特許第6892089号(P6892089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6892089
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】二重構造ボックス
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20210607BHJP
【FI】
   A01G9/02 103W
   A01G9/02 103G
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-28684(P2017-28684)
(22)【出願日】2017年2月20日
(65)【公開番号】特開2018-134000(P2018-134000A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2020年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】514061142
【氏名又は名称】早川 明宏
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】早川 明宏
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−52506(JP,A)
【文献】 特開2002−125821(JP,A)
【文献】 特開2005−124459(JP,A)
【文献】 特開2004−267324(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3114565(JP,U)
【文献】 特開2013−169164(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0277087(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/136686(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00 − 9/02
A47G 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側容器と、該内側容器を収容する組立カバーとを備える二重構造ボックスであって、
前記組立カバーは、
上面の外周部に複数の嵌合部が設けられたフロアパネルと、
該フロアパネルの該嵌合部に嵌合させるための複数の第1の被嵌合部が下面に設けられた第1の底面部と、該第1の底面部から略直角な方向に延設された平板状の第1の側面部とを備える、複数のサイドパネルと、
を備えることを特徴とする二重構造ボックス。
【請求項2】
前記フロアパネルの前記嵌合部に嵌合させるための複数の第2の被嵌合部が下面に設けられた第2の底面部と、
該第2の底面部から略直角な方向に延設されて互いに略直交する二つの側面を有する第2の側面部と、
を備える複数のコーナーパネルを更に有することを特徴とする請求項1に記載の二重構造ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二重構造ボックスと、この二重構造ボックスを用いて組み立てた植物観賞棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋外や屋内に設置して植物鑑賞を行うための栽培容器が知られており、プランターと称されている。更に、従来より、プランターの装飾性を高めるための、プランターカバーが知られている。このようなプランターカバーとしては、例えば、下記特許文献1に記載されたものある。
【0003】
特許文献1のプランターカバーは、略直方体で上下両面が開口した形状を備えている。このプランターカバーは、飾りボルトと蝶ナットとを用いて側板(化粧パネル及び側面パネル)同士を固定することによって、組み立てられる。そして、受皿上にプランターを設置したのち、その上側から被せるようにしてプランターカバーを設置することで、プランターの側面を覆い隠す。このようなプランターカバーは、プランターのインテリア性を高めることができるため、特に、屋内やベランダ等にプランターを設置して植物鑑賞を行いたい場合に有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−267324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のプランターカバーには、上述のように飾りボルトと蝶ナットとを用いて側板同士を固定する構造であるため、その組み立て強度が非常に低いという欠点がある。
