、導光板32の前端32bが、前後方向において凹状に湾曲しているため、発光素子42から光出射口16aまでの前後方向における直線状の距離が左右方向において最も短く、発光素子42同士の左右方向の間隔が最も長くなるように配置されている基板41の中央側に取付けられた発光素子42において、発光素子42同士の間隔は、非照射領域Nが導光板32の中央部側の前端まで到達しないような間隔になるように配置されている。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態に係る吐水装置10によれば、発光素子42同士の間隔は左右方向における端部側が中央部側より密となるように配置されているため、発光素子42から光出射口16aまでの距離が長い端部では照射される光が強くなり、左右端部近傍が暗くなってしまうことを抑制することができる。
したがって、前端部12が前後方向に向かって凹状に湾曲した吐水装置10であっても、吐水装置10から照射される光のむらを抑制することができ、吐水される湯水を左右均一に照らすことができ、例えば、左右端部側から吐出される湯水が見え難くなり、左右端部側において、吐水開始時に流速の高い湯水が誤って入浴者の目など入浴者の意図していない身体部位にかかってしまうことで、入浴者に不快感を与えてしまう可能性などを低減することができる。
また、中央部側と端部側とで光のむらを出さないようにするために、例えば減光フィルターなどの追加構成が不要であり、吐水装置10をコンパクトにすることができるとともに簡単な構成で実現可能でありコストが安い。
加えて、前後方向において照明部16の領域が少ないスペースしか確保できない場合であっても、対応することができる。
【0064】
また、発光素子42同士の間隔は中央部側から端部側に向けて徐々に密となるように配置されているため、前端部12の外形形状において曲率が大きい光出射口16aまでの距離が中央部側より長い端部側では、光出射口16aへ向けて照射する光量を強くすることができる。
したがって、中央部側から端部側へ向かって曲線状に変化していく発光素子42から光出射口16aまでの前後方向における直線状の距離に対応するように、光は発光素子42から光出射口16aへ届くため、中央部側と端部側とに光の強さに差が出ず、光のむらを抑制できる。
【0065】
さらに、この吐水装置10によれば、発光素子42同士の間隔を中央部側より端部側が密となるように発光素子42を配置させただけでなく、導光板32を設け、照射光の光出射面となる導光板32の前端を凹状に湾曲させることで、光源部40から照射された横長状の照射光のうち端部側から進行した光を、より確実に光出射面の端部側に導くことができ、端部側が中央部よりも暗くなってしまうことを、より確実に抑制することができる。
それに加え、中央部側の発光素子42は、中央部側の発光素子42により直接照らすことができない導光板32内の領域である非照射領域Nが導光板32の中央部側の前端まで到達しないような間隔にて配置されているため、発光素子42から光出射口16aまでの前後方向における直線状の距離が短い中央部側でも、導光板32により光を拡散させることができる。
したがって、中央部側の発光素子42から照射される光が光出射口16aから見た際に粒状に見えてしまうことを抑制でき、光のむらを抑制することができる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、発光素子42などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。