(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インバータは、交流電力を入力して整流する第1整流部と、前記第1整流部から出力される直流電圧を平滑する第1平滑コンデンサと、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ部とを有し、
前記第1平滑コンデンサに並列に第1外部コンデンサが接続され、
前記第1外部コンデンサの容量は、前記第2所定時間よりも長い第3所定時間の間、前記インバータから前記モータに交流電力を供給可能な容量に設定され、
前記ブレーキ電源装置は、交流電力を入力して整流する第2整流部と、前記第2整流部から出力される直流電圧を平滑する第2平滑コンデンサとを有し、
前記第2平滑コンデンサに並列に第2外部コンデンサが接続され、
前記第2外部コンデンサの容量は、前記第3所定時間の間、前記ブレーキ電源装置から前記ブレーキの電磁ソレノイドに直流電力を供給可能な容量に設定されている、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、異常発生時に適切にブレーキを作動させることができる乗客コンベアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の乗客コンベアは、
無端状に連結された踏段と、
踏段を循環駆動するモータと、
交流電力を入力し、モータを駆動する交流電力を生成して供給するインバータと、
モータの駆動軸の回転を機械的に停止させるブレーキと、
ブレーキを解放させるための直流電力をブレーキの電磁ソレノイドに供給するブレーキ電源装置と、
当該乗客コンベアの軽異常を検知する第1安全装置の作動時に開く第1接点を有する第1電磁継電器と、
当該乗客コンベアの重異常を検知する第2安全装置の作動時に開く第2接点を有する第2電磁継電器と、
励磁電圧が印加されているときに閉じる第3接点を有する第3電磁継電器と、
制御部と、を備え、
制御部は、第1安全装置が作動した場合、インバータに減速信号を出力し、
インバータは、減速信号が出力されたときに、踏段の駆動速度が所定低速度まで第1所定時間で低下するようにモータに交流電力を供給し、
第3接点は、ブレーキ電源装置から出力される直流電力を電磁ソレノイドに供給する第1電源線上に設けられ、
第1接点、第2接点、及び第3電磁継電器が、この順番で、一対の制御電源ライン間に直列に接続され、
直列接続された第2接点及び第3電磁継電器に並列にコンデンサが接続され、
コンデンサの容量が、第1接点が開いたときから第1所定時間よりも長い第2所定時間が経過したときに第3電磁継電器に印加される励磁電圧がなくなって第3接点が開く容量に、設定されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の乗客コンベアによれば、異常発生時に、異常内容に応じて適切にブレーキを作動させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(実施の形態1)
1.構成
図1は、実施の形態1におけるエスカレータの概略側面図である。エスカレータ1は、乗客コンベアの一例である。
【0010】
エスカレータ1は、エスカレータ本体10、モータ20、インバータ30、プログラマブルロジックコントローラ40(以下「PLC40」という)40などを有する。
【0011】
エスカレータ本体10は、建築物の2つの階床F1、F2間に架け渡された状態で設置される。エスカレータ本体10は、無端状に連結された複数の踏段11と、左右一対の無端状のハンドレール12と、モータ20の動力を踏段11及びハンドレール12に伝達する動力伝達機構と、乗り口5及び降り口6の床面をそれぞれ構成するフロアプレート19等を有する。複数の踏段11及びハンドレール12は、インバータ30から供給される電力により駆動されるモータ20の動力により循環駆動される。PLC40は、エスカレータ1の運転を制御する。本実施の形態のエスカレータ1では、階床F1に乗り口5が設けられ、階床F2に降り口6が設けられているものとして説明するが、本発明では階床F2に乗り口5が設けられ、階床F1に降り口が設けられていてもよい。
【0012】
図2は、実施の形態1におけるエスカレータ1のエスカレータ本体10の動力伝達機構等の概略構成を示した図である。
【0013】
