(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記相手先情報出力手段は、前記電話帳データに含まれる前記相手先情報を、五十音順の昇順あるいは降順で出力し、前記検出した傾きに応じて前記相手先情報のそれぞれを出力する時間を設定する、請求項2に記載の通信端末。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1にかかる通信端末1の機能構成を示す構成図である。通信端末1は、携帯電話端末、PC(Personal Computer)等の通信端末である。通信端末1は、傾き検出部16、相手先情報出力部115、及び通信相手特定部116を備える。
【0012】
傾き検出部16は、通信端末1の傾きを検出する。傾き検出部16は、例えば、通信端末1が備える図示しないジャイロセンサ161から、通信端末1の傾き角度を取得する。傾き角度は、いずれかの軸に関する回転角度である。傾き角度は、通信端末1の底面が地面に対して水平となる状態を基準として測定されてもよい。
【0013】
相手先情報出力部115は、検出した傾きに応じて相手先情報を出力する。相手先情報は、通信相手を示す情報である。相手先情報は、例えば、通信相手の氏名である。相手先情報出力部115は、相手先情報を、図示しないスピーカ142またはレシーバ143に出力してもよい。相手先情報出力部115は、相手先情報を、図示しないディスプレイ141に出力してもよい。
【0014】
相手先情報出力部115は、例えば、傾き角度範囲と相手先情報とを対応付ける図示しない情報テーブル300を参照し、傾きに応じて相手先情報を出力してもよい。相手先情報出力部115は、例えば、図示しない電話帳データ121に記憶された相手先情報を五十音順の昇順または降順で音声出力し、通信端末1の傾きに応じて相手先情報のそれぞれを出力する時間を設定してもよい。
【0015】
通信相手特定部116は、入力される操作に応じて出力した相手先情報に基づく通信相手を特定する。入力される操作は、例えば、通信端末1が備える図示しない操作ボタン151を押下する操作である。このような場合、通信相手特定部116は、操作ボタン151が押下されたときに出力する相手先情報から通信相手を特定する。
【0016】
本実施の形態では、通信端末1は、通信端末1の傾きに応じて相手先情報を出力する。そして、通信端末1は、ユーザの入力操作に基づいて通信相手を特定する。したがって、本実施の形態によると、通信端末1は、端末の傾き及びユーザの入力操作に基づいて通信相手を特定することが可能となる。
【0017】
<実施の形態2>
図2は、本実施の形態にかかる携帯電話端末(通信端末)1の概要を示す概略図である。携帯電話端末1は、ユーザ2により使用される携帯電話端末である。携帯電話端末1は、例えば、スマートフォンである。携帯電話端末1は、図示しないジャイロセンサ161を備えている。ユーザ2は、携帯電話端末1の傾きを変えることにより、携帯電話端末1の発信動作を制御する。携帯電話端末1は、携帯電話端末1の傾きを検出する。携帯電話端末1は、携帯電話端末1の初期位置における傾きと、携帯電話端末1の現在の傾きとの角度差分を検出し、角度差分に基づいて動作してもよい。
【0018】
図3は、本実施の形態にかかる携帯電話端末1の機能構成を示す構成図である。携帯電話端末1は、主制御部11、メモリ12、無線制御部13、出力部14、入力部15、及び傾き検出部16を備える。
【0019】
主制御部11は、相手先情報の先頭文字を特定する。ここで、主制御部11は、まず日本語の50音図における行を選択し、次に日本語の50音図における段を選択することにより、先頭文字を特定する。主制御部11は、当該先頭文字から始まる相手先情報に基づく通信相手を特定し、相手先電話番号へ発信する。
【0020】
主制御部11は、行情報出力部111、行特定部112、文字情報出力部113、先頭文字特定部114、相手先情報出力部115、通信相手特定部116、及び発信部117を備える。行情報出力部111は、五十音図の行に関する行情報を、携帯電話端末1の傾きに応じて出力部14に出力する。行情報は、五十音図の各行の代表文字である。代表文字は、例えば、各行の先頭の「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」である。行情報出力部111は、後述する情報テーブル100に基づいて行情報を出力する。行情報出力部111は、行情報の音声情報を出力してもよい。
【0021】
行特定部112は、入力操作に応じて、行情報に基づき先頭文字が属する行を特定する。入力操作は、例えば、携帯電話端末1が備える操作ボタン151を押下する操作である。例えば、行情報出力部111が「か」を音声出力しているときに入力操作が行われた場合、行特定部112は、先頭文字が属する行を「か行」に特定する。
