(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エアコンプレッサと前記効能ユニットとの中間に、エアドライヤ、エアフィルタまたは除菌フィルタから選択されるいずれか一以上が装備されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ場において、シューズやズボンに付着した土や砂、芝等を落とすべく、エアコンプレッサ(空気圧縮機)により生成された圧縮空気を吹き付けるエアガンが使用される。ラウンドを終えたプレーヤーのシューズやズボンには、土や砂、芝等が付着しており、特にシューズには底面にスパイク状の突起物が存する為、該スパイクに芝が絡み付いて、エアガンによる圧縮空気の吹き付けをしない限り、容易に落とすことができない。プレーヤーのシューズやズボンに土や砂、芝等が付着したままであると、ラウンドを終えてクラブハウスに入った際に、ハウス内でそれらが自然落下して汚す原因となる。また、そのままの状態でシューズケースに収納することで、該シューズケースが汚れると共に、雑菌等の繁殖などでシューズを傷める原因ともなり得る。したがって、ゴルフにおいて、シューズ並びにクラブハウス内を綺麗に保つためには、エアガンは欠かせないものであり、ラウンドを終えたプレーヤーのシューズやズボンに付着した土や砂、芝等を、クラブハウスに入る事前にエアの吹き付けによって落とすことで、シューズの清潔化が保たれると共に、クラブハウス内を綺麗に保って清掃の省力化を図ることができる。
【0003】
従来から存するゴルフ用エアガンの主な構造は、エアコンプレッサにより生成された圧縮空気を、配管路を介してエアガンからシューズ等へ吹き付ける構造となっている。エアコンプレッサでの圧縮空気生成の原料は、大気である。大気中には、水蒸気と共に臭気が存在しており、さらに空中に浮遊する常在菌も存在する。そして、この大気を利用して生成した圧縮空気中にも、当然のごとく水蒸気と臭気、常在菌が存在する。
【0004】
圧縮空気中の水蒸気は、生成の過程で凝縮水たるドレン水を発生させる。該ドレン水は、回路中間で取り除かないと回路末端から放出されることとなり、吹き付け対象たるシューズやズボンを濡らしてしまうばかりか、臭いや雑菌の付着の原因ともなる。また、人によっては、エアガンのノズルをシューズの中やグローブ内に差し入れて、圧縮空気を放出することが行われている。これは、シューズの中もグローブの中も共に、プレー中に生じる汗により蒸れた状態となり易く、そこへ圧縮空気を噴射することで、冷却効果による快感を得られることによるものである。しかしながら、シューズの中やグローブ内への噴射に際し、圧縮空気と共にドレン水も一緒に噴射されてしまうと、シューズやグローブが濡れてしまって、かえって不快な思いをさせてしまうこととなる。
【0005】
したがって、圧縮空気からドレン水や臭気、常在菌を適切に分離・除去すること、そしてシューズやズボンの表面に付着した土や砂、芝等を落とすだけでなく、シューズやグローブの内部への吹き付けにも適したゴルフ用エアガンが求められるところである。特に、シューズやグローブの内部は、汗で蒸れて雑菌が繁殖し易く、悪臭も発生し易い状況であり、これに好適に対処し得るエアガンが求められるところである。
【0006】
従来におけるシューズ用の汚れを落とすエアガンとして、特開平8-187218号公報(特許文献1)において、「履物の汚れを除去する装置」にかかる技術が提案され、公知となっている。すなわち、該提案は、前面側下部において水平方向に張り出した履物の洗い場を有する装置本体の内部に、電動コンプレッサと貯水タンクとを装備し、下面側四隅にキャスタをそれぞれ取り付け、さらにフレキシブルチューブを介して電動コンプレッサに接続されて空気を噴射する空気噴射ノズルと、フレキシブルチューブを介して電動コンプレッサと貯水タンクとのそれぞれに接続されて空気と水との混合流体を噴射する混合流体噴射ノズルを備えた構成を採用するものである。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1にかかる技術提案によれば、空気と水との混合流体を噴射することで履物の汚れを洗い流す技術提案であって、圧縮空気からドレン水や臭気、常在菌を適切に分離・除去するための技術提案ではなく、上記した問題の解決はなされていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、抗菌や芳香など各種効能を有した圧縮空気を噴出可能なゴルフ用エアガンの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、ゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造であって、エアコンプレッサと、該エアコンプレッサの後段に装備される効能ユニットと、該効能ユニットの後段に装備されるエアガンとから成り、該効能ユニットは、中空部を有し上方が開口した筒状体から成る中空ボディと、該中空ボディの中空部に連通する流入口及び排出口を備え且つ該中空ボディの上方開口端を閉塞可能な閉塞ボディと、で構成され、該効能ユニットにおける中空ボディの中空部には少なくとも抗菌作用を奏する効能剤が充填されて