動力伝達機構のうち踏段11を駆動する機構は、モータ20の駆動軸にブレーキ21を介して連結された減速機22と、減速機22の出力軸により回転駆動される駆動スプロケット23と、駆動スプロケット23によりメインドライブチェーン24を介して回転駆動される従動スプロケット25とを有する。また、動力伝達機構は、従動スプロケット25に同期して回転駆動されるメインドライブスプロケット26と、メインドライブスプロケット26により踏段ドライブチェーン27を介して回転駆動される被ドライブスプロケット28とを備える。モータ20が駆動されると、その動力が、ブレーキ21、減速機22、駆動スプロケット23、メインドライブチェーン24、従動スプロケット25を介して、メインドライブスプロケット26に伝達され、これにより、メインドライブスプロケット26が回転駆動されるとともに、メインドライブスプロケット26とメイン従動スプロケットとの間に掛け渡された踏段ドライブチェーン27に連結された踏段11が循環駆動される。
【0014】
ブレーキ21は、機械式の所謂メカブレーキであり、モータ20の駆動軸により回転駆動される回転部材と、ブレーキシューと、回転部材へのブレーキシューの圧接及び離反を行わせる電磁ソレノイドとを有する。電磁ソレノイドは、非通電時に、ブレーキシューを回転部材に圧接させ、通電時に、ブレーキシューを回転部材から離間させる。この構成によれば、電磁ソレノイドが非通電状態になると、ブレーキ21が締結状態となる。これにより、モータ20の駆動力が減速機22側に伝達されなくなって、踏段11の循環駆動を停止させることができる。一方、電磁ソレノイドが通電状態となると、ブレーキ21が解放状態となる。これにより、モータ20の駆動力を減速機22側に伝達して、踏段11を循環駆動させることができる。
【0015】
図3は、実施の形態1におけるエスカレータの制御システムの電気的構成を示した図である。
【0016】
エスカレータは、電源装置として、インバータ30、ブレーキ電源装置50、制御電源ラインC−、C+が接続される制御電源装置(図示せず)などを有する。
【0017】
インバータ30は、交流電力を入力し、入力した交流電力の周波数を変換してモータ20に供給する。インバータ30は、整流部31と、平滑コンデンサ32と、インバータ部33とを備え、交流電圧を整流部31で整流し、整流された直流電圧を平滑コンデンサ32で平滑し、インバータ部33で交流電圧に変換して出力する。インバータ30は、PLC40から減速信号を受信したときに、所定の減速度でモータの回転を減速させる。
【0018】
モータ20は、インバータ30から供給される交流電力の周波数に応じた回転数で動作する。これにより、踏段11の駆動速度が、インバータ30から供給される交流電力の周波数に応じて変更される。モータ20は、例えば誘導電動機により構成される。
【0019】
ブレーキ電源装置50は、交流電力を入力し、入力した交流電力を所定DC電圧の直流電力に変換して、ブレーキ21のソレノイドに供給する。ブレーキ電源装置50は、整流部51と、平滑コンデンサ52とを備え、交流電圧を整流部51で整流し、整流された直流電圧を平滑コンデンサ52で平滑して出力する。交流電圧は例えばAC200Vであり、所定DC電圧は例えばDC90Vである。
【0020】
また、エスカレータは、運転制御のための装置として、PLC40と、第1安全装置61、62、63、64と、第2安全装置71、72、73、74と、第1安全装置モニタリレー110と、第2安全装置モニタリレー140と、モータ駆動リレー120と、ブレーキ開閉リレー130と、コンデンサ150などを有する。
【0021】
PLC40は、制御部と記憶部と入出力インタフェースとを有する。記憶部は、例えばフラッシュメモリにより構成され、プログラムや種々のデータを格納している。制御部は、例えばCPU、MPUなどにより構成され、記憶部からプログラム及びデータを読み出し、読み出したプログラム及びデータに基づく演算処理を行う。これにより、PLC40における各種の機能が実現される。入出力インタフェースは、PLC40に接続される各種装置との間で信号を入出力するためのインタフェースであり、信号形式の変換などを行う。なお、制御装置は、汎用的なコンピュータを利用して構成されてもよい。また、制御装置は、電子回路やリレーシーケンス回路などのハードウェアのみにより構成されてもよい。
【0022】
第1安全装置61、62、63、64、及び第2安全装置71、72、73、74は、エスカレータ1を構成する機構などの異常を検出する装置である。
【0023】
第1安全装置61、62、63、64は、例えばインレットガード安全装置、ステップ異常走行検出装置、スカートガード安全装置など、踏段11を緩やかに停止させても大きな問題のない軽異常を検出する安全装置である。第1安全装置61、62、63、64の各々は、平常時に閉じ、異常検知時に開く接点を備える。