【0022】
文字情報出力部113は、行特定部112により特定された行の各段の文字に関する文字情報を、検出した傾きに応じて出力部14に出力する。文字情報出力部113は、文字情報の音声情報を出力してもよい。例えば、行特定部112が「か行」を特定した場合、文字情報出力部113は、携帯電話端末1の傾きに応じて「か」「き」「く」「け」「こ」を出力する。文字情報出力部113は、後述する情報テーブル200に基づいて文字情報を出力する。
【0023】
先頭文字特定部114は、入力される操作に応じて、文字情報出力部113が出力した文字情報に基づき相手先情報の先頭文字を特定する。入力操作は、行特定部112と同様であり、例えば、携帯電話端末1が備える操作ボタン151を押下する操作である。例えば、文字情報出力部113が「き」を出力しているときに入力操作が行われた場合、先頭文字特定部114は、先頭文字を「き」に特定する。
【0024】
相手先情報出力部115は、先頭文字特定部114が特定した先頭文字から始まる相手先情報を、携帯電話端末1の傾きに応じて出力部14に出力する。相手先情報出力部115は、相手先情報の音声情報を出力してもよい。例えば、相手先情報出力部115は、後述する電話帳データ121に記憶された相手先情報のうち「き」から始まる相手先情報を、携帯電話端末1の傾きに応じて出力する。相手先情報出力部115は、後述する情報テーブル300に基づいて相手先情報を出力する。
【0025】
通信相手特定部116は、入力される操作に応じて、相手先情報出力部115が出力した相手先情報に基づく通信相手を特定する。入力される操作は、行特定部112及び先頭文字特定部114と同様であり、例えば、携帯電話端末1が備える操作ボタン151を押下する操作である。例えば、相手先情報出力部115が「かじわら さとし」という相手先情報を出力しているときに入力操作が行われた場合、通信相手特定部116は、通信相手を「かじわら さとし」に特定する。発信部117は、電話帳データ121を参照し、通信相手の相手先電話番号へ発信する。なお、後述するメモリ12が、電話帳データ121を記憶している。
【0026】
メモリ12は、電話帳データ121を記憶する。また、メモリ12は、上述した図示しない情報テーブル100、200、300を記憶する。なお、情報テーブル100、200、300の詳細については後述する。無線制御部13は、携帯電話端末1が行う無線通信を制御する。
【0027】
出力部14は、携帯電話端末1が処理を行った結果を外部に出力する。出力部14は、ディスプレイ141、スピーカ142、及びレシーバ143を備える。スピーカ142、及びレシーバ143は、行情報出力部111、文字情報出力部113、及び相手先情報出力部115の出力に基づいて、音声を出力する。ディスプレイ141は、行情報出力部111、文字情報出力部113、及び相手先情報出力部115の出力に基づいて、画像を表示してもよい。入力部15は、携帯電話端末1に対するユーザ2の入力操作を受け付ける。入力部15は、操作ボタン151、マイク152、及びタッチパネル153を備える。なお、操作ボタン151は、携帯電話端末1に備えられていてもよく、タッチパネル153の所定の位置に表示されてもよい。傾き検出部16は、ジャイロセンサ161から携帯電話端末1の傾きを取得する。
【0028】
図4は、行情報出力部111が使用する情報テーブル100の例を示す図である。情報テーブル100は、通信端末1の傾きを示す角度範囲と50音図の行とを関連付けるテーブルである。
図5は、文字情報出力部113が使用する情報テーブル200の例を示す図である。情報テーブル200は、携帯電話端末1の傾きを示す角度範囲と文字情報とを関連付けるテーブルである。
図6は、相手先情報出力部115が使用する情報テーブル300の例を示す図である。情報テーブル300は、携帯電話端末1の傾きを示す角度範囲と相手先情報とを関連付けるテーブルである。上述の通り、メモリ12は、情報テーブル100、200、300を記憶する。情報テーブル100、200、300は、携帯電話端末1の傾きを示す角度の範囲と、対応する出力とを関連付けたテーブルである。本実施の形態にかかる携帯電話端末1は、音声等による出力と、入力操作と、に基づいて通信相手を特定する。本実施の形態にかかる携帯電話端末1は、まず、日本語の50音図の行と段に基づいて先頭文字を特定する。そして、携帯電話端末1は、携帯電話端末1の傾きに基づいて、先頭文字から始まる相手先情報を出力する。
【0029】
図7は、携帯電話端末1が通信相手を特定する際の動作を示すフローチャートである。携帯電話端末1は、ユーザ2による所定の入力操作を検出し、相手先情報を特定する処理を開始する。入力操作は、例えば、操作ボタン151を押下する処理である。なお、以下では、携帯電話端末1が音声出力を行う場合について説明する。
