特許第6892162号(P6892162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6892162
(24)【登録日】2021年5月31日
(45)【発行日】2021年6月23日
(54)【発明の名称】空気圧縮機におけるドレン排出構造
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/16 20060101AFI20210614BHJP
   F04B 41/02 20060101ALI20210614BHJP
【FI】
   F04B39/16 J
   F04B41/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-30792(P2020-30792)
(22)【出願日】2020年2月26日
【審査請求日】2020年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154521
【氏名又は名称】株式会社フクハラ
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】福原 廣
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 実開平5−36199(JP,U)
【文献】 特開平11−201390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/16
F04B 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコンプレッサとエアドライヤとを備え、且つ、ストレーナ並びにドレントラップを具備して成る空気圧縮機におけるドレン排出構造であって、
エアコンプレッサで発生したドレンを排出するためのコンプレッサドレン導入管が備えられると共に、エアドライヤで発生したドレンを排出するためのドライヤドレン導入管が備えられ、
ストレーナは、ストレーナベースとストレーナエレメントと該ストレーナエレメントを内蔵し得るストレーナケースとから成り、
ストレーナベースは、上方にストレーナエレメントを載置可能であって、ドレン導入管を接続可能な二個のドレン導入口を備えると共に、ストレーナケース内にドレンを噴出可能な各ドレン導入口に対応する二個のドレン噴出孔を備え、且つ、ストレーナエレメントを通過したドレンを排出し得る一のドレン排出口を備えて成り、
コンプレッサドレン導入管並びにドライヤドレン導入管はドレン導入口を介してストレーナに接続されると共に、該ストレーナの後段にはドレン排出口に接続されるドレン導出管を介してドレントラップが接続されて成り、
エアコンプレッサ並びにエアドライヤから排出されるドレンは共に一機のストレーナに送出され、該ストレーナを介してドレントラップにより外部へドレンが排出されることを特徴とする空気圧縮機におけるドレン排出構造。
【請求項2】
前記ドライヤドレン導入管における所定中間箇所に、逆止弁が配設されて成ることを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機におけるドレン排出構造。
【請求項3】
前記エアドライヤが、冷凍式エアドライヤであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気圧縮機におけるドレン排出構造。
【請求項4】
前記ドレントラップが、電磁式ドレントラップであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気圧縮機におけるドレン排出構造。
【請求項5】
前記ドレントラップに、サイクルタイマーが装備されていることを特徴とする請求項4に記載の空気圧縮機におけるドレン排出構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機におけるドレン排出構造に関し、詳しくは、エアドライヤが内蔵された空気圧縮機にて発生するドレンを排出するための構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気圧縮機により生成された圧縮空気は、食品加工やレンズなど精密機器の仕上げ加工、清掃等の末端、その他各種用途に使用されている。そして、かかる圧縮空気の用途によっては、空気圧縮機から圧縮空気が吐出されるまでの空気圧回路の中間に、各種機器が配設されている。例えば、水分の持ち出しが厳禁である用途に使用される場合には、空気圧回路の中間においてエアドライヤを介する構成が採られており、さらにエアドライヤの後段において除去しきれなかった水分や油分、スラッジや微生物を除去すべく、樹脂製若しくは紙製で網状乃至中空糸膜状のエアフィルタ、若しくは、活性炭を包んだエアフィルタを配設する態様が採られている。
