【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、電動機システム(10)を対象とする。前記電動機システム(10)は、駆動軸(19)と、互いに対向して前記駆動軸(19)を支持する第1磁気軸受部(40A,50A)及び第2磁気軸受部(40B,50B)と、前記駆動軸(19)を回転させる電動機(20)と、前記駆動軸(19)の位置を検知するギャップ検出部(70)と、を備え、前記駆動軸(19)の回転時において、前記駆動軸(19)には、前記第2磁気軸受部(40B,50B)側から前記第1磁気軸受部(40A,50A)側へ向かう第1方向(X1)に前記第1磁気軸受部(40A,50A)側から前記第2磁気軸受部(40B,50B)側へ向かう第2方向(X2)よりも平均的に大きな外力(F0)が作用しており、前記第1磁気軸受部(40A,50A)は、前記駆動軸(19)に対して、前記第1方向(X1)に磁力(F1)を作用させており、前記第2磁気軸受部(40B,50B)は、前記駆動軸(19)に対して、前記第2方向(X2)に磁力(F2)を作用させており、前記第2磁気軸受部(40B,50B)が前記駆動軸(19)に対して作用可能な磁力(F2)の大きさは、前記第1磁気軸受部(40A,50A)が前記駆動軸(19)に対して作用可能な磁力(F1)の大きさよりも大きく、前記ギャップ検出部(70)は、前記第1磁気軸受部(40A,50A)よりも前記第2磁気軸受部(40B,50B)の近くに配置される。
【0008】
第1の態様では、互いに対向して駆動軸(19)を支持する一対の磁気軸受部(40A,40B,50A,50B)によって駆動軸(19)の位置を好適に制御することが可能な電動機システム(10)を提供することができる。
【0009】
また、ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ3,δ6)を、第2磁気軸受部(40B,50B)のギャップ長(δ2,δ5)に、極力近づけることができる。このため、第2磁気軸受部(40B,50B)のギャップ長(δ2,δ5)を調整するのに、ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ3,δ6)を、補正値や推定則等を極力用いることなく、略直接用いることができる。また、ギャップ検出部(70)を複数用意する必要がないので、制御システムを簡素化することができる。
【0010】
本開示の第2の態様は、第1の態様の電動機システム(10)において、前記第1磁気軸受部(40A,50A)及び前記第2磁気軸受部(40B,50B)は、前記駆動軸(19)の軸方向に並んだ第1スラスト磁気軸受部(50A)及び第2スラスト磁気軸受部(50B)であり、前記電動機(20)は、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)と前記第2スラスト磁気軸受部(50B)との間に配置されており、前記ギャップ検出部(70)は、前記駆動軸(19)の軸方向位置を検知しており、前記第1方向(X1)は、前記駆動軸(19)の一端(19a)から他端(19b)へ向かう方向であり、前記第2方向(X2)は、前記駆動軸(19)の他端(19b)から一端(19a)へ向かう方向である。
【0011】
第2の態様では、2つのスラスト磁気軸受部(50A,50B)が互いに離れて配置された場合であっても、駆動軸(19)の軸方向位置の制御が可能な電動機システム(10)を提供することができる。
【0012】
本開示の第3の態様は、第2の態様の電動機システム(10)において、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)のギャップ長(δ1)の変動量と前記第2スラスト磁気軸受部(50B)のギャップ長(δ2)の変動量とが互いに異なる場合に、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)のギャップ長(δ2)の変動量は、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)のギャップ長(δ1)の変動量よりも小さい。
【0013】
第3の態様では、第2スラスト磁気軸受部(50B)のギャップ長(δ2)を微調整することができる。
【0014】
本開示の第4の態様は、第3の態様の電動機システム(10)において、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)のギャップ長(δ2)の変動量が、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)のギャップ長(δ1)の変動量よりも小さくなるように、少なくとも前記第2スラスト磁気軸受部(50B)の磁力(F2)を制御する制御部(91)をさらに備える。
【0015】
第4の態様では、仮に第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)を制御しなくても、第2スラスト磁気軸受部(50B)の磁力(F2)を制御することによって、第2スラスト磁気軸受部(50B)のギャップ長(δ2)の変動量を、小さくすることができる。
【0016】
本開示の第5の態様は、第4の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、任意のタイミングにおいて、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)の磁力(F2)の振幅(A2)を、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)の振幅(A1)よりも大きくなるように、制御する。
【0017】
第5の態様では、外力(F0)で第1方向(X1)に移動しようとする駆動軸(19)を、第2スラスト磁気軸受部(50B)によって、任意のタイミングで、第2方向(X2)に移動させることができる。このため、仮に第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)を制御しなくても、第2スラスト磁気軸受部(50B)によって、駆動軸(19)の軸方向位置を微調整することができる。
【0018】
本開示の第6の態様は、第4又は5の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ3)に応じて、前記駆動軸(19)を所定の軸方向位置に位置付けるように、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)の磁力(F2)を制御する。
【0019】
第6の態様では、仮に第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)を制御しなくても、第2スラスト磁気軸受部(50B)によって、駆動軸(19)を所定の軸方向位置に位置付けることができる。
【0020】
本開示の第7の態様は、第4〜6のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)の磁力(F2)を、前記ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ3)に応じて、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)に流す電流(I2)の大きさを調整することによって、制御する。