成る効能剤容器が該効能剤容器ごと挿嵌されて成り、該エアコンプレッサにより生成された圧縮空気は、該効能ユニット内に流入して効能剤の作用により効能が付加され、最終的に該エアガンからシューズその他の装身具へ噴出される手段を採用する。
【0011】
また、本発明は、前記効能剤が、芳香作用を奏する手段を採用する。
【0013】
またさらに、本発明は、前記エアコンプレッサと前記効能ユニットとの中間に、エアドライヤ、エアフィルタまたは除菌フィルタから選択されるいずれか一以上が装備されている手段を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造によれば、抗菌作用を奏する効能剤を充填し得る効能ユニットが配設されることによって、該効能ユニット内に充填された効能剤の作用により、エアガンから噴出される圧縮空気自体に抗菌効能を化体させることができ、シューズ内やグローブ内の雑菌へ有効に作用して、清潔を維持することができる、といった従来にない優れた効果を奏する。
【0015】
また、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造によれば、効能剤に芳香作用を奏させることによって、シューズ内の悪臭を消して芳香の良い香りを創出することができると共に、グローブ自体の香り付けがなされて、ショットの際など周囲へ芳香を放出させたり、間接的にクラブグリップへの香り付けもできる、といった効果を奏する。
【0016】
さらに、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造によれば、効能剤が効能剤容器に充填されると共に、該効能剤容器ごと効能ユニットにおける中空ボディの中空部内に挿嵌可能な手段を採ることで、効能剤の充填・交換作業が容易であると共に、該効能ユニットの清掃・メンテナンス性にも優れる、といった効果を奏する。
【0017】
またさらに、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造によれば、エアコンプレッサと効能ユニットとの中間に、エアドライヤ、エアフィルタまたは除菌フィルタから選択されるいずれか一以上が装備されている手段を採用することで、エアコンプレッサで生成された圧縮空気中に存する水蒸気や常在菌をはじめ、塵埃や機械油分などを適宜取り除くことが可能であって、よりクリーンなエアを噴出することができる、といった優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造は、エアコンプレッサ1と、該エアコンプレッサ1の後段に装備される効能ユニット10と、該効能ユニット10の後段に装備されるエアガン20とから成り、該効能ユニット10は、中空部12を有し上方が開口した筒状体から成る中空ボディ11と、該中空ボディ11の中空部12に連通する流入口14及び排出口15を備え且つ該中空ボディ11の上方開口端を閉塞可能な閉塞ボディ13と、で構成され、該効能ユニット10における中空ボディ11の中空部12には少なくとも抗菌作用を奏する効能剤16が充填されて
成る効能剤容器18が該効能剤容器18ごと挿嵌されて成り、該エアコンプレッサ1により生成された圧縮空気Aは、該効能ユニット10内に流入して効能剤16の作用により効能が付加され、最終的に該エアガン20からシューズその他の装身具へ噴出されることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造の実施形態、すなわち、構成と動作とを、図面に基づいて説明する。
【0020】
なお、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造は、以下に述べる実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる機器や該機器の素材もしくは形状などに関して適宜変更することができる。
【0021】
先ず、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造の構成について説明する。
図1及び