【0003】
ところで、上記のような従来の圧縮空気圧回路の構成によると、空気圧縮機が吐出する熱を帯びた圧縮空気が配管路で冷却された場合に、加圧下飽和水蒸気量も下がるため配管路内でドレンが発生してしまい、後段の各種機器に該ドレンが浸入してしまうといった問題があった。そこで、空気圧縮機が生成する圧縮空気中の水蒸気量を減少すべく、該空気圧縮機自体にエアコンプレッサとエアドライヤの両機を内蔵させて一機のパッケージとする態様も採られている。
【0004】
しかしながら、エアコンプレッサでは、そもそも圧縮空気を生成する際の飽和水蒸気量の低下によりドレンが発生する。また、エアドライヤでは、熱交換器により圧縮空気が冷却されることで、同様に加圧下飽和水蒸気量の低下によるドレンが発生する。このように、エアコンプレッサ及びエアドライヤ共にドレンが発生し得ることとなる。
【0005】
発生したドレンを排出するためには、ドレントラップを備える態様が一般的である。かかるドレントラップは、各機器ごと1基装備されるのが常法であって、各機器で発生したドレンは、各種機器ごとに排出する態様が採られている。
【0006】
しかしながら、エアコンプレッサとエアドライヤの両機を内蔵させた空気圧縮機において、各機器ごとに夫々ドレントラップを装備するのは、手間がかかると共に煩雑であって、コストアップの原因となっていた。また、ドレントラップの台数増加は、定期メンテナンスや動作不良に対する修繕メンテナンスの手間を煩雑にする要因ともなっていた。
【0007】
本出願人は、エアコンプレッサとエアドライヤの両機を内蔵させた空気圧縮機に着目し、圧縮空気を生成する際に発生するドレンを一手に排出することができないものかとの着想の下、メンテナンス性やコストパフォーマンス性、機能性の向上に資する空気圧縮機におけるドレン排出構造を開発し、本発明における「空気圧縮機におけるドレン排出構造」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−231035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、エアコンプレッサとエアドライヤの両機を内蔵させた空気圧縮機において、メンテナンス性やコストパフォーマンス性、機能性の向上に資するドレン排出構造の提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、エアコンプレッサとエアドライヤとを備え、且つ、ストレーナ並びにドレントラップを具備して成る空気圧縮機におけるドレン排出構造であって、エアコンプレッサで発生したドレンを排出するためのコンプレッサドレン導入管が備えられると共に、エアドライヤで発生したドレンを排出するためのドライヤドレン導入管が備えられ、ストレーナは、ストレーナベースとストレーナエレメントと該ストレーナエレメントを内蔵し得るストレーナケースとから成り、ストレーナベースは、上方にストレーナエレメントを載置可能であって、ドレン導入管を接続可能な二個のドレン導入口を備えると共に、ストレーナケース内にドレンを噴出可能な各ドレン導入口に対応する二個のドレン噴出孔を備え、且つ、ストレーナエレメントを通過したドレンを排出し得る一のドレン排出口を備えて成り、コンプレッサドレン導入管並びにドライヤドレン導入管はドレン導入口を介してストレーナに接続されると共に、該ストレーナの後段にはドレン排出口に接続されるドレン導出管を介してドレントラップが接続されて成り、エアコンプレッサ並びにエアドライヤから排出されるドレンは共に一機のストレーナに送出され、該ストレーナを介してドレントラップにより外部へドレンが排出される手段を採る。
【0011】
また、本発明は、前記ドライヤドレン導入管における所定中間箇所に、逆止弁が配設されて成る手段を採る。
【0012】
さらに、本発明は、前記エアドライヤが、冷凍式エアドライヤである手段を採る。
【0013】
またさらに、本発明は、前記ドレントラップが、電磁式ドレントラップである手段を採る。
【0014】
さらにまた、本発明は、前記ドレントラップに、サイクルタイマーが装備されている手段を採る。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる空気圧縮機におけるドレン排出構造によれば、内蔵されたエアコンプレッサとエアドライヤの両機から排出されるドレンを、一機のストレーナを介在させると共に一機のドレントラップによって外部へ排出することが可能となるため、エアコンプレッサとエアドライヤの両機ごとに夫々ドレントラップを装備する必要がなく、簡易構造で装置の簡略化に資すると共に、メンテナンス性とコストパフォーマンス性並びに機能性の向上に資する、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明にかかる空気圧縮機におけるドレン排出構造の実施形態を示す説明図である。