【0021】
第7の態様では、仮に第1スラスト磁気軸受部(50A)に流す電流(I1)の大きさを調整しなくても、駆動軸(19)の軸方向位置を制御することができる。
【0022】
本開示の第8の態様は、第6又は7の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、一定の磁力(F1)を前記駆動軸(19)に対して作用させるように、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)を制御する。
【0023】
第8の態様では、第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)をギャップ検出部(70)のギャップ長(δ3)にかかわらず一定とすることで、ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ3)に応じて制御する対象を第2スラスト磁気軸受部(50B)のみとすることができる。
【0024】
本開示の第9の態様は、第4〜8のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記駆動軸(19)の回転時における前記第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)の大きさを、前記駆動軸(19)の非回転時における前記第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)の大きさよりも、小さくなるように制御する。
【0025】
駆動軸(19)の回転時において、駆動軸(19)は第1方向(X1)に移動しようとするので、第1スラスト磁気軸受部(50A)による第1方向(X1)の磁力(F1)は、小さくてもよい。第9の態様では、駆動軸(19)の回転時において、第1スラスト磁気軸受部(50A)が駆動軸(19)に作用させる無駄な磁力(F1)を、極力小さくすることができる。
【0026】
本開示の第10の態様は、第9の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記駆動軸(19)の回転時において、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)の磁力(F1)の大きさをゼロにする。
【0027】
第10の態様では、第1スラスト磁気軸受部(50A)が駆動軸(19)に作用させる無駄な磁力(F1)を、一切なくすことができる。
【0028】
本開示の第11の態様は、第2〜7のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)は、前記駆動軸(19)に対して永久磁石(100)のみによる磁力(F1)を作用させる。
【0029】
第11の態様では、第1スラスト磁気軸受部(50A)の構成を簡単にすることができる。
【0030】
本開示の第12の態様は、第2〜11のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)は、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)のギャップ長(δ1)、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)のギャップ長(δ2)及び前記ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ3)のいずれにも基づかずに、前記駆動軸(19)に対して磁力(F1)を作用させる。
【0031】
第12の態様では、第1スラスト磁気軸受部(50A)に対して、ギャップ長(δ1,δ2,δ3)の値をフィードバックする必要がないので、第1スラスト磁気軸受部(50A)による磁力(F1)の制御が簡単になる。
【0032】
本開示の第13の態様は、ターボ圧縮機(1)を対象とする。前記ターボ圧縮機(1)は、第2〜12のいずれか1つの態様の電動機システム(10)と、前記駆動軸(19)に設けられたインペラ(30)と、を備える。
【0033】
第13の態様では、2つのスラスト磁気軸受部(50A,50B)が互いに離れて配置された場合であっても、駆動軸(19)の軸方向位置の制御が可能なターボ圧縮機(1)を提供することできる。
【0034】
本開示の第14の態様は、第13の態様のターボ圧縮機(1)において、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)は、前記電動機(20)よりも前記第1方向(X1)側に配置されており、前記第2スラスト磁気軸受部(50B)は、前記電動機(20)よりも前記第2方向(X2)側に配置されており、前記ギャップ検出部(70)は、前記電動機(20)よりも前記第2方向(X2)側に配置されており、前記インペラ(30)は、前記第1スラスト磁気軸受部(50A)よりも前記第1方向(X1)側に配置されている。
【0035】
仮にギャップ検出部(70)とインペラ(30)とが電動機(20)に対して軸方向同じ側に配置されると、ギャップ検出部(70)を設けるスペース分だけ駆動軸(19)が長くなる。この場合、浮上体(駆動軸(19)を含む回転体)が長くなることで、共振周波数が低くなり、磁気浮上制御に悪影響を及ぼすことがある。第14の態様では、ギャップ検出部(70)とインペラ(30)とが電動機(20)を挟んで軸方向に互いに離れて配置されることによって、浮上体が長くなることを抑制することができる。このため、磁気浮上制御への悪影響を抑制することができる。
【0036】
本開示の第15の態様は、第1の態様の電動機システム(10)において、前記第1磁気軸受部(40A,50A)及び前記第2磁気軸受部(40B,50B)は、前記駆動軸(19)の径方向に並んだ第1ラジアル磁気軸受部(40A)及び第2ラジアル磁気軸受部(40B)であり、前記ギャップ検出部(70)は、前記駆動軸(19)の径方向位置を検知する。
【0037】
第15の態様では、浮上体(駆動軸(19)を含む回転体)を径方向に挟んで互いに対向する一対のラジアル磁気軸受部(40A,40B)によって駆動軸(19)の径方向位置を好適に制御することが可能な電動機システム(10)を提供することができる。
【0038】
本開示の第16の態様は、第15の態様の電動機システム(10)において、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)のギャップ長(δ4)の変動量と前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)のギャップ長(δ5)の変動量とが互いに異なる場合に、前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)のギャップ長(δ5)の変動量は、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)のギャップ長(δ4)の変動量よりも小さい。
【0039】
第16の態様では、第2ラジアル磁気軸受部(40B)のギャップ長(δ5)を微調整することができる。
【0040】