【0030】
行特定部112は、まず、50音図における行を選択することにより、先頭文字が属する行を特定する(ステップS1)。次に、先頭文字特定部114は、50音図における段を選択することにより、先頭文字を特定する(ステップS2)。最後に、通信相手特定部116は、相手先情報を選択し、通信相手を特定する(ステップS3)。その後、発信部117は、特定した通信相手の相手先電話番号へ発信する。
【0031】
ステップS1において、出力部14は、行情報出力部111の制御に基づいて、50音図における行の代表文字を音声出力する。50音図における行の代表文字とは、例えば、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」である。
【0032】
図8のステップS11〜ステップS14は、先頭文字が属する行を特定する動作を示すフローチャートである。
図8のステップS21〜ステップS24は、先頭文字を特定する動作を示すフローチャートである。
図8のステップS31〜ステップS34は、通信相手を特定する動作を示すフローチャートである。
【0033】
まず、ステップS11〜ステップS14について説明する。なお、ステップS11〜ステップS14は、
図7のステップS1に対応する。通信相手を特定するためのユーザ2による入力操作を検出すると、傾き検出部16は、携帯電話端末1の傾きを初期傾き角度として測定する(ステップS11)。
【0034】
次に、傾き検出部16は、ステップS11と同様に現在の携帯電話端末1の傾きを測定し、初期傾き角度との角度差分を算出する(ステップS12)。次に、行情報出力部111は、情報テーブル100を参照し、当該角度差分に対応する音声情報をスピーカ142またはレシーバ143に出力する(ステップS13)。なお、情報テーブル100の角度範囲は、任意に設定することが可能である。
図4の情報テーブル100は、角度範囲に制限を付している。情報テーブル100は、60度から179度の範囲、及び(−60)度から(−179)度の範囲では音声を出力しないことを示している。このように、ユーザ2にとって操作が不便な範囲は使用しないような設定を行うことが可能である。
【0035】
次に、行特定部112は、ユーザ2によって入力操作がおこなわれたか否かを判定する(ステップS14)。入力操作として、ユーザ2は、操作ボタン151を押下してもよく、タッチパネル153の所定のエリアにタッチしてもよい。また、入力操作として、ユーザ2は、携帯電話端末1を所定の方向に傾けてもよい。このような場合、行特定部112は、ステップS11およびステップS12の傾きに関する第1の軸とは異なる第2の軸に関する携帯電話端末1の傾きを使用する必要がある。
【0036】
入力操作を検出しなかった場合(ステップS14のNo)、携帯電話端末1は、ステップS12の処理に再度移行する。入力操作を検出した場合(ステップS14のYes)、行特定部112は、当該角度差分に対応する50音図の行から先頭文字が属する行を特定し、情報を保持する。その後、携帯電話端末1は、
図7のステップS2の処理に移行する。
【0037】
次に、
図8のステップS21〜ステップS24について説明する。なお、ステップS21〜ステップS24は、
図7のステップS2に対応する。以下、先頭文字の行が「か行」に特定された場合について説明する。このような場合、先頭文字特定部114は、相手先情報の先頭文字が「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」のいずれであるかを確定する。ステップS21〜ステップS22は、ステップS11〜ステップS12と同様であるため説明を省略する。ステップS23において、文字情報出力部113は、
図5に示す情報テーブル200を参照し、角度差分に基づいて音声情報をスピーカ142またはレシーバ143に出力する。
【0038】
次に、先頭文字特定部114は、ステップS14と同様に入力操作が行われたか否かを判定する(ステップS24)。入力操作を検出しなかった場合(ステップS24のNo)、携帯電話端末1は、ステップS22の処理に再度移行する。入力操作を検出した場合(ステップS24のYes)、先頭文字特定部114は、入力操作が行われたときの角度差分に対応する先頭文字を特定し、情報を保持する。先頭文字を特定した後、携帯電話端末1は、
図7のステップS3の処理に移行する。
【0039】
最後に、
図8のステップS31〜ステップS34について説明する。ステップS31〜ステップS34は、
図7のステップS3に対応する。以下、相手先名の先頭文字が「か」である場合について説明する。ステップS31〜ステップS32は、ステップS11〜ステップS12、及びステップS21〜ステップS22と同様であるため説明を省略する。ステップS33において、相手先情報出力部115は、各先頭文字に対応する情報テーブルのうち、