【0006】
また、引用文献1のプランターカバーでは、プランターに植え付けた植物をやや高い視線で鑑賞できるようにしたい場合には、背の高いプランターを使用するか或いは台座上にプランターを設置して、二段重ねのプランターカバー(特許文献1の図10等参照)で覆い隠すことになる。しかしながら、これらの設置方法は、非常に不安定であり、プランターが転倒するおそれがあって、危険である。
【0007】
この発明の課題は、組み立てが容易で十分な強度を有すると共に、組立前の占有体積が非常に小さい二重構造ボックスを提供することにある。更に、この発明の課題は、組み立てが容易で十分な強度を有すると共に、組立前の占有体積が非常に小さく、且つ、安定して設置できる植物観賞棚を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、請求項1の発明に係る二重構造ボックスは、内側容器と、該内側容器を収容する組立カバーとを備える二重構造ボックスであって、前記組立カバーは、上面の外周部に複数の嵌合部が設けられたフロアパネルと、該フロアパネルの該嵌合部に嵌合させるための複数の第1の被嵌合部が下面に設けられた第1の底面部と、該第1の底面部から略直角な方向に延設された平板状の第1の側面部とを備える、複数のサイドパネルと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記フロアパネルの前記嵌合部に嵌合させるための複数の第2の被嵌合部が下面に設けられた第2の底面部と、該第2の底面部から略直角な方向に延設されて互いに略直交する二つの側面を有する第2の側面部と、を備える複数のコーナーパネルを更に有することを特徴とする。
【0010】
また、前記構成に加えて、隣接する2個の前記フロアパネルを連結させるための連結パネルを更に有し、該連結パネルは、前記フロアパネルの前記嵌合部に嵌合させるための複数の第3の被嵌合部が下面に設けられると共に、隣接する他の前記フロアパネルの前記嵌合部に嵌合させるための複数の第4の被嵌合部が下面に設けられた構成としても良い
【0011】
また、前記構成に加えて、前記サイドパネルは、前記連結パネルを嵌め込む段差部が下端部に設けられると共に、該段差部の両側に前記第1の底面部の前記第1の被嵌合部が設けられることにより、前記連結パネルの前記第3の被嵌合部を前記フロアパネルの前記嵌合部に嵌合させた状態で、前記第1の被嵌合部を該フロアパネルの該嵌合部に嵌合させるように構成されたものとしても良い
【0012】
また、前記構成に加え、前記サイドパネルは、前記第1の底面部から水平方向に延設された平板状の第3の底面部を更に備え、且つ、該第3の底面部には、その下面に、前記フロアパネルの前記嵌合部に嵌合させるための複数の第5の被嵌合部が設けられた構成としても良い
【0013】
また、前記構成に加え、前記内側容器は、開口縁部から外側下方に延設された嵌合縁部を備え、前記組立カバーは、開口縁部に、外側が窪んだ段差部が設けられ、該内側容器を該組立カバーに収容する際に、該嵌合縁部を該段差部に嵌め込むようにした構成としても良い
【0014】
また、前記構成に加え、前記内側容器は、非組み立て時に上側の開口から他の当該内側容器を収容することで重ね合わせられるように、外形が略逆四角錐台状に構成されたものとしても良い
【0015】
また、植物観賞棚前記組立式ボックスを階段状に積み重ねてなるものとなっていても良い
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明では、組立カバーを、フロアパネルの上面に複数の嵌合部を設けると共に、サイドパネルの第1の底面部に複数の第1の被嵌合部を設け、これらを嵌合させることでフロアパネルにサイドパネルを固定する構造とした。このため、この組立カバーは、組み立てが非常に容易で、十分な強度を有すると共に、組立前(運搬時等)の占有体積が非常に小さい。これにより、請求項1の発明によれば、組み立てが容易で十分な強度を有すると共に、組立前の占有体積が非常に小さい、二重構造ボックスを提供することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、複数のコーナーボードを更に備えることにより、二重構造ボックスの強度を高めると共に、装飾性をも高めることができる。
【0018】