本開示の第17の態様は、第16の態様の電動機システム(10)において、前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)のギャップ長(δ5)の変動量が、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)のギャップ長(δ4)の変動量よりも小さくなるように、少なくとも前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)の磁力(F2)を制御する制御部(91)をさらに備える。
【0041】
第17の態様では、仮に第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)を制御しなくても、第2ラジアル磁気軸受部(40B)の磁力(F2)を制御することによって、第2ラジアル磁気軸受部(40B)のギャップ長(δ5)の変動量を、小さくすることができる。
【0042】
本開示の第18の態様は、第17の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、任意のタイミングにおいて、前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)の磁力(F2)の振幅(A2)を、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)の振幅(A1)よりも大きくなるように、制御する。
【0043】
第18の態様では、外力(F0)で第1方向(X1)に移動しようとする駆動軸(19)を、第2ラジアル磁気軸受部(40B)によって、任意のタイミングで、第2方向(X2)に移動させることができる。このため、仮に第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)を制御しなくても、第2ラジアル磁気軸受部(40B)によって、駆動軸(19)の径方向位置を微調整することができる。
【0044】
本開示の第19の態様は、第17又は18の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ6)に応じて、前記駆動軸(19)を所定の径方向位置に位置付けるように、前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)の磁力(F2)を制御する。
【0045】
第19の態様では、仮に第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)を制御しなくても、第2ラジアル磁気軸受部(40B)によって、駆動軸(19)を所定の径方向位置に位置付けることができる。
【0046】
本開示の第20の態様は、第17〜19のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)の磁力(F2)を、前記ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ6)に応じて、前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)に流す電流(I2)の大きさを調整することによって、制御する。
【0047】
第20の態様では、仮に第1ラジアル磁気軸受部(40A)に流す電流(I1)の大きさを調整しなくても、駆動軸(19)の径方向位置を制御することができる。
【0048】
本開示の第21の態様は、第19又は20の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、一定の磁力(F1)を前記駆動軸(19)に対して作用させるように、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)を制御する。
【0049】
第21の態様では、第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)をギャップ検出部(70)のギャップ長(δ6)にかかわらず一定とすることで、ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ6)に応じて制御する対象を第2ラジアル磁気軸受部(40B)のみとすることができる。
【0050】
本開示の第22の態様は、第17〜21のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記駆動軸(19)の回転時における前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)の大きさを、前記駆動軸(19)の非回転時における前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)の大きさよりも、小さくなるように制御する。
【0051】
駆動軸(19)の回転時において、駆動軸(19)は第1方向(X1)に移動しようとするので、第1ラジアル磁気軸受部(40A)による第1方向(X1)の磁力(F1)は、小さくてもよい。第22の態様では、駆動軸(19)の回転時において、第1ラジアル磁気軸受部(40A)が駆動軸(19)に作用させる無駄な磁力(F1)を、極力小さくすることができる。
【0052】
本開示の第23の態様は、第22の態様の電動機システム(10)において、前記制御部(91)は、前記駆動軸(19)の回転時において、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)の磁力(F1)の大きさをゼロにする。
【0053】
第23の態様では、第1ラジアル磁気軸受部(40A)が駆動軸(19)に作用させる無駄な磁力(F1)を、一切なくすことができる。
【0054】
本開示の第24の態様は、第15〜20のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)は、前記駆動軸(19)に対して永久磁石(100)のみによる磁力(F1)を作用させる。
【0055】
第24の態様では、第1ラジアル磁気軸受部(40A)の構成を簡単にすることができる。
【0056】
本開示の第25の態様は、第15〜24のいずれか1つの態様の電動機システム(10)において、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)は、前記第1ラジアル磁気軸受部(40A)のギャップ長(δ4)、前記第2ラジアル磁気軸受部(40B)のギャップ長(δ5)及び前記ギャップ検出部(70)のギャップ長(δ6)のいずれにも基づかずに、前記駆動軸(19)に対して磁力(F1)を作用させる。
【0057】
第25の態様では、第1ラジアル磁気軸受部(40A)に対して、ギャップ長(δ4,δ5,δ6)の値をフィードバックする必要がないので、第1ラジアル磁気軸受部(40A)による磁力(F1)の制御が簡単になる。
【0058】
本開示の第26の態様は、ターボ圧縮機(1)を対象とする。前記ターボ圧縮機(1)は、第15〜25のいずれか1つの態様の電動機システム(10)と、前記駆動軸(19)に設けられたインペラ(30)と、を備える。
【0059】
第26の態様では、浮上体(駆動軸(19)を含む回転体)を径方向に挟んで互いに対向する一対のラジアル磁気軸受部(40A,40B)によって駆動軸(19)の径方向位置を好適に制御することが可能なターボ圧縮機(1)を提供することができる。