【0024】
第2安全装置71、72、73、74は、例えば駆動チェーン安全装置、ステップチェーン安全装置、ステップ欠落検知装置、ハンドレール速度低下検出装置など、踏段11を緊急に停止させる必要がある重異常を検出する安全装置である。第2安全装置71、72、73、74の各々は、平常時に閉じ、異常検知時に開く接点を備える。
【0025】
第1安全装置モニタリレー110は、コイル通電時に(励磁電圧が印加されているときに)閉じる接点110a(メイク接点)を備える。
【0026】
第2安全装置モニタリレー140は、コイル通電時に(励磁電圧が印加されているときに)閉じる2個の接点140a(メイク接点)を備える。
【0027】
モータ駆動リレー120は、コイル通電時に(励磁電圧が印加されているときに)閉じる接点120a(メイク接点)を備える。
【0028】
ブレーキ開閉リレー130は、コイル通電時に(励磁電圧が印加されているときに)閉じる接点130a(メイク接点)を備える。
【0029】
第1安全装置モニタリレー110の接点110a、第2安全装置モニタリレー140の接点140a、及びモータ駆動リレー120が、制御電源ラインC−、C+の間に直列に接続されている。ブレーキ開閉リレー130は、モータ駆動リレー120に並列に接続される。モータ駆動リレー120の接点120aは、インバータ30から出力される交流電力をモータ20に供給する電源線L0上に設けられている。ブレーキ開閉リレー130の接点130aは、ブレーキ電源装置50から出力される直流電力をブレーキ21に供給する電源線L1上に設けられている。
【0030】
コンデンサ150は、直列接続された接点140a及びブレーキ開閉リレー130(モータ駆動リレー120)に並列に接続されている。
【0031】
PLC40(安全装置モニタ端子)には、第1安全装置モニタリレー110の接点110aの一端子が接続されている。PLC40は、第1安全装置モニタリレー110の接点110aが開くと、第1安全装置61、62、63、64の少なくとも1つが作動したと判断し、エスカレータ1の運転を停止させる制御を行う。具体的に、PLC40は、踏段11の駆動速度を定格速度から所定の低速度(例えば3m/min)まで第1所定時間で低下させるために、モータ20を所定の減速度で減速させることを指示する減速信号をインバータ30に出力する。第1所定時間は、例えば1.6秒に設定される。
【0032】
また、本実施の形態では、インバータ30の平滑コンデンサ32に並列に、外付けの外部コンデンサ210が接続されている。外部コンデンサ210の容量は、交流電源(商用電源)の停電の発生時に、接点120aがコンデンサ150から供給される電力により閉じている時間よりも長い第3所定時間の間、モータ20に交流電力を供給可能なように設定されている。第3所定時間は、例えば、第2所定時間が1.8秒である場合、2.0秒に設定される。
【0033】
また、ブレーキ電源装置50の平滑コンデンサ52に並列に、外付けの外部コンデンサ220が接続されている。外部コンデンサ210の容量は、交流電源(商用電源)の停電の発生時に、上記第3所定時間の間、ブレーキ21に交流電力を供給可能な容量に設定される。第3所定時間は、上述のように例えば、2.0秒に設定される。
【0034】
2.動作
本実施の形態のエスカレータの動作を説明する。
(1)安全装置の作動時
(1−1)第1安全装置61、62、63、64の作動時
第1安全装置61、62、63、64のいずれかが作動してそのスイッチがOFFになると、第1安全装置モニタリレー110への通電が停止する。そのため、2個の接点110a(PLC40に接続されている接点110a、並びにモータ駆動リレー120及びブレーキ開閉リレー130に直列に接続されている接点110a)の全てが開く。
【0035】
モータ駆動リレー120及びブレーキ開閉リレー130に直列に接続されている接点110aが開いたとき、モータ駆動リレー120及びブレーキ開閉リレー130に、コンデンサ150から接点140aを介して通電される。したがって、モータ駆動リレー120及びブレーキ開閉リレー130の接点120a及び130aは、接点110aが開いたときに対して、上述した第2所定時間(例えば1.8秒)だけ遅れて開く。
【0036】