図6に示す先頭文字「か」から始まる情報テーブル300を参照する。相手先情報出力部115は、ステップS32で取得した角度差分に基づいて音声情報をスピーカ142またはレシーバ143に出力する。
【0040】
次に、通信相手特定部116は、ステップS14およびステップS24と同様に、入力操作が行われたか否かを判定する(ステップS34)。入力操作を検出しなかった場合(ステップS34のNo)、携帯電話端末1は、ステップS32の処理に再度移行する。入力操作を検出した場合(ステップS34のYes)、通信相手特定部116は、入力操作が行われたときの角度差分に応じて、相手先情報に基づく通信相手を特定し保持する。以上の動作により、所望の相手先情報の選択が完了する。続けて、発信部117は、電話帳データ121を参照し、選択された相手先情報に対応する相手先電話番号へ発信する処理を行う。なお、角度差分を用いる場合について説明したが、携帯電話端末1の傾きを示す角度の絶対値を用いて相手先情報を選択してもよい。
【0041】
以下、携帯電話端末1が音声出力を行う場合の効果について説明する。関連する技術によると、ユーザ2は、携帯電話端末1の入力部により相手先電話番号を入力していた。入力部は、例えば、操作ボタン、タッチパネル式入力装置、キーボード等である。また、関連する技術によると、ユーザ2は、ROM(Read Only Memory)等のメモリに記憶された電話帳データ121からの選択を行うことにより相手先電話番号を入力していた。このような場合、携帯電話端末1は、ディスプレイに相手先電話番号を表示し、ユーザ2に入力情報をフィードバックする。しかしながら、このような方法によると、ユーザ2は、フィードバック情報を得ることができないという問題が生じていた。
【0042】
本実施の形態によると、ジャイロセンサ161による傾き検出と、音声フィードバックと、を組み合わせて、電話帳データ121を検索することが可能となる。したがって、視覚障碍者が簡便に相手先電話番号を選択し、通話を行うことが可能となる。また、視覚障碍者が携帯電話端末1のディスプレイを直接視認できない場合でも、電話帳データ121の検索が可能になるという利点がある。
【0043】
上述した例では、携帯電話端末1は出力部14を備えていたが、携帯電話端末1は、出力部14の代わりに図示しない近距離無線通信部17を備えてもよい。なお、入力部15は、マイク152、及びタッチパネル153を備えず、操作ボタン151のみを備えていればよい。近距離無線通信部17は、予めペアリングされたヘッドセットもしくはイヤホンマイクに内蔵されたマイク及びレシーバを通じて音声の入出力を行う。このような場合、携帯電話端末1の出力部14及び入力部15に必要な構成部品を削減できるため、携帯電話端末1を小型化することが可能となる。また、当該構成部品の取り付けが不要となるため、携帯電話端末1の筐体の形や素材の自由度も広げることができる。例えば、特開2014−68306号公報に示された通信アダプタに、本実施形態を適用してもよい。なお、通信アダプタは、近距離無線通信によりペアリングされた携帯電話端末1をユーザ2が操作することにより相手先電話番号を受け付けるものである。
【0044】
<実施の形態3>
実施の形態2にかかる携帯電話端末1は、携帯電話端末1の傾きに対応する相手先情報を出力する。一方、本実施形態にかかる携帯電話端末1は、電話帳データ121に含まれる相手先情報を五十音順に出力し、入力された操作を検出して通信相手を特定する。本実施形態の携帯電話端末1は、携帯電話端末1の傾きに応じて、電話帳データ121を出力する際の出力時間を変更する。つまり、本実施形態にかかる携帯電話端末1は、携帯電話端末1の傾きに基づいて電話帳データ121を出力する速度を変更する。なお、携帯電話端末1の機能構成は、
図1と同様であるため、説明を省略する。以下では、携帯電話端末1が、相手先情報を音声出力する場合について説明するが、携帯電話端末1は相手先情報を図示しないディスプレイ141に表示してもよい。
【0045】
図9は、メモリ12が備える電話帳データ121のメモリ構成の一例である。なお、相手先電話番号の図示を省略している。電話帳データ121の各行には、五十音順でソートされた相手先情報が記録されている。
図10は、メモリ12が備える情報テーブル400のメモリ構成の一例である。情報テーブル400は、傾きを示す角度の範囲と、電話帳データ121の検索速度とを関連付けるテーブルである。音声出力時間は、検索速度に基づいて定められる時間である。
【0046】
相手先情報出力部115は、音声出力時間の間にそれぞれの相手先情報を音声出力するようにスピーカ142またはレシーバ143を制御する。後述するように、相手先情報出力部115は、検索速度に基づいて、電話帳データ121に含まれる相手先情報を50音順の昇順あるいは降順で読み上げる。