図2】本発明にかかる空気圧縮機におけるストレーナ及びドレントラップの実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明にかかる空気圧縮機1におけるドレン排出構造は、内蔵されたエアコンプレッサ10とエアドライヤ12の両機から排出されるドレンDを、一機のストレーナ20を介在させると共に一機のドレントラップ30によって外部へ排出することを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる空気圧縮機1におけるドレン排出構造の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0018】
なお、本発明にかかる空気圧縮機1におけるドレン排出構造は、以下に述べる実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができる。
【0019】
図1は、本発明にかかる空気圧縮機1におけるドレン排出構造の実施形態を示す説明図である。また、図2は、本発明にかかる空気圧縮機1におけるストレーナ20及びドレントラップ30の実施形態を示す説明図であり、(a)は側面図、(b)は模式的平断面図である。
本発明にかかる空気圧縮機1におけるドレン排出構造は、エアコンプレッサ10とエアドライヤ12の両機を内蔵した空気圧縮機1において、圧縮空気Aを生成する際に発生したドレンDを排出するための構造である。
【0020】
本発明にかかる空気圧縮機1は、エアコンプレッサ10とエアドライヤ12が内蔵され、且つ、ストレーナ20とドレントラップ30が具備されることで構成されており、これら各種機器は、コンプレッサドレン導入管14やドライヤドレン導入管16、ドレン導出管26、配管路Rにより互いに接続されている。
【0021】
エアコンプレッサ10は、空気を圧縮して所定気圧以上の圧縮空気Aを生成する機械であって、該圧縮空気Aを生成するための構造によって、往復式や回転式、遠心式など種々の方式が存在する。本発明で使用するエアコンプレッサ10の方式については、特に限定はなく、いずれの方式・構造のものでも使用することが可能である。該エアコンプレッサ10には、生成した圧縮空気Aを一時的に留め置くためのエアコンプレッサタンク11が備えられており、生成された圧縮空気Aをエアドライヤ12へ送気するための配管路Rが接続されている。また、エアコンプレッサタンク11には、生成された圧縮空気Aの空気圧を測定し得る圧力計Sを備える態様が望ましく、機器動作の正常性やエアドライヤ12との空気圧の均衡を監視することが可能となる。
【0022】
配管路Rは、圧縮空気Aを送気するための中空管から成り、エアコンプレッサ10からエアドライヤ12まで圧縮空気Aを送気すべく配設される。また、エアドライヤ12から先に圧縮空気Aを送気する際にも、配管路Rが配設される。該配管路Rには、必要に応じて開閉バルブBが備えられる。
【0023】
エアコンプレッサ10は、圧縮空気Aを生成する過程において、飽和水蒸気量の低下によりドレンDが発生するもので、発生したドレンDは、エアコンプレッサタンク11内に貯留される。エアコンプレッサタンク11には、発生したドレンDを排出すべくドレン孔11aが備えられ、該ドレン孔11aにはコンプレッサドレン導入管14が接続されている。
【0024】
コンプレッサドレン導入管14は、ドレンDを送出するための中空管から成り、エアコンプレッサ10において圧縮空気を生成する際に発生したドレンDをストレーナ20へ送出すべく設けられる。該コンプレッサドレン導入管14には、必要に応じて開閉バルブBが備えられる。
【0025】
エアドライヤ12は、圧縮空気Aを乾燥させ水分を取り除くための機器であって、水分の除去方式により、冷凍式や中空糸膜式、吸着式などが存在する。本発明で使用するエアドライヤ12は、冷凍式や中空糸膜式、吸着式のいずれかを問うものではなく、特に限定されるものではないが、一般に繁用されているのは、冷凍式のエアドライヤ12である。冷凍式のエアドライヤ30は、冷媒の蒸発潜熱を利用して、圧縮空気Aを冷却し、含有水分を凝縮して除去するための装置であって、比較的安価に導入することができるため、好適である。尚、エアドライヤ12内の圧縮空気Aの空気圧を測定し得る圧力計Sを備える態様が望ましく、機器動作の正常性やエアコンプレッサ10との空気圧の均衡を監視することが可能となる。
【0026】
エアドライヤ12は、圧縮空気A中の含有水分を除去する過程において、冷却による飽和水蒸気量の低下によりドレンDが発生するもので、発生したドレンDは、エアドライヤ12内に貯留される。エアドライヤ12には、発生したドレンDを排出すべくドレン孔12aが備えられ、該ドレン孔12aにはドライヤドレン導入管16が接続されている。