PLC40に接続されている接点110aが開くと、PLC40は、第1安全装置61、62、63、64の少なくとも1つが作動したことを認識する。PLC40は、モータ20を所定の減速度で減速させることを指示する減速信号をインバータ30に出力する。インバータ30は、減速信号にしたがってモータ20の回転を減速させるように、モータ20に交流電力を供給する。これにより、踏段11の駆動速度が、定格速度から所定の低速度(例えば3m/min)まで第1所定時間で低下する。ここで、インバータ30とモータ20との間の電源線L0上の接点120aは、上述したように、モータ駆動リレー120への通電が停止したときから第2所定時間後に開く。そのため、少なくとも第2所定時間の間は、インバータ30からモータ20に交流電力を供給することができる。よって、上述のようにインバータ30によるモータ20の減速制御を行って、エスカレータ1(踏段11)を緩やかに停止させることができる。
【0037】
そして、ブレーキ電源装置50とブレーキ21との間の電源線L1上の接点130aが上述した第2所定時間後に開くと、ブレーキ電源装置50からブレーキ21への直流電力の供給が遮断され、ブレーキ21が締結される。これにより、エスカレータ1(踏段11)の停止状態を、ブレーキ21により機械的に維持することができる。
【0038】
(1−2)第2安全装置71、72、73、74の作動時
第2安全装置71、72、73、74のいずれかが作動してそのスイッチがOFFになると、第2安全装置モニタリレー140への通電が停止し、接点140aが開く。そのため、コンデンサ150から、モータ駆動リレー120及びブレーキ開閉リレー130には通電されない。そのため、モータ駆動リレー120及びブレーキ開閉リレー130の接点120a及び130aは、即座に開く。したがって、即座にモータ20及びブレーキ21への通電が停止してモータ20が停止しかつブレーキ21が締結される。そのため、重異常の発生時において、迅速にエスカレータ1の保護及び安全を図ることができる。また、エスカレータ1(踏段11)の停止状態を、ブレーキ21により機械的に維持することができる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、異常発生時に、異常内容が軽異常か重異常に応じて適切にブレーキ21を作動させることができる。
【0040】
従来、安全装置作動時には、異常内容に関係なく即座にブレーキが締結され、かつモータへの電源供給が遮断されていたが、即座に停止させると、乗込率が小さいとき(利用者が少ないとき)などに減速度が大きくなって特に高齢の利用者が転倒する虞があり、改善が望まれていた。本実施の形態では、重故障と比べて停止の緊急性が低い軽異常のときには緩やかに停止させるので、上記の虞が軽減される。
【0041】
また、モータ駆動リレー120及びブレーキ開閉リレー130の接点120a及び130aの開閉タイミングを、プログラムにより制御されるPLC40でなく、リレーシーケンス回路及びコンデンサ150などのハードウェアにより制御することができる。また、プログラムの異常が発生した場合でも、ブレーキ21を締結させるべきときに適切に作動させることができる。
【0042】
(2)停電発生時
本実施の形態では、前述したように、ブレーキ電源装置50に外付けの外部コンデンサ220が接続されている。停電発生時、ブレーキ電源装置50は、外部コンデンサ220に蓄電されている電力をブレーキ21の電磁ソレノイドに供給する。外付けの外部コンデンサ220の容量は、前述したように、停電発生時において、第1所定時間及び第2所定時間よりも長い第3所定時間の間、ブレーキ21の電磁ソレノイドに直流電力を供給可能な容量に設定されている。そのため、停電時においても、ブレーキ電源装置50は、インバータ30によるモータ20の減速制御が行われる第1所定時間(第2所定時間であってもよい)よりも長い第3所定時間の間、ブレーキ21を解放状態に維持できる。
【0043】
また、本実施の形態では、インバータ30に外付けの外部コンデンサ210が接続されている。停電発生時、インバータ30は、コンデンサ150に蓄電されている電力を利用して、モータ20に供給する交流電力を生成する。外付けの外部コンデンサ210の容量は、前述したように、停電発生時において、第1所定時間及び第2所定時間よりも長い第3所定時間の間、インバータ30からモータ20に交流電力を供給可能な容量に設定されている。そのため、停電時においても、インバータ30からモータ20に交流電力を供給することができる。よって、停電時においても、上述のようにインバータ30によるモータ20の減速制御を行って、エスカレータ1(踏段11)を緩やかに停止させることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、停電時においても、上述のようにインバータ30によるモータ20の減速制御を行って、エスカレータ1(踏段11)を緩やかに停止させることができる。