また、前記構成により、連結パネルを用いて、隣接する2個のフロアパネルを十分に強固に連結することができ、従って、装飾性を損なうこと無しに、簡単な組み立て作業で、安定して複数の二重構造ボックスを連結することができる。
【0019】
また、前記構成により、サイドパネルに設けた段差部を用いて、フロアパネル上の同じ場所に、このサイドパネルと連結パネルとを固定することができる。これにより、装飾性を損なうこと無しに、簡単な組み立て作業で安定して複数の二重構造ボックスを連結することができる。
【0020】
また、前記構成により、サイドパネルを用いて、隣接する2個のフロアパネルを十分に強固に連結することができ、従って、二重構造ボックスの強度や安定性を更に高めることができる。
【0021】
また、前記構成により、内側容器を組立カバーに収容する際に、この内側容器の開口縁部をこの組立カバーの開口縁部に強固に固定できる。
【0022】
また、前記構成により、内側容器の外形を略逆四角錐台状にして、非組み立て時に上側の開口から他の当該内側容器を収容することで重ね合わせられるようにしたので、組立前(運搬時等)の占有体積が更に小さくなる。
【0023】
また、前記構成により、組み立てが容易で、安定性に優れ、且つ、組み立て前の占有体積が小さい植物観賞棚を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】この発明の実施の形態1に係る二重構造ボックス(プランター)の全体構造を概略的に示す外観斜視図である。
図2図1に示した二重構造ボックスに使用する組立カバーの全体構造を概略的に示す外観斜視図である。
図3図2に示した組立カバーのフロアパネルを概略的に示す外観斜視図である。
図4図2に示した組立カバーのサイドパネルの一例を概略的に示す外観斜視図である。
図5】(a)、(b)共に、図2に示した組立カバーの、他のサイドパネルの例を概略的に示す外観斜視図である。
図6図1に示した二重構造ボックスの概略的断面図である。
図7図2に示した組立カバーのコーナーパネルを概略的に示す外観斜視図である。
図8図1に示した二重構造ボックスに使用する内側容器の全体構造を概略的に示す外観斜視図である。
図9図8に示した内側容器を重ね合わせた状態を概略的に示す斜視図である。
図10】この発明の実施の形態2に係る二重構造ボックス(ボトムアップボックス)の全体構造を概略的に示す外観斜視図である。
図11図10に示した二重構造ボックスに使用する組立カバーの全体構造を概略的に示す外観斜視図である。
図12図10に示した二重構造ボックスに使用する内側容器の全体構造を概略的に示す外観斜視図である。
図13】この発明の実施の形態3に係る植物観賞棚の全体構造を概略的に示す外観斜視図である。
図14図13に示した植物観賞棚に使用する連結パネルを概略的に示す外観斜視図である。
図15図13に示した植物観賞棚に使用する連結用サイドパネルを概略的に示す外観斜視図である。
図16図14に示した連結パネルの使用方法を説明する概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態1として、この発明に係る二重構造ボックスをプランターに適用した例について、図1乃至図9を用いて説明する。
【0026】
図1及び図6に示したように、この実施の形態のプランター100は、組立カバー110に内側容器120を収容することで構成されている。
【0027】
この組立カバー110は、図2に示したように、フロアパネル111と、三種類のサイドパネル112〜114と、コーナーパネル115とを備えている。
【0028】
フロアパネル111は、組立カバー110の底面部を構成する(図2参照)。このフロアパネル111は、図3に示したように、矩形の板状に形成される。そして、このフロアパネル111の表面には、その外周に沿って、「嵌合部」としての多数の嵌合凹部301が、所定ピッチで形成されている。これらの嵌合凹部301は、サイドパネル112〜114及びコーナーパネル115をフロアパネル111上に固定するために使用される(後述)。
【0029】
更に、このフロアパネル111の表面中央部分には、例えば二個の、通気・排水用の底孔302が設けられると共に、多数の嵌合凸部303が設けられている。これらの嵌合凸部303は、内側容器120の底面に設けられた底穴121(図8参照、後述)に嵌合させて、この内側容器120を固定するために使用される。なお、底穴121に代えて、内側容器120の底面に嵌合凹部を設けることとしてもよい。
【0030】