【0027】
ドライヤドレン導入管16は、ドレンDを送出するための中空管から成り、エアドライヤ12において圧縮空気Aを生成する際に発生したドレンDをストレーナ20へ送出すべく設けられる。該ドライヤドレン導入管16には、所定中間箇所に逆止弁17を配設する態様が好適であり、該ドライヤドレン導入管16におけるドレンDの逆流を防止すべく機能する。通常であればエアコンプレッサ10とエアドライヤ12とは同圧状態となって均衡が保たれているが、エアコンプレッサ10で生成し得る圧縮空気Aの量よりもエアドライヤ12の先で使用される圧縮空気Aの量が多くなった場合に、エアドライヤ12内の圧力がエアコンプレッサ10内の圧力よりも低くなることが想定される。このとき、コンプレッサドレン導入管14とドライヤドレン導入管16とで圧の不均衡が生じることとなって、低圧のドライヤドレン導入管16の方へドレンDが逆流する可能性があるため、これを防止すべくドライヤドレン導入管16に逆止弁21を配設する態様が好適である。また、該ドライヤドレン導入管16には、必要に応じて開閉バルブBが備えられる。
【0028】
尚、空気圧縮機1におけるエアコンプレッサ10とエアドライヤ12との配設位置について、図示の様に、エアドライヤ12をエアコンプレッサ10より高位置で配設する態様が好適である。かかる態様を採ることで、エアコンプレッサ10並びにエアドライヤ12で発生したドレンDの水頭の高さhが夫々異なることとなるため、各ドレンDの間で水頭圧に差が生じ、エアドライヤ12で発生したドレンDは、ドライヤドレン導入管16を介して、スムーズにストレーナ20へ送出されることとなる。
【0029】
ストレーナ20は、エアコンプレッサ10及びエアドライヤ12から排出されるドレンDの中に含まれる異物(油分やスラッジなど)を取り除くための器具であって、ストレーナベース22と、該ストレーナベース22の上方に載置されるストレーナエレメント27と、該ストレーナエレメント27を内蔵し得るストレーナケース28とから構成されている。尚、ストレーナ20を介在させることで、ドレントラップ30の開放によってコンプレッサドレン導入管14及びドライヤドレン導入管16にて発生し得る負圧を食い止める機能としても作用する。
【0030】
ストレーナベース22には、コンプレッサドレン導入管14並びにドライヤドレン導入管16を夫々接続可能な二個のドレン導入口23が備えられている。また、ストレーナベース22には、二個存するドレン導入口23の各々に連通した二個のドレン噴出孔24が備えられており、ストレーナケース28内にドレンDを噴出可能となっている。尚、ストレーナ20に流入したドレンDについて、ストレーナエレメント27の外方から内方へ通過させるべく、ドレン噴出口24は、ストレーナベース22におけるストレーナエレメント27を載置した箇所より外周位置に備えられる。さらに、ストレーナベース22には、ストレーナエレメント27を通過したドレンDを排出し得る一のドレン排出口25が備えられており、該ドレン排出口25にはドレン導出管26が接続されている。
【0031】
ドレン導出管26は、ドレンDを送出するための中空管から成り、エアコンプレッサ10及びエアドライヤ12から排出されたドレンDについて、ストレーナ20にて異物を取り除いた後、該ストレーナ20からドレントラップ30へドレンDを送出すべく設けられる。
【0032】
ドレントラップ30は、空気圧縮機1にて発生したドレンDを機械的に外部へ排出するための機器であって、その排出方法により電磁式やフロート式などが存在する。本発明で使用するドレントラップ12は、電磁式とフロート式とを問うものではなく、特に限定するものではないが、所定時間ごとの定期的なドレンDの排出に鑑みると、電磁式のドレントラップ30を採用することが好適である。ドレントラップ30には、ストレーナ20のドレン排出口25に接続されたドレン導出管26の他端が接続されることで、ストレーナ20の後段に配設される。これにより、ストレーナ20を介して送出されるドレンDは、最終的にドレントラップ30の作用で外部へ排出されることとなる。ドレントラップ30には、ドレンDを外部へ排出するためのドレン排出管33が接続されている。
【0033】
ドレン排出管33は、ドレンDを送出するための中空管から成り、エアコンプレッサ10及びエアドライヤ12から排出されたドレンDについて、ドレントラップ30を介して最終的に外部へ送出すべく設けられる。
【0034】