図2は、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造は、エアコンプレッサ(空気圧縮機)1と、効能ユニット10と、エアガン20と、で構成されており、効能ユニット10は圧縮空気Aを送気する配管路5を介してエアコンプレッサ1の後段に装備され、エアガン20は同様に配管路5を介して効能ユニット10の後段に装備される。
【0022】
エアコンプレッサ(空気圧縮機)1は、空気を圧縮して所定気圧以上の圧縮空気Aを生成する装置である。該エアコンプレッサ1にはアースが備えられ、エアコンプレッサ1の筐体の基準電位を得る目的やノイズ保護の目的で、直接もしくは電源線などと共に束ねられ最終的に大地に接続される。
エアコンプレッサ1は、圧縮空気Aを生成するための構造によって、往復式や回転式、遠心式、軸流式など種々の方式が存在する。また、前記種々の方式においては、潤滑油を使用する給油タイプと、潤滑油を使用しないオイルフリータイプとがそれぞれ存在している。本発明で使用するエアコンプレッサ1の方式については、特に限定はなく、いずれの方式・構造のものでも使用することが可能である。
【0023】
効能ユニット10は、中空ボディ11と、閉塞ボディ13と、から構成されている。中空ボディ11は、中空部12を有し上方が開口した筒状体から成り、該中空部12には所定量の効能剤16が充填
されて成る効能剤容器18が該効能剤容器18ごと挿嵌される。また、閉塞ボディ13は、該中空ボディ11の中空部12に連通する流入口14及び排出口15を備え、且つ、該中空ボディ11の上方開口端を螺合等により閉塞可能な構造を採る。
尚、効能剤16は、閉塞ボディ13から中空ボディ11を外
して効能剤容器18を挿嵌することで、中空部12内に随時補充することができる。
【0024】
効能剤16は、
図1に示す様に、該効能ユニット10における中空ボディ11の中空部12に
挿嵌可能な効能剤容器18の中空部18dに充填される。かかる効能剤16について、その状態・形状については液状や固形状などが考えられる。該効能剤16としては、少なくとも抗菌作用を奏する抗菌剤が用いられるもので、特に限定するものではなく、例えばアルコールやクレゾール、次亜塩素ナトリウム、ヒノキチオールなど種々のものが考え得る。但し、最終的な圧縮空気Aの噴出先がグローブなど人体に直接接触するものも含まれることから、人体に無害な抗菌剤が選択されることが好ましい。また、抗菌剤は、シューズ等へクリーンなエアを噴出するという機能上、圧縮空気A中に存する常在菌を死滅・除去し得る除菌剤や殺菌剤をも含む概念である。
【0025】
該効能剤16において、芳香作用を奏する芳香剤が含まれる態様が考え得る。すなわち、効能剤16が、抗菌作用と併せて芳香作用も奏する態様である。かかる態様として、夫々別の単体として構成される抗菌剤と芳香剤とを適宜混合若しくは区割り別に夫々充填して一の効能剤16として機能させる態様のほか、元来より両方の作用を併せ持つ一の効能剤16を使用する態様が考え得る。別の単体として構成される芳香剤としては、例えば花や樹木その他種々の芳香を奏するもののほか、消臭作用のあるアルコールや次亜塩素ナトリウムなどが考え得る。但し、最終的な圧縮空気Aの噴出先がグローブなど人体に直接接触するものも含まれることから、人体に無害な芳香剤が選択されることが好ましい。また、芳香剤は、圧縮空気Aの嫌な臭気を消して好む芳香を奏するという機能上、種々の芳香を奏するもののほか、特定の芳香を奏さずに嫌な臭気を消臭し得るだけの消臭剤をも含む概念である
【0026】
本発明にかかる効能剤16について、抗菌作用と芳香作用を併せ持つ基剤を用いる態様がより好適である。抗菌作用と芳香作用を併せ持つ基剤としては、例えばヒノキやヒバ材から生成される天然ヒノキチオールやβ−ドラブリンを主成分とする基剤が考え得る。かかる天然ヒノキチオールは、カビをはじめ多くの菌に対する抗菌性を有すると共に、ヒノキの心地よい芳香を持ち、人体にも無害な基剤として好適である。特に、水虫菌にも効果的といわれており、その意味でもシューズ内への噴出に非常に好適である。
【0027】
該効能ユニット10には、ドレントラップ30が備えられている態様が考え得る。該ドレントラップ30は、圧縮空気Aが冷却され、該圧縮空気Aに水蒸気の状態で含有される水分が凝縮されることで、効能ユニット10内に発生するドレン水Dを排出するために備えられる。ドレントラップ30を効能ユニット10の下部に備えることで、滞留するドレン水Dにおける菌やウイルスの増殖を防止して臭気の発生・増大を抑制することができると共に、回路システムのメンテナンス性向上に資する。ドレントラップ30は、電磁式、フロート式、ディスク式などが考えられる。本発明で使用するドレントラップ30の種別については、特に限定されるものではない。
【0028】