サイドパネル112〜114は、それぞれ一対ずつ備えられており、組立カバー110の側面を構成する(図1及び図2参照)。
【0031】
このうち、サイドパネル112は、図4に示すように、「第1の底面部」としての三個の底面部401と、「第1の側面部」としての側面部402とを備えている。
【0032】
底面部401の下面には、「第1の被嵌合部」としての嵌合凸部401aが、それぞれ複数個ずつ、所定ピッチで形成されている。そして、これらの嵌合凸部401aを、フロアパネル111の嵌合凹部301にそれぞれ嵌め込むことで、このフロアパネル111上に、このサイドパネル112が固定される。
【0033】
側面部402は、この底面部401から上方へ、略垂直に延設されて、この組立カバー110の長辺側の側面の一部を形成する。また、この底面部401とこの側面部402との間には、組立カバー110の強度を向上させるために、外観が略三角形の、四個の補強材403が設けられている。
【0034】
三個の底面部401の間には、それぞれ隙間404が設けられている(図1図2及び図4参照)。これらの隙間404は、二枚のフロアパネル111を連結パネルで固定する場合に、使用される(後述)。なお、装飾性の観点から、連結パネルを使用しない場合に、目隠し材(図示せず)を用いて隙間404を塞ぐこととしてもよい。
【0035】
一方、サイドパネル113は、図5(a)に示すように、「第1の底面部」としての二個の底面部501と、「第1の側面部」としての側面部502とを備えている。
【0036】
底面部501の下面には、「第1の被嵌合部」としての嵌合凸部501aが、それぞれ複数個ずつ、所定ピッチで形成されている。上記サイドパネル112の嵌合凸部401aと同様、これらの嵌合凸部501aは、フロアパネル111上にサイドパネル113を固定するために使用される。
【0037】
側面部502は、この底面部501から上方へ、略垂直に延設されて、この組立カバー110の長辺側の側面の一部を形成する。また、この底面部501とこの側面部502との間には、組立カバー110の強度を向上させるために、外観が略三角形の、二個の補強材503が設けられている。
【0038】
二個の底面部401の間には、上述したサイドパネル112の隙間404と同様の、隙間504が設けられている。
【0039】
サイドパネル114は、図5(b)に示すように、「第1の底面部」としての一個の底面部601と、「第1の側面部」としての側面部602とを備えている。
【0040】
底面部601の下面には、「第1の被嵌合部」としての嵌合凸部601aが、複数個、所定ピッチで形成されている。上記サイドパネル112、113の嵌合凸部401a、501aと同様、これらの嵌合凸部601aは、フロアパネル111上にサイドパネル114を固定するために使用される。
【0041】
側面部602は、この底面部601から上方へ、略垂直に延設されて、この組立カバー110の短辺側の側面の一部を形成する。また、この底面部601とこの側面部602との間には、組立カバー110の強度を向上させるために、外観が略三角形の、一個の補強材603が設けられている。
【0042】
なお、図5(a)から分かるように、サイドパネル114には隙間が設けられていないが、サイドパネル112、113(図4図5(a)等参照)と同様の隙間を設けてもよいことはもちろんである。
【0043】
コーナーパネル115は、組立カバー110の四個のコーナーに配置されて、これらコーナーの側面部をそれぞれ構成する(図2等参照)。これらのコーナーパネル115は、図7に示したように、「第2の底面部」としての底面部701と、「第2の側面部」としての側面部702とを備えている。
【0044】
底面部701の下面には、「第2の被嵌合部」としての嵌合凸部701aが、それぞれ複数個ずつ、所定ピッチで形成されている。そして、これらの嵌合凸部701aを、フロアパネル111の嵌合凹部301にそれぞれ嵌め込むことで、このフロアパネル111上に、このコーナーパネル115が固定される。
【0045】
側面部702は、互いに略直交する二個の側面702a、702bを有している。これらの側面702a、702bは、それぞれ、底面部701から上方へ、略垂直に延設されて、この組立カバー110のコーナー部の側面を形成する。
【0046】
この実施の形態に係るプランター100の内側容器120は、図8に示すように、その外形が略逆四角錐台状を成すように構成されている。そして、この内側容器120の底面には、多数の底穴121が設けられている。そして、内側容器120を組立カバー110に収容する際に、これらの底穴121を、フロアパネル111の嵌合凸部303(図3参照)に嵌合させることで、この内側容器120の底部がフロアパネル111に固定される。