本発明で使用するドレントラップ30として、電磁式のドレントラップ30を採用した場合、該ドレントラップ30は、主に電磁弁31とサイクルタイマー32とで構成される。電磁弁31は、電磁的に弁の開閉動作を行うもので、サイクルタイマー32は、かかる電磁弁31の開閉動作のサイクルと時間を制御するものである。すなわち、サイクルタイマー32により、電磁弁31によるドレンDの排出サイクルと共にドレンDの排出時間も制御することとなる。
【0035】
以上の各構成要素から、本発明にかかる空気圧縮機1におけるドレン排出構造は構成される。本発明における圧縮空気Aの流れは、以下のとおりとなる。
すなわち、空気圧縮機1において、エアコンプレッサ10により生成された圧縮空気Aは、配管路Rを通ってエアドライヤ12に送気される。その後、圧縮空気Aは、エアドライヤ12にて乾燥されて水分が取り除かれた後、配管路Rを介して最終的に送気され、各種用途に用いられる。
【0036】
本発明におけるドレンDの流れは、以下のとおりである。
すなわち、空気圧縮機1において、エアコンプレッサ10で発生したドレンDは、エアコンプレッサタンク11内に貯留され、該エアコンプレッサタンク11に存するドレン孔11aを介してコンプレッサドレン導入管14へ流出される。また、エアドライヤ12で発生したドレンDは、エアドライヤ12内に貯留され、該エアドライヤ12に存するドレン孔12aを介してドライヤドレン導入管16へ流出される。コンプレッサドレン導入管14内のドレンDとドライヤドレン導入管16内のドレンDとは、共にストレーナベース22におけるドレン導入口23からストレーナ20内に取り込まれる。ストレーナ20内では、取り込まれたドレンDがドレン噴出孔24からストレーナケース28内へ噴出され、該ストレーナケース28に内蔵されたストレーナエレメント27を外方から内方へ通過して、ストレーナベース22に備わるドレン排出口25を介してドレン導出管26へ流出される。ドレン導出管26内のドレンDは、ドレントラップ30を介してドレン排出管33を通過し、最終的に外部へ排出される。そして、ドレントラップ30の閉鎖(非開放状態)により、ドレンDの排出は一時停止する。
【0037】
尚、上記した本発明におけるドレンDの一連の流れは、ドレントラップ30の開放によって全体が負圧により引っ張られることで一連一体的に排出方向へ流れる態様であって、各機器間において個別にドレンDの流出が行われるものではない。
【0038】
以上のように、本発明にかかる空気圧縮機1におけるドレン排出構造は、内蔵されたエアコンプレッサ10とエアドライヤ12の両機から排出されるドレンDを、一機のストレーナ20を介在させると共に一機のドレントラップ30によって外部へ排出することが可能であって、エアコンプレッサ10とエアドライヤ12の両方に夫々ドレントラップ30を装備しない構成態様であるため、簡易構造で装置の簡略化に資すると共に、メンテナンス性とコストパフォーマンス性並びに機能性の向上に有益なものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、食品加工やレンズなど精密機器の仕上げ加工、清掃等の末端のほか、圧縮空気を使用するあらゆる分野において採用することが可能である。したがって、本発明にかかる「空気圧縮圧機におけるドレン排出構造」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
【符号の説明】
【0040】
1 空気圧縮機
10 エアコンプレッサ
11 エアコンプレッサタンク
11a ドレン孔
12 エアドライヤ
12a ドレン孔
14 コンプレッサドレン導入管
16 ドライヤドレン導入管
17 逆止弁
20 ストレーナ
22 ストレーナベース
23 ドレン導入口
24 ドレン噴出孔
25 ドレン排出口
26 ドレン導出管
27 ストレーナエレメント
28 ストレーナケース
30 ドレントラップ
31 電磁弁
32 サイクルタイマー
33 ドレン排出管
A 圧縮空気
B バルブ
D ドレン
R 配管路
S 圧力計
h 高さ
【要約】
【課題】エアコンプレッサとエアドライヤを内蔵する空気圧縮機において、ドレンの排出構造を簡略化する。
【解決手段】エアコンプレッサ10とエアドライヤ12とを備え、且つ、ストレーナ20並びにドレントラップ30を具備して成る空気圧縮機1におけるドレン排出構造であって、エアコンプレッサ10で発生したドレンDを排出するためのコンプレッサドレン導入管14が備えられると共に、エアドライヤ12で発生したドレンDを排出するためのドライヤドレン導入管16が備えられ、コンプレッサドレン導入管14並びにドライヤドレン導入管16はストレーナ20に接続されると共に、該ストレーナ20の後段にはドレントラップ30が接続されて成り、エアコンプレッサ10並びにエアドライヤ12から排出されるドレンDがストレーナ20に送出され、該ストレーナ20を介してドレントラップ30により外部へドレンDが排出される手段を採用する。
【選択図】図1
図1
図2