【0045】
また、インバータ30及びブレーキ電源装置50に外付けの外部コンデンサ210、220を接続する構成を採用したことで、無停電電源装置やバッテリーなどを設ける場合と異なり、シンプルな機器構成で上記の作用/効果を得ることができる。
【0046】
従来、停電時には、即座にブレーキが締結され、かつモータへの電源供給が遮断されていたが、即座に停止させると、上述した転倒などの虞があった。本実施の形態では、停電時においても、外部コンデンサ210、220の電力を利用してエスカレータ1(踏段11)を緩やかに停止させることができるので、上記の虞が軽減される。
【0047】
(実施の形態についてのまとめ)
(1)実施の形態1のエスカレータ1(乗客コンベアの一例)は、
無端状に連結された踏段11と、
踏段11を循環駆動するモータ20と、
交流電力を入力し、モータ20を駆動する交流電力を生成して供給するインバータ30と、
モータ20の駆動軸の回転を機械的に停止させるブレーキ21と、
ブレーキ21を解放させるための直流電力をブレーキ21の電磁ソレノイドに供給するブレーキ電源装置50と、
当該エスカレータ1の軽異常を検知する第1安全装置61、62、63、64の作動時に開く接点110a(第1接点)を有する第1安全装置モニタリレー110(第1電磁継電器)と、
当該エスカレータ1の重異常を検知する第2安全装置71、72、73、74の作動時に開く接点140a(第2接点)を有する第2安全装置モニタリレー140(第2電磁継電器)と、
励磁電圧が印加されているときに閉じる接点130a(第3接点)を有するブレーキ開閉リレー130(第3電磁継電器)と、
PLC40(制御部)と、を備え、
PLC40は、第1安全装置61、62、63、64(のうちの少なくとも1つ)が作動した場合、インバータ30に減速信号を出力し、
インバータ30は、減速信号が出力されたときに、踏段11の駆動速度が所定低速度まで第1所定時間で低下するようにモータ20に交流電力を供給し、
接点130aは、ブレーキ電源装置50から出力される直流電力をブレーキ21の電磁ソレノイドに供給する電源線L1上に設けられ、
接点110a、接点140a、及びブレーキ開閉リレー130が、この順番で、一対の制御電源ラインC−,C+間に直列に接続され、
直列接続された接点140a及びブレーキ開閉リレー130に並列にコンデンサ150が接続され、
コンデンサ150の容量が、接点110aが開いたときから第1所定時間よりも長い第2所定時間が経過したときにブレーキ開閉リレー130に印加される励磁電圧がなくなって接点130aが開く容量に、設定されている。
【0048】
実施の形態1のエスカレータ1によれば、異常発生時に、異常内容に応じて適切にブレーキ21を作動させることができる。
【0049】
(2)実施の形態1のエスカレータ1において、
インバータ30は、交流電力を入力して整流する整流部31(第1整流部)と、整流部31から出力される直流電圧を平滑する平滑コンデンサ32(第1平滑コンデンサ)と、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ部33とを有し、
平滑コンデンサ32に並列に外部コンデンサ210(第1外部コンデンサ)が接続され、
外部コンデンサ210の容量は、停電発生時において、第2所定時間よりも長い第3所定時間の間、インバータ30からモータ20に交流電力を供給可能な容量に設定され、
ブレーキ電源装置50は、交流電力を入力して整流する整流部51(第2整流部)と、整流部51から出力される直流電圧を平滑する平滑コンデンサ52(第2平滑コンデンサ)とを有し、
平滑コンデンサ52に並列に外部コンデンサ220(第2外部コンデンサ)が接続され、
外部コンデンサ220の容量は、停電発生時において、第3所定時間の間、ブレーキ21の電磁ソレノイドに直流電力を供給可能な容量に設定されている。
【0050】
この構成によれば、停電時において最長で第3所定時間の間、ブレーキ21を解放させかつインバータ30によりモータ20の減速制御を行うことができる。
【0051】
(その他の実施の形態)
(A)
前記実施の形態のエスカレータ1は、本発明の乗客コンベアの一例である。本発明において、乗客コンベアは、一の階床において水平あるいは斜めに配置されたいわゆる動く歩道等の乗客コンベアであってもよい。