【0047】
また、図6に示したように、この内側容器120の開口縁部には、外側下方向に延設された嵌合縁部122が形成されている。一方、組立カバー110の開口縁部(すなわち、サイドパネル112〜114及びコーナーパネル115の、側面部402,502,602,702の上端)には、外側が窪んだ段差部110aが設けられている。そして、内側容器120を組立カバー110に収容する際に、この内側容器120の嵌合縁部122を、段差部110aに嵌め込むことにより、この内側容器120の上部が、サイドパネル112〜114及びコーナーパネル115に固定される。
【0048】
このように、この実施の形態1によれば、内側容器120の底部及び開口部の両方を組立カバー110に固定するので、組立時に、内側容器120を組立カバー110に強固に固定することができる。
【0049】
上述のように、この実施の形態1では、内側容器120は、その外形が略逆四角錐台状になるように構成されている。このため、図9に示すように、上側の開口から他の内側容器を収容することで、これら複数の内側容器120を互いに重ね合わせることができる。その結果、組立前(運搬時等)に、内側容器120の占有体積を、非常に小さくすることができる。
【0050】
このようなプランター100を組み立てる際には、まず、フロアパネル111の外周に沿って、サイドパネル112〜114及びコーナーパネル115を、図2に示すように配設・固定することで、組立カバー110を組み立てる。この実施の形態1では、このフロアパネル111の嵌合凹部301に嵌合凸部401a、501a、601a、701aを嵌合させるだけでサイドパネル112〜114及びコーナーパネル115を配設・固定できるため、組立カバー110の組み立ては、非常に簡単である。
【0051】
その後、この組立カバー110に、内側容器120を収容することで、プランター100の組み立てが終了する。
【0052】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、組立カバー110を、フロアパネル111の嵌合凹部301と、サイドパネル112〜114及びコーナーパネル115の嵌合凸部401a、501a、601a、701aとを嵌合させることで、フロアパネル111上にサイドパネル112〜114及びコーナーパネル115を固定する構造とした。このため、この組立カバー110は、組み立てが容易で、十分な強度を有すると共に、組立前(運搬時等)の占有体積が非常に小さい。
【0053】
また、内側容器120も、その外形を略逆四角錐台状にして、非組み立て時に上側の開口から他の当該内側容器を収容することで重ね合わせられるようにしたので、組立前(運搬時等)の占有体積が非常に小さい。
【0054】
[発明の実施の形態2]
以下、この発明の実施の形態2として、この発明に係る二重構造ボックスを、ボトムアップボックスに適用した例について、図10乃至図12を用いて説明する。
【0055】
図10乃至図12に示したように、この実施の形態2に係るボトムアップボックス1000は、組立カバー1100と、内側容器1200とを備えている。更に、このボトムアップボックス1000は、上の段に配置される組立カバーのフロアパネル1150を固定することができる(後述)。
【0056】
この組立カバー1100は、図11に示したように、フロアパネル1110と、二種類のサイドパネル1120、1130と、コーナーパネル1140とを備えている。
【0057】
フロアパネル1110は、上記実施の形態1のフロアパネル111と同様、矩形の板状に形成され、その外周に沿って、「嵌合部」としての多数の嵌合凹部1111が、所定ピッチで形成されている。上記実施の形態1と同様、これらの嵌合凹部1111は、サイドパネル1120、1130及びコーナーパネル1140をフロアパネル1110上に固定するために使用される(後述)。
【0058】
更に、このフロアパネル1110の表面中央部分には、上記実施の形態1と同様、一個又は複数個の底孔(図示せず)が設けられると共に、多数の嵌合凸部1112が設けられている。これらの嵌合凸部1112は、内側容器1200の底面に設けられた底穴1201(図12参照)に嵌合させて、この内側容器1200を固定するために使用される。なお、底穴1201に代えて、内側容器1200の底面に嵌合凹部を設けることとしてもよい。