効能ユニット10における効能剤16の充填態様について、
図1に示す様
に、効能剤16が充填された効能剤容器18を中空部12に挿嵌する態様
を採用する。効能剤容器18は、中空部18dを有し上方が開口した筒状体から成る容器本体18aと、該容器本体18aの中空部18dに連通する孔部18cを備え且つ該容器本体18aの上方開口端を閉塞可能なキャップ体18bと、で構成されている。かかる態様により、閉塞ボディ13から中空ボディ11を外すことで、効能剤容器18について、中空部12内に随時装填・交換することができる。
【0029】
効能剤容器18は、
図2において具体的態様が示されている様に、容器本体18aと、キャップ体18bと、から構成されている。容器本体18aは、中空部18dを有し上方が開口した筒状体から成り、該中空部18dには所定量の液状の効能剤16が充填されている。尚、図示の様に、該中空部18d内において、効能剤16を浸透して毛細現象により吸い上げる芯材18eが装填される態様が好適である。また、キャップ体18bは、容器本体18aの上方開口端を螺合等により閉塞可能な構造となっており、且つ、容器本体18a外へ効能剤16を放出するべく、該容器本体18aの中空部18dに連通した孔部18cが備えられて成る。
【0030】
効能剤容器18におけるキャップ体18bに備えられる孔部18cの数については、特に限定するものではないが、好ましくは複数の孔部18cが備えられ、より好ましくは2乃至4の孔部18cが備えられる。尚、図面では、キャップ体18bに該孔部18cを4つ備えた場合について示している。このように、複数の孔部18cを備える場合、各孔部18cには剥離可能なシール材18fが貼着されている。かかる態様を採用することで、シール材18fの剥離数を変更することで、連通する孔部18cの数を任意に変えることが可能となり、抗菌作用や芳香作用の強度を適宜変更することが可能である。
【0031】
エアガン20は、その具体的構造について特に限定はなく、常法のものを使用すれば足りる。すなわち、常法の構成として、把持部の先端にエア噴出ノズルが備えられ、把持部にはエア噴出のON/OFFスイッチが備えられた態様となっている。
【0032】
以上で構成される本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造において、図示の様に、エアコンプレッサ1と効能ユニット10との中間に、エアドライヤ2、エアフィルタ3または除菌フィルタ4から選択されるいずれか一以上が装備された態様を採用し得る。
【0033】
エアドライヤ2は、圧縮空気Aを乾燥させ水分を取り除くための機器であって、水分の除去方式により、冷凍式や中空糸膜式、吸着式などが存在する。本発明で使用するエアドライヤ2は、冷凍式や中空糸膜式、吸着式のいずれかを問うものではなく、特に限定されるものではないが、一般に繁用されているのは、冷凍式のエアドライヤ2である。冷凍式のエアドライヤ2は、冷媒の蒸発潜熱を利用して、圧縮空気Aを冷却し、含有水分を凝縮して除去するための装置であって、比較的安価に導入することができる。
【0034】
エアフィルタ3は、圧縮空気A中の水分や油分、スラッジや微生物を除去するためのフィルタであって、例えば樹脂製若しくは紙製で網状乃至中空糸膜状のエアフィルタエレメント3a、若しくは、活性炭を包んだエアフィルタエレメント3aが内蔵されている。該エアフィルタ3は、前記エアドライヤ2の後段に配設されるのが一般的である。
【0035】
除菌フィルタ4は、圧縮空気Aに含有する常在菌(菌やウイルス)を分離・除去するためのフィルタであって、例えば筒状体で、底面を閉鎖、上面を開口、側面に濾材を配した形状から成る除菌フィルタエレメント4aが内蔵されている。該除菌フィルタエレメント4aは、必要に応じて着脱・交換可能である。このとき、該除菌フィルタエレメント4aの上面中央部に圧縮空気Aの排出口が連通すると共に、除菌フィルタエレメント4aの外側に圧縮空気Aの流入口が連通する構成を採る。かかる構成を採用することにより、圧縮空気Aを除菌フィルタエレメントの外側から内側へ通気させることが可能となる。該除菌フィルタ4は、異物を除去した圧縮空気Aを最終的に除菌すべく、前記エアフィルタ3の後段に配設される。
【0036】
上記したエアドライヤ2、エアフィルタ3並びに除菌フィルタ4には、各々ドレントラップ30が備えられている態様が好適である。該ドレントラップ30は、圧縮空気Aを冷却し、該圧縮空気Aに水蒸気の状態で含有される水分を凝縮することで、エアドライヤ2内に発生するドレン水Dを排出するために備えられる。ドレントラップ30をエアドライヤ2やエアフィルタ3、除菌フィルタ4の下部に備えることで、滞留するドレン水Dにおける菌やウイルスの増殖を防止して臭気の発生・増大を抑制することができると共に、回路システムのメンテナンス性向上に資する。ドレントラップ30は、電磁式、フロート式、ディスク式などが考えられる。本発明で使用するドレントラップ30の種別については、特に限定されるものではない。