【0047】
図11は、本実施形態にかかる携帯電話端末1の動作を示すフローチャートである。携帯電話端末1は、操作ボタン151の押下等の所定の入力操作を検出した場合に、通信相手を特定する処理を開始する。まず、傾き検出部16は、携帯電話端末1の傾きを測定し、初期傾き角度とする(ステップS41)。次に、傾き検出部16は、携帯電話端末1の現在の傾きを測定し、初期傾き角度との角度差分を算出する(ステップS42)。次に、相手先情報出力部115は、情報テーブル400を参照し、角度差分に応じた検索速度を設定する(ステップS43)。次に、相手先情報出力部115は、ステップS43で設定された検索速度に基づいて、相手先情報を音声出力するための音声情報をスピーカ142またはレシーバ143に出力する(ステップS44)。
【0048】
例えば、検索速度が「0」の場合、相手先情報出力部115は、
図9に示す電話帳データ121の1行目の相手先情報を繰り返し出力する。検索速度が「1」の場合、相手先情報出力部115は、電話帳データ121の1行目の相手先情報を出力した後、2行目の相手先情報を出力し、続けて3行目、4行目の相手先情報を出力する。相手先情報出力部115は、電話帳データ121の最終行の相手先情報を出力した後、1行目の相手先情報を出力し、上述した動作を繰り返す。
【0049】
検索速度が「+2」の場合、相手先情報出力部115は、検索速度が「+1」の場合と同様に、相手先情報を順番に出力する。ただし、検索速度が「+2」のときの音声出力時間は、検索速度が「+1」のときの音声出力時間よりも短い。
図10では、検索速度が「0」及び「+1」のときの音声出力時間は3秒に設定されており、検索速度が「+2」のときの音声出力時間は1.5秒に設定されている。
【0050】
検索速度が「−1」の場合、相手先情報出力部115は、
図9の電話帳データ121の1行目の相手先情報を出力した後、最終行であるN行目の相手先情報を出力し、続けて(N−1)行目、(N−2)行目の相手先情報を出力する。相手先情報出力部115は、上述した動作を繰り返す。電話帳データ121の各行の相手先情報を音声出力している間に検索速度が変化した場合、相手先情報出力部115は、音声出力していた行から検索速度を変化させて出力を行ってもよい。
【0051】
次に、通信相手特定部116は、入力操作が行われたか否かを判定する(ステップS45)。入力操作を検出しない場合(ステップS45のNo)、携帯電話端末1は、ステップS42の処理に再度移行する。入力操作を検出した場合(ステップS45のYes)、通信相手特定部116は、入力操作が行われたときの相手先情報を特定し、情報を保持する。その後、発信部117は、相手先情報と対応する相手先電話番号へ発信する。
【0052】
<ハードウェアの構成例>
次に、ハードウェアの構成例について述べる。
図12は、通信端末1を実現するためのハードウェアを例示する図である。通信端末1は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ12、ストレージデバイス1080、及びネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ12、ストレージデバイス1080、及びネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ12は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0053】
ネットワークインタフェース1120は、通信端末1をネットワーク1300に接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えば LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0054】
ストレージデバイス1080は、通信端末1の各手段を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ12に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
【0055】
上述の実施の形態における各種の処理は、ハードウェアでもソフトウェアでも実現できる。例えば、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0056】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【解決手段】本発明にかかる通信端末1は、自端末の傾きを検出する傾き検出部16と、当該検出した傾きに応じて、相手先情報を出力する相手先情報出力部115と、入力される操作に応じて、当該出力した相手先情報に基づく通信相手を特定する通信相手特定部116と、を備える。