【0059】
サイドパネル1120、1130は、上記実施の形態1のサイドパネルと同様、「第1の底面部」としての底面部1121、1131と、「第1の側面部」としての側面部1122、1232とを備えている。そして、上記実施の形態1のサイドパネル112〜114と同様にして、底面部1121、1131の下面に形成された嵌合凸部(図示せず)をフロアパネル1110の嵌合凹部1111に嵌合させることで、このフロアパネル1110に固定される。
【0060】
また、この実施の形態2のサイドパネル1120にも、隙間1123が設けられている(図10及び図11参照)。これらの隙間1123は、二枚のフロアパネル1110を連結パネルで固定する場合に、使用される(後述)。なお、サイドパネル1130にも連結パネル用の隙間を設けてよいことは、もちろんである。
【0061】
コーナーパネル1140は、上記実施の形態1のコーナーパネルと同様、「第2の底面部」としての底面部1141と、「第2の側面部」としての側面部1142とを備えている。そして、上記実施の形態1のコーナーパネル115と同様にして、底面部1141の下面に形成された嵌合凸部(図示せず)をフロアパネル1110の嵌合凹部1111に嵌合させることで、このフロアパネル1110に固定される。
【0062】
内側容器1200は、上記実施の形態1と同様、組立カバー1100内に収容される。この内側容器1200は、その外形が略逆四角錐台状を成すように構成されている。これにより、上側の開口から他の当該内側容器を収容することで、これら複数の内側容器1200を互いに重ね合わせることができる。
【0063】
上述のように、この実施の形態2に係るボトムアップボックス1000は、上の段に配置される組立カバーのフロアパネル1110を固定することができる(図10参照)。上の段のフロアパネル1150を固定するためには、例えば、そのフロアパネル1150の四隅のねじ孔1301、内側容器1200の四隅のねじ孔1202(図12参照)及びフロアパネル1110の四隅のねじ孔(図示せず)に、それぞれ長ねじボルト1151(図11参照)を挿通して、ナット1152で締め付ければ良い。
【0064】
そして、この上の段のフロアパネル1110にサイドパネルやコーナーパネルを嵌合固定することで、上の段の組立カバーを組み立てることができ、更に、その組立カバーに、上記実施の形態1と同様の内側容器を収容することで、背の高いプランターを得ることができる。
【0065】
なお、上の段のフロアパネル1110を、ボトムアップボックス1000の蓋として使用してもよいことはもちろんである。
【0066】
また、上の段のフロアパネル1110に、更にボトムアップボックス1000を組み立てても良いことも、もちろんである。
【0067】
以上説明したように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様の理由により、組み立てが容易で十分な強度を有すると共に、組立前の占有体積が非常に小さい、ボトムアップボックス1000を提供することができる。
【0068】
また、ボトムアップボックス1000に、上の段のフロアパネル1110を固定できるので、背が高く且つ強度が十分なプランターやボトムアップボックスを、容易に組み立てることができる。
【0069】
[発明の実施の形態3]
以下、この発明の実施の形態3として、この発明に係る二重構造ボックスを用いて植物観賞棚を組み立てる例について、図13図15等を用いて説明する。
【0070】
図13に示したように、この実施の形態3に係る植物観賞棚1300は、上記実施の形態1、2とほぼ同様のプランター100及びボトムアップボックス1000を用いて構成できる。
【0071】
すなわち、この実施の形態3に係る植物観賞棚1300では、上記実施の形態2(図10参照)とほぼ同様のボトムアップボックス1000の上面にフロアパネル1110を固定し、このフロアパネル1110上に、上記実施の形態1(図1参照)とほぼ同様のプランター100を配置することで、上棚1310,1320が構成される。
【0072】
また、下棚1330、1340としては、上記実施の形態1に係るプランター100とほぼ同様のものが使用される。
【0073】
但し、この実施の形態3の植物観賞棚1300では、以下のようにして、隣接するプランター100やボトムアップボックス1000を互いに連結固定する。
【0074】
まず、この実施の形態3では、連結パネル1400(図14参照)と連結用サイドパネル1500(図15参照)とを用いて、隣接するプランター100とボトムアップボックス1000とを連結する。