【0037】
本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造において、上記各構成要素間は配管路5を介して接続されている。該配管路5は、圧縮空気Aを送気するための中空管であって、その素材について特に限定はないが、エアコンプレッサ1から効能ユニット10の間は、例えば銅や鉄などの主に金属素材より成る略剛性の配管から成り、効能ユニット10からエアガン20の間は、例えばゴムやポリエチレン、塩ビ製の樹脂管あるいは炭素繊維やガラス繊維から成る繊維管など略柔軟性の配管で構成される。尚、エアガン20の前段は、必要に応じて所定中間箇所から略柔軟性の配管とする態様であってもよい。
【0038】
ところで、エアドライヤ2から効能ユニット10までの配管路5について、短ければ短いほど好適である。なぜなら、エアドライヤ2を通過した圧縮空気Aとはいえ水蒸気含有量はゼロではなく、よって当該圧縮空気Aがその後に配管路5を通過する際にも冷却作用によるドレン水Dの発生が想定されるため、できることなら当該配管路5でのドレン水Dの発生を抑制し得るべく、可能な限り短く設定することが好ましいからである。このことは、中間にエアドライヤ2、エアフィルタ3並びに除菌フィルタ4が装備された場合であっても同様である。
【0039】
次いで、本発明にかかるゴルフ用エアガンにおける圧縮空気圧回路構造の動作、並びに、該ゴルフ用エアガンの使用態様について説明する。尚、説明の便宜上、エアコンプレッサ1と効能ユニット10との中間に、エアドライヤ2、エアフィルタ3並びに除菌フィルタ4が装備された場合、並びに、効能剤16として抗菌作用と芳香作用を併せ持つ場合について説明する。これらを有していない場合については、当該部分を省略して解するものとする。
【0040】
エアコンプレッサ1は、空気である大気を吸気し、所定圧へと圧縮させる。前記大気には、水蒸気と共に常在菌(菌やウイルス)と臭気が含まれている。エアコンプレッサ1で製造された圧縮空気Aは、この段階では圧縮熱を帯びているため、直ちにはドレン水Dの発生はない。
【0041】
次いで、圧縮空気Aは、配管路5を通過する。この際、圧縮空気Aは、配管路5外部の周囲温度に向かう方向で冷却される。かかる冷却により、圧縮空気Aから凝縮水であるドレン水Dが発生する。
【0042】
配管路5を通過した圧縮空気Aは、当該配管路5で発生したドレン水Dと共に、その後段に備えられるエアドライヤ2に入気される。エアドライヤ2に入気された圧縮空気Aは、プリクーラーで予冷された後にエバポレータ内部の熱交換器を蛇行又は衝突をするなどして流路の変更を大きく受けながら通過して冷却される。かかる冷却によって、圧縮空気Aから積極的に凝縮水であるドレン水Dが分離・除去される。かかるドレン水Dは、ドレントラップ30により外部へと適宜排出される。
【0043】
次いで、圧縮空気Aは、配管路5を通過し、その後段に備えられるエアフィルタ3に入気される。エアフィルタ3へ入気された圧縮空気Aは、中内蔵されたエアフィルタエレメント3aを通過することで、水分や油分、スラッジや微生物が除去され、後段へと排出される。
尚、配管路5を通過する際やエアフィルタ3内で発生したドレン水Dは、ドレントラップ30により外部へと適宜排出される。
【0044】
次いで、圧縮空気Aは、配管路5を通過し、その後段に備えられる除菌フィルタ4に入気される。除菌フィルタ4へ入気された圧縮空気Aは、中内蔵された除菌フィルタエレメント4aを通過することで除菌され、後段へと排出される。
尚、配管路5を通過する際や除菌フィルタ4内で発生したドレン水Dは、ドレントラップ30により外部へと適宜排出される。
【0045】
次いで、圧縮空気Aは、配管路5を通過し、その後段に備えられる効能ユニット10に流入口14を介して入気される。効能ユニット10へ入気された圧縮空気Aは、中空ボディ11の中空部12内に
挿嵌された効能剤容器18内に充填された効能剤16に接触することで、抗菌作用や芳香作用など自ら効能化されると共に、効能剤16の気化粒子など成分を担持しつつ、排出口15より外部へと適宜排出される。
尚、配管路5を通過する際や効能ユニット10内で発生したドレン水Dは、ドレントラップ30により外部へと適宜排出される。
【0046】
効能ユニット10を通過した圧縮空気Aは、
図3に示す様に、配管路5を通過し、その後段に備えられるエアガン20を介して、ゴルフの用途すなわちシューズその他の装身具への噴出に供される。