【0075】
図14及び図16に示したように、この連結パネル1400は、その長手方向の両端部に、「第3の嵌合部」としての複数の嵌合凸部1401と、「第4の嵌合部」としての複数の嵌合凸部1402とが、それぞれ所定ピッチで形成されている。これらの嵌合凸部1401を、フロアパネル111の嵌合凹部301に嵌め込むと共に、これらの嵌合凸部1402を、フロアパネル1110の嵌合凹部1111に嵌め込むことにより、この連結パネル1400で、これらフロアパネル111、1110が連結される(図16参照)。
【0076】
一方、連結用サイドパネル1500は、図15に示したように、「第1の底面部」としての底面部1501と、「第3の底面部」としての底面部1502と、側面部1503と、補強材1504とを備えている。この底面部1502は、底面部1501を水平方向に延設することで、1枚の平板状に形成されている。
【0077】
底面部1501の下面には、「第1の被嵌合部」としての複数の嵌合凸部1501aと、「第5の嵌合部」としての複数の嵌合凸部1502aとが、所定ピッチで形成されている。これらの嵌合凸部1501a、1501は、隣接して配置されたフロアパネル111、1110の嵌合凹部301、1111に、同時に嵌め込むことができるように形成されている。
【0078】
側面部1503は、この底面部1501の中央部分から上方へ、略垂直に延設されている。この側面部1503により、連結される二つの組立カバー110、1100の長辺側の側面の一部が形成される。
【0079】
補強材1504は、略三角形の外観を有し、底面部1501と側面部1503との強度を向上させるために形成されている。
【0080】
この実施の形態3に係る植物観賞棚1300を組み立てる際には、まず、プランター100のフロアパネル111とボトムアップボックス1000のフロアパネル1110とを並べて配置したのち、これらフロアパネル111、1110の所定位置の嵌合凹部301、1111に、同一の連結パネル1400の嵌合凸部1401を嵌合させることで、これらフロアパネル111、1110を連結固定する。
【0081】
そして、この状態で、フロアパネル111、1110にサイドパネル112、113、1120、1130を嵌合固定する。
【0082】
このとき、サイドパネル112、113、1120には隙間404、504、1121が設けられており(図2図11等参照)、これらの隙間404、504、1121が連結パネル1400に嵌め込まれるようにする。
【0083】
また、隣接するプランター100同士及び隣接するボトムアップボックス1000同士については、フロアパネル111、1110を並べて配置したのち、これらフロアパネル111、1110の所定位置の嵌合凹部301、1111に、同一の連結用サイドパネル1500の嵌合凸部1501a、1502aを嵌合させることにより、これらフロアパネル111、1110を連結固定する。このように、この実施の形態3では、上記実施の形態1、2のサイドパネル114、1130に代えて、連結用サイドパネル1500を使用する。
【0084】
そして、コーナーパネル115、1140を嵌合固定することにより、組立カバー110、1100を、それぞれ組み立てる。
【0085】
このようにして、相互に連結された状態の組立カバー110、1100を組み立てたのち、上記実施の形態1、2と同様にして、プランター100及びボトムアップボックス1000を組み立てることにより、植物観賞棚1300を完成させることができる。
【0086】
なお、プランター100やボトムアップボックス1000の寸法は、全て同一であっても良いが、寸法の違うものを組み合わせても良い。図13の例では、長手方向の寸法が長いものと短いものとを組み合わせて利用している。
【0087】
以上説明したように、この実施の形態3によれば、組み立てが容易で、安定性に優れ、且つ、組み立て前の占有体積が小さい植物観賞棚を提供できる。
【符号の説明】
【0088】
100 プランター
110、1100 組立カバー
111、1110 フロアパネル
112、113、114、1120、1130 サイドパネル
115、1140 コーナーパネル
120、1200 内側容器
1000 ボトムアップボックス
1300 植物観賞棚
1310、1320 上棚
1330、1340 下棚
1400 連結パネル
1500 連結用サイドパネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16